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1966-05-27 第51回国会 衆議院 文教委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年五月二十七日(金曜日)    午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 八田 貞義君    理事 上村千一郎君 理事 小沢佐重喜君    理事 谷川 和穗君 理事 南  好雄君    理事 八木 徹雄君 理事 川崎 寛治君    理事 二宮 武夫君 理事 長谷川正三君       安藤  覺君    大石 八治君       久野 忠治君    熊谷 義雄君       坂田 道太君    篠田 弘作君       床次 徳二君    内藤  隆君       中村庸一郎君    毛利 松平君       落合 寛茂君    高橋 重信君       湯山  勇君    鈴木  一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 中村 梅吉君  出席政府委員         文部事務官         (大臣官房長) 赤石 清悦君         文部事務官         (管理局長)  天城  勲君  委員外出席者         文部事務官         (管理局福利課         長)      荒木 修三君         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 五月二十六日  委員大石八治君、原田憲君及び松山千惠子君辞  任につき、その補欠として金子岩三君、村上勇  君及び中垣國男君が議長指名委員選任さ  れた。 同日  委員金子岩三君、中垣國男君及び村上勇辞任  につき、その補欠として大石八治君、松山千惠  子君及び原田憲君が議長指名委員選任さ  れた。 同月二十七日  委員重政誠之君、中村庸一郎君、松山千惠子君  及び和田博雄辞任につき、その補欠として安  藤覺君、内藤隆君、毛利松平君及び湯山勇君が  議長指名委員選任された。 同日  委員内藤隆君、毛利松平君及び湯山勇辞任に  つき、その補欠として中村庸一郎君、松山千惠  子君及び和田博雄君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 五月二十五日  在日朝鮮人民族教育保障に関する請願外二件  (大出俊紹介)(第四九二一号)  義務教育における習字教育振興に関する請願  (大西正男紹介)(第四九二二号)  同(田村良平紹介)(第四九二三号)  同(大石八治君紹介)(第四九九一号)  同(臼井荘一紹介)(第四九九二号)  同(澁谷直藏紹介)(第四九九三号)  同(始関伊平紹介)(第五〇七一号)  なぎなたを中学校以上の女子に正課として採用  に関する請願壽原正一紹介)(第四九二四号)  同外八件(地崎宇三郎紹介)(第四九九四号)  同(小宮山重四郎紹介)(第五〇七〇号)  編物を正課として採用に関する請願(只松祐治  君紹介)(第四九二五号)  公立学校事務職員定数増加に関する請願山中  吾郎紹介)(第四九二六号)  公立学校事務長職制確立及び処遇改善に関す  る請願山中吾郎紹介)(第四九四三号)  重度肢体障害者教育施設設置に関する請願外  九件(伊藤卯四郎紹介)(第五〇二一号)  同外十件(春日一幸紹介)(第五〇二二号)  同外三十四件(佐々木良作紹介)(第五〇二三  号)  同(伊藤卯四郎紹介)(第五〇三二号)  同外五件(今澄勇紹介)(第五〇三三号)  同外八件(西村榮一紹介)(第五〇三四号)  同外六件(門司亮紹介)(第五〇三五号)  同外五件(吉田賢一紹介)(第五〇三六号)  同外六件(吉川兼光紹介)(第五〇八五号)  同外三件(今澄勇紹介)(第五〇八六号)  同外五件(伊藤卯四郎紹介)(第五〇八七号)  同(吉田賢一紹介)(第五〇八八号)  同外六件(春日一幸紹介)(第五〇八九号)  同外二十件(佐々木良作紹介)(第五〇九〇号)  同外七件(西尾末廣君紹介)(第五〇九一号)  同外八件(西村榮一紹介)(第五〇九二号)  同外三件(門司亮紹介)(第五〇九三号)  義務教育における珠算教育強化に関する請願  (八木徹雄紹介)(第五〇七二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する  法律案内閣提出第一三七号)      ————◇—————
  2. 八田貞義

    八田委員長 これより会議を開きます。  私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。湯山勇君。
  3. 湯山勇

    湯山委員 私は、今回政府から出されておる改正案並びにそれに伴う問題点についてお尋ねをいたしたいと思います。  原則的には今回の改正あるいは昨年の改正が、私学共済長期給付国家公務員地方公務員につり合いをとる、近づけるという方針のもとになされているということでございますが、原則的にそういう御趣旨でなされておるのかどうか、大臣から最初に承りたいと思います。
  4. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 大体御指摘のような考え方に立ちまして、努力をいたしておる次第でございます。
  5. 湯山勇

    湯山委員 そこで、今回改正になりました一つの点は、旧法期間の算定をできるだけ国家公務員地方公務員とつり合いをとる、こういうことですが、それには三つ問題点がございまして、その一つは五万二千円の頭打ち解消する、一つ年金基準になる標準報酬は五年間の平均であったのを最終三年を平均にする、この二つの点は今回実現を見ておりますけれども、給付率については触れておられません。この点については、国家公務員地方公務員最終年をとっておることは御存じだと思います。この私学年金並びに今回改正になる農林年金につきましては、この点についての措置が欠けておりますが、これは一体どういう理由で欠けておるのか、伺いたいと思います。
  6. 天城勲

    天城政府委員 御指摘のように、私学共済給付水準公立共済国家共済に合わせるということが、私たちの従来私学共済改善の第一の方法でございまして、逐年御協力によりまして同様な方向に入ってきたわけでございます。いま御指摘旧法期間扱いにつきましては、五年平均を三年平均に直したということと、最終俸給との違いの点も御指摘でございますけれども、私たち考えでは、国家公務員におきましては給与制度が全体として法制的に確立いたしておりまして、最終俸給というものも客観的にこれを信頼することができるわけでございますが、私学の場合におきましては給与体系あるいは給与のあり方が公務員と異なっておりまして、最終俸給というもの、あるいは給与法そのものにつきましても、国家公務員のような押え方ができないわけでございます。これはたいへん疑っているようで悪いわけでございますけれども、最終俸給だけを極端に上げるというようなケースも想像されるわけでありまして、そういたしますと、組合年金計算の基礎になっておりますいろいろな考え方がくずれてまいるわけでございます。したがいまして今度の改正におきましても、他の共済制度との均衡を考え給付率従前どおりにいたし、ただ御指摘のように頭打ち撤廃、それから五年を三年にするという新法考え方をうたっているというのがわれわれの考え方でございます。
  7. 湯山勇

    湯山委員 これは局長の御答弁とも思えないような御答弁だと思うのです。給与体系が整っていないということのために、私学先生たち年金扱いにおいて不利であっていいというような御趣旨のように受け取れました。ことに逆選択の問題、最終俸給だけつり上げるというようなことについての御懸念があるようですけれども、むしろこれは過去において国家公務員地方公務員給与体系が整っているといわれたそういうところにおいてなされておったという事例をあげてみますと、当初公務員の場合は、最終一年ではなくて、最終給与恩給の対象にしておったことがありました。これはむしろそういう公務員であるがゆえに最終給与だけをあるいは二号俸上げるなり、あるいはもっと上げるなりして逆選択が行なわれた。そこで最終給与ではだめだということで、一年間にすることによって逆選択を防止する措置をとられたわけです。私学の場合は、やはり一年であれば、その間にちゃんと標準給与に従って掛け金を掛けておるのですから、一年さかのぼって逆選択するということは不可能だと思います。かりに最終給与だけつり上げることにしたところで、それはいまのように最終年標準給与をとるということであれば、すでにそれだけのものは法的な手続を経て納めておるわけですから、逆選択の余地はないと思うのです。不備であるなら不備ななりに、悪ければ悪いなりに一年間というものはかわりはないわけですから、ただいまの御答弁、せっかくですけれども了解できないと思いますが、いかがでしょうか。
  8. 天城勲

    天城政府委員 私たち共済組合に対してやっております考え方は、いま申し上げたような点から、現在、御存じのとおり新法期間におきまして三年平均をとっておりますから、旧法期間扱いにおきましても、保険経理立場から、年金計算上、三年が妥当だという考え方を現在とっているわけでございます。
  9. 湯山勇

    湯山委員 年金経理立場から、三年をとるというその原則はよくわかります。ですけれども、現に旧法期間については、国家公務員地方公務員については最終年次がとられている。これに合わしていこうというのが当初確認した改正方向でございますから、それならば一年というのは好ましくないことかもしれません。しかし、現に国家公務員地方公務員に対してなされている。そこで、その最終年次をとることができない理由として、給与体系が確立していない、不備だからという理由をおあげになったので、私は、それじゃ納得できないということを申し上げておるのです。ただ、いまのように三年が適当と思うなら、国家公務員地方公務員を三年にする。そしてその三三・三%という率を四〇%にすれば、これは国家公務員地方公務員、いまの私学全部、そういう方法もとれるわけなんで、三年にするならば率のほうを考えていく。しかも、国家公務員地方公務員もそれに合わすという方法もとれると思うのです。それをあえて三年でとどめて——そこには格差があるはずです、そういう格差を残す理由が納得できないということですから、もう一度御答弁願いたいと思います。
  10. 天城勲

    天城政府委員 私が先ほど申し上げたのは、給与体系の面からの一つ事情を率直に申し上げたわけでございますが、共済制度新法扱いにおきましても、保険数理の上からいって三年という形をとっておりますので、御指摘のように、財源率その他全体にこれが影響もございますが、とにかく、現在、新法が三年でございますので、旧法新法に合わせるという方法をとったのでございます。
  11. 湯山勇

    湯山委員 そうすると二元的になって、一つ国家公務員に合わせる、一つ新法に近づける、こういう二つ立場をおとりになることになるわけでしょうか。
  12. 天城勲

    天城政府委員 旧法扱いにつきましては、とにかく新法計算方法と異なる不備な点は直さなければならぬという考え方を今度とったわけでございまして、国家公務員私学教職員との関係につきましては、率直に申しまして、私学共済が一部厚年系統からきているということも事実でございますし、同時に共済制度、特に教職員という関係もございまして、教職員として国公立と同じような方向に持っていきたいという方向一つございますが、国共、地共におきましては、何と申しましても恩給法既得権と申しますか、その系統があるわけでございます。その沿革的なものが両方どうしてもからみ合っておりまして、御指摘の点につきましてまだすっきりいってない点もございますが、現在のところ、私学の場合には保険数理上最も妥当だと考えられる最大限までをいま見ていくという考え方をとっておるわけでございます。
  13. 湯山勇

    湯山委員 やはりわからないのですが、それじゃ国家公務員あるいは地方公務員にそろえるためにはいまの点を改める必要があるという原則はお認めになられるのでしょうか、いかがでしょうか。
  14. 天城勲

    天城政府委員 その点については、むしろ旧法の問題でなくして、新法扱いの問題だろうと思うのでございまして、現在御審議願っておりますのが、旧法期間新法並みに扱うという点でございますので、さらに新法と申しますか、共済制度そのものにおいてどう扱うかという問題でございますが、その点につきましては、いま申し上げましたように恩給系統既得権ないしは期待権というものを持っておる線と、それから私学共済系統との現実の流れがございますので、いますぐどうするかということを私申しかねる段階でございますが、将来の検討問題に残させていただきたいと思います。
  15. 湯山勇

    湯山委員 これは大臣お尋ねいたしたいと思うのです。いま局長のいろいろ御苦心の御答弁のほどはよくわかりますけれども、私学先生たち給与体系が確立していないために逆選択のおそれがあるというような一つ理由で、本来ならば国家公務員地方公務員に合わせれば最終年平均をとる、それが三年間の平均をとるという不利な扱いをここで一つだけ受けている。そこで、それについては何らかの方法で是正の必要があるんじゃないか。その方法としては、確かに新法の場合においては三年をとることが正しい。しかしながら率はそれに対応して、旧法では三三・三%を四〇%という扱いをしております。それならば国家公務員地方公務員とのバランスを、一方は最終年をとらないで三年の平均をとるかわりに、率は新法を適用するということにすれば、新法との流れが一体になります。問題点が全くなくなって新法計算旧法期間計算ができます。それじゃ国家公務員よりその点有利じゃないかということにつきましては、国家公務員は、そのかわり旧法期間最終年次をとる。一方は三年だから、ここでは国家公務員のほうが有利である、こういう形でのバランスのとり方もあるんじゃないか。そうしないと不利な分だけが私学のほうへ押しつけられて、そのために結局結論的に不利な扱いを受けている。これは私はいまの大臣のお考えからいえば放置できない問題ではないかというように考えますが、大臣どのようにお考えでしょうか。
  16. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 先ほど局長からも申し上げましたように、公立共済などは恩給法期待権との関係もありまして現状のような制度になっておりますが、私学共済としましては新しくこういう制度をつくりまして、方向としては公立共済と同様な線にいきたいというのが希望でありますけれども、やはり原資との関係、その他事情相違等から見て、一挙には、全く同一であるというところにはいきかねるわけで、今後の課題として御指摘のような点は研究をしてまいりたい、かように私ども考えておる次第でございます。
  17. 湯山勇

    湯山委員 もう少し今後の御検討いただく材料として、局長のほうへお尋ねします。一体最終年をとった場合にいまよりもどれくらい給付額は上がりますか。
  18. 天城勲

    天城政府委員 いま先生の御質問、比率で申しますと一〇%でございます。
  19. 湯山勇

    湯山委員 それから四〇%を適用した場合にはどれくらい上がることになりますか。
  20. 天城勲

    天城政府委員 二一%でございます。
  21. 湯山勇

    湯山委員 二一%というのは少し大き過ぎるのじゃないですか。
  22. 天城勲

    天城政府委員 三十三分の四十だと思いますので、一・二一ということに、三十三分の四十を計算しておるわけでございます。
  23. 湯山勇

    湯山委員 三十三分の四十でしたら、二一%にならないと思うのですが……。
  24. 天城勲

    天城政府委員 三十三分の四十が一・二一というふうに見て、二一%と申し上げたのでございます。
  25. 湯山勇

    湯山委員 そうしますと、今度は最終年をとって一〇%というのはどういうところから出たのでしょうか。
  26. 天城勲

    天城政府委員 これには一つ前提を置きましたわけですが、平均として年間の昇給を一〇%と見て、三年間の平均と一年との差を見たわけでございます。
  27. 湯山勇

    湯山委員 三年間の平均というのは、一年前になりますね。最終年が二年目になるわけです。それから、最終年になれば、最終年ですから、結局一年間の給与上昇を見ればいいわけです。そうすると、定期昇給が普通なら四%程度と、それからベースアップが一〇%なら一〇%ということにすれば、もう少し大きいですね。
  28. 天城勲

    天城政府委員 それは先生がいまおっしゃるように、結論的には一年間見ればいいわけで、定期昇給その他を含めたものがどのくらいかということを見ればいいわけです。
  29. 湯山勇

    湯山委員 そういうことですから、大体最終年をとるのと、それから四〇%の適用というのは、最終年をとれば大体半分近づくことになるわけです。ですから、それだけの差がいまなお国家公務員との間にはあるということになるわけで、十何%という開きは、年金においてはかなり大きいと思います。そういうことですから、それだけの差をそのままほうっておくということはかなり重要な問題じゃないか。ことに五万二千の頭打ちとそれから三年五年、この両方合わせてどれくらい改善になりますか。
  30. 天城勲

    天城政府委員 約一〇%の改善ということになります。
  31. 湯山勇

    湯山委員 これもさっき言われたように、五年を三年にするというのは一年の違いだけなんです。ですからそれが一〇%なら五万二千の頭打ち解消ということはゼロということになりますね。先ほど三年を最終年にすれば一〇%というお話、これはそれで一応了承します。ところが五年三年でやはり同じように一〇%五年平均は三年目になりますし、三年平均は一年だから、一〇%です。五万二千の頭打ちはゼロだ、こういうことになりますね。
  32. 天城勲

    天城政府委員 いま一〇%と申し上げましたのも、ほとんどが五年を三年に平均することからくる上昇率でございまして、頭打ち撤廃がゼロだというのではなくて、これは今後の数その他によりまして若干違いますけれども、現在のところは全体の占める比率は、計算からいくと先生指摘のように非常にわずかな比率でございます。
  33. 湯山勇

    湯山委員 非常にわずかと言いましても、いま年金を受ける人というのは、私学で二十年以上つとめた人です。私学で二十年以上つとめた人がいまから年金を受ける。いま受けているその人の給与は五万二千円の頭打ちで、ほとんど五万二千円以下だ、つまりいまの局長の御答弁を逆に言えば、いまやめている人の給与というのは五万二千円以下だ、こういうことになると思いますが……。
  34. 天城勲

    天城政府委員 現在の年金者給与につきましては先生指摘のような状況でございます。
  35. 湯山勇

    湯山委員 局長答弁のとおりだと思います。ですから、絶対額から言えばいろいろ理屈はあるにしても、私も申し上げているように、よくしていく。財源の問題とかそういう問題じゃなくて、制度としてよくしていくということになれば、一体この五万二千の頭打ち解消なんてものは、いまの時点においては何の影響も受けないような修正である。そうして、私学年金が発足してから十数年たっておりますね。これは二十九年からでしたか。そうするとあと七、八年もたてばもういま私が申しておる問題は自然になくなっていくのです。検討するということをおっしゃっても、あと五年も六年も検討期間がかかったのでは何のことかわからない。該当者がなくなってしまいます。ですから、検討するというのであれば、すみやかに検討して早くやらないと、これは何のことかわからないということになります。いまこういうたいへん立ち入ったお尋ねをしておるのは、そういう意味なので、絶対額がいま局長がおっしゃったように非常に低い。今度の改正もほとんどが五年、三年の影響しか受けていない。それならば、いまの率の問題で、多少バランスとかなんとかという問題はありましょうけれども、しかしたてまえのバランスよりも実質のバランスという点から考えれば、最終年をとったからといって逆選択はできないということは、よくおわかりいただいたのかどうか、この点からまず……。
  36. 天城勲

    天城政府委員 御指摘の点はよくわかりました。
  37. 湯山勇

    湯山委員 そうすれば、確かに最終年をとるというのは前世紀の遺物のようなたてまえとしてはたてまえだと思います。私もそれがいいとは思いませんけれども、現に公務員で残されている制度なんですから、しかもあと六、七年でなくなる取り方ですから、この際、いまの人はほんとうに気の毒なんだから、その人たちのために最終年をとるか、あるいはもっとよくしてあげようと思えば、率のほうを考えるということは当然あってしかるべきではないか、こう思うんですが、もし御答弁いただけれるならば大臣からいただきたいと思います。
  38. 天城勲

    天城政府委員 湯山先生指摘の点、たいへん専門的な点でございまして、しかも私も問題点をよく了解いたしました。ただ今回の改正あるいは過去におきます私学共済改善につきましては、共済制度として、現在の制度としてできるだけ充実したものにしたいということが一点と、それから今回は特に過去の問題についてなるたけ新法の線に近づけるということが中心でございましたので、残された問題があることは、私どもも当初から十分承知いたしておりましたけれども、この際は財源関係その他からこの程度にとどめたわけでございまして、いま御指摘のいろいろの点につきまして、その他にもなおあろうかと思っておりますが、今後なお研究課題にいたしたいと思います。
  39. 湯山勇

    湯山委員 私は特にここで申し上げたいのは、前回の改正のときに、これらの措置はしておくべきだったと思うんです。新しく法律改正をして、新しい法律給付をしていくというそのときに、経過措置としていまやっておるようなことは当然やるべきことなんで、それをやっていなかったことは、政府の怠慢というかわれわれの怠慢というか、とにかく怠慢であったと思います。そういう言い方もできると思うので、それをいまから何年もかかって処理しようというのでは、これは済まない問題だと思います。今度の改正の中には新しいことは一つもないんです。ただ過去のしり始末といいますか、残務整理をしておる法律なんですから、新しく制度をつくるのならば、私は、いま局長なり大臣なりが慎重に検討するという御答弁も理解できないことはありませんが、そうではないのです。過去こうであった、新しいものはこうでなければならぬ。それをつくったために過去のことをどう処理するかがこの法律なんですから、そんなにむずかしい問題ではありません。原則は確立しておるのです。ですからこの問題ではこれ以上申し上げてもいたし方のないことかと思いますけれども、実際は、項目としては三つの中の二つができたのだから、ずいぶんいいじゃないかというようにお思いになりましょうけれども、額においてはこれ以上のものが差別として残っておるということをひとつ十分念頭にお置きいただいて、御処理をいただきたいと思います。この通算の問題は一応それだけにいたしまして、次は最低保障の問題についてお尋ねいたしたいと思います。  これはこの法律ではありませんけれども、他の法律との関連でスライド原則が打ち立てられたことは非常にいいことだと思います。そこで一体どのように物価とかそういうものに対応してスライドをしていくのか、具体的なお考えがあれば伺いたいと思います。
  40. 天城勲

    天城政府委員 いま大蔵委員会にかかっております。たいへん長い名前でございますが、別の法律におきまして、御指摘年金スライド制趣旨の規定を御審議いただいておるわけでございます。これの将来問題になる実施の点についての御指摘だろうと思うのですけれども、これにつきましては御存じだと思いますけれども、いろいろな方法考えられるわけでございまして、物価指数の問題を考えたりあるいは賃金指数の問題を考えたりしなければならぬのじゃないかと現在考えておるわけでございます。恩給公務員の場合のように、昔の給与表をいきなりベースアップして改定表をつくるというわけになかなかまいりませんものですから、結論は統一的な給与表のない私学の場合にどういう基準をつくるかということを現在考えておるわけでございまして、同時に財源負担の問題もございますので、いまどういう方法が一番的確かということは申し上げかねますが、いろいろ検討はいたしておるわけでございます。
  41. 湯山勇

    湯山委員 その検討ですけれども、厚生年金については昨年の五月からこういう規定が入っております。したがって政府としては、こういう規定が法律に入ってからすでに一年以上を経過しておる、こう言ってもいいと思うのですが、その間どういう検討がなされておるか、もしおわかりでしたらお答え願いたいと思います。
  42. 天城勲

    天城政府委員 厚年の昨年の改正以後の基準その他についての今日までの状況でございますが、私つまびらかにいたしておりませんので……。
  43. 湯山勇

    湯山委員 たいへん不服を申して恐縮ですけれども、文部省の局長のお立場としては、年金なんというものはやっかいものだろうと思います。それもわからないことはありませんけれども、しかしこれは文部省が私学先生たちのためにこういうスライド原則をこの年金に入れるということをやった以上は、一体国がどういう取り組みをしておるか、どういう扱いをしておるかということがわからないでは済まないじゃないか。この法律の責任者は文部省なんですから、こうやってこの法律にそれが入った以上はどうしていくのかということが全くきまっていないということでは済まないじゃないですか。
  44. 天城勲

    天城政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、私たち全く何もしないでおるわけではございませんで、恩給の場合の例も検討いたしておりますし、先ほどちょっと触れました物価指数とか賃金指数とかいうものを使って一定のスライド制を考えるということはいろいろ検討いたしております。厚年の問題につきましては具体的にどういうふうにやっておるかということは御指摘のようにお答えできないものですが、私たちといたしましてはいろいろな方法検討いたしております。
  45. 湯山勇

    湯山委員 これは早くしなければならない問題だと思います。というのは国家公務員地方公務員については恩給のベースアップはいままでに何回行なわれたでしょうか。
  46. 天城勲

    天城政府委員 いまちょっと私数を覚えておりません。
  47. 湯山勇

    湯山委員 一回じゃなくて数回行なわれたことは御存じでしょう。
  48. 天城勲

    天城政府委員 私、数回以上じゃないかと思ったものですから、ちょっといま数字が出なかったわけです。
  49. 湯山勇

    湯山委員 それでは私学年金は何回そういうベース改定がございましたか。
  50. 天城勲

    天城政府委員 残念ながら私学のほうはまだいたしておりません。
  51. 湯山勇

    湯山委員 そうすると、二十九年発足以来の物価、消費者物価でもいいし、賃金でもいいし、何%くらい今日までに上がっておるでしょう。大体でけっこうです。
  52. 天城勲

    天城政府委員 いま私、記憶しておりませんし、ちょっと資料がございませんので、たいへん恐縮ですけれども、お答えできかねます。
  53. 湯山勇

    湯山委員 二十九年からですから、十年以上たっておりますね。そうすると、十年前の物価、それから十年前の賃金、局長給与でどうですか、どれだけ上がっていますか、十年前といまと。
  54. 天城勲

    天城政府委員 ちょっといま記憶しておりません。
  55. 湯山勇

    湯山委員 定期昇給だけでも四%ずついけば十年で四〇%です。それにベースアップが相当いっていますから、ひょっとすると二倍、一〇〇%、少なくともそれに近いものじゃないかと思います。その間一方国家公務員地方公務員は、恩給のベースアップがありましたけれども、私学先生たちは一度もベースアップがない。私、実は偶然ですけれども、二十八年のこの制度ができたときに厚生委員をしておりまして、これをちょっと手がけました。それから三十二年に標準給与等を大幅改定したあのときも、実はちょうど私のおる委員会にかかってきまして、これに関係したのです。そういう経緯から考えて、今日まで十年間もほうっておった、一方はもう数回あるいは数回以上上がっている。そうすると、このスライド原則は、最大限来年度の予算では、ことしはもう間に合いますまい、しかし来年度予算では当然やらなければ、これはもう何のためにやったかわからないことになると思います。  そこで問題がそういう問題でございますから、大臣お尋ねいたしたいと思いますが、私学のいまのスライドの適用は、当然この法律ができた以上は来年度の予算において措置されて、来年度行なわれるということでなければ、十年以上もほっておいたそういう責任が果たせないと思います。当然そうあるべきだと思いますから、大臣からひとつ明確にそのとおりやるという御言明をいただきたいと思います。
  56. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 この私学共済は、湯山さんも熱心に御検討いただいておりますが、農業共済との関係、その他共済制度全体の問題、あるいは国民年金との関係等もございますし、それともう一つは、一番大事な点は、やはり原資がどう調達されるかという問題等もございますから、どうも直ちに理屈どおりにはまいりかねると思いますが、今回の改正におきましても、著しく物価の変動を来たした場合には改定をすることになっておりますから、そういう精神にのっとりまして、つとめて改善の行なわれるようにわれわれとしては努力をしてまいりたいと思います。
  57. 湯山勇

    湯山委員 大臣国家公務員の場合は、人事院勧告は五%の変動で出されていることはもう御存じのとおりです。私学の場合は、恩給は必ずしも公務員給与改定とスライドしてはおりません。しかしそういう原則が入ることによって、それに接近していくということは考えられると思います。そうでなくても、法律によって数次にわたって改定された、私学の場合それが放置されている、そういう事実をお考えいただけば、そう二〇%変動がなければスライドしないというようなことじゃないと思うのです。五%になるか一〇%になるか、その辺の幅が限度ではないかというように思います。そうすると、制度発足以来一〇〇%もが放置されている、そうすればまずそこを改めて、それから具体的なもう少しきめのこまかいスライドはあっていいと思いますけれども、最初の土台を改める作業というものは早急にしなければ、これはつり合いとか何とかいう問題ではなくて、人道上の問題だと思うのです。そこで最初の是正のためのベースアップ、これはまず早くおやりいただく必要がある、こう思いますが、その点はいかがでしょうか。
  58. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 公務員関係の改定にいたしましても、五%以上の場合には人事院勧告で給与の改定が行なわれる。これを今国会で審議いたしておりまする著しく物価の変動というのは一体どこに押えるか、まだ私ども的確な見当を持っていないわけで、人事院勧告が一ぺんあって、賃金改定が行なわれたらすぐにやるという精神でもないと思います。そこで御指摘のように、私学共済につきましては、この制度ができて以来相当の年月がたっており、基本にかなりの相違がある、これをどう是正するかということは確かに重要な問題だろうと思います。ただ原資及び国の負担との関係もありますので、私どもといたしましては、そういうような状況をできるだけ早く改善をする必要があるということだけは十分に認識いたして、努力をしたいと思いますが、国家財政との関係もありますから、ここでどうも明言をいたしかねることが遺憾でございますが、お含みをいただきたいと思います。
  59. 湯山勇

    湯山委員 大臣の御答弁、前段は了解できますが、あとのほうはあんまりおっしゃらないようにしていただきたい。そういうことよりも、むしろ大臣が全力を尽くして、できない場合はそれはやむを得ぬと思います。だから全力を尽くすという御答弁のほうが私はいただきたい。そういうことですから、いまの点については全力を尽くしていただくということで了解いたしまして、スライドと同時に今度出ております最低保障額の問題です。この最低保障額にしてもスライドの問題にしても、実はいまのように物価政策がうまくいっていないというしわ寄せがこういう年金受給者にいっておるという事実は、これはほんとうをいえば総理大臣においで願って、責任をただす必要があるかとも思うのですけれども、それはそれとして、最低保障額というのは何のためにつくられるか、最低保障額をつくる趣旨はどこにあるのか、これは局長からひとつ御答弁願います。
  60. 天城勲

    天城政府委員 数字についてはいろいろ見方があり御意見があろうかと思いますけれども、考え方としては最低の生活保障ということがやはり基本的にあるべきだと考えております。
  61. 湯山勇

    湯山委員 そのとおりだと思います。  そこで六万という最低保障額もさることながら、遺族の三万というのはいまおっしゃった趣旨に合っておるかどうか、局長はどうお考えでしょう。
  62. 天城勲

    天城政府委員 これは御存じのとおり年金が遺族年金に移行した場合に半分ということになっておるものでございますから、六万円の退職年金の最低に今度直したいきさつからこの二分の一の三万円という数字が出てきたわけでございます。
  63. 湯山勇

    湯山委員 年金の半分なら最低保障で三万——今度出されておるのでは、最低保障額を三万円にするという法律政府から出ております。一般の年金額の半分なら、退職年金、障害年金最低保障額が六万という設定ができれば、何も遺族年金を別に三万ということを言わなくとも半分だからきまっておるのでしょう。いかがですか。
  64. 天城勲

    天城政府委員 遺族年金はもとの年金関係によりまして必ずしもすべてそういっておらないんじゃないかと私思っておりますので、金額的に指定する必要がある、こう考えておるのでございます。
  65. 湯山勇

    湯山委員 遺族年金は本人の受ける年金の半分という規定ございませんか。
  66. 天城勲

    天城政府委員 ちょっと私規定上誤まりがあるといけませんので、課長に補足説明させていただけますでしょうか。
  67. 湯山勇

    湯山委員 その御答弁あとでいただくことにしまして、地方公務員法の四十三条第三項には「本人及びその退職又は死亡の当時その者が直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」これがおそらくどの年金原則だと思います。先般来お答えいただいておるように、私学先生は比較的高齢者が多い。これも文部省のほうからお答えになっておるところです。そうすると現在遺族年金を受けている人々というのは他の年金受給者よりも相当高齢であるということが当然言えると思うのです。だから別にほかから収入を得る道も少ない。そういう人たちの遺族の生活を三万円でやっていけ。ある程度というのですけれども、これにも限度がありましょうけれども、ともかくもそういう趣旨のものが年三万円、これで一体いいもんでしょうか。
  68. 天城勲

    天城政府委員 数字の問題につきましては、いろいろ御意見があるのは当然だと思うのでございますが、現在恩給法を中心にいたしまして最低保障の線がこの線をとることに決定いたしたものでございますので、遺族年金もこの半分の三万という数字をとったわけでございます。
  69. 湯山勇

    湯山委員 現行法では普通の最低保障額と遺族年金最低保障額との割合はどうなっておりますか。
  70. 天城勲

    天城政府委員 現在の既裁定ではございませんで現在の最低額という意味でございますね。退職年金は八万四千円、それから廃疾でございますが、二級が八万四千円でございますが、一級は十万三千二百円でございます。それから三級は現在のところ六万円の最低保障をいたしております。実際計算いたしますと五万七千五百円でございますけれども、六万円にいたしております。それから遺族年金の場合の最低保障は六万七千二百円でございます。
  71. 湯山勇

    湯山委員 そこで現行法においては最低保障額の八割程度が遺族の最低保障になっております。これは年金の本体が最低保障ですから、ぎりぎりのところですからこれの半分なんかではとてもやれない。そこでたてまえとしては半分だけれども最低保障は八割ぐらいまで持っていく、こういう精神なんです。ところが既裁定者についてはそれが六万円ですから、それよりもっと低いそれのまた半分というのはこれはあまり機械的過ぎる。六万でも不十分ですけれども、私はその六万の八割なら八割の四万八千円とかあるいは五万とか、せめてそういう配慮がなければ遺族の最低保障なんて言う資格はないと思うのですが、いかがですか。
  72. 天城勲

    天城政府委員 御指摘の点ごもっともでございますが、恩給あるいは他の共済制度を通じましてこのたび共通なこういう制度をとったものでございますので、三万円という数字を法律で明記した次第でございます。
  73. 湯山勇

    湯山委員 私はまだ在職支給とか財源とか加入者の問題、これらをお尋ねしたいのですけれども、要約して言いますと、局長の御答弁は原資の問題、他とのつり合い、この二つの御答弁でこれからあと全部いきそうです。せっかくいまのように現行法では八万四千円に対して六万幾らという最低保障の配慮があるのです。ところが今度の遺族の場合は六万の半分の三万、これでは遺族の最低保障ということにならない。こういうほんとうにだれが考えてもそうだと思うような問題も、原資の問題、他とのつり合いということで処理されたのでは、そういうことだともうあとの質問はできないです。これは確かにそういうこともありましょうけれども、この制度については、いま出しておるこのことについては局長が責任者ですから、ひとつ思い切ってこれはだれが悪いんだ、そういうことをしたのは大蔵省なら大蔵省だ、あるいは厚生省なら厚生省だ、あるいは文部省の力足らずしてそうなったけれども、これはどうしても直さなければならないとか、もうちょっと前向きなといいますか、踏み込んだ答弁をしていただかないと——いまお聞きしようと思うと原資の関係、他とのつり合いということでみないきそうです。心配になりましたので……。ちっとも遠慮することはないと思いますし、与党の皆さんもそういう点についての理解はある方ばかりですから、ひとつ遠慮なく答弁してください。私もそのほうがいいと思うのです。
  74. 天城勲

    天城政府委員 私たちの力足らざる点、御指摘はまことに私も恐縮に存ずるわけでございまして、社会保障制度としての私学共済のあり方につきましては、いろいろ考えたり努力しようとする気持ちは十分あるのでありますけれども、毎年度予算の編成の過程を経て、それから制度的にも社会保障制度審議会の審議を経てという政府部内の手続もありまして、どうしても社会保障制度一般というような考え方の観点からいろいろ検討せざるを得ないプロセスがございますので、いろいろ考えているとおりいかない点は、私たちも残念に思っておる点でございます。しかしいまいろいろ御指摘いただきました点、みなごもっともな点でございます。私たちも意識しないわけではない点でございますので、せっかくの御叱正でございますので、今後一段と努力いたしたいと思っております。
  75. 湯山勇

    湯山委員 それで今度政府から出ておるものに、障害年金に在職二十年という制限があります。これは退職年金とかそういうものならばそれはそうでしょう。しかし障害年金というのは、ごく短期の場合は在職年数と関係がありましょうけれども、それを過ぎれば関係ないはずなんです。それをなぜ一体そういう二十年という制限をおつけになったか。
  76. 天城勲

    天城政府委員 御指摘の点、われわれのほうで言っておる廃疾年金でございますけれども、これは普通の退職年金と発生事由が異なっておりますから、これについていろいろ措置する場合に退職年金とすべて同じに扱うのは、ある意味では妥当を欠くのではないかという御指摘、これもごもっともだと思うのであります。現在のところ御審議願っております案では、これもたいへん繰り返しのようなことを申して恐縮でございますけれども、全体として年金制度だということで、二十年という制限をつけざるを得なかった点をひとつ御了承いただきたいと思います。
  77. 湯山勇

    湯山委員 大臣お尋ねいたしますが、いま局長の御答弁のような状態でございますので、これは発生の条件が違うわけですから、理論的にも不合理だと思います。だからこの制限は撤廃するということになりましても、大臣としてはそれはもっともだというお考えになられると思いますが、いかがでしょう。
  78. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 廃疾年金につきましてはいろいろ発生事情等もありますが、私たちも今後改善につとめるべきである、かように考えております。
  79. 湯山勇

    湯山委員 次は、在職支給制度と申しますのは、高齢者がずいぶんある。ことに理事者とか、そういう人には退職ということがほとんどない。そこで在職支給という制度考えたらどうか。これは他の年金にない私学特有の問題だろうと思います。そこでこれについて、これは他の関連ということはないわけで、私学先生たちの独自の問題ですから、文部省として御検討になっておられると思いますが、どういうことをお考えになっておられるか承りたいと思います。
  80. 天城勲

    天城政府委員 御指摘のとおり私学共済において高年齢が多いということは、確かに一つの特色でございます。したがいまして在職支給の問題が当然出てくるわけでありまして、過去におきましても国会の審議の過程においてそういう御意見を承っておるわけであります。私たちといたしましてよく言われるのに、普通年金の八割を在職支給したらどうかという意見があるわけでありまして、厚年制度——厚年も昨年の改正でこの制度をとられたようでありますが、この点は確かに私学共済一つのポイントでございますので、検討いたしておるわけでございますが、今回の改正案におきましては、残念ながらまだ実現できない状況でございますが、私たちも高年齢者に対する在職支給の問題は、私学共済一つ課題であるという点は十分意識いたしております。
  81. 湯山勇

    湯山委員 いまの理事長とかあるいは校長とかいう場合を別にしても、私学先生に高年齢者が多いというのは、いろいろ資料もほしいのですけれども、きょうはもう省きまして、おそらく私学に就職する年齢が一般の公立、国立の学校よりも高いと思います。だから転職した人が相当多いという事情もあると思います。なおもう一つは、私学自体の給与が低いということから、とにかく年をとっても離れられない、そういう事情もこの中にはあるのじゃないかということも考えられます。したがってただその事象だけとらえて解決しようと思ってもなかなかできないだろうし、それからいまのように昭和二十九年この方年金が据え置きになっている。これがとてもやっていけないというようなこと、年金制度自体がよくなるということもまたそれとの関連ができてくるというように思います。ですから簡単に割り切らないで、いままで申し上げたことは全部つながりを持ってこの在職支給という問題にからんでおるという御理解のもとに御検討を願いたいと思います。これはみなし退職とかいうこともできないことはないと思いますし、いろいろ方法はあると思いますので、その点ひとつ御答弁をいただきます。
  82. 天城勲

    天城政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、私学教職員の勤務の実態、あるいは給与関係、特に私学に参ります事情等、非常に複雑なものがございます。公立学校のいわゆる定年後おいでになる先生もかなりございますし、また私学の教員構成上、一般に国公立にとられておるようないわゆる定年制というものもございませんし、これはひとり私学理事者、校長が長年あるいは終生勤務されるというのと違って、教職員の中にも、先ほど申し上げましたいろいろな事情から高齢勤務者があるということは、私も十分理解いたしております。高齢者支給の問題、在職支給の問題は、年金の面から申しますと、確かにそういう点がすぐ出てくるのでございますけれども、私学の教育の勤務状況と申しますか、給与関係全般の問題と関連して十分見なければならぬ点だということも御指摘のとおりでございますので、今後それらの点をあわせ考えながら措置いたしたいと思います。
  83. 湯山勇

    湯山委員 次は加入組合員の問題です。未加入者がまだ相当多いということは非常に残念なことで、制度発足の当初は特に財源の問題で、整理資源、過去の蓄積財源、そういう問題で、その当時からすみやかに全部一本にするということが言われておりました。しかし今日まで十数年たってまだそのことがそのまま残っているというのは、これは非常に残念なことなんですが、その一番大きい理由は一体どこにあるのでしょう。
  84. 天城勲

    天城政府委員 これはいろいろ複雑な事情があるわけでございますが、一つは、当初加入してなかった私立学校の事情でございます。それぞれの制度で進んできておりますものですから、それぞれの学校におきます社会保障に対する期待権とか既得権というものが、新しく私学共済に入る場合にどう調整されるか。もっと端的に申しますと、利害得失の関係が必ずしも一致いたしておりません。それが一つの特色でございます。もう一つは、これも政府の社会保障全体の問題との関連で、厚生省を中心とした社会保障に対する考え方の上で、私学のいま申したいろいろな事情というものが、一応そのままこの加入の条件の場合に認められるという形でなくて、むしろ制度論としてかなり統一的な考え方でこの私学制度考えて取り扱っていこうという考え方がございますために、いわばそれらの調整ができかねて、今日まで国会の御決議もあったり、私学共済を中心として、あるいはわれわれ文部省が中に立ってやってまいりました努力が、今日まで実らないわけでございまして、たいへん残念に思っているわけでございますが、事情は率直に申してその両者にあると思っております。
  85. 湯山勇

    湯山委員 組合員個々にとっては、制度上、現在のこの制度よりも有利なところがございますか。
  86. 天城勲

    天城政府委員 これは負担割合の問題におきまして、事業主と組合員の負担の割合におきまして、学校によりますと法人のほうがより多く負担している場合がございます。そういう場合は組合員から見ますと、折半負担という制度に対して、現在の制度のほうがベターだという考えがございますものですから、そういう例はございます。
  87. 湯山勇

    湯山委員 おそらくそういう問題もあるでしょうけれども、いまここの段面で切りかえるとすれば、おそらく全部の人が希望すると思います。ただ過去の経過年数に対する国への整理資源の払い込み、こういう問題がずいぶん大きいんじゃないかと思うのです。そういう過去の整理資源というものは、年数がたてばたつほど大きくなってくるので、発足当初やっておればもっと簡単に片づいたと思うのです。これは当時の議論もそうだったのです。ところがそれをダラダラ来ておるために、いまではどうにもしようがないということにあるいはなっているんじゃないか。整理資源について国が思い切った措置をとれば、私はわりあい簡単にこの問題が解決すると思います。掛け金負担の問題は、あるいは折半負担となっておっても、その分を理事者側が持つということは必ずしも違法じゃないと思うのです。別な形でその分を給与する、そういうやり方をしておるところも決して少なくありません。私の知っておる範囲でも幾つかあります。ですから、そういう方法よりも、むしろいま私学年金に入って、現在学校でやっておるそれがどれだけ国に金を納めるか、これが非常に大きい問題だと思います。もし、いま切りかえるとすれば、どれくらい金をこの共済で納めればいいのか、そういう計算をなさったことがございますか。
  88. 天城勲

    天城政府委員 未加入、また適用除外校の加入問題につきましては、いろいろなもっと複雑な事情があるようでございますが、いま原資の問題につきまして幾らかということでございますが、実は各学校によりまして、厚生の上に付加給付的なものを持っておりますし、それから短期につきましてもいろいろやっておられますものですから、事情は複雑でございます。結局、数字的に、原資的にどれくらいあるかということをいま計算いたしております。
  89. 湯山勇

    湯山委員 その問題が解決すれば、あとの問題は、方法はわりあい簡単に出てくると思います。ただ短期の問題は、これはまた大学なんかの先生の勤務の形態が非常にまちまちなものですから、それにはそれの別なむずかしさがありますけれども、長期に関してはそんなにむずかしい問題はあまりないと思います。そこで、話をする場合に、一体どれだけ原資の振り込みが要るのか、厚年からどれだけこっちへ回ってくる、あるいは学校側からはどれだけ入れるというのがわからなければ、これは幾ら話したって、話は一歩も前進しないと思います。そこで、そういう計算をなさって、その中で国が持つとすればどれだけ、この制度をそうするために国は思い切ってこれだけ持つというような呼びかけをしないと、前向きにいかないと思います。いままでそういうことがなされていなかったということは、非常に遺憾だと思いますけれども、しかし、これも長くなればなるほどそのものが大きくなってきまずから、今年度ぐらいを目途に、そういうことを具体的に条件を定めて話し合ってみるというようにしていただきたいと思いますが、これはお約束願えますでしょうか。
  90. 天城勲

    天城政府委員 除外校の加入問題につきましては、いままでもいろんな試みはあったのでございますが、もちろん、その場合に、ただ入るか入らないかという問題ではなくて、先ほど申したように、かなり利害得失を中心とする現実的なものの見方から議論はいたしております。ただ、御指摘のように、原資の問題が非常に大きな要因の一つでございますが、その問題になりますと、結局国の負担というような問題にすぐ結びついてくるものでございますので、これは政府の財政負担という問題とどうしてもからみ合って一緒に考えなければならぬ問題でございますので、ただ私学側の考え方だけでもまいらないわけでございます。御指摘の点はみなからみ合っておりますので、十分その点を意識しながら、いま特に御指摘のように、私学側のいろいろな現実的な問題というものを十分明らかにしながらこの問題を進めてまいりたい、こう考えております。
  91. 湯山勇

    湯山委員 いま局長のおっしゃったとおりですね。国がただ話すだけじゃなくて、国がどれだけ持つという腹がまえがなければこの問題は絶対進まないという、御理解のとおりなんです。で、たびたび附帯決議もあるし、要望もあって、今日に至っておるんですから、それなくしては前進はないということで、ひとつ大蔵省側とも折衝なさって、そういう前提のもとにぜひひとつ、長年にわたる問題の処理をいただきたいと思います。  最後にお尋ねしたいのは、原資についてですが、これも端的にお尋ねしますから、端的にお答え願いたいのです。  今回政府が出しておる改正案実施、その原資として一五%が十六%に、一%上がっております。しかし、私は私なりに計算してみますと、今度の改正分が一%というワク内に入らないのです。今度の改正分を完全にやっていきますと、一六%になってもまだ原資が足りない。こういう計算にどうしてもなります。中へおさまるとお思いになりますか、はみ出るとお思いになりますか。
  92. 天城勲

    天城政府委員 私たちのほうの計算によりますと、このたびの改正に要する原資は千分の〇・九九二と計算いたしております。それから百分の一引き上げの財源というのは千分の一・一一二と計算いたしておりますので、今回の措置は一%引き上げによって可能だという考え方をとるわけでございます。
  93. 湯山勇

    湯山委員 そういう資料は拝見いたしましたけれども、ずいぶん手がたくしておって、おそらくそれでは足りないだろうと思います、実際にやってみれば。ですから、今度の改正自体でも一六%というワクははみ出ている。これはこまかく検討していけば、ここはこれじゃ足りない、ここはゼロに見ているけれどもこうだという指摘もできると思うのですけれども、そういうことは煩を避けてしないことにいたしますが、とにかく一六%ではむずかしいということは、ひとつ十分頭に入れておいていただく。それから、先ほど来大臣も、努力しなければならない、局長も、その点については努力しなければならないということを、いろいろ項目について御答弁をいただきました。それら全体をやればどれだけの原資が必要かということは、大ざっぱにおわかりでしょうか。
  94. 天城勲

    天城政府委員 これはいろいろな条件が前提にあるわけでございまして、何をどうしたらということはいろいろあるわけでございますけれども、まず掛け金を動かさないということが一つ。それからいままでいろいろお話のありましたものを、たとえば既裁定も恩給法と同じように二〇%にアップしてやるとか、いろいろな前提があるわけでございますけれども、おそらく九近く要るのじゃないかと考えております。
  95. 湯山勇

    湯山委員 九近く要るとすれば、結局端的にいえば、いま一六%に国の補助が引き上げになりましたけれども、それ以外に九%程度は必要だ。その必要な九%を国が持つか、あるいは各人負担するか、あるいは理事者側が持つか、それは別だろうと思います。しかし社会保障制度審議会の答申で見ますと、本人負担はふやすことは避けるべきだという意味の答申が出ております。そうすると当然それらのものは国の負担ということになってくると思います。私学振興会が負担する分もありますけれども、結局これは運用の資金というものは国から出ているわけだから、間接には国が見るということと同じなので、どういう形にしろそれらの原資については国が見ない限り制度改善はできないということになると思います。そこで、一六%以外に、そういう原資として相当の額を国が見なければならない状態にある。私どももそう思いますし、あるいはだれもこの制度考えた人は、これはもっと国が見なければならないというお考えがあると思います。政府のほうではその点についてどういうお考えなのか、政府考えを聞きたいと思います。
  96. 天城勲

    天城政府委員 いろいろの原資の問題があるわけでございますが、特に整理資源の問題を中心に考えてみた場合に、いろいろな前提条件がございますが、給付改善をはかっていくためには、どうしても原資の問題に触れてまいります。これをいま先生の御指摘のように、掛け金率の問題にいま触れないでということになりますれば、これはひとり私学共済に限りませんで、社会保障制度全般に通じまして国の負担というものが不可避だということは、方向としてはそうならざるを得ないと思うのでございます。したがいまして、この問題はやはり社会保障制度に対します国の財源のあり方という基本問題にぶつかってまいりますので、私たちといたしましては、組合員の負担が重くならないようにということが一つ趣旨でございますので、おのずから整理資源の財源問題ということにつきましては方向があるのじゃないか、こう考えて、従来もそういう考え方をとってきております。本年も実は予算の過程でそういう議論をいたしたわけでございますけれども、今後も努力いたしたいと考えております。
  97. 湯山勇

    湯山委員 なお相当長期にわたって継続的にそのような措置をとる必要があるというように思いますが、これは御同感だと思いますが、いかがでしょう。
  98. 天城勲

    天城政府委員 端的に言ってそういうふうに私も思っております。
  99. 湯山勇

    湯山委員 だんだん御答弁が明快になってたいへんけっこうだと思います。  最後に申し上げたいことは、制度がかりによくなったとしても、その制度だけでは私学先生たちが退職後の生活を安んじてすることはできない。確かに制度的には接近しましたけれども、問題は、その中身をなすものは本人の給与です。たびたび御指摘するように、給与が低いということ、これは政府もお認めになっているとおりなので、その私学先生たらの給与の是正、先ほど給与体系の問題にもお触れになりましたが、給与体系の確立、そういうことについて文部省は責任を持っておられるのか持っておられないのか、これはいかがでしょう。
  100. 天城勲

    天城政府委員 法律的に申し上げますと、現在私学法によりまして文部大臣の権限というのは非常に限定されておりますから、具体的ないまの給与体系の確立とか、あるいは給与水準の向上とかいうことについて、文部省がいわゆる行政上の権限として持っているということはないわけでございます。ただ全般に私学教育の向上ないしは私学の振興ということはこれは文部大臣の責任でございますし、助言ないし指導ということはできるわけでございますが、行政上の権限としてはそういうところまで及んでおりません。
  101. 湯山勇

    湯山委員 おやりになる意思がおありになるかどうかです。
  102. 天城勲

    天城政府委員 この問題はすでに御案内と思いますけれども、私学の財政問題全般の問題のことでございまして、現在私学の財政が学生の納付金に非常に大きくたよっておる、あるいは外部からの借り入れ金が非常に多いというような状況の中で、今日あらためて私学の財政上の問題が議題になっております。これにつきましては現在私学振興方策調査会というのを設けて、文部省におきましても検討中でございまして、この調査会におきましても私学の経済のあり方についていろいろ議論が出ておりまして、給与問題、経常費等出ております。むしろ共済組合ということよりも、御指摘のとおりその前提として私学振興の基本問題として私たち検討しているわけでございます。したがいましていま最後の、端的にやるかやらぬかというお話は、この調査会の審議と結果を待って今後の措置として考えさせていただきたいと思います。
  103. 湯山勇

    湯山委員 局長の御答弁局長のお立場としてはその程度だろうと思います。  それから大臣お尋ねいたします。  御存じのように私学給与が低いということは周知の事実でございます。そこで、それの是正なくして私学振興ということも意味のないことでございますし、幾ら年金をよくしても、年金の中身が悪ければ弁当箱のからだけ大きくなって中身が入っていないような、そういうことになると思うのです。そこで法律のたてまえ上できないことはない、しかしそれには限度があるというような局長の御答弁でございますけれども、法律を振りかざす振りかざさないの問題ではなくて、大臣として、私学の職員の給与改善年金のもっと根本的な問題になるわけですから、それについて大臣が積極的にお取り組みになるお考えがおありになるかどうか、御決意のほどを承りたいと思います。
  104. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 私学教職員の待遇が改善されることは望ましいことでございます。また期待するところでありますけれども、これはやはり私学の財政確立の問題が根底だと思います。したがいまして、現在私学振興方策調査会でそういうあり方はどうあるべきか目下検討しておる段階でございまして、まだ具体的に方向が出ておりません。私どもはこの問題との関連において、今後できるだけ私学教職員も待遇の改善されることを期待をしてまいりたいと思います。
  105. 湯山勇

    湯山委員 以上で終わります。
  106. 八田貞義

    八田委員長 本案についての質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  107. 八田貞義

    八田委員長 ただいま委員長の手元に谷川和穂君外八名から三派共同提案にかかる本案に対する修正案が提出されております。     —————————————
  108. 八田貞義

    八田委員長 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。谷川和穂君。
  109. 谷川和穗

    ○谷川委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、修正案について御説明申し上げます。  案文につきましては、すでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。  修正の趣旨の第一点は、私立学校教職員共済組合に対する国の補助について、政府原案においては、従来の百分の十五の補助率を百分の十六に改めることになっておりまするが、そのほかに新たに、財源調整のため必要がある場合には、その費用の一部を国が補助できる道を開くこととしたものであります。  第二点は、既裁定の低額年金の是正措置について、政府原案においては、組合員期間が二十年以上の者にのみ限定されておりますのを、廃疾年金については、組合員期間が二十年未満の場合にあっても、六万円の最低保障を行なうこととするものであります。  委員各位の御賛成をお願いいたします。  以上をもちまして修正案の趣旨の説明を終わります。
  110. 八田貞義

    八田委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。  この際、本修正案について内閣の御意見があればお述べ願います。
  111. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対するただいまの修正案につきましては、政府立場といたしましてもやむを得ないものと考えております。     —————————————
  112. 八田貞義

    八田委員長 これより本案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、谷川和穂君外八名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  113. 八田貞義

    八田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  114. 八田貞義

    八田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。     —————————————
  115. 八田貞義

    八田委員長 この際、委員長の手元に高橋重信君外九名から本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。高橋重信君。
  116. 高橋重信

    ○高橋(重)委員 私は、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の三党を代表いたしまして、ただいまの法律案に対し、附帯決議を付するの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。   私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  私立学校教育の重要性と私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、政府は、すみやかに左記の事項について検討し、その実現を図るべきである。  一 私立学校教職員共済組合法の適用外にある私立学校の教職員に対し、すみやかに、同法を適用するため必要な措置を講ずること。  二 私立学校の特殊事情にかんがみ、高齢組合員に対し、長期給付支給の措置を講ずること。  三 旧長期組合員期間に係る給付について、新法を適用するため必要な措置を講ずること。既裁定年金額についても同様とすること。  四 いわゆる年金スライド原則規定の実施基準をすみやかに明確化すること。  五 整理資源を確保するため必要な国庫補助の措置を講ずること。  六 私立学校教職員給与が国・公立学校教職員のそれより著しく低位にある実情にかんがみ、その給与改善給与体系の整備等を図るため適切な指導助言を行なうこと。  七 私立学校教職員共済組合の業務の健全化を図り、かつ、掛金負担の軽減に資するため、国は、短期給付事業の費用に対する助成、長期給付事業に要する費用の補助率の引き上げに努めること。 以上でございます。  その趣旨につきましては、これまでの審議に尽くされておりますので、案文朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。  何とぞ御賛同あらんことをお願いいたします。
  117. 八田貞義

    八田委員長 以上で説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  118. 八田貞義

    八田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、文部大臣から発言を求められております。これを許します。中村文部大臣
  119. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、誠意をもって検討いたしたいと思います。     —————————————
  120. 八田貞義

    八田委員長 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 八田貞義

    八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕
  122. 八田貞義

    八田委員長 次会は、来たる六月一日水曜日午前十時より理事会、午前十時一二十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会