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楯委員 あまり問題を多く出し過ぎて、一問一答ですから、私のほうも膨大な資料を持ってきておるのですが、いまの
運輸大臣の
答弁では
納得できませんし、また反発をする資料が幾らでもあります。しかし、これは時間が制限されておりますので、でき得れば運輸
委員会のほうへ出席をさしていただいて、こまかい問題に入りたいと思います。
そこで、今度は一番重要な問題を申し上げるのですが、これは真剣に
考えていただきたいと思います。といいますのは、いま国電一車両の定員というのは、大体百四十四名だと思います。ところが非常に逼迫をしておりますので、いつの日にか、日にちは記憶いたしておりませんが、自衛隊を使って、どのくらい詰め込めるかやってみようというので、しりを押して詰め込み
作業をやった実験の結果が四百九十二人だ、こういうことを言っております。ところが、実際ラッシュに乗っておりまする人を調べてみますると、五百人以上も詰め込んでおる。大体統計では定員の二七〇%、この
東京の周辺で。大阪もそうでしょう。二七〇%、三倍近いだけの人を詰め込んでおる。だから、いまや定員二倍が生理的限界である、三倍が生命的限界である、こういうことをいわれておる。したがって、冒頭に申し上げましたように、この殺人的な都市輸送、通勤輸送を解決する道は、運賃を二〇%上げて解決のできる問題じゃないということです。先ほどの
答申にも出ておりましたように、運賃を二割、三割上げて、この殺人的な都市交通を緩和するの、できるのというような問題ではない。
政府が思い切って財政投資をして根本的な解決をはからないと、いまにえらいことになるぞ、こういって忠告する、警告する人も非常に多いわけです。したがって、こういう問題については、
答申の中にもありますが、ぜひひとつ
考えていただきたい。
これはもう時間がございませんから、自治大臣にいろいろお聞きしたいと思うのでありますが、大体都市のバスにしろ、あるいはその他の運輸機関で、あなたのほうで権限を持って許可するとか、認可するとか、あれをこうするというようなことはできぬでしょう。たとえば
東京都で、人の流れを見てバス輸送の調節をしようと思ったって、
東京都知事には何の
関係もないと私は思うのです。何も自治省には権限はないと思う。だから、今日、
東京なり大阪なり、都市がこのようなばかげた交通状態になってきたということは、簡単にいえば、一にかかってこれは中央官庁に私は
責任があると思うのです。一地方の問題としてまかしておいたのでは、これは何にもできない。したがって、運賃の値上げどうこうじゃなくて、ケーネディ教書のように、あるいはロンドンやパリやニューヨークがやっておるように——ロンドンはすでに三十年前に、これではいかぬというので、交通の国鉄を除く一元化をやっておりますることは、皆さん御
承知のとおりです。つまり国が
責任を持って——
社会党は
東京に地下鉄をつくって、それを中心として地域ブロックにターミナルをつくる、そして運賃は全部統一をしてやっていこうという法案をいま私のところでつくっておるわけですが、そのぐらいの
決意を持たないと、
東京都の通勤輸送というものは解決しませんよ。この間も雑誌を見ておったら、通勤革命論というものが出ておる。私は、選挙の前になりますると、自民党の諸君が中小
企業、農業の革命的施策という、あの革命だと思ったのです。そうじやない。このままにほうっておけば、いまや通勤の疲労から革命ですね、もう
政府頼むに足らずという革命が起きるであろう、こういうことが堂々と雑誌あたりで議論をされておる。われわれバスに乗って通勤しておるのですが、自動車に乗って通勤される方はわからないのでありますが、そのぐらいに市民の疲労は極度に達しておる。
政府に対する通勤輸送の怨嗟は、いまや
東京じゅうに満ち満ちておるということです。これを解決をしなければ、運賃の二〇%値上げがどうこう、こんな問題で私は解決をする
段階じゃないと思う。すべて認可、許可、調節のそれはあげて内閣にある、中央にあるのです。したがって、今日の都市交通、通勤輸送を生命的限界まで追い詰めたのは、その戦犯はだれであるか。交通戦争という看板をつければ、戦犯は池田内閣であり、
佐藤内閣である、こういうことが私は言えると思うのですから、真剣にひとつお
考えをいただきたいと思うわけであります。
それから、建設大臣に交通の問題で一言も
質問をしないというわけにいきませんので、
あと十分ばかりもらって
質問をしたいと思いますが、
東京の将来ですね、これは簡単にお答えいただければけっこうですが、私も交通問題で
質問をせよというので、いろいろ人にも聞き、本に書いてあるのを調べてみました。ところが、都民の願望としては、これは経済企画庁がアンケートをとったのでありますが、全体の四四%ぐらいは都心部をこのままにして、そして郊外に住宅地を持って、そうしてハイスピードで中心地へ通勤のできるような構想を
実現してもらいたい、これが大体集約をした都民全体の意見であるというふうに
考えるわけです。瀬戸山建設大臣は、こういう点について何か構想があるような話を聞いておるのでありますが、もし構想がおありになったら、一言ひとつここで発表していただきたいと思います。