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1966-04-27 第51回国会 参議院 外務委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年四月二十七日(水曜日) 午前十一時九分開会
—————————————
委員
の
異動
四月二十二日 辞任
補欠選任
田村賢作
君
上原
正吉
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
木内
四郎
君 理 事 草葉
隆圓
君 長谷川 仁君 増原
恵吉
君 森
元治郎
君 委 員 笹森
順造
君
杉原
荒太
君 高橋 衛君 廣瀬 久忠君 山本
利壽
君 岡田
宗司
君 佐多
忠隆
君
羽生
三七君 大和 与一君 黒柳 明君 渋谷 邦彦君
国務大臣
外 務 大 臣
椎名悦三郎
君
政府委員
外務政務次官
正
示啓次郎
君
外務省アジア局
長
小川平四郎
君
外務省北米局長
安川 壯君
外務省条約局長
藤崎
萬里
君
外務省国際連合
局長
星 文七君
事務局側
常任委員会専門
員 瓜生
復男
君
説明員
外務省条約局外
務参事官
大和田
渉君
—————————————
○
所得
に対する
租税
及びある種の他の
租税
に関す る二重
課税
の
回避
のための
日本国
と
ドイツ連邦
共和国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求め るの件(
内閣提出
) ○第三次
国際すず協定
の
締結
について
承認
を求め るの件(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
国際情勢等
に関する
調査
(
国際情勢
に関する件)
—————————————
木内四郎
1
○
委員長
(
木内四郎
君) ただいまから
外務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。四月二十二日、
田村賢作
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
上原正吉
君が選任されました。
—————————————
木内四郎
2
○
委員長
(
木内四郎
君)
所得
に対する
租税
及びある種の他の
租税
に関する二重
課税
の
回避
のための
日本国
と
ドイツ連邦共和国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件を
議題
といたします。 まず、
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
外務大臣
。
椎名悦三郎
3
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) ただいま
議題
となりました、
所得
に対する
租税
及びある種の他の
租税
に関する二重
課税
の
回避
のための
日本国
と
ドイツ連邦共和国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、
提案理由
を御
説明
いたします。
政府
は、
ドイツ
との間の、
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の
回避
のための
協定締結
につき、
昭和
三十六年五月以来
ドイツ政府
との間で
交渉
を行ないました結果、
最終的合意
に達し、
昭和
四十一年四月二十二日にボンにおいて
ドイツ駐在内田大使
と
ドイツ外務省カルステンス次官
及び
大蔵省ファルク主税局長
との問でこの
協定
に
署名
を行なった次第であります。 この
協定
は、本文三十カ条から成っております。その
内容
は、
わが国
が従来
ヨーロッパ諸国
との間に
締結
しているこの種の
租税条約
とは、ほぼ同様でありますが、案文について、
OECD
の
モデル条約案
の
規定
をできるだけ採用することとしたため
条文数
が比較的多くなっております。
協定
の
内容
のおもなるものは、次のとおりであります。すなわち、
相手国内
にある
支店等
の
恒久的施設
を通じて
事業
を行なう場合の
利得
に対する
相手国
の
課税
につきましては、これをその
恒久的施設
に帰属する
部分
に限るという
方式
によることとし、
船舶
、
航空機
の運用から生ずる
所得
につきましては、
相手国
において
全額免税
としております。
投資所得
に対する
源泉地国課税
の
税率
につきましては、
配当
では一五%、
利子
及び
使用料
ではそれぞれ一〇%をこえないものとしております。
政府職員
、百八十三日以内の
短期滞在者
、二年以内の
短期滞在
の
教授
及び教員並びに
学生
及び
事業修習者
の受け取る報酬や
手当等
につきましては、
滞在地国
において
課税
されないこととしております。また、二重
課税
の
回避
は、それぞれの国の税法の
規定
に基づき、
日本
においては
外国税額控除方式
により、
ドイツ
においては、
投資所得等
一部の
所得
については
外国税額控除方式
、その他の
所得
については
外国所得免税方式
により行なうこととするとしております。 現在
両国
間の
経済関係
は、貿易、
技術導入
、
企業進出等
の諸分野において緊密な
関係
を保っており、また、
文化交流
も盛んでありますが、この
協定
の
締結
によりまして、
両国
間の二重
課税防止
の
制度
を通じ、
経済
、
技術
及び
文化
の面における
交流
が一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この
協定
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。何とぞ御
審議
の上、
本件
につきすみやかに御
承認
あらんことを
希望
いたします。
木内四郎
4
○
委員長
(
木内四郎
君)
補足説明
を聴取いたします。
大和田参事官
。
大和田渉
5
○
説明員
(
大和田渉
君) ただいま
提案説明
のございました、
所得
に対する
租税
及びある種の他の
租税
に関する二重
課税
の
回避
のための
日本国
と
ドイツ連邦共和国
との間の
協定
について、
補足説明
を申し上げます。
わが国
は従来
アメリカ
、イギリスをはじめといたしまして十四カ国との間に
租税条約
を
締結
しておりますが、今回
ドイツ
との間に新たな
協定
を結ぶこととなったわけでございます。
説明
の便宜上、
租税条約
の
一般
的な
構成
についてまず御
説明
申し上げたいと思います。
租税条約
とは、一口に申しますと、
同一
の
所得
に対して
二つ
以上の国で
課税
が行なわれるいわゆる
国際
的な二重
課税
を防止するために
締結
される
条約
であります。
国際
的な
経済関係
が密接になってまいりますと、
個人
も
法人
も、
自国
においてのみならず、
外国
に進出して活動を行ない、あるいは
投資
をして、
所得
をあげるということになりますが、そのような場合、その
個人
や
法人
は、自分の住んでいるいわゆる
居住地国
において、その全
所得
に対して
課税
されると同時に、
外国
であげた
所得
につきましては、その
外国
においても
課税
を受けることになります。ここにいわゆる
国際
的な二重
課税
が生ずるわけでございます。このような二重
課税
は
国際
的な
経済関係
の
発展
にとって悪い影響を与えるものであります。すなわち、
企業
が
外国
に進出しようといたしましても、そこで高額な
税金
をその利益に対して課せられ、また、
パテント等
の
技術輸出
をしようとしても、そこで
ロイアルティー
に対して高額な
税金
を取られるというようなことになりますと、
企業進出
や
技術輸出等
はちゅうちょされるということになるわけであります。 このような二重
課税
の場合には、
居住地国
か
所得
の
源泉
のある国のいずれかが
課税
をしないこととする、つまり、
課税権
を放棄すれば問題が解決するわけであります。そこで考え出された
制度
がいわゆる
外国税額
を控除する
制度
であり、これは
自国
の
居住者
が
外国
で納付した
納税額
は、
自国
の
税額
から控除するというもので、大体これに似た
制度
が
各国
においてそれぞれ
国内法
上とられております。したがって、
国際
的な二重
課税
は、
各国
が
国内法
上の
制度
としてこのような
控除制度
をとることによって
回避
されるのでありますが、これでは、
居住地国
が、一方的に
源泉地国
に譲歩して、
課税権
を放棄するにとどまることとなりますので、さらに進んで
相手国
で取られる
税金
をできるだけ低いものにすべきであるという要求が当然出てくるわけでございます。 そこで
租税条約交渉
が始まりますと、
相手国
で
全額免除
にしてくれなくても、少なくとも
一般
よりは
軽減
してくれという要請を満たすために
双方
とも、
外国税額控除等
の
制度
を
条約
上
相手国
に対して約束すると同時に、
源泉地国課税
の
税率
の
軽減
や
免除
を
交渉
する、こういうことになります。この
交渉
の焦点は、当然のことながら
両国
の
経済関係
の度合いとか態様により異なってまいります。つまり、資本や
技術
を輸出する
投資国
が、それらを輸入する
受け入れ国
と
租税交渉
をする場合は、
投資国側
から
受け入れ国側
に対して、
配当
や
利子
や
ロイアルティー
に対して
税率
を
軽減
ないし
免除
しろという主張をし、
受け入れ国側
は、
税率
を
軽減
して
投資
や
外国技術
を輸入したいにはしたいが、
自国
の
国庫収入源
をも確保したいということで、
税率
はできるだけ高いところで妥協したい、こういうことになります。
租税条約
の中の
配当
、
利子
、
ロイアルティ一等
に対する
源泉地国課税
の
税率
に関する
規定
はこのようにして設けられるわけであります。また、
所得
の種類によっては
相手国
では
課税
しないということになっているものもあり、そのような
所得
についての
免税
に関する
規定
も
租税条約
中に設けられます。これらは、たとえば、
相手国
に半年以内くらいの短期間
滞在
する者の
相手国
での
役務所得
、
教授
や
学生
が
相手国
に教育や研究で
滞在
中に本国から受け取る
手当等
、また、
船舶
、
航空機
の
国際的運航
により
船舶会社
、
航空会社
が受け取る
利得等
でありまして、これらに対しましては、若干の条件がつくことはありますが、大体
相手国
では
免税
ということになっております。
国際
的二重
課税
というのは、このように、
居住地国課税
と
源泉地国課税
の
競合
という形であらわれるのが最も多く、かつ、典型的なのでありますが、このほかにも、同じ
個人
や
法人
が
二つ
以上の国からそれぞれの
国内法
上
居住者
とされたり
内国法人
とされたりする場合に、それらの国から同時に全
世界所得
に対して
居住地国課税
が行なわれるというような、いわば、
居住地国課税権
の
競合
という形であらわれる場合、また、さらに、
同一
の
所得
が、
二つ
以上の国において、それぞれの
国内法
上
自国源泉
であるということとされて同時に
源泉地国
で
課税
されるという、いわば
源泉地国課税権
の
競合
という形であらわれる場合等がありますが、これらの場合には、
条約
上、
相手国
との
合意
により、どちらの
居住者
となるかとか、どちらの国の
源泉
であるかというような
規定
を設けておけばよいような性質の問題でありまして、いわば
定義
上の問題であるということができると思います。
租税条約
の
一般
的な
構成
ないしその
締結
の意義は大体以上のとおりであります。 今回御
承認
を願っております
ドイツ
との
協定
も、概して言えば以上御
説明
いたしましたような
構成
を持っておりますが、おもな事項に関する
内容
ないし特色を簡単に申し上げます。
日独租税協定
は
一般的租税条約
でありますが、
協定
の
対象
とされる
租税
については、昨年発効いたしましたフランスとの
租税条約等
と同じく
所得
に対する
租税
である
国税
のほか、
地方税
も
協定
の
対象
となっており、
カナダ等
それ以前の
条約
より
対象
が広がっております。これは、
OECD
の
モデル条約
において
国税
、
地方税
をともに
条約
の
対象
として含めていることにならったもので、
わが国
としては、
事業税
及び
住民税
並びに
船舶
及び
航空機
について課される
固定資産税
がこれに当たります。このように、今回の
協定
におきましては、
住民税
の
均等割り
の
部分
、及び
固定資産税
という
所得
に対する
租税
とは言い切れない
部分
も入っておりますので、
協定
の表題におきましてこれらが含まれていることを明らかにするため「ある種の他の
租税
」という字句を入れてあります。
定義
の
条項
が第三条及び第四条にありますが、ここでは、「一方の
締約国
の
居住者
」の
定義
を置き、いわゆる二重
居住者
については、
双方
の
合意
によりその者の
居住地国
を決定して、この
協定
の
適用
を受けさせることとし、従来の
わが国
の
租税条約
が
双方
の国の
居住者
を
適用
の
対象
としなかったことに比べ一歩進んだ
方式
をとっており、
恒久的施設
の
定義
も最近の
わが国
の
条約例
と
同様OECDモデル条約
における
恒久的施設
の
定義
の
規定
を採用しております。
企業
の
利得
の
計算方法
や海運、
航空所得
の
相互免除
の
規定
は、他の
租税条約例
や
OECDモデル条約
と同様であります。
投資所得
の
源泉地国課税
の
税率
については、
配当
は一五%、
利子
、
ロイアルティー
は一〇%をこえないものとしております。なお、
親子会社
間の
配当
につきましては、
配当所得
及び
留保所得
に関する
両国
の
税率
が大幅に異なることを考慮して、
日本側
は一〇%、
ドイツ側
は二五%をこえない税を課することができることとしております。このほか、
政府職員
、
短期滞在者
、
教授
、
学生
が
相手国
で
免税
を許与される旨の
規定
が置かれていることや、その
規定ぶり
は、すべて、ほぼ従来の
条約先例
や
OECDモデル条約
と同様であります。また、二重
課税回避
のための
方法
に関する
規定
として、この
協定
においては、
日本側
は
外国税額控除方式
によること、
ドイツ側
は、
投資所得
の
源泉課税
については
外国税額控除
、その他の
所得
については
外国所得免税方式
によることとされています。
両国
の権限のある当局間の
協議
や
情報交換
の
規定
、
租税
上の内
国民待遇
の
規定
も、他の
租税条約
と同様であります。この
日独租税協定
では、
OECD
の
モデル条約
に可能な限り忠実に沿ったことから、若干
条文
の数も多くなっておりますが、
条文
の数が若干多くなっていることには、
ドイツ連邦共和国
の特殊な事情によるものも一、二あります。すなわち、
ドイツ
(州、
地方公共団体
を含む。)は、第二次大戦中に行なわれた
敵対行為
または
政治的迫害
の結果受けた傷害または損害に対して
年金等
を支払っておりますが、これについては
日本国
の
租税
を
免除
することを第十九条第六項で定めております。また、
ベルリン地区
につきましては、
米英仏
三国の管理が及んでいる結果、
ドイツ
が
締結
しまたは制定する
条約
または法律は、当然には同
地区
に
適用
されないこととなっているため、
協定
第二十八条におきまして、
ドイツ
が
協定発効
の日から三カ月以内に
日本
に対して反対の宣言を行なわない限り、この
協定
を
ベルリン地区
に
適用
すると
規定
し、
ドイツ
がこの
協定
が
ベルリン地区
に
適用
されるのに必要な諸
手続
を行なう時間的余裕を与えるようにしております。この
規定
は、
ドイツ
が結んでいるすべての
条約
に挿入されているいわゆる
ベルリン条項
といわれるものでありまして、
ベルリン地区
を含ませることが必要な
条約等
において必ず設けられるものであります。 以上、簡単でございましたが、
補足説明
を終わります。
木内四郎
6
○
委員長
(
木内四郎
君) 以上をもちまして
説明
は終了いたしました。
本件
に対する自後の
審議
は後、日に譲ることとといたします。
—————————————
木内四郎
7
○
委員長
(
木内四郎
君) 第三次
国際すず協定
の
締結
について
承認
を求めるの件を
議題
とし、これより
質疑
を行ないます。
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
森元治郎
8
○
森元治郎
君 いま
政府委員
から
日独
二重
課税
の
説明
があったが、簡単でございましたが以上で終わります
——
簡単じゃない。長過ぎるから、これは印刷して
要点
を。いつも
外務省
からもらう書類を見ると、ありったけの
知識
をさらけ出して書くのだが、
新聞記者
が書くように
要点
をぴしっと書いて、
国際
間の
税金
の問題なんて
ほんとう
にむずかしいですよ、正直言って。
ほんとう
に理解するといったら該博な
知識
がなければならぬ、経験がなければならぬ。だから、
要点
をよくひとつまとめてお出しを願えば
審議
が早いと思うんですね。 そこで、
委員会
の
審議
の進行にも
関係
ありますから、
すず
をちょっと伺っておきます。
協定
の
目的
とかあるいは改定の
要点
だとか、
日本
の
関係
とか、三、四項目で五、六分でぴしゃっとひとつ明快な
説明
をしてください。できますよ、そんなもの、
要点
というものは。
大和田渉
9
○
説明員
(
大和田渉
君) それでは、第三次
国際すず協定
の
要点
を申し上げます。この
協定
は、第二次
協定
がことしの六月三十日
有効期限
が切れますので、それを更新するものとして、五年間の
有効期間
を持っておりますが、昨年三月、四月にかけてニューヨークで行なわれました
国連すず会議
で採択された
条約案
でございます。
日本
は、
署名開放期間
中である昨年の十二月二十三日にこれに
署名
しております。この
協定
の
仕組み
、
目的
は、第二次
協定
の
内容
をほぼ踏襲しております。ただ、第二次
協定
と変わっております点が、おもな点が三点ほどございますので、その点を御
説明
申し上げます。 第一点は、
すず協定
には
消費国
、あるいは
生産国
として加入しているわけでございますが、いずれの国も、第二次
協定
は、最初に
生産国
として加入した国は引き続き
最後
まで
生産国
、もしくは、
消費国
として加入した国は引き続き
最後
まで
消費国
であったわけでございますが、第三次
協定
では、この
有効期間
中に
消費国
から
生産国
に、あるいは
生産国
から
消費国
に移り得る
規定
を設けております。このことは、具体的には、オーストラリアが
消費国
として加入する予定になっておりますが、この
有効期間
中に、将来
生産国
に変わるかもしれないということを考慮して設けられた
規定
でございます。 それから、改正のおもな点の第二点は、この
すず協定
の
目的
は、
すず
の
国際価格
を安定させ、それによって安定した
価格
の上で
すず
の取引をより活発に行なう、それに伴なって
生産
をふやそうというような
一般
的な
目的
を持っておりますが、その
仕組み
といたしまして
緩衝在庫制度
というものを持っております。これは、
すず
の
現物
あるいはそれに見合う
現金
として
すず
の二万トン分を
生産国
が拠出しまして、それを
緩衝在庫
にいたしまして、値段の
上がり下がり
に応じて
在庫
を操作いたしまして安定に寄与するというような
仕組み
にいたしておりますが、第二次
協定
におきましては、その
現物
と
現金
の
割合
が合計二万トンで同じでございますが、
現物
が一万二千五百トン、それから七千五百トン分の
現物
に見合う
現金
というような
割合
で拠出することになっておりましたが、第三次
協定
におきましては、
現物
と
現金
の
割合
については何らきめず、ただ二万トン分の
すずの額
に見合う分というだけをきめております。この
内容
の、
現物
をどのくらいの
割合
にするか、
現金
をどうするかという点については、この
協定
が発効いたしまして、
理事会
できめるということになっております。 それで、第二次
協定
と違います点の三番目の点は、非
商業的在庫
政府備蓄
でございますが、この
放出
に関する
規定
がございますが、それが第二次
協定
ではかなり厳重な
規定
が設けられておりまして、たとえば、六カ月の予告をもって公表する、その分量あるいは
放出
の
方法等
についても六カ月前に公示しなければならないという
規定
がございましたが、第三次
協定
におきましては、事前に
理事会
で
協議
をするということだけで、あらかじめ六カ月も前から公表する云々という
規定
がなくなったわけで、かなり非
商業的在庫
の
放出
については
規定
が緩和されておるというような結果になっております。 以上であります。
杉原荒太
10
○
杉原荒太
君 さっき森さんも言われたが、きょうは質問じゃない、
希望
を言っておくけれ
ども
、二重
課税
問題で、ここにどんなことが書いてあるかということは読めばわかるのだから、われわれは、これをつくった結果、つくらない場合と実際上どう違うかというようなことだけ端的に
説明
してもらいたいのだ。
税金
なら
税金
を取られるほうと取るほう、実際上の結果が税収の上でどう違うかということなど、そういうことなどを
説明
してもらいたいんです。これはこの次のあれだが、いまから
希望
を表明しておきます。
森元治郎
11
○
森元治郎
君 閣議に報告するように、
大臣
は頭がざっぱくなんだから、損か得かということを、そんなことをすぱっと言ってくれればいい。
木内四郎
12
○
委員長
(
木内四郎
君) 他に御
発言
がなければ、
本件
に対する
質疑
は、本日はこの程度にとどめます。
—————————————
木内四郎
13
○
委員長
(
木内四郎
君) 次に、
国際情勢等
に関する
調査
を
議題
にいたします。 これより、当面の
国際情勢
について
質疑
を行ないます。御
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
羽生三七
14
○
羽生
三七君 先日、参議院の
内閣委員会
で、外相は十八カ国
軍縮委員会
への
参加
を
希望
することを表明されて、
アメリカ
あるいは
ソ連等
にも協力を求める、こういう態度を示されたわけでありますが、もちろん、私
ども
も原則的には
賛成
であります。特に、
国連
がいろいろ批判されておる際、正しい意味の
国連
に
発展
をさして、その中で
軍縮
問題を真剣に討議することは、これは重要なことでありますから、そういうことにはもちろん異存がないのみならず、
賛成
でありますが、そこでその場合に、十八カ国
委員会
で
ソ連
、
アメリカ等
、これが中心になって認めれば、これで
参加
がきまるのか、あるいは最終的には
国連総会
で決定すべきことなのか。もちろん、最終的には
国連総会
で決定すべきことだと思いますけれ
ども
、一応十八カ国
軍縮委員会
で了承が得られれば、最終的には
国連総会
の議を経なければならないにしても、何らかの形で一応の
参加
という形をとり得るのか、その辺はどうなんでありますか。
星文七
15
○
政府委員
(
星文
七君) 私
ども
の
了解
している範囲では、まず、ともかく十八カ国
軍縮委員会
の
共同議長国
である
アメリカ
と
ソ連
の
了解
ということが先決問題であろうと思います。その上で
了解
ができれば、おそらく十八カ国
委員会
の場でのやはり
合意
といいますか、
賛成
というものがなければならない。その後にいわゆる
国連総会
ということで
承認
してもらうというのが手はずであろうかと思っております。
羽生三七
16
○
羽生
三七君 それはわかっているんですが、秋の
国連総会
で決定を見るまでは、十八カ国
委員会
で
承認
されても、それは一応
承認
されたというだけで、実質上の
参加
ということにはならないのか、その間でも
参加
して
発言
の
機会
があるのかどうか、その辺。
星文七
17
○
政府委員
(
星文
七君) 先ほど申し上げましたような
手続
によりますと、やはり
正式参加
というものは
国連総会
の決議を待たなければならぬということで、おそらくそれ以前には正式に十八カ国
委員会
に
参加
するということはあり得ないのではないかというふうに考えております。
羽生三七
18
○
羽生
三七君 この問題は従来の経緯を見ると、御承知のように、あのときは
ソ連
が
日本
を
中立国
と認めないことによって
参加
ができなかったわけですね。そこで、今度もし
米ソ両国
の
合意
が得られて、さらに十八カ国
加盟国
みなが
承認
をして
参加
するようなことになる場合に、それは
日本
はどういう
立場
から
承認
を得る
可能性
があるのか。あるいは
西側
の
代表
と見られるのか、
中立国
の
代表
と見られるのか。あるいはもし
西側
の
代表
と見られるならば、バランスをとるために、
東側
からも他の国を選ぶということもあるし、その辺は
日本自身
としてはどういう
立場
で臨んでおられるのか。
星文七
19
○
政府委員
(
星文
七君) 全くの想像でございますけれ
ども
、まあ、
西側
の一員として入ると、そうしますと、いま御指摘のとおり、
東側
もふやさなければならぬ、あるいは場合によっては非
同盟諸国
もまたふやさなくちゃならないという事態になりかねないのではないかというふうに想像しております。
羽生三七
20
○
羽生
三七君 それで私は先ほ
ども
、十八カ国
軍縮委員会
に
参加
することには
賛成
だし、それからまた大事だと申しましたが、それは
内容自体
によりけりで、どうも
日本
が
西欧陣営
に属しておると
——前々
から言っておるから、それに違いないけれ
ども
、明らかにそういう形を表明されて
参加
を求められるのはどうかとも思いますし、特に、これがやはり将来十八カ国
軍縮委員会
で
核拡散防止条約等
を取り上げたり、さらにもっと
発展
しては、核の本質的な問題にまで
発展
する場合、核のみならず、
軍縮
まで
——
そうすると、
世界軍縮会議
の
参加
にも関連をして、私はなかなかこれは重要な問題だと思うんです。そこで
西側
か
中立
かということは、ここで議論しても始まらない問題で、いずれどういう
立場
がいいかということはゆっくり
機会
を見て申し上げたいと思っておりますが、その場合、
日本
としてはたとえば十八カ国
軍縮委員会
に臨もうというのに、私はこの前もちょっと申し上げたと思いますが、ただ、
日本
も仲間に入れてくれよというだけではこれはおかしな話で、何らかの構想があって、あるいは
軍縮
に対する一応の考え方を持っておって、それを反映させるために
参加
をしたいということでないと、ただ
日本
も大国になったんだから仲間に入っておかなければというようなことではならないし、また、そんなことでもないと思う、
政府
の考え方は。そうなると、
核拡散防止条約等
についてどういう態度で臨むのか、あるいは前に下田
発言
に見られたように、核保有国、特に大国の核の漸減を義務づけるように何らかの試案を持っておるのか。そういう基本的な問題をある程度考えた上で
軍縮委員会
への
参加
を求められておるのか。そうでないと、何が何でもとにかくちょっと入ってみるのだということでは、どうにも私たち了承ができない気がするのですが、一応の構想というものがあってしかるべきだと思うのですね。しかも、それが当面の問題になってくるのじゃないですか。だから、
ソ連
なり
アメリカ
の協力を求めたと言われるのですが、求めるについては、入る、少なくとも秋の
国連総会
の
承認
を目ざしていくというわけですから、その間十八カ国
軍縮委員会
がかりに事前に
承認
をして、場合によってはオブザーバーとして
発言
の
機会
がないとも限らないと思う。その場合に、何の抱負、構想もなしに、ただ
参加
するということだけではおかしいと思う。
椎名悦三郎
21
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) もとより、ただ通り一ぺんの資格を得るために
参加
を
希望
しておるわけではございません。こまかいことを言うまでもなく、
軍縮
、特に核
軍縮
の問題については、これは
日本
といたしましては、事実によって
日本
の決意を示しておるというような状況でありまして、ただ漫然と入るというのではもちろんないのであります。しかし、加入
手続
する以上、加入の理由は何だというようなことはないのであります。
羽生三七
22
○
羽生
三七君 もちろん、それはないけれ
ども
、おまえの国が加入するのはどういう理由に基づくかと聞くようなばかなことはありっこないので、問題は、望む以上は
日本
は何らかの構想を持つべきじゃないか。そのあらましを、核拡散防止等に関連をする
日本
の
軍縮委員会
に
参加
する
希望
の基本をなす考え方、これをひとつ承っておきたい。こまかいことはいいですよ。
椎名悦三郎
23
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) まず、核実験、
部分
的実験禁止
条約
、これに
日本
は加入しておりまして、何がその理由であったかということは、言うまでもなく、拡散防止の意味においても、これ以上実験を継続するということはよろしくない。進んで地下実験に対しましても探知クラブの一員として十分に貢献し得るという確信を持ってその意思を表明しておることは、御承知のとおりでございます。それから、拡散防止の問題につきましては、これは能力があるとかないとかというようなことについて議論がございましたが、世界のどの方面の意見を聞いても、
日本
は今日においては核開発の能力ありという判定でございます。
日本
もまたやろうと思えば、相当の費用はかかりますが、能力としては
日本
は持っているという自信を持ってしかるべきものと考えますが、しかし、それにもかかわらずこれは開発しない、それから、開発しておる国からの譲り受けも受けない、とにかく持たない、こういうたてまえをとっておるわけでありますが、
日本
と同じように、能力があってまだ開発をしないという国はある。これらの国国の意見としては、持っているところはそのまま認めて、そうしてまだ持たない国だけに一方的に義務を課するということは適当でない。そういう形式論は別問題として、いずれにしても、核
軍縮
という、そうして
最後
にはこれを完全
軍縮
という目標を持ってこの問題に核所有国も臨むべきであるという議論がほとんど定論になっておるのでありまして、そういう意味でこの拡散防止
条約
を
締結
するにあたっては、持たない国、持っておる国、それぞれやはりみずから自粛自制をして、そうして核を含む軍備の完全廃止、そういう理想に向かう姿勢をとるべきである、こういう考え方を
日本
は持っております。
条約
に具体的にどういうふうに文句を入れるか、それともこれと離れた適当な
方法
によってこの問題を明確にしていくか、その
方法
については必ずしもただいまきまっているわけじゃありませんけれ
ども
、核拡散防止については、少なくとも当面の問題としてこれは重要なものであり、
日本
といたしましては、以上申し上げたような考え方を持ってこの問題に臨みたいと考えておる次第であります。
羽生三七
24
○
羽生
三七君 ある程度わかりましたけれ
ども
、ただ
条約
が、
条約
か
協定
かこの拡散の
方法
、それができちまってそれが
賛成
か反対かというようなことになってきた場合の論議というものは、それなりに重要なことに違いないけれ
ども
、その前に、
日本
の意見が反映するかどうかということに比べれば、あまり意味のないことになってしまうと思うのです。ですから、その辺の見通しは、これは
国連
局長
でもいいのですが、どうなんですか。近いうちに
協定
ができ上がりそうなのか、それはまだしばらく先で、
日本
が
参加
してから
——
かりに
参加
を認められた場合でも
発言
できるような情勢にあるのかどうか、その辺の見通しはどうですか。
星文七
25
○
政府委員
(
星文
七君) 拡散防止
条約
の原案につきまして米国案、
ソ連
案というものが
二つ
出されているということは御存じのとおりでありまして、ただいまジュネーブの
軍縮委員会
は主としてこの拡散防止の問題に主力を置いて
審議
を進めておりますけれ
ども
、私たちの得ている情報によりますれば、やはり西
ドイツ
の核への接近といいますか、あるいは欧州のMLF、ANF、そういった構想に対する
アメリカ
と
ソ連
との態度の相違という点が、やはりこの
条約
の
合意
の障害になっているのじゃないか。そういう意味からいいますと、ちょっと近いうちに
合意
を見るということがないかのように思えるわけでございます。
羽生三七
26
○
羽生
三七君 もう一つですが、いまの
外務大臣
のお話の中には特に触れられていなかったけれ
ども
、そういった、いま述べられたような基本路線に沿って、大国の、核保有国の核の漸減
——
一定期限をつけての漸減を義務づけるような方向を
日本
としては指向しておるのかどうか、考えておるのかどうか。その辺はどうですか。
椎名悦三郎
27
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) その問題、概括的な考え方は、申し上げたとおりでありますが、これを
技術
的にどういうふうに取り扱っていくか。すなわち、
条約
の
内容
にこれを盛り込むにしても、どういう表現にするかといったような、そういう
技術
的の問題については、まだ実は成案を得ておりません。
羽生三七
28
○
羽生
三七君
技術
的でなくてもいいですよ。考え方としてはそういうことでいいんですか。
椎名悦三郎
29
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) 考え方としては、先ほど申し上げたような考え方をいたしております。
森元治郎
30
○
森元治郎
君
大臣
、この十八カ国の
軍縮
会議を見ていて感ずることは、相当勉強したつもりだが、私の得ておる結論は、せめて地下実験の禁止
協定
をこの十八カ国
軍縮委員会
でまとめられれば最大の目標は達成できるのじゃないか。持たない国の安全保障をどうするかというようなことを議論したら、とてもこれは、東西の
立場
も違うし、むずかしい問題です。さしづめやれそうなのは、実験禁止
協定
、地下の。これが中国にも影響を与え、
軍縮
作業が進展する。こういう点、
日本
は強く主張すべきだと思うんですが、どうですか。
羽生三七
31
○
羽生
三七君 核探知クラブヘの
参加
もその辺が関連しておるのじゃないか。
椎名悦三郎
32
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) 御指摘のとおり、そういう考え方を持って、そういう方向に進みつつある状況です。
森元治郎
33
○
森元治郎
君 だれが進みつつあるのですか。
政府
が進んでいるのですか。よその国がそっちへ向いているのか。だれが
——
主格のない話でわからないが、
日本
はそれを強く主張する絶好のチャンスだと思うので、地下実験禁止……。
椎名悦三郎
34
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) 探知クラブの結成は五月の二十三日になっております。
日本
はこれに加入する
——
出席する所存でございます。
森元治郎
35
○
森元治郎
君
日本
は探知クラブなんというクラブへ行って、人がやっているようなことを隣の部屋で音を聞いているようなかっこうじゃ、政治じゃないんだよ。それで探知ができて、あっさりわかるなら、松代地震でもみんな片づいてしまう。国会で松代地震のことをやる必要もない。だから、地下核実験禁止をやれ十八カ国は、せめてこれをもって、来たるべき総会に十八カ国
委員会
の結果はこれですということを出すことが一番大事。そっちのほうに
日本
政府
は声を大にして米、ソ、イギリスに呼びかけるべきだ。その御決意があるかどうか、やっているかどうかということです。
椎名悦三郎
36
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) ですから、十八カ国
軍縮委員会
に加入する切なる
希望
は持っておりますが、なかなか……
森元治郎
37
○
森元治郎
君 入らなくてもいいですよ。
椎名悦三郎
38
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) 入らなくても、そういう声を出すということについては、すでにそういう声を出しているのですから……
森元治郎
39
○
森元治郎
君 聞こえないです。
椎名悦三郎
40
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) 聞こえないですか。聞こえるような声を出します。
森元治郎
41
○
森元治郎
君 何でそれが聞こえないかといいますと、いま
政府
のほうから放送されているのは、核を持たない国が、あぶなくてしかたがないが一体どうしてくれるのだ、こういう議論もはっきり新聞に出るから、私は、政治家としてそっちをおやりなさいということを鞭撻して言ったわけです。 そこで、もう一つ関連して、
国連
には決議というものがありますね。
国連
決議についての取り扱いについて伺いたいのだが、核拡散についての
国連
の決議、昨年のたぶん十一月二十九日の
国連
決議だと思う。そのときには、非核武装の宣言の、非核武装地帯のものもあったし、それから、中共も入れた
世界軍縮会議
をやれという決議も圧倒的多数できまっている。これを再び声を大にするということを
国連
ではやらないのかどうか。なぜそういうことを聞くかというと、中共の侵略国だという決議は、年じゅう
——
第五総会だったと思うが、
国連
は、侵略の決議は、絶えず再確認のような構想が
アメリカ
その他から出ているが、大事な核実験禁止、十八カ国
軍縮
、非核武装、それから
世界軍縮会議
、この決議案というのは、しっぱなしではこれは相すまないと思うのです、反対が少ないのですから。棄権はあるけれ
ども
、反対がほとんどないのだから。決議の取り扱いに対する
日本
の態度はどうなんですか。決議の実行を迫るということがなければ、何の意味もないと思うのだ、決議は。
星文七
42
○
政府委員
(
星文
七君) 御指摘のとおり、昨年の二十総会では、まず第一
委員会
で拡散防止に関する決議案があり、それから御指摘の
世界軍縮会議
の決議案、それから全面核実験禁止の
条約
、それからまた
一般
完全
軍縮
についての決議というものが行なわれておりますし、この拡散防止
条約
と、それから全面核停
条約
、この
二つ
についての決議案は、それぞれ十八カ国
委員会
の注意を喚起して、非常にこれは緊急を要する
議題
であるということで、一応十八カ国
委員会
のほうに譲った形になっております。それから
世界軍縮会議
のほうは、御承知かと思いますが、コンサルテーションといいますか、
協議
を、必要な
協議
をすべての国と行なうということを決議に書いてございますが、現在のところ、一向そういった非公式な
協議
というものが行なわれているという情報には接しており、ません。昨年の総会の決議の状況は、そういうようなものです。
佐多忠隆
43
○佐多
忠隆
君 いまあげられた
軍縮
に関する
国連
の諸決議、それを資料としてひとつ出していただきたいと思います。
星文七
44
○
政府委員
(
星文
七君) 英文でよろしゅうございますか。
森元治郎
45
○
森元治郎
君
日本
文。
星文七
46
○
政府委員
(
星文
七君) はい、
日本
文。
佐多忠隆
47
○佐多
忠隆
君 それから、先ほど
大臣
は、拡散防止の問題について、大国
——
核保有国に対しても一定の義務、制約を負わすような主張を
日本
は主張しているのだと、それを一体どういうふうにあらわすかというような問題は、
技術
的な問題でいま考えていないというようなお話であったのですけれ
ども
、もうすでに拡散防止
条約
の案は、
ソ連
でも、
アメリカ
でも、りっぱなものができ上がっている、向こうでは。したがって、それに対してさらに
日本
の意向をどう反映するかということを反映させるためには、それを具体的にどういう
手続
によってどういう文言で示すかという具体的な案まで持っていなければ、少しも強い主張にならないと思うのですが、その点は
大臣
、どういうふうにお考えになっていますか。
羽生三七
48
○
羽生
三七君 ついでにいまの佐多さんのことに関連して、その場合、いま佐多さんの言われたような問題を、何らか、たとえば
軍縮委員会
に
参加
できればいいけれ
ども
、その前にそういうことが起これば、具体的に文書にして提示するとか、あるいは何らかの外交機関を通じて口頭で申し入れをするとか、そういう具体的な動きがないと、いまの御答弁が非常に実のないものになってしまうので、佐多さんそれを言っておると思う。
星文七
49
○
政府委員
(
星文
七君) 確かに、いま先生おっしゃったとおりであると思いますが、何ぶん
ソ連
と
アメリカ
の案が提出されておりますけれ
ども
、いまだ逐条
審議
には入っていないというふうな段階にございますし、
わが国
といたしましても、拡散防止については昨年の
国連
の全メンバーからなる
軍縮委員会
において、また、
外務大臣
も昨年の二十回総会で
わが国
の
一般
的な態度を表明しているという状況でございまして、いま格別にいろいろな問題を取り上げて、文書なりあるいはほかの形によって十八カ国
軍縮委員会
に訴えるということは、当面事務的には考えておりません。
羽生三七
50
○
羽生
三七君 どうやって反映させるの、意向を。具体的にはどうして反映させるのですか。入れるのならいいですよ、それまでに問に合うならば。
星文七
51
○
政府委員
(
星文
七君) まあ、具体的には、私は、はなはだテンポがのろいと言われるかもしれませんが、今度の二十一回総会、そういうところで十分表明する
機会
があるのではないかというふうに考えております。
岡田宗司
52
○岡田
宗司
君 地下核実験探知クラブですね、これに
日本
が入るというお話でしたが、このストックホルム会議に
日本
が
参加
するその
代表
の資格は、どういうことなのでしょうか。これは正式の
政府
代表
でないと聞いているのですが、その点はどういう資格ですか。
星文七
53
○
政府委員
(
星文
七君) 今度の五月二十三日から二十七日まで行なわれますストックホルムの会議は、専門家の会議
——
エキスパートの会議ということになっておりまして、この外交的
代表
、ディプロマティック・リプリゼンテーションに対してもオブジェクションはないということになっておりますので、今度出席いたします者は、
技術
者というふうな資格で
参加
するわけでございまして、
日本
政府
の
代表
というかっこうでは
参加
しないというたてまえになっております。
岡田宗司
54
○岡田
宗司
君 この会議は単に
技術
的な問題の探究だけなのか、あるいはこの会議を核実験の全面的禁止へ持っていく予備段階としての会議なのか、その性格はどういうことなのですか。
星文七
55
○
政府委員
(
星文
七君) 性格は、いま申されるように、私は全面核停
条約
ということを目標にして、こういうことを、会議を開いていくのだろうというふうに、スウェーデンの従来の
国連総会
における演説等から見て、そういうことが言、えるのじゃないかと思いますが、御承知のように、スウェーデンは
中立国
として非常にその
立場
に慎重を期しておりますので、今度の会議はもっぱら
技術
的な意見の交換ということに限っているようであります。
岡田宗司
56
○岡田
宗司
君 この会議において、もし地下核実験というものの探知がかなり精度が高くできる、一〇〇%とまでいかないでも、九〇%とか九五%とかいうような程度でできる、こういうことになりますというと、全面的核実験停止を進める上に非常に有力な武器に、てこになると思うのです。そういうような結果が得られたときに、一体この会議に
参加
した国々、つまり核実験探知クラブに
参加
した国々は、全面的核実験停止を実現させるために
国連総会
に対して何らかの提議をするようになるかどうか、また、
日本
政府
としてはそれをそこまで持っていくための積極的な態度をもって臨むのか、ただおつき合い程度で入るというのか、その点はどうお考えになっておりますか。
椎名悦三郎
57
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君)
技術
者の会議ということになっておりますが、もちろん、
政府
との打ち合わせに基づいて出かけるわけでございまして、
日本
の地震探知の
技術
は非常に進んでおることは世界でも認めております。で、この専門家会議の結論をどういう
方法
でこれを政治的な舞台に乗せるかというその問題については、今後十分に申し合わせ、
協議
をしてきまることであると考えますが、いずれにいたしましても、これはただ
技術
家を満足させるための会議ではない。
日本
といたしましても、そういう期待を持っておる次第でございます。
岡田宗司
58
○岡田
宗司
君 もしそういう期待を持ってこの会議に
参加
するならば、それを望む
日本
政府
の態度というものはもっと明らかでなければならぬと思うのです。すなわち、この会議が成果をあげるならば、その成果をもって直ちに全面的な核実験停止を実現するように、
ソ連
なりあるいは
アメリカ
なり他の国に対して働きかけるということが必要だし、また、そういう態度をもって臨むならば、初めて私はこの会議においても大きな
発言
権を持つし、また、今後この会議に
参加
したものが世界的に
発言
権を持ち得ることになると思うのです。ただ
技術
的な問題について
日本
はすぐれた
技術
を持っているから勧誘されたから
参加
したのだ、あとのことはそれから考えるのだということでは、私はあまりに消極的じゃないかと思うのですが、どうでしょうか、その点は。
椎名悦三郎
59
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) この会議の討議それ自体はきわめて専門的なものであります。その成果については、
日本
としては十分にこれを活用したいと、こう考えております。
岡田宗司
60
○岡田
宗司
君 それから、先ほどのお話では、私あるいは聞き違いかもしれないけれ
ども
、外交
関係
の人々の出席もできるということに……そうですね。
星文七
61
○
政府委員
(
星文
七君) そうです。
岡田宗司
62
○岡田
宗司
君 ディプロマティック・リプリゼンテーションは向こうができるという招請出したのですね。それに、なぜ
日本
はその
方法
をとらないで、そうして単なる
技術
専門家の派遣という形をとったのですか。これはやはり私は
日本
の態度が消極的じゃないかと思うのです。その点いかがですか。
星文七
63
○
政府委員
(
星文
七君) 主催国のスウェーデンから
日本
あてに参りました勧誘の手紙の中に、今度の会議はサイエンティフィック・エンド・テクニカル・キャラクターであるということをはっきり述べておりまして、そういう性質上、ここに
代表
する人々は遠距離地震学とそれから地震の材料についての処理についてのエキスパートであるということが望ましい。で、そういったエキスパート以外のディプロマティック・リプリゼンテーションということに対してはオブジェクションがございませんという書き方にしてございますので、その要望に従ってわれわれはそういうふうに処理した次第でございます。
岡田宗司
64
○岡田
宗司
君 もちろん、これは専門家の会議ですから、そういう人を出すことも必要でしょうけれ
ども
、それと同時に、この会議の性質から見て、スウェーデン
政府
があげておりますように、このディプロマルティック・リプリゼンテーションということも、私は積極的なその態度を表明するものとして、さらにそれを進めるものとして必要じゃなかったかと思うのですが、その点どうお考えですか。
星文七
65
○
政府委員
(
星文
七君) したがいまして、
外務省
からもディプロマティック・リプリゼンテーションという名目で
国連
局の科学課長が出席することにしております。こういったエキスパートの会議でありますけれ
ども
、ねらいは先ほど御指摘のとおりだと思います。そういう点を十分
外務省
としても観察をしていきたい、こういうように考えております。
岡田宗司
66
○岡田
宗司
君 次に、これは別の問題ですが、過日
アメリカ
の上院でマンスフィールド議員がベトナムの和平問題について
発言
をして、その後
アメリカ
政府
から
日本
のほうにも何らかの申し入れがあったように伝えられておる。過日の
委員会
で私が質問をいたしましたところが、まだそういうものはなかった、こういうお話でしたけれ
ども
、その後の新聞で見ますというと、たとえばけさの新聞で見ますというと、向こう側で
——
アメリカ
のほうで、
日本
とインドは賛意を表明して努力するということだという発表があったのですが、その申し入れがあったかどうか。それからその申し入ればどういう趣旨のものであったか。それに対する
日本
政府
としてそれにどういう答えをしたのか。その点御
説明
願いたい。
安川壯
67
○
政府委員
(安川壯君)
アメリカ
政府
からこのマンスフィールド提案につきまして正式の申し入れというようなものはございません。ただ、わがほうの現地の大使館では、国務省との間に、これはベトナム問題につきましても常時連絡しておりますし、いろいろ意見の交換、情報の交換をいたしております。そういう接触を通じまして、ただ感触といたしましては、現在
アメリカ
政府
としましては、このマンスフィールド提案にありますように、
日本
かビルマがいわゆる平和会議を提唱してきたらこれに応じてそれが何らかの成果をあげるというふうには感じておらないようでございます。しかし、もしそういう機運が将来出るならば、
日本
あるいはビルマがイニシアチブをとっていくことが望ましい、こういう感じを持っておるようでございます。したがって、いますぐに
日本
なりビルマがこういう会議を提唱しても、これがものになるというふうには思っておらないようでございます。したがいまして、現在
アメリカ
側から、この際
日本
がひとつイニシアチブをとってほしいというような申し入れがあるような情勢にはないと判断しております。
岡田宗司
68
○岡田
宗司
君 そういたしますと、新聞で、向こうでもって、
日本
も喜んで応ずるというような発表をしておるのは、正式の申し入れに対する正式の回答を受け取ったからではなくて、
アメリカ
の国務省とワシントン駐在の
日本
大使との話の間から
アメリカ
側がそういう印象を受けた、そうしてその申し入れにも、それからなおその回答にも、何ら具体的なものは含まれておらない、時期についても、あるいはどういう呼びかけ方をする、どういう国に呼びかけるか、場所をどこにするか、そういうことについては何ら具体的なものは含まれておらない、そう解釈してよろしいですか。
安川壯
69
○
政府委員
(安川壯君) そういう趣旨の申し入れというものは全然ございませんし、したがいまして、そういう公式にしろ、非公式にせよ、向こうの申し入れにこちらは答えたという事実はございません。あくまで両方の感じ合い方がそのまま新聞に出たのではないかというふうに想像いたします。
佐多忠隆
70
○佐多
忠隆
君 ベトナム問題の平和的な解決のために、
外務大臣
は
ソ連
に行かれて
ソ連
にそれを話し合われたようですが、同時に、
ソ連
なり中国に言わせれば、
日本
はわれわれにそういうものを話するのでなくて、
アメリカ
にもう少し話し合いを積極的にやったらどうだとしっペい返しを食っているようですが、
アメリカ
に対しては平和的な解決のためにどういうふうな話し合い、どういう勧告をしておられるのですか。
椎名悦三郎
71
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) とにかく一日も早く平和的解決を望むということについては、しばしば
アメリカ
にその
日本
政府
の考え方を表明しております。これに対して
アメリカ
は、北側が武器を置くならばいつでも
アメリカ
は停戦をする、そして話し合いに入る用意があるということをしばしば言っておるわけであります。これに対して北越の反応がない、そういうところに問題がかかっておるのでありますから、この前
ソ連
に参りましたときでも、その状況を
説明
して、そしてどの
立場
からいってもあれが平和になることは望ましいことだと思う、ごく特殊の国があるかもしらぬけれ
ども
、
ソ連
としてはおそらく平和
——
和平収拾ということを望んでおられるだろう、ついては北ベトナムに対する影響力を活用して、そしてそういう意思を起こさせるようにしてもらえないか、
日本
としてはとにかく非常に近いところに位置しておって、政治的にも
経済
的にも非常に直接の影響というものを受けておるのであるから、
日本
の自主的な
立場
においてこのことを
ソ連
にお願いすると、こう申し入れたのであります。しばしば私申し上げたように、
ソ連
はそういう
立場
にないと、こういうことで、これに対して期待するような反応がなかった、こういうことでございます。
佐多忠隆
72
○佐多
忠隆
君 その
外務大臣
が
アメリカ
側に対して話しておられるということは、いまお話しの限りでは、
日本
から話し合いがあるまでもなく、向こうがすでに早くから言っていることにすぎないので、それでは問題は一歩も進展しないので、そこからもう少し進めて、もう少し特殊な方策なり条件なりというようなものを
アメリカ
側に提示しながら、
アメリカ
をも説得をし歩み寄らしてくるということが重要な問題だと思うのですが、そういう点については何ら話し合いはしておられないのですか。
椎名悦三郎
73
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) まあ、とにかく戦争をやめて、そして平和的なテーブルにつく、ついてから、両方に言い分があるのでありますから、その言い分を話し合うということなんだろうと思うのです。そうじゃないと、戦争は
——
まあ両方の意見の食い違いが調整されてから戦争をやめよう、こういうのでは、これは順序が逆であると思うのであります。いずれにしても、戦争によって、実力によって
相手国
を倒して自分の意思を貫徹するというようなそういう気持ちを改めて、そして戦争はもうこれはつまらない、そういうことでないと、結局和平収拾というものはできないと私考えるのですが、そういう意味において、
アメリカ
はまず向こうが武器をおくならばこっちもおく、それからテーブルを囲んで話し合うと、こういうことを言っております。それが
ほんとう
の順序じゃないかと、こう考えたものですから、
ソ連
に対して言う場合でも、そういう順序でいくべきものだろうと、そういうことを話したわけです。
佐多忠隆
74
○佐多
忠隆
君 問題は、そういう
一般
論ではなくて、すでに北ベトナムのほうからは四条件ですか、ベトコンからは五条件、あるいは
アメリカ
からは十四項目というようなものが具体的に提示をされてるんですね。それらの問題を勘案したならば、
日本
は
日本
として、それらのものを基礎にしながら、もっと具体的な積極的な働きかけができるはずだと思うのです。そういう努力なり、そういう考え方はされないのかどうか。
椎名悦三郎
75
○
国務大臣
(
椎名悦三郎
君) いままで出された条件は、まず出て行けと
——
アメリカ
がですな、戦いをやめ、軍隊を撤収すべし、そうすれば平和はおのずから訪れると、こういうわけだったんです。それじゃ私は問題にならぬと、こう思っております。
佐多忠隆
76
○佐多
忠隆
君 ちょっと、資料ですが、先ほどの拡散防止
条約
の
ソ連
案、それから
アメリカ
案、これを資料として出していただきたい。
木内四郎
77
○
委員長
(
木内四郎
君) 他に
発言
がなければ、
本件
に対する
質疑
は、本日はこの程度にいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十一分散会 —
——
——
・—
——
——