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1966-06-23 第51回国会 衆議院 本会議 第67号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十三日(木曜日)     —————————————  議事日程 第四十四号   昭和四十一年六月二十三日    午後二時開議  第一 風俗営業等取締法の一部を改正する法律   案(地方行政委員長提出)  第二 農業災害補償法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第三 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を   改正する法律案内閣提出)  第四 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給   法案内閣提出)  第五 日本万国博覧会準備及び運営のために   必要な特別措置に関する法律案内閣提出)  第六 所得に対する租税及びある種の他の租税   に関する二重課税回避のための日本国とド   イツ連邦共和国との間の協定締結について   承認を求めるの件(参議院送付)  第七 外国為替資金特別会計法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  第八 アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関   する法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 風俗営業等取締法の一部を改正する   法律案地方行政委員長提出)  日程第二 農業災害補償法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第三 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一   部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 戦傷病者等の妻に対する特別給付金   支給法案内閣提出)  日程第五 日本万国博覧会準備及び運営のた   めに必要な特別措置に関する法律案内閣提   出)  日程第六 所得に対する租税及びある種の他の   租税に関する二重課税回避のための日本国   とドイツ連邦共和国との間の協定締結につ   いて承認を求めるの件(参議院送付)  日程第七 外国為替資金特別会計法の一部を改   正する法律案内閣提出)  日程第八 アジア開発銀行への加盟に伴う措置   に関する法律案内閣提出)    午後二時六分開議
  2. 園田直

    ○副議長園田直君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 風俗営業等取締法の一部を改正す   る法律案地方行政委員長提出
  3. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。  日程第一、風俗営業等取締法の一部を改正する法律案議題といたします。
  5. 園田直

    ○副議長園田直君) 提出者趣旨弁明を許します。地方行政委員長岡崎英城君。   〔岡崎英城登壇
  6. 岡崎英城

    岡崎英城君 ただいま議題となりました風俗営業等取締法の一部を改正する法律案は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党の合意に基づき成案を得、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会提出にかかる法律案として提案いたしたものであります。  以下、提案理由並びにその内容概要につきまして御説明いたします。  まず、この法律案を立案した理由を申し上げます。  本案は、過ぐる第四十六回国会において風俗営業等取締法の一部改正が行なわれました際、付せられた附帯決議趣旨に沿い、本委員会に設けられた風俗営業等に関する調査小委員会の結論を基礎として立案されたものでありまして、その目的とするところは、善良風俗を維持するため、トルコぷろ営業及びストリップ劇場等興行場営業に対して必要な規制を加えようとするものであります。  次に、本案内容について御説明いたします。  まず、トルコぶろ営業に対する規制から申し上げますと、  第一に、トルコぶろ営業は、官公庁施設、学校、図書館及び児童福祉施設並びにその他の施設で、善良風俗を害する行為を防止する必要上、都道府県条例で定めた施設の周囲二百メートルの区域内では営業を営むことができないこととしております。  第二に、都道府県は、善良風俗を害する行為を防止するため、必要があるときは、条例により地域を定めてトルコぶろ営業を営むことを禁止することができることとしております。  第三に、以上に述べましたトルコぶろ営業に対する場所の規制は、これらの規定施行または適用の際、現に公衆浴場法の許可を受けてトルコぷろを営んでいる者の営業については適用しないこととしております。  第四に、都道府県公安委員会は、トルコぶろ営業を営む者、またはその代理人使用人その他の従業者が、トルコぶろ営業に関して売春、わいせつその他の風俗犯罪を犯した場合には、八月をこえない範囲内で期間を定めて営業停止を命ずることができることとしております。  次に、興行場営業停止について申し上げます。  都道府県公安委員会は、ストリップ劇場ヌードスタジオ等興行場営業を営む者、またはその代理人使用人その他の従業者が、その営業に関し公然わいせつ罪等を犯した場合には、六月をこえない範囲内で期間を定めて営業停止を命ずることができることとしております。  以上の措置に伴い、罰則その他所要規定を整備するとともに、この法律は、昭和四十一年七月一日から施行することとしております。  以上が本案提案理由及びその内容概要であります。すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  7. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本案可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、本案可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 農業災害補償法の一部を改正する   法律案内閣提出
  9. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第二、農業災害補償法の一部を改正する法律案議題といたします。
  10. 園田直

  11. 中川俊思

    中川俊思君 ただいま議題となりました内閣提出農業災害補償法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  現行家畜共済制度は、昭和三十年死廃病傷共済一元化制度改正が行なわれて以来、基本的な改正が行なわれないまま今日に至っているのであります。しかしながら、最近におきましては、酪農を中心に多頭飼養化進行等畜産経営について地域的にも内容的にも変化が生じてまいりましたため、本案は、かかる畜産事情変化に即応して、引き受け方式改善共済事故選択制の新設、国庫負担方式改善異常事故についての政府の再保険責任の強化、その他所要改善措置を講じようとするものであります。  本案は、四月二十日提出され、同日付託されたものであります。本委員会におきましては、四月二十六日政府から提案理由説明を聴取し、六月十七日以降数次にわたり質疑を行ない、六月二十一日採決いたしましたところ、賛成多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対しては、自民、社会、民社三党共同提案によって、共済掛け金国庫負担対象となる共済金額最高限度については、最近における家畜価格上昇傾向に即応するよう引き上げること等六項目の附帯決議全会一致をもって付されましたことを申し添えます。  以上、報告を終わります。(拍手)     —————————————
  12. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  13. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法案内閣提出
  14. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第三、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案日程第四、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  15. 園田直

  16. 田中正巳

    田中正巳君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  第一に、戦傷病者戦没者遺族等援護法改正についてでありますが、  その第一点は、昭和十六年十二月八日以後満州等において総動員業務と同様の業務協力しておった者を準軍属として処遇すること。  第二点は、戦傷病者が療養の給付を受けている場合においても、障害年金を支給すること。  第三点は、準軍属款症程度障害者に対して、障害年金または障害一時金を支給すること。  第四点は、準軍属にかかる障害年金及び遺族給与金の額を、軍人軍属にかかる障害年金及び遺族年金の額の十分の五から十分の七に引き上げること。  第五点は、戦没者死亡が、昭和二十二年五月三日以後である場合における戦没者の継親、入夫婚姻による妻の父母及び事実上の養親等であった者で、援護審査会戦没者死亡当時においてその者の父または母と同視すべき状況にあったと議決したものに対し、遺族年金等を支給すること。  第六点は、一定の期間内に再婚の相手方と死別した戦没者配偶者等で、援護審査会が離婚によって再婚を解消したと同様の事情にあると議決したものに対し、遺族年金等を支給すること。  第七点は、昭和四十二年七月までに実施することになっております遺族年金及び遺族給与金増額措置を繰り上げて行なうこと。  以上のほか、関係法令改正により、遺族年金特例扶助料等を受けることになる戦没者等の妻に対し、戦没者等の妻に対する特別給付金を支給する等所要改正を行なうことであります。  第二に、未帰還者留守家族等援護法改正して、遺族年金等の繰り上げ実施に準じて、留守家族手当増額措置を繰り上げて行なうとともに、葬祭料の額を六千円から八千四百円に引き上げること。  第三に、戦傷病者特別援護法改正して、新たに準軍属として処遇されるものを本法の対象に加えるとともに、葬祭費の額を六千円から八千四百円に引き上げること。  第四に、戦没者等遺族に対する特別弔慰金支給法改正して、現行法において特別弔慰金を受けることができる遺族がない場合でも、兄弟姉妹までの遺族があるときは、その者に特別弔慰金を支給すること。等であります。  次に、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法案について申し上げます。  昭和十二年七月七日以後に公務上負傷し、または疾病にかかり、これにより恩給法別表に定める特別項症から第五項症までに該当する不具廃疾となり、昭和三十八年四月一日において、恩給法戦傷病者戦没者遺族等援護法等による増加恩給障害年金等を受けていた戦傷病者等の妻に対し、十万円の特別給付金を十年償還記名国債をもって支給すること等であります。  両法案は、去る二月二十五日本委員会に付託となり、自乗熱心なる質疑応答が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録にて御承知願います。  かくて、一昨日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、両法案に対し、施行期日についての修正案提出され、採決の結果、両法案はいずれも修正議決すべきものと議決した次第であります。一なお、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  17. 園田直

    ○副議長園田直君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 園田直

    ○副議長園田直君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第五 日本万国博覧会準備及び運営の   ために必要な特別措置に関する法律案(内   閣提出
  19. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第五、日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案議題といたします。     —————————————
  20. 園田直

  21. 天野公義

    天野公義君 ただいま議題となりました日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について、商工委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、日本万国博覧会は、来たる昭和四十五年に、大阪府下千里丘陵において開催されることになっております。日本万国博覧会は、アジアで初めてわが国で開催される国際博覧会であり、万国博覧会の歴史において画期的な地位を占めるものでありまして、諸国間の相互理解産業文化の交流を深めて、世界の平和と繁栄に寄与するとともに、わが国伝統的文化と高度の産業技術世界に示す絶好の機会であります。日本万国博覧会は、このような意義を持つ国家的、国民的大事業でありまして、統一主題も「人類の進歩と調和」と定められ、基本理念も高い次元に立って策定されているのであります。  本案は、この日本万国博覧会準備体制を一段と強化するためのものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。  第一は、国は予算の範囲内において、財団法人日本万国博覧会協会に対し、博覧会準備運営費の一部を補助することができること。  第二は、郵政省は博覧会準備運営資金に充てることを寄付目的として、寄付金つき郵便切手を発行することができること。  第三は、広告事業を行なう者が、たばこの包装または国鉄施設を利用して広告事業を行ない、その収入金博覧会準備運営のために寄付する場合、並びに博覧会協会資金調達のため、電話番号簿等の印刷物を利用して広告事業を行なう場合には、日本専売公社日本国有鉄道日本電信電話公社は、その広告事業に対し便宜供与その他の援助を行なうことができること。等であります。  本案は、去る四月二十八日本委員会に付託され、五月十日三木通商産業大臣より提案理由説明を聴取し、五月二十五日には大阪委員派遣を行なったのであります。また、同月三十一日には左藤大阪府知事外六名を、六月八日には茅東大名誉教授外二名を、さらに同月二十一日には石坂日本万国博覧会協会会長外一名を、それぞれ参考人として意見を聴取する等、慎重な審議を行ない、同日質疑を終了したのであります。翌二十二日、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して板川委員より、日本万国博覧会には基本的に賛成であるが、中国等承認国招請基本理念に従う博覧会運営博覧会準備、開催に伴う物価問題、労働問題等取り扱いいかんによっては、その態度を改めるものである旨の賛成討論がありました。  かくて、採決の結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、広く全世界各国招請、国の責任明確化中小企業等出展参加促進措置、及び会場のあと地利用内容とする附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  22. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  23. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 所得に対する租税及びある種の他   の租税に関する二重課税回避のための日   本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締   結について承認を求めるの件(参議院送付
  24. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第六、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税回避のための日本国ドイツ連邦共和国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。     —————————————
  25. 園田直

  26. 高瀬傳

    高瀬傳君 ただいま議題となりました案件につきまして、外務委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  わが国は、ドイツとの間に二重課税回避のための租税協定締結するため、昭和三十六年以来ドイツ政府交渉を進めておりましたが、交渉が成立し、昭和四十一年四月二十二日に本協定が署名されたのであります。  本協定は、企業利得課税基準、船舶または航空機の運用によって取得する利得に対する租税免除配当所得、利子及び無体財産権使用料に対する課税限度自由職業その他勤務の報酬に対する課税方式教授、学生、短期旅行者等に対する租税免除、二重課税排除方法及び租税上の内国民待遇相互供与等について規定しております。  本件は、参議院において承認され、六月一日外務委員会に付託されましたので、政府から提案理由説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、六月二十二日、質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、多数をもってこれを承認すべきものと議決いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  27. 園田直

    ○副議長園田直君) 採決いたします。  本件委員長報告のとおり承認するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  28. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、本件委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  日程第七 外国為替資金特別会計法の一部を   改正する法律案内閣提出)  日程第八 アジア開発銀行への加盟に伴う措   置に関する法律案内閣提出
  29. 園田直

    ○副議長園田直君) 日程第七、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案日程第八、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  30. 園田直

  31. 三池信

    三池信君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  初めに、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案内容を概略申し上げますと、  まず第一に、アジア開発銀行に対する出資の財一億ドルのうち、払い込み資本額は一億ドルで、その二分の一が現金による出資、残りの二分の一が国債による出資となっておりますが、現金による出資五千万ドル、すなわち邦貨に換算して百八十億円は、昭和四十一年度から五カ年間に、毎年度五十六億円ずつ分割して行なわれることになっております。この出資財源に充てるため、外国為替資金から総額百八十億円を限り一般会計へ繰り入れることができることといたしております。  第二は、昭和四十一年度の一般会計歳出財源に充てるため、百六億九千二百万円を限り、外国為替資金から一般会計に繰り入れることができることといたしております。  第三に、先般発効いたしました財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二議定書に基づきまして、韓国の要請により、日本国と同国との間の清算勘定の残高約四千六百万ドル、邦貨換算約百六十五億円にかかる債権の賦払い金について、その支払いが行なわれたものとみなされることにより外国為替資金に生ずる損失は、同資金の額から減額して整理することといたしております。  次に、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、アジア開発銀行を設立する協定に基づきまして、わが国アジア開発銀行加盟するに伴い必要となる各般の措置規定するものでありまして、その内容を概略申し上げますと、  まず第一に、協定によりわが国出資すべきものとされている二億ドルの範囲内において、政府  第二に、政府は、銀行に対して出資する本邦通貨の一部を国債をもって出資することができることとし、政府にこの国債発行権限を与えるとともに、当該国債発行条件並びにその償還方法等に関して必要な事項を定めております。  第三に、銀行が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として、日本銀行を指定することといたしております。  以上両法律案につきましては、去る二十一日質疑を終了いたしましたが、昨二十二日、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案に対して西岡武夫君外二十三名より修正案提出されました。  修正の要旨は、施行期日が「昭和四十一年四月一日」となっておりますのを「公布の日」に改めようとするものであります。  次いで討論を行ないましたところ、藤田高敏委員日本社会党を代表して両案に対して反対意見を述べられ、永末英委員は民社党を代表して賛成意見を述べられました。  続いて採決いたしましたところ、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正部分を除く原案並びにアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案はいずれも起立多数をもって可決となりました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  32. 園田直

    ○副議長園田直君) 両案につき討論の通告があります。これを許します。小林進君。   〔小林進登壇
  33. 小林進

    小林進君 私は、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案並びに外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表いたしまして、反対討論を行なわんとするものであります。(拍手)  その反対の第一の理由は、このアジア開発銀行の隠された目的が、アジアの平和と住民のしあわせを犠牲にし、民族独立の運動を阻害をし、二つのアジアをつくり、アジア民族の対立をいよいよ激化せしむる企図のもとに行なわれようとしているからであります。(拍手)言いかえれば、アメリカ中心とする反共勢力アジアに対する軍事支配力を維持温存するための経済的侵略にほかならぬからであります。  明治百年、欧米諸国アジア侵略植民地政策に追いつき、その残余の分配にあずからんとして数々の帝国主義的侵略を続けてきた日本は、第二次世界大戦によって完膚なきまでにその野望を粉砕され、敗戦という冷厳なる事実の前に、国民ひとしくその侵略政策の誤りを世界に向かって陳謝宣言をしてきたことを心に刻み、すべての外交政策の基調にしておかなければならぬのであります。(拍手)  今日、わが日本アジアにとるべき道はただ一つ、アジアの一員であるという立場に立って、アジア及び極東の全地域における全住民のしあわせを祈念し、アジアの全地域から一切の戦争の危険をなくし、特に多年にわたり欧米諸国によって侵された植民地政策の残滓を払拭し、さ。って諸民族の完全なる独立と貧困の追放のために、あらゆる援助協力を行なうべきであって、これこそ日本民族に課せられた崇高な使命であり、贖罪のための大きな責任であるといわなければならぬのであります。(拍手)  しかるに、日本政府は、この日本民族の悲願を無視し、アメリカ中心とする欧米諸国と手を結んで、再びアジア侵略と新植民地政策のための役割りを、このアジア銀行を通じて行なわんといたしているのであって、これはわれわれの断じて了承し得ざるところであります。  その具体的例を示すならば、この銀行への加盟国はアメリカを頂点とする反共国家群によって形成されることによっても明らかであります。すなわち、このア銀に加盟を許されている国は三十二カ国であって、エカフェ地域二十カ国、地域外十二カ国でありますが、そのいずれもがアメリカと軍事条約を結んでいる国か、またはアメリカから経済的援助を受けている国々であるということであります。日本は敗戦後二十一年、いまなおアメリカから軍事的支配を受け、政治的、経済的に制肘と干渉を受けていることは、皆さま御承知のとおりでありますが、その厚薄の差こそあれ、加盟国はいずれもこうした関係にある国々の集団であることをまず知らなければならぬのであります。そしてこれらの反共集団は一丸となって、アメリカ反対側に立つ国、すなわち、中国、北朝鮮、北ベトナム等の社会主義国家群の加盟を歯をむいて拒否をいたしているのであります。こうした対立の激化とそれへの加盟がいかに危険であるかを察知した賢明なる国々、すなわち、エカフェ域内におけるビルマ、モンゴル、インドネシア、域外においてはフランス、ソビエトロシア等、その他多くの国々が米国の懇願を払いのけてその加盟を拒絶いたしているの、であります。その結果、アジア地域における総人口の過半数が加盟をせず、半分に満たぬ少数の人々をもって構成されているにすぎず、これをあえてアジア開発銀行と銘打つがごときは、実体の伴わないまことに僭越しごくの名称といわなければならぬのであります。(拍手)  今年九月の批准を待っていよいよこの開発銀行が活動を開始したとき、いかなる結果がもたらされるでありましょう。一民族、一国家の悲願をアメリカ帝国主義の武力侵略によって北と南に分断をされ、いまなお同じ民族が殺戮し合う内戦の悲劇を繰り返している朝鮮、ベトナム等に対し、さらに戦火の油を注ぐことになるのであります。すなわち、南ベトナム、南朝鮮等のかいらい政権に対し、アメリカの命令一下、この開銀の経済援助が行なわれることになりましょう。この援助は、土木援助、食糧援助のいかんを問わず、直接、間接に総合軍事力となって北ベトナムヘの攻撃と侵略への力を一そう強めることになり、また、韓国への援助は、韓国軍隊のベトナム出兵への基盤を強化することとなりましょう。これすなわち、アジア開発銀行への投資と協力は、経済援助に名をかりた侵略戦争への加担にほかならぬのであります。このことは、六億五千万人の人口を有する中国政府と台湾省亡命政権との関係においてもまた同じであります。  かかる侵略戦争への介入と、民族の統一を妨害をし、内政干渉もはなはだしい戦争政策に何ゆえわが日本が積極的に参加しなければならぬのか、われわれは政府伊良識を全く疑わざるを得ぬのであります。その原因は、一に一九六五年四月七日、ボルチモアで行なったジョンソン米大統領の東南アジア開発に関する演説と、ベトナム侵略戦争に対し、日本経済協力の形で戦争に参加すべきことを強く要請しているアメリカの圧力の前に屈服したものと思わざるを得ぬのであります。(拍手)われわれは、平和を愛する日本国民の一滴の血も一円の金も、断じてアジア侵略アジア人同士の戦いのかてに提供してはならぬのであります。(拍手)これあるがゆえに、わが社会党は、アジア開発銀行出資に対しては、第一にこの理由反対をいたしているのであります。  第二の反対理由は、加盟国の出資金構成から見たアメリカの支配力に関する問題であります。  このアジア銀行出資される金の総額は十億ドルでありますが、そのうち、アメリカ日本との出資総額が合わせて四億ドル、四〇%に達し、とれに韓国、台湾、南ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド等の出資額を加えると、実に五六%にも及んでいるのであります。これらの国々は、それぞれ日米安全保障条約、米韓相互防衛条約、ANZUS条約、東南アジア集団防衛条約等々の締結国であり、アメリカの極東戦略の有力な構成メンバーであり、事実上アメリカ軍事支配力に従属をいたしている国々であります。こうした出資額の構成から見たアメリカの強力な支配力と、アメリカアジア戦略、中国包囲作戦を結びつけてみた場合、この銀行がいかなる方向に向かって運営されるかは、いまさら説明を要せざるところであります。  米州開発銀行において、アメリカは四〇%の投票権を持ち、それによって絶対的支配力を掌握していることは、皆さま御承知のとおりであります。かつてキューバ事件に関連して、ベネズエラ、コロンビアがキューバと国交を断絶するや、多額の投資を行ない、反対にメキシコ、アルゼンチンがキューバに対する集団制裁に反対をしたとき、いかにこれを冷淡に取り扱ったか。その後アルゼンチンがキューバとの国交断絶に踏み切るや、その翌日、直ちに一億五千万ドルという多額の融資を与えたるがごとき、あくどい高利貸しもやりかねない、いやらしい成金根性の政策といわなければならぬのであります。(拍手)  この前例に照らして、アジア銀行の性格、構成、運営等を見る場合、これは米州銀行以上にアメリカの思うままに支配される要素が多分に含まれていることを強く警告をせざるを得ぬのであります。米州銀行はキューバを敵とし、アジア開発銀行は中国を敵視し、アメリカの中国封じ込め政策のためにつくり上げられようとしている。これあるがために、われわれはこの法案にあくまでも反対せざるを得ぬのであります。  第三の反対理由は、国連を隠れみのとする日本政府の外交のあり方と、その態度に関する問題についてであります。  政府は極力、このアジア銀行は、国際連合のエカフェから発足した自主的、非政治的機関であることを強弁いたしているのでありまするが、われわれは、政府の、この国連をかさにしてその正当性を裏づけ、国民をごまかそうとするやり方に徹底的に反発をせざるを得ぬのであります。すなわち、われわれは、今日の国連は、国連憲章の精神を正しく発揮しているものと見ることができぬのでありまして、まさにアメリカという大国によって運営をせられ、アメリカの利益のための機関に変貌しているものと思わざるを得ぬのであります。議会政治認むべし、ただし、自民党の支配許すべからず、国連認むべし、ただし、アメリカの支配許すべからず、かような意味において、今日の国連をして、国連本来の姿に返すことこそ、最も重要な課題であるといわなければならぬのであります。  しかるに、日本政府は、朝鮮動乱における、スエズにおける、コンゴ、西イリアン、キプロス等におけるアメリカの国連憲章違反行為に一片の批判を加えようともしないのであります。いままたアメリカは、南ベトナムにおいて毒ガスを使用し、アメリカの国内においては極端なる人種差別を行なって、しばしば問題を起こしていることは世間周知の事実であります。かくのごとき明らかな国連憲章違反事項に対してさえ、それがアメリカ行為であれば、日本政府は一言の故障も批判もなし得ないのみならず、国会におけるわれわれの質問に対してさえ、その真相を答えることをおそれているのであります。かくのごとき外交姿勢及びこうした国連のあり方に対し、どうして信頼を置くことができるでありましょう。しかるに、日本政府は、国連がなおかつ正しいものであるかのごとき幻想を国民に与えて、アメリカへの従属と奉仕の外交をごまかさんとする、これはとうてい許すことのできぬものであります。政府が、真に国連本来の精神にのっとって、低開発地域の経済開発を行なわんとするならば、アジア銀行への出資はやめて、むしろ国際開発協会(第二世銀)等の機能の強化拡大をいたし、ソ連、フランス等の協力を得、中国の国連加盟に努力をし、アジアを一つとした経済援助の実現に邁進すべきであります。(拍手)  アメリカは、現在、財政の六割五分に及ぶ軍事予算と対外軍事援助からくるドル不足、それにベトナム戦争による軍事費の増大等で、日に日に経済不安定を醸成していることは世界周知の事実であります。このため、日本をして、アジア経済援助の肩がわりをさせようとしている。この政策に応じて、アメリカのドル不足の肩がわりをしようとしながら、あえて国連の名において国民の目をごまかそうとする日本政府のこのずる賢いやり方に対し、われわれは徹底的に反対せざるを得ぬのであります。(拍手)  最後の反対理由として、われわれは、日本国内の経済情勢と、この出資の関係とを問題にしなければならぬのであります。すなわち、日本の経済状態は、はたしてかくのごとき百害あって一利なき出資を許すほどの余裕ありゃいなやということであります。日本の経済は、すでに一切の蓄積を使い果たし、すでに借金政策に転換をし、この二億ドルの出資も、外為資金の取りくずしを行なわなければならぬ最後の窮状に追い込まれていることは、いまさら説明を要せぬところであります。世界四大工業国の一つであるなどと架空の名声に酔っているその陰に、低所得者層がいまなお生活の苦しみに涙しており、日本人一人一人の平均所得世界で二十一番目、後進国と銘打たれているベネズエラ、グァテマラなどの国々と肩を並べている貧弱な状態であります。その中で、もはや戦後でもないなどということばにだまされながら、いまなお日本国民は、敗戦の賠償の残額八億四千四百万ドル、もらったと思っていたガリオア・エロアの支払い残額が四億四千四百万ドル、合わせて実に十二億八千八百万ドルの多額の借金を支払う責任を負わされているのであります。こうした国民の負担と苦痛を無視して、こんなむだな出資をすることが、はたして国民の要望に沿うものであるかいなかは、問わずして答えは明らかであるといわなければならぬのであります。(拍手)全国民の声を代表して、わが党は、あくまでもこうした出資反対せざるを得ぬのであります。  結論として、一言政府に申し上げたい。アジア銀行十億ドルの開発投資よりも、アメリカが百億ドルの軍事費を投じてベトナムで破壊を行なっている戦争を即時中止せしめるよう努力されたいということであります。十億ドルの建設よりも百億ドルの破壊がいかに大きいかは、小学生のそろばんでも明らかでございましょう。(拍手日本政府に、この小学生並みのそろばんと良識を要望いたしまして、私の反対討論にかえておく次第でございます。(拍手
  34. 園田直

    ○副議長園田直君) これにて討論は終局いたしました。  両案を一括して採決いたします。  日程第七の委員長報告修正、第八の委員長報告可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  35. 園田直

    ○副議長園田直君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————
  36. 園田直

    ○副議長園田直君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十一分散会      ————◇—————  出席国務大臣         外 務 大 臣 椎名悦三郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         厚 生 大 臣 鈴木 善幸君         農 林 大 臣 坂田 英一君         通商産業大臣  三木 武夫君         自 治 大 臣 永山 忠則君      ————◇—————