○久宗
政府委員 実感を申し上げますと、御
指摘のようなことでございます。急に伸びてまいりました産業でもございますのと、またそれまでに伝統的ないろいろな体制があるわけでございます。業界にもございますし、
個々の営農する
農家の方にもございますので、
果樹の試験にどういうふうに取り組んだらいいかという問題につきましては、今日までの
制度につきましても二転三転いたしておるように思います。平塚が具体的に
お話に出ましたが、場の立地という点につきましては、園芸
関係のみならず、県の
試験場まで含めまして、情勢も非常に変化してまいりまして、そこの事態では試験が非常にできにくいという問題が全国的にあるわけでございます。御承知のように、さような問題を契機といたしまして、試験
研究ができるならば一ヵ所に集まって、相互の横の
関係をとろうではないかという企画が進行しているわけでございます。したがいまして、平塚の具体的なあれにつきましては、やはり私どももあそこでは本格的な
研究ができにくいであろう、また御
指摘のように、
個々の作物についても若干不適の点がございますし、また基礎の
研究ということになりました場合に、むしろ他部門との接触でございますとか、あるいはより高度な、あるいは別の学問体系との関連でございますとか、そういうことをむしろねらったほうがよろしいのではないかということで、全体の移転
計画の中に含めまして
検討をしておるわけでございます。ただ、現在私どもが、
先ほど申しましたような
施設の問題も含めまして、ある
課題を段階的に組み立てます場合に感じております点は、やはり物別に取り組みました点が非常な
一つの特色になっておりまして、ある時期にはそういうことが非常に
研究を進める行き方でないかもしれないのでございます。品目が非常に多数ございますので、重点が非常に置きにくい。また行政的な要請も非常に強いわけでございまして、それに対しまして
技術者の準備と申しますか、体制が必ずしも十分でないというふうに感じておるわけでございます。
それからもう
一つの点は、やはり少し突っ込んでまいりまして、むずかしい問題になってまいりますと、やはり物別のアプローチと並行いたしまして、たとえば土壌なら土壌という問題につきましての横の
連絡をとることが、
研究の
一つの突破口になってくるというような問題がございます。ただ、この点は運用では非常に気をつけてよく御相談もしておるつもりでございますけれども、現在の段階では必ずしもそれがうまくいっていないように思うわけでございます。さような
意味におきまして、
果樹関係をもし伸ばすということで
考えました場合に、物別に追う努力ももちろん必要でございますが、なお幾つかの基本的な共通事項がございまして、その点が少しこの段階ではおろそかになっているのじゃないか、それを何とかしたいというのが現在の気持ちでございます。