○
吉田忠三郎君 時間がありませんから、簡単に前の
委員会から引き続いて
航空局長に伺っておきます。
前の
委員会といってもはっきりしませんでしょうから、日にちを申し上げますが、三月三十一日の当
委員会で、あまり時間がありませんでしたが、約四十分間ぐらい運輸大臣に対して当面の
航空再編成について若干
質問をしておるわけです。その主たるものは、
航空審議会の答申に従って実は伺っておいたわけですが、はっきり私はそのときにこういうことを申し上げているわけです。それに対して大臣も答えていますけれ
ども、いろいろいままで欠陥が幾つか出てきている、政策的にも矛盾が出てきた、こういうことは歴代保守党内閣の
つまり経済政策の欠陥からそういうひずみなり矛盾が出たということははっきりしているんです。前総理大臣の池田さんもたびたび
国会ではそういう
意味のことを答えられていたわけで、私はそういう点については今回は一応触れない。しかし、具体的に今度の三大事故といわれる
航空事故を契機として、
航空審議会が答申をした中身をやはりかなり私
ども検討してみる必要があるんじゃないかという
立場から申し上げて、ここに答申を持ってきていますが、この中心は何としても当面問題になっている国内
航空の再建をどうするかというようなことが中心ではないかという
意味で、私は具体的に言っているんです。その具体的なのはどういうことを言っているかというと、
航空審議会の
経過も国内
航空救済を主としています
関係から、長期的な航究
事業のビジョンに欠けていた点も指摘せざるを得ません。私は当面不幸な事故再発の可能性をあらゆる角度から封ずるためには、これらの批判は一応さておいて、
政府、
国会を問わず、いまこそ
関係者が国内
航空再建に真剣に取り組まなければならないときと出与えます。こういうことを具体的に三十一日の日は言っているわけです。その後二、三日の新聞等を見てまいりますれば、
運輸省航空局が中心になって、この再編成の問題をいろいろ努力しておられるようなことが見受けられました。その点につきましては当然のことではあるけれ
ども、私
どももその努力は認めてしかるべきだと、こう思っています。したがって、前にも申し上げておりますように、ただ単に批判するにしても、建設的なものは出てこないし、当時大臣も前向きに考える、こう言っていますけれ
ども、前向きにも私はならないと思うから、きょうは
運輸省の
航空局を鞭撻する
意味からも具体的に私の
考え方をひとつ申し上げてみたいと思う。それは何が中心になっているかというと、
先ほど申し上げたように、
航空審議会の答申が中心になっている。その上に立って、どう当面施策をしたらよいかということはそれぞれの考えがあろと思うけれ
ども、多少私の私見を申し述べてみたい、こう考えている。
航空審議会の答申の案は、現実の処理問題として、ここの中に多少抽象的ではあるけれ
ども出ています。その面を見ますれば、日本
航空と国内
航空の提携のさらに一そうの緊密化、相互協力をはかり、当面
航空政策のひずみと無策から生まれた、
つまりこのそれぞれの経営の悪化、とりわけ問題になっている国内
航空の経営の悪化をどうするか、どうせなければならないかということは、ここに抽象的ではあるけれ
ども、うたわれているんです。ですから、これを私は今日的な
段階ではここに力点を置いて、
政府並びに日航が日本の
航空事業の第二期の時代にとられた、
つまり今日の全日空にやはりかなりてこ入れをした、具体的には
政府がかなり行政指導をしたり、内面指導をしたりして、ときの日本
航空を通じて最大限の協力をした、こういう例があるんです。したがって、いま申し上げたような、きょうだだいまの
時点では、あのときのように、
政府及び日航は最大限の協力と支援を国内
航空の再建のためにしなければならないのではないかというふうに私は考える。考えるということは、まじめにこの十二月二十七日の諮問第十一号として
航空審議会が出したことを私は具体化することが必要じゃないか、こう考えているのが一つ。
それから時間がありませんから、ずっと羅列していきますけれ
ども、この三大事故が契機になって、非常に
航空事業の安全の問題が世間の問題となりました。これは路面交通あるいは
国鉄、私鉄を問わず鉄道、あるいは海運等々にも安全の問題があるけれ
ども、
航空の問題については、やはり何と申しましても三大事故が大きな私は契機になっていると思う。しかも、これほど私は国民の中に不信感を徹底的に植えつけたものはないんじゃないかというふうに思う。世論もまたそうなっているわけなんです。これをどう挽回するかということがたいへんな問題だと思うんです。それだけに
運輸省も
航空局も日夜頭を痛めているのじゃないか、こう推測いたしますけれ
ども、この安全の問題の対策というのはいろいろあります。設備を拡充するとか、あるいはこの基盤を強化をしてやるとか、いろいろあるけれ
ども、冒頭申し上げましたように、この審議会の答申をまじめに考えてみれば、いまの
段階ではやはりこの日本の
航空事業を営んでいる各社の基盤強化をして、その上に立った安全対策というものを具体的に考えてまいらなければならぬ
段階にきているんじゃないか、こう思うんです。ですから、思い切ってこの際
政府は、大局的な
立場からこの基盤強化をするためには、需要と供給の
バランスをとる、こういう
意味も含めて幹線運航の三社の協調による運賃のプール制の実施以外にないんじゃないか、こういうのは私の意見ですよ。こう思っているので、いま申し上げたように、大局的な
立場から
政府は運賃プール制というものを断行する考えは持っているのか、いないのか、このことをひとつ伺っておきたいというふうに思うんです。
それから第三は、毎度この
委員会で問題になるのは、国内の
航空事業、この国内の
航空事業の需要と供給の
バランス、ローカル線の問題等々がありますけれ
ども、これらはかりに
航空局長が
航空事業について練達である、あるいは運輸大臣がそうであった等々のことで、会社がそういう
運営をするようなことになったとしても、現状の経済の動向等を考えて、そんなに一挙に病人に即効薬を与えるようにきき目のあるものはないんじゃないか、こう思うんです。ですから、やはり何としても幹線の今日のやはり需要と供給の
バランスというものをきちんと把握をして、その上に立って基盤強化というものを考えてまいらなければならぬんじゃないか。
政府並びに
航空局もそのように考えているのだと思うが、第一にやはり着手しなければならぬのは、先般来問題になっている過当競争等との問題もこの際含めて考えていけば、まず幹線の機数、それから便数の調整をこの
段階で思い切ってやらなければならないのではないか、こう思うのです。
政府の四十一年度の、
政府というのは
航空局が代表しているわけですけれ
ども、この機数が二十機になっている。幹線二十機、内訳は日航が十、全日空が七、国内
航空が三、このように明らかにされていますけれ
ども、これは今日の決して私は
政府の不況宣伝に対してそれほどその宣伝に私は幻惑されてはいないのだけれ
ども、いずれにいたしましても日本の景気が悪いと言われている、この最中にこのように二十機の機数で、それぞれ各社の幹線を輸送する日航、全日空、国内と案分していますけれ
ども、これは明らかに私は今日的
段階では設備過剰ではないか、こう考えます。ただ単に自分の感覚で設備過剰ではないか、こう言っているのではなくて、これは
航空局長も御存じのように、ここに一つの資料ですけれ
ども、
局長、あなたのところの
調査では、十五機で大体今日の需要に対しては妥当である、こういうものがただいま幸か不幸かたまたまこの二十機の中で、日航は御承知のように今年に事故を起こしまして一機破損していますね。それから問題の先般全日空は羽田沖で墜落をして一機失なっておりますから、十八機なのです、現在幹線運航をしているのは。内訳は日航が九、全日空が六、国内が三、こういう実情になっていると思うのです。しかも、いま申し上げましたように需要予測というものはあくまでも予測ですから、これが必ずしもそうだというふうには言えませんけれ
ども、
航空局の測定では十五あればいい、こう言っているわけですから、不幸にして今日二機が事故で失なわれていますけれ
ども、それにしても三機上回ることになるから、この面だけで見ても、すなおに見ても設備過剰ではないか、こうまあ言って過言ではないと、私は確信を持っているわけです。したがって、かりにそういう
事情を十分
認識した上でこれからの日本の
航空事業を前向きに発展させていくこと等々を考えて、まるまるこの十八機を今度は認めてやっていくにしても、やはりこの
航空会社の幹線輸送の三社の協調が非常に私は大事だと思うのです。前の
委員会でも私はこういうことを言うたことがあるのですが、そうした協調のもとで効率的な
運営をしなければ、結果的に毎度申し上げているような過当競争というものが避けられないような気がするのだけれ
ども、こういう
考え方は一体
航空局はどう考えているのか、こう思うのです。
それから、もう一つは便数の調整であるけれ
ども、審議会の答申では、
つまり国内
航空の今日の悪化した経営
状態というものの基盤を強化するためにはどうするのかということについて、何回も言うようだけれ
ども、抽象的に出ているのですね。だから、これを具体的に今度はいま申し上げましたように十八機で三社が協調する形でやらせ
るとしても、私は日航はこの答申にもありますように国際線に力点を置けというようなことが書かれているわけですから、そういった
立場に立つならば、日航が八機、全日空が従前の六機、国内
航空四機、こういう機数をきちんと
運輸省がきめてやって調整していくようにしたらいいのではないか、こういう
考え方を持っているのです。
それからもう一つは四十二年以降です。これは来年度のことになりますけれ
ども、そういう話をしたら鬼が笑うということわざもあるけれ
ども、そこらあたりまでずっと先を考えて、聞くところによれば、
航空整備五ヵ年計画とかというものもいま
航空局では立案中だと聞いていますので、なおさら私は申し上げるのだけれ
ども、四十二年度以降の問題については、たとえば需要の伸び等々を的確に把握をして、おそらくは、ゆるいカーブであるが、下降カーブをとっていないですから、幸い日本の場合国際線はもとより国内線においても。ですから伸び率というものはあるわけでしょうけれ
ども、それを的確に把握をして、飛行機の機材等々の購入計画についても今度のこの答申にあるように、そういうものについては日本
航空が国際線本位に漸次移行していく、こういうことであらねばならぬのではないか、そうあるべきものではないのか、こういうふうに感ずるのですよ、この答申を読んでみて。したがって、国内の輸送の問題については、いま当面問題になっている後発企業で、しかも不採算路線を多く持っている国内
航空については、どうそれらの問題を割り当てをして、便数あるいは飛行機の数、機数ですね、そういうものをやっていくのかというやはり具体的な中身のあるものに
運輸省航空局としてもしてまいらなければならぬのではないか、こういうことを私は考えている。いま大体
航空局では飛行機の数は
先ほど言ったように二機幸い──幸いというか、不幸にして減ったものですから、減った中でおそらくや九、六、三、そのままになっているのじゃないかと思うのですが、こういうことについて
航空局長のひとつ
考え方を聞かせていただきたい。それとあわせて再編成を石坂何とかいう人が盛んに努力しているようだが、その
経過もこの機会に、われわれもこの
委員会ではたびたび指摘するのだけれ
ども、そういう
経過についてはだれの責任か、つんぼさじきだ。たいていはいままでは時の官房長というのが逐一われわれのほうに来て、
経過はこうなっている、この問題についてはこう処理しているということを聞かせるのだけれ
ども、今度の官房長というのはえらい人だものだから、さっぱりわれわれは聞かされていない。だからこの席上で聞かせてもらいたい。これは皮肉で言っているのではない。本来官房長の仕事というものはそういうものだと思っているけれ
ども、どうも今度の官房長というのはえらいものだから、われわれチンピラのところには来ない。これは皮肉ではない。ひとつこの機会に聞かせてもらいたい。
それからもう一つ、毎回問題になるけれ
ども、ローカル線の対策をどうするか。これは事故があったからといってこの問題が取り上げられているわけではない。ずっと前からこういう問題が取り上げられて、不採算の路線の問題についてどうするのか、こう言っているのですね。だからあの三宅島の問題だとか、あるいは松本飛行場の問題だとか、私の住まいしている北海道だって、紋別飛行場も今度空港が整備されて、間もなく飛行機は飛ばさなければならない。飛ばせば赤字になりますから、だれもそこへ行って飛ぶなんていうものはないので、こういう問題に対して、私は前にたとえば離島振興法のような
法律をつくって、国がやはり国策としてやらなきやならん問題であるとすれば、補助航路のようなかっこうで、補助金をひとつやるような制度をこの際つくってみたらどうかと、こういうことを言ってあるんだけれ
ども、それもどうなっているのか、ナシのつぶてで、われわれのところにちっともはね返ってきていない。これについてもひとつお聞かせいただきたい。時間がありませんが、私は資料を持っていますよ。ここに
運輸省全体の補助政策に伴う補助金、あるいは交付金の一覧表というものを持っていますけれ
どもね。これはもう日本
航空にほんのわずか、ちょっぴりしているだけで何にもないんです。いまの
運輸省の制度の中ではないんです。やるとすれば、新たな制度をつくらなきやならんわけで、時間は多少かかろうとも、私は一回じゃないんだから、何回となくこういうことを指摘するわけです。ですからそろそろやや具体的に検討されているんじゃないかというように思うので、ひとつその点を聞かしていただきたい、こう思うのです。
それから国際線の強化拡充の問題も、今度の事故を契機にいろいろこの
委員会では各それぞれの
委員から指摘され、強調されてきました。特に日本の国際線については、これはまあ戦争ということもあったし、戦争に負けたということで、アメリカに長い間占領されていた
関係もあろうと思うけれ
ども、世界的に見てたいへん立ちおくれているんです、日本の場合ですね、おくれています。ですから日本
航空に対して、英国のように、あるいは西ドイツのように、フランスのように、イタリアのように、やはり私は一挙に、私
どもの持っていますものは、国営でやるべきだというものを持っていますよ。ですから私は本会議で佐藤総理大臣にそう言ってみても、すべての政治の態勢、政治の
姿勢、かまえというものはそういうものになっていないから、過渡的過程として公社あるいは公団等々でやっていくという道もあるわけだから、どうだと聞いたら、それは新しい建設的な意見だから検討してみますという
答弁になっています。これは本会議の
答弁で、官報の号外を見ればわかりますがね。ですからこういう
関係で、やはりこの日本
航空に対してもっともっと国策会社であるというならば、名実ともに、
先ほど言った例で申し上げたような諸外国の例にならって、積極的に私は
政府が援助するような施策が必要ではないか、特に最近各国の近距離の国際線の問題が非常に問題になってきた、これは前の
航空局長、それから佐藤
局長も苦労されていますけれ
ども、これは
航空協定等等の問題、非常に苦労されるわけでございますけれ
ども、いまの
段階で近距離の国際線の強化拡充というものをやらなければ、これはもう日本の諸外国における
航空市場というものは全く私は失われていくような心配さえ持っているんですよ。ですからそういう面も含めて、いまのところ日航よりないわけですから、不幸にして国策会社というのは。だから
政府は画期的な近距離国際線についても新しい計画をもって具体的に国際競争力を強めていくことが国策ではないのか、こういう意見を持っておるので、
航空局の意見を聞かしてもらいたい。この五つです。