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角屋分科員 時間の
関係もありますので、詳細に触れるわけにいきませんが、
長官にお伺いをいたしたいと思いますけれ
ども、昨年の十月一日の国勢調査の結果の発表によりますと、わが国の人口はおおむね九千八百二十八万人、世界第七位、五年前に比して五・二%の増、四百八十六万人の純増があるわけですが、その人口増加がどういう地域に分布されておるか、
長官も御
承知のように、関東の埼玉、千葉、東京、神奈川、こういう臨海地帯に、ここで三百十六万人ふえておる。それから東海の岐阜、静岡、愛知、三重、こういうところで八十四万人ふえておる。近畿臨海、大阪、兵庫、和歌山で百五十八万人ふえておる。これらを見ますと、わが国の純増の四百八十六万人をはるかにこえる五百五十八万人の増加を示しておる。したがって、いまお尋ねをいたしました首都圏、それから数年前にすべり出しました近畿圏、さらにその中間に位置する、これからお
考えおき賜わりたい中部圏、こういうものの
総合開発というものをどういうふうにやるかということが、これはやはりわが国
経済の全体的な発展について死命を制するほどの重要な問題である。単に過密都市
対策であるとか、あるいは都市化傾向をするとかという問題ばかりでなしに、
経済の問題というのは必ずしも人為的にいかぬ点もある。いかに社会的、
経済的、学究的な
立場から総合判断をして、そしてまた国際動向の中で
日本経済のそれぞれの地点における位置づけをどうするか、また地域
格差等の
政策的意図も含めてどういうふうに誘導していくかという重大問題ですけれ
ども、その前にやはり東京を中心にし、名古屋を中心にし、大阪を中心にした、この三大地帯というもののこれからの
総合開発をどうするかということは、
日本経済の死命を制するほどの重大問題だと思う。
現実に昨年の国勢調査で人口のふえた県が二十一県、人口が減少した県が二十五府県というふうになっておりますが、この二十一県の人口のふえたうちの十七県がいま言った地帯にあるということは御
承知のとおりだと思うのです。
そこで、首都圏がすでにすべり出し、いわゆる近畿圏が数年前にすべり出すと、その中間に位置をしておるいわば中部
経済圏というもの、これを一体どういうふうに
国土総合開発の中で
経済的に位置づけ、そしてまた今度発展をさしていくか。御
承知の中部圏として第一線の諸君が
考えておるところは、北陸三県、それから東海の静岡、長野、岐阜、愛知、三重というふうなところから、さらに近畿圏に
現実に入っておる滋賀等を含むところの九県を中心に
考えておるわけです。これは
昭和四十五年に一応予想してみますというと、
全国対比で人口においては一七・九%を占めるだろう、
生産所得においては二四・一%を占めるだろう、その場合に
全国的な対比で一次
産業の地位としては一九・四%、二次
産業では二八・一%、三次
産業では二二・一%と、いずれにいたしましても、中部圏の九県の持つ
日本経済に占める位置というのはきわめて大きいと思う。それと同時に、それならば北陸三県とかあるいは近畿圏に入っておる県というのを別にして
考えたらどうだというわけになかなかいかないと思うのです。特に太平洋ベルト地帯、あるいは
日本海岸におけるところの開発というものを結びつけてやはり
考えなきゃならない。同時に、言うまでもなく、アジアに位置しておる
日本の
経済的地位から見れば、お隣の中国との問題、あるいに朝鮮との問題、あるいは対ソ連との問題、もうすぐ接しておる地域の、たとえば中国、ソ連の人口は世界人口の半数近く占める。いまのところはいろいろな制約がありますけれ
ども、今後の
長期展望の中で
考えてまいりますと、そういうところの
貿易は当然これから立てる十カ年計画の中で重要な要素になる。としますれば、太平洋は太平洋、
日本海は
日本海というわけにいかない。特に
日本の本土のちょうど中枢部を占める中部圏の場合には、そういうやはり対アジア的な
貿易的な面、あるいはまた、中部圏の占める
経済的な地位というものから見ると、現地側の要請しているような形における
総合開発というものが適切である、こういうふうに思いますし、また、現に佐藤総理も、去年の六月十四日に、石田さん、
福田さん等を従えまして、名古屋に入りました際に、名古屋の観光ホテルで記者会見をして、中部圏の開発整備法の問題については、
政府として賛成であるし、積極的に協力したい、こういうことを言っておるわけでありまして、
現実に今度の新年度
予算では三千万円の調査費をつけたわけでありますけれ
ども、これは
経済企画庁が当然すべり出すまでは中心になってやっていかれるわけですが、中部圏のいま言った
経済的地位、あるいは社会的地位、そしてこれからの
総合開発の中における位置づけというものから見て、太平洋、
日本海を含む、いま言った首都圏の
総合開発というものは非常に重要である、こう思うわけであります。これらの問題について、現地側では今度の通常国会の中で法案を整備をし、そしてすべり出しをしていきたいという積極的な意欲を持っておるわけでありますけれ
ども、
長官としても、
経済人でありますから、当然こういう問題については、基本的に賛成であり、また前向きにこの問題についてはすみやかに対処すべきであるというお
考えであろうと思いますが^まずその点からお伺いしたい。