○村山(喜)委員 青少年行政の改革に関する
意見書の臨時行政調査会の分に関する問題につきましては、行管が参りましてから取り上げてまいりたいと思います。
先般安井長官にも私の
質問の
内容について触れておきましたので、準備をしていただいておるだろうと思うのでございますが、ILO第八十七号条約の批准に関連をいたしまして、当時の国会においていろいろと国家公務員の基本的な人権の問題につきましては論議をされておる。この
内容を検討してまいりますると、これは国家公務員でありましても、やはり国民の一員であることには変わりはないわけです。そういう立場から従来の人事院規則十四の七の適用の由来を
考えてまいりますと、御
承知のように、政令二百一号が制定をされまして、公務員の政治活動の自由権を完全に
アメリカの占領軍の命令によって奪い取られて、それをそのままそっくり受けて人事院規則が制定された歴史があるわけであります。しかも国家公務員法の中に
法律事項として、この違反事項に対しましては、単なる行政処分の対象のみならず、いわゆる刑事罰として三年以下の徴役、十万円以下の罰金ということが処分方法が明示されておる。ところが、この問題につきまして、大橋労働
大臣がILO第八十七号条約の審議の際において、将来はILO第百五号条約との関連においても、この問題については検討をしなければならない問題があるということも、はっきり言っておるわけであります。しかも当時これを関連法の国家公務員法の附則の中において、
法律事項として暫定的に生かしていこうというような経過もございました。そろいうような中から、とりあえず現行のようにその取り扱いは人事院規則によってやるということになったのでございますが、しかし、その場合には、政治的目的と政治的行為というものが一致しなければならないという従来の人事院の解釈というものがございます。これはいまでも変わらないと私は思っておるのです。それからさらに、いわゆる政策の決定とは、国会で
法律、条約が可決されたときだ、こういうふうに、運用方針に対する解釈も、今日においてもこれは変わっていないと思うのであります。しかしながら、実際どういう取り扱いをされておるのか、その
内容が、われわれのところには
新聞に伝える程度のものしかございませんので、いわゆる公務員の日韓反対デモの
政府見解というものが示されておりますから、この
内容をもとにして
質問をしていくわけでございますが、
政府がこういうようないわゆる公務員の政治活動に対する見解というものをまとめられた。そのまとめるのにあたりましては、安井長官が昨年の十一月十九日の閣議で
報告をされた
内容のものがあるわけであります。この中においていわゆる政治的目的と政治的行為というものが
一つにならないで、たとえば政治的行為だけが存在をしておった場合に、それも処罰をするのではなかろうかと思われるような
内容の意思表示のものがございますが、そういうようなものが一体どういうふうになっているのかという点でございます。これについては、最近におきましては永山自治
大臣が、去る物価メーデーの場合における問題を指摘をいたしまして、閣議として違反行為の事実について調査をするといろ態度を決定をしておられるようであります。したがって、
政府の解釈というものと、人事院の解釈というものと、またそれに関連をいたしまして、憲法上の問題が今度出てくるわけでございます。というのは、今日のいわゆる特別権力関係のもとにおける国家公務員、しかも一般職の公務員というものが、憲法上の規定するところの基本的人権をどの程度に享受し得るのか、どの程度において排除されるのかという基本的な問題があると思うのであります。そういうような点から見まして、現在の人事院規則というものが、
法律によって包括的に人事院規則に定めるところにより云々という形で政治行為の規制がなされておる、その
内容そのものがはたして適正であるのかどうかという点も問題になります。しかもこのことについては、ILO八十七号条約の審議を通じまして、これらの問題について十分に検討をしなければならない問題であるということになっているわけであります。
政府の
答弁がそういうような態度になっている。その後においてどういうふうに検討されたのか。すでに御
承知のように、臨時行政調査会のほうからもこのことについては公務員に関する改革
意見書の中で指摘されておる。そういうような政治行為に対する画一的規制の排除という形で臨時行政調査会のほうからも
報告をされている、答申をされている。これは全面的に
政府としては尊重をして今後の方向というものをきめていこうということになっているのですから、そういう立場を踏まえて私は
質問を申し上げてまいりたいと思うのであります。公務員の政治活動の限界に対する
政府の見解というものは、これは
政府が決定をされてしかるべきものなのか、それに強制力がどういうようなふうに及ぶのか、この点について、その
内容を長官のほうから説明を願いたいのであります。
それと同時に、人事院の
職員局長からは、いわゆる一四の七を制定をした目的というものから照らし合わせて、現在、
政府がやっている行為というものははたして公務員の利益を守る立場に立って
考えているのか、その見解をお聞かせを願っておきたいのであります。
それから公務員の基本的人権が、私は、職務の遂行と国民一般の人権享受に矛盾する限りにおいての制約というものは認めなければならないと思いますし、また、国民の生命安全維持のために制約を受けることがあり得ると思いますが、憲法上表現の自由権なりその他の基本的人権に対しては、特別権力関係のもとにあるからということで排除できるものではないと
考えるのでありますが、これに対する法制局の見解を聞いておきたいと思います。