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芳賀委員 あなたに無理に言ってもしょうがないのですが、こんなことは一年生でもわかることでしょう。やってみればわかるわけです。ビートの畑の仕事をしてみた場合と、牛小屋に入った場合、どっちが一般的にやりやすいかということは、
答弁も何も要らぬことだが、しかし、農林省の課長くらいになれば、その判断がどっちかくらいはっきり言えなければいかぬじゃないですか。何もみんなに遠慮することはないじゃないですか。自分の職務に忠実である場合には、私はビート作業のほうが容易だと思いますでいいじゃないですか。経験がないのだから断定はできないでしょう。しかし、こういうことを毎日やっているわけですから、判断して、どっちがしろうととしてやれるかということはわかるでしょう。それぐらいのことを確信を持って言えなければ、あなた方がつくった
資料というのは常に悪用されるのですよ。いいところは捨て、悪いところだけ採用されるわけですから、その点はもう少しがんばってもらいたいと思います。
次にお尋ねしたい点は、これは運営上の問題ですが、われわれとして非常に奇異に感ずることは、
不足払い、いわゆる
補給金の単価というものは、予算編成のときにきめられておるわけですが、実行にあたってこの単価が増額されるという事例はなかなかないのですね。ところが、今回の場合は、結局、保証乳価と
基準取引価格の差額分というものが交付金という形で国から交付されるわけですね。その差額というものは、キロ
当たりにして五円二十二銭ということになる。予算単価としては五円ですからね。キロ
当たりはそうですよ。あなた首を振ったってそうなっておるのですよ。農林省の最初の要求がそうじゃないですか。それが今度二十二銭ふえておる。ふえるのはいいですよ。われわれは九円や十円でいいとは思っていないのですけれども、ふやし方の背景というものを明らかにしなければいかぬと思うのです。先ほど
参事官から
説明のあったとおり、
保証価格については、最初の農林省の試算よりもキロ
当たり六十八銭くらいふえておるわけですね。ところが、
基準取引価格については何ら修正をしていないというところに問題があるわけです。取引
価格も若干の修正をすれば、その差額というものは最初の試算と違いがないのです。だから、何のために
基準取引価格の修正をしなかったかということになれば、
原料乳ですから、
生産者とメーカーというものを二つ並べた場合において、どちらを擁護することを配慮して保証乳価を最終的にきめたかということになると思うのです。結局、これはメーカー擁護ということになるのじゃないですか。メーカーの指標
価格の算定については、会社の報告どおりの経費を認めておるわけです。大蔵省のほうもそうでしょう。たとえば
加工経費の中の人件費等については何らの
調査もしないで、ただ会社の報告どおり、それを容認しておるからして、人件費について、一人べースの給与額も何もわからないで、オーケーということになっておるわけですね。それで、この
不足払い法の目的というのは、運営するものによって、
生産者の味方にもなるし、メーカーの味方にもなるということは、最初から言われたことなんですよ。いみじくも、この
不足払いの額が予算単価よりも若干ふえている。二十二銭ですね。そうして、最初の試算どおり
基準取引価格は動いていないということを考えた場合に、これはやはりメーカー擁護に重点を置いて
政府が
告示価格をきめたと言われても、弁解の方法がないでしょう。この点はどうですか。これは
答弁は要らないですよ。われわれはそういうふうに断定しているから、
答弁の必要はないですよ。
その次の問題は、結局、指定
生産者団体と会社間において、今度は取引契約というものを締結されるわけですが、従来と違った点は、いわゆる生乳の受け渡し場所という問題が当然出てくるわけですね。これは受託規程等にも載ってくるが、受け渡し場所というものがいわゆる
基準取引価格発生の場所ということになるわけですから、従来と同様の取引場所であるということであれば大きな変化はないが、受託規程等によると、今度は原則的には工場渡しですね。
生産者側が工場まで持ち込んで、引き渡す場所の
価格ということになるわけですから、この点が、従来の
価格発生の場所と、今回の新法によるところの
価格発生の場所の相違によって、つまり、
生産者の手取り分あるいはメーカー側の利益分に変化が生ずるわけでしょう。それはそうでしょう。その場合、従来よりも
生産者側において負担が増加するというような傾向というものは、これはできないとは限らないわけですね。どの程度そういう現象というものが予測されるかどうかということを明らかにしてもらいたいのです。
生産者の負担がふえる分が随時随所に出てくるということになれば、その負担のふえた分は、従来は会社負担ということになっているわけですから、それを
生産者に今度は制度的に転嫁される。転嫁した分だけはメーカー側の負担が減るわけだから、利益はふえるということになるわけですね。これは取引上非常に重要な問題なわけです。
不足払いの金額が幾らかとか、
保証価格の問題もあります。実際、取引行為の中において
生産者の負担がふえるということになれば、これは非常に重要な問題になるわけですから、この間の取り扱いについて、これを明快にしてもらいたいのです。