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藤田(高)
委員 政治的な立場から
考えて、
基準局にこれ以上突っ込んだ答弁をしてもらうことはなかなか気の毒だと思いますので、これは一応保留しておきましょう。
時間の関係もございますので結論を急ぎたいと思いますが、
刑事局長、再調査を約束されたわけですけれ
ども、不思議なことに
——不思議なことというよりも、むしろこれは私
ども経緯を知っておる者から言えば当然だと思うのですが、この
賃金の不払い問題が起こって、そうしていわば計画的に破産にまで持っていかざるを得ないという覚悟を経営陣はきめたと私は思うのです。結果的には、御承知のとおり三十九年の十一月十七日に
会社更生手続の廃止が決定されて、そうして昨年の、四十年二月十七日に破産宣告、こういうことになっておるわけでありますが、
賃金の不払いが起こった七月から、主として九月、十月にも一部かかりますけれ
ども、その年の暮れに、これはもう御承知でしょうけれ
ども、こういう大きな見出しで北日本新聞あたりには、「野村
社長を逮捕、般若鉄工不正事件、
管財人として全国で初めて」こういう記事が出ておるわけであります。ですから、私は先ほどからも言っておりますように、手形決済がどうで、返済借り入れ金は七月、八月の
段階でどうであった、こういうことも
条件でしょうけれ
ども、その隠れた形で、この
管財人、
社長が
賃金の不払い問題を起こして、二カ月、三カ月たたないうちに逮捕されるというような事件を起こしておる。こういう問題に検察当局が具体的にメスを入れて、そういうものとの因果関係といいますか、かね合いにおいてこの
賃金の不払い問題についての適切な結論を出してもらわないと、これは
労働者の基本権というものは守られないと思うのです。しかも
基準法によって、この二十三条から二十六条ですか、までの違反事項については
刑事罰に処するという、
刑事罰を科してまで
労働者の権利を守ろうとする、この立法の趣旨が私はどこかに飛んでしまうと思うのですね。そういう点から、この問題については私は具体的に内容を別に持っておりますけれ
ども、きょうは触れる時間がございません。しかし、再調査の過程では、これらの問題も含めてひとつ適切な結論が出るようにこの再調査を進めてほしい。それに加えて、この結論が早く出ますように、これは要望しておきたい。大体のめどがつくようでございましたら、あとで答弁を願いたいと思うわけであります。
それともう
一つ、これは直接この
賃金、ないしは
退職金の不払い問題とどこまで関係を持ち得るかわかりませんが、
一つの経過としてはこれも因果関係ができるわけでありますが、この梶田という施設課長が死んだわけですね。そうして、家族が他の医者にも見せてくれ。そしてできれば解剖もやってほしい。こういう注文があったにもかかわらず、解剖もせず、他の医者にも見せないまま火葬場に送ったという事件があるわけであります。この問題についても、地元では般若鉄工の経営問題に関連をして、いわゆるこの梶田という課長は、先ほど私が
指摘したように、
会社更生法の
適用を受けてから、
更生計画に沿って
再建をしていこうという過程で、施設の担当課長ですから、いろいろな資材を横流しをしたといいますか、べらぼうな値段で
下請会社に安売りをやったという担当者ですから、これはそういうものについても検察当局のとった態度は非常に
会社の言い分というか、そういうものに迎合して、検察当局自身、法務当局自身としての公平な機能を果たしていないという世論が、地域的な世論として当時非常に強く起こったわけです。この問題も、私は最終的にはこの問題に、
一つの経過としては有力な
条件として関係をしておると思います。これもあらためてひとつ調査を願いたい。この点についてもお約束できるかどうか、お尋ねをしておきたい。
最後に、もう時間がありませんので、大蔵省の
銀行局に、これは要望をいたしておきたいと思います。私
どもは何もこれは告訴したり告発したり、あるいは裁判に持ち込むことを、いわんや
経営者に
刑事罰を科するということを
目的にしておるわけじゃないのです。実際問題として、
労働者が
——企業がいろいろな事情でつぶれるということもありますよ。しかし、つぶれるときでも、
労働者が働いた
賃金ぐらいは、あるいは
退職金ぐらいは、これはやはり優先的に払って、そうして店をしまうにしてもきれいにしまうというくらいなことはあっていいと思うのです。そういう点で、きょうは時間がございませんので、大蔵当局に対しては強く要望し、具体的に効果のあがる善処を要望しておきたいと思いますが、先ほど私が
指摘しましたような一連の経過もあるわけでございまして、時間さえあれば、内容的にも
銀行局の
見解を聞かしてもらいたいと思っておったわけですが、私は
銀行当局のとった態度は必ずしも適切ではない、少なくとも詐害
行為として、いわば先ほど
指摘した北陸
銀行の三億ないし四億の抵当権の設定等については、これは本来的には解消さるべき性質のものではないかとさえ
考えておるわけであります。そういう点で、山一証券にしても、あるいはその他の
企業でも、
——私も、ある全国でも指折りの大
会社の社員を
経験してきましたが、そこで二回、三回の
企業整備がありました。
企業が左前になったときは、主力
銀行といいますか幹事
銀行あたりは、その
企業の
再建のためには金利のたな上げくらいやるのは当然だと思うのですよ。ところが、これまた時間がないので申し上げませんが、いわゆる破産宣告を受けて、財産、
債権の処分にあたっては、
銀行関係は金利まで全部、これは
法律的に二カ年分の金利も、
担保設定をしておるものからいけば優先順位があるんだということになれば、これは
法律上はどうにもできないかもしれませんが、私はやはりこの種の問題については道義的、政治的な
責任もあることですし、また
社会的な
責任ということも
考えなければいけないし、また多くの
倒産会社等に、あるいは
会社更生法の
適用を受けるような
会社に見られておりますように、
銀行は少なくとも犠牲平等の負担くらいは負うというのが、私は当然とるべき態度だと思う。そういうところから、大蔵当局に対しては、現地の北陸
銀行と十分御相談の上、実際問題として
労働者の
賃金ぐらいは支払われるような善処方、交渉方を強く要望をしておきたいと思うのです。
以上で私の質問を終わりたいと思います。