○原(茂)
分科員 ありがとうございました。
続いて、六点一緒にお答え願いたいのですが、やはり、これらの精薄児なり
身体障害者に対して、いままで
一般の
障害者に行なわれておると同じように、たとえば、精薄者手帳というようなものを交付する制度を設けて、現に、いろいろな配慮の中からラジオ・テレビの聴取料の
免税ですとか、交通機関に乗ろうとするとき割引が実施されているとか、身障者に対していろいろとその種の特別な配慮が加わっている。それと同じようなことを、この精薄者あるいは重度身障者及びこれに義務者として常につえのように付き添って動いている
人々にも、あわせて特別なこの種の配慮が加えられていかないと、一人で動物園に見に行くとか、汽車に乗ってどこに行くといったって、これらの
人々は絶対に一人では行けないのですから、汽車の割引があるにしても、義務者に対してまで一緒に割引が及ばなければ、実際には、ほんとうの
意味の国の立場で配慮を加えたことにならないということも含めて、本人はもちろんですが、この義務者一人に対しても、当然いろいろ他の身障者に今日まで与えられていると同じ恩典というものが、交通機関その他のものに対しても与えていただく必要があるのじゃないかということを
考えるのが
一つ。これもはっきりひとつ御答弁をいただきたい、ぜひやっていただきたい。
それから、精薄者に対して
——とにかく
あとで別に言う時間がないようですから、一緒に申し上げるのですが、重度の精薄者ばかりでなくて、軽度の精薄者といいますか、この
人々に対しては、現在でもその
施設がほとんど足らなくて、押すな押すなの盛況なわけですね。ところが、一定の期間がまいりますと、まだまだ完全になおるどころか、これで手放しで
社会に出していいという状態になっていないのに、年齢、あれは十八歳でしたか二十歳でしたか知りませんが、くると、やはりどうしても出なければいけないような状態に環境がなっているわけですね。そこで出される、出された者を
家庭で引き取って、今度は
家庭がめんどうを見るわけでありますが、年齢的にいっても、ちょうど青春の芽ばえのときですから、たいへんな苦労を
家庭が一緒にしょい込む、そういうことを
考えますと、現在、この種の
施設の思い切った増強をやっていただく必要のあるような現状は御存じだと思う。それから、その
施設をふやすと同時に、年齢がきたからといって、ただこれをところてん式に出してしまうようなことのないようにする。それと同町に、そういっても、出していいかもしれない
程度に軽度になってきた者もあるかもしれません。そういう
人々は、家から通院でもいいですから、いわゆる授産場といいますか、この
施設をやはり同時にバランスをとりながら拡充していただいて、どうも通院は無理だと思う者に対しては、宿泊
施設を持った授産場でやり、それから、だいじょうぶだと思う者に対しては、通院者もそこに
収容できるような授産場、そういう
施設の増設というものが同時に行なわれないと、ほんとうのこれらに対する国としての手当てをしたことにならないというふうに
考えますが、いま申し上げた順序で、今度こうする、あるいは、現在は
予算がこの
程度で、この
程度しかできないが、今後はどういう方針だということを、ひとつ
厚生大臣の明快な御答弁を、いまの二つ目にいただきたい。
それから三つ目に、私の出身県の長野なんかには、たとえば、飯田市に非常に大きなものがございますが、手をつなぐ親の会、これは、これらの
子供を持ったおかあさんたちが自費でいままでたいへん
運動をしてまいりまして、現在では長野県では
中心的な
——この種の不幸な
子供たちに対して思い切ってお互いに手をつないで、国の足らないところを補ってまで、何とか他の不幸な
子供にまで手を及ぼして、できるだけの援護
措置を講じようじゃないかというので、手をつなぐ親の会というのが
相当大きく発展してきております。
全国的にもたぶんあるのじゃないかと思うのですが、そういうような会、
運動の主体に対しては、
相当程度国の立場で助成していただくようにいたしますこと、これは先ほど
川崎委員も言っておられましたが、お役人さんにまかしてできる
仕事では絶対ありませんので、この種のおかあさんたち、おとうさんたちが一緒になって、国と手をつないでやっていかなければ成果のあがらない
仕事ですから、そういう
意味では、この種のほんとうに純真な公的な
団体に対しては、国の立場での助成の道を講ずるように
措置をしてあげることが必要でないか。そのことが、これら精薄あるいは重度
身障児等に対する下からのあたたかい思いやりとなって成果があらわれてくるのではないかというふうに
考えます。いまのは、一例でございますが、これらの手をつなぐ親の会というようなものに対する国家的な助成
措置を講じていただきたい。
大臣、どうでしょか。
それから次には、現在どの
程度まで年金が支給されるようになっているのか知りませんが、もう少し年金制度というものを具体的に内容を高めながら、いまのままでなくて、将来を
考え、いま私が申し上げたようなこと、あるいは
大臣以下皆さんがもっと御存じのことを含めまして、年金という制度の中で、できる限りひとつこれらの問題の解消をしようという意思表示と、年金制度をどういうふうに今後運営していくか、内容はどう改めていこうとなさるかを、一緒にお伺いをしたい。
次に、たしか愛知県の一宮にあったと思うのですが、
身体障害者の訓練所というのがあるはずです。これはほかにもあるかどうか知りませんが、一宮のは、
方々から見学に行くほど有名になっておりますね。その種の身障者の訓練所というようなものが、やはりこれも同じように、
全国的にバランスのとれた形で
施設が生まれてまいりませんと、最後の仕上げがなかなかむずかしいというふうに
考えますし、一宮の例は、非常にその面で成果をあげていますので、一宮と同じような身障者の訓練所というようなものを、やはりこれも国が
中心的に動いておつくりいただくような意思があるかどうか、これをぜひやっていただく必要があるのじゃないかというように
考えますが、以上六点、一緒に御答弁をいただきたい。