○楢崎
委員 そこで私は、椎名大臣、あるいは佐藤総理のこの安全操業に対する
答弁をことでもう一度読んでみたいと思います。李ラインの撤廃の問題に関して私どもいろいろと
質問をいたしました。特に私は、この李ラインの撤廃問題と関連をして韓国が一九五三年に制定をいたしました漁業資源保護法、これとの関連で、これは国会でも何回も問題にしました。この日韓漁業協定が成立をすれば、韓国側のいままでの取り締まりの法的根拠になっておった漁業資源保護法を廃止するように日本政府としては当然
向こうに要求をすべきであると、私どもは
委員会でも追及をいたしました。椎名
外務大臣はそういうニュアンスのことを一度言われたが、直ちにその翌日か翌々日にことばを変えられました。私は、こういう事件が起こってから初めてこれがまた問題になるということは、非常に残念でたまりません。韓国が十四日のような事件を起こした根拠というものは、おそらく韓国政府ははっきりしておらぬかもしれぬが、韓国の現場の出先の
人たちは、いままでの過去の李ライン時代の慣習によって、いわゆる漁業資源保護法の頭でもってこういうことをやっているのです。これは明らかです。だから、漁業協定を成立させるならば、韓国の漁業資源保護法を撤廃させるように交渉しなさいということをわれわれは再三要求をいたしました。あなた方それに対して何と言われました。椎名
外務大臣は、昨年の三月二十六日に、新しい李ライン、資源ライン、国防ラインなどという一方的な管轄権を設定するということは、いかなる理由においても、いかなる形においても絶対に認められない。韓国においてたとえ
法律が形式上残っているにしても、すべての条約は国内法に優先する原則があり、条約が通れば、国内法は自然に効力を失うわけである、あなたはそう
解釈した。したがって、そういう交渉をする必要はないとあなたは言われた。あるいは佐藤総理は昨年八月九日、こういうことを参議院の予算
委員会で言われた。韓国の国内法上の問題は別として、漁業協定発効の暁には、日韓両国の漁業はこの協定のみによって律せられることになるから、李ラインは少なくとも日本にとって存在しなくなるわけである。あるいは十月二十一日、「漁業に関する限り、漁業上の安全操業はできるのだ、これだけははっきり申し上げまして、漁民の不安も一掃したいし、国民にも、李ラインの論争に巻き込まれないように御注意を願いたいと思います。」、こういう
答弁をしておるのです。あなた方は確信をもって安全操業ができると言った。あえて韓国の漁業資源保護法の撤廃なんか言わなくても、この日韓漁業協定によって安全操業ができるとあなた方は確信をもって
答弁しました。いまから二年前にです。農林水産
委員会では、交渉に当たっておりました赤城農林大臣は、もし協定発効後、かつての李ラインみたいなああいう事件が韓国によって起こされるならば、協定の破棄も辞さないという
答弁を私になさいました。椎名大臣は、いまこの
段階になって一体韓国の漁業資源保護法がどうなっているのか、もう少し積極的な大臣の態度を私はお聞きしたいと思います。