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説明員(
磯崎叡君) 先ほど
瀬谷先生が御引用になりました二月十日の
衆議院の
運輸委員会に
おきます
審議の際の関谷
委員の御
質問に対しまして、私が
お答えしたのは、
速記録のとおりでございますが、その時点に
おきましては、私
どもは、あくまでも
法律が原案どおり二月十五日から施行されるものとしてそれを信じて疑わず、
法律が
提案され、また、予算が組まれておったわけでございます。したがって、あの予算そのものには、予算といたしましては
余裕がないことは、私が申し上げたとおりでございます。その後、御
承知のとおりのような事情になりまして、十五日に
衆議院を通ること自体が不可能な事態になった。しかも、その後のいろいろな情勢をうかがっておりますと、非常に一週間、十日というふうにおくれていきそうだという事態がうすうす私
どもにもわかったわけでございます。しかし、予算といたしましてはあくまでも、御
承知のとおり、今度の機の3号といいますのは、非常に異例な予算でございます。これはもう
先生のほうがずっと御
承知でございますが、昨年の暮れに機の2号と機の3号という分割すべからざるものを二つに分けたという、予算史上まれにみる、私
どもといたしましては、全く想像のできない
国鉄予算を二つに分かって国会で御
審議になったという非常に異例な措置でございまして、機の2号ですでに支出権が付与されているわけであります。すなわち機の2号と申しますのは、これだけ金を使ってよいという支出権を国会から
国鉄がいただいたわけでございます。それの財源として、機の3号は、二月十五日から
運賃を上げてこれだけ借金をしてよろしい、こういう機の2号の支出権の裏づけが機の3号でございます。したがいまして、もし機の3号が
予定どおり実施されないといたしますれば、あるいは場合によりましては、機の2号でいただいた支出権をもう一ぺん削るという措置をするか、あるいは機の3号で計上いたしました収入見積もりをある
程度何か
努力してふやすか何かしなければいけないわけでございます。御
承知のとおり、これは国家予算でもそうだと思いますが、
国鉄の予算の本質は、これは
国鉄法にもございますとおり、支出権の付与でございまして、収入については、一種の見積もりと申しますか、
計画予算でございます。これはもう御
承知のとおりでございます。で、本質の予算としては、これだけの損益勘定を使ってよろしい、
人件費はこれだけでよろしい、工事勘定はこれだけ使ってよろしいという、こういう
国鉄総裁に対する支出権を国会から付与していただくのが予算の
内容でございまして、収入につきましては、一種の見積もりであることは事実でございます。したがって、ことしのように四百五十億も減収することもございますれば、あるいは場合によっては、非常に景気がいいとか天気がいいとかいうことによりまして増収することもあるわけでございます。これらを弾力条項で弾力的に調整しているというのが、
国鉄予算の特徴でございます。したがいまして、機の3号が、先ほど申しましたとおり、二月十五日にとても通過する見込みがないということが、私
どものようなしろうとにもはっきりわかりましたので、何とか財源の見積もり額をふやさなければいけない、そして機の2号でいただいた支出権を正確に覆行しなければ、結局第三次
長期計画の遂行に支障を来たすということで、実は機の3号並びに
運賃法の附則を修正しなければならないという事態になりましたあと、実に私
どもといたしましては非常に苦心して、どうしても
一体収入欠陥を補てんすべきだということを真剣に討議いたしました。もちろん大蔵省にある
程度の補正予算の提出もお願いしたこともございます。しかしながら、やはりいろいろな
関係でできるだけのひとつ
努力をしてみよう、こういう話もございまして、私
どもといたしましては、もうない知恵をしぼりまして、過般予算
委員会で御
説明いたしましたような収入欠陥の補てん策を考えたわけでございます。もちろんこれは先ほど申しましたとおり、絶対に確保できるという意味でないということは、ちょうど運輸収入の見積もりと同じでございます。しかしながら、
計画としてはぜひこれだけはやりたいということでございまして、
内容といたしましては、
総裁が申しました、まず増収の
努力でございます。これはいま
先生が、「こだま」をふやしたって一人も乗るかどうかわからぬというお説がございましたが、最近の二月二十日ごろから、わりあいに旅客の
輸送かふえてきておる。最近、大学の試験
——ことにことしは非常に大学の受験生が多いので、非常に予想以上に早くから受験の学生がふえているというようなことが
一つの
原因で、わりあいに、最近の好天気と関連もございますが、天気もいいということもありまして、「こだま」三個
列車をふやせば、ある
程度増収ができるということもこれは大体見込みがついております。
それから、いまお話しのありました不用資産の売却なり不用施設の売却につきましては、実は不用施設につきましても、もちろん年度当初から予算で資産充当として計上しております。機の3号の三千七百万円の資産充当が計上されております。したがって、収入につきまして増収をはかると同じように、機の3号でお認め願いました資産充当の金額を何とかふやす
努力をしなくちゃいかぬという意味で、不用施設につきまして徹底的に、現在すでに契約ができているもので現実に年度内に金の入るものは
一体何か、しかも、それが当初予定でなかったもの、たとえば、本来から申しますれば、来年度売るつもりであったものを何とか事務で繰り上げて今年度内に契約して売ってしまうということができないかどうか、あるいは、いまお話しの普通の普通鋼くずにいたしましても銅くずにいたしましても、本来ならば、非常に事務がおそいと申しますか、大体翌年度になって売却すべきものを何とか繰り上げて年度内に売却できないか、こういう機の3号で御承認願いました資産充当という欄をふやす、収入の欄をふやすと同じように資産充当をふやす、こういう
努力ができないか。しかも、それが四十一年度予算に影響しないように四十一年度にはその事務を進めて、四十二年度に売るものを売る、こういう順繰り順繰りのやりくりができないかということも、資産につきましても施設につきましても、相当具体的に徹底的に検討をいたしました。その他、貯蔵品を効率的に使うというふうなことも考えまして、まあとにかく五十億というものを
——実は五十億ということを申しますのは、今月一ぱいしか泳げないというものでございます。ちょうど二十八日まででございますが、今月一ぱいは何とかみんなで、現場の末端まで
努力いたしまして、この五十億近い、これもきっちり五十億ぴったりという数字じゃございませんで、大体五十億を目安として、何とか企業
努力、不用施設、不用資産も、一種の企業
努力をしなければできないものでございます。これを何とか年度内に売却、あるいは運輸収入の
増加ということでもって機の3号
関係の収入の面の運輸収入の
増加、資産充当のほうの
増加、この二つの予算のたてまえをくずさないでもって、企業
努力していきたいというのがこの五十億でございまして、これにつきましては、決して、何と申しますか、やみからやみへ出てきたものでなしに、結局は来年度のものを繰り上げて事務的に最末端の現場機関まで督励して、早く売るという措置によるということによってやるつもりでおりますし、また、運輸収入につきましても、
新幹線の
増加は、大体この
程度の増収かできると、まあこういうふうに思っておるわけでございます。したがいまして、私
どもといたしましては、これでやっと今月一ぱいは、何とか二十八日までは収入欠陥の補てんができるというふうに考えておりますが、もうこれ以上は、私
ども幾らない知恵をしぼりましても、ちょっともう無理じゃないか、五十億前後のものというものは、もうぎりぎりのものだというふうに思っておりますので、これは決してなまやさしく出たものじゃなしに、私
どもが、十五日の
運賃法が施行できなくなって、ほんとうに困りまして、ほんとうにない知恵をしぼってのこの五十億でございまして、何とか私
どもといたしましては、この範囲内で
運賃法、か成立することを、何とか
先生方にお願いいたしたいというのが実態でございます。