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角屋委員 これは、
大臣おいでになりませんけれ
ども、まだ同僚のそれぞれの専門家が後ほどにおられるわけですから、いまちょっと取り上げました
事業団の
業務委託に伴うところの
土地改良財産の
管理上の問題点というのは、私は具体的にずっと指摘しませんで一般論として論じましたけれ
ども、水利権の問題であるとか、あるいは
周辺用水機場経費の延期になっている債権の受け入れ方法であるとか、あるいは土地所有者からの
工事着工の承諾を得て、
工事はすでに終わっておるけれ
ども土地売買契約がなされておらぬ場合の所有権移転登記上の問題を一体どこがどうするかという、いろいろ具体的な問題は取り上げませんでしたが、しかし、いずれにしても
工事錯綜とか非能率とかというようなことで、一本でやったほうがいいということを言っておるけれ
ども、私は、こういういろいろな問題のことも考えてみると、せっかくここまで
国営としてやってきておったその
事業については、国が
国営事業として第一線のいままでやってきた
事業所を活用しながら、きちっと
仕事を終わってしまう。むしろその
過程においては、
事業団としては、新しく入植してくる者の訓練、あるいは公共用
施設の学校であるとか役場であるとかいろいろなものの
建設、住宅の
建設というふうな、いわゆる
国営事業として取り上げられない、
事業団自身が
プロパーとしてやらなければならぬそういうものの新しい町づくりの
建設のほうに力点を注ぐ。そして、新しい営農
計画、機械体系、いろいろなものをやはりある程度の
プランを立てましたけれ
ども、これからが正念場である、そういう方面にこそ
事業団が当面力点を注がなければならぬはずである、こういうふうに思うのであって、いま、
事業の錯綜とかなんとかというだけで言っておるが、錯綜とは思わない。調整はできると思う。だから、これだけの世紀の大
事業を、今後五年、十年、十五年後に見た場合には、日本農業の一つのモデル的なところができたというふうな姿を出すために、当面における
国営事業やあるいは新しい町づくりの
建設の力点をこと数年どちらのほうが何に置くのかという点を十分に考えた上に立ってやるべきであって、ヘドロの完熟がまだ終わっていない
段階に、
農地局のほうから参事官その他がそれぞれ来て、私も農業土木が専門だから、実際はこういうふうに最終的の圃場の
プランを立てたほうが、
水路の
関係、あるいは
道路の
関係、あるいは
圃場整備の
関係で一本でやりやすいというようなことを説明はしておったけれ
ども、しかし、そういうことだけにとどまらない。やはりもっと将来展望の上に立って考えてみると、この際は、やはり
国営のことは
国営のほうできちっとやってしまう、態勢もあるのだから。そして
事業団は、むしろここ数年は新しい町づくりのほうのおぜん立てと将来の
プランの綿密な樹立に精力を注ぐというほうが正しいというふうに私は思うわけであって、そういう点については十分考えた上に立ってやられていない。この法案が突如として出てきたところにも、われわれとして胸におさめかねる。国会の審議権から見て問題があるけれ
ども、同時にいま言ったような問題等も含めて考えてくると、一体
事業団の当面の力点は何かというふうなことについては、やはり十分配慮が必要であるし、また今日
時点においてもそういう配慮で再検討をやる必要があるというふうに、私
自身は率直に考えておるわけです。
そこで政務次官に、
同僚議員も待っておられますから最後にお伺いしたいわけですけれ
ども、
八郎潟の大
規模な
干拓事業というものは、やっと第一段の山を越え、これから第二段、第三段の山にかかっていくという
段階にあるわけです。これは
農林省という
段階のことで必ずしもお伺いしていいかどうか知らぬけれ
ども、こういう大
規模な
国営干拓事業をやった土地における新しい町づくりというものについては、
農林省の
プランからいけば、純農村地帯モデルをつくるという頭で、やはり具体的な
プランを見ても、入植のしおりを見ても書いてあるけれ
ども、近代国家の近代的な農村の当然必要とするそういう面の用地というものを、たとえば加工部面あるいは軽度の必要な工業部面というものまで当初の
段階において新しい町づくりの
プランの中で想定をし、設計をし、そうしてまたそういうものをつくり上げていく。単にこれは学校であるとか、役場であるとか、あるいは必要な公会堂、その他病院とかいうものでなしに、産業的性格としてそういう近代的な農村としての必要なものについては、用地その他の問題についても当然当初から設定をした構想の中でやっていく、こういう配慮が必要ではないのか。単なる純粋な農村をこういう広大な地域につくり上げる、それがこれから五年、十年、十五年以降において変貌していくというのじゃなくて、そういう
プランというものが、この種
国営干拓の大
規模な
事業の当初から必要なのではないか、こういうふうに考えるわけですけれ
ども、これは単に
八郎潟だけにとどまりません。これはわれわれよりも、
地元の名士その他でも体験をしておるわけですけれ
ども、実際に
干拓事業をやって、経済情勢の変化に基づいてそれが変貌してくる、こういうような点について、いわゆる純農業的にいかないという要因を導入しなければならぬという問題が出てくる。それはむしろ積極的にそういう要請の必要な
部分については受けとめて、最初から
プランの樹立とそういうものの
計画遂行をやるという、そういう新しい考え方が出なければならぬ
段階ではないのか、こういうふうに思うわけです。これは、
大臣来られて繰り返すわけにいきませんから、政務次官も有能な人ですから、政務次官で答えてもらいたい。