○
田口(誠)
委員 ただいまの
答弁どおりに持っていこうとすれば、そのワンステップということでこの
法案を出されたとするなれば、この
調整官の職務が、財政経済の
関係に大きな発言権を持ち、そうしてここがイニシアをとるということなら、私はいまの
長官の御
答弁に沿うと思うのですけれ
ども、現在の仕事の分布を見ますと、そうなっておらないところに、私
どもは
反対の
意見を持っておるわけなんです。だから、これは現在
各省の
大臣になっておられる方も、それから与野党を問わず、
予算編成当時には、とにかく大蔵省にぺこぺこと頭を下げて、そうして
予算のぶんどり合い、ぶんどり合戦をする、こういう見苦しいことを、何か
内閣の
強化によってこれを解消していかなくてはならない。これは政治家はもちろんのこと、全国民がそうした大きな要請をいたしておるところであるわけです。したがって、
予算編成のときに、わが省に有利な
予算をとろうとすれば、平素大蔵省の課長さんまでに
大臣がぺこぺこと頭を下げておらなければならぬというのが、現在の
実態であるわけなんです。このようなことでは、
日本の
行政を、国民の意思を反映して行なうということは困難だと思うのです。私は、
臨調の
答申が出たときを機会に、思い切って
福田さんの手元で、これは今度の
法律案のようなものでなしに、りっぱに
内閣の
強化されるものが出されてしかるべきであったろうと思うのです。今日まで幾つかの
法案が出ておりますけれ
ども、この
法案くらい各新聞が取り上げてけちをつけておる
法案はないわけなんです。祝日
法案もございまして、相当新聞は取り上げましたけれ
ども、これは別の角度で取り上げておりますが、けちをつけておるというのは、私は、
国会に出てから、この
法案が一番最初であるというように
考えておるわけなのです。その証拠の数点を申し上げますならば、日にち的には順不同になりますけれ
ども、二月二十三日の朝日新聞には「宙に迷う「
内閣の
機能強化」」、「
官房改革案は決ったが……」と、こういうような見出しを出しております。「看板だおれに終る」「本気でなかった
政府のハラ」「行監委の意向ほおかむり」、これは一番最初に
官房長官が御
答弁されましたように、
臨調の
答申は出たけれ
ども、
行政監理委員会を設けて十分に
検討をしてもらう、こういうことで、
委員会を
発足さした、
検討をしてもらっておる、こういうことでございますが、その
結論も、先ほど私の申しましたように、
昭和四十一年度の
予算編成にあたって、
一つの
結論を出しておるわけなんです。この
結論に逆行しておるものが出されておるのが、いまの
内閣法の
内容であるわけなんです。私はそういう点からきわめて遺憾に思います。それから読売の二月三日には「
官房副
長官制をやめ「
補佐官」四人置く」、こういう見出しで、
臨調の
方針の
内容にも触れ、そうして現在出されておる
内閣法の
内容にも触れて、論文式の
意見が出されております。これも非常に私は読んで傾聴するに値があると思います。二月二十六日の朝日新聞では、「十八人の閣僚」という見出しで、囲みに論文を出しております。この中にも、昨年は
総理府の
総務長官を
大臣にし、一名増をした。また今年も
官房長官を
大臣にして一名増員するんだ。逆に
臨調のほうでは減員を必要としておったけれ
ども、現在の政治情勢としては減員ということはむずかしいから、
現状よりは増員しない、こういう今日までの
経過から、こうした論文が書かれております。そうしてなお、朝日新聞の二月十二日には、「
内閣の
強化か
官房の
強化か」、こういう書き方がしてありますが、これはいまの御
答弁ではっきりしましたように、
内閣の
強化ではない、
官房の
強化と
官房の
事務量増を消化するための
処置だということははっきりしましたけれ
ども、
官房の
強化ということには、あまり報道
関係も関心がないらしいのです。とにかく
内閣の
強化ということに関心があるので、こうした記事を出していると思うのでございます。なお、毎日の二月九日の囲みを見ますと、
行政監理委員会、それから
官房の食い違い、この点を
指摘をいたしております。これは特に「きらわれる”
補佐官”の名称」云々ということもつけ加えておりますが、非常に
指摘をしております。それから東京新聞の二月八日を見ましても、これで「
内閣の
機能は強まるのか」ということで、
内容的には相当皮肉って書いてあるわけでございます。そうしてりっぱな進歩的な
内容も盛られております。それから特に毎日の二月八日の「
内閣機能の
強化について」は、これは社説としてりっぱな論文が出ております。それからなお朝日の一月二十九日には「
内閣官房に広報官」云々ということで、この点については若干ぼくらもうなずける点がございますけれ
ども、これは
事務量の
関係でありまするけれ
ども、非常に今度の
法案に対して関心を持って出しております。それから読売の二月十日には「もたつく“
内閣の
機能強化”」こういう見出しで出しております。それから日経は三月八日に、「
行政改革の行方を見守ろう」、こういう見出しで、これは社説で論文を出しております。それから最も最近出ております新聞の
内容を見ますと「
大臣インフレ」というような見出しを出したり、「
能力よりも順番、当選五回でその気になる」、「政党はこれでよいのか」、こういう見出し、これは全く私は同感するところがございます。それからなお「政権長もちの“武器”」、「論功行賞の派閥均衡で」というようなことで、今度の
大臣一名増は、これはそうしたことに苦しい
内閣改造のときの
実態から、もう一名なり二名なり
大臣があったらというところをついて、非常に
総理大臣が苦労をしておるところがありありと出ております。そして
内閣「
定員二十越す目近い」、こういうことでございますが、これは現在のような
考え方でいきますと、全くそのとおりであろうと思いますし、特に「
大臣インフレ」、「納税者忘れた省
増設案」というようなことで、「政党はこれでよいのか」というようなことをいっております。それから特にまだこの
法案が
決定されないうちに、
内閣報道官に近藤氏を起用するのだという記事が出ておりますが、これはしばしばこういうことがあって、これはあとに別に
指摘をいたしたいと思いまするが、ただいま申し上げましたように、私の目についたものだけでも、非常に報道
関係は現在の出されておる
内閣法の
改正については大きな関心と批判的な記事を出しておるわけであります。こういう記事を出しておるにもかかわらず、なぜこうやらなければならないかということは、これは何回
答弁を求めても、おそらく
官房長官のほうでは
事務量の増ということでございましょう。それ以外には何ものもないと思うのです。そうしますと、現在でも
内閣官房長官を
大臣にすることができるということになっておるのだから、
大臣一名増とは違うのだから、この点はもう少し
福田長官の手元でセーブしてもらわなければならないのではないかと私は
考えておる。当時の
川島正次郎長官のときは、ものすごい勢いで、そして熱心に、この七人
委員会の
結論については、相当
各省に抵抗があってもこれは実行に移していきたいという意向を持っておられたのだから、この
考え方を引き継いでおられる
福田長官であるから、私はこれを認められたということについては、非常に納得がいかないわけです。ただ
一つ、
答弁を聞きまして納得のいきましたことは、この
内閣法の
改正が
内閣の
強化であるということなら、これは絶対に
反対なんだ、これは認めないんだ。ところが、
官房の
事務量の増に対して、
事務量を消化するためにこの
法案が出されたから、これは認めたんだ、こう言っておられるわけでございますので、私は前に申し上げたことについては了解できますけれ
ども、あとに私の申し上げましたことについては、どうしても
大臣を一名増しなければならないという点は腹に入らぬので、もう少し大所高所から、この問題をどう
考え、近い将来この
内閣の
強化をしなければならない、またそれを
検討しなければならない
福田行政管理庁長官は、どのような抱負を持っておられるのか、承っておかなければ、この問題を
審議するにも大きな支障があると思います。