○濱野委員 ちょっと関連して。私は
予算説明のときには大胆率直に、与野党に
関係なく御答弁を願うほうがすっきりしていいと思うのです。
そこで、ちょっと聞きたいのでありますが、公安対策の確立という項目の中で、四億八千九百万円増の
要求をしておる。その
理由とするところは、「日韓条約、ベトナム問題等国の内外の治安に重大な影響を及ぼす多くの要因が存在するので」、こういうことに前提を置きまして、「左右過激団体の実体を解明して
施策に反映せしめるため公安調査機能を
充実」する。そのために
増員、公安調査官百五十名、調査活動費が必要だ、こういうのです。これは正直に言って、野党から考えると気に食わないことなんです。いま日本の外交政策から見ても、あるいは自由主義国家としての日本の立場からいっても、どうも社会主義化されることは自民党としては困るのです。純粋な資本主義なんというものは世界のどこをとらまえてもあるはずがないんだけれ
ども、しかし理論の上においてはやっぱり自由主義国家と社会主義国家というものが二つに分かれておる。そういう立場で社会党は日韓条約は粉砕するんだ、阻止するんだ、こういう前提をまずきめておいて、御
承知のようなああいう
事件を引き起こしておる。議長がやめなければならぬというような状況でして、このことは
法務省といえ
どもわかっておるはずなんです。それをどうしてベトナム問題、あるいはまた日韓
関係というようなものをその
理由の
一つにおいて考えるか。これは正直な一面であるけれ
ども、正直の上に何かかついているのではないかと実際私
どもは考えている
わけなんです。あまりに政治性がない。そこでこれを突き詰めて伺いたいのでありますが、一体最近の左右の過激団体の動きというようなもの、これは一体どうなっているのか。そしてこの左右団体の動きがベトナムや日韓
関係においてどういうふうに刺激されて、そしてどういうような
方向に向かおうとしているのであるか、これが
一つ、これは経理
部長に聞いてもわからぬかもしれないが、公安調査庁がおいでにならぬようでありますから、公安調査庁長官が次の機会にはっきりと答弁したがいい、これは鮮明にしたがよろしい。われわれの聞くところによると、外国からある
程度の金が来ている。その金がある団体の資金源にされているというようなことさえも世間では流布されている。むしろ
政府が、調査庁というようなものがあってそういうものを世間に発表しないところに、大体真実を隠蔽して、そうして
ただ予算獲得のためにそういう文字を使っているという
印象を与党には与える。野党は、反対の立場でありますからなお反対の
印象を強く受ける
わけであります。ですから調査庁長官を次には呼んでい
ただいてその実態を鮮明にしたがいい。それらは国家機密に関することだといってあるいは逃げるかもしらぬが、そういうことは逃げる必要はない。私は法務委員のわれわれ同僚の中には外国の金を使っているような人はおよそあるまいと思います。そう信じております。しかし世間はそうは言っていない。私はこのことを
委員長にひとつ引き受けてい
ただいて、そして次の機会に調査庁長官に、一体資金源やその他ベトナム問題、朝鮮問題でどういうことが心配なのか、そしてしかもその思想的背景に立って左右の過激暴力団のどういうふうな活動がいま行なわれ、将来
政府はどういうことを予想をしているのか、そのためにここへ
要求しました
人員増とそれから調査費というようなものを合わせて、そして四億八千九百万というような膨大な
予算の
要求をしている、こう
説明してくれませんと、これはちょっと議会の質疑応答にはなりません。やはり正直におっしゃったがよろしい。その点を経理
部長、公安調査庁に次の機会に十分資料を持って出てくるようにお伝えを願いたい。そうでないと、田中さんのように、われわれもこの
予算要求につきましては、どんな査定をするかわからぬけれ
ども、協力する
わけにもいきませんし、これはわれわれ与党として反対するかもしれません。
それからもう
一つ。これは
大臣に
一つお願いしておくのですが、公安調査庁がどういう資料を持って法務
委員会に答弁するか、それはわかりません。しかし、
ただ調査、調査だけしておって、その調査に対する対策の
法律やその他の問題につきましては一向に考えられておりません、いまの法制においては。これは暴力団になってくれば
刑事局長が、あるいはまた検察庁が、あるいは警視庁がそれぞれ活動する
わけでありますけれ
ども、調査だけにとどまって、それ以上には、暴力行為に出なければほとんどこれは問題にならぬ。いまの法体系にはございません。これは法務
大臣もそのとおりだと思う。そういうむだな金を使って、動きはわかった、危険性はわかった。しかし、これが武力革命とか、あるいは左右両翼の暴力団とか、そういうふうにならなければ日本の現在の法制のもとでは
政府はどうにもならない。これは法務
大臣も御
承知のとおりでありましょう。高度の立場からそういうことを将来どうしようとするか。私は国家警察をつくれというのじゃありません。どういうふうにしたらいいかというような考えがあらかじめ国務
大臣にはなければならぬはずです。もっと高度の立場からなければならぬと思う。それはかりに野党が反対しようが、与党が反対しようが、とにかく自由主義を守る、自由主義の国家として日本が生きたいものだという法務
大臣の党籍が自足党にある限りにおいては、何らかの具体的な法制というものが心のうちになければならぬ。そういうこともないのに、むやみに調査だ、調査だといって何かしらぬけれ
ども、変な雑誌を私
どもも受け取っております。変な報告書を受け取っております。しかしそれ以外には何にもない。社会党の内閣ができ、共産党の内閣ができれば、これは共産党は共産党の主義主張や、あるいはそういう社会機構のもとに、いろいろな機関をつくらねばなりません。これはわれわれ了承できる。また同僚の社会党の
諸君が天下を取れば、平和革命の後に社会党の高邁な政策というものを立てる、それはわかる。その立場から、その政権の高等政策というものがあるはずなんです。
ただ調べておっ
ただけで金を使っておっ
ただけで、その他のことに対する高度の対策というようなものがなければ私はいかぬと思うのです。私はかつて鈴木茂三郎君と同僚であった。鈴木茂三郎君は東京市会に議席を持っておった。同じところで私もやっておった。そして鈴木茂三郎君は
国会に来た。そして彼は
委員長になった。彼が
委員長になったことばの中に、一体われわれが政権を取ったらどうするかということをはっきりと世間に表示しております。非常に勇気ある
やり方であります。また私は、鈴木君とは東京市会以来仲間であったが、思想的には別なんです。反対党、反対党であって、鈴木君が少なくとも社会党の
委員長の時代には、もし社会党が政権を取ったならば、こういうことをすると言って、われわれが最もきらいなことをはっきりと言っておるのです。大体自民党には勇気がない。何をおそれる、世界は全然二つに割れておるし、わが国だって三十八度線こそはっきりないが、思想的にははっきり二つに分かれておる。ですからうまくいったって、主義主張、政策というものは野党においては変わりはない。与党においても変わりはない。したがって私は、
予算要求等の場合には、もっとはっきりした立場で堂々と行くべきだと思う。
国会は物理的な力を使わないということを社会党も約束をしたそうであります。ですから何もおそれることはないじゃありませんか。社会党を信頼して、そして自民党の政策というものをはっきりと打ち出して、そしてこの調査の結果、何かがある場合にはこういう態度をとるという、そういう勇気を出した政治というものがいまは必要である。いまはぜひとも必要である。特に法務
大臣は必要である。最後の治安は
法務省にある。その
法務省がぐだぐだ
予算を取るときばかり調子のいいような、
ただ表面をつくろったような、そういう
予算の
説明では私は相ならぬと思います。勇気一番、思い切ったことを言いなぐって、そして反対は反対、賛成は賛成とすることが私はいいことではないか、それが実は議会政治なんです。
勝尾君、君ひとつこの点を公安調査庁長官にすぐ調査をしてもらって、そして高度の態度でひとつ
大臣も腹をきめてもらいたい。野党おそるるに足らず、野党が天下を取ったらこっちが今度は野党、そのときには大いにやじも言うし、実力行使はしませんけれ
ども、堂々と戦う。これを私は
法務省の
諸君に強く要請をしておきます。答弁者がいないのでそれだけ
あとでひとつお願いします。