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1966-02-25 第51回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月二十五日(金曜日)    午前十時十一分開議  出席分科員    主査代理 三原 朝雄君       熊谷 義雄君    松澤 雄藏君       大原  亨君    片島  港君       金丸 徳重君    楯 兼次郎君       山口丈太郎君    兼務 大村 邦夫君 兼務 堀  昌雄君    兼務 山花 秀雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 郡  祐一君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  畠山 一郎君         郵政事務官         (監察局長)  山本  博君         郵政事務官         (郵務局長)  長田 裕二君         郵政事務官         (貯金局長)  稲増 久義君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      武田  功君         郵政事務官         (電波監理局         長)      上田 弘之君         郵政事務官         (人事局長)  曾山 克巳君         郵政事務官         (経理局長)  淺野 賢澄君  分科員外出席者         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局監察審         議官)     諸永  直君         総理府事務官         (経済企画庁総         合計画局参事         官)      竹内 直一君         大蔵事務官         (主計官)   荒巻与四郎君         大蔵事務官         (主税局税制第         一課長)    中橋敬次郎君         大蔵事務官         (理財局次長) 広瀬 駿二君         農林事務官         (農政局参事         官)      横尾 正之君         自治事務官         (行政局振興課         長)      遠藤 文夫君         日本電信電話公         社総裁     米沢  滋君         日本電信電話公         社営業局長   武田 輝雄君         日本電信電話公         社計画局長   宮崎 政義君         日本電信電話公         社経理局長   中山 公平君     ————————————— 二月十二日  分科員松浦周太郎君及び永井勝次郎委員辞任  につき、その補欠として熊谷義雄君及び山口丈  太郎君が委員長指名分科員に選任された。 同日  分科員大原亨委員辞任につき、その補欠とし  て片島港君が委員長指名分科員に選任され  た。 同日  分科員山口丈太郎委員辞任につき、その補欠  として金丸徳重君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  分科員片島港君委員辞任につき、その補欠とし  て大原亨君が委員長指名分科員に選任され  た。 同日  分科員金丸徳重委員辞任につき、その補欠と  して永井勝次郎君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  分科員熊谷義雄委員辞任につき、その補欠と  して松浦周太郎君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  第二分科員大村邦夫君、堀昌雄君及び第三分科  員山花秀雄君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十一年度一般会計予算郵政省所管  昭和四十一年度特別会計予算郵政省所管  昭和四十一年度政府関係機関予算郵政省所管      ————◇—————
  2. 三原朝雄

    三原主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  主査が所用のため、指名により私が主査の職務を行ないます。  昭和四十一年度一般会計予算及び昭和四十一年度特別会計予算中、郵政省所管並びに昭和四十一年度政府関係機関予算中、日本電信電話公社関係を議題といたします。  まず昭和四十一年度一般会計予算及び同特別会計予算中、郵政省所管並びに同政府関係機関予算中、日本電信電話公社関係につきまして説明を求めます。郡郵政大臣
  3. 郡祐一

    郡国務大臣 当省所管会計昭和四十一年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず郵政事業特別会計予算でありますが、この会計歳入予定額は、四千百七十八億三千五百万円で、前年度予算額三千六百二十四億七千八百万円に比較しますと五百五十三億五千七百万円で一五%の増加となっております。  このうちには、収入印紙収入等一般会計繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が八百五十三億一千二百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費財源となる歳入は三千三百二十五億二千三百万円となっておりまして、これは前年度予算額に比較しますと、五百九十七億二千七百万円で二二%の増加となっております。  この収入の内訳は、郵便、為替、振りかえ等の業務収入が千六百五十二億九千二百万円で、この中には郵便収入において二八・八%の増収を期待する郵便料金の改定を行なうこととしての増収を見込んでおります。  他会計等から委託された業務運営に要する経費財源に充てるための受託業務収入が千五百七十四億四千万円、郵便局舎等建設財源のための借り入れ金等資本収入が九十七億九千一百万円となっております。  次に歳出予定額は、歳入予定額同額の四千百七十八億三千五百万円で、前年度予算額三千六百八十一億一千六百万円に比較しますと四百九十七億一千九百万円で一四%の増加となっております。  また、歳出予定額から業務外支出を除いた実体予算も、歳入予定額同額の三千三百二十五億二千三百万円で、前年度予算額に比較しますと五百四十億八千九百万円で一九%の増加となっております。  この増加のおもなものは、業務運営費の四百七十九億一百万円、郵便局舎等建設費五十九億九千七百万円等であります。  次に、四十一年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。  業務量増加等に対応しまして四千七百二人の定員増員を行ないますほか、職員住宅完備充実を促進する所存であります。  また、事業近代化をはかるため、建設予算百七十五億円をもって郵便局舎等改善を行ない、四十億七千四百万円の経費をもって、通常郵便物航空機搭載をはじめとする郵便集配運送施設改善事業各般機械化の促進、窓口施設改善を行なうこととしております。  窓口機関の設置につきましては、無集配特定局三百局、簡易郵便局五百局を増置して、利用者の利便をはかりますとともに、簡易郵便局手数料及び切手類売りさばき手数料実情に沿うよう引き上げることとしております。  貯蓄の増強につきましては、新年度における郵便貯金の純増加目標額を四千九百億円、簡易保険新規募集目標を四十五億円、郵便年金十億円とし、この達成につとめることとしております。  次に郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は二千百八億九千四百万円で、前年度予算額千六百六十七億一千万円に比較しますと四百四十一億八千四百万円の増加であります。  この増加は主として郵便貯金増強に伴い資金運用部への預託増加による利子収入増加によるものであります。歳出予定額は千七百九十億九千八百万円で、前年度予算額千四百六十三億五千四百万円に比較しますと、三百二十七億四千四百万円の増加であります。  この増加は、郵便貯金預入者への支払利子及び業務委託費としての郵政事業特別会計への繰り入れ増加によるものであります。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計におきましては、歳入予定額は三千六百十六億九千七百万円で、前年度予算額三千百八十六億三千三百万円に比較しますと四百三十億六千四百万円の増加であります。  歳出予定額は二千百四十二億八千六百万円で、前年度予算額二千三百三十一億三千七百万円に比較しますと百八十八億五千一百万円の減少となっております。この減少は、四十一年度において前年度より満期保険契約減少するため保険金分配金減少することとなるためであります。  なお、四十一年度財政投融資原資のうち簡保年金資金は千七百億円を予定しております。  次に、一般会計予算について申し上げます。歳出予定額は四十一億四千五百万円で、前年度予算額三十八億七百万円に比較しますと三億三千八百万円の増加であります。  この中には、重要施策としておりますところの、米国航空宇宙局の打ち上げる新型通信衛星による、国際的共同実験に参加するための研究施設の拡充に要する経費一億九千六百万円のほか、電波監理事務機械化電波監視体制整備強化受信障害防止対策の推進及び有線放送電話施設整備強化のための技術指導費として五千七百万円が含まれております。  次に、日本電信電話公社予算について申し上げます。  損益勘定におきましては、収入五千五百三十億円を見込み、前年度に比較し七百十六億円の増加となっております。また支出は五千三百四億円でありまして、施設及び要員増加等により前年度に比較し九百二十二億円の増加となっております。  以上の結果、収支差額は二百二十六億円となり、前年年に比較し二百六円億の減少となっておりますが、この収支差額は、資本勘定繰り入れられることになっております。  資本勘定におきましては、内部資金二千百十五億円、外部資金二千二百三十三億円、総額四千三百四十八億円を予定しておりますが、前年度に比較し七百十六億円の増加となっております。外部資金の調達は、加入者債券設備料千五百四十八億円、財政投融資等六百八十五億円を予定しております。この資金債務償還等に二百二十八億円、建設勘定への繰り入れに四千百二十億円を充てることにいたしておりますが建設勘定繰り入れ額は、前年度に比較し六百五十一億円の増加となっております。建設勘定におきましては、四千百二十億円をもって加入電話百二十三万加入等主要工程とする建設計画を実施することといたしております。  以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細な点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。  何とぞすみやかに御審議くださいますようお願い申し上げます。
  4. 三原朝雄

    三原主査代理 以上で説明は終わりました。     —————————————
  5. 三原朝雄

    三原主査代理 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。山花秀雄君。
  6. 山花秀雄

    山花分科員 ただいま郵政省から今年度の関連する予算説明がございましたが、この七月から郵便料金値上げをするということが確定的に予定されておるやに承っておりますが、これによりましてどの程度値上げの金額になるか、それをお知らせ願いたい。
  7. 郡祐一

    郡国務大臣 現在の郵便事業状況から見まして、久しきにわたり据え置きました料金値上げをどうしてもお願いしなければならない状態に相なりまして法案を御提出申し上げておるのでありますが、これによりまして初年度におきましては、七月一日実施を予定いたしまして、二百八十六億円、それを平年度化いたしますと三百六十四億円を期待いたしております。
  8. 山花秀雄

    山花分科員 ちょうど去年の前日でございますが、二月の二十四日に当分科会におきまして、私はいろいろ郵政業務に関して質問をいたしました。当時大臣徳安さんでありましたが、また政府委員の方からもたいへん意に満ちた御回答がございましたが、この一年間にそれが行なわれておるかどうかということを私問題にしたいと思うのであります。  大体、質問の、要旨は、近郊都市における人口増加に伴う郵便業務を円満、スムーズにやるためにどういう施策を行なうかという点でありましたが、その一例といたしまして、局舎を新設する、あるいは老朽局舎改善する、または人員増加を行なうというようなことがるる述べられたのでありますが、いま聞いておりますと、四千七百二名の定員増を行なうというように説明がございましたが、一般的に申し上げますと、これらの定員増がたとえば近郊近接都市、俗に衛星都市とも言いましょうが、業務量のうんとふえたこの地域のみに限って定員の増になっておるのか、あるいは僻地関係においても定員増になっておるか、この振り分けがわかっておりましたならば、ひとつお聞かせを願いたい。
  9. 郡祐一

    郡国務大臣 山花さんのおっしゃいますように、都市、ことに発展する大都市周辺におきまする郵便集配業務というものは、仕事に当たります者も非常な苦労をしており、事実東京周辺でありますとか、また大阪その他の周辺におきましては、他から応援を出しましても、なかなかに日ごとにふえてまいる人口移動等のために非常な苦心をいたしておる。したがいまして、このたび郵便料金値上げ等もやむを得ずお願いするのでありますけれども、ねらっておりますところの一つは、大都市間にこれだけ航空機というものが発達してまいり、それに速達でなければ乗せないということがおかしいので、一種、二種は当然航空機を使うということ、それからまた、航空機を使わないもっと近距離の間でも専用の自動車をもっと活発にいたすということ、それから、ことに大都市地区周辺におきましては、つとめて可能な限りは機械化をいたしますけれども、やはり何と申しましても九〇%が人力によっておるという郵便事業であります。この辺につとめて集中をいたしまして人間の配備をいたさなければ相ならぬと考えております。しかし御説明申し上げました要員はもちろん全体でございますけれども、その配置の状況等につきましては政府委員からお答えいたします。
  10. 長田裕二

    長田政府委員 先ほどお話しの、昨年の分科会におきまして大都市近郊郵便配達難救済という観点から局舎定員等につきまして御質問がございました。その際、過去三年間にわたる定員増人口増加などと対比いたしまして御説明申し上げ、また省側局舎計画等につきましても御説明申し上げたわけでございます。  定員につきましては、四十一年度郵便事業定員は四千二百二十六人でございます。昨年が四千百七十九人、少し増員になっておりますが、全体の郵便物数趨勢等から考えますと、実質的には昨年よりも相当増員の度が高いと考えておるわけでございます。これをどういうふうに配分いたしますかは、実はまだ定員配分実行計画をつくり終えておりませんけれども、依然として大都市近郊というものに重点が置かれるということは当然でございます。昨年は東京近郊——東京都下東京都に隣接いたします神奈川県、埼玉県、千葉県三県の近郊を合わせまして五百人余りの郵便内勤外勤定員を配分いたしました。今年につきましては、昨年とほぼ似たような考え方から、予算成立いたしましたならば早々に定員を配分できるようにただいま準備しておるところであります。
  11. 山花秀雄

    山花分科員 大体昨年度程度あるいは幾らか、数人か数十人上回るというようなお話がありましたが、事実上は改善されてないのです。これは私個人の問題を言えば一番端的だと思いますが、私は調布市に住んでおりまして、去年も私の問題に関連いたしましていろいろ質疑を申し上げました。徳安郵政大臣は、確かに配達職員の皆さんの御苦労上司一緒に回ってやらないとわからない、そして私もひとつ出かけていくというような、たいへん懇切な説明がございましたが、実行されてないと思います。去年私が申し上げたのは、一日一回配達が隔日になり、特定市街地に一日二回配達が一回になり、それがまた隔日になる。このごろ私のうちなんかは毎日配達は全然ございません。もうりっぱな市街地になっておりますが、二日目にどさっと、三日目にどさっと、こういうひもでひっくくって配達をしておりますが、その中にずいぶん誤配もございます。御近所入学通知だの、あるいは就職通知というような誤配もずいぶんございます。一々取り上げて局長さんのほうに注意するのがほんとうでございましょうけれども、配達をなさる方の実情をいろいろ聞いておりますとアルバイトがたくさんおる。アルバイトの方だと誤配もやむを得ないと思うが、これはやはり定員増によって解決する以外にないと思いますが、去年相当ふやしたけれども改善されてないというのは、人口増加に伴う定員増加がやはりそぐわないと思うのです。本年度のこの程度定員増でサービスがきちっといくという確信がおありになるかどうか、もう一回お聞きしたいと思います。
  12. 長田裕二

    長田政府委員 昨年御指摘をいただきながらそれに近いような事実が起こっているということについては、たいへん申しわけなく存じております。昨年度お話がありました以後、大都市東京近郊に特に力を入れてやるという意味から、東京都下多摩地区神奈川千葉埼玉東京近辺局長をそれぞれまる一日ずつ東京郵政局に集めまして、本省の関係官郵政局関係官、一堂に会しまして、実情と、どうしたらそれが打開できるかということを前後四日かけまして話し合ったのでございます。その結果、従来定員を年に一回ずつ配っておりますが、できるだけ実情に沿わすという意味から、年に二回ずつ大都市近郊に限って配算するということにいたしまして、調布の局につきましては、昨年五月に外勤十四人、それから十二月に三人、合わせて十七人、それに内勤六人で二十三人昨年じゅうに増員いたしたわけでございます。これに、増員を受けました調布郵便局では、結局区内の人口が、戸数が相当ふえているということが集配難の大きな原因でもございますので、昨年の九月に区をふやすことにいたしました。それまで市内区、市外区二十八区でありましたものを、五割増しの四十二区までふやしたのでございます。各区当たり平均三割三分くらいの負担減ということができるわけでございますが、ただ調布の局におきましては、これを全部の区について実施いたしませんで、実は先生のおられます市外六区、その隣の市外五区、その他二、三の区につきましては、従来どおり、残りの区につきまして区の調整をいたしたのでございます。市外六区につきましては、したがいまして従来どおりのまま打ち出しまして、その後第二回の定員増加を、年末等の関係もございまして、郵政局から二月になりまして調布の局は受けました。現在職員の採用の手続をとっております。三月一日に実際にその人員が入る予定でございまして、訓練等関係もございまして、実際に五区、六区等が改善されますのは四月一日になるかと思います。その間相当負担の重い区という状態が続いておりますことと、それからときどき無断で欠勤する者が出ることなどがございまして、過去一カ月の間についてみますと、一月二十二日と二十三日の二日はまるまる欠区いたしました。また職員が休んだりすることでお互いに差し繰りをいたします関係で、ほかの人が入って、結局六局が完全に配達できない、一部しか配達できないということから、先生のお宅の近辺が欠配になりましたのが一月三十日、二月十八日及び二月二十二日、結局全部合わせまして過去一カ月間のうちに五日間配達ができなかったような事情のようでございます。たいへん私どもの手配が一部に片寄りましたこと、あるいは時期がおくれましたことなどによりまして、そのような結果が出ましたことは申しわけなく存じているところでございます。  なお定員としまして、現在非常に足りない——決して十分とまで申せるかどうかはあれでございますが、非常に足りないという状態ではないのでございますけれども、昨年にしましても、二十人近い増員、過去数年間そういう増員でございまして、非常に年の若い未熟練の者がいるということからいたしまして、通区、近所の区の配達もできる人間というものが数も少ない等からしまして、せっかく区に入れかわりましても、先ほど申し上げましたような途中までしか配達ができないというような状態などが起こっておりますが、これらも訓練相当力を入れてまいりまして、遠からず解消するように努力してまいりたいと存じております。
  13. 山花秀雄

    山花分科員 去年私に引き続いて堀昌雄委員から質疑がございました。これは尼崎市の広大な地域一つしか郵便局がないし、速達なんかも五キロ以上配達をする、これは集配をされる方の御苦労はたいへんだ、ところが敷地は買っておるけれども庁舎を建てないのかとの質疑に対しまして、いや西淀のほうとか姫路のほうがもっと先決だという御答弁がございましたが、尼崎は解決したのでしょうか、どうでしょうか。あれから一年たっておりますから……。
  14. 長田裕二

    長田政府委員 尼崎の局につきましては、ただいま局舎設計中でございます。
  15. 山花秀雄

    山花分科員 去年は土地を購入してあるということで、まあ庁舎が建たないということが議論の焦点になりましたが、あれから一年たってなお設計中ということになりますと、去年は人口大体五十数万でありましたがもう六十万をこえた人口になっておる。ますます働く方は大きな御苦労をなさると思うのでありますけれども、ちょっとずさんじゃないかと思いますが、どうお考えになりますか。
  16. 長田裕二

    長田政府委員 昨年ここで問題になりましたような順序等でやってまいりまして、ほかにたいへん急ぐところ等が出ておりまして、尼崎北郵便局は四十一年度予算に正式に計上されているわけでございます。少し順序が問題でございますけれども設計を先行させまして、四十一年度できるだけ早くでき上がるようにただいま努力しておるところでございます。
  17. 山花秀雄

    山花分科員 ただいま承っておりますと、まあ尼崎はことしは何とかなるというようなお話がございましたが、去年もここでいろいろ論議になりましたのは、新しい庁舎を建てる場合に建築基準に全く違反しておる。偶然か何かわかりませんが、建築基準に合ってなお広いのは局長さんの部屋だけだというようなことが議論になりました。私はやはり働く人を中心に局舎を建てなくちゃ能率がスムーズにまいらないと思います、たとえば便所あるいは更衣所あるいは郵便置き場、そういうところに重点を置くべきであって、むしろ局長さんの部屋なんかは建築基準より若干狭めてもいいと考えますが、偶然か何かわかりませんが、局長さんのところは建築基準より広くなって他はぐっと狭くなっておる。その実例として田無の局をあげましたときに、徳安郵政大臣は、何なら一緒にひとつ田無へ行こう、行ってよく見て、それから次のことをいろいろ考えよう、こういう懇切な御答弁がございましたが、行ったという話も聞いておりません。それからもう一つは、年一回のやつを二回にしたという、いま御答弁でありましたが、当時郵政大臣は、いや集めて机の上で議論したってぐあいが悪いので、集配の人と一緒上司が歩いてこれで人員が足りるか足りないかということを実感をもってやらないとうまくいかないという答弁をしておりましたが、これも実行されたということは承っておりませんが、あるいは私は寡聞にして知らずにこう言っているのかどうか、郵政大臣田無の局へ行かれたか、あるいは上司の方が集配一緒郵便業務の実態を体験されたかということを、されたかされなかったかということだけでいいですから簡単に御説明願いたいと思います。
  18. 長田裕二

    長田政府委員 具体的に田無の局を例にあげられまして、休憩室便所等の御指摘がございましたのですが、実は戻りまして当の設計図等を見ましたところ、便所休憩室につきまして御指摘のような点がどうもないように見受けられましたので、特に大臣の命を受けまして担当課長田無の局へ行って実査してまいったようなわけでございます。  なお現場の管理者が、問題のあるときは自分でかばんを下げて飛び出していけというような点につきましては、そういう覚悟で仕事をするようにという御訓辞をその後たびたびいただいておりまして、第一線の管理者諸君も、そういうつもりで仕事をしている次第でございます。
  19. 山花秀雄

    山花分科員 そうしますと、これは一例でございますが、たとえば田無の局は、調べた結果、基準に違反はなかった、こういうことでありますか。
  20. 長田裕二

    長田政府委員 建築の関係者等とも打ち合わせ、実査の結果なども照合いたしましたが、便所休憩室等につきまして、違反というようなことはなかったというふうに考えております。
  21. 山花秀雄

    山花分科員 去年論議になりましたのは、これはいま書類を持っておりませんから何とも言えませんけれども、たとえば便所が五坪なら五坪というのが四坪になっておる、休憩更衣室が十坪なら十坪というのが八坪しかない。こういうことが論議になったのでありますが、もしそれが基準どおり行なわれておるということになりますと、私も質疑をいたしました責任上、対決をしたいと思いますが、間違いございませんか。
  22. 長田裕二

    長田政府委員 当時のその担当の者たちの意見を聞きましたら、そういうようなことでございましたのですが、重ねてのおことばでございますので、重ねてよく検討いたします。
  23. 山花秀雄

    山花分科員 郵政大臣にお伺いしたいと思います。いまこの質疑をよくお聞きになったと思いますが、私も一個の国会議員といたしまして、いろいろ調査をして、そして質疑をしたのでありますが、そんなことはない、こう言われます、これは面目上やはり対決しなくてはなりません。去年は徳安大臣が、一緒に行こう、こう言われたのですが、いかがですか、郡さん、ひとつ一緒に行く熱意ございますか。
  24. 郡祐一

    郡国務大臣 私もあとう限り郵便局局舎、それから勤務の状態、これは機会があれば触れようといたしておるのでございます。たとえば、ことしの年賀の配達は、組合の協力、職員全体の努力によりまして、非常にいい成績をおさめたのであります。その際に、行ってみまして、元日の第一便を出します際に、なるほどたくさんなはがきを積んで、そしてまだスクーターのあてがわれている者はいいのでありますが、普通の自転車に載っけて、スピードがつけばいいのですが、それがよろけて、うしろのかごを苦労しながらささえて、そして配達に出向いておる。機動力の配置の状況が非常に不十分である。これは働く人に非常に多くの負担がかかっておるのだという感じがいたし、したがいまして、要員の点と、そうした機動力の整備と、この両面から能率をあげてまいらないと、利用者の御満足のいくようにならぬのじゃないだろうか、そういう感じをいたしております。そして、局舎の点につきましても、進み方が非常におくれておる。したがいまして今年、前年度に比べて五割以上の建設を予算面で盛り込みましたので、どうかそういうぐあいにして完全な仕事ができるようにしてまいりたい。一挙になかなか局舎のほうはできることじゃございませんが、この建設をはかってまいりたい、このように考えております。しかし、何ぶんにも多くのところでありますから、基準どおりにはたしてほんとにいっているのかどうか、これは皆さん方の、ことに政治家の皆さん方の御忠告をいただいて、ここは話のとおりにいっておらぬぞというようなことを承ることは非常に大切なことでございます。どうぞそういうぐあいにお願いいたしたいと思いますし、私もあとう限り多くの場所に触れてみることにいたします。
  25. 山花秀雄

    山花分科員 私がいま大臣にお尋ねしたのは、たとえば、いかにその現場が職員にとってやりにくい現場であるか、仕事の量が膨大で人員が不足であるか、そういう現場をひとつ大臣に見てもらいたいと思います。たとえば武蔵野局、立川局、国分寺局、これは東京都下でありますから、関西のほうへ行けというわけではございませんので、近いうちに、大臣、御足労やってみようというお考えがあるかどうか、それを承りたいと思います。
  26. 郡祐一

    郡国務大臣 私、近くのところはあとう限り、普通局にいたしましても、また特定局も少し見ねばいかぬと近ごろ思っているふしがありますから、なるべく数多く見ることにつとめることにいたします。
  27. 山花秀雄

    山花分科員 私がいま申し上げましたところを見ていただきますと、現場の実態が実感として大臣は感じられると思います。そういたしますと、その実感からまたいろいろ施策が生まれてくると私は思いますので、ぜひ実行をしていただきたいと思います。  それから、承るところによりますと、四十一年度庁舎は、武蔵野、立川、国立の予算が組まれておるということを聞いております。また、土地の対策として、国分寺、東村山、日野、福生、小金井と聞いておりますが、これは間違いないでしょうかどうでしょうか。
  28. 長田裕二

    長田政府委員 仰せのとおりでございます。
  29. 山花秀雄

    山花分科員 そうすると、いまのところまだ青梅とか町田とか八王子というところは、全然予算措置上あと回しで、問題になってないと聞いておるのですが、これはいかがですか、
  30. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまのおことばにございました八王子、町田、青梅等につきましては、四十二年度以降に計画してまいりたいと思います。
  31. 山花秀雄

    山花分科員 私は、四十一年度に決定されたものはすみやかに実行をしていただきたいと思う。いま尼崎の例を見ましても、建築を急ぐ、ただし姫路とか西淀関係上というような弁明もございましたが、スムーズにやってもらわないと、迷惑をするのは一般国民でございますので、これはひとつ計画どおり、スムーズに全力をあげてやっていただきたいと思います。その面に関しましては、私どもも側面から協力をしていきたいと思います。  次にお尋ねしたいのは電話の問題でございます。いま近郊都市でたいへん不平、不満に感じておりますのは、たとえばこれは一例でございますが、東京二十三区の電話料金と、これに近接いたしました武蔵野、三鷹、調布田無、またこれは大阪も同様であります、あるいは名古屋も同様であります、ただ事例上東京を中心に申し上げておるのでございますが、従来は呼び出しでありまして、郊外電話というようなことで料金の差別はございましたが、ただいまは全部自動になっております。そうして電話の量も相当数ございます。これがちょっとした境界によって差別をされておるという理由がもうわからないというのが大方の不平、不満になっておりますが、これは均一料金にできないものだろうかどうだろうか、その点ひとつお答えを願いたいのであります。
  32. 武田輝雄

    武田説明員 お答えいたします。  現在公衆法によりまして、同一加入区域内の電話取り扱い局に収容されております加入電話相互間の通話は市内通話とするということになっておりまして、現在は多少違いますが、それ以外の通話は市外通話とされております。それで、市内通話は一度に現在七円でございますが、市外通話は時間と距離によって差を設けるような料金体系になっております。このことは市外局においても同様でございます。しかしながらいま先生指摘なさいましたように、町が独立しておりましてほかの町と連檐しておらないというような場合には、いまのような料金体系で別に矛盾はないわけでございますが、都市が発展してきまして連権してまいりますと、いま先生指摘のような境界付近で大きな料金格差が出てくるという問題が発生してまいります。こういう問題は日本だけでなくて諸外国を通じまして電話料全体系として一番問題になっているところでございます。そこでこういうふうな都市の発展に伴いまして加入区域をどんどん広げていくということにいたしますと、膨大なる設備費を要するという点もございますし、また制度の点から見ましても、やはり料金格差は、その地点ではなくなりましても、少し遠方な地点におきまして同様の料金格差がさらにひどくなって現われてまいるというようなところがございます。  そこでこれを解決いたします方法として諸外国がとっておりますのは、たとえばアメリカのように、シカゴならシカゴの町を幾つかの料金区域に割りまして、この区画からこの区画まではまあ五セント——四・五セントでございますが、この区画からこの区画は二等算、四・五セントの二倍取るというふうな、シカゴの町などは大体中心部からシカゴの端までは六等算、すなわち市内通話の六倍の料金がかかるというようないわゆる市内帯域制をとっております。そういうことでいろいろ外国でも苦慮いたしておるわけでございます。  私ども電電公社といたしましても、先般料金改正の法案をお願いいたしました際に、この問題をどういうふうに解決するかということで、一つは、東京都内につきましても市内帯域制を採用するという案を考えたわけでありますが、そうなりますと、いままで七円でした市内通話が端から端までやると二十一円になるということでなかなか世間の納得を得にくいのじゃないか、のみならず膨大なる設備費を要するというようなことでございまして、結局当時東京に隣接しておりますたとえば武蔵野、三鷹というようなところは三分二十一円の通話料でございましたけれども、時間を短くしていただければ安くつくというようなことで五十秒七円というようなカールソン・システムをとりましてこれに対処し、また同じ料金区域、電話の交換網上からいいますと同じ集中局のエリア内の通話は六十秒七円にするというような措置をとりまして、料金格差を、完全ではないまでも是正するというような方法をとってまいっておるわけでございます。
  33. 山花秀雄

    山花分科員 ただいまの説明を承っておりましても、どうも納得ができません。村落をはさんで遠距離の電話料金が高いということは国民一般も納得できますけれども、たとえば東京の場合に中心がどこかということで、そこからどの程度離れておるかというふうにシカゴ形式をとりましても、三鷹、武蔵野、調布というところは二十三区内と同一の地域だと思います。前のように呼び出しならけっこうでございますけれども、いまでは全部自動式に改善をされておるのでありますから、均一料金が当然だというのが住民感情であります。いま申し上げましたように、これは東京近接だけではないのであります。たとえば行政区域の関係から申し上げますと、大阪市という行政区域の中に格差があるように承っておりますが、大阪市の場合にそういうところはございましょうか。
  34. 武田輝雄

    武田説明員 大阪市の中では料金格差のあるところはないと思います。
  35. 山花秀雄

    山花分科員 たとえば電話の場合にはどこを中心に計算されておられるのですか。
  36. 武田輝雄

    武田説明員 加入区域の設定でございますが、先生いま御指摘のように非常にむずかしい問題があると思います。私のほうは現在大体加入区域を設定いたします場合に、線路の、何といいますかロスと申しておりますが、通話の伝送品位が減衰いたしてまいりますので、通話量の減衰をある限度に押えます関係上、大体最大六キロまでというような原則を立てておるわけでございます。しかしながら東京とか大阪といいましたように非常に大きな町になりました場合には特別ですが、一般は六キロを原則としているわけでございます。
  37. 山花秀雄

    山花分科員 たとえばこれは同じ二十三区でございましても、江戸川区の端っことか、葛飾、足立の端っこと、三鷹、武蔵野、調布ということになりますと、市街地の様相も向こうがいなかでこちらが都会地ということになっておるのでございますが、これはひとつ十分至急に検討していただいて、そういう料金格差のないように検討願いたいと思います。これは少し火をつけますとむしろ旗の問題になるような可能性が十分ございます、おどかしではございません。少しやりますと電電公社を取り巻くくらいの離れわざはいつでもできるような、そういう住民感情でございますから、これは至急に解決するというような言明がありますと住民感情もおさまると思いますが、いかがなものでございましょうか。
  38. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど来いろいろこういった制度ができました沿革につきまして、あるいはまた実情を御説明いたしたのでございますが、しかし問題は非常にむずかしい問題でありまして、外国におきましても、たとえばイギリスなりアメリカにおきましても、こういった問題がやはり現に起こっておるのでございます。それで昭和三十七年の料金改正のときに、いわゆる三分一分制にするか、あるいは距離別時間差制にするかということでいろいろ議論いたしまして、市街地につきましてはいわゆる距離別時間差法というものを採用いたしました。この距離別時間差法というのは、いわゆる通話している時間に正比例して料金をいただくという点で、従来の制度よりも非常に合理化されておるわけでございますので、それによってこの格差問題はある程度軽減されたのではないかというふうに考えております。しかしただいま御質問がございましたが、これは結局非常に先になったら、たとえばイギリスでやっておりますように全国を全部均一、いわゆる基本料金というものが別にまたあるわけでございますが、基本料金を全部均一にするということと、それから隣接の単位料金区域の中ではやはりそれを広げていくという方法と、こういうことがあるのでありますが、日本の場合には、いわゆる基本料金制度というものが面積によりましてあるいは加入者数によりまして別になっておりますので、イギリスのような方法をとるわけにはいかないので、ただいまの日本の事情を十分御了承いただきたいと思います。
  39. 山花秀雄

    山花分科員 時間もございませんので、あと一点だけお伺いしたいと思いますが、これはちょっと仮定の話になりますが、たとえば武蔵野、三鷹、調布というような地域が特別区になった場合には、これは二十三区同様の扱いをいたしますか、それともそれでも差別的な料金の扱いをいたしますか、これをひとつお聞きしたいのです。
  40. 武田輝雄

    武田説明員 いま市町村の区域が広くなったに伴いまして、加入区域をどんどん広げていくかというふうな御趣旨だと思いますが、御承知のように町村合併促進法ができまして町村合併が非常に進みまして市町村の数が非常に少なくなったわけでございます。と同時に市町村のエリアが非常に広くなってまいりました。そういうことに伴いまして電電公社といたしましても町村合併促進法の実施には協力をするというふうな法律になっておりまして、公社といたしましては町村合併促進法が制定をされました当時からこの問題を検討いたしまして、同一市町村内の電話取扱局でありまして局間距離が大体六キロ以内のものは、市内通話にする、それからそれ以上のものは相互間の通話を、待時通話でございましたものを即時通話にするというようなことで今日まで進めてまいりまして、今日まで大体二千局くらいの統合をやってきておりまして、この計画の大体九四、五%を今日まで行なってきた、そういうような状態でございます。そこでわれわれの立場といたしましては、同一市町村よりも広い範囲の加入区域を設けることはしない、しかしながら同一市町村といえども、いま申し上げましたようなことで、全部が全部同一加入区域にすることは、設備の関係その他でなかなかできない、こういう実情でございます。
  41. 山花秀雄

    山花分科員 いまの説明でちょっと納得いきかねる点があるので、再度質問したいと思います。いま東京を例にとりました。何といっても広い東京でございますから、同一行政区域ということになりますと、たとえば卑近な例でありますが、栃木とか熊谷とかそういうところで町村合併が行なわれて、従来村であったのが今度熊谷市になる、従来町であったのが栃木市になる、そしてその電話がずっと自動でやられておるところには市内通話としての扱いをやっておられるかどうかという点、そこで広い大阪と東京との関係はどうなるかという点、これをひとつ御答弁願いたいと思います。
  42. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 お答えいたします。  いまの町村で区域が拡張しまして大きくなったという場合でも、先ほど営業局長が御答弁しましたように、六キロというものを限界にいたしております。ただちょっとことばが足らなかったのですが、同一町村の中は、町村合併促進法に基づきましては六キロ以内を市内にするけれども、六キロをこえても大体即時にはしていくというお約束のもとに鋭意進めてきているわけでございます。しかし即時と申しましても、それは市外になっておる。現在、お話のありますように、熊谷その他にも、加入区域として、加入時の加入数から見まして正当な区域を設定いたしますけれども、しかし六キロをこえたものについても市内にするというような形はいたしておりません。
  43. 山花秀雄

    山花分科員 六キロという幅ということになりますと、いま申し上げましたように、たとえば三鷹、武蔵野あるいは保谷というのが特別区になった場合には、全部六キロ以内というように考えますが、そういう場合はどういう扱いになりますか。
  44. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ちょっと説明さしていただきますが、いまのような例は、名古屋の周辺なんかごらんになっていただきますと、前は守山市とかあるいは鳴海町という、名古屋市とは異行政であったわけです。それが合併いたしまして、したがって守山区とかあるいは緑区というように町名は変更されております。しかしながらこの二つの区につきましても、現在公社といたしましては、いわゆる市内扱いをいたしておりません。したがいまして、区域が合併するということは、当然町村合併によってやられていくわけでございますが、しかしこれを市内にするということになりますと、相当多額の経費がやはり必要になってきます。市内通話になりますと料金が安いわけでございますから、したがいまして需要が非常に出るわけです。それに見合うだけの設備をしなければならぬというようなことで、現在やはり非常に御要望がありますけれども、現在の公社の経営上の問題から見ますと、これを全国的にやるということはとてもできませんので、遺憾ながらやはり市外扱いという形に残しております。
  45. 山花秀雄

    山花分科員 その話を聞いておりますと、なかなか不可能だという感じがするのですが、努力する気持ち、あるのですが、どうですか。
  46. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 われわれとしましても地元の御要望というものは十分わかっておりますし、また経済の生活圏拡大というようなことも現実の姿でございますから、できるだけその方向に沿いたいと努力したいと思っておりますが、ただ遺憾ながら、先ほど申しましたように、設備投資が相当多額の金になるということと減収という問題が現実に出てくるわけでございます。したがいまして、現時点において、公社がすでに経営上相当困難な状況になってきておりますので、いまそこで追い打ちをかけてこういう形に持ってくることは、さしむきはできないと思われます。しかし将来、公社の経営基盤についても御同情ある御理解がいただければ、われわれとしましては、できるだけ町村の各位の方々の御意向に沿うように拡大いたしたいと思っております。
  47. 山花秀雄

    山花分科員 郵便料金はこの七月から上げるということ、政府としてはそういう確定的な方針を持っておりますが、われわれといたしましては、これは反対であります。これはまた別の場で議論をしてまいりたいと思いますが、電話料金はいまのところどういうようようにお考えになっておるか。
  48. 郡祐一

    郡国務大臣 電報電話料金につきましては、すでに調査会等が、今後かなり積滞数の増加並びに今後の加入者債券の償還等の時期になってまいり、いろいろ苦しい事態が起こってくることを調査いたしまして報告をいたしております。これらに基づいて、公社においては非常に慎重に現在検討を加えております。政府としては、公社の案の提示を待ちまして、その後の景気動向により、今後電話の需要がどのようになってまいるか、そうした点さらに長期にわたる経済動向を見まして、とくと公社の案を提示を受けました上で考えてみたいと思っております。
  49. 山花秀雄

    山花分科員 過日総理大臣は、米、私鉄運賃、国鉄運賃、郵便料金、それに健康保険料の掛け金、こうした一連の公共料金値上げはこれ限りだ、あとは物価上昇の原因にもなるので絶対行なわない、こう言明しておりますが、もし審議会の結論いかんではやるという意思なんですか、それとも総理大臣が言明されましたように、当分の間これを行なわない。企画庁長官なんかは、大体五年くらいはもうやらない、こう大みえを切っております。これはいかがでしょう。
  50. 郡祐一

    郡国務大臣 このたび料金の改定を四十一年度でお願いいたしております。運賃については四十年度でございますが、四十年度、四十一年度でお願いいたしますものについては、当然公共料金の抑制は政府としていたさなければならぬことでございまするし、またあわせて企業努力を極力進めてまいらなければいけませんから、これらの改定をいたしますものについては、おおむね五カ年間はこれを維持してまいる所存でございます。四十年度並びに四十一年度については、そのような考え方に基づいて、今後の経理なり企業の運営をいたしてまいります。お話のございました電話につきましては、先ほども申しましたように、十分公社の考えを聞き取りました上で政府として考えることにいたしたいと思います。
  51. 山花秀雄

    山花分科員 そういたしますと、公社だけは五カ年のワクより別の問題だ、別関係だというふうに受け取れるような御答弁でありましたが、そうなんですか。
  52. 郡祐一

    郡国務大臣 総理にいたしましても企画庁長官にいたしましても、申し上げておりまするように、現在公共料金の引き上げをお願いしておりますものについて、今後の見通しを申しておるのでございまして、したがいまして、それ以外の電話等につきましては、今後の検討にゆだねるという状態でございます。
  53. 山花秀雄

    山花分科員 いま郵政大臣が御説明なすったような説明では、総理あるいは藤山さんの説明ではないので、これは予算委員会等を通してはっきり言明しておるのは、五年間は据え置き、だからいま政府が出しておる原案だけは何とかひとつまげて御承諾を願いたいというのが、国会に対する政府としての責任ある一つの態度になっておるのでございますが、郵政大臣のただいまの言動は、総理大臣の言動とはずいぶんちぐはぐになっておると思いますが、もしそういうことになりますと、これは議論をもっともっと深めていかねばならぬと思いますが、郵政大臣といたしましては、総理が言明したことを守っていくというふうに御答弁ができないものでしょうか、どうでしょうか。
  54. 郡祐一

    郡国務大臣 私は、予算委員会でも申し上げたと思いまするが、当然総理の考え方が政府の統一した考え方でございます。そして総理は、そのときに言うておられまするように、国鉄運賃や郵便料金、私鉄、それぞれこうしたものについてということを言うておられます。したがいまして、総理の方針に従って政府としては行動をいたしておるわけでございます。
  55. 山花秀雄

    山花分科員 確認の意味でもう一回お問いいたしますが、一応総理が予算委員会等で言明したことを閣僚としてはその方針に従ってやる、それ以外に他意がない、こういうふうに承ってよろしゅうございますか。
  56. 郡祐一

    郡国務大臣 重ねてのおことばでございますかから、重ねて私も指摘……。  総理が申されましたように、あのときに何と申されましたか、とにかく、それぞれ四十年、四十一年でお願いいたします料金についてこうしたものをお願いしておるということを申された。それについての方針を申しておられますので、それによって私どもは今後も処理してまいることは当然でございます。
  57. 山花秀雄

    山花分科員 これで質問を終わりたいと思いますが、先ほどいろいろ質疑応答の中でも御承知おきのように、郵政当局としては相当努力をしておられるとは思いますけれども、実際の問題といたしまして、過密都市と申しましょうか、膨大に発展していく周辺都市郵便業務というのは、国民はたいへん迷惑をしておるというのが実情でございます。これの解消のために一段の決意で努力をしていただきたいと思います。そういう努力に対しましては私どもは、側面から大いに協力をしてまいることをお約束したいと思います。  最後に、ひとつもう一ぺん念を押すようですが、先ほどわしも一ぺんそういうようなところをよく見て、いろいろ問題を処理したい、こう言われましたが、まあ近くでございますから、武蔵野とか、国分寺とか、立川という局を一度近いうちに御視察を願いたいと思いますが、これは御視察していただけますかどうか、ひとつ御答弁願いたいと思います。
  58. 郡祐一

    郡国務大臣 私、喜んでさせていただきたいと思います。それで、そういうときに参りましたときに、なかなか十分な機会を得ておらないのでございますけれども、施設を拝見すると同時に、その働く人たちの気持ちについて、また、その周辺郵便局を利用していてくださる国民の方がどういう注文を持っておられ、またどういう理解をしていてくださるかということは、あとう限り伺うことが職責でもございます。喜んでひとつなるべくすみやかに機会をつくりたいと思います。
  59. 山花秀雄

    山花分科員 これは私のちょっと思いつきのような考えでありますけれども、これは私自身からかようなことを言うのはおかしな話でありますが、これはいい考えではないかというふうにも考えております。それは、いま郵政大臣からもお話がございましたように、住民の意向も十分聞く、こういうことになりますと、三多摩なら三多摩のどこかの地域において、住民の代表または従業員の代表、あるいは官側の代表と申しましょうか、そういう三者一体になった、郵便業務について今後の発展のあり方について懇談をするような、まあ大きく申し上げますと国民会議のような、そういうものをひとつやられたら一番いいんじゃないかと思いますが、それはひとつ努力していただきたいと思います。  ただいま郵政大臣のほうから、業務改善のために努力をする、国民サービスはつとめる、一回は現地視察をやる、こういう明快な御回答がございましたので、私は、私の質問をこれで終わりたいと思います。
  60. 三原朝雄

  61. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 まず私は、さきに説明をいただきました中でひとつお尋ねいたしますが、郵便貯金増加額でありますが、説明によりますと、郵便貯金の純増加目標額を四千九百億円に置く、こうなっております。ところが、次の郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は前年に比しますというと四百四十一億八千四百万円、こういうように説明されております。これは四千九百億の目標額、それで、前年度予算額に対しましての四百四十一億八千四百万円の増加額、これはどういう関連になりますか、ひとつ説明を願いたいと思います。
  62. 郡祐一

    郡国務大臣 対前年度の比較等の特別会計状態につきましては、貯金局長から申し上げまするが、これは現在、先ほど申し上げましたように、純増加目標額を四千九百億円に置いております。今年度を見ましても、すでに二月十九日現在でございましたか、二月十九日で報告が集まるのですから実際はそれより四、五日先の二月十四日、五日でございますが、そのときにすでに四千六百五十億という目標を達成いたしております——目標額をこえまして四千六百五十億という増加をいたしております。したがいまして、私、四千九百億という目標額は当然達成せらるべきもの、実績はこれよりもさらに上回ったものを純増することができると考えております。  特別会計歳入歳出の予定につきましては、これは前年と比較いたしましての四百四十一億でありますから、中身がまた違ってまいりますので、政府委員のほうからお答え申し上げます。
  63. 稲増久義

    ○稲増政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、今年度の見込みは四千六百億円でございます。  四百四十一億、これは剰余金でございます。これは毎年収支の差額が剰余金としてまいりまして、四十一年度予算におきましては、年度末四百四十一億円の剰余金が出る、こういうことでございます。
  64. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 この四百四十一億八千四百万円という剰余金が出る、この剰余金に回すということになれば、その使途はどういうことになりますか。
  65. 稲増久義

    ○稲増政府委員 剰余金はその翌年度歳入に繰り込まれまして、歳出として使われていくというふうなことになります。
  66. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 時間がないからもっと深く入って聞くことはできませんが、それはちょっとおかしいのじゃないですか。特別会計というのはそれほどにゆとりを持って毎年予算の処理がされておるのですか。了解できないですよ。これは答弁が間違っておるのじゃないですか。
  67. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 ただいま御質問にございました四百四十一億でございますが、これは貯金局長から申し上げましたように、昨年度とことしの歳入の差ではございますが、このうちで貯金事業に必要な分担金と申しますか、郵政事業会計のほうに入れまして、残りが利益金になるわけでございます。剰余金という形になるわけでございます。
  68. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 ここに説明になっているのは「新年度における郵便貯金の純増加目標額を四千九百億円、簡易保険新規募集目標を四十五億円、郵便年金十億円とし、この達成につとめることとしております。」と。そして「次に郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は二千百八億九千四百万円で」これを前年度に比較すると、四百四十一億八千四百万円とこう説明をされておる。ところがとの四百四十一億八千四百万円というのは、これはいわゆる剰余金として処理されるのだ、こういう説明でありますが、私はこれは何か経理上の間違いじゃないかと思うのですよ。そんなずさんなことをやっておるのですか。それならばこの増加されておりますところの金の行くえというものは一体どういうことになるのですか。さっぱり説明の帳じり合わないでしょう。
  69. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 いまおっしゃいました四千九百億と申しますのは、貯金の増加でございますが、ここに出ております四百四十一億と申しますのは、現在の貯金総額は約二兆、ことしじゅう対象になりますものが二兆八千億くらいになります。二兆八千億に対します利子収入があるわけでございます。その利子収入がふえてまいりました分が四百四十一億円、とこういうふうに相なっております。
  70. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 実際にもう少し——どうも私は頭が悪いからかどうか知りませんが、しからばその次の説明にあります「との増加は主として郵便貯金増強に伴い資金運用部への預託増加による利子収入増加によるものであります。」とこう説明されている。でありますから、いまの説明と違うじゃないですか。どうです。
  71. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 利子収入でありますことは、これは変わりはないわけであります。二兆八千億に対しまして、四十一年度に対する利子収入が二千百八億、それから昨年度が千六百六十七億、この差が四百四十一億、こういうふうになるわけであります。それで、その次に出ております三百二十七億の差と申しますのは歳出のほうであります。歳出に使いますのは、ことしは千四百六十三億でありますから、来年度は千七百九十億、差額三百二十七億、こういうふうに相なっております。
  72. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 これは予算額の増でしょう。これはもっと勉強しておってもらわぬと——こういうことは私は別に突っ込もうとは思わないけれども、あなたの説明では、さっぱり予算になりませんよ、こんなことだったら。これは大臣に言うわけじゃありませんけれども、もう少し予算の行くえを十分に解明できるようにしてもらわないと、われわれは質問できぬじゃないですか。これは責任問題になりますよ。説明されておるこれは数字でありますから、予算の骨格をなすものでしょう。それがあなた、そういうあいまいな説明では予算の審議のしょうがないじゃないですか。経理担当ならもう少ししっかりしたことをやってもらわなければ困るじゃないですか。
  73. 郡祐一

    郡国務大臣 よく詰めておきますように私からも注意をいたしまするが、まあいま説明にも申し上げておりましたように、郵便貯金の特別会計でありまするから結局貯金の増強をしてまいる、そしてそれは財投の原資である資金運用部のしかも大宗を占めている郵便貯金であります。これはどうしても増強してまいらなければならない。それで予算の付属に差し上げております損益勘定その他のそれぞれの書類で出ておりまする増加額なりそれぞれの剰余金なりの数字にあらわしておりますものと符合して、十分説明のつくものだと私信ずるのであります。ちょっと私聞いておりましても、少し事務当局の説明、御納得のいきませんこと恐縮でございますが、これは予算の付属書類でごらんいただきますと、これに合って出てまいると思っております。私もよく——さっそくこれは詰めておきます。
  74. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 これはこういう調子でずっと数字の異同を解明していくということになりますと、全然行き詰まってしまいます。そういうことじゃ困るので、えらそうなことを言うようだけれども、もっと勉強しておいてもらわぬと困ります。そうじゃないと予算を通じてはっきりすることができなくなります。これじゃ困るのです。そういうずさんなことで予算の審議などできませんよ。
  75. 片島港

    片島分科員 関連。「予算分科会における郵政大臣予算説明資料」というのをいただいておるわけなんですよ。それによっていま山口君が質問しておるのです。郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は、二千百八億円何千万円、前年度予算額は一千六百六十七億何千万円だから、去年に比較すると今年度は四百四十一億八千万円になる、こう書いてあるのです。これは何か余ったもののような答弁をしておるのですよ、剰余金で。これは剰余金でも何でもないのですよ。去年よりも予算額がこれだけふえたという、そのふえたやつは何かといえば、裏に書いてある、貯金額がふえたから利子収入がふえました、それを書いてある。それを何かこれだけ余るんだから剰余金でもうかったような答弁をしているから、それで山口君はおこっている。もっとしっかり自分の出した資料はうまいぐあいに答弁してくれないと困るよ。
  76. 郡祐一

    郡国務大臣 確かにおっしゃるとおりでございます。私も手元に持ってまいりませんでしたが、どこかで見た数字だと思いまして、予算委員会へ御提出申し上げました昭和四十一年度郵政省所管郵便貯金特別会計、これの歳入歳出予定計算書、これによりますと、六百五十三ページでございます。歳入合計四十一年度、前年度を差し引きましたものが四百四十一億八千四百万円。したがいましてその増加に見合いますものとしては、預託金利子収入で三百三十億、その他雑収入等がございまして、それから前年度剰余金の受け入れがございますから、合計いたしまして四百四十一億でございます。説明が不十分でございました点はおわびいたします。
  77. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 それで大体なにしてきましたが、さっきの大臣答弁でも、これをちょっと訂正をしておいてもらわなければいかぬのだが、さっきの大臣答弁では、本会計年度増加がたしかこの先月末で四千六百五十億の増加を示しておる。したがって、この説明書にある四千九百億の目標額というものは、これは達成できるというように御答弁になったと私記憶するのですが、それだと間違いですね。これは間違いですね。今年度増加額から推定していけば、来年度はいわゆる四千九百億の増加額は達成できるものとして考えておる、こういうことなんですね。
  78. 郡祐一

    郡国務大臣 そうでございます。四十年のことを申しますと、三千八百億の純増の目標を立てたのです。それが四千六百五十億、これは実際私のほうで計算してみますと、三月というのはちょっと貯金の減る月でございますから、いまの四千六百五十億からいって、ちょっとどのくらい減るか、もう少しふえてまた減るという運びになるのです。とにかく一二〇%、いままで二二〇%でかなり伸び率がいいのですが、そう多く見るわけにはいかない。私の申しました意味は、いま山口さんおっしゃっておる、ことしとにかくそこまでまいりました目標に比べて、二〇%以上増を示しております。この調子でいけば四千九百億という四十一年度純増目標は必ず達成できる。もう少し伸びのいいものであろうと思います。こういう意味でお受け取り願います。
  79. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 了解しました。しかしこの郵便貯金の限度額の改定、制限限度額というのがあるわけですけれども、これは改定せずにそのままいくという所存ですか。それとも改定をするということでございますか。どちらですか。
  80. 稲増久義

    ○稲増政府委員 ただいまの限度を改定する予定はございません。
  81. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 そういたしますと、年金あるいは簡易保険等もその契約限度額はそのまま据え置きと了解していいのですか。
  82. 稲増久義

    ○稲増政府委員 さようでございます。
  83. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 そこで、先ほど山花委員の質問がありまして答弁がありましたから、郵政関係についてはこの程度にいたします。これはずっと前からの郵政大臣の御答弁で言えば、約束ともなっておるわけであります。先ほど御答弁の中で私は意外に思うのでありますが、町村合併促進法等に基づきまして、電話局の区制の整理統合等につきましては前向きの形において処理をいたしますと、これはもう毎年私質問をして毎年そういう答弁を承っておる。ところが今度の答弁によりますと、公社の経費その他から見てどうもこれはできぬというようなことを言うのでありますが、いつの間にそういうふうに方針が変わったのか、私はどうも了解に苦しむのですが、これはいかがですか。それなら約束が違うわけです。
  84. 郡祐一

    郡国務大臣 電電公社総裁答弁いたさせます。
  85. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど計画局長が少し説明を簡易化いたしましたので、あるいは御了解できにくい点があったかと思います。公社といたしまして、同一市町村内の通話につきましては、なるべく改善するという方向を考えております。したがいまして、過去には大体四キロ以内ならばこれを合併するということにしておったのでありますが、それを改めまして、六キロ以内ならこれを合併する。六キロよりも長いところにつきましては即時化するということで進んでまいりました。しかしなおこの前からもいろいろ六キロよりもっとふやしてほしいという御要望があるようでありますが、これにつきましては、公社の現在のいわゆる経営の財政状態、そういうこともやはり関係いたしますので、いま直ちにこれを改めることはできませんが、今後経営基盤がだんだん確立してきた場合には、少しずつでもいいからそれを改善していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  86. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 これは四キロを六キロに拡大した、こういうことは、それは据え置くよりも広げることのほうがいいのです。けれども、これが単なる局を中心に半径六キロ、こういう狭いものでは、将来用をなさぬのじゃないかと思うのです。なぜなら、乗りものだってスピード化されて、大阪−東京間を三時間そこそこで行けるというのに、電話の一局舎の区域が六キロというようなのは、これは時代にそぐわないと思うのです。根本的にこれは広げる必要があるので、再検討すべきではないかと思うのです。時間がありませんから、これについて郵政大臣の所見を承っておきたいと思うのです。  それからもう一つは、電話の統廃合あるいは積滞解消の問題についていろいろあるのですけれども、それは後日に譲ることとしまして、一つは積滞地域の解消につきまして、これは京浜間とか阪神間とかあるいは北九州地区でありますとか、少なくとも今日日本の経済活動の中心をなす地域においては、ますます電話の積滞が増加しつつある。ところがこの報告書を見ますると、一向その積滞数が解消するようには書いていない。これは一体いつになったらもう少し解消するような方向に進むのか。いままで私の知っておる範囲でも、相当努力をしてもらっておる、これは私も認めておるのです。しかしこれでもなおかつ積滞の解消ということにはなっていないのですが、一体どういうようにこれを解消していくつもりなのか、お尋ねをしておきたいと思う。  以上二点をお尋ねしておきます。
  87. 郡祐一

    郡国務大臣 私も町村合併というものをいたして、新市町村が建設できるということは、それにふさわしい体制があらゆる面でできなければいけない。電話局の統廃合というようなことは、あとう得べくんば完全にやりたいことでございます。ただ電電公社、現実の問題といたしまして収入の問題もございまするし、それから二つ以上の電話局の統合をしますなり、それからあるいは統合しないで加入区域を一つにするなりして、市内通話にして取り扱うようにする。そうすると回線の増設もおそらく必要になってまいります。あらゆる点で経費の点にからんでまいりまして困難の点が多いこと、これも私はしろうとながらよく感じるのであります。しかしながらやはり加入区域の合併ということについては、目標はどこまでも新市町村がほんとうに一つに融合するというようなことになっているということを理解して、公社と話し合って推進してまいるということを申し上げたいと思います。  それから、大都市周辺の積滞の増加、積滞が一向解消しておらぬじゃないかという点、これは総裁からまた詳しくお答えを願うことにしますが、私も、ことにどこと申しませんが、大都市周辺等においては、電話というものはこれは一つの先行投資と見ていい種類のものだと思います。これから経済が伸びてまいり、政府として公社にいろいろ考えてもらいながら考えたいと思いますことは、一体これからの景気動向等で電話の需要がどんなぐあいになるだろうか、また電話を架設することによってどれだけのものが伸びてまいるか。電話の先行投資もやや大げさかもしれませんが、私はやはりそういう考えでいきたい。そういう意味合いで、ひとつこの積滞の解消ということには、郵政大臣としても努力をさせていただきたいと思います。
  88. 米沢滋

    ○米沢説明員 御質問、二点ございましたが、最初の、区域合併なり同一市町村内の加入区域の合併あるいは即時化の問題につきましては、先ほど御説明いたしましたけれども、従来四キロであったものを六キロに延ばすということで、範囲を確かに広げてまいりました。また、この六キロをこすようなところに対しましては即時化する。即時にいたしますと、確かに早くなりますから、サービス面では相当御要望を満たすことができるのではないかと思います。しかし、方向といたしまして、今後公社の経営基盤が充実するに伴いまして、六キロをだんだん広げていくということで検討いたしたいと思っております。  それから、積滞の問題でございますが、これは先般予算委員会でもちょっと申し上げたのでございますが、公社といたしまして、第三次五カ年計画をつくるときに、五百万加入ということで進んでまいりまして、そのときは、第三次五カ年計画を始めましたのが昭和三十八年でございますが、四十二年に終わるという五カ年計画でございまして、そのときの積滞が百一万ございました。それが、五カ年計画が済んだときには、七十万になるというふうに予定しておったのでございます。しかし、最近の経済基盤の拡大、開放経済に対しまして、いろいろ産業経済の能率化がはかられなくてはならないということ、あるいは地域開発計画というものが各方面で進められて、いわゆる工場の誘致等で町村あるいはいなかのほうへ行ったということ、あるいはまた団地等ができまして、生活環境の変化ということから、電話が国民生活の中で非常にウエートが高くなってきたということのために、積滞がどんどんふえまして、現在窓口にたまっておりますものが百六十九万ございます。しかも、いま不景気なんでございますが、先般来この不景気にかかわらず毎月十二、三万の申し込みが新たに起こっておる。したがって、私たちは、とりあえず第三次五カ年計画を修正いたしまして、本来ならば昭和四十一年度百十五万つけるという計画でございましたが、今度お願いいたします予算は百二十三万というふうにして、従来の計画よりふやしております。しかし、将来の抜本的な計画を立てるために、先ほど大臣も言われましたが、電信電話調査会というものを公社が一昨年の十月に設けまして、将来の経営基盤の拡大等を入れまして根本的に検討しておりまして、この計画ができれば、十分御要望に合うのでございますけれども、いまのところ、とりあえず従来の第三次五カ年計画を若干改定いたしまして、百十五万というものを百二十三万にまであげるということでいまは進んでおる次第でございます。特に大都市周辺が一番、団地やなにかができまして、計画が狂っておりますが、それについては予算の範囲内でできるだけの努力はしたいと思っております。
  89. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 次に私は公社にお尋ねをしますが、委託局といいますか、郵便局が交換台を持っている、特定郵便局ですか、こういうところですね。この電話区域の統合、あるいは単独局舎の設置等によりまして委託が廃止になる、そこの調整ですね。これがまた電話の局の統廃合等に非常な支障を来たしている。これは郵便局と電話局当事者間でもっとスムーズに話が進まないものか。どうも、見ておると、そういう問題にまでいろいろ苦情を持ち込まれたり、迷惑をこうむる面も非常に多いのです。それで、もっとこういう点については方針を明らかにすべきではないかと思うのですけれども、いかがですか。委託局と電話の単独局にした場合のいわゆる委託契約といいますか何といいますか、そういうもの。それから、それができれば、一つ人員の配置問題があると思う。この人員の配置問題というのは合理的に進められなければならないと思うのですけれども、これらについて一体どういうぐあいに方針を考えておられるのか。無方針ではこれは話になりませんから、はっきりとした方針をひとつ出してもらいたい。そうでなければ電話加入者はたいへんな迷惑をするわけです。多少電話賃が上がるにいたしましても、同一町内、同一市内において——市内といっても、三十万、五十万、百万というような大都市なら、それはもちろん局舎のなにも変わってくるかもしれませんけれども、それにしても今日では市内通話として同一に扱われている、六キロどころではない、何十キロでも、都合によればこれは同工市内として扱われる、都合の悪いところでは市外として扱われる。先ほどの御答弁から申しましても、これはたいへんな矛盾なんですよ。矛盾だらけのことがある。なるほど収入というものを度外視してものを考えるわけにはいきませんけれども、少なくとも、鉄道にいたしましてもあるいは電信電話にいたしましても、郵便事業にいたしましても、あるいはその他の専売事業にいたしましても、口を開けば公共事業なりあるいは公益事業なりとして、都合のいいときにはそういう面で押しつけてくる。ところが、ちょっと都合が悪くなると、いやそれは経理上、経費の面から見てもできませんと、かって気ままに、そのときそのときの言いのがれに終始している状態であります。これでは私は納得ができない。およそ、公益、公共事業ということを口にし、そうして国家的な事業としてやる限りにおいては、私はそういうことを便宜的に使うということは許されぬものだと思っておるのです。郵政大臣いかがです。その点ひとつ御答弁を願いたい。それから事務的にはさっき申した二点について答弁をしていただきたい。
  90. 郡祐一

    郡国務大臣 私、公社の立場もよくわかりますので、御指摘の点よく公社の総裁とすべて相談をいたしまして、確かに受け入れ等につきましての協定等もきちんとございますけれども、さらに実際の進行の面で、基本的な考え方を持ちながら、スムーズにまいるようにいたしてまいろうと思います。
  91. 武田輝雄

    武田説明員 町の発展等によりまして電話需要がふえてまいりまして、その数が一つの局で七百以上こえますと、どうしても磁石式では対応できない。そこでやむを得ず自動改式をしなければならないというようなことになってくるわけでございます。そこで、郵便局を、そういうふうな世の中の要望にこたえていくために自動改式するということは、一般的には非常にいいことではありますが、しかし長い間委託業務をお願いしておりました郵便局に対しましては、相当の変化を生ずるわけでございます。まず第一に、業務面で委託業務の範囲をどうするかという問題、それからいままで働いておられました委託局の交換手等、委託業務に携わっておられました人たちの処遇の問題、この二つが大きな問題になるかと思います。そこでこの問題につきましては、そういう従業員にとりまして大きな影響がございますので、電電公社と委託業務をしていただいております郵政省との間で、いままでも緊密に連絡をとりそして協定を結んでやり、また具体的な計画につきましてはそのつど御相談を申し上げてやってきておるわけでございます。  大体、第一点の委託業務の範囲について申し上げますと。自動改式されるわけでありますから、当然に電話の交換というものはなくなってまいります。そこであと残りますのは、営業の窓口事務とそれから電報の業務ということになるわけでございますが、改式された委託局が自動化されましても、非常に小さくて、公社で補修員とかあるいは営業の人間その他の人間を置くに適しないようなところにつきましては、営業事務も電報業務もそのまま交換がなくなりました委託局に継続して委託をしていただくというようなことにいたしております。それから非常に大きな業務になりますところにつきましては、相談をいたしまして、営業の窓口も電報業務も全部公社直営に移してしまうというような方針で現在やっておるわけでございます。  そこで、人の問題でございますが、当然委託業務の範囲がどの程度であり、また全部直轄化するか一部残すかということは、どちらにしましても人の配置転換あるいは職種転換の問題が起こるわけでございます。この人の配置転換、職種転換につきましては、長い間電話の交換あるいは電気通信事業に携わってきていただいておる郵政省職員でございますので、電電公社と郵政省の間で相談をいたしまして、事前にこの配置転換あるいは職種転換等の計画を立てて両者間で相談をする。公社といたしましては、大体周辺局でこのくらいの人間は受け入れられますということ、それからまた郵政省のほうでも、郵便局としてほかの業務にこのくらいの人間は職種転換で受け入れられるというふうな計画を立てまして両者で話し合う。それでそういう計画に基づいて、郵便局員がそれを承知された場合にはそのとおり措置をいたします。なお受け入れ数が過員の数に満たないような場合、最近だんだんいなかのほうに自動化が進んでまいりまして、通勤可能地域内の職員を受け入れるのになかなか受け入れられないという場合がありますが、そういうように過員になるような場合につきましては、電電公社から郵政省のほうに過員補償費というものを支払うことにいたしております。過員のまま郵便局に残っていただくわけでございますから、その人の手当に充てるために過員補償費を払っていく。それからなお、これは先般法律でお願いいたしまして、電話の自動化に伴います交換手の措置についての特別措置法が法律として制定されましたので、希望される方につきましては、いままでの退職金にこの法律によります特別給付金を出しまして、任意退職をしていただくというふうなことにいたしております。しかしながらだんだん自動化が委託局のほうに進み、公社の付近の局も自動化が進んでおりますので、この問題はだんだんむずかしい問題になろうかと思いますが、公社といたしましても、郵政省職員であろうと公社の職員であろうと同じ立場ということで、できるだけ円満に措置ができるようにいたしたいという気持ちを持っておりますし、また常日ごろ両者間で話し合いをいたしておるような次第でございます。
  92. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 時間がありませんから、まだ聞きたいのですが、大体いまの答弁どおりひとつ実行方を願っておきたいと思うのです。  これもまたここ数年来の約束なんですから、ひとつどういうようになっておるかをお聞きしたいのですが、それはいわゆる都市のビル化といいますか、市街地のビル化あるいはまた飛行場周辺航空機等によります電波障害、これによってテレビ、ラジオの難視聴地域が非常にふえておるわけです。都会においてはビルが林立いたしますために、だんだんとテレビの難視聴が目立っておるわけです。また飛行場周辺におきましては、飛行機の騒音並びに飛行機の離着陸等によりまして、非常な電波障害を受けて、実際はテレビなどは用をなさないというような事態にあるわけです。そこで、これらのいわゆる難視聴障害を解消するために、電波研究所等に依頼をして、いかにすれば電波障害を排除することができるかということを研究する。それからまたこれらの難視聴地域においては、いわゆる受信料等についてもこれを考慮する。こういうことは歴代郵政大臣と私との約束なんです。ところが一向に実効があがらない。口約束だけではどうにもなりません。ですから実行してもらわなければいかぬと思うのですが、一体どういうことになっておるのですか。お聞かせ願いたいのです。
  93. 郡祐一

    郡国務大臣 おっしゃるように難視聴地域の解消ということは、もうテレビを視聴してもらいます以上、当然いたさなければならぬわけで、したがいまして、第二次チャンネルプランは難視聴地域の解消のためであります。それから第一次及び第二次のチャンネルプランによりましてもカバーできないところにつきましては、微小電力のテレビジョン放送局の免許をいたしております。それで例をNHKにとってみますると、大体わが国の全世帯数の約九二%というのが受信可能になっておりますけれども、四十一年度末におきましてはカバレージを九五%に達成させる。そのため、これもNHKの例をとりますと、第二次チャンネルプラン、すなわち難視聴地域解消のために周波数を用意をしております分でありますが、これが二百九十七地区の置局を完了する予定になっておりますし、また微小電力テレビジョン放送局のほうは、百六地区に建設することにいたしております。こうすることによって、とにかくカバレージを九五%まで持っていく。こうした努力をさらに続けてまいろうと思いますし、いずれ早々にお願いいたしまする放送法、電波法の改正等におきましても、電波の計画的使用ということ、それに基づく法的な行為としての免許の方針の確立、そして置局を進めていく、電波網を充実してまいる、こうしたことで、やはり難視聴地域の解消ということに一つの非常に大きな目標を置いて、とにかく現在のところは、いま申しましたような形で第二次チャンネルプランをやっていく。微小電力テレビジョン放送局を置く。そうしてとにかく何%かずつ上がってまいりますが、さらに根本的なこととして考えてまいるべきだと思っております。と申しますのは、おっしゃるように、私も技術のことは決して詳しくないのでございますけれども、難視聴地域を解消して、一方ではまたそうなる原因がだんだん別にできていくという追いかけっこになっているような感じをいたしております。これは電波当局においても十分研究さしておる次第でございます。
  94. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 そこでこれはNHKの予算を見ないというとどういうことになっているのかわかりませんが、しかし、ここにありますところの説明書によれば、「受信障害防止対策の推進及び有線放送電話施設整備強化のための技術指導費として五千七百万円」とありますが、かような驚くべき多額の予算が組まれておるわけであります。こんなものは一体大臣、いま答弁になられたことが実行できるのですか、NHKのほうの責任としてこれをやるのか、一体どうなんですか。これはここで答弁をしていただくだけではならぬので、やはり実行してもらわなければいかぬと思うのです。どうなりますか。  それから、いまの飛行場周辺等は、これは飛行機が発着するたびに電波の障害を受けて、テレビなんかほとんど見ていられません。騒音による妨害と同時に、この飛行機による電波の障害というものは、はなはだしいものです。したがって、これらの地域は私は、こんな聴視料なんというものはもう取るべきじゃないと思うのですよ。こんなものはちゃんと調査をすれば、どの区域までがひどいものであるかということがわかるわけですから、誠意さえあれば私は、これはもっと実行できると思うのですが、やる熱意と誠意がなかったら、ここで適当な答弁をするだけに終わってしまう。そういうことではこれは政治に対して大きな不信を買うと私は思うのです。もっと誠実に実行に移すべきだと思うのですが、郵政大臣、いままでもう数年間にわたって議会に対して約束済みのことなんですよ。いまさらこんなものを質問すること自体がおかしいのです。しかし、毎年繰り返さなければならぬ。私はこれはもう実行されるまで繰り返すつもりなんです。しまいには責任追及にまで発展すると私は思うのです。いかがですか、これは。
  95. 郡祐一

    郡国務大臣 おっしゃるように、一般会計予算にあらわれておりますものは、これは全く非常に小さいものであって、お示しのような対策として使えるものじゃございません。したがいまして、結局これはNHKなり放送事業者なり、こうしたものに強力な指導をしてまいる。番組なり経営自体についてはどこまでも自主性を尊重いたしますけれども、同時に、こうした難視聴地域の解消というようなものについては強い指導をしてまいるということが立場でございまして、それが予算上には特にあらわれているようなことにはなっておりません。  それから、ただいまお話しの基地周辺等の騒音によります障害でございますが、これはたびたび皆さま方の御注意もいただいておりますし、ただいますでに減免をいたしております件数が十一万件という相当な額になっております。したがって、この十一万件という受信料の減免は相当なものと承知いたしておるのであります。しかし、伺いますと、あそこはこうだぞ、それから新たにこういう状態で障害が起こっておるが減免しておらぬぞというような御注意を承ることもございます。したがいまして、私自身まだ十分ではないなと思いますけれども、とにかく件数は年々増加して減免をいたしておりますし、減免することが当然なんでありますから、こうしたことについてはさらに御注意がありますれば一般的な注意もいたします。また、ただいま申しましたように、ここはおかしいぞというお示しがあれば私は喜んで即刻、当然すべきことでありますが、是正してまいることにいたします。
  96. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 もう私は時間が超過しておりますからおきますけれども、いま大臣の言明どおり、ひとつこれも五年も六年もの約束どおり御調査を願って、そして各飛行場周辺の飛行機による電波障害地域については、これは早急に聴視料の減免の実行方を督促してもらいたい。これは大きな政治責任ですよ。いつまでもいつまでも、何年も何年も、やりますやりますだけでは住民は承知しません。いまはもう政治不信のところにいっております。これでは私はいかぬと思う。ですから、ここでひとつ大臣、もう少し力強く、やるかやらぬか、ちゃんと調査をしてやるならやるということをはっきり言明してもらいたいと思います。
  97. 郡祐一

    郡国務大臣 私も山口さんのおっしゃることは全く同感でございます。と申しますのは、今度放送法、電波法を変えますときには、私の気持ちは、一体電波というものは放送事業者のためにあるのではない、これは当然のことであります。これは国民全体の財産なんだ。そうすれば、国民がほんとうに満足するように奉仕する、あるいは国民のために実績があがってまいらなければいけません。それが雑音その他のために視聴ができないということは、おっしゃるように政治の大きい責任だと思います。御趣旨を体しまして、私は現在いたしておりますことがまだ不十分なことを感じながら、大きい政治の信頼の問題であり、電波というものに対する政府の考え方をはっきりさせますための一つの問題点といたしまして取り扱うことにいたします。
  98. 山口丈太郎

    ○山口(丈)分科員 では終わります。
  99. 三原朝雄

  100. 片島港

    片島分科員 時間が非常に制限されておりますし、私はある程度詳しいほうでありますから、ひとつ簡単に答弁してください。  郵便の問題でありますが、今日でもいなかでは郵便配達しない地域がございますが、郵便規則第八十五条の適用地として郵便配達しない、そういうところに最近道路がりっぱにできまして、配達をしない僻地の家の下をバスが通っております。この郵便規則八十五条によって郵便配達しない地域をきめたのは何年ごろでございましょうか。こういう規則をきめたのは何年ごろでしょうか。——わからなければ調べておいてください。
  101. 長田裕二

    長田政府委員 いまちょっと年月日を調べておりますから……。
  102. 片島港

    片島分科員 現在集配の問題は、これは関連しておるわけですが、たとえばあるところからA局に郵便が逓送をされます。A局でB局に行く郵便を、行のうを解いてB局に逓送するわけです。B局では翌日それを配達に回すわけですが、そのときに、実は道路の事情が昔と変わっておりますので、もう一回翌日になってA局区内を通過して配達をしておるのであります。これは同一市町村内であります。同一市町村内でも、昔は山を越えていったほうが近かったが、最近は遠くなったけれども、りっぱな道路ができたために、翌日になってわざわざ、同じ市町村のA局から配達しないで、昔、これは大正年代か明治年代にできた郵便局かどうか知りませんが、そこに持っていって、A局の集配区域を通ってB局の郵便配達をしておる。こういうことがいまでも同じ市町村——これは町村合併ではありません。昔からある村に二つの集配局があったわけです。そういう事例が、私が知っておるだけでも、私の区内で十以上あります。こういう点はどういうふうに考えておられるか。今度の値上げの問題についても、電信電話、NHKなんかは、第何次何カ年計画というものをつくって整備をせられておりますが、郵政当局にはどうも、そう言ってはたいへん失礼でありますが、先輩らの遺産の上に何かあぐらをかいたような形で、少しもこういったような問題、近代化と言っておりますけれども、それが取り上げられておらぬような感じがするのです。こういう点についてはどういうふうに検討しておられますか。
  103. 長田裕二

    長田政府委員 昭和二十八年に町村合併促進法ができましてから、集配局の統合、それから個々の集配区の組みかえ、二つの方法で町村合併促進法の趣旨に郵便として即応するようにしてまいっておるわけでありますが、昔から、ただいまの御指摘のようなところも確かにございますし、ただいま申しました町村合併に伴う集配区の組みかえにも関連いたしまして、そういうところも取り上げて、組みかえの計画を進めることにいたしております。最近また新しい目でそういうところを見直して、組みかえするように取り進めている次第でございます。
  104. 片島港

    片島分科員 ただいまの八十五条適用地のやつは、まだわからぬのですか。  もう一つ、計画性があまりないのじゃないかという点については、今度の郵便料金値上げ法案で、郵政審議会の答申を見ますと、五年間先を見通しをするとすれば、料金値上げを年平均三六・八%にしなければならぬけれども、五年というような長いことをいって料金改定をやらないで、さしむき三カ年に限った場合は、二九・何%になっておる、こうなっておるのです。ところが、あなたのほうの郵便料金改定説明書を見ますと、三カ年として審議会が答申したよりももっと下回った二八・何%の値上げになっておるのでありますが、これは三年未満ということを限定をしないと、これはおそらくこの審議会の資料もあなたのほうから出されたと思うのですが、電電公社でも第何次五カ年計画、NHKでもそうやっておりますが、郵政省では第一次五カ年計画でもなく、三年先のことはわからぬ、三年先また値上げすることもあり得る、この審議会の答申を見れば、そういうふうに感じるわけです。これは一体どういうことを基礎にして今度の料金改定の幅をきめられたのでありますか。
  105. 郡祐一

    郡国務大臣 郵政審議会はおっしゃるとおりでございます。ただこれは郵政審議会の内容をごらんいただきましてもわかりますように——これは片島さんのほうがたいへんな専門家でいらっしゃるのですけれども、郵便事業というものについては、結局大部分が人件費であって、しかも、その事業全体は、物がいかがであるかということによって、ものがきまってまいります。ところが、これは非常にやかましくものを見てまいろう、こういうことで、物の伸びをきわめて押えて利用減を見るということでいたしております。しかしながら、郵政省をお預かりいたします者全体といたしまして、物の伸びというものは、可及的に、できれば伸ばしていかなければいけない。したがいまして、四十年という状態を見まして、四十一年度では利用減を見込みまして立てましても、四十二年度以降については、過般の郵政審議会で見ましたような利用減を見るべきものではなく、また政府といたしましても景気対策等に極力力をいたしております。したがいまして、企業努力により、また経済の正常化によりまして、今後郵便物の伸びを期待いたしますれば、おおむね五カ年間は安定を期することができる。またどういたしましても私ども物の伸びで五年を期待できると思いまするし、また郵便料金改定を、これも片島さんもごらんのとおり、二十六年にいたし、三十六年に、あの小幅の値上げでも五カ年間をもたしてまいりました。これはやや無理にもたしてまいったような形ではございますけれども、郵便料金はむやみに上げるべきものではない。また私どもも郵政審議会の経過等をとって、三年というようなことを郵政審議会も言うておられますけれども、しかし、あの利用はまるっきり伸びていかない。人口がふえていけば幾らかは伸びます。幾らかは伸びますけれども、ああいうぐあいに利用減が利用減がということで見ていくのではなしに、同時にまたいままで伸びたように決して大きい数字を見ることはございませんけれども、物がある程度伸びるんだということを予想することは当然だと思います、そうした考え方で五カ年どうしても維持するために企業努力をいたしてまいる、また同時に、政府の景気全体の伸びと申しますか、経済の安定ということも政府として精一ぱい努力をいたす、こういうつもりでおよそ五年ということを考えております。
  106. 片島港

    片島分科員 電信電話についても、郵便についても、あるいはNHKの放送の受信者についても、先のことは見通しがつきませんけれども、しかし一応先の見通しを立てておるわけです。郵便については審議会のほうはだいぶ減るように言っておるけれども、私たちが考えたのは、あまり減らないだろうということでなくて、やはり第一次五カ年計画、第二次五カ年計画といった形で、郵便事業についても、もっと合理的な、計画的な整備計画をつくっていくのがいいんじゃないか、こういうことを言っておるのです。いま人件費のことをおっしゃいましたが、私この前調べたのですが、日本は一番人件費が外国に比べて安いのですね。郵便事業における人件費は、大臣は御存じないでしょうが、フランスが事業費の八一%、アメリカが七七%、英国が七四%で、日本は七三%で、先進国の中で一番低いのです。人件費が高いとかなんとかいう問題でなく、それはそれとして、事業全体の計画をひとつもう少し計画的につくっていただきたい。  それから、もう時間もありませんから、ちょっと貯金のことでお聞きします、いま十年たったならば催告をして、そして何とも言ってこないものは没収しておりますね。没入金は一カ年間に何件あって、どのくらいの金を没収しておりますか。
  107. 稲増久義

    ○稲増政府委員 ちょっと件数は……。金額といたしましては八億円ほどございます。
  108. 片島港

    片島分科員 件数もわかるはずです。毎年毎年八億円くらいあるんでしょう。二年たてば十六億、三年たてば二十四億、こういう没収金があるわけです。これは件数がわかれば、割ってみれば平均がわかると思うのですが、おそらく零細な預金だと思うのです。これをただ催告するというだけでは——取りに行くのはなかなかたいへんということで、これはほんとうは返すべきなんです、没収してしまわないで。八億といえば相当大きな金ですね。そうしますならば、その払い戻しの方法について、一ぺん催告したけれども、いや取ってしまえ、こういうような取り方でなくて、やはり払い戻しの方法について、もう少し親切な方法を考えてやるべきじゃないか。八億ということになりますが、そうすると郵便振替貯金で無効になって、没収しておるのは幾らありますか。
  109. 稲増久義

    ○稲増政府委員 二千万円くらいかと思います。
  110. 片島港

    片島分科員 郵便振替貯金も今度は貯金という名前を捨てて郵便振替となったのですが、それでも二千何百万あるわけです。こういうものも全く没入金ですね。簡易保険が失効になって、その金を没収するのは幾らありますか。
  111. 長田裕二

    長田政府委員 先ほどお尋ねのございました郵便規則八十五条、配達をしない地域の八十五条、あれはいつからかというお話でございます。現在の郵便規則は、昭和二十三年の一月一日の郵便法施行と同時に施行されております。実質は、この同じ内容は戦前から先生御承知のようにずっとあったわけであります。
  112. 片島港

    片島分科員 戦前でもいろいろあるでしょう。明治からか、昭和からか。この法律はずいぶん——私が昔子供のころ、入ったころからなんですよ。だから少なくとも大正か明治時代ですよ。大正、明治につくった郵便配達地域が現在でもそのまま残っておるのです。ところが最近バスが抜けてから、その配達しない家の下をバスが毎日何回も通っているのです。そういうところがいまだに残されておるのはおかしいじゃないですか。昔の地理的な条件のもとに置かれた置局の経過、それから現在の集配地域状態ですね。そういうようなものをなるべく集配地域の統合とあわせて早く検討してもらいたい、こういうことなんです。
  113. 長田裕二

    長田政府委員 仰せのように昔のままでおりましてはたいへん申しわけないことであります。現在のところ三千六百カ所、世帯数にいたしまして一万二千世帯くらいでございますが、年々その地域につきましては郵便物数がふえてくるとか、あるいはお話のように交通事情が改善するとかいうことで、年々これを少なくいたしております。
  114. 武田功

    武田(功)政府委員 お答えいたします。  解約はただいま手元の統計資料——三十八年度でございますが、三十八年度を見ますと、三十万件余、保険金額といたしまして二千六百万円でございます。  それから失効のほうは、同じく三十八年度をとりますと、三十三万件で、四千三百六十万円でございます。
  115. 片島港

    片島分科員 いまのは保険金額ですか、掛け金ですか。
  116. 武田功

    武田(功)政府委員 ただいま申し上げましたのは保険金額でございます。
  117. 片島港

    片島分科員 掛け金は幾らになっておりますか。没収するというのは保険金額でなくて掛け金でしょう。保険金額というのはまだその時期にきておらぬから、金額は生きてこないわけです。没収するというのはかけた金を取るのですよ。かけない分は取らないのです。
  118. 武田功

    武田(功)政府委員 失礼いたしました。いま単位を間違えました。金額のほうは保険金額で申し上げております。それで保険料のほうは、まだ確定してそれをどうしたというわけじゃございませんので、それぞれの月掛け、日掛けが大体出ておりますが、一応いまのところ件数と保険金額で統計を出しておるようなわけでございます。
  119. 片島港

    片島分科員 掛け金でないと——保険金額というのは、契約高というのは、これは没収に入らぬですよ。かけた金を没収しておるわけですが、それがわからなければまたいずれ……。
  120. 武田功

    武田(功)政府委員 四十一年度予算では、この歳出の還付金のところに出ておりまして、大体これが解約の還付金でございますので、その還付金で見ますと、約十三億ということで、大体御推定いただけると思います。
  121. 片島港

    片島分科員 還付すれば没収しないのです。還付条件に合わないので還付する必要がないために、あなたのほうで没収になる金額があるでしょう。還付したやつは没収じゃないのですよ。金を返さないで取ってしまうやつはどのくらいあるか。
  122. 武田功

    武田(功)政府委員 私のほうの保険関係では、没収というのはございませんで、還付金でやっております。なお、還付金を取りに来ないというケースはございますが、それは大体時効で処理しておるのであります。(片島分科員「だから時効でも何でもいいのだよ」と呼ぶ)実際上時効になりましても、取りに来れば払うという形にしております。ちょっと手元に時効の件数がございませんので……。
  123. 片島港

    片島分科員 またいずれ他の機会にお聞きしますから、調べておいてください。  これは還付する必要のない場合があるでしょう。たとえば一カ月か二カ月かかけて、そのままにほったらかすとか、それから契約にごまかしがあってうそがあったために、契約の対象が無効になるとかいったいろいろな事態があって、あなたのほうで払わぬものが出てきはしないか。それと時効になって払わない。要するに私がいま言っておりますのは、郵便貯金についていま年間八億円あるそうです。それから振替貯金で二千万円以上あるというのです。こういう金は、大臣どうですか。もし私が先ほど言ったように、何か方法を講じて返せるような手段があるなら、いろいろ手続を研究してやってみる。それができなければ、毎年これを取り上げて大蔵省の預金部になにしておるのでしょう。これは大体零細な人たちのものですから、ほかの方法でこれを零細な人たちの社会福祉といいますか、そういったほうに振り向けるべきではないかと思うのです。この金をあたりまえみたいな顔をして没収してしまって、ほかの貯金と一緒にやってしまわないで、これはこれというような処理のしかたがあるのではないかと思うのですが、どうですか。
  124. 郡祐一

    郡国務大臣 おっしゃるように、もっともっと没収する前には、ただどれだけのことができるのか知りませんけれども、親切な手続をとることは、これは必要だと思います。考えさせていただこうと思います。  その後の、没収いたしました資金はどうするか。これについては、ひとつ関係当局とも私が折衝してみたいと思っております。  それから、先ほどの片島さんのおっしゃいました長期計画を立てる。これは全く私も同感でございまして、私もいま郵政省に参りまして、窓口の機械化ということもいわれるし、もっと大きな郵便局機械化ということもいわれる。しかしどこまで機械化する、それから輸送の手段をどこまで充実したら、まず一応満足できるだろうか。電波のほうはなかなかむずかしいことで、どういう発展になっていくかわからないことですけれども、郵便のほうは、日本に比べて一人当たりの物数のはるかに多いアメリカの例もあればイギリスの例もある。私はこれは間違っていないと思うのでありますけれども、国民の文化というのは、コミュニケーションと申しますか、とにかく郵便が多く交換されるということは、一つの文化の指標だと思います。それと日本が現在まだ低くて、アメリカ、イギリス、フランス、西独その他の国ことごとくがはるかに日本より多い郵便を扱っております。そういたしますと、目標というものがあるので、電波の場合などよりもはるかに計画を持ち得る種類のものではないか。そういう意味で、率直に申して郵便事業についての計画というものがない。これは私どもの一つの申しわけないところだと思います。あらゆる方面の御協力をいただいて、私どもは、いままで郵便事業について郵政審議会や何かでお願いしておりましたよりもっと根本に触れた計画を持って、どうしたならば満足していける状態になるか、こういうことが、ある意味では従業員に意欲を持って働いていただく原因になると思います。かような意味合いで、おっしゃる点を間違いなく、郵便事業についての長期計画に取り組むようにいたしたいと思います。
  125. 片島港

    片島分科員 貯金のことですが、頂け入れた月は、十五日以前に預け入れればその月の利息がつく。十六日以降はつかない。それから払い出しの月がつかないというわけですが、それで十五日に預け入れて翌月の一日に払い出せば一カ月分の利息がつきますね。しかし十六日に頂け入れて翌月の三十一日に払い出したら、一カ月半でも利息がつきませんね。これはどうです。半月で一月分つくが、一月半あっても利息がつかぬわけですか。  それと、その利息をつけない金額というものは、常にどの程度の金額がありますか。無利子であなたたちが預かっておって、実際は六分五厘で運用をしておる。この帯はどのくらいの金額の帯になっておりますか。
  126. 稲増久義

    ○稲増政府委員 郵便貯金の利子のつけ方は御承知のとおり月割りに相なっておりまして、ただいまおっしゃいましたことの前半の問題は、月割りを方針としておるというところからまいるのでありまして、不合理のある点はわれわれもわかっておりますが、これを日歩計算いたします事務量その他から、ちょっとただいま月割り以外の方法はとれないというふうな立場にあるわけでございます。  なお現在通常貯金が一兆三千四百二十九億円ございまして、このうち月の十六日以降の預入割合は大体三八%前後かと思いますので、そういう額は年間五千億円くらいになりますので、それの三分六厘、約十五億くらいに相なります。
  127. 片島港

    片島分科員 それは年間合計ということですか。大体預金量が積もり積もっていくわけじゃなくて、そのうちに払い出しもされていくでしょう。預金量というのは動くでしょう。私が言っておるのは、毎月あるいは毎日でもいいですが、どのくらいそういう利息のつかない金額がずっといっておるのか。それは四千何百億ということはないでしょう。いつもは何百億くらいじゃないですか。
  128. 稲増久義

    ○稲増政府委員 いま私が計算いたしましたのは、十六日以降に入りました金額の割合から推定いたしたのであります。
  129. 片島港

    片島分科員 あなた、十六日以降のものを一年間合計してみれば四千何百億になるかもしれぬけれども、そんなことではだめですよ。私が言っておるのは、十六日から預け入れて利息がつかないものがあるわけです。一日に預け入れても十四日に引き出せば利息はつかないわけですね、そうでしょう。十六日に預け入れて翌月の三十一日になっても利息がつかない。そういう金額が年間を通じて毎日相当あるわけです。これを一日分ずつを合計してみたってしょうがないですよ。どのくらい金額があるか。最低と最高がありましょう。まあしかし大体でいいです。大体どのくらいあるか。最高のときは何百億、最低のときは何百億というふうに……。
  130. 稲増久義

    ○稲増政府委員 月大体三百億くらいございます。
  131. 片島港

    片島分科員 三百億といえば年間六分五厘に回しても相当な金額になるのですが、日歩計算では手数がかかると言いますけれども、最近は非常にいろいろな機械化が進行しております。銀行あたりではやはり日歩計算をやっております。銀行が郵便局よりどれほど人間をよけい使っておるかは比較してみたことはありませんけれども、銀行は使っている。三百億もあるものを一カ月半もかかっても利息が支払われないでおるのですよ。やはり日歩計算の実施については、もう少し検討してみる必要があるんじゃないですか、大臣どうですか。
  132. 郡祐一

    郡国務大臣 検討いたしましょう。おかしいと思うのです。ということは、いま貯金のお話でございまするけれども、ほかの、たとえば今度改正案を御審議願っております郵便振替貯金にいたしましても、よその銀行や何かのやっているものと競争してお得意さんをとりますのに、どうもいままでは国というものの背景がありましたからやれましたが、これからは銀行と競争していくくらいのつもりで、改めるべきことは改めさせていただこうと思います。
  133. 片島港

    片島分科員 今度郵便振替貯金に利息をつけないようになったのですが、私が調べたところによりますと、三十九年度——これは流動します。払い込んだり受け取ったりしますから、その日によって金額が非常に違うわけですが、最低の日で百七十九億円、最高の日で四百五十八億円あるのです。しかし、最近の振替貯金の伸びから見ますと、四十一年度では最低二百億、最高が五百億あると思うのです。これに利息をつけない。そうすると二百億を六分五厘で運用しても十三億円ですね。またその上積みのものを短期融資をやれば、それにまた利息がつく。どうも私は郵政省は庶民のわからぬようなところで相当かせいでおるような気がするのですよ。何百億という大きな金です。私たちは予算を大蔵省に言うときに、わずか一億か五千万円くらいを要求するのに、主計官のところに行って頭を下げるというわけじゃありませんが、いろいろ折衝をやるわけです。そうするとどこか裏のほうでは何百億という金が眠っているのです。しかし、結局はその利息を十何億もかせいでいるわけでしょう。だから、こういうことは、やはり一般利用者に還元するような方法、これはむずかしいかもしれませんが、何かしょうがないからいただいておりますというようなことでなくて、これは郵便貯金、保険事業だけでなくて、全体の郵政事業として、もう少し利用者に還元するような方法を検討してもらいたいと思いますが、どうですか。
  134. 郡祐一

    郡国務大臣 この点もおっしゃるとおりだと思います。ただ何と申しましても、資金運用部、財投の重要な原資で、しかもそれの大宗をなしておるものでありますから、この折衝は決してなまやさしくいくものとは思いません。しかし、それだけに、国の資金の上に貢献をしておるものでありますだけに、また当方が大蔵大臣と折衝いたしますのにも、こちらの強みの点もあることはよく承知いたしております。これはやがて一つずつ郵政省として解決をしていかなければならない問題が一連をなしてあることも感じております。
  135. 片島港

    片島分科員 これは私郵便貯金をどうせいと言うのではないのです。没収になった利息のつかない大きな金額で、実際は政府が取って利用者には還元しないで利息をかせいでおるのですから、国の財投で大企業なんかの設備投資に振り向けるというのではなくて、零細な利用者に還元するような方法を研究してもらいたい。貧乏人がせっかく少しずつためたものを、いいものがきたというので大企業の設備投資なんかに使うのではなくて、やはり貧乏人に還元するような方法、これは郵政省が金を集めるのですから、それを集めたところでまた返していく、こういうような方法を検討してもらいたい、こういうわけです。  時間がありませんから、いま一つだけお伺いしておきますが、先ほど貯金の剰余金というのがありました。三十九年度までで二百四億、これは三十六年度まではたしか赤字だったと思いますが、三十七年度、三十八年度、三十九年度で二百四億、四十年度、四十一年度の剰余金はどういうふうになっておりますか。
  136. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 四十年度は二百五十八億、それから四十一年度は約六十億、合わせまして三百十八億になる予定であります。
  137. 片島港

    片島分科員 これは毎年度合わせてということはないでしょう。翌年度になったならば積み立て金としてやって、翌年度回しにはしないでしょう。年度が変わったならば貯金会計のほうに積み立て金として繰り入れてしまうのじゃないですか。
  138. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 毎年度出しますが、剰余金勘定に入れております。
  139. 片島港

    片島分科員 剰余金勘定は合計幾らになっておりますか。
  140. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 合計で二百五十八億です。
  141. 片島港

    片島分科員 三十九年度末で二百四億で、四十年度で二百五十八億とおっしゃいましたね。それならば四百六十二億になるのじゃないですか。
  142. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 四十年度に出ました剰余金を入れまして、合計におきまして二百五十八億であります。
  143. 片島港

    片島分科員 この剰余金は別にそっとしておくのですか。これはだんだんふえていったら何に使いますか。
  144. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 剰余金は、積み立て金として入っておりますが、もし貯金会計に赤字が出ました場合には、これを取りくずしますし、また重ねて剰余金が出ました場合には、プラスして積み立てしております。
  145. 片島港

    片島分科員 それでは、あなた剰余金として別に持っておると言うけれども、別じゃなくて、同じ積み立て金と一緒に使うわけじゃないですか。これは別にレッテルを張って、これはこれとしてとっておきますか。
  146. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 余裕金、積み立て金は、合わせまして預金部に預けておりますから、一緒に預金部に預入という形で運用いたしております。
  147. 片島港

    片島分科員 だから、結局これは同じなんですよ。こういうふうにしてだんだんたまっていった場合に、これは赤字のときは大蔵省から穴埋めしてもらったって——私が言うのは、大体コンスタントに赤字が出ていくとか、コンスタントに黒字が累積していくという公会計そのものがちょっとおかしいじゃないか。その点、事業運営上おかしいんじゃないか。赤字、黒字がないような行き方という以上に、金額が大きいですからね。その点がちょっと私は疑問なんです。
  148. 稲増久義

    ○稲増政府委員 これは一応目標額がございまして、目標額以上に、ここ数年は達成いたしております。その分がこういう姿になってまいったのでありまして、赤字の時代は、目標額までに達成しなかったというふうな点がございます。
  149. 片島港

    片島分科員 もう時間がございませんから、終わります。
  150. 三原朝雄

  151. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 あまりに時間が過ぎてしまいましたし、また制約されておりますから、詳しくお尋ね申し上げることができませんけれども、実は、先ほど大臣片島委員へのお答えの中で、また山花委員のお答えの中に触れてまいりましたことしの最大の課程、郵便値上げのことにつきまして、私もちょっと冒頭にお伺いをしておきたいと思います。  実は、私も、郵便事業の現況からいたしまして、ある時期において、ある方向においては、料金値上げという英断も下さなければならないときが参ろうか、こうは思っておりました。しかしながら、それがいま、ことしがいいか、またいまのような方法でいいかにつきましては、たいへん疑問を持つものであります。ことしがいいかということにつきましては、政府のほうでは、公共料金値上げはなるべく避けたいということからして、去年もほとんど上げなかったということでありましたが、ことしは米の値段から始まって、国鉄料金、次には医療費も手をつけなければなるまい。その他たくさんの公共料金値上げするということになりました。したがって、どう説明をいたしましても、公共料金が一般の物価値上げを刺激しておる、先行しておるというような感じを国民一般は持っておるのであります。そういう時期において、がまんにがまんを重ねてきた郵便料金だからといって、それに巻き込まれたような形でやるのがはたしていいかどうか。郵便事業というのは、大臣も御承知のように、現場の職員は一々各家庭にお伺いをして、特に貯金なり保険なりなどにつきましては、いろいろなサービスを提供しておる。したがって、料金値上げなどについて、いやみを言われたりなんかすることはとてもつらいことなのであります。そこで、ほかの料金は上がっても、われわれはがまんしておるのだとか、あるいは他の方法をもって料金値上げを避けているのだというような態度こそ、実はしたいのでありましょうし、したがって、大臣にもそういう態度をとってほしかった。それが今度のような状況になって、率先といってはいけませんけれども、率先値上げの先頭を切るような形をとっている。これは残念でありますけれども、どうしてもそれよりほかはなかったのでありましょうか。
  152. 郡祐一

    郡国務大臣 金丸さんのおっしゃいますとおりの感想を私も持ちまして、実は放送法、電波法の改正を御審議願う決心は、就任後間もなくいたしたのでございます。郵便についてはいかようにいたそうか、かなり私自身もあれやこれやと考えておりました。ただ私が就任いたしまして、だんだん中身を聞いてみますと、四十年度予算ですでに五十六億の実質赤字があるのに、前年度の持ち越しを無理に使ってしまっておる。これが建設事業をやっておる会計か何かでございましたら、また仕事を押えるということもできます。しかし見ておりますと、郵便局舎などもおくれていくばかり、何もかもおくれておる、サービス全体おくれておる。そうして私がお引き受けしましたときに、明瞭に五十六億の赤字を持っておる。このままでいきましたならば、表に出さないいろいろなくふうをしてみたところで、かなり膨大な赤字をかかえる。そうすると、後年度利用者に持っていって、ごっそりと高い御負担を願う。借り入れ金の利子について御負担を願う。どう考えても決して好ましいことではございません。また一たん上げましたならば——私はよく役所の者に言うております。これが出発点であって、何かいままで押せ押せできて、これで解決して、終点のような気持ちを持ってくれたら絶対にいけない、国民にある程度は申しわけないという気持ちで、しかしサービスはよくするということで、ひとつ役所全体で計画を立ててほしい。端的に申しますと、いままでは昭和二十六年に上げて、三十六年に小幅で直しただけだったが、その後やはり景気のぐあいか何かでございましょうか、わりに物がふえてきたということで、見過ごしておった。ところが、四十年になってみたら、経済の動向や何かから非常に悪くなった。そこに五十六億の金を入れて、入れるべきでないのに入れてしまった。確かに、いまが全体が非常に悪い時期で、その悪い時期にするのでありますから、これはどうしても、千何百億の郵便事業会計では、ここで料金値上げをお願いしない限り乗り切りようがない。むしろ将来に非常に禍根を残す、こういう意味合いでいたしましたので、ほんとうに私自身も考え抜いたあげくのことであります。これはまた、国民の利用する方に、必ずサービスの面なり郵便事業改善されたという面でお報いをしなければいけない、そんな気持ちで、この料金値上げをお願いしておる次第でございます。
  153. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 赤字累積というような事実をかかえて、大臣が非常に御苦労なさったことにつきましては、私も想像できるのでありますし、このままの状況をもってしますれば、ますます赤字は累積し、将来に禍根を残すというお考えも、確かにそのとおりだと思います。ただ私は、そうであればあるだけ、サービス改善のためには金が要るのだ、金の出場所がほかにないので、というような国民一般への訴え方というものは、もう少し早目に、それからまた深刻にしておかなければいけなかったのではないか、こう思うのであります。実は私はこれにつきまして、やや心配があったものですから、ある機会に当局に向かって、そういうことの訴えをもっと切実に始めておかなければいけないのではないか、というような意見を表明したことがあったのでありますが、その際は、そっとしておいてというようなことでありました。しかしそっとしておいただけに、受けるほうの立場からしますれば、料金値上げという必要性について、あまりに切実感がないように思われます。郵政事業の危機、こうは言いましても、その切迫感がどうも国民のほうにはわかっておらぬ、たいへん残念でありますけれども、そうであります。  そこで、私はひとつ、これはたいへんなこと、とんでもないことを言うようでありますけれども、大臣が今度こういう組み方をする前に、一年なり半年なり、これを一般会計からの繰り入れ金というような形でこれまで努力してやっておったのだという実を示し、利用者側からの了解を得る方法として、そういう主張もしたのだということがあったかどうか。といいますのは、もちろん私は、郵政特別会計が終始自主的にやるということの理想はあくまでも立てていかなければならないと思っております。したがって、どんなことがあっても、一般会計にたよるというようなことはしてはならないと思いますけれども、問題は、公共料金値上げということが物価の値上げの先行をする、刺激をするというような印象を深めることが残念ですから、せめては郵便料金ぐらいは、こうも苦労をしてストップしておいたのだという態度をとったほうが、佐藤内閣が、値上げはしたくない、させたくないのだという表向きの標榜をしておることに裏づけをする意味においても、いいのではないかと思うのです。これも、たとえば米価あるいは国鉄料金というようなことになりますと、多額の金でありますから、そうもいかないとは思いますけれども、郵便料金は、先ほどお伺いいたしますると、初年度において二百八十何億、平年度において三百六十億、こういう三百六十億ぐらいのところでありましたら、一年分が足らなければ、たとえばことしは幸か不幸か公債を出すのですから、七千三百億の公債を七千五百億出してもらっても、それを一時郵政会計のほうにもらっておいて、そうして一年間郵便料金については、あるいは郵便料金のみについては、という表現のほうが正確かもしれませんけれども、それまで努力した、郵政大臣としてはこうまで努力したのだということによって、私は、一般従業員も納得するでしょうし、国民も納得する感じが出てくるのではないか、こう思うのでありますが、この点は、大臣いかように御処理になったのでありましょうか。
  154. 郡祐一

    郡国務大臣 一般会計繰り入れも、確かに考えました。こうした点では、大蔵大臣ともかなり隔意のない話し合いを何べんかいたしました。ただそのときに、いまも金丸さんがおっしゃいますように、公債まで出す年でございます。一方歳出を見ますと、前年五十六億の持ち越しなどをいたしましてつじつまを合わせておりますから、非常に歳出に無理をいたしております。これではもう機械器具にいたしましても、従業員の待遇にいたしましても、局舎にいたしましても、ちょっと待てないくらいの歳出の押え方をしております。ところが、一般会計から私の思うとおりの額を繰り入れさして、利息をつけないで当分借りっぱなしならいけるのでありますけれども、なかなか公債まで発行するときで、一般会計でもかなり渋い査定をいたしますときに、いままで縮まっていたから、伸びる分の局舎を認める金だからよこせというようなかけ合いで、とうていこれは満足な歳出が得られない。そうすると、また四十一年度非常に無理に小さいこごみ方をして、郵便事業会計をせねばいかぬ。しばしばそういうようなことでかけ合いをしながら、これは一般会計繰り入れではしのげぬぞと思いましたことが一つと、それから、これも私郵政省に参りまして見てみますると、家計に占める比率は、〇・一四という非常に小さい比率になっておる。それを見ますと、結局一般の家庭で使ってくださる郵便料金というのは、全体の郵便収入の一割か一割五分なんです。あとの八割ぐらいは大企業でございます。そうしますと、これは少々の値上げは必ずしも響かない。これは心理的にはございますけれども、そうすると一割五分ぐらいの、ほんとうに家庭で利用される方のことを考えればいいので、そのためにほかの八割以上が大企業でありまする際に、これは借り入れ、繰り入れ等の形でいくことが筋であろうか、どうであろうか。その理屈は、私どもはこっちに置いておいた理屈でありますが、端的に言いますれば、繰り入れをしてもらうのでは、どうも満足に歳出のほうに充てる金が得られぬという最後の判断をいたしましたために、だいぶんおくれて、この料金改定に踏み切った理由でございます。
  155. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 公債まで発行しなければならないような一般会計状況下において、これに繰り入れをしろということはなかなか容易なことではない。私もそうだと思いますが、しかし私は、公債発行といういい機会をつかんだものですから、それに依存といってはいけませんけれども、そこに何か一時、一年や二年のしのぎの場が出てくるのではないか。そして一年なり二年なり、大事な公共料金値上げをストップしておいたということが、政府のいまの、値上げはさせたくないという政策の裏づけには非常によかったんじゃないかと思う。いまも私はそう思っておるのでありますが、これは押し問答になりますし、大臣御苦労なさったということもわかりましたので、押し問答になることを避ける意味におきまして、次に移ります。  私が、なぜこういう無理難題と承知しながら、大臣にお願いを兼ねて申し上げるかといいますと、実は先ほども問題になりました、郵便貯金のことしの期待額は四千九百億とされておるようであります。また簡易保険におきましては、千七百億の積み立て金の増を期待しておるようであります。これにつきまして、先ほど大臣の御答弁の中では、決して悲観はしないんだ、こういうことでありました。実は私はこの額を聞いたときに、いまの不況下におきまして、貯金に向かうところの所得減が相当予想される折に、貯金が去年というより、いま進行中の四十年度において、四千六百五十億というものが予想されるにいたしましても、四十一年度において四千九百億というものが期待されるかどうか、非常にあやぶんでおります。いわんや簡易保険というような長期契約を土台としたものにつきましては、はたして四十五億の新規契約、それから千七百億の積み立て金の純増というようなものを期待されるかどうか、非常に心配をしておったのであります。ただ大臣もそういう言明をなさっておりまするし、せんだって、これは日経でありましたか、の記事によりますと、不況下においても、それでも貯蓄は伸びるということだそうであります。さぞやいままでためておいた貯金もおろさなければならないであろうと思われるにもかかわらず、貯蓄はふえておるということが、これは貯蓄奨励のほうからの発表でありまするから、若干、何といいますか、楽観的な見通しも加わっておるかもしれませんけれども、数字はそういうことでありました。ただ私は、かりにそういう数字が出てきたといたしましても、それは貯蓄でもしなければならないような社会不安が目の前に重なってきておるから、ということでありまして、貯蓄の余裕が出てきたからという理由ではないと思います。したがって、貯金がふえるということは、世の中がよくなるという証拠よりも、世の中の心配が増すという証拠だと見てとらなければならないと思います。といいますることは、もしか一たびもっと何かが起きるというと、がらがらくずれていく。つまり払い戻される貯蓄でなければならない貯蓄であろう、ということを想像してかからなければならないのであります。これらにつきましては、大臣は総括的にどういうふうなお見込みを持っておられるのでありましょうか。
  156. 郡祐一

    郡国務大臣 郵便貯金の利用目的を調べてみますると、不時の出費、子供の教育費というようなのが圧倒的に多いようでございます。この不時の出費というところに、多分にいま金丸さんのおっしゃったような意味合いが、私は含まれておると思います。したがいまして、同時に、国の貯金であるからということで、利用者は信用してくださるという点があると思います。これは、おっしゃるように、しかしただいまのところ定額が一件当たり四万円、普通は一件平均八千円くらいになっております。まだ非常に低いものであります。したがいまして、一件当たり八千円というのが伸びてまいっております。それでありますから、私はにわかに純増の傾向がとまるような事態ではないと思いますけれども、おっしゃる点の御注意は、私はよく考えていかなくてはいかぬとは思っております。
  157. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 郵便局の窓口で受け入れる郵便貯金の増というものは、世間のいろいろの動きによって増してもくると思われます。急に減るかもわかりません。現に、たとえば株式ブームというようなときにおいては、がらがら減っていった数年前の例もあります。いまは幸か不幸か、株式も必ずしも期待されないということからいたしまして、まあまあ政府の貯金であれば安全であり、急の間に合うであろうというようなことで、ふえてはくると思います。思いますけれども、しかし、郵便局のほうで苦労しておりますのは、そういう窓口の貯金もさることながら、やはり定額貯金についてであります。これは御承知のように、一軒一軒家庭にお伺いをして、そして定額に入ってくれろ、自分の受け持ちはこれだけあるから、というようなことであります。局の割り当てはこれだけであるからというような責任感からいたしまして、非常に現地の従業員が苦労をしながらやっておるのでありますが、この苦労の程度が、いまのような経済界の状況、世相からいたしますと、ますます増してくる。おととしよりも去年、去年よりもことし、ことしよりも来年、ますます増してくるやに思われてなりません。特に私は、簡易保険におきましては、これが長期契約でありますだけに、もう一つには、これは終戦直後のインフレで非常に苦労した苦い経験が、まだ国民一般の脳裏から消え去らぬのであります。そういうときにおいて、どうもインフレの心配大いにありと世間一般にいわれているときに、簡易保険に入ってくれろ、長期の保険に入ってくれろという勧誘は、これはいままでにも増して、相当苦労が多くなるのではないかと思われる。こういうことにつきましては、大臣は十分心を砕いておられたことと思うのでありますが、どういうふうな具体的なお考えの中で、この四十五億という契約高の達成を、現地の従業員に期待なさっておられるか、所信を承っておきたい。
  158. 郡祐一

    郡国務大臣 確かに、貯金に比べまして簡易保険は、民間生保がああいう大規模でやっておりますので、むずかしい点が多いと思います。達成目標もなかなかきびしいものだと私は思っております。それで、結局外務員に非常に骨折ってもらわざるを得ないことになってまいる。したがいまして、外務員の仕事についての体験なども、私も聞くのでありますが、どうも私の聞くのは、非常に成績が上がるというか、高額な保険を集められるような外務員に会わせてくれるせいもありますか、とにかく、民間生保等に比べると、配って歩きます説明書みたいなものも、民間だとあれは一々外務員が買わされる、簡易保険のほうはただでくれる、なかなかいいところもございます。したがって、自分たちは、成績がいいから民間の方に引き抜かれるといっても、引き抜かれずにおりますというようなことも聞きまして、私は、民間生保よりも、ただいま申しましたような資料なり勧誘に必要な材料など、これは官給する、なるべく外務員に使いやすいようなものにする、また魅力のあるようなものにするなど、いろいろ外務員の仕事のやりやすい方法は、省として考えなければいかぬと思っております。しかし、結果は外務員にかなり多く荷がかかっておる。それで、とにかく私は、自分自身が、郵便貯金に比べると、簡易保険の目標の四十五億はなかなか高いから、そのつもりで、四十一年度はよほど初めから督励してくれなければいかぬぞということを内部で言っておりますので、その点、金丸さんの御注意は私もよくわかります。
  159. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 大臣大いにハッパをかける、ネジを巻くというお心持ちだけでなくて、何か具体的に方策を講じていただきませんと、私はたいへんなことになるのじゃないかと思う。これはあらためて申し上げるまでもございませんけれども、民間保険も、いまの御時世でありますから、必死のかまえでいろいろ方策を講じておるように聞いておりますし、また農業共済保険でありますか、農協関係などにおきましても、たいへんな勢いで力を入れ出しておるようであります。それからもう一つ、比較的簡易保険の契約源とでもいいますか、分野であるところの各職場、事業場などにおきましては、それぞれ自主的に共済制度を持って、非常に伸びがいいようであります。そういうことからいたしますと、簡易保険のほうは、最高制限はある、資金運用のほうは大蔵省のほうに実質的には握られておるというようなことからしまして、言ってみますれば、手かせ足かせの中で、そういう強力なる競争者と競争しなければならないような状況におちいっておるのであります。そして、ことしはこれは前古未曾有なんですね。四十五億という目標を、困難な状況下において達成しなければならない、私は、郵政省の保険陣、外野陣というものは、貯金もそうでありますけれども、長い間の伝統の中で、目標達成ということに必死のかまえで、涙ぐましい努力を続けておりますから、ことしの目標も、できるだけ大臣の御期待に沿うようには努力するだろうと思います。思いますけれども、それだけに私は、大臣のほうから、具体的に、こうも考えておるのだ、こうもしたいと思っておるのだという、何か方策をお示しになっておく必要があるのではないか。頼む頼むというだけでなくて、そうありたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
  160. 武田功

    武田(功)政府委員 先ほど大臣からお答えありましたように、いまは非常にむずかしい時期でございます。ただ、この新目標を立てます基礎となりましたのは、三十九年度三十億に対しまして大体三十九億の実績というところから推算いたしまして、経済の実績、伸びその他を勘案して、四十五億を立てたわけでございます。  簡易保険のシェアの問題でございますが、若年あるいは高年部分がかなり多うございまして、中年齢層が非常に少ないという一つの現象があらわれております。私どもは、そういう新分野の開拓と、それから募集技術の向上、なお、若干でございますが、募集職員も集金職員とかねまして、増加できる見込みでございますし、そういった中から、各自の技量を向上させまして、無理なくいけるようにということで、主として団体あるいはそういう新分野開拓ということに力を入れる予定で、目下進めております。
  161. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 時間がだんだんなくなってきますから、あわてるのでありますが、いま大臣お聞き取りのように、事務当局としましてはいろいろと考えておられるようでありますが、私は大臣に特に御期待申し上げたいのは、たとえば政府のほうでは、新採用はストップするとか、欠員補充はしないとかいうような方針を立てられてやっておるようでありますが、貯金にいたしましても、保険にいたしましても、郵政省が受け持っておるところの事業においては、外野面において同じような扱いを受けると、たいへんなことになるのではないかと思う。といいますのは、何といいましても、外野の仕事というのは、三年や五年で習熟するわけにはまいらない。いま成績をあげていられるところの、大臣からおほめを受けるようないい従業員というものは、十年、二十年、三十年の年期を入れて、あれまでになっておるわけです。したがって、いまの段階において、もしか新規採用をストップするとか、あるいはそれを非常に制約するとかいうことになりますと、ある年度におきまして非常な断層を生じてしまいます。そしてそこから非常な危機というと、ことばは少し過ぎるかもしれませんけれども、問題が起きやしないかと思う。後援続かずというような事態が起きやしないかと思います。したがって、年々新しい、いい従業員を訓練する、新しく入れてどんどんやっていくという体制を、この両面におきましては、とっておかなければいけないと思うのであります。この点は、閣内において、郡郵政大臣に強力に御尽力を願わなければならないと思うことが一つ。  それからもう一つ、さっき保険局長は、昨年の成績から勘案し、ことしもこれくらいは、ということでやったということの御説明がありました。私もそうであろうと思っております。しかし、簡易保険の終戦後におけるいろいろの足取りを見てみますと、終戦後のかの保険事業の一大危機、インフレ状況下において、ほとんどもう立ち上がれないほどの打撃を受けた。それを救ったものは、終戦前の、困っておったところの小口、その小口を解消すると同時に、それを縁故として新しい契約を募集していった。その新しい契約は、あるいは短期であったかもしれないが、とにかく入ってくれということでやってきた。その短期契約が五年、十年で満期になると、またそれを土台にして募集していった、こういうことであろうかと思う。したがって、そういう意味におきましては、わりあいに苦労の中にも手がかりがあった。その手がかりを縁故にして、苦しみながらも目標を達成して、今日まで参ったと思います。私は、去年の成績がよかったということも、そういうことが大きな原因の一つであろうかと想像いたします。想像いたしますだけに、ことしもそういう特別なる——むしろ保険の理想からいたしますと、新しい面にどんどん進出をしていかなければならないが、それをやるとなかなか苦労であるから、つい縁故といいますか、過去の足がかりのあるものに向かって開拓していくといいますか、伸ばしていくということでありますが、新しい面に手を伸ばし得るような態勢というものをとっておきませんと、かりにことし四十三億の目標を達成して、四十一年度における四十五億の目標を達成したといたしましても、再来年はどうであろう、五年後においてはどうであろうかという心配を持たざるを得ない。さっき大臣から、長期計画について十分かまえを新たにするという御決意の表明がありましたが、そういう長期の見通しにおける決意の実行方策というものを、この辺であらためて練り上げておいていただかなければならない、こう思うのでありますが、いかがでありますか。
  162. 郡祐一

    郡国務大臣 金丸さんのおっしゃいますとおりだと思います。したがいまして、欠員不補充の方針下におきましても、御指摘のような外務員につきましては、すべて補充をする、不補充の方針は適用しないということで、今後も陣容を整えてまいりたいと思います。
  163. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 そこで、私は、もう時間が参っておりますけれども、最後に一つ、保険につきましては新しい分野を開拓する道を講じなければならないという意味におきまして、これは日本経済の十日ばかり前の記事でありますが、「家づづくりに新型保険」という表題の中で、大蔵省が民間保険会社に向かって、住宅建設保険というような新しい種類の保険を打ち出して、そしてそれによって政府の住宅政策の推進に役立ってもらいたいことと、もう一つは、いわば保険の新しい面を開くよすがにしたらどうだろうかというようなことで、勧奨しているという記事が載っておるのでありますが、同じようなことが、大臣担当なさっておりますところの簡易保険事業についても考えられる、いな考えなければならないように思うのでありますが、いかがでありましょうか。
  164. 武田功

    武田(功)政府委員 昨年も、先生からそういうような御質問また御提案をいただきまして、事務当局といたしまして、その点をいろいろと検討いたしたわけでございます。大体御提案の趣旨をふえんいたしまして、いろいろ考えてみますと、たとえば、福祉事業団にそういう事業を持たせるとか、あるいはまた戦前ございましたような住宅協会式のものをつくって、そしてそれに貸し付けをするとか、あるいはまた直接契約者に貸し付けする方法とか、こういったような方法に分かれるかと存じます。その点いろいろと検討いたしたのでございますが、現在の保険金額百万円というようなところからも考えまして、たとえば契約者貸し付けの場合でも、貸し付け限度がそう高く上げられません関係で、あまり効果がないのではなかろうか。また新たな貸し付け範囲をきめるということ、あるいは融資範囲を定めますることには、現下のいろいろな状況から考えまして、なかなかいろいろとむずかしい問題を伴うというようなことで、実はまだ省といたしましての案を立てておりませんけれども、契約者貸し付けあるいは団体貸し付けといったような点で、もう少し救済される道があるならば、その方向をもっと研究させていただこうか、こう考えておる次第でございます。
  165. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 このことにつきましては、実は私は大臣からお考えを承りたかったのでありますが、あるいは事務当局のほうから、このことにつきましてお聞き取りになっておらぬようにも思われますので、一分ばかりでありますから、いままでの私の考え方を申さしていただきます。  実は、去年、前々国会の末期に、御承知のような地方住宅供給公社法というものが問題になりまして、もう各地にできておるのであります。これは公団と公庫と合わしたようなたいへんおもしろい思いつきの案だと思って、私どもその審議に当たったのであります。その際聞いてみますると、全国で二万戸つくるということだった。しかし、あのときは十カ年計画で七百六十万戸、ことしは五カ年で六百七十万戸をつくろうということでございます。そういう中で、二万戸というような計画であってはあまりにも残念であるというようなことからいたしまして、何かいい方法がないだろうかということで、私は、これは保険会社に向かっても、大いに助成の方法を講ずるから、政府の住宅政策に協力するようにという勧奨といいますか、頼みをしたらどうであろうかということを建設大臣にも申し上げた、同時に、郵政大臣には、逓信委員会に参りまして、一方でこういう法案ができておるのだから、郵政大臣が持っておられるところの福祉事業——事業団は、あれはもう一種の貸し家業、少しオーバーな言い方でありますけれども、老人に向かって家を貸しております。またある種の人たちには、これは期間は短いかもしれませんけれども、部屋を貸しておる、そういうことをやっておって、そしていま建設省がつくろうとするところの住宅供給公社というようなちりぢりばらばらなものではなくて、全国一括して、どこで入ってもどこへ行ってもいいような方法が講ぜられるのだから、これをもう少し拡充して、一面においては政府の住宅政策に大いに寄与してもらう、一面においてはそれを種として、現地のほうで非常に苦労しておるところの募集面に、あるいは維持面に役立つような方法を考えられたらどうであろうか、こういうことを去年の春郵政大臣に向かってもお願いをいたしたのでありますが、徳安大臣、十分検討しましょうという御返事でありました。私もその検討の結果を待っておったのでありますが、そうした中において、はからずも大蔵省のほうから、民間保険についてはこういう方法をとろうとしておるということが出てきたものですから、私はこれあるかなと思いました。同時に、簡保のほうにおきましても一歩を進めて、これに対抗するという意味ではございません、むしろ政府の住宅政策に協力するという意味におきまして、また半ばは郵政簡保事業の伸展に大いに役立たせるという意味において、住宅保険という名前がいいかどうかは別といたしまして、そういう方法を講ぜられたらどうであろう、こんなことでありました。私は、たとえば夫婦でもって入るならば新婚住宅保険でもいいのでありまして、百万円ずつ二人入って二百万円にして、そしてそれに向かっては新婚家庭らしい家を提供するというような思いつきもいいのではないかなどと思ったことであります。これにつきましては、先ほどのお答えの中にもありましたように、事務当局としてはいろいろ悩んでおるようであります。しかし、その悩みを克服していくところに大臣の御決意があろうかと私は思うのであります。先ほどいろいろ片島分科員の御質疑の中でもたくさん問題がありました。それらを聞いておりますと、いかにも事務当局としてはなるべくそっとしておこうというような点が見えるのです。これは郵政官僚と言ってはいけませんけれども、小心翼々あやまちなきをこれ期するという、私は大いに敬意も表しますけれども、それでは一歩も前進しません。大事なときには大臣の英断も必要ではないかと思います。そういう意味において実は大臣の御決意を承っておるわけです。願わくはこの実現に向かって何らかの方法を講じていただくことが現段階において、非常に視野は狭くなりますし、世間の状況は悪くなりますし、片一方ではまた郵便料金を上げたじゃないかなどと言われなくてもいいいやみを言われて、各家庭を歩き回るところの外野陣に対する大臣のたいへんな激励方法でもあろうか、こう思うものですからお伺いをいたすのでありますが、いかがでありますか。
  166. 郡祐一

    郡国務大臣 確かに住宅政策は強力に推進しなければいけません。現に貸し付けでも簡易保険自身住宅関係の公庫には貸しておるのでありますから。いまも局長が御説明申し上げておったのを聞いておりまして、なるほど住宅の建設資金というと金額も張るし、いまの最高限で考えていくとどうもなじまないというところがある。しかし、住宅政策を推進する、何か国民に住宅を持たせるということでありますれば、むしろ新しい考え方で、そうして大衆に対しての奉仕をしております簡易保険でございますから、これは考えようはあろうと思います。全体にこれから住宅についてどういう新型保険を民保のほうでもいたしますか、また私どもといたしましても、簡易保険について何か新型保険を考えて、そして魅力のあるものにしたらどうかということは審議会等からも言われておりますから、これは本気にひとつ……。ただ、いままでの簡易保険ということから考えますとだいぶ離れておりますが、そこはよく考えさせていただきます。
  167. 金丸徳重

    金丸(徳)分科員 大臣の御決意を祈りまして、私はこれで終わります。
  168. 三原朝雄

  169. 大村邦夫

    大村分科員 電電公社にまずお尋ねをいたします。  今日の有線放送の普及状態並びに公社電話の普及状態、この二つについて具体的に御説明を願います。
  170. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 お答え申し上げます。  現在有線放送電話の加入者数は約二百七十五万程度でございます。公社電話は約七百二十万加入でございますので、公社電話に対して有線放送電話は四割弱くらいになるわけでございます。
  171. 大村邦夫

    大村分科員 次に私は、公衆電気通信政策の基本的なものについてお尋ねをしたいのであります。  御承知のように、有線放送は、交通の便のきわめて乏しい農山村におきまして簡易な放送を目的として誕生いたしました。それが地域社会の高度な発達に伴いまして通信連絡手段に対する需要の増大が高まり、有線放送から有線放送電話として通話機能を帯びることになりました。昭和三十二年に有線放送電話に関する法律が制定をされまして、量質ともに飛躍的な発展を遂げまして、当初の暫定的な性格から恒久的な性格に変わってまいりました。ところが、この有線放送電話の行政のあり方についてでありますが、指導監督の立場にある郵政省、公衆電気通信事業の実施体である電電公社、それから農山漁村の振興をつかさどっておられる農林省、あるいは地方行政の自治省など、放送に関係する国の機関の間にそれぞれ意識のズレがあるように見受けられます。すなわち、行政管理庁が監査をして、その報告といいますか指摘をした中で、農林省、自治省はそれぞれの行政的資格から広報・放送活動に重点を置いて放送、電話の普及を奨励、促進する。御承知のように、有線放送電話は、放送機能だけでなしに通話機能を持っております。ですから、言いかえますと、有線放送電話が普及をすればするほど電電公社のシェアが減少されるという状態が出てまいります。一方、公衆電気通信事業の一元的運営という電気通信政策の基本原則に立つ電電公社は、公社電話の普及を積極的に行なっておられます。特に今日では農山漁村に対する電話の普及については非常に積極的である。これは公社は、今日の有線放送が普及したおもな要因の中に、農山漁村に対する電話の供給が不足をしておった、こういう考え方だろうと思います。いわば公社電話を普及することによって通話の補完的な役割りを持つ有線放送は、逐次解消していくのではないかという考え方に立っておると思うのです。そうしますと、農林省や自治省は、有線放送をどんどん普及しようとする。公社のほうは、自分のほうの電話を普及しようとする。そこに勢い競合が生じてまいります。これは、単にそういうことから有線放送の普及とか、あるいは運営の指導の不足を来たすというだけではなしに、住民も迷惑するし、国家的利益の立場からいっても、非常に問題のあるところだろうと考えるわけです。そこで公社電話と有線電話の調整、あり方について国の通信政策の立場から、まず郵政省、それから電電公社、続いて農林省、自治省と、それぞれの見解を承りたいのであります。
  172. 郡祐一

    郡国務大臣 詳しい点については、また政府委員からお答えをいたしますけれども、いま大村さんが御指摘になりましたように、確かに放送と通話という両方のできる特別な施設なのでありますから、かつて政府が統一した見解を持ちましたように、これによりまして都市と農村の地域格差を是正してまいるために、公社電話の普及と相まって十分な設備の改善等をしてまいる。これは地方民の利益をはかります上に必要なことでございます。したがいまして、今年度初めてでございますが、郵政省予算に技術指導のために五百万円の予算がつき、同額が農林省に、——これは農事放送の普及、指導ということだと思いますが、ついております。むしろ両省の間に、この五百万ずつ一千万の予算等も同じ目的のために使ってまいる、そして電気通信政策が一元的に運用され、公衆電気通信事業というものが、むだがなしに運営されるという方針をどこまでも三者の間で持って、そして連絡を密にしてまいる、これが郵政省としての役割りだと思います。そのように事柄を進めてまいりたいと思っております。
  173. 米沢滋

    ○米沢説明員 国の通信政策につきましては、これは郵政省なり、あるいは政府のおきめになることであって、電電公社といたしましては、法律できめられております、たとえば昭和三十八年に電電公社の施設と有線放送関係とが相互に通話ができるようにするという、そういう方針が法律できめられておりますので、その接続等につきまして、直来、予算をもって全部これに応ずるということで進んでおる次第です。  なおこれにつきまして、いろいろ政府から御意見を求められました場合には、公社として意見を申し上げたいと思います。
  174. 横尾正之

    ○横尾説明員 有線放送、電話施設につきましては、申すまでもなく、一斉放送と通話と両方の機能を兼ね、かつ簡便で農村の実情に非常に適合しておるというようなことがございまして、従来非常に伸びてまいったわけであります。御承知のように、農業関係の諸施策が非常に複雑になってまいりますので、その伝達を迅速かつ的確にするということ、及び農村が広域化し、その間の意思疎通をはかる必要が出てまいるという実情からいたしまして、従来にも増しまして有線放送施設の合理的な運用をはかってまいりたい。その場合には、公社電話との調整にも十分留意をして合理的な運用をはかってまいりたいということで、その面での補助ないし助成の措置について考慮をいたしております。そのためには郵政省とも十分連絡をとりまして、意思疎通をはかってまいる、こういうことにいたしたい、そういうふうに考えております。
  175. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 有線放送につきましては、その通話機能に放送機能をあわせて有する、あるいは加入者の負担が低廉だという点につきまして、地域の実態によって非常に有用な場合が少なくないわけでございますが、その必要性というものは、その地域の地理的なあるいは社会的、経済的な事情によりまして、諸条件によって異なっているわけでございます。私どもといたしましては、市町村が有線放送電話を経営するという点については、当該市町村の存在するところの地域の実態に即応して、適切な経営が行なわれるようにというような見地から指導してまいりたい、かように考えております。
  176. 大村邦夫

    大村分科員 ただいまの答弁を聞きますときわめて抽象的である。特に大臣答弁を聞きますと、私はどうもよくわからないのですが、電話事業の一元的な運営をはかり、さらに調整云々ということが言われました。一元的運営でないでしょう。一方では電電公社の電話がある。一方では有線放送の電話が四割も普及しておる。これは二元的です。これは大臣ひとつ答弁願います。  それから各省の御答弁を聞いても、十分なる意思伝達あるいは連絡を密にし、調整云々、私はそんなことを聞いておるのではない。そういう抽象的な考え方で通信政策をやるから、いま日本の国の通信政策は不在である、こう言われてもしようがない。もう少し納得のいく、しかも摩擦の生じない具体的な方針を明らかにしてもらいたい。このことはあとで聞きますが、行政管理庁の監査報告に基づく勧告の中でも指摘をされております。もしそのことが間違いならば間違いと言ってください。あとで管理庁の見解を聞きます。
  177. 郡祐一

    郡国務大臣 私が申しますのは、現に電電公社の営んでおります電話があり、有線放送がある、それはそのとおりであります。しかしながら電気通信政策というものは、そのやり方がいろいろありましても、やはり公衆電気通信事業というものは、二元になってそのままで置いておいてよろしいというものでなくて、公衆電気通信事業というものは一元的に運用していかなければ、国の電気通信政策というものは分裂してしまうんだという基本的原則が私はあるんだろうと思うのです。基本的原則がそうであって、一元的運営ということであるからといって、何でもかんでも電電公社が持ってしまう、そんなものじゃないんだという考え方でいったらいいんだと私は思っております。
  178. 大村邦夫

    大村分科員 わかりました。しかしあなたの立論から言うと、現実には公社電話があり、そして有線放送がある。この二つの存在は認めるが、相互の調整なり連絡については十分そごのないようにとり合って、そして電電公社の電話の普及も、あるいはまた有線放送の普及も、それぞれの性格から伸ばしていきたい。分立をするのではない。そのつなぎは十分なる調整をする必要がある、こういうことだと思うのです。そこら辺については私もそう思うのです。だがそれから先がわからないのです。一体どうするのか。行政管理庁も先ほど言うたように指摘しております。その後どういう方法で今日対処されておるのかわからないのです。もっと言いますと、有線放送、全国で相当多量の加入者がおりますが、四割と言われましたが、これらの方々は公社線接続についても一中継をさらに三中継にしてくれとか、いろいろな陳情、請願が各省に向けて行なわれておる。議院にも同じであります。そうしてその陳情を受けて農林省、自治省あたりは広報活動の強化ということからかなり意欲的である。ところが電電公社のほうあるいは郵政省はそれほど意欲的ではない。これじゃやはりいま言われたような趣旨というものは生かされないのじゃないですか。明確に意識統一ができていない。それをお尋ねしたのです。だから、どうしたらいいのかですね。性格が違うから、それぞれやはり伸ばしていくのですか。そうしますと、一つ地域に通信の機能と広報活動の機能を持った有線電話——電電公社はどんどんどんどん農村に農村電話を伸ばしていきますから、これらが同じ地域に並行的に入ることも予想されるのです。予想じゃない、現にそういう形になりつつある。そういう場合の混乱というものはやはり何らかの形で整理をしなければならないのじゃないか。といって有線放送をやめさせるというのじゃないのですよ。電電公社の農集電話が普及をしても放送機能はないのですから、これじゃ解消しようもないのです。この調和というのは言うべくして非常にむずかしい。むずかしいからどういう見解を持ってこれを調和されようとするのかということをお尋ねしておるのです。
  179. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 有線放送電話に対する郵政省としての基本的態度につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。しかし現実に地方でいろいろと摩擦を起こしていたことも事実でございまして、そういう事態の上に立って行政管理庁からの勧告が出たわけであります。これを受けまして、私たちとしましては関係の省、農林省、自治省と打ち合わせまして、意識統一をはかろうということで努力中でございます。それによってどういう明確な具体的な措置をとったかという御質問かと思いますけれども、まだそういう段階に至っておりません。具体的に御指摘のございました地方施設者の要望につきましては、郵政省としても検討中でございまして、まだそれに対してどうするかということについて結論は得ておりません。
  180. 大村邦夫

    大村分科員 そういうことじゃ困ります。行政管理庁が勧告をしたのは、昭和四十年一月十八日長官通達によって農林、自治、郵政、各大臣に勧告をされたと思います。自来あれからもう一年余りがたち、しかもいまお聞きをすると、それぞれの持つ性格が違うから、できるだけ競合しないように調和をはかりつつも伸ばしていきたい、ところが調和もされない、競合されたままなんです。なぜならば検討されていない。そうして公社のほうは予算の許す範囲内——これは公衆電気通信法にもありますが、予算の許す範囲内、法の定むるところによってどんどんつけていく、大臣のほうも、それを伸ばしていきたい、こうおっしゃる。これじゃあなたますます混乱するばかりじゃないですか。だれが責任を負うのですか。また、これから検討すればますますそういう傾向は深まっていきますよ。迷惑をするのは国民なんですよ。——大臣答弁してください、その責任者ですから。
  181. 郡祐一

    郡国務大臣 私が申しましたように、三省なり電電公社を加えまして、そうして行政管理庁のただいま御指摘のような勧告に対しましての回答をいたしましたように、話し合いを進める方法をできる限りやっていくし、そうしてそれぞれの分野について現に法律があり、やっていることでございます。しかしながらその行政指導については、私地方に参りましたときにある程度有線放送が伸びておるし、実際仕事をやっておる現場を見ております。そしてそれについて、私は必要な部分について電電公社の考え方と有線放送についての現実の伸びぐあいとが、そう矛盾なしにやっていく。そのために非常な混乱が起きるというような事態は起こさずに両者を伸ばしていくことは、決して不可能ではない。こんなぐあいに私の見たところでは感じ取りました。ただ現に具体的に非常に混雑しているという申し出のある点等については、個々のものについては考えております。しかし原則といたしましては、非常な混雑が起こるというようなことではなく、行政措置で指導ができておるように私は考えております。
  182. 大村邦夫

    大村分科員 先ほどどなたですか、競合混乱についてはある程度認められ、そういう傾向もあるから早急に検討しなければならない。目下検討中でございます。こういう御答弁だったと思います。違いますか。大臣の認識とだいぶ違うじゃないですか。
  183. 郡祐一

    郡国務大臣 だれが申したか、申した人間がお答えします。  私がいま申しましたように、現に混雑いたしておる——これはどうしても有線放送では、ある程度法律に合わせてくれなければ法の秩序という上から困るというような例もございます。その混雑が起こっておるというのはどういう例によって言っておりまするか、それは申しましたほうの人間からお答えいたします。
  184. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 行政管理庁から勧告が出ました中に、第一に「公社電話と有放電話の調整」という項目がございます。その中に国の関係機関の意識に統一を欠いていて、競合することが好ましくないということが書いてございます。これは実際の具体的な例として、そういうことがあるということを行政管理庁がお調べになりまして、そういうことがないようにするという勧告だというふうに説明を聞いております。したがいまして、これは実際の具体的な個々の問題として私たちは考えております。そういう個々の摩擦を起こすような事例のないようにするためには関係機関との連絡をよくする。特に地方で実際の事務を処理いたします関係機関、地方電波監理局を中心にいたしまして、電電公社の出先、農林省、自治省の出先機関等々とも打ち合わせまして、そういう個々の摩擦を起こすような事例をなくすように持っていきたい。その方法につきまして目下検討中という意味でございます。
  185. 大村邦夫

    大村分科員 先ほどから私が再三申し上げますように、行政管理庁の監理結果の勧告ですね。畠山さんも言われるように、事実に基づいてこれは指摘をしたのですよ。「有放電話は、放送・通話兼用の特殊な施設であって、公社電話の補完的役割をはたすものであるとされているが、その「補完的」意義については、電話機能だけに着目して、有放電話はあくまでも暫定的なものであって、将来は当然に公社電話がこれにかわるべきものであると解し、あるいは、有放電話は放送機能と不可分な地域通信媒体として特殊な存在意義をもつものであるから、一面において公社電話の補完的役割をはたしながらも、必ずしもすべてを暫定的施設とみることはあたらない、と解するほど、その解釈が統一されておらず、有放電話のあり方が明らかでないために」云々ということが一つ。それから「「有線放送電話法」(仮称)案の提案理由」といって、この「「有線放送電話法」(案)」を全国有線放送電話協会から出しておる。この中の一文に、昭和「三十九年七月から試行された農村集団自動電話は、公社の企業性を犠牲にした公共設備投資であるといわれているが、この農集を強行するために生ずる有放話とのあつれき、地域住民の混迷、紛糾はやがて重大な社会問題と化そうとする様相を示してきた。」これは少しオーバーかもしれませんが、この受益者側もそれから監察をした側も同じようにこの競合それからそれに対するあり方の意識の不統一、そういうものをひとしく指摘しているのです、大臣がどう言われても。それをなおかつ、それは知りません、そんなことはありませんとおっしゃる。それは地方で有放をつける、いや、それはつけちゃけしからぬといって公社とけんかをしておるという意味じゃありませんですけれども、国の通信政策のあり方からいろいろお尋ねをしておるのです。その点をひとつ……。
  186. 郡祐一

    郡国務大臣 私の申しておりますのも、これは私、他の省の回答をすべてつまびらかにしておるわけじゃごいまざせんけれども、農林省、自治省等におきましても、究極的に両者の共存することによって地方住民の利益がはかられ、発展ができるだろう、こう言うておるのでありまして、私はこの二つをいまのままで置いても、行政措置なり行政指導なりが、ことに先ほども申しましたように、ある意味では郵政省と農林省両方に国が貴重な予算をつけておりますのも、そうした行政指導なり、行政措置によって解決をいたしてまいるということだろうと考えるのであります。そして、そうした行政指導の上に、決して、国の電気通信政策というものが矛盾なしにやっていけるというたてまえをとって実際に当たってまいりたい。実際の個々の問題についての解決をしてまいれば十分調和がとれるだろう、こんなぐあいに考えております。
  187. 大村邦夫

    大村分科員 じゃ、具体的にお尋ねします。  公社の農集電話がどんどん地域に進出をしてまいります——進出といえばおかしいが普及をしてまいりますね。一方、農協等を中心にして農村では有線放送電話が低廉、便利である——必ずしも私は低廉ではないと思うのです。いろいろ施設費等を調べますと、むしろ公社のほうが安いような気がします。そういう呼びかけあるいは広報活動、農協等で農事指導あるいは町村でいろいろな意思の伝達をやる、そういう便利さからどんどん入っていく。そうしますとある地域では、有放電話は県内一中継ということで、市外通話はあまり遠くもできない。そこで、公社の電話をつけ、さらに有放電話を先ほど言うたような趣旨からまたつける。二重に持っておるわけですね。そういう事例があるのですよ。この監察報告の中にも指摘をしておる。私は、山口県の防府市の右田という旧村におりましたが、ここでもそうです。私もずいぶん勧められたものです。これは国家的な立場から見て私はずいぶんロスがあると思うのですね。大臣の言われるように、それぞれ性格が違うから、同じ地域で同じものでもどんどん伸びていけばいいものでしょうかというのです。そこら辺はもっと検討の余地はないものでしょうかということなんです。
  188. 郡祐一

    郡国務大臣 検討の余地はございましょう。ただ、私自身も、自分の県におきましてよく有放の放送は利用させていただいております。そして私は、そのところに農集も伸びております。そうした場合に必ずしも私は、現状をそのこと自体が非常に混乱だというぐあいには考えておりません。しかし検討する余地はおっしゃるようにあると思います。
  189. 大村邦夫

    大村分科員 だいぶ考え方が違うようで、時間の制約もあるから——委員長、本会議は二時ですか。
  190. 三原朝雄

    三原主査代理 二時本会議です。
  191. 大村邦夫

    大村分科員 じゃ、次に、この問題に関連して、行政管理庁来ておられますか。——いま大臣答弁、私の意見、そこからあなたはいろいろお考えになった点があると思います。もっといえば、競合、調和の点について指摘をしておられますね。それからもう一年何ぼたち、畠山監理官は検討中だとおっしゃる。ここら辺についてあなたはどうお考えですか。ひとつ指摘をした立場からお尋ねをしたいのです。
  192. 諸永直

    ○諸永説明員 われわれの勧告に対しまして郵政、農林、自治の関係三省から昨年の九月あるいは十月に御回答をいただいたわけであります。その御回答の要旨は、先ほど各関係省からお話しになったとおりでございます。私たちといたしましては、この勧告のしっぱなしじゃなくて、勧告したことについてどうしても推進したいというふうに考えておるわけであります。そこで、この件につきましては、郵政省が中心になられまして、関係省とも数回その意識の統一についてのお打ち合わせを持たれたように伺っています。  なお、私のほうといたしましても、農林省の御回答をいただく前に、郵政省も来ていただきまして、三省の方と、勧告をする立場からの意識統一の機会を持ったわけであります。そのときの私の印象では、われわれの勧告に対して三省とも異存はない、その意識の統一も相当その際にはかられたというふうに考えております。ただ、具体的に、いま先生の御指摘のございましたように、公社電話と有放電話との分野の受け持ち方と申しますか、そこを一体どうするかというような具体的な点につきましては、これから三省でそれぞれお打ち合わせになるということを期待しておるわけでございます。  以上、お答えいたします。
  193. 大村邦夫

    大村分科員 まあ言い回しはいろいろありますが、指摘をされたことが必ずしも実行されていない。基本的な問題については、これは長期的な展望ですからかなりむずかしい問題でもありましょうが、検討中だ、こういう要約に尽きると思うのです。  それで、あなたのほうはこれに対していろいろ具体的に、たとえばこうしたらどうかということを指摘というか、指導ですか、しておられますね。たとえば地方電波監理局、地方農政局、電気通信局及び都道府県等をもって構成する連絡機関を設けること、あるいはまた、地方電波監理局長は、有放電話の新設、それから業務区域拡張の許可、または許可期限の延長等に関して、この連絡機関の意見を聞きなさい、あるいはまた、公社の農山漁村向けの電話の普及計画並びに地域における放送活動の必要性と通話需要の実態等を勘案の上、実情に即した施設となるよう十分な調整を行ないなさい。ここで最後に、地域指定したり区画を指定して一律に区分をすることはむずかしいということで、その需要度なり性格なり等を勘案し、その普及をはかりなさいというようなことが指摘をしてあるわけですね。これとて一つの提案といえば提案ですが、非常に抽象的なんですよね。それに加えて、いまのその農林省なり自治省なりあるいは郵政省指摘に対するところの意見調整というもの、あるいは通信政策のあり方について、これまた非常に不明確である。私は、このままではこれはかなり問題に——社会問題というふうにこの全国有線放送電話協会の連中は言っておりますが、社会的問題か何か知りませんが、率直に言って、国家的に見てやはり問題があると思うのです。これは話し合いと言ったって性格は違うのですから、どんどん伸びていきます。結局は一元的に云々と言っても、それぞれの分野が、それぞれの主張に立って分離した形のような形態を新しくつくると思うのです。この点については大臣、ひとつ十分検討してもらいたいと私は思うのですね。ただ断わっておきますが、有線放送電話をつぶせというのじゃないのですから、この点だけひとつ誤解のないようにお願いいたします。  この運営の中で有放なら有放電話でいろいろ考えなければならないことが現実にいまあるのですから、つぶすわけにはいかない。その中で運営のしかたに幾つか指摘をする問題がたくさんある。税金の問題もあり、通話の方式の問題もあります。これは監察局が指摘をしておる事例の中にありますが、有放電話の業務区域に関する許可基準ですね。これが非常に問題なのですね。というのは、この許可基準というのは公社電話の人口比普及率とか、あるいは農林漁家率、そういうものからいろいろ考えられておるようですが、しかしこれは客観情勢の変化によって非常に移動しやすいのです。だから昭和三十三年の七月と三十九年の二月、七月と基準の一部が改正されて、ある程度緩和されました。しかし、それでもなおかつまだ問題がある。具体的に申し上げますと町村合併のような場合、町村合併によって新市街地になった。ところがこの基準によりますと市の市街地は弔う問答無用、これはだめだ、こういうことになっておる。合併によって市の新市街地になったその町の形態は、一般にある町村の市街地にも及ばない、そういうところがるる見受けられるわけです。そういうものについてもそのままになっておる、これは一体どうするのか。あるいは一度許可したものが、基準になる農漁家人口の流出、あるいは公社電話の普及等のために、千分の十七になっていますが、この公社電話の普及等のために許可期限の延長の際に、基準に適合しなくなっても、原則として既得権としてる認める方針をとっている、そうしますと、そのために今度は新しく新規の許可、これとの間にいろいろの不均衡が生ずる、こういう点も考えてみなければならない問題ですね。あるいはまた千分の十七以上であっても、電話の普及が相当困難であって、かつ相互間におきましての電話の連絡が特に不便であると認められる地域については許可できるように一応幅があります。ところが、これも実際問題としてはなかなか認定がむずかしいから、これを活用された事例も少ない。あるいは最近農協の合併が促進をされました。私の郷里でも約七〇%くらい促進をしたと推定しています。そうしますと今度は、いまの有放は農協単位で大体やっておる。公益法人でやっておるところもあるが、農協単位である。それで農協の区域がだんだん広がっていく、こういう場合も問題が生じてくる。そういう認可基準について、不合理な点は検討しなければならない。一方では公社電話、有放との競合の問題を調整しつつ、一方では現にある有線電話を、むしろ恒久的な方向に向かって不合理を是正するというのですから、そういう方向になっていくと思うのですが、そういう方向をたどらなければならない。ここに問題がある。こういう認可基準の不合理について、所管官庁はどういうふうにお考えになるか、ひとつお尋ねいたしたい。
  194. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 有線放送電話の認可基準につきましては、根本的には有線放送電話に関する法律によって定められております。  まず第一は、社会的、経済的に緊密な関係にある地域であることということがございます。これはこの法律を国会で御審議になりましたときに、農山漁村地域のことをいう、そういう意味であるというように申されておりますので、その後の運用におきましても、そういうことで進めております。したがいまして、農山漁村地域でないところはつけられないという考え方できておるわけでございます。それが具体的な行政基準としての市の市街地を除くとか、あるいは農林漁家率が半分以上でなければならないとかいう基準でございます。  第二、公社電話の電話による連絡が不便である地域であることということが法律に定められております。これはどういう場合が電話連絡が不便である地域かということでございますが、それを許可しますために電話普及率を使っておるわけでございます。また、やはりこれも法律にありますが、同一市町村内に限るということになっております。これは具体的な運用基準というものがございませんで、それでそういうことで進んできたわけでありますが、その後いろいろと問題が起こっておりまして、いろいろと要望のあることは十分承知いたしております。これをどうするかということにつきましては私たち目下検討中でございます。いまのところこれをどう動かすとか、これをどうするとかいうふうな結論には到達いたしておりません。
  195. 大村邦夫

    大村分科員 自信を持ってそこまではいっておりませんと言い切られるけれども、これはやはり責任のあるそういうものについては、すみやかに不合理を是正するということが当然のことじゃないですか、どうですか。ただ、まだ検討中でございます、そこまでいっておりません、それだけですか。何のために官庁があるのですか。
  196. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 具体的な例を申し上げますと、公社電話の普及率千分の十七という問題でございますが、この千分の十七という数字は、昭和三十三年の当時の町村部の電話普及率を使っておるわけでございます。その後、公社の電話の普及率もだいぶ高くなってまいりましたが、この数字をどういうふうに改めるか、あるいは改めないでそのままいくのか、いろいろ問題があるわけでありまして、非常に理論的にはっきりした根拠があってその数字が出せるかということになりますと、なかなかむずかしいのでございます。そういう事情もございまして、検討に時間がかかっている次第でございます。いろいろと不合理があり、また要望もあり、陳情も強くございますから問題があることは十分承知しておりますが、問題自体が非常にむずかしいものでございますから、検討に時間がかかっている次第でございます。
  197. 大村邦夫

    大村分科員 早急にこれは検討してほしいと思います。不合理のある点はあなたもお認めになるのですから……。  それから公社線接続電話、つまり市外通話の場合ですね。現行では県内一中継となっております。試験接続施設として、いわゆる試行的に全国三十三カ所が……。  これで打ち切りましょうか。
  198. 三原朝雄

    三原主査代理 一応打ち切りまして、本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。    午後二時九分休憩      ————◇—————    午後四時三十六分開議
  199. 三原朝雄

    三原主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  郵政省所管につきまして、質疑を続行いたします。大村邦夫君。
  200. 大村邦夫

    大村分科員 私は、先ほど有放電話の運営の不合理について、特に基準の問題に触れたわけでありますが、続いて御質問を申し上げます。  公社のほうで、御承知のように、現在市外通話は、現行法でいきますと、県内一中継になっております。この試験接続施設として全国三十三カ所が全国一中継、いわば三中継といわれておりますが、そういう形で許されております。私ども考えるのに、通信方式というものはできるだけ統一されることが望ましい。あるところでは三中継、あるところでは一中継、こういうばらばらの取り扱いというのは、実際問題として、公社の従業員等の立場からいうても問題のあるところだと思います。しかし、また一方では、既得権といいますか、試行的にやられたといいながらも、その受益者が現存しておるのですから、その人たちにとっては既得権となると思います。そういうことも考え合わせて、昭和三十九年の一月一日から、法律の附則として、さらに三カ年を限って延長をされております。この試行は一体どういう目的で実施をされたのか、まずその試行の目的についてお尋ねをしてみたと思います。
  201. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 この試行は、公衆電気通信法によります、公社の試行的役務として実施されていたものでございますが、それは、従前公社電話との接続が認められておりませんでした有線放送電話につきまして、ぜひ公社電話と接続を認めてほしいという要望が出てきたわけでございます。それで、さしあたり試行的役務として一応実施してみて、その結果を見て、よければ本実施しようということで、試行的役務と認められたわけでございます。  なお、試験接続といっておりますのは、その公社線と接続するためには設備の改修が必要でございますので、その改修に必要な経費の一部を補助金として、三十六年度、三十七年度にわたって交付いたしましたが、それによって、一方では、先ほど申し上げましたように、公社の試行的役務として実施されたわけでございます。
  202. 大村邦夫

    大村分科員 さらにお尋ねをいたします。  試行的役務として実施をした、それはよければ、ということを言われましたですね。現在、それについて支障があるのかないのか、その辺についてお尋ねしたい。試行といえば、差しつかえなければ本実施をする、そういう前提だろうと思うのです。ところが、その後におきまして、県内一中継で、その当時の全国三十三カ所だけは許す、延長する、こういうことになっていますから、その点をひとつお尋ねをしたいのです。
  203. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 試行的役務として行ないましたのは三十三施設でございますが、その際には、原則として県外一中継ということで、一応やらせてみたわけでございます。しかし法律によりまして、新しく接続サービスを実施することになりまして、いろいろ検討されました結果、有線放送電話の性格、すなわち放送をやっている間には通話はできないわけでございますが、そういった、電話としてはやや不完全なものであるということも考え合わせ、また有線放送電話の設置区域が同一市町村内に限定されているというようなこともございまして、接続通話の範囲を同一県内に限定するのが政策的に見て適当であろう、というふうな結論に達したわけでございます。それによって、先ほど御指摘のございましたように、現在の接続に関する法律の規定ができておるわけでございますが、そのときに、すでに試行サービスとして県外一中継で通話を認めております三十三施設の取り扱いにつきまして、いろいろ検討いたしたわけでございますが、やはり若干既得権的なものもあるということ、それから補助金を出して施設を改修させたというようなこともございまして、できれば早く、原則と申しますか、法律の本則の規定に戻すべきではありますけれども、一応経過措置として、三年間だけは認めようということにいたした次第でございます。
  204. 大村邦夫

    大村分科員 専門的といいますか、若干具体的にいま言われたことを考えてみた場合に、たとえば放送活動をやる、そして市外通話を申し込み中にそういうものとダブっては云々ということは、一中継であろうと三中継であろうと同じことなのです。それは局の手数等については若干違うでしょう。しかしそれは通話の長短によってきまるもので、そんなに私は、局内の操作によって云々ということはないと思うのです。  それから、いろいろ検討されて、問題点もあったやに聞いておりますが、しかしいずれにいたしましても、先ほども申しましたように、いわば全国二十三の施設を持っておる有線放送については、これは一つの既得権的なものでございますから、この点について、期間を考慮して延長したというものの、なおその三年が来て打ち切る可否については、いろいろこれもまた問題のあるところだと思います。こういう点については、ひとつ郵政大臣、十分御検討願いたいということであります。  それから次に、これも行政管理庁の監査で御指摘になっておりますが、「県境に所在する市町村にある有線放送電話施設で自県内よりもむしろ他県内の隣接市町村と緊密な関係を有するとみられるもの」、そういうところがあると思います。県境にありまして、それはいろいろ経済の交流とかなんとかいうのは、むしろ隣の県にある隣接の市町村との関係が非常に深い、そういうものについて、特例的に、接続通話ができるように検討すべきであるということが指摘をされております。こういう点についてはどうお考えになっておられるか。先ほど言った不合理是正の中で、ひとつ検討してみようというのか、それとも、これは検討の余地がないというのか。管理庁は、あるというのです。今度は、主務官庁のほうではどうお考えなのか、これをひとつお尋ねしたい。
  205. 畠山一郎

    ○畠山政府委員 御指摘のような行政管理庁の勧告がございましたが、これに対しましては、郵政省としましては、「早急に改めることは困難であるが、なお検討することとしたい。」という回答をいたしております。これは、法律によりまして、接続通話の範囲が同一県内に限られている趣旨につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおりでございますが、県外で密接な関係にある地域につきましては、趣旨としてはもっともな点もあるかとは存じますけれども、やはりある程度しっかりした線を引いておきませんと、とめどがなくなるという問題も出てきます。すなわち県外を認めますと、それではどこまで認めるのがいいのかというような、非常にむずかしい問題も出てまいりますので、なおよく検討いたしたい、こういうふうな趣旨で回答しておるわけでございます。
  206. 大村邦夫

    大村分科員 前進の方向で、御検討をお願いしておきます。  次に法人税の関係でございますが、有線放送は、御承知のように、農協経営のものと公益法人経営のもの、その他の経営のものというように三通りあると思います。一方税法によりますと、農協は一般法人として所得三百万円以下は三分の一の課税、これをこえる部分は三七%の課税、さらに公益法人は収益事業から生じたものだけについて課税をする、言いかえれば、収益事業を行なっているものについては、対象として課税をするということになっております。そこで、この有線放送の公益法人を見てみますと、公益法人経営でありながら法人税が課されておる、こういう実態があるわけです。これをさらに探ってみますと、どういう場合かといいますと、施設がだんだん老朽化する、取りかえの時期もやがては来るということから、利用のたびに受益者から、一般で言えば減価償却費的なもの、資産の取りかえ費を徴収しておるのです。これに対して、実は収益とみなして課税をしておる。これはちょっと問題じゃないかと私は思うわけです。私は税法の専門屋でありませんから、その点について、関係の向きから御見解を伺いたいと思います。
  207. 中橋敬次郎

    ○中橋説明員 御指摘の、農業協同組合あるいは公益法人等が収益事業を行ないました場合の課税についての問題でございます。農協がこの有線放送事業を行ないました場合には、その所得に対しまして二六%の税率でもって課税をいたします。公益法人がこの収益事業を行ないました場合にも、同じく二六%の税率でもって課税されるということになっております。なお今回提案いたしております法人税法の一部を改正する法律案が可決になれば、さらにこれが三%下がるということになっております。  それで、公益法人が収益事業を行ないました場合に課税されるわけでございまするが、これが収益事業を行ないます場合におきましては、これと同じような形態の他の形の企業との権衡から、法人税を課するということになっております。それじゃどういうものに課税されるか、課税標準は何かというと、全くその場合の同じ所得というものでもって課税標準とされるわけでございます。それで、御指摘のような点で、所得とは何かという問題になりまして、収益事業に該当しない場合にはもちろん法人税は課税されませんし、収益事業に該当されます放送業に関係いたしますもので区分経理いたしまして、益金と損金とをもちまして、そこに所得が生まれれば、同じように課税されることになっております。
  208. 大村邦夫

    大村分科員 続いてお尋ねしますが、この有線放送電話に関する法律第四条第三号「その業務及び当該有線放送の業務を営利を目的として行うものでないこと。」これが認可基準の中にあるわけです。だから、このことを裏を返して言えば、認可した有線放送については、営利を目的としていないということです。認可基準がそうなっておるのですから……。しかも内容は、いま言いましたように、一般企業でいういわゆる減価償却費的なもの、企業会計のイロハのイでしょう。税金をのがれるためにば減価償却費を、定率法とか定額法とかいろいろあるでしょうが、やり方によってばっさり差し引いてしまう。いま私が有線放送で例を申し上げたのは、全くこの形態と同じなんです。しかも法のたてまえからいっても、内容からいっても、収益を目的としていない。それについていまのような説明では、私は納得ができない。その点について、もう一ぺん説明してください。
  209. 中橋敬次郎

    ○中橋説明員 いまの御質問の要点は結局、法人税法におきまして、いわば公益法人に対してどういうふうな課税の考え方をとっておるかという基本の問題に関連するものだと思います。それで、端的に公益法人の代表的なものをとりまして、民法三十四条の法人を例にとりますと、御承知のように、民法でも、公益に関する財団または社団で、常利を目的としないものが公益法人となるわけでございます。しからば、その民法法人が営利を目的とするような事業を全然行なわないかというと、やはりある場合には、私どもが収益事業と呼んでおりますような事業を行ない得るわけであります。また、その結果として所得を生み得るわけでございます。そうしますと、他の形態、御指摘のような営利を目的とし得るような法人の形態をとりまして企業を営みます場合と全く、その点に関しましては、同じ結果となるものでございますから、法人税法では、両者を、収益事業に関する限りの公益法人と、それから営利活動そのものを唯一の目的といたしております法人と、その点に関しましては、同じように課税をするわけでございます。もっともその場合におきましても、公益法人のその設立の趣旨というものを尊重いたしまして、一般の法人の生みます所得に対しては、所得年三百万円以下については、現行では三一%、それ以上の、それをこえます所得につきましては三七%という税率をとっております反面、公益法人等につきましては、その場合に二六%という低率の税率をもって課税するということにいたしております。あるいはまた、そういう収益事業で生みました所得を、収益事業でない部門に投下するというような場合には、その生みました所得の三〇%までは損金に算入し得るというような点で、一般の企業ともやはり相当に違った配慮を加えつつ、しかもなお両者の権衡を考えつつ課税をしておるというのが、現在の法人税法におきます公益法人に対する課税でございます。
  210. 大村邦夫

    大村分科員 私の説明はおわかりになったと思いますが、要するに、公益法人の中で、収益事業を行なう部門と行なわれない部門、あるいはそういういろいろななにがあると思うのですが、実際に行なっておりませんと言うのです。その例は、先ほど申しましたように、通話の維持費、管理費が要ります。有線放送は、交換手を雇い、保守要員を雇う、そういうことで経費が要るわけです。その経費については、利用者、受益者から発信のとき十円取ったり、あるいは、ところによっては、着信のときにも十円取ったり十五円取ったり、いろいろな徴収方法があるわけです。それに加えて、施設が老朽する場合に備えて——営利じゃないですよ。それに備えて、一般企業でいえば減価償却費的なものですね、積み立てをやるわけです。その利用者に、利用度に応じて、管理費プラス老朽施設の取りかえ分をかけるわけです。それに応じて税金をかける、これは明らかに間違いではございませんか、と私は言うのです。税法のたてまえからいっておかしくないですか。説明はおわかりですか。それをひとつお尋ねしたいのです。
  211. 中橋敬次郎

    ○中橋説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、その場合にも、収益部門におきましては、他の一般企業におきますと同じような、益金から損金を減じました所得というものが生ずれば、そこに課税標準が生まれてくるわけでございます。それで、全部の例に触れて、私どももまだどういうような課税状況になっておるかは承知いたしておりませんけれども、ある一つの、そういう有線放送を行なっております公益法人について例を調べてみますと、ある年度については赤字の申告を行なっておりますし、次の年度については黒字の申告を行なっております。もちろん黒字の申告の場合には、当然他の一般の企業と同じように課税になって、そのままその申告が是認されておる、というような形を承知いたしております。
  212. 大村邦夫

    大村分科員 どうも食い違いになってわからないのですが、収益とは……、所得とは……、こういうことになってくると思うのですがね。収益といえば利益でしょう。いまの減価償却費的なとり方ですね、これは利益じゃないと思いますが、利益と思われますか。それによって、課税するか課税しないかの分かれ道になってくると思うのですが、そこをひとつ説明してください。
  213. 中橋敬次郎

    ○中橋説明員 その点につきましては、収入の部面と支出の部面と、具体的に判定いたしませんと、それが全部所得にならないものであるかどうかということを、ここでお答えするわけにはまいりませんけれども、それは一般の企業と全く同じに考えて、収益部門だけにつきまして、経費を別にして、損金と益金というもので判定しなければならないと思います。
  214. 大村邦夫

    大村分科員 もう一回お尋ねします。それは内容を見てみなければわからぬとおっしゃいますが、私の聞くのは、いま言うように、施設の老朽化に備えての取り立てですね、それ以外の何ものでもない、その場合です。ほかには余裕はない。その場合にはどうかというのです。
  215. 中橋敬次郎

    ○中橋説明員 その場合には、収入金が益金になりまして、それに対応します損金がございませんから、通常の場合でございますれば、その差額というものは所得になります。
  216. 大村邦夫

    大村分科員 どうも私よくわからないのです。この問題は、私、時間の制約がありますから、いずれまた別の機会において、もう少し突っ込んで論議をしてみたいと思います。  次に、国庫補助ですね。これは農林省と自治省にお尋ねしたいのですが、農林省の方は、先ほど何やら第三分科会のほうで用事があるというので、あちらに行かれましたが、自治省おられますね。——御承知のように、有線放送が三十二年に法制定されて、その当初は、これは自治省は三十五年までですか、町村合併促進という立場から、有線放送について補助を三〇%程度出しておられる。それから農林省のほうは、農林振興対策として、三十七年まで三二%の国庫補助を行なっておる。その後、三十五年、三十七年以降はこれが打ち切られて、財政投融資によってある程度の融資がされておる。そうしますと、新規の分と当時の分とにかなりの不均衡が生ずるではないか。しかも先ほどの大臣答弁等をお聞きしましても、有放の性格上これを伸ばしていきたい、こういうことが言われております。国の目的に沿っておるならば、なぜ途中で打ち切るのか。これは国家財政の面から検討した結果云々と言えばそれまでですが、それはあまりにも冷酷じゃないか。この点についての見解をお尋ねしておきたい。
  217. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 実は、御質問にもございましたように、有線放送施設に対します補助金というものは、新市町村の建設促進という見地から出したものでございますので、結局、これはそのような新市町村建設事業に対する補助金全般の問題がなくなると同時に、ほかの事業とともに、私どものほうは、補助金は現在のところ支出はしない、かような形になっております。
  218. 大村邦夫

    大村分科員 わかりました。そのとおりなら数字は通ります。  しからば、これから新産都市の建設促進で町村合併が行なわれた場合ですね。そのときには適用するのかどうか。あなたの言われるのは、一応済んだからいいのじゃないか、こういうように聞こえたのですが、そういう場合どうですか。
  219. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 実は、御存じのように、新市町村建設促進法といいますのは、国の法律に基づきますところの、全国的な市町村の規模の再編成という事業の一環として行なったわけでございますが、現在は、市町村の建設につきましては、全国的に町村合併を推進するという立場ではなくて、個々の市町村の実態に即応して、必要なところは合併するという形でもって私ども指導しておりますので、前回のように、全国的に行なわれますところの新市町村建設のための補助金を交付して促進するという考え方は、現在のところ持っておりません。
  220. 大村邦夫

    大村分科員 あれは昭和二十八年ごろですか、あのころから盛んに町村合併が促進されたのですが、全部が全部政府の意向を聞いたわけじゃない。残った地域があるのです。ということは、いつかの機会には、それを当初政府が考えたように、促進をしてもらいたいという、そういう意向は当然あると思うのです。またあってしかるべきだ。現に新産業都市あるいは工業整備特別地域の指定等に基づいて——それは政府が提案しようが、議員が提案しようが、法律として制定された。それを促進するのは、やはり政府の責任です。そういう立場とすれば、残った地域についても、これは国が町村合併等をやるならば、あるいは新産都市の形態に合わして促進するならば、当然補助すべきじゃないですか。もうおれのところは必要がなくなったという段階じゃないはずです。
  221. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 私どもといたしましては、むしろ市町村の合併につきましては、国の立場から推進するというよりも、地域の実態に応じて、必要なところについては円滑に行ないますように、必要な措置を講ずるという考え方で、昨年、市町村の合併の特例に関する法律の御制定をいただいておるような形になっております。
  222. 大村邦夫

    大村分科員 それでは、昭和二十八年ごろから促進されたのは、地域実情に合おうが合うまいが、政府が無理やりに促進したのですか。
  223. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 現実の市町村合併というものにつきましては、もちろん地域の実態に即応してやるわけでございます。地方自治という見地より・市町村の地域の実態に即応しまして、市町村の規模の再編成というものが全国的に必要である、地方自治を確立する見地から必要である、かような見地から促進してまいった、かように考えます。
  224. 大村邦夫

    大村分科員 市町村合併の話をあまりやってもしようがありませんが、しかしこれは国の施策としてやられても、やはり地域実情というものはそれぞれ尊重され、また考慮をされ、その上で促進をされたと解しています。そういう立場に立つならば、いまあなたがおっしゃるような答弁では、私は納得がいきませんが、時間の関係がありますので要約して言えば、補助金制度の打ち切りについては疑義がある、ということだけを申し上げておきます。農林省についても同じですが、おられませんので、省略いたします。  それから、これで最後です。公共用地の占用、これについて、現在日本電信電話公社等については、土地収用法の第三条、十五号の二、並びに公衆電気通信法八十一条等によって、民有地の占用が認められておるわけです。有線放送については、そういう規定が私はないと思うのです。公共性の問題について、有線放送が公共性がなくて、電電公社のだけが公共性があるということは、私が先ほどからいろいろ質問した中でも明らかになっておると思うのですが、そういうことはない、お互いに公共性は持っておる。しかも通話機能の補完的な役割りを有線放送は持っておる。そういう立場に立つならば、民有地の占用については認めるべきじゃないか、こういう考え方を持っていますが、ひとつ御所見をお伺いしたいのです。——それぞれ所管が分かれておるようですし、非常に複雑さがあるようですから、私はこの問題はペンディングしておきます。たいへん時間をとりましたが、以上で終わります。
  225. 三原朝雄

  226. 堀昌雄

    ○堀分科員 きょう私は、郵政省所管の問題と、電電公社の所管の問題について、お伺いをいたします。  最初に、郵政省のほうから始めさしていただきます。実は、ときおり私ども新聞で承知をしておりますけれども、郵便貯金なりその他為替等の関係で、横領といいますか、いろいろな業務上の犯罪が、郵政省の所管で起きておることを、私どもも承知をいたしておりますが、それにつきまして、実は少し予算との関係で伺っておきたいのであります。為替、貯金の犯罪によって、資料をいただいておるのですが、国というのですか、郵政省として、損害を与えられておる部分がかなりございます。それをざっと見ますと、発覚という形で、皆さんのほうの資料で拝見をいたしますと、三十七年度では一億三千九百二十四万円、三十八年度では一億二千百八十九万円、かなりの額にのぼっておるわけです。これは犯罪の事実が起きたときには、おそらくその人たちはふところの中に入れたのでしょうから、国民の側からすれば、発覚をした以上は、それを補償してもらっておるのだろうと思うのです。発覚をしたときには、予算上は一体どこの項目からこの金が支払われておるのか。年間に一億三千万円からの金額ですから、それをちょっと最初にお答えをいただきたいと思います。
  227. 郡祐一

    郡国務大臣 お尋ねの点につきましては、経理局長からお答えいたさせますが、郵政犯罪というくらい困る問題はございませんで、私見てみますと、業務の監査とか会計の監査とか、ずいぶん監査を郵政部内でもいたしております。ところが、どうもそれが相互の連絡が十分とれていなくて——経理局の関係で監査をする、貯金局の関係簡易保険関係、それぞれがいたしますが、もっと周密に見ますと、ことにお尋ねの貯金なり為替なりで起こってまいります問題、と申しますのは、郵政部外のもの、あるいは町村でございますとか、組合とか、そういう関係の間のからくりで事が起こりますのが非常に多うございます。そういたしますと、いろいろな経理や何か見ますついでなどで、これはおかしいということを見てまいって、相互の連絡をとるというやり方でいたしますことと、それから、少しでも早く見つけることによって、実損がございませんように、回収と申しますか、取れますものを早く取ってしまう、これが非常に大事だと思いまして、そういうぐあいにさせておりますが、いまお尋ねの点につきましては、政府委員からお答えいたさせます。
  228. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 ただいま御質問の点につきましては、諸払戻及補填金、これから支払うことになっております。予算書の六二二ページでございます。
  229. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうしますと、まず払いますのはここから払いますね。それから、今度は皆さんが回収をしておりますね。回収をしたのは、今度はどこへ収入に入るのですか。
  230. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 雑収入でございます。
  231. 堀昌雄

    ○堀分科員 どこの雑収入ですか。
  232. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 六二一ページでございます。
  233. 堀昌雄

    ○堀分科員 いまの諸払戻及び補填金というのは、昨年の予算では八千万円ぐらいですね。四十年度八千万円ぐらいしか組んでありませんね。いいですか。ところが、四十年は、四月から十二月までに八千九百九十三万円ですよ。これはどうするのですか。そうすると、この諸払戻及び補填金というのは、何もこれを払うためだけの項目じゃないのでしょう。ひとつ三十八年の決算で言ってください。
  234. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 ただいま資料を持ち合わせておりませんので……。
  235. 堀昌雄

    ○堀分科員 それでは、いまのここだけでいきましょう。この諸払戻及び補填金というのは、何と何と何に使うために予算化されておるのか、それから説明を聞きましょう。
  236. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 この補てんは、ただいまおっしゃいました、不正によりますもの、それから間違いました事故によりますもの、それから交通事故によります補償、こういったものを一切入れております。
  237. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうすると、いまの関係でなしに、郵政の事故というのは、これまたべらぼうにたくさんありますよね。いまこの三十九年で見ても、事故が八千件ありますね。それに交通事故の問題を入れて、そうして現実に四月から十二月までだけでも、八千九百九十三万円犯罪の分があるとしたら、あなたこれはどうやって払うのですか。払ってないということですか。払っているのなら、一体どこから払っているか。これはあなたの答弁、少しおかしいのじゃないですか。
  238. 山本博

    ○山本(博)政府委員 補足してお答えいたします。  この八千万円というものは、犯罪金額と申しまして、必ずしも実損額とは一致しておりません。実損額は、これよりも例年相当低い金額でございまして、これはただ犯罪をした金額でございます。この中ですでに埋まっておるもの、たとえば自転車操業のようなやり方をしまして、犯罪金額は八千万円あっても、どんどん穴埋めしながらやっているのです。実際には、国に与えた損害というものは一千万円しかない。こういう犯罪が非常に多うございます。ことに貯金関係の犯罪というのは、こういうふうに補てんをしながら、そのときそのときやっていくというのが多うございますので、この八千万がそのまま国に与える損害金額とはなっておりません。それより相当小さい金額になっております。
  239. 堀昌雄

    ○堀分科員 これは幾らですか。資料では発覚したところの犯罪金額とあるから、これが補てんされるのかと思ったのですがね。それは、いまの国に与えた損害ですね。三十八年か三十九年か、わかっているやつで一体幾ら補てんをしたのかですね。
  240. 山本博

    ○山本(博)政府委員 国に与えた損害といたしましては、過去五年間ばかりの平均をとりますと、一億円前後でございますが、実際に与えた損害というものは六千万ないし七千万というのが実情でございます。
  241. 堀昌雄

    ○堀分科員 ここに、昭和三十九年度は、債権管理という形で、六千八百六十四万円とあなたのほうで出しておりますね。だから、これは少なくともいまのあなたの話のように実損ですね。損害を与えたもの、債権管理をしたもの——そうすると、私は前の諸払戻及補填金というのはわからないけれども、これは少し前の予算、あなたのほうにあるのだろうけれども、前は幾らくらい予算に組んであるのですか。四十年はいま八千万円とここに書いてあるから、私は言っておるのですが、諸払戻及補填金の予算計上額は、三十九年は幾らですか。
  242. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 いま資料を準備いたしております。
  243. 堀昌雄

    ○堀分科員 それでは、次に参ります。  そこで私は、事故の状態をずっと拝見をいたしまして、さっき大臣もおっしゃいましたけれども、これは私ども国民の観点から見まして非常にまずいことだと思うのです。それを業態別にちょっと見たのですけれども、私、郵政監察局からいただいた資料によりますと、職員千人当たりの犯罪は、普通局員、特定局員の場合はともに二人である、特定局長の場合は〇・六人となっている、こういう資料を郵政省からいただいたのです。これを確認してください。これに間違いございませんか。
  244. 山本博

    ○山本(博)政府委員 ございません。
  245. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで、私これは先に確認をしたのですが、どうも計算をしてみると、これは合わないのですよ。皆さんのほうからいただいた資料では、昭和三十五年度、普通局は犯罪人員数が三十五人、昭和三十五年の普通局の職員総数は八万八千五百十二名、それに対する三十五人というと、千人当たり〇・三九五なんですね。特定局は、これでいきますと、昭和三十五年八十二人です。昭和三十五年は、特定局の職員は十三万三千三百七十三人です。それに八十二人ということは、〇・六一五です。特定局長は、その年は一万四千百五十二人、犯罪人員数は十二人です、〇・八四七。あなたのほうのこの資料と全然違うのですね。これは三十五年だけでなく、私はずらっと全部計算してある。これは、どうしてあなたは——いま私がわざと確認をしたのに、千人に二人というのはどこから出てきたのですか。計算の根拠を明らかにしてください。
  246. 山本博

    ○山本(博)政府委員 私のほうの提出いたしました資料は、為替、貯金だけの犯罪でございます。為替、貯金の犯罪だけでいたしますと、私が申し上げました数になりますけれども……。ですから、定員も為替、貯金関係定員だけをとって計算いたしました。全職員にいたしますと、計算がまた違ってくるかと思います。
  247. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうしますと、あなたのほうの為替、貯金の人員を言ってください。年度別順にずっと、普通局と特定局と——局長一緒だから同じだ。局長は、私ども言っておきますけれども、千人に対して〇・八四七が三十五年ですよ。三十六年は一・二五八ですよ。三十七年は千人に対して一・〇三六、三十八年は〇・六一四、三十九年が〇・六七二、これは間違いないですね。五年間平均して〇・六になりませんよ。サバが読んである。いまの為替、貯金関係の人数を、私は修正しますから、言ってください。
  248. 山本博

    ○山本(博)政府委員 数字を持ち合わせておりますので、私から申し上げます。普通局員から申し上げてよろしゅうございますか。三十五年度が一万二千四百四十六名、それから特定局員が一万九千九百十一名、特定局長が一万四千百五十二名。それから、三十六年度が、普通局員が一万二千六百二十二名、特定局員が一万九千九百十一名、三十七年度が普通局員一万二千七百九十二名、特定局員が二万九十三名。三十八年度が、普通局員一万三千五百七十六名、特定局員が一万九千七百六十七名。三十九年度が、普通局員が一万三千八百四十三名、特定局員二万百八十三名。五カ年合計いたしまして、普通局員が六万五千二百七十九名、特定局員が九万九千八百六十五名。以上であります。
  249. 堀昌雄

    ○堀分科員 いまのお話で見ますと、これでもどうも千人について二人でないんですね。端はだいぶ落としてあるかもしれないが、特定局はおしまいのほうが二万人に対して事故が四十五、ということは二・二五くらいですね。あなたのほうは五年間の平均にしたのかもしれませんけれども、五年間の平均にしても、私がさっき言うように、特定局長は〇・八四七、一・二五八、一・〇三六、〇・六一四、〇・六七二です。平均が〇・六なんかにならないですね。こまかいことはいいのですが……。実は私がこれをずっと見ておってそう思いましたのは、いまのような関係の人数だけから見ればそうですが、特定局、普通局の問題というのは、為替、貯金の問題に関するものだけではなくて、やはり全体の数の中で見るのが、犯罪事実としては当然だと思う。特定のものの中からだけさがすという比率はおかしい。私のほうの計算からすれば、普通局が千人に対して〇・二くらいしか事故がない。特定局に行くと〇・三になり、局長になると〇・六から〇・八くらいになる。要するに、そのことは、現在の制度上に、特定局には犯罪を犯しやすい条件が、一つには客観的にあるのではないのか。これをもう一つの側面から見ますと、こういうことになっておる。犯罪件数は、普通局の場合は、三十五年三十五件、人員も三十五人。三十六年も三十件に三十人。その次一回だけ、三十五件で三十二人というのが一年あります。しかしその次はまた三十五件三十五人。三十一件三十一人。このことはどういうことかといいますと、犯罪が一人で行なわれておる、共犯者がないということですよ。ところが特定局に行きますと、七十九件に対して八十二人参加しておる。六十一件に対して六十四人、五十件に対して五十一人、五十四件に五十六人、四十二件に四十五人。全部この中には、一件当たりに複数の犯罪者があるわけだ。この事実ですね。さらに、私はちょっとあとで伺いたいのは、こういう犯罪を起こしておる特定局長というのは、それとこの特定局員との間の関係がないのか、関係があるのも、この中にあるのじゃないですか。特定局長が犯罪をし、同時にその親戚である特定局員が一緒になって犯罪をしておる例というのがあるんじゃないですか。
  250. 山本博

    ○山本(博)政府委員 関係があるものもございますし、ないものもございます。
  251. 堀昌雄

    ○堀分科員 あるものはどのくらいですか。
  252. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 ただいま御質問のございました構成の具体的な数につきまして、手元に持ち合わせておりませんので、後ほど資料を提出いたしたいと存じます。
  253. 堀昌雄

    ○堀分科員 どうも、私が資料をちゃんとあなたのほうに要求をして質問すれば、一体これで何を聞かれるかぐらいのことがちゃんと準備ができないなんというのは、私は郵政省は実際怠慢だと思う。私は大蔵省としょっちゅうやっているけれども、大蔵省でこんな例はないですよ。だから、これは大臣、やはりもう少し部下を督励をしていただかぬと、私はこれまで対大蔵において、どっちかといったら為替なり貯金の問題については郵政にしょっちゅう協力をしてあげておる。しかしこういうようなだらしのないことでは、これはちょっと困りますよ。もうちょっと調べておいてください。
  254. 山本博

    ○山本(博)政府委員 ございました。  年度別に申し上げます。特定局長の家族従業員のいた局で犯罪の起こった局数々申し上げます。三十七年度が九局、三十八年度が三局、三十九年度が五局、以上でございます。
  255. 堀昌雄

    ○堀分科員 大臣お聞きのように、ここの中には近代的な企業という形でものの見られない前近代的な要素が、こういう犯罪事実に結びついておる、こういうふうに私は思うのです。だから、さっき私が申し上げたように、いま特定局でいろいろ問題がありますけれども、ともかくも特定局の場合はそういう家族従業員が本来的な選考のきびしい試験を受けることなく任用されたり、世襲によって任用されたり、いろいろそういうきわめて前近代的な処置がとられておることが、このような事故を起こす原因の一つではないのか、私はこう思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  256. 郡祐一

    郡国務大臣 私も特定局についてはそういう点を非常に気をつけなければいけないのじゃないかと思います。結局人間の数も少ないために、幾種類かの事務を一人でやる。したがって、局長と、幾種類かの事務、しかも大事な事務を扱っております者がしめし合わせるとかなりいろいろなかってなことができる。そういう点は特定局として犯罪の防止にはかなり気をつけなければいけない点じゃなかろうかという気がいたします。それから特定局長がその地方のおも立ちであるということは長所だとも思いますけれども、同時にそのおも立ちの顔というものがもし悪いほうに使おうと思えば使える。そうした点は私どもも非常に気をつけなければいけない点じゃないかと思っております。
  257. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで、こういう問題を考える場合に問題になるのは、特定局には相互牽制がないということです。金を扱う者に相互牽制がなければ、私は逆に制度がこの人たちを追い込む危険があると思うのです。相互牽制があれば人の目があるからやれないことが、相互牽制がなくて、局長と身内の関係者だと、そういうふうにその部分だけを全部握っておれば、これはもういまの特定局の雰囲気からして、その他従業員がいても相互牽制力がないのです。だから、私は制度としてどうしても、特定郵便局についてはまず為替、貯金を扱う者は、これは普通局において何年か勤続をして間違いのないような者に特定局の為替、貯金だけは扱わせる。こういうことになりますと、これは普通局から来ているわけですから、特定局に終生いる人ではありませんから、これはまたある程度時期がかわれば帰ってくる。こうやって人事交流が行なわれれば、ここでは相互牽制が起きますよ。そこの局長ににらまれたところで、ある時期すればまた普通局に帰ってくるわけですから、そこで管理職なら管理職になれるということがはっきりしておれば、そのときに初めてこういう事故が防げるので、私は訓示その他でこの問題が解決しないと思うのです。制度の盲点がここに集約的にあらわれておると思いますけれども、大臣この問題は、特定局にはいろいろ問題があると思うのですが、まず国民の側に立って申しますと、六千万円ものうち、ともかくも大部分というのはこれは特定局で起こっておるわけですよ、国民の税に対して被害を与えておるものは。それがともかく予算の中で諸払戻及補填金という項目ですか、それで毎年六千万円も処置するということは、これはきわめて重大ですね。これは制度上の問題として為替、貯金についてはひとつそういう出向の制度によって、ともかくも相互牽制を制度的に考えるということにしていただかない限り、これはいつまでたっても直らない。ともかくいま四十年の例を見ましても、四十年四−十二月というのは、普通局は十七件しかない。ところが特定局は二十八件あるわけですね。局長は非常に減っているけれども、すでに一件あるということですから、この点ひとつ大臣、いま急に特定局をなくするようなこともできないとすれば、国民の側に立てば、こういうことをなくするようなことが可能な道としてあれば、これは取り上げるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  258. 郡祐一

    郡国務大臣 確かに金を扱います仕事であります。したがって、特定局の特徴を認めながらも、しかし、そうした点については、おっしゃるような相互牽制できるような方向を研究させていただきたいと思っております。
  259. 堀昌雄

    ○堀分科員 さっきの経理局長答弁をひとつ。
  260. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 三十九年度は六千六百三十六万円でございます。
  261. 堀昌雄

    ○堀分科員 三十九年度は、いま諸払い戻し云々の項は六千六百三十六万円、その年の債権管理になったのは六千八百六十四万円あったわけですね。これは債権管理になったもの、即実損というふうにいかないかもしれないけれども、この年には、いまさっきお話のように、事故に対する——事故というのはあったでしょう。間違って金が合わなかったり、いろいろした関係のものでしょうから、事故件数が、三十九年八千件ありますね。ここに事故とは、監察局所管の非軽微事故をいうとあります。軽微事故ではないのです。軽微事故にあらざる事故というのが八千件ある。八千件に対して一体幾らぐらい金が出たのでしょうか。
  262. 山本博

    ○山本(博)政府委員 金額は、ちょっと後ほどほかの方から話していただきますが、そこに書いてございます八千件の内容は、監察局あてに各郵便局で取り扱った事務関係で、非常に犯罪にかかわるおそれのあるものを全部報告させております。その結果の数が八千件ということで、その中で具体的に犯罪と結びついたもの、あるいはその結果債権管理という処置をしなければならなかったものという数字は、ただいま持ち合わせておりませんが、非常に少なくなっております。ただそれは報告を求めた、報告のきた数字でございますから、念のために申し上げます。
  263. 堀昌雄

    ○堀分科員 いまだれか答える人がいないのですか。いま事故というのは、何というか、紛失をするとか、犯罪でなくても起こるだろうと思うのです。全国で扱っているから、あるいはとられたとか、犯罪というのは、私がここで指摘しているのは、郵政局員が自分でやるばかりでなく、どろぼうに入られて金が紛失したことがあるでしょう、一年間に郵政のこれだけ広い範囲の中で。私はそういうものが八千件あるものだと思っておるから、やはりこれは補てんしなければ——郵政省が外部犯罪でとられた金というのは、どこから補てんするのでしょうね。とられましたで、そのままじゃないのでしょう。これはどうなるのですか。
  264. 山本博

    ○山本(博)政府委員 補てんいたします。
  265. 堀昌雄

    ○堀分科員 私はあとで、電電公社をやっている間に、一方に、昭和三十九年六千六百三十六万円は、何に幾ら使ったのか、これはちょっと一ぺん出してください。それでなければ、これは話が全然前に進まない。それでは私、またあとそういうのが出てから少しやらしていただくとして、時間がありませんから、一応次に移りますけれども、ともかく、郵政大臣、私は特定局の問題の中にそういう非常に前近代的な要素が非常にからんでおりますことは、裏返して言いますと、この中における特定局の局員が、要するに普通の近代的な職場の状態にいないことの一つのあらわれでもあると思っているのです。局長というものが非常に特殊な権能を持っていまして、普通局における局長がその局員に持っているよりも、特定局長がその特定局の局員に持っておる影響力といいますか、権力といいますか、そういうものは、私がずっといろいろこの関係のものを調べてみても、どうもやや前近代的なものが、これは特に地方に多いわけですから、そういう地方的な問題とも関連してあるのですけれども、この面は特定局の制度のいい悪いの前に、現在あるわけですから、あるものについては、いい職場環境をつくるということはこれはきわめて重要だと私は思うのです。これが改められてきて、そしてそこにそういう人事交流が、さっき私が提案をしたようなかっこうで行なわれてくれば、職場環境が明るくなって、同時にそういう明るい職場環境では、なかなか犯罪というものは起こしにくい。もちろん、数あるうちですから、多少あってもいいのですが、ちょっと現状は依然として多過ぎると私は思うのです。それが一ぺんあったからといって、その次の年が減っているかというと、ことしはまだわかりませんね。犯罪というのは、四十年度の犯罪は四十年度の終わりの三月三十一日で締め切りになるわけではなくて、あとから出てくるわけですからね。四十一年度に入ってから起きたのを調べてみたら四十年度の犯罪というのが出てくるわけですから、私はこれはあてにならないと思うのです。いまの四十年の四−十二月はあてにならない。それまでの経緯を見れば、実はあんまり減ってないのです。だから、この点については、特定局の問題というのは私はより近代化された条件をすみやかに導入するということでひとつお考えを願いたいと思います。その他のことは、あとでひとつ資料をちゃんと出してください。  それでは、次に電電公社のほうの問題に入ります。  電電公社の総裁に最初にお伺いをしておきたいのは、一体電話というものはだれのためにあるのか、それをちょっと伺いたい。
  266. 米沢滋

    ○米沢説明員 電話は国民のためにあります。
  267. 堀昌雄

    ○堀分科員 私がお答え願いたい答弁を率直にお答えをいただいて、私も非常にうれしいと思います。私は、電話というものは国民のためにある、だから特にそういう意味で、日本の場合には公社という形態で国が責任を国民に負っておる、こう理解しておるわけです。これは一般の民間の私企業とは違うわけでございます。  そこで、私は皆さんのほうの電信童話調査会報告書というのを実は少し拝見をしたのですが、この中にある答申関係の部分です。ここに書かれておることは、おそらくこれはこの調査会の会長の佐藤喜一郎さんに責任があるのだろうと思うのですけれども、やはりこれは電電公社の皆さんがあわせていろいろ協議をなさりながら行なわれておるのだろうと思います。この電信電話調査会というのは、おそらく、事務局が電電公社でございますから、皆さんの意見もかなり反映をしておるというふうな感じがいたすわけでありますけれども、ちょっとこの中を見て私は納得ができない項目がある。  たくさんあるのですが、最初に、これの二十八ページに、これは要するに電話料金の改定という問題について資料が出されておりまして、当初は、これは四十一年度からやりたいことだったのだろうと思うのですけれども、その第五の「電話料金改訂」という項目に「基本料」というのがあります。その2のところに「事務用・住宅用の区別」と書きまして「事務用」の電話と住宅用の電話との間には、創設費および年経費には差異がないにもかかわらず、現在、住宅用の基本料は、事務用の基本料の七割相当額となっている。このため、今後拡充計画の進展に伴い、住宅用加入者の全加入者に占める比率の増加により事業収入が悪化し、」ちょっと私はこれはひっかかるのですが、「将来の電話の普及発達を阻害するおそれがあるので、事務用・住宅用の区別を廃止することが適当と認められる。」こういうふうに書かれておるわけですね。そこで、「住宅用加入者の全加入者に占める比率の増加により事業収入が悪化し」というのは、ちょっと私はひっかかるのです。国民のための電話なら、国民がそれに加入してくることによって悪化するのではなくて、あるべき姿というのは、住宅用に入ったもの、そこにポイントが置かれて——逆に見てくるならば、いまよりはそれは悪化するということになるかもしれませんが、どうもそのものの見方にちょっと私ひっかかる。  もう一つは、この前から事務用と住宅用の問題をだいぶん予算委員会で何回かやってきたわけですけれども、事務用と住宅用の違いというのは基本的にあるのですね。事務用というのは、主として営業に関係がありますね、利益に関係があります。要するに、収益を得るための一つの手段として使用されておるものなんですね。ですからこれは、税金の面から見ますと経費で落ちるのですよ、損金ですね。営利目的のために使われて、利益を得るために使われて、それは経費として落ちて税金は片一方はかからない。ところが住宅用というのは、われわれの生活の便益のために使うわけでありますから、そこでこれは経費にならないですね。所得税がかかったものの中から払っているわけです。この二つを同じベースで見るというのは、私はおかしいと思うのです。いまのような分析をしてみれば、国民のためにあるのなら、これは私は当然差があるのがあたりまえだ。国民生活に寄与するためにあるものと、収益をあげる方法、手段としてあるものが同一でなければならぬというのは、私は納得できないのです。これは調査会の答申ですけれども、公社の総裁はどうお考えになりますか。
  268. 米沢滋

    ○米沢説明員 これは少し時間がかかるかもしれませんが、ちょっと御説明申し上げますと、現在、電話を一つつけますと、事務用、住宅用のいかんにかかわらず三十六万円金がかかる、その三十六万円に対しまして、減価償却、これは約十六年ということになっております。それから利子が七%でございますが、自己資金もございますので、それを半分の三・五%というように仮定いたしますと、結局、運営費を一応ゼロとして、月二千六百円の金がかかる、こういうことになっております。  それで、この二千六百円に対しまして現在どのくらい収入があるかといいますと、収入の面だけ考えますれば、事務用、住宅を含めまして、現在月五千円の収入をいただいておるというのが現状でございます。それで私たち電電公社といたしましては、電信電話というものは他に代替する手段がございませんので、申し込みがありましたならばやはり全国的に架設してなるべく早い、短い時期に積滞がない状態に持っていきたいということを考えております。  その時点といたしまして、昭和四十七年度末には、申し込めばすぐつくということにしたいということで、従来二次計画、三次計画を進めてきておるのでありますが、いずれにいたしましても、平均いたしまして月五千円の収入があるにかかわらず、住宅関係は千五百円とか二千円しか収入がない、そういう状態であります。したがってこの拡充計画の進展に伴い、住宅加入電話がふえるということはあたりまえのことで、そういう趨勢になりますということは当然将来予想されるのであります。その予想された場合には、事業が全体の経営関係でいまよりも赤字がふえてくるということをここで言っているのだと思います。したがって、そういういまの建設投資のあれから考えますと、大体二千六百円という金が、運営費ゼロであるにもかかわらず要るのに、住宅関係収入というものは二千円しか入らないから、ここで何とかしなければならないということがやはりこの骨子になっておるのだと思います。  それから住宅と事務用の区別の問題でありますが、調査会としてはそういう理論的な立場といいますか、調査会では私のほうの公社は事務局になりましたけれども、なるべく公社の意見を調査会に反映しない形で自主的に運営していただいたつもりでおります。したがって公社といたしまして、この調査会から出ました意見をそのまま一〇〇%やるというふうには考えておりません。
  269. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうすると、事いまの問題に限っては、公社としては差があってもよろしい、同じにする必要はない、こうお考えですね。
  270. 米沢滋

    ○米沢説明員 私は理想的には、いろいろ意見がございますけれども、公社といたしまして差があっても差しつかえないというふうに思います。
  271. 堀昌雄

    ○堀分科員 その次に、これを拝見しておりまして、この前の第三次五カ年計画が最初に立てられたときは、四十七年度末の需要というのは千七百五十万となっていたのが、今度は二千百三十四万に修正をされておりますね。これは一体どうしてこういうぐあいに数が変わってきたのか、ちょっとその点を少し……。
  272. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 お答え申し上げます。  第三次五カ年計画を作成しましたときの公社の電話加入の見込み方というものは、大体どういう形でやっていたかということから御説明申し上げたいと思います。御案内のとおり、その当時所得倍増計画というものがございました。これは三十五年から四十五年ということで、年率七・二%の上昇率をたどっていく。一方、電話の需要というものは、第二次五カ年計画のときに——第一次はそれほど理論式的なものは考えておらなかったのです。経済の成長と大体同じくらいにいくだろう、こういうぐあいに考えておりましたが、その後世界各国の様子を見たり、日本の実績等を見ますと、経済の成長、国民所得の伸びよりももっと伸びているというような事実を発見したわけです。そこで、あらためて第二次五カ年計画のときからモデル式を使うようになったわけです。それがいまの国民所得と大体相関関係があるということを入れまして、いま申しましたような経済の成長を見込みまして事実上四十七年度千七百五十万、こういう数字を実は出したわけでございます。ところが御案内のとおり、所得倍増計画の成長伸び率というものはかなり高い実績となってきております。したがいまして、その後の結果から見ますと、需要の予測と実績の結果というものは相当の差額が出てきた。なお今後の見通しから見ますと、現在廃止はされましたが、この長期予想を立てましたときには中期経済計画ができておりましたので、四十三年度までは成長率が八・一%、その後は日本の長期経済の展望というので二%ダウンというぐあいに見ておられますので六・一%ということで、いま申しました予測理論式をさらに検討したわけです。ところが在来の需要予測式でございますと、所得に対する弾性値が一・四くらいになるのですが、最近の三十六年以降から出てくる新需要を見ますと、とてもその弾性値ではないということで一・七くらいの形になっております。また世界諸外国のいまの国民総生産に対する需要というものを見ますと、アメリカのように非常に高い普及度の国におきましても一・八、あるいはカナダの二・二、あるいは欧州におきましてもかなり高い数字になっておる。日本の場合は、最近のあれから見ましても当然それくらいのものになるだろうという仮定を一応置きまして、いまのような理論式の結果二千五十万くらいになったわけです。ところが、この調査会の報告にもありますように、三十九年度から団地電話、農集電話という新たな試行をやりました。この問題につきましては、予測というものは過去の時系列的なもので見るわけにいかぬわけでございまして、新たなサービスでございますから、したがいましてこれはそれぞれ、たとえば住宅の伸び、建設省のやっておられる建設五カ年計画、あるいは農家にありましては人口統計研究所の出されておられる資料というようなもので農家戸数を押える。また過去のわずかな資料でございますが、需要率というものはそれぞれ見当がつきますので、これを見込んで両方合わせまして八十四万というような数字が出たわけです。このものは本来はその予測の中に入るべき性質のものかもわからないわけですが、ただ問題としましては、大体団地、農集というものは加入区域外のところに非常に発生してくるわけでございますので、元来の公社の顕在需要から出てくる予測というものは、大体加入区域内というようなことも考えられますので、もう少し試行の結果を待って、将来新しく整理をすることにして、とりあえずそういう形を加えまして、二千百三十四万という形にしたわけでございます。
  273. 堀昌雄

    ○堀分科員 四十七年のGNP、あなたのほうは幾らに見ておりますか。
  274. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ちょっといま資料を出しておりますけれども、毎年の成長率が八・一というぐあいになっておりますから、その八・一で基準年度入れて係数で出しておりますから、ちょっと数字ありますが……。
  275. 堀昌雄

    ○堀分科員 御承知のように中期経済計画を政府がおろしましたね。なぜおろしたかといいますと、これは御承知のように計量モデルでやったのですけれども、計量モデル方式というのは、あの過度成長をやったときの資料をもとにして計量モデルをやれば、これはもうどんどんいくにきまっております。その考え方は、循環なき経済という一つの発想でなければ、循環のあるものとして考えてみた場合に、要するに昭和四十年度の経済成長率は、まだ国民所得計算が出なければわかりませんが、実質二・八ですか。政府がこの間発表したのは幾らでしたかね。私まだ手元に資料ありませんので……。
  276. 竹内直一

    ○竹内説明員 実質で二・七%であります。
  277. 堀昌雄

    ○堀分科員 要するに、いま公社のほうでお答えになった時期は、八・一でいっているところですね。それが二・八が一つ入っちゃったわけですね。いいですか。政府はことしは七・五というのですよ。私は七.五に絶対ならないと思っているのだ。これはあなた方との議論でなくて、次に経済企画庁長官とやる議論ですけれども、これは要するにアメリカ、西ドイツ、イギリスの高金利の状態、これは労働力の需給の逼迫からきておるわけですからね。この西ドイツ、イギリス、アメリカの高金利というのは、簡単に片づかないと私は見ておる。そうすると、すでに私大蔵大臣にも、アメリカの公定歩合はもう引き上げに追い込まれておる、こう言っておったら、二日ほどしてから、アメリカからの新聞は、やはり向こうでも公定歩合の再引き上げは金融界としてはやむを得ぬ、こういっておるのです。こういうような開放経済下における国際情勢というものは非常にきびしいのです。私はどうもことしのいろいろな諸情勢から見て、実質七・五は無理だ。それはなぜかというと、どうしても物価の上昇がことし五・五におさまらないですよ。そうすれば、デフレーターで実質ひっくり返してみても、なかなかならない。二・八の次にかりに五・五というようなものが来たら、八・一なんていうような中期計画で、それの土台の上に乗せたものが先へ伸びるはずがないですね。それと同時に、私はいまの考え方の中に、上台がだんだん大きくなるのですからね。土台が大きくなるのに伸び率が同じなんというのは大体おかしいですよ。異常な時代である。だからそういういろいろな条件を考えますと、弾性値の問題なんというのはわれわれもしろうとだからよくわかりませんけれども、あなた方のほうの四十七年のGNPというのはそんなに大きなものになり得ない。私は実は日本経済の内在的な問題がある、こう思っております。第一その点は問題があるのですが、どうでしょうね。企画庁、あなたのほうじゃこんなものは試算してないと思うけれども、数は出てこないからわからないが、あなたのほうじゃ四十七年にはGNPはどのくらいになると思いますか。
  278. 竹内直一

    ○竹内説明員 お尋ねでございますけれども、政府としまして公式に発表いたしました経済の諸指標といたしましては、先ほど話の出ました中期経済計画の数字、これは昭和四十三年度まででございます。現在あれは実情に合わないということで廃止をいたしまして、新しい計画をこれからつくろうという段階でありまして、できるだけ早い時期につくりますけれども、いまのところまだどういう数字になるか申し上げる段階ではございません。
  279. 堀昌雄

    ○堀分科員 あれは廃止になりましたが、四十三年のときのGNPというのは、いまの時点で見たら少し高過ぎると思いませんか。最近の状態を考えてこれから先一〇%も一五%も日本の経済は伸びやしないと思うのです。そうしますと、あの中期経済計画の四十三年のGNPというのは、あれをつくったときはとにかく、今日から見ると高過ぎると思いませんか。廃止したのだからいいですが、低過ぎると思って廃止したのじゃないでしょう。どっちですか。
  280. 竹内直一

    ○竹内説明員 高過ぎるか低過ぎるか、これは公式には評価はいたしかねますので……。
  281. 堀昌雄

    ○堀分科員 それは今度企画庁の長官とやるときにものを言わなければならないのですけれども、あなた方はもっと自信を持って言っていいのじゃないですか。これは予測のことですから、あなたが言ったから日本の経済がどっちを向くというわけじゃないのです。あなた方経済企画庁が事務的に要するに科学的な見通しを立ててみたとしたら、それはあの三十九年に出たときと現在とは、少なくとも実質二・七なんという異常な停滞期を越してからのことですから、下がるのはあたりまえで、上がったらおかしいですよ。だから、そこらもうちょっとあなた方も大胆に答えられても、われわれそれを言質にしてどこかで責めたりしませんから、もうちょっと楽な姿勢で答えてください。あまり私がこわそうなことを言うから皆さんおそれておられるかもしれませんが、そんなことはないのです。  そこでいまの問題についてもう少しこまかく中身に入ってみたいのですが、皆さんのほうの計画はわからないところが実に多いのです。昨年の予算、ことしの予算と、この皆さんのほうの資料は、これは大体このうしろへついてますね。ページは三二ページですが、加入電話需給見通しとか、三四ページに資金調達見込みというのがありますね。こういうのは公社でつくられた資料でしょうね。これは調査会ができるはずがないと思うので、これは公社じゃないですか、どうですか。
  282. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 これは公社で資料を出しました。
  283. 堀昌雄

    ○堀分科員 いつの時点の資料です、これは。調査会の報告は四十年九月二日になっていますが、この資料の時点はいつですか。
  284. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 三十九年の十一月に調査会が始まったわけでございますが、三十九年時点のわれわれの見通しで出しておるわけでございます。
  285. 堀昌雄

    ○堀分科員 いや、実は私が聞いているのは、この資料の中に書かれておる数字ですね。いまこまかくいえば、加入電話需給の見通しというのはいつの時点でつくられたものか、時点が非常にあとの議論関係があるものですから。
  286. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 三十九年度の時点で、調査会ができた時点で検討した資料でございます。
  287. 堀昌雄

    ○堀分科員 いや、その三十九年度なんという幅があると困るのですよ、予算との関係がありますからね。だからもう少し何月と言ってほしいのです。
  288. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 御説明申し上げます。  いまのを具体的に申しますと、三十八年度はもう実績が出ておるわけです。ですからこれはそのまま、三十九年度予算でやっていっておるわけです。
  289. 堀昌雄

    ○堀分科員 わかりました。そうしますと、ここに年間充足数というのがありますね。四十年については百万個。この年間充足というのは新規に架設をする、新たにできるという意味でしょうね。だからその年度予算で幾らやりたいとあなたのほうは予算を出していますね。それの数に見合うものでございますね。
  290. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 さようでございます。
  291. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうしますと、ここでは、第三次五カ年計画の年間充足数は百万個でございましたね。
  292. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 そうでございます。
  293. 堀昌雄

    ○堀分科員 これは三十九年の十一月ごろのことでしょう。ところが、その四十年は、予算では百三万個になっておりますね。三万個ふえましたね。これはかまいません。その次に四十一年は百二十八万個計画されておりますね。ところが、予算では百二十二万個になっております。そこで今度は資金調達見込みというのが四十年から出ているわけです。次の三四ページですが、四十年の資金調達見込みという中で、さっきの計画と実際の予算との間に差が出てきておるわけです。この中で私がよくわからないのは、要するに、予算のほうでは三万個ふえたのだから、そこで加入電話の引き受け債券がふえるのはあたりまえですね。これは当然三万個分の加入者債券はふえます。ここでは、このふえ方は、四十年は一千百九億が予算上では一千百四十一億になっておるわけです。設備料は百二十二億が百二十五億となっておる。そこでこの設備料と加入者引き受けのほうはそういうふうにして両方ともふえました。これはけっこうです。ところが、年間充足数は、計画は百二十八万個のやつがことしの予算では百二十三万個ですよ。この計画よりは五万減っているのです。五万個減っているのなら、これは当然加入者引き受け債券の項もマイナスが立たなければいけませんね。そうでしょう。それから設備料の問題も、要するにマイナスが立たなければならぬけれども、設備料なり加入者債券というものは、ある程度数が比例しておらなければおかしいですね。ところが、この中身をこうやってこまかく見ますと、設備料は、四十年は計画の百二十二億が百二十五億で、三億ふえておる。四十一年は、計画の百六十億が百四十八億で、十二億減っているのですよ。三万個の増設をするときには設備料が三億ふえた。ところが、五万個減ったら十二億減るというのは、私はこの関連でちょっと正確でないのじゃないかと思う。おまけに減っておるにもかかわらず、四十一年の計画では加入者債券引き受けは千三百九〇億が、予算では千四百億になって十億ふえている。計画より予算上でやるほうが五万も減っているのに、加入者債券が十億ふえるというのはどうやってふやすのですか。これをちょっと説明してもらいたい。
  294. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 先生、この問題は時点で見ていただかないと……。ちょうど三十九年でこの計画はつくってあるわけです。したがって、四十年度予算あるいは四十一年度予算ということになりますと、公社がいま検討しまして、当然これは変更するわけです。
  295. 堀昌雄

    ○堀分科員 変更はいいのです。論理のほうです。
  296. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ただ考え方として、最近の需要の伸びているところはどこで伸びているかということを考えてみますと、大体大都市周辺都市あるいは地方の県庁所在地のようなものが伸びてきておるわけであります。四十七年度末に至っては、ちょうど二千百万でやったときには、大体組局の伸びがどのくらいになるかということはわれわれ見当がつくわけでありますが、それが長期計画でございますから、年度ごとに大ざっぱな加入者のあれにして級局の配分をしていくわけです。したがいまして、いまのような四十年度予算ということになりますと、あるいは四十一年度予算ということになりますと、その時点でこの長期計画の計数と実質的にはみな多少の違いが出てくるわけです。長期は大体四十七年度を押え、四十二年度を押えて、それにどう持っていくかというような大きな年度のワクをつくっていくわけです。したがいまして、現実には年度ごとのいわゆる級局の需給状況、これによって予算案を出していくわけです。
  297. 堀昌雄

    ○堀分科員 それは違っていいのですよ。私は違っていることを言っているのじゃないのですよ。ロジックの合わない違い方はおかしいと言うのですよ。あなた方の計画をしたのより五万個減るのでしょう。五万個減ったら加入者債券がふえるはずないじゃないですか。どうやってふえるのですか。そこをちょっと教えてください。
  298. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 たとえばわれわれは全国一様にあれしていくわけです。ところが需給のバランスが非常にくずれているところというのは、大都市周辺とかあるいは県庁所在地だと私は申しました。したがって、それについて早くやらないと非常な長時間待ち合わせになるわけです。そうしますと、そういうところは現実に級局が高いわけです。これは優先処理基準とかそういうことで、当然数というのは年度によって変わってくる。たとえば当時見ていたものは、級局の下のほうに持っていくものについても……
  299. 堀昌雄

    ○堀分科員 わかりました。そうすると、あなた方のこの計画というものは、ただ何となく弾性値と国民所得から出してきたのであって、一体どの地域に大体どのどくらいなんということをやってないのでしょう。それでなかったら——あなた方これは加入者債券からずっと年度ごとにこまかい資料を出しているのですよ。計画を立てたのが三十九年の十一月で、いまわずか一年しかたっていないのですよ。一年しかたたないのに、あなたの言うように、初め持っていく方向はこつちだったのが、一年でこっちになったのだ、だからいまの加入者債券の割合が、こっちの小さいところにもっとやるつもりでおったけれども、加入者債券たくさんくれるほうにきたから、本来減るべきものが十億もふえたのだと、こう言われますけれども、それならあなた方の計画というのはまことにずさんたということです。一年先すら正確でないものが、どうやって四十七年先まで資金計画が出るのですか。ことしから私は毎年予算委員会へ来てぎっちりやりましょう。これが済んだら、あなた方のこまかいこれの積算の基礎を一ぺん全部出して、この加入者債券一千百四十億というのは、どういうところのあれが何件でどうだということを一ぺん全部見せてもらいたい、これは先が四十七年まであるのでしょうからね。なければ計算できないのですから……。その中の分布や何かで、あなたのほうは電話局をつくる計画をしているのじゃないか。電話局なんというものは半年や三カ月でできないのですよ。にもかかわらずそんなことが起こるというのは、私はどうも——国会の答弁だけでごまかすわけにいかぬですよ。私はずっとおりますから、しょっちゅうここへ来ていつでもやるのだから、債券に関係があるのだから大蔵委員会に来てもらってもいいし、どこでもやりますよ。この計画書というのはおかしいですよ。ひとつ答えてください。これはずさんだ。
  300. 中山公平

    ○中山説明員 御質問の点でございますが、計画局長からお答えをいたしましたことで大筋は同じなのでございますが、長期にながめました際におきましては、平均として長期の一加入当たり十万六千なら十万六千と全国をならしてそういうふうにとっておりますが、短期に年次の予算でこれを積算する際におきましては、毎年次級局別にこまかく当たりまして、級局別の債券収入の差がございますから、それによってやっていきますが、これがほんとうに最終的に四十七年度までやって合うか合わぬかは別といたしまして、理論的には、長期に見た場合の平均のものと短期のものとは違ってきても最終的には合うということが理論的には考えられるわけであります。こういうふうに考えております。
  301. 堀昌雄

    ○堀分科員 いまのあなたので私ちょっとわかってきたけれども、債券の加入の割り出しのやり方は、いまのあなたは十万幾らで全国平均でそれに架設数をかけて出した、こうおっしゃったですね。そうですか。——それならもう大へんだ。これは地域的に非常に差のあるものを平均値で掛け算するというのは、見通しとしては全然価値ないですよ。これはどうですか。
  302. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 四十七年度末の各級局の加入者数というものは、つまり充足数、それはわかります。したがいまして、級局によりまして幾らという設備料がありますわけですから、それぞれにかけましてそれが大体出るわけです。そこの加入数を充足していく形と、四十二年度やりまして、年度ごとにこまかく一応の見通しでこう引くわけです。ですから、四十七年度はきちんと押えております。それに持っていく過程をそれぞれ出しておるわけですから、年度の場合にはいま経理局長が言いましたようにこまかく出しますが、長期では非常にこまかく地域別の全部を予想することはとても困難でございますから、四十七年度末の姿というものをきちんと押えておりまして、それに持っていくようにしております。
  303. 堀昌雄

    ○堀分科員 それならまん中を出す必要はないのですね。まん中はいいかげんなんだ。だから、最後のところだけ出してあとは予算によってごらんくださいというのならわかります。わかるけれども、もっともらしくあなた方全部こまかく書いておるじゃないか。全部合うように実際書いてある。あなた方出した以上それに責任を持つべきだし、そして電話はいまのように——いろいろな統計からいうと、平均値でものを見るというのはわかりますよ。わかるけれども、そういう平均値でものを見るということと現実の問題との間がこういうかっこうで、私がいま指摘しているようなことになっておるわけだから、一つ一つそういうことですが、これはいま時間もありませんからいいですけれども、あともう一つ問題なのは、最近の資金需要は大体充足されておると思いますが、どうですか。最近、ことしくらいまでの間は資金が非常に足りなくて困ったということはありますか。
  304. 中山公平

    ○中山説明員 資金という意味は、現実の資金でございましょうか、毎日使う予算上の資金でございましょうか。
  305. 堀昌雄

    ○堀分科員 建設勘定資金が非常に不足したということがありますか。   〔「建設資金だ」と呼ぶ者あり〕
  306. 中山公平

    ○中山説明員 建設資金は四十年度までは計画どおりにいっております。
  307. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうすると、建設勘定の金のほうは合ったのだ、ところが電話局の建設は一体どうなっておりますか。電話局のいまの建設です。第二次五カ年計画は六百七十八局だったですね。第二次五カ年計画の終わりに一体何局できましたか。第二次五カ年計画の電話局の新設、これは計画は六百七十八局だったでしょう。
  308. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 御説明します。  第二次五カ年計画で電話局を建設いたしましたのが、合計といたしまして五百三十八局でございます。
  309. 堀昌雄

    ○堀分科員 計画六百七十八ですね。よろしいですか。
  310. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 説明いたします。  計画といたしましては六百十八でございます。
  311. 堀昌雄

    ○堀分科員 六百七十八じゃないですか。
  312. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 六百十八です。それに対して、いま御説明しましたように五百三十八という実績でございます。
  313. 堀昌雄

    ○堀分科員 だからこの年は結局八十局というものが、第二次五カ年計画では計画したけれども、建たなかったわけですね。そこで今度は、その分だけは第三次五カ年計画にずれ込んできているわけです。そういうことでしょう、現在。いまずれ込んでいるのはどのくらいになりますか。あなた方は、今度第三次五カ年計画をやっているわけだから、第三次五カ年計画で昭和四十一年、昨年三月末までに限ってみていいです。そこでずれ込んでいるのは一体何局ですか。計画と実際にやっているやつの差は。
  314. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 先生の御質問にもう一つお答えしたいのですが、電話の局舎の建設数と、電話の建設数をごらんになったときには、いわゆる局の数ばかりではなくて、それにつけます設備の数、こういうものも両方見ないと、投資額の問題として話にならないかと思います。そこで先ほども私、御説明しておりますように、第三次五カ年計画は、千五百二十局という計画数を予定しておるわけでございますが、いまの見通しでは、先ほど申しましたように、大都市周辺とか、あるいは地方の県庁所在の都市というものが非常に膨張してきておりますので、当初見ておった設備数よりも、大がかりな設備数をしなければいかぬ、こういうことになるわけでございます。したがいまして、大体千五百二十局見ておったけれども、そういう修正をしますと、実際の工程としては、端子数から見ますとそう変わらない、むしろふえておるわけでございますが、局数としては落ちてくる、こういうことになります。そこで先生のいまのお話のように、百局ばかりのものが、実質ずれ込んで第三次に入ってきておるわけでございますけれども、これが局数で見ますのと、設備端子数で見るのとはかなり問題になりますので……。
  315. 堀昌雄

    ○堀分科員 時間がかかるからいいです。そこで実は、いまの問題の中で非常に問題が一つ出てきます。それは、あなた方のほうは新設に非常にエネルギーをかけておられますよ。局舎の新設、架線の新設、非常にエネルギーをかけておられます。  そこで実は非常に重大な問題が起きつつあるのです。ちょっとここに私、具体的な例を申し上げますが、一九六五年、去年ですね。十二月の十四日の午後二時ごろに、吹田電話局の区域内で発生したプール要員の事故の問題があるのです。これは場所は阪急電車の正雀駅の構内です。犠牲者は吹田局のプール要員。四十年四月一日採用の者二名。そのうち一名は即死です。一名は二カ月以上の重傷を負って、いずれも年齢十八歳です。要するに高等学校を出て、電電公社の職員に四月に採用されて、十二月に一人死んじゃったわけです。一人は二カ月の重傷です。これは当時の概況として工事内容は、吹田電話局が、阪急正雀駅長からの要請に基づき、阪急正雀駅構内の公社電柱七・五メートル柱が支障になるので移転されたいとの要請に基づいて、支障移転工事に従事していたものである。なお阪急側の要請内容は、四十年十月ごろ信号小屋が建てられた——公社に連絡なく——ため公社電柱がじゃまになったためだ、こういうことになっております。従事者は四名一組、作業主任一名、勤続六年、それから係員一名、勤続二年、プール要員二名——犠牲者——であったが、電柱撤去のため、全く未経験者であるプール要員二名が柱上で作業中であった。柱の上にはわずか半年余りしか経験のない者を上げておいて、その作業班長は経験六年の者だそうです。あと一名が勤続二年、二年というものは大した勤続じゃない。事故の直接の原因は、柱上作業中に支線を、地上で待機中の者が誤って切断したため、電柱は倒れ、傾斜地であったために十メートル落下したものである。こうなっておる。事故の背景等として、このような支障移転工事、電柱撤去を伴うものには、五名一組で熟練者が十分指導する中で行なうべきであるにもかかわらず、当時吹田局は線路宅内課二十名中、ほとんどの熟練者が西吹田電話局、二月二十八日開局予定の建設工事に従事していたため、現場機関の主要任務に備えている保守工事に要員が不足し、未経験者であるプール要員を使ったためめである。一般的に現在の電電公社は、建設工事の偏重の結果、日常の保守工事が放置されがちであったために、事故電柱の根もとが腐食していることが事故後に発見されたような状態である、こういうふうになっております。そしてプール要員たちは工事量の増大を考慮して先行採用し、一年間現場機関に仮配属し、実習を兼ねて訓練を行なっているものである。したがって一人前の熟練労働者と同等の作業を行なわせることになっていないにもかかわらず、現実には近畿管内では数多く一人前の労働をさしておる。なおプール要員は仮配属するものであり、実習を兼ねて訓練を行なうことを近畿通信局と全電通近畿地本の間で協約化しておる。こういうふうになっておる。私はこの話を聞いてまことに実際気の毒な事故である。ちょっとお伺いしたいのは、総裁、ここに書いてあるように、おそらくプール要員というのは研修のためにあるので、そんな者が二名だけ柱の上に上がって、古い者だけが下におるというようなことは、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。どうですか総裁。
  316. 米沢滋

    ○米沢説明員 建設関係、あるいは保全関係で、ときどき事故を起こしてたいへん申しわけないと思います。われわれといたしまして、建設工事なりあるいはそういう保全の工事を安全にやるということが前々から強くいろいろ建設部長会議なりあるいは保全部長会議をやるときに指示をしておりますが、何といいましても最近直営工事部隊が少し技術的に弱くなっておるということを考えておりますので、今後いろいろ建設工事部隊、直営部隊、工事部隊の質的な向上を機械化と同時にはかっていきたいと考えております。
  317. 堀昌雄

    ○堀分科員 それはいいのですが、いまのプール要員を現場でこんなふうな形で——研修というなら、下で見ているなら話はわかるのです。上に二人とも上げておるというようなことは研修じゃないですね。実際の工事を直接やらしておると思うのですが、それは公社としてはそういうことはやるべきでないということにならないと私は問題があると思うのですが、この点どうでしょうか。
  318. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいまのように、いまのプール要員、正式にそういうことばはありませんが、見習いという意味じゃないかと思います。ですから私の考えでは、そういうふうに二人とも熟練しない人が上がるということはないんじゃないか、させたくないと思います。
  319. 堀昌雄

    ○堀分科員 これは今後にもまだあり得ることですから、ひとつ総裁、各通信局に対してこういうような、そういう未経験者を電柱の上に上げたりすることのないように、ひとつ通達か何かをおろしていただいて、二度とこういうことなのいようにひとつお願いしたい。  もう一つは、城東電話局における事故死でありまして、一月の二日午前十時三十分ごろ、大阪市城東区茨田町で、城東電話局の職員、勤続五年の人が感電死をしておる。これは、時間がありませんから簡単に言いますと、一つの電柱に関西電力の高圧線が通っていて、その下に電電公社の線が通っている。ところが何か、おそらく風か何かの関係で、近所から、雑音が出て困る、こういうことがあったものだから、正月であるけれどもこの人が修理に行ったようです。二人行っているわけですけれども、修理に行っている。ところが一メートル五十の間を置かなければならぬということになっておるのに、両方とも下がったんだろうが、その間が八十センチしかない。そこで、気をつけておったんでしょうけれども、八十センチしかなかったために、その高圧に触れて感電をして墜落をして死んだ、こういう事故ですね。そこで、要するに電力会社のほうには、こういうふうな保安のための規定があるのです。高圧電流のものについての保安規定といいますか、安全規定がきちんとある。ところが公社のほうにはそういう作業基準というか、安全規定が現在ないようですね、この問題について。これはやはり早急にやってもらわないと困る。現場の諸君の言っておるのは、初め管理者のほうは、あれは三千ボルトだということを言っていた、おかしいと思って関西電力へ行って調査をしたら、六千六百ボルトの高圧が通っていたのだというようなことで、これはちょっと趣が違いますけれども、やはりこういう事故が起きたときは、その事故がなぜ起こったかということを十分分析をしていただいて、すみやかにその対策を立てていただかないと、これは佐藤さんの言う人間尊重の政治にならないわけです。この点はおそらく全国的にいろんなところであるでしょうけれども、いまのように一・五メートルあるべきものが八十センチだというようなときには、やはり注意するための何らかの措置があってしかるべきだというふうに思いますし、その点をひとつ十分考えておいていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、こういうことが起きておるもとは、やはりいまの電電公社の皆さん方が、ともかくもどんどんつける——まあつけることはいいのですよ。積滞しておる人の側からいえば早くつけてもらいたいだろうけれども、やはり労働力に見合い、あるいは何といいますか、そういうことを含めてやってもらわないと、私はこれは問題があるのではないかというふうに思うのです。ここにいろいろと大きな計画がどんと出されれば、どうしても工事の現場のほうはこの計画に沿っていかなければならぬというような変な使命感にかられて問題が起きやすいのではないか、だからこのいまの二千百何万というのは、私は非常に問題があると思うのです。これは、きょうは時間がありませんから、日を改めて——GNPの将来の伸び方なりいろんなものから、これはどうも私ども過大だと思うのですが、一つだけ伺っておきたいことは、この時点では、架設フィフティ・フィフティになる、約一千万くらいが住宅用になる、こういうことになっておりますね。あなた方は、一千万が住宅用になる昭和四十七年の国民の所得ベースというのは一体どういうふうになっておると想定をされて——私はこの前から予算委員会で、何回か所得ベース問題はやってきておるのですけれども、四十七年の所得ベースというのは一体どういうかっこうになっているとお考えになりますか。上から一千万引いたところの線というのは所得幾ら……。
  320. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 これは所得階層別の分布から推定することになると思いますが、大体御案内のとおりジグザグ分布をやっておりますので、現在の経済の伸びと世帯の伸び、そういうもので比率を出していきますと、大体平均所得が七十万円くらいになっていると思います。
  321. 堀昌雄

    ○堀分科員 いつの価格ですか。
  322. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ちょっとあとで数字を出しますが、たしか三十五年度だったと思います。
  323. 堀昌雄

    ○堀分科員 三十五年の七十万円は、あとでまた日があったときに議論させてもらいますが、もう一つ、私のどうも納得のいかないのがありますのは、あなたのほうの資料で、要するに電信電話料金の値上がりの問題に触れて、消費者物価の中で〇・二九だ、こういうことですね。私は長年消費者物価をいろいろやってきておるのだが、この基準の価格になった二十二円五十六銭というのは、三十五年ウエートを出したときの二十二円五十六銭ですよ。これは一体月平均の使用回数をどのくらいに公社では見ていると思いますか。要するに、この基準価格二十二円五十六銭というのが、三十五年ウエートを出したときの基準の価格です。ウエートは東京都が四八で全都市で二九なんですよ。いいですか。あなた方のほうは全都市が一万に対する二九、こういっているのですけれども、この二十二円五十六銭という基準の価格は、土台にはどういうものが入っているというふうにあなた理解されますか。
  324. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 家計に占める割合というふうなものは、これは総理府でおまとめになりまして、政府全体で御発表になっている数字をそのまま使わせていただいたわけでございまして、われわれが算出したものではございません。
  325. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうすると、あなた方の職務の電話の問題について、この総理府の資料をごらんになれば、ちゃんとそこへ基準価格二十二円五十六銭と書いてある。これはウエートだけ書いてあるわけじゃないのですよ、私いまここに持っておるけれども。だから、その二十二円五十六銭というものはどういうことでできておるかというのは、あなたわからないようだからこっちから言いますけれども、昭和二十六年から三十六年までは、月平均の使用度数は四十五回の通話になっているのですよ。月平均四十五回通話というのが、この基準価格のベースになっているのですよ。いま総理府では、三十六年以降は百二十回にすでにしているのですよ。そうしてこのサンプルは四千世帯です。これはともかく電話に加入あるものとないものをごちゃまぜにして、私が調べたけれども、総理府では、加入世帯が四千世帯の中で幾らあるかどうかということもわからない。そういう意味でいいかげんなものです。それの平均値が二九ということですよ。だからこんなもので電話料の値上げをしたって、ウエートが〇・二九%だから影響がないなんていったら大間違いです。これはやはりあなた方がこういう議論をする場合には、こういうところにこんな形で出すのではなくて、要するに、電話加入世帯の場合は幾らになるか、どれくらい上がるかということを書くべきであって、いかにも電話料の値上げは影響が小さいのだと言わぬばかりだけれども、これは実は消費者物価指数に非常に問題があるのです。私のほうでは、私が党の物価対策委員長というので、いま一生懸命やっておりますけれども、ともかく中身は非常に問題がある。あるけれども、いま現実に出ておるものがそういうことなんで、それをいきなりこんなところに書いて、影響が少ないような、そういう宣伝をするのは、私はあまり適当でないと思うのです。総裁どうでしょうね。
  326. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど計画局長が申し上げましたように、この消費者物価に及ぼす影響というのは、電話を持っている人というのじゃなくて、電話を持っていなくとも、たとえば公衆電話を使うというような人もありますから、国全体に対する割合というふうに考えて数字が出ておるわけでありまして、なおこまかいことはまたあらためてお答え申し上げます。
  327. 堀昌雄

    ○堀分科員 いや、いや、私も消費者物価の影響なんというんですけれども、この消費者物価という問題は、私この間予算委員会で佐藤さんとやったときに、要するに、民営アパートの七十万世帯問題をやったのですが、その半分というのは、要するに三十五万世帯は六畳七千円で入って、その所得というのは大体二万円から三万円の人です。そうすると、これの住居費というのは、ウエートからいったら、もう一万の中で四千くらいですよ。ところが、消費者物価指数の中では家賃、地代のコストは二四七ぐらいしかないのですよ。だからそういう平均値の中からものを見ただけでは問題は解決しない。だからそういうふうに層別に見なければ実際の物価というものの実感にはなってこないのですよ。だからなるほど理論的には電話のある者もない者も、公衆電話でかける者も家でかける者も、平均して出てきているから、それのウエートはウエートとして間違いがあるというわけではないのですけれども、そういうような片づけ方では、私は電話は国民のためにあるのだということにはならないのじゃないかと思う。国民といったら総体じゃないんですよ。実は一人一人なんですよ。電話加入者にとってこれが実際にどういう影響があるかということをあなた方があわせて書いておれば私はこんなことを言わない。そういうことにはあなた方のほうは一切触れない。そうしておいてそういうものだけを出されて、いかにも影響が小さいというふうに印象づけられる点は、どうもあまり適当でないのではないか、私はこういう感じがいたします。資料等については明白でないと出ないものもあるようでありますから、けっこうですけれども、要するに総括的に総裁に申し上げておきたいことは、私は計画を立てられるのもけっこうだと思います。計画がなければ仕事は進みません。しかしその計画は少なくとも科学的な分析に耐えるものにしていただかないと、むだな計画でいろいろ問題を動かされるのは困ると思う。だからさっきの中期経済計画も適当でないから御破算にしたわけですよ。だからいま皆さんの出されておる第四次計画、これから少し私も皆さんのGNPなり、それをしっかり調べて、適当な時期に、これが一体ほんとうにそういう分析に耐えるものかどうか、一ぺんどこかの委員会でとっくりやらせていただきますけれども、もしそういう分析に耐えないときには総裁、こういう計画というものは政府がおろしたようにおろしていただけますか。
  328. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど計画局長が御説明いたしたのでございますが、われわれといたしまして公社の案をいまつくりつつある段階でございます。私、この答申書を受けましたときに、答申書を尊重するけれども、一〇〇%このとおりやるということは言っておらないのであります。公社として特に一番問題になりますのは、将来のいわゆる見通しなのでありまして、現在時点におきましてもう非常に苦しいということは、昨日も予算委員会で申し上げたのでありますが、結局問題は、四十七年度末になったときに需要がどうなるかということによって、かりに値上げするにいたしましても幅が変わってくる。ただこの際申し上げたいのは、電話というものは一般のガス、水道と違いまして、現在ある方のサービス改善の要素が非常に高いわけでございます。たとえばいま新しく自動改式をするといたしますと、従来のマグネットの加入者も将来自動改式になる、あるいは自動改式になりますと、いままで何時間もかかった市外通話もよくなる、こういう改良部分が非常に多い、こういう点が非常に違いますので、そういう電話の違い方もあわせて考えていく必要があると同時に、債務償還の問題とか、あるいは赤字問題等がございますし、電報問題もございますので、四次計画につきましては、まだ公社としては最終的にきめておるわけではございません。したがって、この答申を受けまして、公社として特に長期の問題については郵政省なりあるいは経済企画庁と事務的にいろいろ意見の交換をしながら案をまとめていきたい、こういうふうに考えております。
  329. 堀昌雄

    ○堀分科員 ひとつそういう意味で新たに検討を進めていただいておるのでしたら、けっこうでありますが、要するにあまり無理のない計画にひとつしていただきたいと思います。  実はきょうは縁故債関係の問題を含めてやるつもりで大蔵省に入ってもらったのですが、時間がたちましたから、これは大蔵委員会でやれることでありますので、自余の問題はその他に移しまして、これで私の質問を終わります。
  330. 三原朝雄

    三原主査代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十六日午前十時より開会し、郵政省所管について質疑を続行いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時四十四分散会