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志賀(義)
委員 そういう健康状態にあるのですよ。ひとつ至急調べていただきたい。これで阿藤被告は、一度
最高裁で却下されて差し戻しになって無罪になったのですが、今度は下飯坂という人が判事のころ、これがまた無罪はいけないというので有罪になった。同じ
最高裁で
一つの事件について、真実はただ
一つであるものについてこういうことがなされた。これは疑わしい事件ですからね。それが
裁判官の心証いかんあるいは証拠の認定いかんによって、こういうことになる。疑わしきは罰せずが刑法の本来の精神ですよ。こういう不当なことをしている。下飯坂という判事は、大阪の高裁長官をやったころから私は知っている。これが松川事件のときに居眠りをしてよだれをたらしていたのですよ。それを私が
指摘したことがある。これでとうとう忌避されたことがあるのです。それで下飯坂判事は当時健康状態がよくなくてというような弁明書を出しておりますが、非常にこれは不当な取り扱いの事件です。私もいろいろ、死刑の判決を受けた人から
法務委員会で取り上げてくれと言われるが、確かでないものは私はここでは扱わないことにしている。私が扱った死刑事件というのは結局無罪になり、あるいはまた自殺と言われた国鉄の下山総裁も、検察庁を代表する
刑事局長がここで明らかに他殺であるということを時効の直前に言われるところまでやりました。この事件は、私
どもから見て、第二回の
最高裁の判決には非常に無理がある。そういう人に、こういうめちゃくちゃなことをしておる。いろいろ長い間刑務所に入った人の自伝なんかが出ているが、どこのどんなひどい刑務所でも、昔のツアーリズムの刑務所でも、監房内においては健康を保持するために室内を歩き回ったりあるいは体操をしたりするぐらいのことは許される。すわっていて腕を動かすことすらも、この阿藤被告には禁止されている状態です。これで、もし阿藤被告が拘置所の中で生命にどうこうということがあれば、これは当然また世間の物議をかもします。とにかくいまの刑務所のやり方に私は非常に不満がある。
たとえば静岡刑務所に国会で私の秘書をやっているのがいま入っていますが、これについていろいろおかしいことがあるので、静岡刑務所に長距離の電話をかけました。出てくるのがみんな
責任回避。それは庶務
課長にお聞きください、それはだれそれにお聞きください、三十何分間電話でたぶらかしを秘書がされたことがあります。非常に無
責任です。この静岡の件については矯正局のほうで御返答いただきましたが、この阿藤被告の件についてもそういう点をよくお調べ願いたいと思います。とにかくいまの行刑
制度についてまだ
改善すべき点が多々ありますけれ
ども、この
一つの例を見ても、至急阿藤被告に対するこういう不当な取り扱いをやめて、彼らの健康を保持するために矯正局のほうで留意していただきたいと思います。
法務大臣並びに政務次官はきょう検事長会同があるので来られません。私がかように申したということをよくお伝え願いたいと思います。
最後に、もう一度
家庭局長にお聞きしますが、この
補導施設は、
所管は
厚生省かもしれませんが、
委託されるのは確かに
少年法に基づいて
裁判所のほうで決定をなさるわけですね。
関東一円のものを調べましても、たとえば台湾人がやっているのもありますよ。奥さんの
名前になっているのだが、事実はその人がやっているものがあります。横浜にその事例があります。王という人です。一体、名義上はともかく、実質上こういう人にやらしておいていいのですか。そういう点も調べていただけますか。