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足鹿委員 葉たばこをつくるのは
農家ですからね。これはくどく申し上げますまい。よく御検討になって、この要望を……。きょう専売公社を呼んでおけばよかった。これは私のミスです。
最後に、長々お待ちをいただいた
農地局長にお尋ねをします。それで私の
質問を終わりますが、今度、
農林省は画期的な二兆六千億、十カ年の
土地改良長期
計画なるものを策定されました。この間の本
会議で、
湯山議員の
質問に答えて、福田大蔵大臣は鼻をうごめかしながら、画期的な
政策だと言っておった。大蔵大臣がああいうことを言うのはよほど自信があるらしいのですが、この
計画その他のこまかい点については、私は別な機会があろうと思いますので、きょうは触れません。ただ、従来までの
補助率が低いために、
補助残融資が多額に必要になる。したがって、その
金利等で
農民の
負担が非常に過重になって、一生懸命
事業の認可を受けたが、今度は
負担の問題でつまづくという
傾向は各地に出ておりますし、いままでに
事業を行なったところにおいては——わが党が前に
土地改良区の再建整備法というものを出して、ほとんど成立寸前までいったのに、これはいまだに実現しておりません。非常に遺憾ですが、いずれにいたしましても、各地で問題になっておる。問題になるということは、あなた方がどんなりっぱな
計画を立てられても、その実現性が乏しくなるということですよ。
政策の実行が不可能になるということを意味するから、私は伺うわけですが、どれくらい
負担がかさむかということを御調査になっておると思いますが、念のために、団体営の
事業が三年−五年、県営で七年ないし十四年、国営がそれ以上ということに完工期がなっている。それがみんなずれる。早期完工なんということは、実際できておらぬ。ますます困るのですね。国庫
補助も、団体営については四〇ないし四五、県営は五〇%以上、今度県費
補助の
制度が認められましたから、少しはよくなった。
構造改善も七割だ。国営は六〇%、特定
土地改良区は五八%と
承知しておりますが、どうしてこんなに区別をされるのか、私
どもにはわかりません。ひとつ、ここに生きた証拠がありますから申し上げますが、これは新潟県のある
土地改良区でありまして、二千四百四十六町歩、国営、県営かん排、部分的に団体営の
土地改良区が五地区あるところであります。そう言えば、あなたははは
あと思うでしょう。三十八年度に千二百六十万円借りておる。この元利合計
償還額が二千九十六万八千九百七十五円になる。驚くなかれ、利息は八百三十三万八千九百七十五円です。これは県営部分です。今度三十九年の県営の
補助残の借り入れ金が七百八十一万円、元利合計
償還額が千二百九十六万一千八百七十五円、利息がこれまた五百十五万一千八百七十五円ということになる。ここまできて済むかというと、まだこの次には団体営がこれに重なってくるわけです。とにかく、六分五厘の
補助残融資で、しかも
補助残の八割しか
融資がない。
あとの二割は個人
負担か、農協その他から借りますから、とにかく二年据え置きの十六年
償還で、
元金と利息が一緒になる。これは水田の場合ですが、畑かんの場合をとってみましょう。これは鳥取県のある
地域の二百二十六町歩の畑かん
事業でありますが、三十五年の県営
補助残が四百二十八万円、元利合計七百三十二万七百十円、利息が三百四万七百十円、これもほとんど
元金にひとしい利息を取られておる。借り入れ条件は、三年据え置きの十七年賦で六分五厘であります。これは県営ですから、団体営が下にくっつく。そうしますと、この団体営の
補助残の
元金が千百九十四万円、利息が七百三十一万八千六百二十円、元利合計千九百二十五万八千六百二十円、借り入れ条件は、三年据え置きの十六年賦で、利息六分五厘でいってこれですよ。このほかに、付帯
事業として非
補助の借り入れ金がある。四百三十八万円、元利合計六百三十八万七千四百八十円、利息が二百万七千四百八十円、こういう
状態です。大体六分五厘でこれです。
補助残の全額借りたとしてもこれです。
制度金融で全額借りられぬのですからね。これは
矛盾ではないですか。どうしてそれをいっぱいいっぱい貸さないのか。しかも、この
土地改良区というやつは、
計画したときの当初と実際の
負担区域というものはみんな違うのです。この畑かんの場合、二百二十六町歩で
計画を立てたが、実際の
負担区域は百九十町歩に減っておる。どこでもそうです。これは共通です。
農地局長よく御存じのとおり。ですから、ますます個々の
農家の
負担が重なっていく。ですから、いいことはわかっておるけれ
ども、やれないというのが
実情ですよ。これは
構造改善事業だってそうですよ。これからいよいよ
構造改善も
償還が始まってきますが、これはたいへんですよ。そういう
事態をあなた方は踏まえて、二兆六千億の長期十カ年
計画をこのままの条件でおやりになるのですか。やれっこありませんよ、そんなことは。ほかのほうへおおばんぶるまいをしておるものだから、何か
農民にも兆のつく金をちょっと見せびらかすというふうにもとれる。二兆六千億というと、ちょっと景気のいい
数字ですからね。だけれ
ども、実際は、
農民負担がいま言ったようにかさんでついて回る。これはいいことはわかっておっても、やれません。しかも三年
程度の据え置きがあるということは、つまり、施行後その間は生産力が低下する。場合によっては石ころだけのたんぼができてきます。そういうところではもう何もつくれません。また客土もやらなければならぬ。とにかく県営でやっても国営でやっても、みんな
農民負担がこれにくっついております。ですから、私はやれっこないと思うのです。何らかこの条件を是正されない限り、砂上に楼閣を築くようなことだと思う。そう申し上げても私は過言でないと思う。一体、この
実態をどう解決されていく御所存でありますか。とにかく既設の
土地改良区はもちろんのこと、今後の処置も同時並行して解決されなければならぬ問題だと私は思う。しからざれば、
農業近代化の
基盤整備などといったってできっこない。これをあえて強行するならば、
農民一揆が起きますよ。もう現に各地で深刻な
事態です。
事業の認可はおりた、調査設計も終わった、ところが、物価はどんどん上がっていくし、最初聞いておったことと話が違うというのがみんなそうですよ。そこで、各地で物議が起きておる。そうしてもう県庁に押しかけるとか、たいへんな騒ぎが各地で起きておる。これをどう処理されようとしておるか。二兆六千億の長期
計画をどういう具体的な案によって裏づけをされていこうとするか。そのこまかいことは別の機会に私はまた申し上げますが、この
内容を、いま私が指摘したような
農民負担の増高をどういう形において軽減し、あるいは既設の
土地改良区の苦しみを解消していく御所存でありますか。これは農林大臣が
おいでになるときに私はしかと承りたい重大な問題だと思う。あなた方が二兆六千億などという膨大な
計画を出しておる。なるがゆえに、私はこの問題は徹底的に追及をしたいと思っておりますが、とにかくこういうことではやれません。どうされる御所存でありますか。それをひとつこの際大和田さんにお尋ねをいたします。