○田口(誠)
委員 岩動先生のほうからも、昨年の四十八回国会の
恩給法の
改正の
審議の採決のときに
附帯決議をつけたわけですが、その
附帯決議がどういうように生かされているかということについて質問があったわけです。私もまず第一にこの点でお伺いをしておきたいと思いますことは、
審議会ができた、しかし、この
審議会の二年間は
恩給法の
内容がいかに不備な点があっても
改正をしないということではなしに、それと並行して、いままでの
審議の過程においていろいろ各
委員から出された問題等を整理して、
改正をしていくということでございます。そうなりますと、四十八回国会で一番問題になりましたことは、
改正案が出されて給付金が引き上げられた。二割の給付の引き上げになったけれども、しかし、この二割の引き上げは、三年かかって二割を引き上げるというのが
内容であったわけであります。したがって、
附帯決議の中にも第一項として、「本
改正案の三年にわたる段階的増額を短縮するようすみやかに措置すること。」こういうように
附帯決議をして、そして最後に大臣のほうから、
趣旨に沿って努力する旨の確約があったわけでございます。そこで、いままでも私が指摘をいたしておりますことは、この
軍人恩給を含む
恩給でございますが、戦後一時停止になっておりましたのが、
昭和二十八年に復活をした。
昭和二十八年に復活をしたときには、平均ベースという表現をいたしますが、平均ベースでいきますと、一万円になっておったわけです。ところが、ちょうどそのときに
国家公務員の
給与は幾らになっておったかと申しますれば、
国家公務員の
給与は一万三千五百八十五円、こういう額であったので、したがって、
恩給の一万円という基礎金額より三千五百八十五円、
公務員の
給与が高かったというのが、
昭和二十八年の復活当時の第一歩であったわけです。そこで、第二回目の
改正のときには、この一万円を一万二千円に引き上げた。この一万二千円に引き上げたときには、
国家公務員の
給与が一万五千六百六十八円であった。これも三千六百六十八円というのが多かったわけであります。その次には、一万五千円に引き上げた。一万五千円に引き上げられたときの
国家公務員の
給与が、一万九千三百九十円であった。そうしますると、四千三百九十円
国家公務員のほうが高かった、こういうことでございます。したがって、大体二十八年からずっと
改正を見ますると、
恩給の平均ベースと
国家公務員の賃金が三千五百円から四千余円の開きがあるのが、一万五千円ベースに引き上げるまでの過程の開きであった。そこで
昭和三十七年度に、この一万五千円というのを九千円引き上げて二万四千円にしたわけなんです。しかし、この二万四千円にしたけれども、これは三十七、三十八、三十九年の三年かかってこの二万四千円の引き上げを完了する、こういうことになっておりましたので、ちょうど
昭和三十九年度
国家公務員の
給与ベースというのは、三万四千四百五十円になっておるわけです。したがって、そのことからいきますと、約一万円ほど開きが出てきておるということです。
〔
委員長退席、藤枝
委員長代理着席〕
しかも、昨年の四十八回国会で
改正案が出されたのも、三年かかって二割ということでございまするので、こういう過去の
実態を申し上げて、そしてこれではいかぬのではないか、極端な話かもわかりませんけれども、参議院の選挙の年に引き上げを行なって、三年かかって引き上げを完了する、また三年かかるのだから参議院の選挙というようなことで、
考え方によっては参議院選挙
対策のような誤解を生むわけであるから、これはやはり変える必要があるのではないかということが与野党ともに考えられて、
附帯決議の中には、先ほども申しましたように、「本
改正案の三年にわたる段階的増額を短縮するようすみやかに措置すること。」こう第一項に書いてある。そこで、今年の
改正のときにはこういう点も考慮されるのではないか、こう思っておりましたけれども、その点は何ら
改正案の中には盛り込まれておらないわけです、この第一項の問題についてはですよ。したがって、第一項の問題については、どのように考えておられ、あの
附帯決議の精神をどう生かしていこうとされておるのか、これを承りたいわけです。したがって、そのことは、また夏ごろあるであろう臨時国会に
提案する
方法もありましょうし、それから三年待たずしてということですから、三年目の来年度、引き上げの法
改正を行なうこともできるわけなんですが、そういうことも考え合わせて
政府の
考え方を私はお聞きをしておきたい。