○安養寺
説明員 御説明申し上げます。
昨年の四十年の六月一日現在の調査によりますと、大学、短大、大学院等新規に
学校を出ました者で、小
学校の教師に
採用されました者が五千八百六十名、
中学校に
採用されたものが五千八百十名、
高等学校に
採用されましたものが一万五百三十名、かように、私どものほうの課の集計いたしました事務的な
資料にあるわけでございます。これが本年度の新規の
採用者であったわけでございますが、この時点におきまして、多少教員の不足ということがわれわれのほうに訴えられましたものは、大都市における小
学校の先生の不足、こういうような問題が部分的にございました。その数字につきましては、先ほど来申し上げておりますように、明確なる数字ということでは承知いたしておりませんので、まことに申しわけないわけでございますが、まず小
学校の先生の不足ということが一番われわれのほうとしては問題であるというように認識をしておるわけでございます。
なお、今後四十三年度までに至る間の教員の需給の傾向でございますが、一応いま申し上げましたような小
学校の教師の充足というものについて、これは相当くふうを要するのじゃないかと思う。
高等学校、
中学校につきましては、進学率等は別といたしまして、教師の需要の絶対数というものはダウンをする傾向にあるというぐあいに、一応数字的には推計されるわけでございますので、新規卒業生によって、いまほどの、そう大幅な供給はしなくてもいいのじゃないかというふうに考えられるわけでございます。国立の教員養成の学部は各府県に
一つずつ、いろいろ名称、形態は異にいたしますがございます。そこの学部には小
学校の教師になることを志望する者を入れるコース、
中学校の各科の教師を志望する者を収容いたしますコース、あるいは
高等学校の特別の教科、たとえて申しますと、音楽、美術、体育、こういったものでございますが、そういったものを志望します者をあらかじめ入れるコース、特殊教育の先生になる者を入れるコース等々がいろいろございます。教員養成の学部でございますので、一応当該地域のこれらの各
学校の種別の教師の必要数を推計いたしまして入学定員を設定する、卒業させる、そして就職を考えるというのが筋になっておるというぐあいに心得ておるわけでございますが、四十三年度までの間におきまして、国立の教員養成の学部から小
学校の教師の必要数の大半は供給すべきではないかというような考え方で、入学定員を用意しておるわけでございます。と申しますのも、現在、教員の免許はどこでもとれるという制度ではございますけれども、小
学校の教師の資格取得というのは、まことにそのための用意がたいへんでございまして、
一般の大学でこういうことをおやりいただけないという事態がございます。また国立の教員養成が、いままでの歴史的な経過からいたしましても、また大学という機構の内部そのものからいたしましても、こういう面にもっともその機能を発揮すべき目的と使命を持っておるわけでございますので、小
学校の教員の必要数につきましては、国立の教員養成の学部の卒業者によってまかなう必要があろう、またそうならざるを得ないというような関連があるわけでございます。
中学校の教員の
関係になりますと、これは
一般の大学から相当数の志望がございます。そういう
関係から、全国的にならしまして、約六割から七割の間の供給を国立の教員養成の学部で確保しよう、したがって、その他の部分につきましては、
一般の大学から教師を志望する人たちによって大いに充当していただこう、こういうような考え方をとっているわけでございます。そのような関連で、
関係大学の入学定員をセットしているわけでございます。
高等学校につきましても、特殊教育の教員につきましても、考え方はほぼ
中学校の場合に準じておる次第でございますが、一応そういう
関係で、まず四十三年度までのそれぞれの地域における需給の計画のめどを立てようという考え方でおるわけでございます。
ただ、小
学校の教師につきましては、先ほど当初に御説明いたしましたような事態が今後大都市周辺にも起こるのではないかというようなことが推定されるわけでございます。したがって、四十一年度概算要求には、東京周辺、名古屋、大阪、この六つの
関係大学の小
学校課程の入学定員を増募いたすという予算を政府としては用意をいまいたしているわけでございます。その他につきましては、国立の大学の卒業者でほぼ相当部分を確保する、その他につきましては、
一般大学から教師になる人を大いに勧誘するというような手だてを講じまして、教師の必要数が十分確保できるように努力してまいりたい、かような考え方でおるわけでございます。