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芳賀委員 これは国際的な問題でもあるので、きょう直ちに
政府に結論を出せとは申しませんが、国会においても、
昭和三十四年の三月六日、これは正式に衆議院の議決にはなりませんでしたが、社会党から「オホーツク海におけるさけ、ます漁業に関する決議案」というものをぜひ国会の議決として、
政府はもちろん、ソ連側においても実行に移すべきである、こういう提案をしたわけです。これは残念ながら与党
自民党の同調を得られないままに、国会の議決ということにはならなかったわけですが、これは相当長文にわたっておりますが、いま私の指摘した問題が当時の決議案の中に盛り込まれておるわけです。ちょっと読んでみますと、
日本政府と、ソヴィエト社会主義共和国連邦
政府との間において締結された「北西太平洋の公海における漁業に関する
日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約」は、両締約国が関心を有する漁業の
最大の持続的
生産性を維持することを目的として両締約国の科学的研究を推進すべきことをその前文において明らかにしているにもかかわらず、
政府は、昨年モスクワで開催された日ソ漁業
委員会第二回
会議の最終段階において、年間総漁獲量の
増加を偏重する余り両国共同の科学的
調査を推進することもなく、突如として
昭和三十四年一月一日以降オホーツク海の公海におけるさけ・ます漁業の全面的な停止を決定したのである。
このことは、海洋漁業について従来堅持し来った
日本の国際的主張を自ら放棄し、母船側の利益に奉仕して
国民的利益を蹂躙したものと言わざるを得ない。
よって、
政府は、過去の過誤を改め、漁民大衆の利益を増進するため、目下開催中の日ソ漁業
委員会を通じ、左記の各項が実現するよう全力を傾注すべきである。
記
一、オホーツク海をはじめとする
北海道沿岸における漁民が従来さけ・ます資源の保護増殖のため払ってきた犠牲と
努力を尊重し、かつ、窮迫した漁民生活の向上に資するため、漁業協同組合自営漁業を中心とする沿岸小漁民によるいわゆる基地独航方式による出漁の途を開くこと。
二、オホーツク海におけるさけ・ます漁業資源について科学的
調査を積極的かつ、大規模に推進することとし、これが態勢の整備を図ること。
基本的にはこれと同様なことを、
北海道においても、また
関係漁業団体においても、
農林大臣に要請しておるわけですからして、これらをできるだけ尊重して、特に申し上げたいことは、日ソ漁業
委員会において問題として取り上げなければ、これは何にもならぬわけですから、その
努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。