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吉田忠三郎君 いろいろいままで
社会党としては岡理事を筆頭に各委員からそれぞれの
質問がございました。さらには各会派からもございまして、この
委員会ではあまり例のない与党の委員の
方々のかなり突っ込んだ
質問がございました。そこで、あまりいままでの
質問とダブって
質問してみても時間がありませんから、できるだけダブらずに要点をしぼって
質問したいと、こう思います。ですけれ
ども、
答弁のいかんによっては私は何時間でもやりますことを冒頭に申し上げて、
委員長にお断わりしておきます。
第一に、いままでの
経過で、
大蔵省として一番よくないのは、銀行局長に言っておきますが、資料の要求がなければ資料を出さない、こういう根性を今後改めていただきたい。少なくとも法案が提案されておるわけでございますから、それと同時に
関係の資料というものを提示をして、各委員の
審議がスムーズに入れるようにするのが私は行政庁の仕事だと思います。にもかかわらず、資料を要求されなければ出さない、同時に、先ほど午前中に私が資料の提示要求をいたしましたが、依然出てこない。全国のつまり
保険代理店の数、職員の数は一体どうなっているかということについても、いまだに、私の
質問に入って四時半になりますが、出てこない。こういう根性を私は改めてもらわないといけないと思うのです。これはこの点を冒頭に申し上げまして
質問をいたしたいと思う。
で、この
委員会に提案されています
自動車損害賠償保障法の一部を
改正する
法律案は、だれが何と申し上げましても、そのおもなものは、第一には、
原付自転車を本法すなわち
自動車損害賠償保障法の
対象の車種に含める、これが一つだと思う。
それから、第二には、従来の
保険金、つまり現行百万円を百五十万円に引き上げる、言いかえればそういうことではないか、こう思うのです。で、いろいろ理由はあると思う。非常に事故が多くなってきたから、この際は一つにはそういうことをしなければならぬ。それから、もう一つの側面としては、
原付自転車はかなり
事故率が高くなってきたので、この際は本法の適用を受けるようにしなければならぬ等々、ないしは
一般国民世論も
自動車の安全の問題が非常に論ぜられるようになってまいったので、この際は世論にこたえる
意味も含める等々の理由からだったと私は思うのですね。したがって、すなおにそういう理由を私
どもは解釈をして理解をしてみると、何はともあれ、この
法律というのは、何が何でも被害者保護、つまり被害者の擁護の私は根本的な精神に立っていると思うのです。ですから、こういう理解をいたしますれば、今日まで
運輸大臣はじめ
運輸省としてとってきた態度というものと事務の
作業については、私は最大の敬意を払っていいのじゃないかと、こう思うのです。それだけに私は、原則的な
考え方としてはあまりとやかく言いたくない。ですけれ
ども、これを具体的にさらに中身を充実するためには、どうしてもこの
委員会で私は聞いておかなければならないことがある。いままでの質疑応答の中でも
大蔵省が
答弁したようなことでは、歌の文句じゃないけれ
ども、傷つき果てた
法律になるので、私はこの際是正すべきものはすべきである、修正すべきものは修正すべきであるという
考え方に立って、ただいまから若干の
質問を行ないます。
第一に伺いたいことは、昭和三十年七月の
衆議院におけるやはり附帯決議の問題です。いままでの
質問のいろいろ
経過をたどってみましても、十年間の
経験の歴史があるから、たとえばさいぜん問題になった
原付の再
保険についても、かくかくしかじかだという
答弁が出てくる。そこで、一体そういう
ことばが出てくるということは、この決議を完全に
国会の決議事項、議了された事項として
関係の省庁がほんとうに正しくこれを踏まえて、十年後に
改正をせんとするこの
法律にどう生かしたかということを、私は聞かなければならないと思う。それで、この附帯決議の第一では、
保険金額を政令で定めるにあたっては、本法制定の
趣旨にかんがみ、一事故あたりの
保険金額の制限を行うことなく充分に被害者並びに被
保険者の利益を考慮すること。」、このことについて一体どう措置をされたか、どう
考えてこの
法律に加味したか、この点が一つ。
それから、第二には、「
保険料率についてはこれが低廉化を図り、その算定にあたっては、無事故に対する報償制の採用、交通繁雑なる
地域と然らざる
地域等との間における料率に差等を付し、輸送の態様、業種別等による
事故率の差異に相応して料率に差等を付すること。」これはきわめて重要なことが第二に附帯決議に付されている。先ほど来の
答弁を聞いていますと、料金を据え置きにして、したがって今度は百万円から百五十万円に上げる措置をする、ノーロス・ノーペイの原則をとるのである、こう上林君が答えられておりますが、この第二の問題は、そのことだけを言っておるのじゃないのです。ですから、これはどう具体的にこの
法律に反映されたか、これは最初に提案者に聞きます。
それから第三は、「収受した
保険料総額から、支払った
保険金総額と附加
保険料総額との合算額を控除し、なお相当の残額あるときは、これを一定の比率に
保険契約者に割戻すが如き方法を考慮すること。」、これが午前中に岡理事からいろいろな角度から
指摘された項ではないか、こう思うのですが、この三についてどう具体的に配慮をしたか。
それから第四は、「
保険会社が代理店契約を締結するにあたっては、特別な
事情で止むを得ないと認められる場合の外、本
保険加入義務者の組織する団体で
運輸大臣の指定するものとの間にこれを行うものとすること。」この項もございます。
それから第五に、「本法が多分に
強制保険の方法で被害者の保護を図る
目的を有するものである点にかんがみ、更に国庫負担の増額を考慮すべきこと。」、ここにこうなっていますけれ
ども、私の調べて
承知をしておる範囲では、国庫負担なんというような金はびた一文ないように思うのです。ありとすれば、この際銀行局長のほうから、かくかくしかじか、こういうようにして
——これは十年たっておりますからね。あなた方が
答弁で再三言っておるように、決議してから十年たっておりますからね。ここで答えていただきたい。
それから第六の点は、「自家保障については、速かに一定の基準の下に相互
保険へ移行せしめること。」、すみやかにという
ことばが使われておる。十年ですから、もうとっくにすみやかは過ぎたと思うのですがね。ですから、これはどういうように具体的に処置をされたか。
それから第七、「商品たる
自動車の
保険については、その特質にかんがみ、実情に即するよう特別の措置を講ずること。」、こういう項も附帯決議につけられております。
第八、「本
制度実施に伴い、運転者その他労働者の労働
条件の悪化を来さゞるはもとより特に勤務時間の適正化と賃金
制度の改善を図ること。」、これは午前中に相澤先生からも言われたし、前の
委員会では、一般の営業
自動車の
関係が非常に多いわけですから、
木村委員からも
指摘された項じゃないか、こう思いますが、いずれにいたしましても、この八つの附帯決議というものを、どう踏まえて本
法改正にあなた方がこたえたかということを、明らかに第一問としてしていただきたいと思うのです。