○岡
三郎君 ちょうど建設
大臣がいるから一、二、聞きますが、万般の根源は私はやはり土地
政策そのものがないことだと思う。先般宅地造成公団をつくる、これは当面の
政府の方針として、日の目を見なかったけれ
ども、少なくとも今までのあらゆる面が、いま
大臣が言っているように、そのつど
政策で、当面の問題に追いまくられているうちに
大臣がやめてしまう。新しい
大臣が来るというと、いろんな構想を言うけれ
ども、それが緒につくかっかぬかのうちに交代。まあ巷間いわれているように、また間もなく五、六月ごろ内閣改造、こういうことで、ほんとうにこれから軌道に何とか乗るのじゃないかという段階になるとやめてしまう。しかし、少なくとも政党政治ですから、その中に一貫したものがなければならぬけれ
ども、しかし、それがなかなか継続的に踏襲されないうらみがあると思う。私は、そういう点で総理
大臣にも聞きたいのですがね。少なくとも立法府にある——話の筋はちょっと違いますが、衆参両院を通じてこれは国
会議員たる者は、議院内閣制というのはだめなのじゃないか、いまの段階では。少なくとも議員は国民の負託にこたえて立法に専念して、行政という面については、総理はこれは選ばれて出なければいかぬけれ
ども、それはそれとして、それぞれの専門家、専門屋に徹底して、とにかく総理の掌握のもとに継続的に
計画を煮詰めて、それを粘り強く実行していく、議席にある者は衆参両院を通じてその施策というものを追求をする、そういうような方向でないというと、何か知らぬが、二足のわらじをはいて、あるときには立法府にあり、あるときには行
政府にある、一体何をしているのかということになって、それもそのつど交代してしまう。いままでで一番うんと、所得倍増以上に
大臣がつくられたわけですね。だから、それでこれは失礼なことばではなくて率直に言って、いまの政治の基本的なあり方というものをやらぬというと、どうしてもそのつどに終わるということになると思う。これはもう、一面は選挙が非常に熾烈であるし、まごまごしているというと、どうしても当選できにくくなる。足をかっぱらわれるという傾向もあるということになるというと、やはり政治そのものが、政治
資金と直結しないというとから回りするような印象をもって、やはりすべての国の施策というものが政治
資金というものに結びついて、そうして運転されるという傾向が私は強いと思う。
そういう中から土地
政策一つ見ても、宅地造成公団というものをつくってやられる、われわれ大いに
期待していたのです。というのは、庶民の住宅の土地がある
程度低廉に確保されれば、これはおのずから
物価全般に私は
影響すると思っている。いまは日常的に働いても土地というものは手が届かないところにある。しかし、何とかこれを確保しなければならぬために、いろいろと、働いている人のみならず国民一般はそれをやっているわけなのです。そういう点で、いま瀬戸山さんが言われたように、基本的な構想に立って、抜本的な方向を歩まにやならぬといっても、その態勢が
日本の国というものはないと思う、これは与党、野党ということは抜きにして。そういう点で抜本的に政治のあり方というものにかんがみないと、私はやはりここでやっていることはこま切れに終わってしまうという気がするのです。
私はそういう点で、建設
大臣にここで無理なことを言っても、なかなかその客観情勢はできぬ。それは建設
大臣やってやれば、失礼だけれ
ども、どこに
道路を通してやる、そうすれば金も集まるし、票も出てくるだろう。今度はどこどこへやれ、あれはおれのところの子分、仲間だからあそこに頼まれるというと、ちょっとそっちへ敷きにくいけれ
ども、まあ目をつぶってこの際やれと、自分が言うのはおかしいから次官を呼んで、おまえちょっとあそこのところしてこいということで、政治そのものが本人の意思ではない、相対的ないろんな連関の中でひん曲がっていってしまって、その間に半年や一年たってしまうというと弁士交代と、こういうことになっておるんではないか。それを官僚群がいろいろとささえておるけれ
ども、官僚群
自体も、五十そこそこの年になるというと、
局長とかなんとかいってそろそろ政治に出るか、あるいは今度は実業界に出るか、腰がむずむずしている。国民の方向に政治を向けていくというより、自分の目を向けていくということよりも、必然的に、だれだって聖人君子じゃないから、やっぱり家族も持っていれば郷党の負託にこたえて、自分もいっぱし何とかなろう、これはあたりまえのことだと思う。しかし、そういう面からいうと、これとやっぱり政治との癒着というか、もたれ合いというものができて、結局官僚群
自体も、国政の中においてその道にほんとうにつくすという、これは本人が幾ら思っても、それはできないことになってくると私は思う。つまり五十くらいで
局長になって、五十二、三歳になるというとどっかの外局に出るなり、民間におりる、
こういうことでは私はやっぱりいかぬから、公務員になって官僚の道を遂行するというならば、私は、やっぱり六十なら六十まで——いま若いんだから、六十なら六十までやって、そして退職金も、それから年金もきちっとつけて、よその民間に出なくてもいい、それから外局に出なくてもいい、とにかくその道を通じていけば、何とかめしは食わしてやるという、この基本動態の中において政治の焦点というものが動いていかないというと、私はから回りするんじゃないかという気が強くするのです。したがって、われわれ政治の立場にある者は、やっぱり立法に専念し、その道にある者はその道に専念する、そうして右顧左べんすることなく、権力に追随しなくても、その道をほんとうに貫いていけば、六十年の定年なら六十年の定年にする。五十五なんてむちゃですね、いまの時代で。子供が二十か二十一、大学へ行くか行かない間に退職なんて、そんなべらぼうな社会機構の中においてまじめにやろうとしても、やっぱり何とかある
程度は位が進むというと外へ行って大会社に行く。通産
関係は民間の会社、
大蔵省関係は金融機関のほうへ行く。建設省の役人は建
設、土建
関係の方向へ行く。あるいは政治へ行く。こういう形になっていると思う。これはいけないといっても、そういう社会機構の中にみんな泳がされていると私は思う。そういう点で、根本的に、瀬戸山さんのような大先輩にこういうことを言ってあれですけれ
ども、ぜひとも私は、やはりお互い議員という立場において国政を論ずる場合に、
交通政策はどうあるべきか、住宅
政策はどうあるべきかというときに、やっぱりそれぞれの分野において衆知を傾けて、これが継続的に粘り強くいけるような仕組みを政治家がつくらにゃいかぬ、政治家が。そのためには、私は、政治家というものが立法というものに立って、それを法律的に施行していく権力もあるし、
責任も私はあると思うのです。そういう点で基本
政策をやる場合、自分が在任中、この一年なら一年に、こう
考えたが、これがこういかない、この根本
原因というものをやっぱり探求して、そうしてこれを次の
大臣に移していく、そうしてでき得るならば、議院内閣制ということよりも、もう一ぺん、これについては
論議があるけれ
ども、ほかの方向に
考えてみるなら
考えてみる一これは国の政治の根本に触れるから、これは私の個人的な
意見ですから、党との
関係はございません。しかし、少なくとも現状における行
政府と立法府という問題の
関係の中から、いま
質問と
答弁を聞いていると、宅地
政策ひとつ、土地
政策ひとつも確立していない。私はどうしてこれが確立されないのかということを見たときに、やっぱりいまの政治機構と結び付いている。あらゆる銀行、あらゆる大工場、
事業場がみんな不動産業を兼業していますよ、全部。不動産業をやっていないものはほとんどないですよ。紙の会社から、パルプ、それから紡績会社から、銀行から、生命保険から、何から何まで、あらゆるものが全部土地を食いものにしていままで太ってきたというても私過言でないと思う。こういうふうなものを背景にして、土地
価格の安定などといったって、私は笑わせられると思う。どうしてもやはり建設省が宅地造成公団なら公団をつくって、これは万能じゃないけれ
ども、抜本的に
政府資金と、国有地なり公有地なりを総合的ににらんでやるということになれば、土地
価格というものは落ちてくるのがあたりまえだと思う。
運賃値上げは百五十倍だ、百八十倍だ、
物価に比べて安いといっていながら、国の政治
責任において、一千倍以上の
物価がこっちにある、こういう総合的な中において国民は
生活しているんですから、部分をとらえて、
国鉄の
運賃は安いんだから上げるのはあたりまえだというが、高いものをおろしてくれない。私は、ここでこまかいことはふれないけれ
ども、ぜひともひとつ、できることとして、あなたの在任中に、土地対策、これだけならこれだけをやってもらうことになれば、
国鉄は敷地を買うのにずいぶん助かるわけです。そういう点で、これから
国鉄が新しい
政策のもとにいろいろなことをやっていく場合に、都市における過密化の解消、あるいは
通勤通学対策といっても、複々線化するにはべらぼうな金がかかるわけです。いまの中央線
一つをとってみても、普通では
考えられないような技術を駆使してやっていることは御存じだと思う。あなたも杉並に住んでいるからよくわかると思う、自動車ではよくわからぬかもしれぬが。そういう点で一番根本に来るのが、私は、やはり土地の買収。労働組合や何かがストライキをやるというと、公共のためとかなんとかいって、そういうような
事業になるというと、公共というものはどっかにいっちゃって、やたらだくだく金があれば出してやってきている。そういうことで私はここに来ていると思う。ある面においては公共性を主張する自民党が、ある面においては全然、ほとんど無尽につかみ金でぶったたいてやっていかなければならぬ、こういうようなことでは、幾ら
国鉄に金があっても、
輸送力増強に間に合いかねると私は思う。
こういう点を
考えたら、あなたのところで土地対策を立てて、どんなことがあってもこれをやるということになれば、おのずから国民の信頼というものがわき、
運賃値上げについても、そこまでやるならば、とにかく
国鉄もよくやっている、建設
大臣は土地対策よくやっている、むだがたいしてないということになれば、国民も黙って
運賃上げてよろしいというにきまっている。いまはそうじゃないと思う。そういう点で
大臣のひとつ土地に対する決意を伺いたいと思うのです、通り一ぺんのことじゃなくて。