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1966-02-04 第51回国会 衆議院 予算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    一月二十六日青木正委員長辞任につき、その補 欠として福田一君が議院において、委員長選任 された。 ————————————————————— 昭和四十一年二月四日(金曜日)    午前十時九分開議  出席委員    委員長 福田  一君    理事 赤澤 正道君 理事 小川 半次君    理事 久野 忠治君 理事 田中 龍夫君    理事 松澤 雄藏君 理事 八木 徹雄君    理事 加藤 精二君 理事 川俣 清音君    理事 楯 兼次郎君 理事 野原  覺君    理事 小平  忠君       相川 勝六君    愛知 揆一君       荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君       井出一太郎君    今松 治郎君       江崎 真澄君    大橋 武夫君       上林山榮吉君    川崎 秀二君       中曽根康弘君    灘尾 弘吉君       丹羽 兵助君    西村 直己君       野田 卯一君    橋本龍太郎君       古井 喜實君    松浦周太郎君       三原 朝雄君    水田三喜男君       大原  亨君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    小松  幹君       多賀谷真稔君    高田 富之君       中澤 茂一君    永井勝次郎君       八木  昇君    山中 吾郎君       山花 秀雄君    春日 一幸君       竹本 孫一君    加藤  進君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 石井光次郎君         外 務 大 臣 椎名悦三郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         文 部 大 臣 中村 梅吉君         厚 生 大 臣 鈴木 善幸君         農 林 大 臣 坂田 英一君         通商産業大臣  三木 武夫君         運 輸 大 臣 中村 寅太君         郵 政 大 臣 郡  祐一君         労 働 大 臣 小平 久雄君         建 設 大 臣 瀬戸山三男君         自 治 大 臣 永山 忠則君         国 務 大 臣 上原 正吉君         国 務 大 臣 福田 篤泰君         国 務 大 臣 藤山愛一郎君         国 務 大 臣 松野 頼三君         国 務 大 臣 安井  謙君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁調         整局長)    宮沢 鉄蔵君         大蔵事務官         (主計局長)  谷村  裕君         大蔵事務官         (主税局長)  塩崎  潤君         大蔵事務官         (理財局長)  中尾 博之君  委員外出席者         専  門  員 大沢  実君     ————————————— 昭和四十年十二月二十五日  委員玉置一徳辞任につき、その補欠として佐  々木良作君が議長指名委員選任された。 同月二十七日  委員田中六助辞任につき、その補欠として大  平正芳君が議長指名委員選任された。 昭和四十一年一月二十五日  委員古川丈吉君、石田宥全君石橋政嗣君、片  島港君、高田富之君、辻原弘市君、中井徳次郎  君及び横路節雄辞任につき、その補欠として  福田一君、山中吾郎君、勝間田清一君、角屋堅  次郎君、井手以誠君、楯兼次郎君、多賀谷真稔  君及び八木昇君が議長指名委員選任され  た。 同月二十六日  委員佐々木良作君及び永末英一辞任につき、  その補欠として小平忠君及び竹本孫一君が議長  の指名委員選任された。 同月二十八日  委員井手以誠君辞任につき、その補欠として石  田宥全君議長指名委員選任された。 同月三十一日  委員石田宥全君辞任につき、その補欠として高  田富之君が議長指名委員選任された。 二月二日  委員大平正芳君及び櫻内義雄辞任につき、そ  の補欠として、田中龍夫君及び久野忠治君が議  長の指名委員選任された。 同月三日  委員青木正君及び今澄勇辞任につき、その補  欠として松澤雄藏君及び春日一幸君が議長の指  名で委員選任された。 同月四日  理事古川丈吉君及び辻原弘市君一月二十五日委  員辞任につき、その補欠として松澤雄藏君及び  楯兼次郎君が理事に当選した。 同日  理事澄勇君同月三日委員辞任につき、その補  欠として小平忠君が理事に当選した。 同日  理事植木庚子郎君、小川半次君及び加藤清二君  同日理事辞任につき、その補欠として久野忠治  君、田中龍夫君及び野原覺君が理事に当選した。     ————————————— 一月二十七日  昭和四十一年度一般会計予算  昭和四十一年度特別会計予算  昭和四十一年度政府関係機関予算 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  公聴会開会承認要求に関する件  昭和四十一年度一般会計予算  昭和四十一年度特別会計予算  昭和四十一年度政府関係機関予算  昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3  号)      ————◇—————
  2. 福田一

    福田委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。(拍手)  先般の本会議におきまして、私ははからずも予算委員長選任されました。まことに光栄に存じますが、非常にふなれでもございまして、皆さん方にたいへん御迷惑をおかけするかと思いますが、皆さんの御協力によりまして、大過なくその責を果たさしていただきたいと思いますので、どうかひとつよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 福田一

    福田委員長 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事植木庚子郎君、小川半次君及び加藤清二君よりそれぞれ理事辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、委員の異動に伴いまして、別に理事が三名欠員となっております。つきましては、この際、ただいま辞任されました理事並びにすでに欠員となっております理事補欠選任を行ないたいと存じますが、これは委員長において指名することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、久野忠治君、田中龍夫君、松澤雄藏君、楯兼次郎君、野原覺君及び小平忠君をそれぞれ理事指名いたします。  この際、理事会を開きますので、理事の方は委員長席にお集まりください。  なお、委員の方はそのままでお待ちを願います。  暫時休憩いたします。    午前十時十二分休憩      ————◇—————    午前十時十三分開議
  6. 福田一

    福田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、政府並びに委員各位お願いを申し上げますが、委員会運営を円満にいたしまして、予算審議能率化をはかるため、従前同様、委員会開会時間等厳守いたしたいと思いますので、特に御協力お願いいたします。  これより昭和四十一年度一般会計予算昭和四十一年度特別会計予算昭和四十一年度政府関係機関予算並びに昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3号)、以上四案を一括して議題とし、審査に入ります。     —————————————  昭和四十一年度一般会計予算  昭和四十一年度特別会計予算  昭和四十一年度政府関係機関予算  昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3号)   〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  7. 福田一

    福田委員長 これより各案の趣旨につきまして、政府の説明を求めます。大蔵大臣福田赳夫君。
  8. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 昭和四十一年度予算編成基本方針及びその大綱につきましては、先日、本会議におきまして御説明いたしたところでありますが、本日から予算委員会で御審議お願いいたしまするにあたり、あらためてその概要を御説明いたします。  昭和四十一年度予算編成にあたりましては、先日の財政演説で申し述べました財政金融政策運営の基本的な考え方にのっとり、公債政策の導入による財政規模の積極的な拡大と画期的な大幅減税の断行を通じて、有効需要拡大をはかり、景気のすみやかな回復を実現して経済安定成長の路線に導くとともに、住宅生活環境施設等の飛躍的な拡充をはじめ、物価対策強化社会資本整備社会保障充実、低生産性部門近代化等の重要諸施策に対する財源重点的配分を行ない、あわせて一般行政費節減合理化、機構の拡大定員増加の抑制など、財政体質改善推進予算弾力的執行強化をはかることを基本方針といたしたのであります。  この基本方針に基づき編成されました昭和四十一年度一般会計予算総額は、歳入歳出とも四兆三千百四十三億円でありまして、昭和四十年度当初予算に比し六千五百六十二億円、補正(第3号)後の予算に対して五千六百九十五億円の増加となっております。  また、財政投融資計画総額は、二兆二百七十三億円でありまして、昭和四十年度当初計画に対し四千六十七億円の増加となっております。  まず、一般会計予算について申し上げます。  歳入予算総額四兆三千百四十三億円の内訳は、租税及び印紙収入三兆一千九百七十七億円、税外収入三千八百十三億円、公債金七千三百億円及び前年度剰余金受入五十三億円となっております。  まず、租税及び印紙収入三兆一千九百七十七億円は、前年度当初予算に対し九百億円の減少、また、補正(第3号)後の予算に対し一千六百九十億円の増加となっております。これは、現行税法を前提とする四十一年度収入見込み額三兆四千六十六億円から、税制改正による減収等二千八十九億円を差し引いた額であります。  四十一年度税制改正におきましては、最近における国民税負担状況及び経済情勢の推移にかんがみ、国税において、平年度三千六十九億円(初年度二千五十八億円)にのぼる減税を断行することといたしましたが、これは戦後最大の規模減税であります。  税外収入三千八百十三億円は、前年度当初予算に比べ八百六億円の増加となっております。  次に、公債金七千三百億円は、財政法第四条第一項ただし書きの規定により、公共事業費出資金及び貸付金財源に充当するため発行する公債収入を見込むものであります。なお、ここにいう公共事業費範囲は、一般会計予算総則第七条に掲げるとおりでありますが、その金額並びに出資金及び貸付金合計額は七千六百五十億円でありまして、公債金収入見込み額七千三百億円を三百五十億円上回るものとなっております。  このように、昭和四十一年度に発行する公債は、その対象を公共事業費等に限定いたしますとともに、市中消化によることとし、今後における公債の発行が乱に流れることのないよう特に配意いたした次第であります。  前年度剰余金の受け入れ五十三億円は、前年度当初予算に比べ六百四十四億円の減少となっております。  次に、歳出のおもな経費につきまして、順次御説明いたします。  社会保障関係費といたしましては、総額六千二百十七億円を計上し、経済発展国民生活向上に即応した施策充実をはかっております。  すなわち、まず生活保護費におきましては、生活扶助基準を十三・五%引き上げる等の改善措置を講じますほか、社会福祉費において、心身障害児対策強化等児童保護施策充実社会福祉施設職員処遇改善等を行なうことといたしておるのであります。  社会保険費におきましては、拠出制国民年金年金額を大幅に引き上げ、いわゆる夫婦一万円年金を実現いたしますほか、福祉年金につきましても、年金額引き上げ等改善を行なうこととしております。また、政府管掌健康保険等に対しましては、四十二年度に抜本的な財政再建対策を講ずるまでの間、保険料率引き上げ等財政措置を講ずるとともに、特別の国庫補助を行なうこととしております。さらに、国民健康保険につきましても、療養給付費に対する国庫補助制度整備して、世帯員七割給付の着実な推進をはかることといたしております。  このほか、保健衛生対策につきましては、結核、精神衛生原爆障害等、各般にわたり経費増額いたすとともに、特にガン対策強化することといたしております。  また、雇用対策につきましても、職業転換給付制度新設等失業者就職促進労働力移動円滑化に資するための施策拡充することといたしております。  文教及び科学振興費といたしましては、総額五千四百三十三億円を計上し、青少年の健全な育成科学技術振興をはかることといたしております。  すなわち、初等中等教育につきましては、引き続き学級編制基準改善を行ないますとともに、公立文教施設につきましては、単価及び補助基準改定等により、その整備を一そう促進することといたしております。  また、義務教育教科書無償給与につきましては、その範囲を中学一年にまで拡大いたしますとともに、学校給食拡充就学援助強化特殊教育充実等につきましても格段の配慮を加えておるのであります。さらに、僻地教育充実についてもきめのこまかい施策を講ずることとし、新たに僻地における学校ぶろ設置費に対する補助を行なうとともに、僻地教員宿舎増設、寄宿舎の整備無償給食実施等措置を講ずることといたしております。  次に、大学教育につきましては、大学入学志願者の急増に対処して、国立大学新設及び学部・学科等新設拡充により約四千六百人にのぼる入学定員増加を予定いたしますとともに、これに即応した施設整備充実をはかりますほか、育英貸し付け金制度拡充等を行なうことといたしております。  また、特に、私学に対しましては、私立学校振興会貸し付け規模を大幅に拡大いたしますほか、各種の国庫補助拡充する等、その助成を強化することにいたしております。  以上の施策を通じて、学校教育水準及び内容の充実向上を期しておる次第であります。  さらに、科学技術振興につきましても、原子力の平和利用宇宙開発大型重要技術研究開発等重要研究推進するとともに、各省の試験研究機関研究体制整備をはかっておるのであります。  国債費といたしましては、国債の償還及び利子の支払い等に要する財源国債整理基金特別会計に繰り入れるため、四百八十九億円を計上いたしております。  恩給関係費につきましては、恩給増額の際の年齢制限緩和等、引き続き制度改善をはかることといたしまして、千九百十七億円を計上いたしております。  次は、地方財政対策であります。  四十一年度地方財政は、地方税収等の伸びの鈍化、人件費増加等により、きわめて困難な状況に立ち至っておるのであります。  このような事態の改善は、地方公共団体自身財政健全化のための努力にまつべき点も少なくないのでありますが、国におきましても、地方財政の健全な運営を確保するため、積極的に、総合的な財政対策を講ずることといたしております。  すなわち、まず地方交付税の率を二・五%引き上げて三二%とし、これにより五百八十六億円の増額を行ないますとともに、四十一年度限りの措置として、臨時地方特例交付金四百十四億円を交付することとし、合わせて一千億円を手当てすることといたしました。また、地方債につきましても、新たに特別事業債千二百億円を計上することとしておりますので、地方財政対策総額は二千二百億円と相なるのであります。  このほか、地方公営企業に対する再建措置超過負担解消のための措置等をあわせ講ずることにより、地方行政水準住民福祉の一そうの向上を期することといたしておるのであります。  防衛関係費としては、三千四百七億円を計上いたしまして、国力に応じた防衛力計画的な整備充実をはかるとともに、特に基地対策強化配意いたしております。  特殊対外債務処理費につきましては、韓国に対する無償経済協力費増額等を行なうこととして、三百十五億円を計上いたしております。  公共投資につきましては、国力発展基盤を培養するとともに、国土保全に万全を期するため、社会資本計画的な整備拡充を思い切って推進することとし、公共事業関係費といたしまして、総額八千八百四億円を計上いたしております。  まず、当面の急務である住宅対策につきましては、一世帯住宅の目標を実現するよう、新たに住宅建設五カ年計画を策定し、計画期間内の建設必要戸数を六百七十万戸と見込み、このうち政府施策により二百七十万戸を建設することといたしております。四十一年度におきましては、その初年度として、公営住宅改良住宅公庫住宅及び公団住宅について合計三十万三千五百戸を建設するとともに、住宅床面積拡大等、質の向上をはかることといたしまして、一般会計住宅対策費四百八十七億円、財政投融資計画において住宅金融公庫及び日本住宅公団に対し二千六百七十四億円を計上いたしております。これらを合わせて見ますと、前年度当初に対し実に一千億円をこえる増加となり、その総額は三千百六十一億円と相なるのであります。なお、政府施策住宅全体では、このほか厚生年金住宅等をも合わせ四十万四千戸に達すると見込まれるのであります。  また、生活環境施設整備につきましては、公園、上下水道、終末処理施設ごみ処理施設等建設促進するとともに、公害防止対策にも特に配意いたしております。  さらに、新たに都市開発資金融資制度を設け、大都市における再開発推進するため、工場跡地等買収等に要する資金地方公共団体に融資することといたしております。  次に、道路整備につきましては、産業基盤整備をはかり、地域開発の一そうの推進に資するため、まず一般会計におきまして三千六百十三億円を計上いたしております。また、財政投融資計画におきましても、日本道路公団等有料道路事業について大幅な増額をはかり、一千六百七十一億円の資金を投入することといたしております。  空港につきましては、将来の国際航空輸送増大に対処して、四十一年度には新東京国際空港建設に着手するほか、東京及び大阪国際空港その他の整備を重点的に実施するとともに、港湾整備につきましても、輸出振興地域開発等に関連する事業に重点をおいてその促進をはかることにいたしております。  次に、日本国有鉄道につきましては、安全輸送の確保と輸送力の増強をはかるため、工事規模を大幅に拡充するとともに、特に四十一年度から山陽新幹線に着工することといたしました。また、日本鉄道建設公団につきましても、新線建設促進するため、五百億円の事業規模を確保することといたしております。  日本電信電話公社につきましては、旺盛な電話需要に対処するため、加入電話百二十三万個の増設等電信電話施設整備を進めることにいたしております。  さらに、治山治水対策につきましては、既定の計画促進をはかるとともに、一級水系追加指定等を行なうこととし、また、災害復旧等事業費を大幅に増額して、四十年発生災害につきその復旧進度を繰り上げる等の措置を講ずることといたしております。  輸出振興国際経済協力推進は、わが国経済の均衡ある発展をはかっていく上において不可欠の要件でありまして、四十一年度においても、重点的に施策拡充をはかっていくこととしておるのであります。  すなわち、まず大幅な企業減税により、企業国際競争力強化をはかりますとともに、日本輸出入銀行に対して千五百二十億円の財政資金を投入してその貸し付け規模を大幅に増額するほか、日本貿易振興会等が行なう輸出市場拡大のための諸事業拡充し、輸出の一そうの伸長を期することといたしております。  また、経済協力につきましては、韓国及び台湾向け借款増加等に対処して、海外経済協力基金に対する財政資金を大幅に増額いたすとともに、新たにナムグム・ダムの開発援助資金拠出、アジア開発銀行に対する出資等を行なうことといたしておるのであります。  さらに、貿易外収支改善に資するため、海運業再建整備外航船腹拡充国際航空事業育成強化等につきましても、格段の配意をいたしておるのであります。  農林漁業と並んで、中小企業生産性向上は、当面の緊要な課題であり、四十一年度においては、その近代化高度化を強力に推進するため、税制財政金融上の諸施策を総合的に展開することといたしております。  まず、一般会計におきましては、中小企業高度化資金融通特別会計への繰り入れを大幅に増額し、貸し付け条件改善を行なうとともに、新たに小売商連鎖化及び共同工場建設貸与制度を設けることといたしております。また、設備近代化補助小規模事業対策経営指導事業につきましても一そうの充実につとめることといたしておるのであります。  税制面におきましては、法人税軽減税率引き下げ等により、平年度七百億円をこえる減税を行なうことといたしております。  中小企業金融につきましては、まず財政投融資計画におきまして、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫に対し、二千五百四億円を投入、貸し付けワクの二割拡大をはかるほか、本年四月以降の長期貸し付け金利の三厘引き下げ等により中小企業者負担軽減につとめることといたしました。この措置は、昨年九月の引き下げに続く再度のものであります。  また、昨年十二月に、連鎖倒産防止のための保険制度の創設等大幅な改善が行なわれた信用補完制度につきましても、中小企業信用保険公庫融資基金に充てるため、四十年度補正予算による十億円の出資に引き続き、七十五億円を出資して、中小企業者に対する事業資金融通円滑化をはかることといたしております。  農林漁業につきましては、その近代化合理化を着実に推進するため、生産基盤整備充実するとともに、需要の変化に即応する生産選択的拡大経営近代化、価格の安定等施策を総合的に推進することにいたしております。  これがため、新たに事業規模二兆六千億円の土地改良長期計画を定め、圃場、農道等を中心に農業基盤整備計画的に推進いたしますとともに、林道、漁港等につきましても事業拡充をはかることとしております。また、農林漁業を通ずる構造改善事業推進農林水産物生産及び流通対策拡充、なかんずく畜産、園芸等成長部門生産拡大につとめるとともに、農地管理事業団等による自立経営農家育成農業保険の円滑な運営等につきましても施策強化することにいたしております。  また、当面重要な農林水産物の価格安定につきましては、野菜の集団産地育成食肉供給増大中央卸売市場整備水産物冷凍化普及等施策推進することといたしました。  さらに、金融面施策といたしましては、農林漁業金融公庫農業近代化資金等について、それぞれ貸し付けワク拡大するとともに、特に農業近代化資金融通円滑化をはかるため、都道府県の農業信用基金協会保証業務強化することとし、農業信用保険制度を創設することにより、その改善円滑化をはかることにいたしております。  石炭対策費といたしましては、昨年末の石炭鉱業審議会中間答申の線に沿い、石炭鉱業合理化離職者の援護及び産炭地域振興等に対する施策強化することにいたしまして、二百四十億円を計上いたしております。  食糧管理特別会計に対しましては、調整資金状況等を勘案いたしまして、一般会計から千三百十九億円を繰り入れることにいたしております。  産業投資特別会計におきましては、日本輸出入銀行に対する出資三百七十億円をはじめとする総額四百八十億円の出資を行なうこととし、これに要する財源として、一般会計から同特別会計へ四百四十億円を繰り入れることにいたしております。  予備費といたしましては、災害復旧に要する経費等、最近におけるその使用状況を勘案して、四十年度当初予算に対し百五十億円増の六百五十億円を計上いたしております。  四十一年度におきましては、大蔵省証券の発行限度額の引き上げ、及び災害復旧その他緊急の必要がある場合における国庫債務負担行為の限度額の引き上げを行なうこととし、予備費の増額と相まって、予算弾力的執行をはかることといたしております。  さらに、予算及び財政投融資計画を通じ、事業の執行を上半期に可及的に繰り上げ実施して、有効需要の喚起拡大をはかることにより、景気の早期回復を達成するとともに、年度を通じて安定的な成長を確保することにいたしております。  以上、主として一般会計予算について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ、経費及び資金重点的配分と効率的使用につとめ、事業の円滑な遂行を期することといたしております。  財政投融資につきましては、以上のそれぞれの項目において説明いたしておりますが、その原資といたしましては、出資原資として産業投資特別会計出資四百八十億円、融資原資として、資金運用部資金一兆二千三百六十一億円及び簡保資金千七百億円、合計一兆四千五百四十一億円の財政資金のほか、民間資金等の活用として、公募債借入金等五千七百三十二億円を見込み、合計二兆二百七十三億円を予定いたしております。  運用計画の策定にあたりましては、住宅建設に特に重点を置いてその推進をはかりますとともに、道路、運輸通信等社会資本充実輸出振興等により有効需要拡大に資することといたしますほか、中小企業及び農林漁業金融充実並びに生活環境施設文教施設等の整備拡充についてそれぞれ配意を加えておるのであります。また、地方財政につきましては、現下の状況にかんがみ、地方債計画において必要な措置を講ずることといたしております。  以上、昭和四十一年度予算につきまして、その概要を御説明いたしましたが、なお詳細にわたりましては、政府委員をして補足説明をいたさせます。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同いただきたいと存じます。(拍手)  次に、昨年末提出いたしました昭和四十年度政府関係機関補正予算(機第3号)につきまして、その概要を御説明申し上げます。  日本国有鉄道につましては、さきに政府関係機関補正予算(機第2号)により当面緊急に手当てを必要とする修繕費及び改良費等の追加等を行なうことといたしたのでありますが、さらに、今回、旅客及び貨物輸送量の減少による運輸収入減少等に伴う所要の予算補正を行なうこととしたものであります。  今回の補正予算におきましては、本年二月十五日以降に運賃の改定を行なうことといたしてもなお生ずると見込まれる減収額二百六十二億円につきまして、鉄道債券の発行等によりこれを補てんすることといたしております。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  9. 福田一

    福田委員長 引き続き、順次政府委員の補足説明を許します。主計局長谷村裕君。
  10. 谷村裕

    ○谷村政府委員 昭和四十一年度予算の概要につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでございますが、なお細部にわたりまして補足して御説明することといたします。  近年の一般会計当初予算について、それぞれ前年度当初予算に対する伸び率を比較いたしますと、四十一年度予算の伸び率一七・九%は、四十年度予算における一二・四%、三十九年度予算における一四・二%、三十八年度予算における一七・四%のいずれをも上回り、三十七年度予算における二四・三%以来四年ぶりの高い伸び率となっております。  四十一年度一般会計予算規模は、四十一年度国民生産の見込み額三十兆八十五百億円の一四%に相当するものであります。  最近の当初予算について、その規模を、それぞれの年度国民生産の当初見通しと比較いたしますと、四十一年度における一四%は、四十年度における一三%、三十九年度における一三・五%を上回り、三十八年度の一四%と並ぶものとなっております。  次に、国民生産に対する中央、地方政府財貨サービス購入の割合は、四十一年度には二三・二%に達すると見込まれるのでありますが、これは、四十年度当初における二一・四%、三十九年度当初における二一・九%、三十八年度当初における二二%のいずれをも上回るものであります。  次に歳入について申し上げますが、歳入予算のうち、税外収入三千八百十三億円の内訳は、専売納付金千八百十四億円、うち日本専売公社の納付金は千八百一億円、官業益金及び官業収入百七十三億円、このうち国立療養所等の病院収入が百六十億円、それから政府資産整理収入二百六十四億円及び雑収入千五百六十一億円となっております。  この雑収入のうちのおもなものといたしましては、日本銀行納付金四百二十二億円のほか、四十一年度の特別の財源対策として予定いたしました外国為替資金受け入れ百四十三億円及び農業近代化助成資金受け入れ二百八十一億円が含まれてあります。  公債発行の対象となります経費の金額七千六百五十億円の内訳は、一般会計予算総則第七条に掲げました公共事業費六千六百六十三億円、これは公共事業関係費が五千八百六十八億円、その他施設費七百九十五億円の計でございます。そのほか、出資金八百億円及び貸し付け金百八十七億円でございます。  それから前年度剰余金受け入れ五十三億円は、三十九年度決算の結果新たに生じた純剰余金二百四十億円のうち、四十年度補正予算第三号において歳入予算に計上いたしました額百八十七億円を控除した残額でございまして、地方交付税及び道路整備費に六億円、国債償還の財源に四十七億円が充てられることとなっております。  次に歳出のほうを申し上げます。  社会保障関係費六千二百十七億円は、前年度当初予算に対し千五十一億円の増加、伸び率は二〇・三%でございます。  生活保護費のうち、生活扶助基準の引き上げは二二・五%でございます。これにより、東京都の標準四人世帯に例をとりますと、生活扶助の支給額が月一万八千二百四円から二万六百六十二円に増額されることと相なります。  重症心身障害児対策といたしましては、新たに国立療養所等に五百二十床の施設を設けますほか、民間施設に対する療育費補助増額し、また、在宅重症心身障害児の訪問指導を開始するなど、対策の強化をはかっております。  また、従来の重度精神薄弱児扶養手当を重度障害児扶養手当に改めまして、新たに重度身体障害児をも支給対象に含めることといたしております。  国民年金についてちょっと申し上げますが、拠出制国民年金は、年金水準の大幅引き上げを行なうことといたしております。これにより、たとえば、二十五年拠出の老齢年金は、月額二千円から五千円に増額されることとなり、夫婦合わせていわゆる一万円年金が実現いたします。  また、福祉年金におきましても、老齢福祉年金の月額千三百円からこれを千五百円に引き上げるのほか、障害、母子及び準母子の各年金月額の引き上げ並びに各種所得制限の緩和等を行なうことといたしております。  国民健康保険助成費のうち市町村に対する療養給付費関係の国庫補助体系につきましては、次のようにその整備をはかっております。すなわち、従来、世帯員七割給付の実施に伴う療養給付改善特別補助金と、財政調整交付金の中に含まれておりました世帯給付改善交付金とを、これまで補助率二五%であった療養給付費補助金に統合いたしまして、これに伴いその補助率を四〇%に引き上げますとともに、財政調整交付金の交付率を一〇%から五%に改めることといたしました。  文教及び科学振興費五千四百三十三億円は、前年度当初予算に対し六百八十二億円の増加、伸び率は一四・四%であります。  義務教育諸学校の学級編制基準改善は、一学級当たりの最高児童生徒数四十八人を四十七人とすることを内容とするものであります。  公立文教施設整備費については、学校統合、危険改築等を重点としてその大幅な増加をはかるとともに、単価、構造比率及び屋内運動場の補助基準等の改善を行なうこととして、前年度予算に比べ二割増の二百四十七億円を計上いたしております。  学校給食改善の内容は、国内産なま牛乳の使用量の引き上げ、前年度の七十万石から百万石へとふやしております。給食設備の整備、学校栄養職員の増員、要保護及び準要保護児童生徒のおかず代の引き上げなど、その内容の改善をはかっております。さらに、高度僻地の学校の児童生徒に対しましては、新たに、パン及びミルクを無償で給与することといたしております。  私学の振興につきましては、私立学校振興会に対する出資を十億円から十二億円に、財政投融資を百億円から百九十億円に増額いたしまして、その貸し付け規模を百五十億円から二百四十億円と飛躍的に拡大することといたしております。  このほか、理科教育設備、研究設備等に対する補助強化することとし、これらを含め、私立学校助成費として前年度当初予算に比べ二割増の五十二億円を計上いたしております。  一般会計における地方財政対策は、地方交付税交付金七千五百七倍円、臨時地方特例交付金四百十四億円、合計七千九百二十一億円でございます。これは、前年度当初予算における地方交付税交付金七千百六十二億円に対し、七百五十九億円の増加となっております。  地方交付税交付金につきましては、交付税率を二九・五%から三二%に引き上げました。  地方交付税交付金七千五百七億円は、四十一年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込み額合計額二兆主千四百五十六億円にこの交付税率三二%を乗じて得ました額七千五百六億円と過年度精算額一億円との合計額でございます。  臨時地方特例交付金四百十四億円につきましては、二百四十億円は、日本専売公社が小売り人等へ売り渡す製造たばこの本数によりまして、また、百七十四億円は、普通交付税の配分方式に準じまして、それぞれ地方公共団体に交付することといたしております。  以上の措置により、現行交付税率で算定した場合に対し、合計一千億円の対策を講じた次第であります。  公共事業関係費は、特別失業対策事業費四十一億円を含めて合計八千八百四億円でございます。  これは前年度当初予算に対し一千四百四億円の増加、伸び率は一九%となっております。  政府施策住宅建設単価は、建築物価指数の上昇率のほか、質の向上をも加味いたしまして、工事費、用地費単価ともその引き上げを行なっております。  また、規模は、第二種公営住宅の中層耐火等につき〇・五坪、改良住宅につき一坪、公庫住宅の分譲共同住宅につき〇・五坪、公団住宅の普通分譲住宅につき一坪、その他の公団住宅につき〇・五坪をそれぞれ拡大することといたしております。  さらに、四十一年度の重点施策である中堅勤労者の持ち家対策につきましては、新たに公庫に産業労働者用分譲住宅制度を設け、従業員が勤務先から貸し付け等を受けて分譲住宅を取得する制度を設けました。また、公団におきましても、一定の賃貸期間経過後分譲する方式の分譲住宅制度を設けることといたしました。四十一年度におきましては、両者それぞれ五千戸ずつ、合計一万戸を予定いたしております。  道路整備事業費三千六百十三億円の財源構成は、揮発油税収入等の特定財源が二千七百九十八億円、一般財源が八百十五億円となっております。特に一般財源につきましては、揮発油税収入の伸びの鈍化等を勘案し、前年度当初予算の五百二十億円に対し二百九十五億円という大幅な増額を行なっているのでございます。  日本国有鉄道工事規模につきましては、前年度当初予算の三千億円から三千六百億円に拡大することといたしております。  日本電信電話公社建設費につきましては、前年度当初予算の三千三百六十九億円から四千百二十億円に拡大することといたしております。  貿易振興及び経済協力費二百八十一億円は、前年度当初予算に対し、百五十二億円の加増、伸び率は一一七・五%でありまして、前年度の二倍をこえる予算額となっております。  また、このほか海運対策費百四十五億円を計上いたしております。  日本輸出入銀行におきましては、貸し付け規模を前年度当初計画の千九百四十五億円から二千三百三十億円に拡大することといたしております。  海外経済協力基金に対する一般会計出資及び財政投融資を、それぞれ前年度の十億円から七十五億円に増額し、合わせて百五十億円の財政資金を投入し、その事業規模を百四十億円から二百二十億円に拡大することといたしております。  なお、韓国に対する無償経済協力費につきましては、別途、特殊対外債務処理費のうちに八十九億円を計上いたしております。  アジア開発銀行は、アジア地域について、地域一内の経済成長を高め、経済協力を助長し、かつ、地域内の開発途上にある加盟国の経済開発促進することを目的として設立されるものでありまして、四十一年度には、同銀行に対し三十六億円(一千万ドル)を出資することといたしております。  日本開発銀行の海運融資ワクは、七百七十三億円でありまして、前年度当初計画の五百七十三億円に対し、二百億円の増額となっております。  中小企業対策費二百九十三億円は、前年度当初予算に対し、七十七億円の増加、伸び率は三五・八%であります。  中小企業高度化資金につきましては、一般会計から中小企業高度化資金融通特別会計へ八十億円を繰り入れ、同特別会計から都道府県に八十一億円の貸し付けを行なうことといたしております。  その内容につきましては、償還期間の延長等貸し付け条件の大幅な改善をはかるとともに、新たに消費者物価対策の一環として、流通過程の合理化をはかるため、商工業協業化資金のうちに小売商連鎖化資金一億円を追加し、また、小規模企業共同工場建設貸与資金十六億円を創設いたしております。  政府関係中小金融三機関に対する財政投融資二千五百四億円の内訳は、国民金融公庫千百二十九億円、中小企業金融公庫千三百十億円及び商工組合中央金庫六十五億円となっております。  国民金融公庫及び中小企業金融公庫におきましては、本年四月以降、長期貸し出しの基準金利を現行の年利八・七%から〇・三%引き下げて八・四%といたしますほか、商工組合中央金庫におきましても、組合貸しの長期貸し出しについて年利〇・三%の引き下げをはかることといたしております。  農林水産業構造改善対策費二百三十四億円の内訳は、農業関係百九十五億円、林業関係二十四億円及び沿岸漁業関係十五億円となっております。このうち、農業構造改善事業につきましては、四十一年度に新たに四百八十地域において事業に着手いたしますほか、さらに五百市町村を計画地域として指定することといたしております。  生鮮食料品対策のおもな項目は、野菜の生産と出荷の安定をはかるための野菜集団産地育成、カンラン等の価格安定資金の助成、食肉供給の増強をはかるための肉用牛繁殖育成センターの設置等に対する助成、中央卸売り市場の整備に対する補助増加水産物価格の安定をはかるため冷凍化した多獲性の魚の出荷調整事業の試験的な実施などであります。  農林漁業金融公庫におきましては、新規貸し付け契約額を前年度の千二百四十億円から千四百二十億円に拡大することといたしております。  農業近代化資金の新規貸し付けワクを前年度の七百億円から八百億円に拡大いたしますとともに、生産家畜及び果樹の育成資金等を新たに融資対象に加え、また、貸し付け金利を年利〇・五%引き下げることといたしております。  なお、農業近代化資金にかかる債務保証制度充実強化するため、都道府県の農業信用基金協会の行なう債務保証について保険するとともに、債務保証に必要な資金の融資を行なうため設立される農業信用保険協会に対して四十四億円を交付することといたしております。  特別会計につきましては、一般会計の関連する項目においてそれぞれ御説明いたしましたので、ここでは四十一年度新設を予定する地震再保険特別会計及び都市開発資金融通特別会計について御説明いたします。  なお、この二特別会計の新設に伴い、特別会計の数は四十五と相なります。  地震再保険特別会計は、地震等による被災者の生活安定に寄与するため、住宅及び家財について超過損害再保険制度を創設することに伴って新たに設けられるものであります。  都市開発資金融通特別会計は、大都市における再開発促進し、都市計画事業を円滑に実施するため、関係地方公共団体に対して工場跡地等の買収及び特に重要な都市計画施設の用地の先行取得を行なうための資金を融資することを目的として、新たに設けられるものであります。  なお、この会計に対しては、一般会計から五億円を繰り入れますほか、十億円の財政投融資を行なうことにいたしております。  政府関係機関につきましては、関連する項目においてそれぞれ御説明いたしたとおりでございます。  以上でございます。
  11. 福田一

    福田委員長 次に主税局長塩崎潤君。
  12. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 歳出予算に引き続きまして、昭和四十一年度租税及び印紙収入予算について御説明申し上げます。  お手元に配付申し上げました昭和四十一年度租税及び印紙収入予算の説明、これに従いまして御説明申し上げたいと思います。  まず三ページをお開き願いたいと思います。この三ページに昭和四十一年度租税及び印紙収入予算額の全貌が掲げられてございます。その説明は一ページから始まってございます。  昭和四十一年度一般会計における租税及び印紙収入予算額は三兆一千九百七十七億一千百万円でありまして、この額は昭和四十年度の当初予算額三兆二千八百七十七億九百円万に対しまして、八百九十九億九千八百万円の減少でございます。しかし一方、昭和四十年度補正後の予算額三兆二百八十七億三百万円に比較いたしますると、千六百九十億八百万円の増加となっておるのでございます。この予算額は昭和四十一年度における租税及び印紙収入予算額を現行の税法によって見積もった場合の収入額三兆四千六十六億六千六百万円、つまり自然増収補正後の予算額に対しましては三千七百九十九億六千三百万円、当初予算に対しましては千百八十九億五千七百万円の自然増収を見積もっておるのでございます。その収入額から、今回別紙要綱の税制改正に伴いまするところの、第一に所得減税企業減税等の減税による減収見込み額二千六十三億九千百万円、第二に租税特別措置の整理、合理化による増収見込み額五億四千八百万円、第三に関税率の改定等による減収見込み額三十一億千二百万円、この合計減収見込み額二千八十九億五千五百万円を差し引いたものでございます。  なお、この一般会計における予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となる地方道路税、石油ガス税及び特別とん税の予算額五百六十六億五千九百万円を合わせますと、昭和四十一年度における国の租税及び印紙収入予算額の総額は三兆二千五百四十三億七千万円になる予定でございます。  以上が全貌でございますが、この全貌を二つに分けて御説明申し上げます。  第一は、現行法のもとにおきますところの四十一年度租税及び印紙収入予算の動きでございます。この予算額は、最近までの課税及び収入状況並びに今後の経済情勢の推移を考慮して見積もったものでございますが、昭和四十一年度わが国経済は、このあとで御説明があると思いますが、昭和四十一年度経済見通し、五二ページに参考に掲げてございます。これに基づきまして、漸次均衡がとれ、安定した成長の路線に乗っていくものと期待し、国民生産は対前年度一一・三%、実質七・五%成長するものとして、租税及び印紙収入予算の見積もりを立てておるのでございます。  すなわち昭和四十一年度におきましては、鉱工業生産は対前年度八%と、伸び率は回復するが、昭和四十年度において伸び率が二・四%と停滞した影響もあり、また卸売り物価はほぼ横ばいに推移すると見込まれますので、法人税収入には多くを期待はできませんが、雇用、賃金の伸びに伴う給与所得の増加、個人消費等の堅調な増勢にささえられた事業所得の増加等が見込まれますので、所得税においては相当の増収が期待されているのでございます。また間接税については、最近の課税状況等を勘案して算定いたしておりまするけれども、総じて若干の増収にとどまるものと見込んでいるのでございます。  ちなみに三千七百七十九億六千三百万円の自然増収のうち、所得税が千九百八十二億千七百万円、法人税は三百六十億七千九百万円となっておりまして、所得税は自然増収のうちの五二・四%、法人税はわずか九・五%という姿を示しておるのが今回の租税及び印紙収入予算の自然増収の特徴でございます。  個々の税目につきましての歳入見込みの詳細につきましては、詳細は略させていただきまして、第二に、このような現行法の租税及び印紙収入予算を基礎といたしまして行なわれましたところの税制改正の姿並びにそれによりますところの租税及び印紙収入予算の動きにつきまして、御説明申し上げたいと思います。  二五ページに昭和四十一年度税制改正の要綱の全貌が示されております。これに基づきますところの租税及び印紙収入の動きは三十三ページと、もとへ返りまして四ページ、五ページに詳細にその内容について減収見込み、あるいはまた増収見込みが掲げられております。  その税制改正の要綱につきまして、大要だけ申し上げたいと思います。  今回の税制改正は平年度三千六十九億円、初年度二千五十八億円の戦後最大の減税が行なわれることになっておるのでございますが、その大きな柱は四点ばかりございます。第一は中小所得者の負担軽減のための所得税の減税でございます。第二は国民の適正な財産形成を確保するための相続税の減税でございます。第三は中小企業の体質強化を重点といたしますところの企業減税でございます。第四は健全な消費需要の喚起等のための物品税の減税でございます。  まず第一に所得税の減税でございますが、これには重点が二つございます。一つは課税最低限を標準世帯につきまして、現在の五十六万四千円から平年分六十三万一千円に引き上げようといたしますところの課税最低限の引き上げが第一の重点でございます。第二の重点は昭和三十二年以来行なわれておりませんでしたところの税率の緩和が課税所得三百万円までの階層につきまして行なわれた点でございます。このような減税の結果、所得税は平年度千五百五億円、初年度千二百八十九億円の減収になる見込みでございます。  第二は相続税及び贈与税の減税でございます。昭和三十三年以来の相続税の大減税でございますが、平年度百五十億円、初年度五十億円の減収となっております。重点は、相続税につきましては課税最低限を標準的な相続につきまして五百万円から千万円に引き上げることでございます。第二の重点は夫婦間の贈与、さらにまた夫婦間の相続につきましてさらに軽減を行なったことでございます。第三は税率の緩和を相続税、贈与税につきまして昭和三十三年以来大幅に行なったことでございます。  第三の柱であります企業減税につきましては、三つばかりの重点がございます。  第一は、企業体質の改善促進でございまして、第二は中小企業の体質の強化でございます。第三は輸出振興でございます。この三つの重点によりまして、平年度千七十七億円、初年度四百三十一億円の減税を行なうことといたしております。  第四の柱は物品税の減税でございます。物品税の減税につきましては、昭和三十七年以来の減税でございまして、課税の廃止、免税点の引き上げ、税率の引き下げ等によりまして、平年度三百四十七億円、初年度二百八十七億円の減税を行なうことといたしております。  なお特別措置の整理合理化、その他土地対策あるいは住宅対策のための、最近の経済情勢に応ずるところの税制改正が行なわれることになっておることは御承知のとおりでございます。  三ページに返っていただきまして、このような税制改正の結果、先ほど申し上げましたように平年度三千六十九億円、初年度二千五十八億円の減税が国税において行なわれたのでございますが、そのほか最近の情勢に応じまして銅不足に対処する等、関税におきまして平年度三十七億円、初年度三十一億円の減税が行なわれることになっております。したがいまして、合計国税におきまして平年度三千百六億円、初年度二千八十九億円の減税一般会計において行なわれることになっております。  なお、御参考までに、地方税におきましては平年度五百十五億円、初年度二百五十七億円の減税が行なわれることになっておりまして、国税、地方税合わせまして三千六百二十一億円、初年度二千三百四十六億円の国民負担の軽減が行なわれることになっておるのでございます。  このような税制改正の結果、国民所得に対します租税負担率が幾らになるかという点につきましては、四八ページにその表が掲げられております。四十年度には二一・二%の負担率になるのでございますが、四十一年度におきましては、このような減税の結果、租税負担率は二〇・二%になる予定でございます。さらにまた直接税、間接税の負担がどのようになるかにつきましては、四九ページにその数字が掲げられておるのでございます。四十年度には直税の割合が五九%、間接税が四一%でございましたが、四十一年度には五七・七%が直接税であり、間接税が四二%、直接税の減税に重点が置かれました結果、間接税の割合が若干上がるようになっておるのでございます。  以上が、簡単でございますが、昭和四十一年度租税及び印紙収入予算の補足説明でございます。
  13. 福田一

    福田委員長 次に、理財局長中尾博之君。
  14. 中尾博之

    ○中尾政府委員 昭和四十一年度財政投融資計画及び財政資金の対民間収支見込みにつきまして、重複を避けまして若干補足いたします。  お手元にお配りいたしてございます昭和四十一年度予算の説明の七六ページに財投の説明がございます。ごらんになりながらお聞き取り願いますれば幸いでございます。  昭和四十一年度財政投融資計画は、先ほど御説明がございましたとおり、総額二兆二百七十三億円でございまして、四十年度の当初計画額一兆六千二百六億円に比較いたしますと、四千六十七億円、二五・一%の増加となっております。ここ数年来の増加は二〇%程度でございますので、相当大幅な増加ということでございます。  最初に、原資につきまして補足いたします。右上の一の「原資見込」の表にあるのでございまするが、まず産投会計出資でございまするが、補給金方式の活用をはかることにいたしまして、四十年度当初計画額に対しまして七十七億円減の四百八十億円を計上することにいたしております。この財源といたしましては、産投会計の資金は、四十年度において全額取りくずしておりまするので、同特別会計の新規の自己財源のほか、一般会計から四百四十億円を繰り入れることにいたしております。これは四十年度の当初予算に比べまして三百十五億円の増加でございます。次に、資金運用部資金につきましては一兆二千三百六十一億円、四十年度当初計画額に対しまして千七百二十二億円の増加計画いたしております。この大宗を占めまするのは、郵便貯金と厚生年金でございますが、郵便貯金につきましては、四十年度に対しまして千百億円の増加、すなわち四千九百億円を見込んでございます。郵便貯金は、最近おおむね順調な伸びを続けてまいっておりまするので、四十一年度におきましても、増加見込み額をある程度十分に達成できることと考えておる次第でございます。また厚生年金につきましては、保険料収入の自然増等を見込みまして、四十年度に対しまして七百九十二億円増の四千五十二億円を計画いたしております。次に、簡保資金でございますが、これは契約の集中満期の影響がございまして、四十年度におきましては、三十九年度に対して四百億円減少したのでございますが、四十一年度におきましては、その影響が解消いたしました。四十年度に対しまして六百億円増の千七百億円を見込んでございます。次に、公募債借り入れ金等につきましては、五千七百三十二億円を予定いたしております。四十年度の当初計画額に対しまして千八百二十二億円の増加を見込んでおるものでございます。このうち国内民間資金につきましては、五千二百九十億円と、四十年度当初計画額に対しまして二千三十億円の増加ということになっておりますが、これは、ただいまの経済情勢に基づきます民間資金需要の実情に顧みまして、民間部門におきまする貯蓄を財政部門に導入いたすことによりまして、積極的に財政支出の拡大をはかりまして、当面の景気回復につとめることによりまして、すみやかに経済の安定的成長を確保するため必要とするものと考えたものでございます。  なお、民間資金の内訳を申し上げますと、その主体をなしまする政府保証債の発行予定額は四千億円でございます。四十年度当初計画額に対しまして千七百三十億円の増加となっております。地方公募債は五百六十億円を予定いたしておりますが、これは四十年度当初計画額に対しまして百億円の増加でございます。また日本住宅公団が生命保険会社及び信託銀行から借り入れておりまする借り入れ金につきましては、七百三十億円を予定いたしております。四十年度当初計画額に対して二百億円の増加でございます。次に外貨債等につきましては、四百四十二億円を予定しておりまして、四十年度に対しましては二百八億円の減少となっております。外貨債につきましては、外国資本市場が相当詰まっておりまする状況等を勘案いたしまして、産投外債を五千万ドル及び政府保証外債を二千五百万ドル、この両者を計画に計上いたしております。また世銀借款につきましては、四十一年度中に借り入ることになる予定額を計上しておるものでございます。  以上の原資を合計いたしますると、二兆二百七十三億円になるものでございます。全体といたしまして、政府政府関係機関、地方公共団体あるいは民間、各方面におきまするところの資金需要につきまして、経済見通しに即しました適正なる資金の配分が行なわれることを大観的に見当をつけまして、その適切な配分を期した次第でございます。  この原資をもちまして四十一年度財政投融資の運用を行なうわけでございまするが、先ほど提案理由説明において申し上げましたとおり、住宅建設に特に重点を置きまして、これを推進することといたしますとともに、道路、運輸、通信等、社会資本充実輸出振興等をはかることによりまして、有効需要の急速なる拡大をはかることにいたしております。また中小企業及び農林漁業金融充実並びに生活環境施設文教施設等の拡充整備につきましても、それぞれ配慮を加えておるものでございます。また地方財政につきましても、現下の状況に顧みまして、地方債計画におきまして必要の措置を講ずることといたしておるものでございます。  これら各機関に対する運用の詳細につきましては、多岐にわたることでもございまするし、先ほど来の御説明とも重複する部分がございますので、詳細は省略させていただきますが、七八ページの中ほど以下にIIIの「使途別分類表」というのがございます。これによりまして、その大要について申し上げますと、まず住宅につきましては、先ほども申し上げましたように、特に重点を置きまして、財政投融資の拡充をはかっておるのでございまするが、その状況は一番右の欄の「財投合計」の欄でごらんいただけるものと存じます。以下、生活環境整備、厚生福祉施設文教施設中小企業農林漁業と続きます1から6までがいわゆる国民生活に最も密接な関係を有します部門でございまするが、これらの部門に対する財政投融資は、総額一兆八百二十六億円でございまして、四十年度に対しまして二六・五%を増加いたしました。財政投融資計画全体の伸びを上回っておるものでございます。7から10まではいわゆる社会資金を形成する部門でございますが、この部門におきましても六千三百十五億円の財政投融資を行なうことにいたしております。  以上で四十一年度財政投融資計画についての補足説明を終わります。  次に、国庫収支見込みについての御説明を補足いたします。  別冊で一枚のごく薄い資料で「昭和四十一年度予算に関する参考資料」というのをお手元にお届け申し上げてございまするが、それをごらんいただきたいと存じます。四十一年度の国庫収支の見込みでございまするが、合計欄の数字のとおり二千七百九十億円の散布超過と見込まれます。  これはまず一般会計におきまして、前年度剰余金の残額を財源に使用いたしまする分と、それから外為資金農業近代化資金等経費に活用いたしまする分、これらによりまして過去の資金の散布が行なわれますので、これが五百二十一億円の散布超過ということに相なります。また食管会計におきまして、食糧証券の発行の増加によりまして百三十二億円の散布超過、それから資金運用部におきまして三百億円の散布超過が計画されます。さらに日銀との間におきまする納付金、あるいは法人税といったような関係のやりとりの調整及び各特別会計の収支を総合いたしました関係におきまして、三百九十七億円の散布超過になるものと予定されております。これらを合計いたしまして、一般財政におきましては、千三百五十億円の散布超過を見込んでおる次第でございます。このほか外為資金につきましては、昭和四十一年度の国際収支が四億ドルの黒字ということで見通しが立てられておりまするので、これによりまして、千四百四十億円の散布超過になるものと見込まれます。以上によりまして四十一年度の国庫収支といたしましては、二千七百九十億円の散布超過と見込まれる次第でございます。もとよりこれは見込みでございまして、ただいま御説明申し上げましたとおり、予算計画されましたとおりのお米がとれ、それから国際収支もちょうどこれでおさまる、それから税金もちょうど歳入に計上した額だけが収納されるという前提で計算されたものでございますることは、特に申し上げるまでもございませんが、つけ加えて御説明申し上げる次第でございます。  以上で、国庫収支の見込みについての補足説明を終わります。
  15. 福田一

    福田委員長 次に、経済企画庁調整局長宮沢鉄蔵君。
  16. 宮沢鉄蔵

    ○宮沢政府委員 予算の参考として、昭和四十年度経済情勢昭和四十一年度経済運営の基本的態度及び経済見通しにつきまして、概要を御説明申し上げます。  お手元にお配りしてあります「昭和四十一年度経済見通しと経済運営の基本的態度」をごらんいただきたいと思います。  初めに、四十一年度の出発点となります四十年度経済情勢について概略を御説明いたしますと、御承知のとおり、景気の回復が予想外におくれ、わが国経済は、三十九年末以来の金融緩和策の実施にもかかわらず、四十年度に入ってからも停滞状態を続けました。これに対処し、政府は、過般来景気の早期回復をはかるため、財政金融両面からの景気対策を鋭意実施してきており、また、民間産業界においても、自主的な不況対応策が進められております。これらの諸対策が相まって、今後年度末にかけて、経済は徐々に明るさを増していくものと期待されますが、年度を通じて見ますと、遺憾ながら四十年度の日本経済は、総じて停滞基調に推移するものと考えられます。  このような四十年度わが国経済の実績見込みについて、まず国内需要の面から見ますと、政府支出や個人住宅建設は、堅調な伸びを示しておりますが、民間設備投資や在庫投資は、前年度水準を下回る見通しであります。国内需要の停滞を反映して、鉱工業生産も横ばいぎみに推移しておりまして、年度末に若干上昇しても前年度比二・四%程度の上昇にとどまる見込みであります。  他面、国際収支は好調でございまして、輸出が顕著な増加を示し、輸入が国内景気の停滞を反映して落ちついた推移をたどっておりますので、貿易収支は、年度間で十五億五千万ドル程度の大幅な黒字になると思われます。したがいまして、貿易外収支や資本収支が相当の赤字を示すとしましても、総合収支で二億ドル程度の黒字になるものと予想されます。  また、物価の動向について見ますと、卸売り物価は、全体として横ばいに推移しているのに対し、消費者物価はかなりの騰勢を示し、前年度比七・七%程度の上昇になるものと見込まれます。  以上のような経済情勢のもとで、四十年度国民生産は、ほぼ二十七兆七千二百億円の規模となり、経済成長率は、前年度比で実質二・七%、名目八%程度となる見込みであります。  次に、昭和四十一年度経済運営の基本的態度及び経済見通しについて御説明申し上げます。  四十一年度わが国経済においては、民間需要は、総じてゆるやかな上昇にとどまる見通しであり、一方社会資本の不足、消費者物価の上昇、低生産性部門近代化の立ちおくれ等、経済・社会のひずみについても、すみやかにその是正をはかるごとが必要とされております。このような情勢に対処し、有効需要拡大をはかって景気を回復に導き、あわせて経済・社会のひずみ是正を積極的に推進し、経済を、均衡がとれ、安定した成長路線に乗せていくため、四十一年度においては、本格的に公債政策を導入し、所得税及び法人税を中心とする大幅減税を実施するなど、積極的かつ弾力的な財政政策を推進しなければならない状態になっております。  また、世界経済及び世界貿易の動向につきましては、当面なお、おおむね順調な拡大基調を続けるものと思われますが、輸出競争の一そうの激化、米国の公定歩合の引き上げ、開発途上国における外貨不足の影響等もありまして、わが国をめぐる国際経済環境には必ずしも楽観を許さないものがあります。  このような内外の情勢を認識し、四十一年度を、均衡がとれ、安定した成長へ乗り出す年とするため、その経済運営にあたりましては、健全にして弾力的な財政金融政策を中心とする経済政策の適切な運用によって景気の回復をはかり、消費者物価の安定化につとめるとともに、経済各分野における質的充実に意を用い、経済の均衡ある発展及びそれと調和のとれた社会開発推進することを基本的態度とすることにしております。  このため、社会資本充実、消費者物価の安定、企業体質の改善、農業、中小企業等の近代化輸出振興経済協力推進、社会開発推進等の重点施策を強行に推進することにしております。  このような経済運営の基本的態度に基づき、四十一年度における経済成長の姿を想定いたしますと、経済は、政府、民間の努力が相まって均衡がとれ、安定した成長の路線に乗っていくものと期待され、実質七・五%、名目二・三%程度の堅実な成長を達成し得るものと考えられます。  次に、この場合における経済の主要項目について簡単に御説明申し上げます。  まず、個人消費支出は、経済がゆるやかに回復し、勤労所得をはじめ、各種所得が落ちついた伸びを示すことになると見られますので、伸び率は、前年度比一一・二%程度と見込まれます。設備投資につきましては、経済全体の回復テンポがゆるやかであります上に、一部業種に依然として設備の過剰が見られることなどから、前年度をわずかに上回る四兆五千五百億円程度の規模にとどまるものと見込まれます。また、在庫投資は、経済活動がゆるやかな回復を示すものと見込まれますので、その規模は八千億円程度と比較的小さなものの、四十年度の落ち込みが大きいので、前年度比二三・一%程度の伸びが見込まれます。このような民間需要のゆるやかな回復を補い、有効需要を喚起して景気の早期回復をはかるため、政府財政規模を積極的に拡大しておりますので、政府の財貨サービスの購入は、中央、地方財政を通じて七兆一千五百億円程度と見込まれ、伸び率は十五%程度になるものと見込まれます。また、個人住宅建設につきましては、四十年度に引き続き順調に拡大し、二六・一%程度の大幅な増加が見込まれます。  このような需要面に対応する供給面におきましては、まず、鉱工業生産は、国内需要のゆるやかな回復に伴い、前年度比八%程度の伸びが見込まれます。農林水産業の生産につきましては、需要の強い畜産物、果実、野菜などの生産の順調な伸びが期待できますことのほか、米作についても順調な推移を期待するとして、農林水産業総合では、おおむね三・一%程度上昇するものと見込まれます。  次に、国際収支でございますが、輸出はその伸びがかなり鈍化し、年度間九十四億ドル、前年度比一〇・六%増程度になるものと思われます。一方輸入につきましては、前年度比九・四%程度増加して七十六億ドル程度にとどまると見込まれ、貿易収支では、十八億ドル程度の大幅な黒字になるものと思われます。貿易外収支が九億ドル程度の赤字に達するものと見られ、資本収支も年度間では五億ドル程度の赤字は避けられないものと思われますが、貿易収支の大幅黒字にささえられて、総合収支では四億ドル程度の黒字を示すものと思われます。  また、物価につきましては、卸売り物価はほぼ横ばいに推移するものと考えておりますが、消費者物価につきましては、各般の物価対策を強力に推進することによりまして、四十年度に比べ、五・五%程度の上昇におさまることが期待されるのであります。  以上、四十一年度経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第でございます。
  17. 福田一

    福田委員長 以上をもちまして政府の説明は終わりました。      ————◇—————
  18. 福田一

    福田委員長 この際、公聴会の件についておはかりいたします。  御承知のとおり、総予算につきましては公聴会を開かなければならないことになっておりますので、この際昭和四十一年度、総予算について、議長に対し公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。  なお、公聴会の開会承認要求並びに公聴会の開会に関する諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次会は明日午前十時より委員会開会し、昭和四十一年度予算に対する総括質疑に入ります。  なお、本日の委員会散会後直ちに理事会を開きますから、理事の諸君は委員長室にお集まり願います。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十二分散会