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1966-04-19 第51回国会 参議院 運輸委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十九日(火曜日)    午後一時四十五分開会    委員異動  四月十九日     辞任        補欠選任      田代富士男君     浅井  亨君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         江藤  智君     理 事                 岡本  悟君                 谷口 慶吉君     委 員                 井野 碩哉君                 中津井 真君                 平島 敏夫君                 松平 勇雄君                 木村美智男君                 瀬谷 英行君                 浅井  亨君                 岩間 正男君    国務大臣        運 輸 大 臣  中村 寅太君    政府委員        運輸省自動車局        長        坪井 為次君    事務局側        常任委員会専門  吉田善次郎君        員    説明員        運輸省自動車局        業務部長     黒住 忠行君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案  (内閣提出)     —————————————
  2. 江藤智

    委員長江藤智君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。     —————————————
  3. 江藤智

    委員長江藤智君) 道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  4. 岡本悟

    岡本悟君 自動車ターミナル事業というものができましたのは、そう最近のことではないのでございまして、特にターミナル事業にとりまして一番大事な問題は資金面でございます。そういう面から見て、この道路交通事業抵当法ターミナル事業をもっと早く加えてもよかったのではないかというふうに考えますが、その間の事情はどういうことなんでしょうか。
  5. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) ただいま御指摘のとおり、このターミナル事業につきましては、資金相当に必要といたしますので、この財団抵当制度を早く設けるべきであったと思うのでありますが、特に最近自動車による旅客及び貨物の輸送が非常に伸びまして、それに伴いましてターミナル不足というものが痛感されるに至ったのでございます。制定当時におきましては、将来そういった問題がまた相当あり得るという時代であったのでございますが、現時点においてターミナル不足相当に痛感され、また各方面で建設も進みつつある。そういうことから、今回この措置をとりまして融資のための強力な手段にしたい、かように考えております。
  6. 岡本悟

    岡本悟君 まあ財団抵当制度を取り入れるということは非常にけっこうなことなんですけれども、問題は、肝心のこの方法による資金の調達につきまして、金利の面ですね、これがどういうふうになるかということが、ターミナル事業の健全な育成という観点から、きわめて重要な意義を持つと思うんですが、現在の特に資金面についての国の助成方法といいますか、現状につきまして御説明いただきたいと思います。
  7. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) 自動車ターミナルは非常に公共性の強いものでありまして、また収益性が乏しい、こういうことから、しかもこの建設には多額の資金を要する、そういった事情で、この事業を進めるにつきましては、何といいましても資金の手当てというものが肝要でございまして、このため運輸省としましても長期低利資金あっせんを行なってまいったわけでございます。日本開発銀行及び北海道東北開発公庫による融資あっせんしてまいりまして、実績としましては、昭和三十四年度一社三千五百万円、それが昭和三十六年度になりますと五社二億四千六百万円、三十七年度は九社四億四千七百万円、三十八年度は四社一億三千七百万円、三十九年度は十一社九億一千万円、こういったふうに、われわれとしてもできるだけ融資あっせんには毎年努力をしておるわけでございます。  なお、昨年発足しました日本自動車ターミナル株式会社に対しましては、財政資金融資を行なっているほか、昭和四十年度は五千万円の政府出資を行ない、昭和四十一年度は二億五千万円の政府出資予定いたしております。
  8. 岡本悟

    岡本悟君 いまの局長お話実績は、これは開発銀行ですか。
  9. 坪井為次

  10. 岡本悟

    岡本悟君 現在自動車ターミナル事業は、一般自動車ターミナルとして、バスが十二、トラックが七十一というふうになっておりますが、この経営状況ですね。私の知っている限りでは、ターミナル事業そのもの経営は非常にむずかしいんでございまして、なかなかペイしないというのが現状であるように考えておりますけれども、当局側から調べた経営状況はどうなっているか、御説明いただきたいと思います。
  11. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) ターミナル事業は、ただいまお話しのように、その建設にまず交通の要衝の地に土地を確保しなければならない。しかも、ある程度の大規模土地を必要とする。それからまた、そのために建設資金が膨大である。また、収益性において、使用料金自動車運送事業運賃へのはね返り、こういった問題を防止する観点から、極力低額に押えなければならない。こういったような事情から、ターミナル経営というものは非常に苦しいわけでございまして、バスターミナルにおきましては付帯事業によってそれをカバーするというような現実状況でございます。  現在までのターミナル事業者経営状況を申し上げますと、一般的に営業収入中に占める付帯事業収入の割合が、トラックターミナルについては一ないし二割程度であります。バスターミナルについては九割程度までが付帯収入によっている、そういう実情でございます。一方、ターミナル使用料金は、バスについては、一発着につきまして二十円ないし百円で低額に押えられておりますし、またトラックについては、一発着について五百円ないし千五百円となっておりまして、他方では、バスターミナルには食堂、売店等付帯事業がきわめて有効であり、トラックターミナルにおいては収益性の高い付帯事業を生み出すことが困難である、こういったような状況から、一般収支率は赤字を計上しているものが大部分でございます。
  12. 岡本悟

    岡本悟君 したがいまして、この自動車ターミナル事業をもっと積極的に育成するということになりますと、この財団抵当制度を導入するということはもちろんけっこうなことでございますけれども、もっと積極的な助成方法を講じないというとなかなか整備がむずかしい、こういうふうに考えるのですが、たとえばもっと長期低利資金を供給するとか、あるいは特に国有財産用地について格別のいい条件で払い下げるとか、そういった思い切った助成方法をお考えになっておるかどうか、その点をお尋ねしておきます。
  13. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) 自動車ターミナル必要性といいますか、これは、道路整備、特に高速道路整備と相まちまして、周辺地区自動車ターミナル施設というものを早急に整備しなければならないということで、われわれはいろいろと努力しておるわけでありますが、まず用地面につきましては、国有地あっせんを極力努力するということ、それから資金面につきましては、開銀の融資、特にこれにつきましては、現在八分四厘でございますが、ターミナル必要性、またその特殊性から、これをさらに特利の扱いにするようにただいま交渉しておるわけであります。そのほか、昨年設立されましたトラックターミナル株式会社、こういったような方法によりまして、われわれとしては、自動車運送の発達におくれないように、ターミナル整備を今後とも積極的に進めていきたいと考えております。
  14. 岡本悟

    岡本悟君 具体的な自動車ターミナル事業につきましてちょっとお尋ねしてみたいんですが、いまお話に出ました日本自動車ターミナル株式会社の現況を、特に東京都の出資の問題につきましていろいろ問題があったようでございますけれども、その点どうなっているか。それともう一つ現実工事進捗状況といいますか、そういった状況について御説明願いたいと思います。
  15. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) それでは、日本自動車ターミナル会社事業進捗状況、あるいは出資関係、そういったものについて概略御説明申し上げます。  板橋地区トラックターミナル用地の確保につきましては、東京都を通じまして旧会社、これは特別会社になる前身の東京トラックターミナル株式会社時代から用地買収の交渉を行なってきましたが、新会社移行後も引き続き折衝を重ねまして、昨年の八月の三十一日に土地売買契約を締結いたしました。買収面積は二万一千三百七十坪、坪当たり単価は四万一千円、総額八億七千三百二十四万四千七百円で、契約と同時に三億四千六百六万七千七百円、九月十五日に九千五十五万四千六百五十円、九月三十日に残額の四億三千六百六十二万二千三百五十円と、前後三回にわたって支払いを終了したわけでございます。  なお、この買収面積は、土地区画整理でき上がり面積が一万五千坪程度となり、将来の需要と十分対応し得ませんので、さらに一万五千坪内外を土地区画整理住宅公団より譲り受ける予定にいたしております。  それから、京浜二区のトラックターミナル用地につきましては、現在東京都の港湾局において埋め立て工事を行なっておりますが、本年三月には工事が完了する予定でありましたが、これは延びまして、完成は六月の予定でございます。当社トラックターミナル用地として七万坪を確保できるように、目下東京当局折衝中でございます。  なお、ターミナル施設早期供用をはかるために、当該地区における道路上下水道等関係公共事業整備促進についても、関係官公庁折衝中でございます。  調布地区トラックターミナル用地につきましては、東京都のあっせんによりまして、東京住宅公社所有地の一部二万五千坪の分譲を折衝中でありますが、公社側住宅との立体利用を強く要望しておりますので、目下ターミナル事業における技術的、資金的な面からの妥当性について検討を行なっております。  次に、政府出資につきましては、昭和四十年度の当社に対する政府出資は五千万円でありましたが、来年度は京浜二区及び調布地区用地買収同額事業費を必要とするために、今年度に比し大幅に増額するよう強く要望しておりましたが、二億五千万円に決定いたしました。  それから、東京都の出資につきましては、昭和四十年度の当社に対する東京都の出資五千万円は、都議会解散等影響を受けまして、延引されておりますが、四十一年度分といたしまして、政府同額の二億五千万円が決定いたしました。これは政府と同じ六月ごろには払い込みいただけるものと思っております。
  16. 岡本悟

    岡本悟君 いまの東京都の出資ですけれども、四十一年度の二億五千万円は決定したというお話ですが、四十年度払い込むべき五千万円はどうなっておるのですか。
  17. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) 四十年度につきましては、五千万円の出資は、結局実現いたしませんで、四十一年度の二億五千万円が通りましたあと、適当な時期に追加して出資していただくように折衝いたしておるわけでございます。
  18. 岡本悟

    岡本悟君 東京都が出資を渋っているということの事態につきましては、議会が混乱しているとか、いろいろな事情があると思いますが、そもそも、特に東京地区におけるトラックターミナルというものは、流通団地形成と関連いたしまして、非常に重要な意味を持っておると思います。いわゆる大都市の再開発という見地からいいましてもきわめて緊急を要する点であり、重要な意味を持っているというふうに思うのですが、その肝心の東京都が、これに積極的に取り組む姿勢がないといいますか、まあいろいろな事情があると思いますが、一体どういう考え方でおるか、当局側で知っておられる程度の情報でいいんですけれども、考え方を明らかにしてもらいたいと思うのです。
  19. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) 東京都の理事者としては、このトラックターミナル重要性、特に流通団地としての中心であるトラックターミナル必要性については十分認識しておりまして、われわれの出資の要請に対しましては、非常に協力的でございますが、都議会の中でいろいろと論議が行なわれておるように聞いております。そのときの論議として、いろいろと都議会の中では、中小企業の圧迫になるのではないかとか、いろいろそういったような論議が行なわれたようですが、最終的には、都の計画どおり全額出資を認められたわけでございます。
  20. 岡本悟

    岡本悟君 そうしますと、四十年度の東京都の出資すべき金額につきましても、これはもう確定的であると考えていいわけですね。
  21. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) 都の理事者といたしましては、四十一年度政府同額の二億五千万円をまずきめていただいて、そのあと政府同額に追いつきたい、そういう意向を示しているわけでございまして、その時期その他につきましてはまだはっきりいたしておりませんようですが、追加予算なり補正予算なりで考えたい、かように申しております。
  22. 岡本悟

    岡本悟君 東京都議会現状からいいまして、想像つかないことはないのですけれども、東京都にとりまして非常に重要な意味を持ったこの自動車ターミナル事業に対しまして、熱意がないと申しますか、私はまことにけしからぬと思っておるのであります。東京都は、特に議会側は、口を開けば、あるいは水道の問題にいたしましても、あるいは都電の問題にいたしましても、あるいは地下鉄の建設の問題にいたしましても、国からもっと援助を引っぱり出してこいというようなことで、理事者側を督励しておるようでございますけれども一、この自動車ターミナル事業のように、政府が積極的に東京都と提携して大いにやろうと、こう言っておるにもかかわらず、出資を渋っておる。そうしていまもって昭和四十年度の出資が完了されてない、こういうことでございまして、まことに遺憾だと考えております。そういう見地から、私は東京都議会側考え方というものをただしてみたのですけれども、何とかこの点につきましては、理事者側は私はいいのだと思いますが、議会側の蒙を開く必要があると考えておりますが、この点ひとつ、十分政府当局も説明してもらいたいと思います。  それから次に、この日本自動車ターミナル会社は、これは全国的な規模会社だというふうに私受け取っておりますが、まず東京、あるいは大阪、あるいは名古屋という、こういったところに次々に計画をし、これを建設していくということになると思いますが、その他の地域でも建設計画というものを行く行くは考えてみたいというふうに政府当局としては構想を持っておるかどうか、その点についてお尋ねしておきたいと思います。
  23. 坪井為次

    政府委員坪井為次君) この特殊会社は、ターミナル必要性から、またそのターミナル建設大都市周辺では土地問題その他において非常に行き詰まっておる、そういうことから、政府が強力な援助をしてターミナル整備していこうということでできたわけでございます。さしあたり、東京が非常に行き詰まっておりますので、われわれとしては、まず東京周辺におけるターミナル整備してまいりたいと思うわけでございます。この会社目的は、あくまでも東京都に限らないで、大都市周辺ということで、必要があればそのほかの地区にも建設の手を差し伸べるわけでございますが、われわれとしては、各地区において、民間の力でできるというものにつきましては、あえてこの会社が飛び出すということを避けまして、できるだけ民間のまず努力によりまして、それを政府としては助成措置をできるだけ講ずるということによりまして、この会社そのものが出なければならぬというのは、そういった民間ではとても手に負えないというような場合に考えておるわけでございます。さしあたって、大阪名古屋ともいろいろ問題があるわけでございますが、これらの地区につきましては、それぞれ関係者の間で計画も進められておるようでございますので、われわれとしては、それらの状況を十分見ながら、どうしてもできないような場合にはこの会社にやらせるつもりでおりますけれども、いまのところはいろいろとそういった地区関係者努力を待っておるわけでございます。
  24. 岡本悟

    岡本悟君 先ほど局長より、板橋地区とか、それから京浜第二地区調布地区進行模様をお聞きしたのですけれども、流通団地の新しい形成ということでスタートしておるのですけれども、このトラックターミナルだけが先行をして、肝心の、たとえば倉庫であるとか、そういったようなものが全然見込みがない。完成はしてみたものの、トラックターミナルだけが孤立して野原のどまん中にぽつんと存在しているというふうな不細工なことにはなりませんでしょうか。つまり、流通団地形成というものがトラックターミナル建設と並行して総合的に進められているかどうか。ことにこれは東京都が指導しておる部面が多いと思うのですけれども、どんなものでしょうか、この点。
  25. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) トラックターミナルをつくりますための目的は、おおよそ二つあります。  一つは、東京なり大都市に入ってまいりますところの路線事業のためにそうした総合的な駅をつくるということでございます。  それからもう一つは、流通センター中核体となりまして、倉庫問屋等物資が非常に集散いたします場所において交通を円滑にするという、二つ目的があるのでございまして、前者につきましては、トラック路線トラック事業のためには、一日も早くトラックターミナルを都市の周辺につくらなきゃならぬ。それ自体としても、非常に重要な、かつ緊急なわけでございます。同時に、流通センターにおける中核体になるということは、非常に重要でございまして、われわれといたしましては、トラックターミナルを一日も早くつくりたいということで推進をしてまいっておりますが、同時に、二つ目的がございますから、あと目的につきましては、それぞれ通産省なりその他の省の関係当局もございますので、おりおり検討いたしておりますが、まずそうした中核体としてのトラックターミナルを早くつくりたいというふうなことで、トラックターミナル自体目的流通センター目的二つをすみやかにやるために、日本自動車ターミナル株式会社をつくりまして推進しておる次第でございます。
  26. 岡本悟

    岡本悟君 それはもうごもっともな話なんですが、ただ、流通団地形成東京都の指導によってどこまで具体化しているか、それをちょっとお聞きしたがったわけなんで、トラックターミナル自体がどんどんスムースに早く建設されていくことは、私はもちろんけっこうだと思うのですけれども、流通団地形成がどうなっているか、それを当局側でお調べになっておれば教えてもらいたいと、かように思いましてお尋ねしたわけです。
  27. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) ただいま具体的に計画中のものは、板橋地区京浜二区でございます。板橋地区につきましては、約七万坪のものを自動車ターミナル倉庫問屋で持ちたい。自動車ターミナルがこの場合において四万二千坪でございます。これはできあがりは減歩がございますから約三万坪になると思いますが、それから倉庫六千坪、それから問屋二万二千坪。それに対しまして、最近都の計画がありまして、市場を約二万坪のものをつくりたいということで、都が中心となり、かつ自動車ターミナル会社援助いたしまして、具体的にこの青写真をいまつくっているような状況でございます。それから京浜二区につきましても、同様に、自動車ターミナル倉庫、それから問屋というふうなものが計画されております。それで、たとえばこの倉庫関係運輸省でございまして、一つ主体をつくらなければならない各会社があるわけでございますが、主体をつくるということで共同会社を目下設立の準備中でございます。そういうふうに、関係各省指導をいたしまして、具体的にいま仕事を推進しておるような状況でございます。具体的な面積あるいは青写真等につきましては、東京都が中心になりこの会社援助いたしまして策定中であります。
  28. 岡本悟

    岡本悟君 それでは次に、今度はバスターミナルのほうに移りまして、東京都の池袋国有財産用地払い下げを受けまして大きなバスターミナルをつくるという計画があったように聞いておりますが、その後の経過についてお尋ねしてみたいと思います。
  29. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) 池袋地区につきましては、御承知のように、非常に現在道路状況が混雑しておりまして、東口は二千回近いバス発着がございます。特に西口の方向につきましては、豊島師範あと土地がございますので、ここにバスターミナルをつくりたいということで、池袋交通センターというのを関係会社で設立いたしまして、バスターミナル事業の免許をいたした次第であります。ところが、ターミナルをつくるための土地買収あるいは建設費相当金額を要しますし、運賃を上げるというわけにもまいりませぬので、土地払い下げの価格の問題その他につきまして、目下いろいろと関係の大蔵省、あるいはこれは文部省の所管の財産になっておりますから、それらの関係の省と目下折衝中でありまして、運輸省といたしましても、極力あっせんをいたしまして、なるべく早くそういうターミナルをつくり、交通緩和に資したいと思っている次第であります。
  30. 岡本悟

    岡本悟君 次に、専用自動車ターミナルにつきまして若干お聞きしたいのですけれども、バス事業はともかくとしまして、トラック事業では相当規模専用自動車ターミナルを持つようになってまいりましたが、昔はトラック事業というものは、主として事業用トラックという車両を持っておれば商売になったわけでありますけれども、最近のように路線事業というふうなことになりますと、どうしても専用ターミナルが必要になってくるわけでありますが、そのために相当トラック会社としてはばく大な投資をしてみなまいったと思いますが、固定資産の占める比率というものは相当大きく変化してきているように思いますけれども、そういったデータを集めておられるかどうか。もしいまなければ、また後ほど資料で出してもらってけっこうですけれども、それと非常に大きな固定投資というものがふえてまいりますので、トラック事業にそれが及ぼす経営上の影響、こういったものについてわかっておればお答えいただきたいと思います。もしなければ、あと資料でもいいです。
  31. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) 専用の場合でございますと、営業所その他一緒になりますので、計算法が非常に複雑かと思います。一般の場合をちょっと申し上げますというと、現在ありますところのおもなるバスターミナルあるいはトラックターミナルで見ますと、土地が四七・八%、それから建物が三八・六%でございまして、約八六%強というものが固定資産でございます。あとは機械であるとかその他の動産があるわけでございますが、専用の場合におきましても、ちょっと見当はつきませんが、おおむね一般の場合と変わらないと思います。
  32. 岡本悟

    岡本悟君 私がそれを聞きましたのは、以前は、先ほど申し上げましたように、車両トラックを持っておれば商売になっておったという時代があったのですけれども、最近は相当規模固定投資ターミナル施設に投じておるわけです。したがって、そういう面からの、借り入れ金の返済であるとか、あるいは利子の支払いというようなことで経営を圧迫して、事業が左前になったという事例も相当あるんじゃないかというふうに私観測しておりますので、その点を当局としてはどういうふうに見ておるか伺ったわけなんですが、そういう見地からもう一度お伺いしたいと思います。
  33. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) ターミナルをつくりまして、目的としましては、流通コストの低減にも資したいというのでございますが、実際問題といたしましては、現在都会の周辺等におきましては、土地が非常に高いということと、また建物も相当つくらなければならぬということでございまして、八十数%の固定資産の率でもございます。しかも、いま直ちに運賃にどうということはできないことでございまして、むしろ運賃を低減するというふうにもならなくてはならぬのでございます。したがいまして、現在トラック事業者は中小企業者が大部分でございます。路線事業といえども、例外ではないわけであります。したがって、必要なターミナルで、ぜひ持たなければならぬけれども、各企業としては非常に経営上むずかしいということでございますので、したがいまして、総合的なターミナルをつくるというふうなことで、運輸省といたしましては、特殊会社、あるいは資金あっせん土地あっせん等をするということでございます。個々の企業に対しましては、当面つくる能力はある程度ありましても、相当な金を要しますので、開発銀行融資あっせんあるいはそれの金利の低減というふうなことで努力をして相当な応援体制でなくてはいけない、必要なものではございますけれども、事業者の実力からいきまして、国が相当援助をする必要があろうと思っておる次第でございます。
  34. 岡本悟

    岡本悟君 この道路交通事業抵当法の十八条ですか、「免許に基く権利義務の承継」、こういう制度がございまして、この抵当の競落があった場合に、「競落人は、その時において免許に基く権利義務を承継する。」、これはむしろ事業の継続をはかって、公共事業でありますから、その事業がそのために継続性を失って迷惑をかけるということがあってはならぬということで、この規定が置いてあると思うのですが、問題は、競落人の質といいますか、はたしてその事業を継続して経営するに適格性を持っているかどうかということが問題だと思うのですが、この場合は、十八条は、要するに道路運送法第六条の欠格条項に該当しなければよろしいのだというふうな、いわば最低限度の条件のみを規制しておって、まあそれがなければ、あとはとにかくまずまず適当な経営者であるというふうに認定しているわけなんです。そこのところは一体どうなんでしょうか。欠格条項というのは、一口に言えば、悪いことをしていない、刑事事件の被告者になって刑罰を科せられたことがないという程度のことしかきめてないのでありまして、積極的にこういうふうなものでなければいかぬという規定が何もございませんので、その点はどうなんでしょうか。つまり、初めて免許を受ける場合には相当きびしい条件があると思うのですけれども、継続して承継する場合には、きわめて最低限度のたよりない欠格条項しかないのですね。その点が非常に権衡を失するように思うのですが、そうかといって、確かに事業の継続性を維持するということも一必要ですし、そこらあたりどういうふうに考えたらいいか、当局側考え方というものを説明してもらいたいと思います。
  35. 黒住忠行

    説明員黒住忠行君) 道路運送事業を免許いたしました者を一体といたしまして財産抵当の対象にするということによりまして、もろもろのメリットがありますことは、申すまでも一ないところでございます。その場合におきまして、事業の継続性ということが非常に大きな点でございますので、この場合におきましては、競落人が欠格事由に該当する者でない限りにおきましては、事業を継続さすということによりまして、担保価値も向上し、事業も継続できるということであります。この場合におきましては、免許の際の需給関係の調査というふうなものは必要はないので、そのまま事業が継続されるわけでございますから、経営者としての主体的条件に主眼を置けば欠格事由ということがまあ中心になってしかるべきじゃないか。なお、もちろん、今後の事業経営につきましては、道路運送法の条文によりまして指導監督するわけでございますから、事業の継続性、財産抵当の必要性から見て、この規定でいいのではないかと思います。
  36. 岡本悟

    岡本悟君 若干の質問をいたしたわけでございますけれども、もちろんわれわれとしてはこの制度はきわめて必要であるということは十分認識しておるわけでございます。ただ、先ほど来申し上げましたように、自動車ターミナル事業というものは、バス、あるいはトラックにいたしましても、非常に経営上困難を伴う性質のも一のでございますので、特に大臣におかれましては、政府助成方法について画期的な前進をもたらすように留意していただきまして、ターミナル事業の健全な育成を考えていただきたい、かように要望をいたして、私の質問を終わります。
  37. 江藤智

    委員長江藤智君) 本案については、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十八分散会