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小林分科員 安定局、
基準局両方のこれに対する
お話を承って感ずることは、やはり安定局と
基準局との連絡がまだ密にいってない。第一に安定局に言わせますと、あなたは大体六十万とおっしゃる。われわれのそれはざっとの集計で、調査機関があるわけじゃないんだが、われわれは百五十万と踏んでおる。もっと数多いかもしれません。農林省のに至っては問題にならぬ。しかし安定局のほうは御
承知のとおり失業保険を
基準に考えられておる。出かせぎ者は全部失業保険に入っているか。入ってない。入ってない根本は何かというと、これは、一番問題は縁故あっせんなんだ。出かせぎの縁故就職、縁故あっせん、これがまた一番不明朗だし問題を起こす根本なんです。それを何とかつかむように
職業安定局で
努力をしてもらいたい。そのためには、各出先の市町村と各県なんかでも進歩的な県はもはや中央に出かせぎ対策のセンターみたいなものを置いて県内から来る者をあらゆるところでつかみながら、そういう人たちの不幸を救済するように
努力を見せているところもありますけれ
ども、私はそれをひとつ安定局にやってもらいたかった。一体なぜ
職業安定局の窓口を通さないでそういう縁故あっぜんや縁故就職をするかというと、もろもろの理由はあります。日本の人情の機微、頼まれたから行くという話もありましょう。それがその中の主要な原因ですが、一つはやはり課税なんです。税金を総合所得で取られる。若干総合所得があるでしょう。それに加えて出かせぎのものも加えられて総合課税をやって取られるから、こういうことを忌みきらってなるべく職安や公的な登録をしないで出かせぎに出る者があることが問題の大
部分で、これを何としてもつかみなさいということを私は言っているんだが、いまの
お話の中にはどこにもそれが出ていない。そこでそれをつかむと同時に、いま一つは出かせぎ者というものは
生活が二重になるんですよ。妻子を離れて郷里にも一つの
生活があり都会の中にも
生活がある。それだから私はこういうものは所得税、地方税は免税にしなさいと言うんだ。それくらいの
努力をしてやらなければ
——何も
生活のゆとりがあって税金も十分納められる者がわざわざ妻子眷族を離れ
子供をあとにして四カ月や半年で出てくるわけがないんだから、そういうものの税金は非課税にするだけのやはり親切さがなければならぬ。そういう
努力をされたかされないか。いいですか、安定
局長、そういう市町村の縁故者等の就職等をキャッチするために一体
努力をされたかどうか。課税の問題に対して大蔵省
のどこですか、主税局ですか
——主税局、いらっしゃいませんが、あれは悪いところだから、それはまたあとで大蔵省に言って教育をすることにいたしますけれ
ども、そういうことを
労働省は積極的にやはり動いていかなくちゃならないのです。そうして出てくるものの形をとらえておいたら、それを今度は、あといま言われた
労働基準局と横の連絡をとってすぐできることですから
——どこの飯場
のどこの
職場にどれだけの者が働いているかということは、すぐあなた方は同じ省内で連絡をして、その連絡に基づいて
基準局が常時監督をしてもらえば、手がなければ人員をふやして常時監督する。私は単なる賃金不払いの問題ではないと思う。行ってみなさい。飯場なんというものは人間の住む場所じゃないですよ。労働
基準法八時間労働なんというものじゃない。夜から昼から働いて、そして犬か豚の住むような豚小屋に住んで
生活をしているじゃないですか。都会のまん中で、なぜあなた方それを見ようとしないのか。そういうことも厳格にやってもらわなくちゃならない。もはや出かせぎは出かせぎじゃないのですよ。重要な都会における労働力の源泉ですから、臨時的な出かせぎ対策と言わずに、恒久的な、根本的な対策を立ててもらわなければならぬ。いみじくも職安
局長はようやく緒についたばかりだと言われた。緒についたばかりと言われればしようがない。何をもたもたしておるかと言うことよりしかたがないけれ
ども、私は早くこれを完成して、りっぱなものにしていただきたいと思うわけであります。時間がありませんので、この問題はひとつ御
努力願うことにいたしますが、やってくださらぬと来年またやりますよ。一
年間の猶予を置いてまたやりますから……。
いま一つは失業保険の問題です。失業保険、これは古い話だけれ
ども、三十九年の十二月五日に失業保険の打ち切りと法改正の意図を前任者の石田さんが明らかにされた。それから同じ三十九年の十二月、これも十二月の何日でしたか、保険法の改正を国会に提出をするなどということも
労働大臣が言われた。これはそれっきりどうも消えてしまったようだが、現実に地方を歩いてみると、まことに至厳な行政が行なわれて、現実に法改正が行なわれたような形が行政指導の面にあらわれておりますけれ
ども、これは私は非常に行き過ぎじゃないかと思っておるのであります。最近の推移をひとつ承っておきたいのと、いま一つは、
労働大臣、これはあなたの仕事なんだけれ
ども、八十七号批准に基づく公務員制度審議会のその後の経過、一体ILO八十七号を批准して、その効力の発生する一年目は何月何日ですか。それまで公務員制度審議会のこういう審議の過程で間に合うのか間に合わないのか。あなたは前田委員会にまかしたんだから、あとは私は責任がないなどとのほほんとして、あるいはゴルフかなにかやっているかもしれませんが、そういうような問題じゃない、これは国際問題ですから。これはいまの公務員制度審議会に入れられておる問題を、やっぱりあなたが中心になって、早くこの問題を完成しなくちゃ、これはたいへんな問題だということを私はおそれているわけでございますけれ
ども、以上二つの問題。
〔倉成
主査代理退席、竹内
主査代理着席〕
もう時間がないから、いま一つ、あなたは最賃審議会に諮問されたが、そのときにあなたは特に
ことばを継いで、最賃法は、最賃に関するILOの二十六号に当てはまるようなひとつ答申をしてもらいたい。条件つきのようなことを
労働大臣はおやりになったが、一体あの条件の中心をなすものは何ですか。いわゆる業者間協定を廃止することでしょう。賃金の原則は、
労使対等の原則に基づいて賃金を決定するというのは、これは国際法の定めた原則だ。ところが、私
どもが反対するにもかかわらず、ああいうごまかしの最賃法をあなたはつくられて、そうして業者間協定、労働者が干渉しない、業者だけで労働者の賃金を適当にきめるというごまかしのいわゆる最賃法をおきめになった。それが押せ押せできて、とうとうあなたは
予算委員会で多賀谷君に恥をかかせられるようなああいう結果になって、めぐりめぐってきたのでありますけれ
ども、根本はこういう
労使対等の原則を一体最賃法の中に入れる考えを
労働省は持っているのかいないのか。それからいま一つは賃金にしても地域別だの、職業別だの、産業別だのというごまかしでなしに、
全国一律の最賃制を確立する意思があるものかどうか。あなた方は新しい最賃法の改正の中に入れる意思があるかどうか、以上一、二、三点をひとつ御回答をいただきたいと思います。