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辻原分科員 いまの御答弁は、私はちょっと納得がしがたい。これは
大臣にお聞きをいたしますが、今日、電波法によって、無線局の設置については所管
大臣の権限になっておる。何もこれは放送法の改正ができることと直接の
関係はないはずです。したがって、波さえあれば当然これは行政措置でもってきめ得られるはずだ。私はこの問題について非常に不満を持って、すでにいろいろな
意見を当局に申し述べたのはもう三、四年前だったと思います。その後しばしばこの点についても経過を追って
意見を申し述べてきた。その間において、結局私が知り得たことは、いま
電波監理局長がおっしゃったけれ
ども、それは
一つの理屈である。ほんとうの理由ではない。なぜ私がこういうことを言うかといえば、それは放送法の第一条の目的にも明らかに書いてありますように、一体放送というものの使命は何か、私がここでない時間をさいて申し上げるまでもなく、放送というものは国民に最大限に利用せられ、しかもその効用をもたらすことを保障しなければならぬ、これが
法律に書かれておるいわゆる放送についての原則である。その原則に照らして
考えてみた場合に、当然波はあるのです。波はありながらそれに免許を与えないために地域住民に対して多大の迷惑をかけておる。もっといえば、同じ国民でありながら、しかも同じ放送という、いわゆる国の基準によって国民が恩恵を受ける、そういう部面の仕事でありながら、
政府の怠慢、当局の怠慢によって今日まで三、四年も放置されておる。たいへんなことです。同時に、もう
一つの、一体なぜそういう怠慢になったかということは、これは私は郵政当局だけは責めません。しかしあなたがいま言われたように、いわゆるチャンネルがない。Vは満ぱいで、Uしかこれから免許を与えていく上に活用できるものはない。
一般的には確かにそうかもしれない。しかし、必ずしもVがゼロだということは当時から言われなかった。免許を与えようとすれば若干のものはあったはずなんです。また同時に、Uでも、行政措置として決断さえすれば当然免許が与えられたはずなんです。ところが結局は、郵政当局がいわゆる既存のそれぞれのテレビの利害
関係の渦に巻き込まれてそれをさばき得なかったというのが実際の理由なんです。ある場合においてはテレビとラジオの争いになったり、あるいはテレビ相互間の利害
関係の確執の中で問題が持たれたりした。それぞれの
企業の理屈は確かにおありになるでしょう。なるけれ
ども、それらの理由はいずれも
企業の利害に関する点であったと私は思う。そのそれぞれの
企業、一
企業の利害のために国民のかなりの部分が大きな被害を受けたということは、これは私は見過ごしができないと思う。しかし、われわれはあくまで従来郵政当局を信頼して、何とかひとつ地域住民の利益という立場に立ってこの問題の結着をつけてもらいたい。どこの
会社に、どこのテレビに、どこのラジオに免許を与えよということは私
どもは一切申さなかったはずである。ともかくよそで聞けるものならば、よそで見えるものならばわれわれの地域でも同じように見せてもらいたい。同じようにテレビの機械を高いお金を出して買って、一方においては六つも七つも見られる。一方においてはただNHKだけしか見られない。他に理由は何ものもない。結局その争いのためと、その争いに巻き込まれた郵政当局の行政当局としての決断が足りないばかりに、そういうことを二年も三年も四年もほったらかしにされて今日にきたというのが実情です。ただ、いまになって放送法の改正が近く行なわれる、その中で一緒くたにやろう、こういうことになったにすぎない。なぜそれだけの権限としかもその必要がありながらいままでやらなかったのかということを、私はあえてこの席上で
大臣に申し上げるのです。私、郡さんにお話を申し上げるのは初めてでありますが、前
大臣の当時においては、何回も、そのことについては地域の住民にもある
程度の確約をした、短時間にやります、もう決断します、いろいろなお話があったけれ
ども、結局はそれをやらずに今日までこれを持ち越しておるわけです。だから、単に放送法の中で新たにUというものを配分するについてそれと一緒にやりたいという理由は、私には納得できないのだ。あらためて
大臣からその点についてのお話を承りたい。