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参考人(
松尾静磨君)
東京-モスコー間の
航空機の問題と
利益の問題の御質問でございますが、私たちは現在
ソビエトと話をいたしまして、当分の問共同使用したいと考えておりますのは、ターボプロツプ――プロペラのついたジェットエンジン-TU114でございます。これはDC8――現在われわれ
東京で使っておりますDC8と
比較いたしまして、若干スピードが不足、いわばピュアージェットでございませんので、そういう点では、世界の一流の
航空路に使っている
飛行機といたしましてはちょっと劣るというぐらいに考えております。これで
利益が上がるかどうかの問題でございますが、これはこれからの
交渉でございまして、これをアエロフロートと
日本航空と両方で
ソビエトの
政府からチャーターする、その
チャーター料がまだきまっておりません。この
チャーター料というものが
利益を上げるためには非常に大事な問題でございまして、きょうから、条件、
チャーター料、こういうものについて協議をやるわけでございます。これが非常に安くチャーターできますれば、われわれは、とんとんかあるいはある程度
利益が上がるんじゃなかろうか。
利益が上がりますれば――またこれの配分の問題について
交渉を今回やるわけでございまして、この配分にいたしましても、わが社といたしましては、この
東京-モスコー間を開設したために、北回りのわが社の
飛行機に乗った
お客がこちらへ流れるというマイナスがあるわけですから、
ソビエト側は五〇、五〇でいいじゃないかと言っていますけれ
ども、私たちは五〇、五〇では条件が違うからいかぬのじゃないかと、こういう
交渉をやっておりまして、その配分問題もまだまとまっておりません。だから、私たちとしては、
チャーター料が非常に高くて初めからとてもこれではいかぬということではいけませんし、また、
ソビエト側も、損がいかないような
チャーター料にするということはたびたび言っておりますので、まあ、これは大きな問題でございますが、あんまり損がいかない、できれば初めはとんとんぐらいでいいんじゃないか、そういうところで妥結をしていったらいいんじゃないかと考えております。
それからもう
一つ、現在
ソビエトではイリューシン62という大体DS8と同じ程度のジェット機を開発しておりまして、もうおそらく一、二機できてるんじゃないか。これを一年ぐらい
国内線に
ソビエトとしては使いまして、そしていろいろ悪いところを直し、そして国際線に使っても十分というようなところで、これを私たちは、かりに一年後に使えるとなれば、これをやはり
東京-モスコー間に共同でチャーターしたらどうかというぐあいにわれわれのところでは考えております。そうしますともう少し時間も早くなる、合理的な
飛行機ですから。あるいは
チャーター料その他どうなりますか、このイリューシンよりもそういう面では
利益があがるんじゃないかと、こういうぐあいに考えております。しかし、一週間に一往復でございますから、さして北回りにもそうたいした影響はないんじゃないかと、こういうぐあいに考えております。