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1966-03-09 第51回国会 衆議院 逓信委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月九日(水曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 砂原  格君    理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君    理事 上林山榮吉君 理事 佐藤洋之助君    理事 内藤  隆君 理事 栗原 俊夫君    理事 畑   和君 理事 森本  靖君       綾部健太郎君    小渕 恵三君       金丸  信君    木部 佳昭君       佐藤 孝行君    志賀健次郎君       徳安 實藏君    南  好雄君       安宅 常彦君    大柴 滋夫君       片島  港君    中井徳次郎君       原   茂君    前田榮之助君  出席政府委員         郵政政務次官  亀岡 高夫君         郵政事務官         (郵務局長)  長田 裕二君         郵政事務官         (貯金局長)  稲増 久義君  委員外出席者         日本電信電話公         社副総裁    秋草 篤二君         日本電信電話公         社経理局長   中山 公平君         専  門  員 水田  誠君     ――――――――――――― 三月四日  委員佐々木良作辞任につき、その補欠として  今澄勇君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員今澄勇辞任につき、その補欠として佐々  木良作君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月七日  簡易保険及び郵便年金資金運用範囲拡大等に  関する陳情書  (第一八〇号)  郵便物の日曜配達廃止に関する陳情書外七件  (第一八一  号)  同外一件(第二  二七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣  提出第六一号)  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  六四号)      ――――◇―――――
  2. 砂原格

    砂原委員長 これより会議を開きます。  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案及び郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。森本委員
  3. 森本靖

    森本委員 この前の委員会で私が質問をいたしまして、実は軍人恩給の支給については熊本貯金局だけしかやってない、こういうことでございましたが、その後調査いたしますとそうではないかっこうになっていますので、これは政府のほうから発言を求めて、ひとつ訂正をしておいてもらいたい、こう思うわけです。
  4. 稲増久義

    稲増政府委員 二月二十二日の森本先生軍人恩給についての所管庁のことに関しまして、熊本一局とお答え申し上げましたが、それは間違いでございまして、全国地方貯金局において、それぞれ地域別に分担いたして行なっておりますので、訂正さしていただきます。
  5. 森本靖

    森本委員 これはひとつ今後二度とこういうことのないようにお願いしたい。私のほうから言わなければおそらくはおかぶりして済ましてしまうつもりじゃなかったのではないかと思いますが、今後とくと御注意願いたいと思います。  そこで、電電公社のほうにお尋ねしますが、副総裁来ておるかな。——それじゃ、電電公社は参りましてからすぐお尋ねいたします。  これは最終的な質問でありますので、てきぱきとお答え願いたいと思いますが、郵便振替貯金法改正の中で、この現行料金は、用紙代金については払込書用紙払出書用紙小切手用紙は四十円と五十円ずつになっておるわけでありますが、今回はこれが全部無料になっておるわけであります。この無料になった場合には、請求のあった場合にはどういうふうにしてこれは渡すつもりですか。
  6. 稲増久義

    稲増政府委員 請求がありますれば、どういうふうにして渡すかということと直接関連があることと思いますが、どれくらい渡すかということでなかろうかと思うのでございますが、これにつきましてはもちろん一枚一枚のやつは当然いまも無料で渡しておりますが、大口の交付を受けるものに対しましては、大体その大口加入者の一カ月間使うだけの分量に限るよう省令を規定いたしたい、かような考え方でおります。
  7. 森本靖

    森本委員 一カ月間使うということでありますが、四月一日からこれは無料になるわけでありますが、その場合にこの払い込み用紙については現在一冊何枚になっておりますか。
  8. 稲増久義

    稲増政府委員 一冊五十枚になっております。
  9. 森本靖

    森本委員 この一冊五十枚をそのまま五十枚にするつもりですか。
  10. 稲増久義

    稲増政府委員 ただいまのところ変える考えを持っておりません。
  11. 森本靖

    森本委員 これは五十枚を二十枚なりあるいはそこらあたり半分くらいに減らしたらどうですか。
  12. 稲増久義

    稲増政府委員 用紙を乱用されることを御心配されておることと思いますが、いますぐ二十五枚なり二十枚にするというふうなことは若干むずかしいかと思いますが、今後の使用状況を見まして勘案いたしたい、かように考えております。
  13. 森本靖

    森本委員 そこへ見本を持ってきておりませんか。これはかなりいいものですよ、品物が。見本があったらこっちに貸してください。——この中で、この払込通知票払出通知票という、この二つは、普通大体これを無料でやっておりますけれども、この小切手帳の五十枚の刷ったやつというものは、金額にしてもかなり金額になると思いますが、原価計算で何ぼでできておりますか。
  14. 稲増久義

    稲増政府委員 小切手帳は一冊四十二円程度に相なっております。
  15. 森本靖

    森本委員 そうすると払込通知票払出通知票とはどの程度ですか。
  16. 稲増久義

    稲増政府委員 払込書は一冊十二円、払出書は一冊二十四円程度に相なっております。
  17. 森本靖

    森本委員 私の見た小切手帳は全部五十枚つづりで、原価四十何円というものが全部今度無料になるわけでありますから、何らかの規定をしなければ、全部これを無料でやっていくということになりますと、相当もったいないわけであって、たとえばこの小切手帳ただでもらってほかのほうに使おうと思えば使えぬこともないわけです。それは、たとえば郵便小切手じゃなしに、自分のところの社内の何とかかんとかで使おうと思えば使えぬこともないような非常に便利なかっこうになっておるわけでありますが、これを無料でやるということになっておるわけでありますので、実績によってやるというのは——実績によってやっても一冊でやらなければならぬでしょう。払込通知票ですか、普通関係があるのは。払込通知票は一枚一枚になっておるやつがあるけれども、この小切手帳は一枚一枚になったやつはないでしょう。
  18. 稲増久義

    稲増政府委員 一冊通し番号1から50までなっております。
  19. 森本靖

    森本委員 だからどっちにしてもこれを最低五十枚やらなければいかぬわね。
  20. 稲増久義

    稲増政府委員 さようでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 さようでございますということですが、一カ月五十枚以下の、そういうものをやっている人の件数はどのくらいありますか。
  22. 稲増久義

    稲増政府委員 現在年間二万六千冊ほど出ております。
  23. 森本靖

    森本委員 年間二万六千冊出ておるというのは、これは全部で年間二万六千冊出ておるということですか。
  24. 稲増久義

    稲増政府委員 そのとおりであります。
  25. 森本靖

    森本委員 いや、年間二万六千冊出ておっても、いままではその一冊四十何円の原価のやつを五十円でやっておったわけですね。今度は請求があったらただでやらなければいかぬわけですから、ただでやるについては、あまりに使用率が少ない人に一冊五十円のやつをやるのはもったいないでしょう、月にたった一枚か二枚しか使わぬ人にやるのは。だからそれをあなたのほうは、先ほとの答弁では、現在までの実績によってやるという答弁だったから、どういう実績によってやるか、こういうことです。
  26. 稲増久義

    稲増政府委員 実績と申しましたのは、払出書払込書についてでありまして、小切手のほうは、小切手口座を持った方にのみ交付いたすわけでありまして、なお交付する場合に口座加入者から誓約書のようなものをいただきまして、小切手帳が不要になった場合には、残部は返していただくというふうな誓約書を、一冊交付する場合に現在もいただいております。
  27. 森本靖

    森本委員 残部を不要になったら返すという誓約書をとって、五十円金を取っているわけですか。
  28. 稲増久義

    稲増政府委員 さようでございます。
  29. 森本靖

    森本委員 現在、金を五十円持ってきたら絶対売らなければいかぬですよ、これは売りものですから。不要になって返したら、その返したときに五十円のうち二十円か三十円払い戻すのですか。
  30. 稲増久義

    稲増政府委員 払い戻しするようなことはいたしておりません。交付いたしますときに、先ほど申し上げましたとおり残部があればお返ししますという条件のもとに売っておりますので、そのまま残部はこちらに返還があればもらい切りでございます。
  31. 森本靖

    森本委員 それは普通だれが聞いても、常識で考えてもおかしいじゃないかね。これは一冊五十円でいま売っておるわけだね。だから売った以上は向こうの人のものなんだ。余ったら返してもらうという誓約書を入れて、余りましたと言って返してきたときは——五十枚だからちょうど一枚一円だろう。だから三十枚余りましたと言って返してきたら三十円返すのがほんとうじゃないか。そうじゃないですか。
  32. 稲増久義

    稲増政府委員 売りましたときにそういうお約束済みで売っておりますので、理論から申せばさように相なるかと思いますが、現在のところは最初のお約束に従いましてそのまま返していただいている、こういうことでございます。
  33. 森本靖

    森本委員 しかし、それだったら法律精神に反しますよ。それはたいへんな問題ですよ。現行料金として小切手用紙代は一冊につき五十円ということが法律において規定されておるわけだ。その規定されておる法律によって五十円で買ったものを、余ったから戻すと言ってそれを戻した場合に、それをただで取るということは法律違反です。これが法律においてきまってなければ別ですよ。一冊について小切手用紙料金は五十円ということがちゃんと法律できまっておるんだ。だから五十円で買った以上はその人のものなんだ。それを使い残しがあったらただで戻すというやり方があるかね。それは法律違反だ。
  34. 稲増久義

    稲増政府委員 そのお約束はわれわれと加入者との道義的な問題でございますので、法律論から言えば法律が優先いたすということに相なっております。
  35. 森本靖

    森本委員 ますますわからないようになってくるわけでね。いわゆる政令なんというものは法律を受けてできるわけですから。法律においては一冊について五十円で売るということになっておるわけです。だから五十円で売った以上は向こうのものなんです。それを戻してくれということであるとするならば、戻す場合には、ちょうど五十枚が五十円ですから、一枚が一円ですから、その分を戻すのが当然であります。法律がきまっておって、道義的精神でその法律を破るというようなやり方は、これはやみ米と一緒ですよ。法律を守らなければならぬところの官公庁がそういうことでは私は納得がいきかねるわけですが、それはどういうぐあいになっていますか。
  36. 稲増久義

    稲増政府委員 御承知のとおり、小切手口座を閉鎖いたしました場合等に余ってくるわけでありまして、われわれといたしましてはその小切手が他に乱用されるというふうなことを心配いたしますので、ただいまのような制度をとっておるわけであります。
  37. 森本靖

    森本委員 それは何できまっておりますか、取り戻すというやつは。
  38. 稲増久義

    稲増政府委員 小切手帳は一冊五十枚でありますが、そのほとんどを使い果たす五枚くらい前のところに小切手用紙受領証というものを印刷して挿入してございまして、その受領証の中に先ほど申し上げましたような趣旨のことを書いてありますので、それでいままでやってまいったわけであります。
  39. 森本靖

    森本委員 それは法律上どういう見解になりますか、法制局長官を呼んで聞いてみようか。法律で五十円で売却するということになっておるのです。だから、売ってもらったほうは自分のものなんだ。それを法律で返すということになっておれば別だけれども、そうでなしに、そういうことによって返さなければならぬということにきめることがはたして妥当であるかどうであるか。それならたとえば郵便料金にしても書状が十円であるというふうにきまっておる。ところが、郵務局取り扱いによってその十円を七円にする場合もあり得るということになったら、法律できめることは必要ない。
  40. 稲増久義

    稲増政府委員 もちろん、ただいま申し上げましたような誓約書強制力は持っておりません。単なるこちら側のお願いと申しますか、加入者との合意の上のやり方でありまして、むしろわれわれのほうも乱用されることは困ります。と同時に乱用いたしまして、持っている方もまた迷惑をこうむるというふうなことに相なるかと思います。
  41. 森本靖

    森本委員 私にはさっぱりわからない。わかるように説明してもらいたい。それなら、その誓約書をちょっと貸してください。私が言っておるのはこういうことですよ。この現行法律では一冊にして五十円で売る、一枚が一円になっておる、原価は四十三円だ、しかし手数料その他をやったらちょうど五十円くらいになる、それを売ったものは相手のものではないか、それをもう一ぺん取り戻すということになって、それをそんなもので取り戻すことができるかどうか、法律で売ったものを。
  42. 稲増久義

    稲増政府委員 その方がいやだと申されれば返してもらうことはできません。こういうことは私のほうばかりではなく、銀行方面でも同じようなことをやっておるようであります。
  43. 森本靖

    森本委員 銀行方面でどうやろうとこうやろうと、銀行銀行法でちゃんとやっておるわけなんです。これは郵便振替貯金法によってやっておるわけだから、郵便振替貯金法にはどこにもそんなことは書いてないわけだ。法律にもどこにも書いてないことをかってにやっているということはおかしいから聞いておるわけですよ。
  44. 稲増久義

    稲増政府委員 ただいま申し上げましたとおり、強制でございませんので、いやだと言われればしかたがないのでありますが、お返し願うほうが私のほうもいいし、相手の方にもいいんじゃないかと考えまして、お互いの合意の上でお返しを願う、こういう考え方でございます。
  45. 森本靖

    森本委員 それはそういうふうに書いてありますか、その書き方は。だからそれをちょっと見せてください。相手選択権があるように書いてありますか。その選択権相手にないはずです。
  46. 稲増久義

    稲増政府委員 ただいまその現物を持ち合わしておりません。
  47. 森本靖

    森本委員 それでは書いてある文章を読んでみてください。
  48. 稲増久義

    稲増政府委員 「右の小切手用紙を確かに受け取りました。なお、小切手払口座が閉鎖されたときは、ただちに使用残り小切手用紙をお返しします。」加入者当該郵便局長殿
  49. 森本靖

    森本委員 それは一つ選択権はないじゃないですか。その文章強制的じゃないですか。お返しいたしますとちゃんと書いてある。
  50. 稲増久義

    稲増政府委員 これはその加入者のほうからお返しいたします、こういうぐあいに言っていただいた、かように解釈いたします。
  51. 森本靖

    森本委員 それを書かなければ渡さぬのだろう。
  52. 稲増久義

    稲増政府委員 これを書いてなければ、おっしゃるとおりに返してくれないと思います。
  53. 森本靖

    森本委員 いや、それは書かないと郵便局のほうから渡さないのでしょう、その加入者に対して。
  54. 稲増久義

    稲増政府委員 このことを承諾してもらわないと渡さないといいますか交付しないわけであります。
  55. 森本靖

    森本委員 だから、それを書かなければ渡さないということは、相手選択権はないということでしょう。
  56. 稲増久義

    稲増政府委員 しかしこういうことは全然強制力がございませんので、その点は、先方はこれを承諾して買われてその後返してくれなくても、われわれといたしましては取り上げることができない。強制力がないものでございます。
  57. 森本靖

    森本委員 よけいわからなくなったが、強制力も何もない、効果のないものを書かす必要はないじゃないですか、わざわざ。
  58. 稲増久義

    稲増政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、やはりこちらとしては不渡りの心配がございますので、強制力はございませんが書いてもらうほうがベターだという考え方でございます。
  59. 森本靖

    森本委員 言っておることがさっぱりわからぬがね。私は法律を根拠にして問題を審議しておるわけだから、その辺をはっきりしてもらいたい。要するにその文章を書かなければ渡さないのだろう。書いた以上はそれがちゃんと一つ誓約書になるから、書いたほうも責任があるはずなんだ。
  60. 稲増久義

    稲増政府委員 もちろん道義的な責任はございますが、法律的な責任を追及することはこのことだけではできないと思います。
  61. 森本靖

    森本委員 これは大体、小切手用紙がいままで五十円であったのが今回無料になるわけでありますから、そういう点でいま私が盛んにこの問題を追及しておるわけでありますので、現行にやっておることについては法律上の問題をもっと明確にしてもらいたい、こう思うのです。これはあしたまで宿題に残しておきます。いまの答弁ではわからない。やはり法律上どういう見解になるのかその辺わかりませんから、あなたのほうも法制局あたりにちゃんと聞いて、きちっとした答弁をしてください。  ちょうど電電公社が来ましたので聞きますが、きのう私は公衆電話をかけようと思っところが、電話料金支払い銀行振りかえで払えよというふうに載っておるわけでありまして、この郵便振りかえについては、昨年の六月の郵便振替貯金法改正の際に、電電公社NHKも、この料金の問題のときにはこの郵便振りかえについては協力をする、こういうような答弁が出ておったわけでありまするが、その後、電電公社はこれについては全然加入しておらぬというのはどういうわけでそうなっておるのか、副総裁からお答えを願いたい、こう思うわけです。
  62. 秋草篤二

    秋草説明員 お答え申し上げます。昨年の国会で先生からそうした御質問があったのを記憶しておりますし、またその後、私ども関係経理局でございますので、研究、検討を加えまして、郵政の担当の方とも打ち合わせした事実がございます。しかしながら、結論的に申しますと、私どもの要望いたしまする諸条件というものが郵政の組織の中においての取り扱いで必ずしも満足にはいかないだろうというような点がございまして、現在のところ、御案内のように、まだ実行はいたしておりません。もう少し具体的に申しますと、まず口座振りかえを銀行でやっておりますので、為替貯金振りかえで不可能なことはないわけでありますが、御案内のように貯金局銀行郵便局のように数多くはない。郵政の御要望は貯金局に集中してほしい。ところで電話料金は、御案内のように一般代金支払いと違いまして、期日が一定期間経過いたしますと、規定によりまして、多少の猶予はございますが、通話停止というような手続もとらなくちゃならぬ。ところが口座にある預金残高というものが、常にたとえば十万円以上ぐらいあるという前提でない限りは——ども納入告知金額預金者金額を上回って、いわゆる世間で言う赤を出すというときには、銀行では直ちにこれを預金者に照会してお金を納めていただく。そういうアフターサービスのようなものまできめこまかくやっていただける。郵政省貯金局にそうしたトラブルをお願いできるかどうか。これも貯金局単位でやるならばかなり郵便でやればたいした不利益はございませんが、時間的にもおそくなる。早くやるならば電話でやる。電話でやるならばかなり通信費というものも郵便のほうが御負担なさるのではなかろうか、こういう点も一つございます。  それからもう一つは、銀行のほうは御案内のように無料でこのサービスをやっていますが、為替貯金振りかえは、御案内のように三十円の負担企業者負担でやらなければならぬというような規則だそうでございます。すなわち納入者がそのつど三十円負担する。たいした金ではございませんが、そんなような点も比較した上で、なかなか実行までにはむずかしいのではなかろうか。そんなような検討は十分したつもりでございますが、ただいまのところ実行に至っておらないのが現状でございます。なお詳細また御質問でもございますればお答えいたしたいと思いますが、概括的な御答弁を申し上げました。
  63. 森本靖

    森本委員 これは貯金局長のほうとしては、この法律改正の際に、電電公社とこの問題について話し合いをいたしましたか。
  64. 稲増久義

    稲増政府委員 話し合いはいたしました。
  65. 森本靖

    森本委員 その結果はどうですか。
  66. 稲増久義

    稲増政府委員 ただいま電電公社の副総裁から申されましたような理由で、まだ御利用には相なっておりません。
  67. 森本靖

    森本委員 電電公社自体においてすら、この通常定期継続振りかえはやらないのに、こんな改正をやったところで一般国民がどうしてやるか。同じかまのめしを食っておるみたいな電通と郵政の間においてすら、電電公社は損をするからいやだ、こう言っておる。それを一般国民にやらそうとしたって、一般国民がやるはずがない。定期継続振りかえをほんとうにやろうとするならば、今回の三十円を十五円に値下げをするけれども、これは無料にすべきだ。無料にしなかったら絶対これは入りっこないのです。しかも定期継続振りかえをやる場合には、実際問題としていま副総裁が言ったように、ある一定の金額を預入しておかなければ意味がないのです。ところが今回の場合は、振りかえ貯金の二分二厘の安い金利だけれども、その金利全廃になっておる。全廃になった金利に対して、その定期継続振りかえをやろうというような意図はおそらく出ないのではないか。一体、郵政省のこの郵便振替貯金法の一部を改正する法律案というものは、何を考えてやったのかさっぱりわけのわからぬ郵便振替貯金法改正です。この中の一番のねらいは、二の通常振替の十五円にあると思う。この通常振替の十五円というものは、電電公社はまだこれにおいてすらいやだ、こういうことであるとするならば、一般国民はさらにいやだということになる。どういうつもりでこの改正をやったわけですか。
  68. 稲増久義

    稲増政府委員 仰せのとおり、今回の改正は、目的通常振りかえの制度の普及に大半は目的を持っておるわけでございます。ただいま電電公社のほうが利用しないというふうなことは、大きな点は銀行無料でやっていられるということにあると思います。しかし一般のこの制度を御利用していただけるのに該当する事業会社は、集金コストといたしまして十五円前後かけまして集金いたしておりますので、その方面からは十五円にしてもらえば、私たちの制度もまた窓口が非常に多い、その他いろいろいい利便がございますので、利用したいというのが出ておりまして、具体的には東京大阪京都神戸等水道局関係は十五円になりますれば、われわれは御利用いただけるもの、かように踏んでおるわけでございます。
  69. 森本靖

    森本委員 しかし東京大阪京都神戸水道料金ということになりますが、その水道料金がはたしてできると思うのですか。実際問題として、それなら大体東京水道料金は、一戸当たり平均どの程度になりますか。それからどの程度これは振替貯金として口座に入れておいたならば、定期継続が継続されていきますか。定期継続の場合には、ある程度の金は寝かさなければならぬ。しかも今回は、これは利子全廃されておる。銀行は一方は無料でやっておる。郵便振りかえは下げたとはいえ、三十円を十五円に下げただけである。電電公社はまだいやだと言っておる。そういうことで、あなた方が言うように絶対にならぬとぼくは思う。去年の六月のこの法律改正をするときに、どういうことを君たちは言ったか。定期継続振りかえは三十円で絶対これはできます、全国で普及しますと郵政省は言い切った。私は絶対そういうことはできないというけれども郵政省ができる、できるというものだから、満場一致で賛成して通した。案の定あれから半年以上たっておるけれども、一件もできていない。今回のこの改正においても、ここがこれは焦点なんだ。しかも利子が今回は全廃をされておるから、よほど金の余っておる人でないと、これは入れませんよ。せめて電電公社NHK集金ぐらいがこれをやってくれるというなら話はわかるけれども電電公社は絶対いやだと言っている。実際問題として、こんなものをやれるのかね。あなた方局長はすぐかわる。この前答弁したのはいまの保険局長が貯金局長で絶対やれますと答弁した。おそらく来年のこの答弁をするときは、また局長がかわっておるだろう。前のことは知りません。大臣も政務次官も全部かわっている。かわらぬのはこっちだけだ。実際問題として無責任なことをやられても何ともならぬ。今度の振替貯金法の改正の使命である通常振りかえの十五円というのは、無料にしなければこれは意味がない、こう思うのですが、あなたのほうとしてはどうなんですか。
  70. 稲増久義

    稲増政府委員 まことに仰せのとおりでありまして、諸外国の例を見ましても無料に相なっておりますので、われわれもこの十五円を一段階といたしまして、事業の伸長に伴いまして、そういうお説の線に一日も早く到達いたしたい、かように努力をしてまいるつもりでございます。
  71. 森本靖

    森本委員 それで副総裁電電公社はやはり三十円が十五円になってもやりませんか。
  72. 秋草篤二

    秋草説明員 いや三十円と申しまするのは、企業者のつまり電話を利用なさるお客さまが負担される、口座の持ち主が負担されるものだろうと思います。すでに片方で銀行口座を私どもが許している。それから郵便振替もかりに許した場合、実際問題としては手っとり早いほうへお客の利用は向くのじゃないか。こういうわけで、三十円が困るから、十五円ならやるとかいう絶対条件というものではないと思います。先ほど申しましたように、そのほかにも通話停止などというものが一方ございますので、必ずしも口座の持ち主である加入者が常に預金を五、六万は持っておるということでない場合も間々あります。そうした場合に、世間で言うかぶる場合、貯金局が一々サービスを一お客さまに金を積んでくださいという措置をすみやかになすって、電電公社に通知してくれる、こういううるさいサービスをするのは貯金局としてもなかなかたいへんじゃなかろうかというふうに承っておるのでありまして、三十円問題が絶対のきめ手というわけでもないと思います。
  73. 森本靖

    森本委員 いまの副総裁答弁振替貯金を利用する側の声だと思うのです。だから利用する側の声がああいう声であったら、実際にこの振替貯金法がこういうふうに改正されても、電電公社においてすら利用しないものを、一般の者がどうして利用するか、私はどうしてもわからぬ。あなた方は頭のいい課長ばかりおって、利用するというように考えるが、みんながほんとうに利用すると思っておるのかね。
  74. 稲増久義

    稲増政府委員 われわれも十五円で利用がどんどんふえるというふうには絶対に考えておりません。ただ十五円で持ってくる事業主もある。これを突破口にして今後料金をだんだん下げていくというふうな考え方でおりますので、十五円にしますればどんどん持ってくるというふうな安易な考えは持っておりません。ただ電電公社の場合は銀行無料でございますが、これは電電公社の資金が非常に多いので、銀行も利益になるから無料にいたしておると思いますが、たとえばNHK等では一件について十円銀行は取っております。こういう契約に相なっておりまして、電電公社の場合は特に特別の条件を持っておる銀行との契約であろうと私は考えております。
  75. 森本靖

    森本委員 電電公社は特別の契約かね。
  76. 中山公平

    ○中山説明員 お答えいたします。  銀行との間におきまして収納事務について契約を結んでおりますが、電電公社銀行との特別の契約ということでございます。
  77. 森本靖

    森本委員 それはどういう契約になっておるのですか。
  78. 中山公平

    ○中山説明員 私どものほうではこれをい号契約というふうに称しておりますが、いまちょっと契約の様式は持ってまいっておりませんけれども、特別の契約を結んでおります。
  79. 森本靖

    森本委員 だから特別の契約というのはどういう契約になっておるか、こういうことですよ。
  80. 中山公平

    ○中山説明員 扱いにつきましては一切無料であるということを契約面に明示をいたしております。
  81. 森本靖

    森本委員 それは銀行はいかなる銀行でもいいわけですか。
  82. 中山公平

    ○中山説明員 現在振替口座の関係で自動振替をやってもらっておる銀行は都市銀行、特殊銀行、信託銀行、地方銀行、相互銀行、それから日銀代理店であるところの信用金庫、こういうことに限定をいたしております。これは公社法におきまして、政令にゆだねられておりますが、郵政大臣、大蔵大臣の御承認をいただくことになっておりますので、御承認を得てやっております。
  83. 森本靖

    森本委員 だから電電公社は十五円という料金で通常の振替を使う意思がないのですか。
  84. 中山公平

    ○中山説明員 先ほど副総裁も御説明申し上げましたように、この三十円、今度は改正で十五円というお話でございますが、これにつきましては、私どもといたしましては、銀行の場合もそうなんでございますが、加入者の御要望によりまして自動振替のことをやっておるわけでございますので、もし十五円あるいは三十円ということで郵政省の振替口座を利用したいというお客さまがいらっしゃれば、私どものほうとしては、その点においてはけっこうなのでございますが、それ以外の点におきまして、先ほども総裁が述べておられますように、アフターサービスの点で、地方貯金局単位ということになりますと、銀行の支店と電話局の間というふうに近い関係にもございませんし、いろいろとトラブルを郵政御当局のほうにおかけをするというようなことで、うまく話し合いがつくかどうかということが一番の問題でございまして、昨年先生の御質問のあと、郵政御当局とも御相談をしました際にも、それが問題になって、しばらく検討をしようということに相なっておる次第でございます。
  85. 森本靖

    森本委員 それは確かに貯金局単位になっておるのと、それから地方銀行がそれぞれ相当の支店、出張所を持っておるというところでだいぶ違うわけでありますが、しかしただここで郵政省自体も考えなければならぬのは、せっかく郵便局というものが各地にある。この郵便局の数には、銀行の出張所、支店はまるきりかないっこはない。貯金支局と郵便局との間の連絡を有効に使えば、銀行よりもずっと早くなる場合があり得る。そういうところまで電電公社と突っ込んで相談をしたことがあるかどうか。君たちは何もやる気がないのだ。銀行を言うけれども電電公社銀行よりも郵便局を使ったほうがずっと便利になる場合が現実にあり得るわけだ。高知県あたりで銀行の出張所、支店があるところはわずかな町しかない。その他は郵便局があるだけだ。逆為替が切れないところのいわゆる郵便局が何ぼあると思っている。逆為替が切れるところの郵便局だけが銀行の出張所、支店があるところなのです。それ以外は全部郵便局しかないのです、金融機関は。だからその場合には、郵便局貯金支局との間の連絡が緊密にとれさえすれば、もっと早いはずなのです。しかもいまや電電公社電話の即時化をやっておる。自動即時化、自動即時化といって、自動即時で相当やっておるわけです。貯金支局との間においてはかなりもう電話通話は早くなっておる。だからそういうことまで検討してみないことには、電電公社電電公社で、おれのところは損になることは一つもやらぬぞ、公衆が便利であろうと不便であろうと、そんなことは知らぬ、料金を払い込まなかったら通話を停止すればそれでいい、そういうことではないと思う。電電公社電電公社だ。銀行が便利でございますから銀行だけだ、そういう不親切なことはないはずです。いなかの町では銀行なんかありゃせぬのだ。そういう点は、せっかく郵政省というものがあるから、電電公社郵政省がもっと腹を断ち割って話し合いをして、これを利用するようにしたらどうかというのが私の趣旨なのです。これは去年の六月の改正のときにそのことを話したら、電電公社郵政省も話をいたしますというから、よく話をしてやれと言っておいたのですが、ふたをあけてみたら、今度の改正で、十五円でいまだに電電公社はやらないと言っている。こんなことでは電気通信事業の問題についても、その他の問題についても、郵政省電電公社が一体になって仕事がやれるはずがないのです。こんなことで何ができるのだ。君たちは、やりますということを何ぼ言ったととろで、やらないようなことで何らかやれる方法があるのだろうか。だからそれぞればらばらの行政をやっておるのだ。一体電電公社電話料金の収納については、それは確かに電電公社としては銀行無料でやるのが一番よろしい、それで納まらなかったら切ってしまうんだから。しかしそうかといって、それならいなかのほうにおる人の便利については、郵便局まで持っていけばよろしいということになるけれども、こういう場合に自動定期継続振替を利用するという方法もあるはずなんだ。そういう話も全然できなくしておいて、一方電気通信監理官と幾ら電電公社が話をしたところで、場合によっては感情的になることもあり得る。ちっともうまいこといっておりやせぬじゃないか。今度の有線放送電話問題にしても、郵政省電電公社の意見が一致しておるかどうか知らぬけれども、これだけ国会の中でやかましく言っておるにもかかわらず、政府並びに電電公社のほうではその問題については触れようとはしない。一事が万事、とにかく私が言いたいのは、郵政省電電公社というものは切っても切れない一つの縁故の間柄である。郵便振替貯金法というものも、こういう点については改正をする、どういうふうに改正をしたら一体電電公社は利用してくれるか、こういう話し合いをして、そうして今度の改正案を出してもらいたかった。実際に電電公社の膨大な資金というものが一般銀行を潤す必要はないんだ。郵便振替貯金でやれば、預託金としてこれは大蔵省に行っても六分五厘の収納が入ってくる。なぜそのことを電電公社が考えないのか。ただ電電公社自体のもうけだけしか考えない。こういうことではうまいこといくはずがないじゃないか。副総裁答弁を願います。
  86. 秋草篤二

    秋草説明員 決してそういう意味の気持ちでこの問題を打ち合わせておったわけではないのでございまして、おことばを返すようですが、私ども、現金で収納するのは、御案内のように高知県でも郵便局銀行、先ほど経理局長が申しました金融機関に全部開放されております。ただ特殊の方に郵便局なりあるいは銀行に足を運ばずに電電公社から逐次金融機関に通知すればそこで決済する、これが振替でございますので、むしろそういう点からいえば貯金支局は全国ただいまの数でも一向かまわないわけでございます、足を運ぶ関係は何もないのでございますから。ただその場合に貯金局に、かなり広範囲の地域から来る加入者の収納事務を一緒にそこへ集中いたしまして、間々そこに預金が、いわゆるかぶるというような事態が起きた場合に、現金で郵便局で収納した場合には直ちに郵便局で私のほうに通知してくださいます。そういうことのきめのこまかい作業がもし郵政で幾らでもおやりになれるというなら、この問題はほとんど大部分の問題が解決だと思うのでございます。  先ほどの手数料の点はこれはまあ、ただのものと三十円のものでは明らかに三十円だけでも高いですが、中には銀行口座を持たずに振替口座を持っているという方はおそらく御利用なさらないのではないか、こういう点があります。ただ、この辺は私の観測でございますが、銀行口座を持っていらっしゃる方の中で振替貯金もお持ちの方もあろうと思いますが、振替口座だけで銀行口座を持っていないという方は少ないのじゃなかろうか、こんなふうに感じますので、これは私どもが選ぶのじゃなくてお客様の選ぶ場合にはおのずと便利なほうに行く、こういうふうに考えているわけでございます。
  87. 森本靖

    森本委員 現金で郵便局の窓口に納めに行くのが一番多いというのはそのとおりです。しかし実際問題として、いなかのほうで郵便局まで行くのも相当時間がかかる、そういう場合に定期継続振替でやったほうがいいという場合に、銀行を利用するよりかは郵便局振替貯金を利用したほうがよろしいというのが出てくるわけなんです。そういう場合には、その土地において銀行の出張所、支店というものがない場合にはこういうものが出てくるけれども、これはやはりこの三十円の料金のうちの十五円の料金にひっかかっておる。この十五円の料金についてはいま加入者負担しなければならぬ仕組みになっておる。だがその辺の問題が事こまかく私は郵政省電電公社との間において論議されたとはどうしても考えられない、だから論議したかどうか、こういうことなんです。
  88. 稲増久義

    稲増政府委員 昨年この制度ができました後打ち合わせしました場合には、料金の三十円の点が一番問題がございまして、それ以上料金の点から先のことは具体的には話はまだいたしておりません。
  89. 森本靖

    森本委員 だから私は職務怠慢だと言うんだよ。去年のこの郵便振替貯金法改正のときに、君たちはどういうことを言った。電電公社郵政省も十分に協議いたしまして、将来これが利用できるようにいたしますということを何回もぼくの質問に対して答弁をしておるわけだ。ところが実際には何もやっていない。だからやらないにはやらないだけの理由があるわけなんだ、電電公社には電電公社としての。だからそのやらない電電公社の理由というものを除去するような方向に郵政省は持っていかなければならぬだろう、そういう話をとことんまで突き詰めてやっておるかどうかということなんだ。何も君、電電公社料金銀行をもうからす必要はないんじゃないか。もうけさすのだったら、郵政省振替貯金をもうけさしたほうが得じゃないか。電電公社自体だって財政投融資で郵便貯金の金を借りておるじゃないか。何で電電公社も協力しないのか。お互いに相協力して初めていくわけなんだ。金を借りる場合にはかってに借りておいて、そして今度もうけさせるときには一般の市中銀行をもうけさせるというやり方は私はないと思う。電電公社自体もやはりこういう点は考えていかなければならぬし、郵政省自体も考えていかなければならぬ。だからもう少し突っ込んだ話をしてから、こういうふうな改正案を出してもらいたかった。ところがいま聞いてみると貯金局長と経理局長との間では、その後あまり話が進んでない。電話番号簿の表紙には「電話料金のお支払い銀行振替払いを……、電話料金はお取引銀行の預金口座を使って振替払いになさると毎月のせわがありません、くわしくは電話局営業課または電報電話電話営業課におたずねください、日本電信電話公社」こう書いてある。これは全然、一つ振替貯金なんか問題になってない。もう今度から電電公社に金を貸すな。これはやはり郵政省というものと電電公社というものは、委託業務もあれば、あるいは電気通信業務の管理という点からいっても、お互いが協力し合っていかなければならぬ問題だ。財投の問題にしてもこれは郵政省が相当世話をしなければ、電電公社自体ではやれない問題だ。ただし、そうはいっても、電電公社を責めたところで、電電公社にすればやはり料金問題がひっかかってくる。十五円の料金であっても電話料金の中からそれを出すわけにはまいらぬ。やるなら報償金とかなんとかいう名目を立てなければならぬ。そうすると今度は直接郵便局の窓口に持っていった者との不公平が出てくる。電話局へ直接持っていった者との不公平が出てくる。そういう問題をもっと突っ込んで郵政省電電公社話し合いができぬものだろうか、どうかね、今後両方とも。
  90. 稲増久義

    稲増政府委員 この料金の点は、これは実はこの制度を利用していただきますと、電電公社として負担に相なるわけでございますが、今後御趣旨を体しまして、先ほど経理局長も申しましたとおり、十五円ならば満足でないがこれを利用したいという電話加入者の方もおいでになる、そういう場合には利用してもいいような話の先ほどの答弁でございました。われわれもそういう点から打開いたしまして、できるだけ利用していただくように折衝したいと思います。
  91. 森本靖

    森本委員 だからその場合に、料金電電公社の場合はやはり加入者負担しなければならぬ、こういうことでしょう。
  92. 中山公平

    ○中山説明員 いまの三十円の料金の問題でございますが、昨年の郵政御当局との御相談の際もその問題はございましたが、終局的にはちょっと貯金局長の御答弁に補足をいたしますが、地方貯金局単位でなければお扱いがしにくいという郵政御当局のお話がございまして、それであるならば、私どものほうとしては先ほど来申しておりますところの残高と、こちらのほうの御請求をした額との不符合が出た場合のアフター・サービスの点でいろいろ問題があるので、郵便局単位で、郵便局電話局というものが連絡ができるようにしてもらえないだろうかというような点までこまかくお話し合いをいたしました結果、もう少しこれは検討しようということになった。当時の担務者に、きょう私確かめまして、そういういきさつを聞いております。そういった点で今後打開する点がございましたら大いに進めてまいりたい、かように考えております。
  93. 森本靖

    森本委員 だからこの法律を出すときに、いま経理局長が言ったようなことについて貯金局としては考えてみたことがあるかどうか。
  94. 稲増久義

    稲増政府委員 電電公社のお考えをいま検討しておるところでございます。
  95. 森本靖

    森本委員 検討してどういうふうにしようとしておるか。
  96. 稲増久義

    稲増政府委員 できるだけ電電公社の経理局とよく相談いたしまして、たとえば加入者に対しまして料金不足の場合の請求等もこちらでやれるとか、その他普通口座を設けるとか、いろいろなことを検討いたしておりますが、成案がまだ出ておりません。
  97. 森本靖

    森本委員 成案が出ておりませんといって、実際はこの改正する法律案の要項を出す場合に、その成案が出ていなければいかぬはずだ。   〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕  あと原委員のほうから質問があるようでありますので、ひとまず私の質問はこれで打ち切っておきまして、またあとでやりたいと思います。
  98. 内藤隆

    ○内藤委員長代理 原茂君。
  99. 原茂

    ○原(茂)委員 前回の委員会でできたら資料をというお願いをしておきましたが、先ほど伺ったら資料の出せる段階でないそうですから、口頭で一応説明していただいて、それから質疑に入ります。
  100. 長田裕二

    ○長田政府委員 先週の当委員会におきまして、切手、印紙の売りさばき手数料引き上げの法案の御審議につきまして、原先生から今度の引き上げの根拠、手数料を引き上げることについてどういう根拠でやったのか、将来、人件費が主要な部分を占めるなら、スライド制について考慮をしないのかというようなお話がございました。実は全国的な調査の結果に基づきましてやりたい希望を持っておったのでございますが、今年度あるいは前年度は、郵政財政が相当逼迫しておりまして、悉皆調査をやるわけにまいりませんでした。この前三十六年のときに全国的な調査をしたのでございますが、これも前回申し上げましたように、実は結果の集計を委託しました場所で火事が出まして、大部分のものが焼失いたし、神奈川県、岩手県、富山県、三県分四千五百四十二カ所のものが残っておりましたので、それを基礎にいたしまして、全国のものに延ばして私ども検討したわけでございます。今回の一万円以下を八分から九分に、十万円以下を四分から五分に引き上げるにつきまして、いろいろその当時の資料からさらにそれをふえんいたしまして検討いたしましたところ、一万円以下の売りさばきをしておりますところの平均金額は、一カ月五千三百十五円になりまして、そういう平均的な個所につきまして、金利、人件費、物件費あるいは諸雑費と一割程度の利益というものを見込みまして計算いたしますと、ちょうど九分くらいになる結論を得たのでございます。それから月額一万円をこえ十万円以下の売りさばき手数料を検討いたしてみますと、月平均七万七千百六十二円ばかりの売り上げがございまして、これにつきましてやはり一万円以下と同じように金利、人件費、物件費、諸雑費、一割程度の利益を見込みますと、ちょうどこれがほとんど五分程度の手数料になったわけでございます。以上の売りさばき金額の所につきましては、同じような方法でやりました場合、おおむねたとえば十万円以上百万円以下の場合は一分四厘程度のところに出てまいりました。これにさらに少し余裕を見まして一分五厘、こういう状態でございましたので、一万円以下九分、十万円以下五分というような手数料の改定を今回お願いしたわけでございます。なおスライド制の問題でございますが、人件費がやはり八割程度の相当の比重は占めておるわけでございますが、実は売り上げ自体も年々ふえておりますし、また売り上げがふえるにつれまして、一軒当たりの売りさばき金額——一回当たり売りさばき金額も相当ふえておるような状態でございますし、また支払い能力の関係も考えてまいらなければならないかと思いますので、スライド制につきましては、実はさらに精細な調査をいたしました上で、こちらも省側といたしまして検討してまいりたい、そう存じております。
  101. 原茂

    ○原(茂)委員 いまの内容も頭からの説明で大体のことはわかるのですが、現在計算の内容の中に、人件費をおのおのどのくらいに見ておるか、ただ八〇%というような大まかな言い方でなくて、それをお聞きしたいのが一つ。それからスライド制については、結論的にそういうふうにしたらどうかと私は考えておるのですが、これから精細な調査をするというのですが、本来、前会も申し上げたように、この種のサービスは国がやるべきことで、お願いをして民間の方々にやっていただいておるわけですね。そういうたてまえからいくのに、何年かたつと、とてもこの安い手数料ではたまらないというので、売さばき所の方々が相当の時間と費用をかけて、二年、三年にわたって運動をしておる、お願いをしておる。まるでタコが自分の足を食うような、そうでなくても手数料が少なくて苦しいのに、一段と何年かその費用を蓄積して、それを使ってようやく皆さんが取り上げて、わずかに一%、二%上げていくというようなことを繰り返していくのはおかしいじゃないかということからスライド制はどうだ、こういうふうに申し上げたわけですが、単に、いまの森本委員の話じゃありませんが、精細に調査をしてからというだけで、また次にまだ精細な調査ができませんで終わっちゃ困るのです。  そこで、いまの人件費をどのくらいに考えているかを一つの例として申し上げるわけですが、少なくとも最近特に物価はどんどん上がっていきますし、人件費は非常に顕著に上がっているわけですね。この種の人件費がどの程度に押えられているか知りませんが、人件費は具体的に毎年上がっていくことは間違いない。ほかの理由は精細に調査をしてそれから検討ということもありますが、人件費に関する限りは黙っていても上がっていくことはもう認めているのですから、その分だけでも、原則として切手売りさばき手数料というものはスライドしてパーセンテージを上げていくということも私は正しいと思う。こういうことをほうっておいて——現実にはおそらくいま商店の並んでいるところへ行きますと、週休制度までまいらないかもしれませんが、月に一回ないし二回は全店休もうじゃないかということで商店街が一斉休業をやっているわけです。しかしせめて日曜はサービスのためにやろうじゃないかというので、日曜以外の日をわざわざ選んでいるところが非常に多いわけです。なおその上に、一の日に休むとか五の日に休むとかいうようなやり方をしているということになりますと、切手売りさばき所の場合には、サービスの点がありますから、全店商店街が休むのに、そこだけは、郵便局は日曜だ、切手は売らない、印紙は売らない——習慣になっているから国民もあきらめているわけです。しかし近所にそのものを売っているところがない限りそこまでウイークデーには買いに行くわけです。行ったところが、全店休みだからうちも売りませんじゃ済まないので、売りさばき所が休日を返上して、一人つきっきりで、売れるか売れないかわからないし、売れても非常に小さな手数料しか入らないのに、人をとにかく一日置いているわけです。これを考えますと、休日出勤手当といいますか、普通の企業でいうと、これにたいへんな人件費の増を来たすわけです。ところが全く自己負担で、休みを全然返上して、売れるか売れないかわからないのに、国にかわって切手、印紙を売るためのサービスをやっているところすら、現に商店街の休日がふえてくればふえてくるほどそういう件数がふえていくわけです。そういうことまで考えますと、この人件費というものがもろ毎月上がっている現状からいって、どうしても最小限度、人件費に関する部分だけでも、いま大ざっぱに言って八〇%と言いましたが、一万円以下、一万円から十万、十万からそれ以上というものの内訳は、人件費の取り方が違っていると思うのです。だからそれはいまお聞きした上で、原則的に私の言おうとすることはきっとおわかりになったと思う。せめて人件費の上がるくらいはスライド制で上げていったらいいじゃないか。人件費に準ずるような、いやでも上がっていくものについては逐次追加をしてスライドアップしていくようにしていけば——この売りさばき所の問題は、まるで年じゅう行事のように二年ないし三年たつといつでも大きな問題になって、サービスをしてくれている商店にたいへん迷惑をかけるようなことがないようにできるのじゃないか。そうするのがほんとうじゃないか。こういう趣旨で聞いておりますから、それにひとつ答えてください。
  102. 長田裕二

    ○長田政府委員 御趣旨非常にごもっともなことに拝聴したわけでございます。実際年々の増加額、私先ほどちょっと申し上げましたが、増加額について見ますと、三十七年度の売りさばき所への支払い手数料が十六億七千万でございまして、これが四十一年度、四十一年度のほうは予算でございますが、三十三億六千万、三十七年度から四十一年度までの間に二倍くらいになっております。また個所数も年々千数百カ所ふえておりますから、この率でいくわけではございませんが、それにしても二倍近く上がっているという事実がございます。今後ともいろいろなプラス、マイナスの要素も出てまいると思いますが、料金値上げによりまして、全体として売り上げ金額というものはかなりふえてくる。はがきの七円ということで、一方ではつり銭の問題などの手数もございますが、同時にまとめて買う人もふえるということで、そういうようないろいろな情勢を込めまして、年々の支払い手数料の増加が普通の年でも一割を上回るような状態であるわけでございます。  それから売りさばき人が非常に手数料が少ないために苦労して、運動、その他もするというのも仰せのとおりの実情がございましたのですが、なおそのほかにも、昨年あたり近畿地方で売りさばき人が共同して、掲示板みたいなものをつくりまして、一回の売りさばき金額を五十円程度以上にお願いしますというようなことをつくったりしましたので、警告してやめさせたりしたこともございましたけれども、そういう実情もございましたが、今回の手数料の引き上げにつきましては、九万二千カ所全部が完全に満足というほどでもございませんが、大多数は当面この程度値上げしてもらえばというような状態になっているものと私ども考えているわけでございます。  なお人件費の出し方でございますが、実はこれは若干の推定も入っているわけでございます。月額一万円以上十万円以下の売りさばき手数料の率を出しました際の例といたしますと、大体そういうところは先ほどのような三県の資料から、その後の情勢も考慮して演繹いたしますと、一カ月に六千百三十四回売りさばきがございまして、一回の件数が十三円くらいの平均になっております。所要時間を私どもは二十五秒と見込みまして、実は無集配局は十二秒と見込んでいるわけでございますが、売りさばきは間隙的でもあり、兼業で外からも来るということで二十五秒に見込みまして全体の時間を出しまして、その時間が月に四十五時間ちょっとというふうに計算いたしまして、人件費の金額が三千七百七十四円で、全体の手数料のほうが総体の経費一割の利潤を込めますと四千五百十六円程度、これは月に七万七千円余りの売り上げのところでございます。そういうことで、この場合も同じく一万円以下とほぼ同じ八割程度の人件費になっております。なお、それ以上のものにつきましても、これはほかの売り上げがふえますと、手数料の率もコストも低くなってまいりますので、結局大体こちらの所要経費の八割くらいが人件費という状態でございます。
  103. 原茂

    ○原(茂)委員 すでにそのような人件費の計算で手数料が決定されて予算に組まれているのだろうから、急に変更しろと言っても無理ですから、そういうことを申し上げようとは思わないのですが、少なくとも次回予算を組むときに十分検討してもらいまして、こうした計算の基準の立て方自体も非常識だから改める、これが第一。  それから、三十七年まで大体十六億くらい、今回四十一年度の予算では三十五億くらい払うつもりで、大体倍になっておる。といっても、これは扱い量の問題もあるでしょうし、多少の手数料がふえたからといっても、その三十何億が倍になったといっても、そっくり私の言う趣旨で計算されて、倍になったり三倍になったというわけではないということを二つ目によく考えてもらいたい。少なくとも一番中心になるのは、確かに労働者というか、人間の人件費だと思うのですね。だから、この人件費のとり方をもっと基準を変えながら真剣に考えていただいて、要するにこれを中心にした、人件費の上がった率に応じてスライドアップするという制度が取り得るかどうかを真剣にひとつ検討を願っておいて、次回これの改正なり、少なくとも次年度の予算のときにはこの問題に関して真剣に答えを出していただいて、私もたぶんお伺いできるだろうと思いますから聞いてみますけれども、年々歳々この種の売りさばき所の皆さんが苦労して、ようやく国にかわってサービスをしている人がお願いをしているといいますか運動をして、わずかずつ上がっていくというようなばかなことはないようにしてください。しかも、時間がありませんしこまかいことはわかりませんが、数字を一々出していただいて、私見て検討していったら、これはおそらく科学的ではないという面がたくさん出てくるだろうと思います。現実に合わしてみて非科学的であると断定できるような資料が、おそらくこまかく出していただいたらそうなるのではないだろうか。これは私の感じで、やってみないとわかりませんし、やってみようとも思いませんが、そうなるだろうと思います。少なくとも、スライドアップするということが一番正しいし、国がかわってやってもらおうとするこの種の業者に対しては、そこまでのこまかい配慮をしていいのではないですか。毎年こんな手数料値上げ問題が出てくるようなことになってはいけない、こういうことを考えているわけであります。  最後に、先ほど局長が大体倍くらいになっているので、この程度なら業者もがまんしてくれるのではないか、満足するであろうというふうなことを言っていましたが、実際に聞いてみますと、まだこんなものでは満足していないのです。満足していないのはあたりまえですよ。私はばからしくて、いま売りさばき所をやらしてもらおうなんて考えていませんよ。これはもうかる、もうからないじゃない、手数料が不合理だからいやなんですが、そういう意味では満足していないということをやはり思っていただいたほうがいいようです。これで満足するはずだと考えているようでは、真剣な今後の討議も出てこないだろうと思いますので、少なくとも来年度予算を組むときには、この中間でまたお伺いするときがあると思いますが、真剣にいま言ったことを討議して、結論としてはスライドアップ制度が取り入れられるかどうか、入れられないなら入れられないということを、今度は数字をもとにした説明をお願いしておきます。とにかく、今後運動をさせないようにしてもらいたい。今後あまりこんなことを繰り返させないようにすることが国の親心じゃないかということを痛切に感じてお願いをしたものですから検討を願います。
  104. 長田裕二

    ○長田政府委員 実は詳細な調査もいずれしたいと思っておりますが、当面郵便の体系の変更等もございますので、それの一段落した直後ぐらいから始めたいと思っておるわけでございます。
  105. 森本靖

    森本委員 それではついででありますので、この小切手売りさばき所の最後の質問をしておきたいと思いますが、いま数字が出ましたが、その数字の中で非常にこれにかかるのは、実は買い受け人が郵便局に切手、収入印紙を買い受けに行くのが非常に手間がかかるわけであります。この手間はどの程度に見ておりますか。
  106. 長田裕二

    ○長田政府委員 一万円以上十万円以下の場合を例にとりますと、月に五回程度郵便局に買いに行く見込みでありまして、一回平均三十分と見込んでおります。
  107. 森本靖

    森本委員 それはどういうところから三十分と出てきましたか。買い受け人が三十分で済みますか。
  108. 長田裕二

    ○長田政府委員 いろいろな場所がございます。月額七万七千円程度売り上げるという平均をとりまして出したわけであります。
  109. 森本靖

    森本委員 距離の平均はどうなっておりますか。
  110. 長田裕二

    ○長田政府委員 先ほど申し上げました三県——神奈川県、岩手県、富山県の資料を基礎にして出したわけでございますが、いろいろな場所がまじりましてこの程度であります。
  111. 森本靖

    森本委員 だから、その三十分というのは郵便局との間の距離を平均してどのくらいの距離と見たのですか。
  112. 長田裕二

    ○長田政府委員 資料は集計いたしませんでした。
  113. 森本靖

    森本委員 その集計ができずして三十分という数字は出てこないはずです。これはあなた方実際に仕事をしたことがないからこういうことがわからないのです。小切手、収入印紙の売りさばき所の一番手数のかかるのは、郵便局の窓口に買いに行くのが一番手数がかかる。ことによっては半日、まる一日かかる場所がある。だからそれを平均したらどのくらいの距離になるか。いま原委員がおっしゃいましたように、そういう点についてはある程度科学的な根拠を持たなければならぬ。今後この小切手手数料の引き上げについては、そういう科学的な数字をつかんでおいて、そして自動的にこれがスライドしていくということになるのが一番望ましいわけでありまして、この法案が上がる場合おきましても、満場一致で附帯決議がつけられる予定になっておりますが、この中にもその問題が含まれておりまして、将来手数料の改善等については十分に考慮せよという意味は、単に値上げをせよという意味もありますが、いま言いましたように科学的な根拠に基づいて十分につくっていけということもあるわけでありますので、今後そういう点の資料を十分にそろえていただきたい。さらに将来の改善その他についても、先ほど来原委員がおっしゃったように、これが毎年毎年問題にならなくても郵政省みずからが行なうというような形の習慣を今後つけていくということを検討していただきたい。これに対する回答を政務次官から得ておきたいと思うわけであります。
  114. 亀岡高夫

    ○亀岡政府委員 いままで局長からお答え申し上げましたとおり、まず現状をよく把握するということで詳細な調査を行ないまして、そしてその調査の現実のデータの上にのっとったいわゆる科学的、合理的な手数料ということにぜひ持っていきたい。またそういう資料を整えることによって、財政当局にも十二分に理解してもらえるという感じを私も今回持ちましたので、ぜひともそういうふうにしてまいりたいと思っております。
  115. 森本靖

    森本委員 それではこの郵便振替貯金法に戻りますが、この料金の問題については郵便振替貯金というものが改正されましてこういうふうになるということについては、電電公社自体郵政省とは相協力してやっていくということが望ましいと考えるわけでありますので、ひとつ電電公社の副総裁から、今後この問題については郵政省と十分に相談をしてやっていくという意思があるかどうかということを最後に聞いておきたい、こう思うわけです。
  116. 秋草篤二

    秋草説明員 お答えいたします。  先ほど来いろいろ有益な御意見を承りまして、この問題につきましては、なお郵政当局といろいろ検討を加えまして、また利用者の立場も考えてひとつ前向きで結論を出したいと思っております。
  117. 森本靖

    森本委員 郵政当局としても、これは利用者の便を考えると同時に、やはりいまのやり方についても、ある程度実際問題としてやり方を変えていかなければならない点があると思います。たとえば銀行出張所に比べまして、郵便局はあるけれども、その口座所管庁貯金局だけである。それに対してもっと早い方法はないものかという点については、郵政省自体もひとつ十分に研究をして、電電公社話し合いに応じてもらいたい、こう思うわけでありますが、同じくNHKの問題も、これはNHKの予算のときに出てまいりますが、郵政省としてはまず一番関係の深い電電公社、さらにNHK料金、そういう問題については極力これを利用してもらう、そういう方向に話を持っていくということを考えてもらいたいと思うわけでありますが、最後にそのことを聞いておきたいと思います。
  118. 亀岡高夫

    ○亀岡政府委員 相当長い歴史を持ちます郵便振替制度がなかなか大衆から利用されておらないというために、改善をしたいという気持ちは十二分にございましても、なかなか所期の目的が達成されないで、今回やっとこのような改正案を提案したわけでございます。私もいろいろ検討いたしてみますと、この制度があるということが一般国民にあまり知られておらない面が、公社との関係等を調整する場合にもひとつの問題になっているんじゃないかというふうにも感ぜられますので、ただいまも森本委員の仰せられたとおり、郵政省としてもこの制度の具体的ないろいろな取り扱い方、また大衆から利用してもらう際の利便をいかにして供与するかという点を一そう検討をいたしまして、それと同時に郵政省としても大いにPRをしてまいりたい、またこれを利用していただき、ただいま公社のお話も出ましたけれども、その点は局の注意書きに並べて、郵便振替口座でも利用できるんですよということくらいはやってもらえるような気もいたすわけでありますので、今後事務当局を督励いたしまして、この法律の趣旨がほんとう国民のために生かされるようにしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  119. 森本靖

    森本委員 大体けっこうでありますが、ただ政務次官は一つだけちょっと誤解をしておりますので、申し上げておきますが、実はこの振替貯金は長い歴史を持っておりますが、いま問題にいたしておりますこの定期継続振替というのはまだ半年の歴史しかないわけでありまして、これは去年できたわけであります。去年できるときに、私が実はこういう心配があるので、だいじょうぶかと、こう念を押したら、郵政大臣以下貯金局長がだいじょうぶでございますといってこの法律が万場一致で通ったわけであります。ところがふたをあけてみると、全然この利用者がない、こういうことではいかぬということで今回十五円にした、ところが十五円にしてもなおかつ電電公社はまだだめだ、こう言っている。どこに一体隘路があるか、そういうふうな問題について十分に検討しながら、この振替貯金定期継続振替というものをせっかくこしらえた以上は、これが利用できるように今後十分に検討と研究を加えてもらいたい、こういうことでございますので、ひとつ誤解のないようにお願いをしておきたい。  それからさらに貯金局長に最後に聞いておきたいと思いますことは、先ほど来聞いておりますと、まだ一冊につき四十円、五十円、五十円というような用紙代金が今回無料になるわけでありますが、これについても一体今後どういうふうにするかということが明らかになっておりません。こういう問題についても、本来ならば法案を提案するときに、今後こういう問題についてはどういうふうに処理をいたしますということが明確になっておってしかるべきであります。だからそういう点については、今後は十分にひとつそういうことのないように、法案を提案する以上は、あらゆる問題についてすべて検討検討を重ねて、いつでも回答ができる、また処理ができる、こういう態勢が望ましい、こう思うわけであります。さらに先ほど来五十円の小切手用紙の問題についても、そういうふうな法律できまっていることを、いわゆる約束ごとできめてしまうというふうなやり方についても、非常に疑問があるわけでありますので、そういう点についても今後ひとつ貯金局内においても十分に勉強してもらいたい。でなければこれは局長も課長も要りませんよ。上のほうを首にして、下から現場の課長補佐以下係長などを順番に局長、課長に上げたほうが仕事がスムーズにいきやすいということも考えられるわけでありまして、こういう点は不勉強であると言っても差しつかえない。ひとつこういう点については今後十分勉強していただいて、法律案を提案をする以上は、その法律案に関する限りについては、すべて的確に答えができるようにしてもらいたい、それから、この用紙無料についても、今後どのようにするかという問題についても、至急きめていただきたい、こう思うわけであります。  それから、ここで一番問題になっておりますのは、何といたしましてもこれは大臣、政務次官の問題でありますが、この間も質問がありましたように、世界各国とも振替郵便貯金というものは料金収入によってまかなっているものではございません。本来これは運用収入によってまかなっている。だから電電公社料金についても、銀行が奪い合いしてこれを受けているということは、その受けている資金を運用することによって銀行が相当もうかるからである。そのもうけによって運用していくというところに一つのうまみがある。ところが、振替郵便貯金についてはその運用収入のうまみというものはほとんどない。今後やはりこの運用収入の増加ということについて考えていかなければ、郵便振替貯金というものについてはじり貧になっていくということが明らかであります。これは明らかに政治問題でありますので、ひとつ政務次官に、この問題についての決意を私はぜひ聞いておきたい、こう思うわけであります。  今回の改正にあたっては、この振替郵便貯金利子全廃をして料金を安くしておりますけれども銀行に負けないということを考えるとするならば、本来ならばこれはもう利子全廃をすると同時に料金無料にして運用収入を上げるというのが郵便振替貯金の発展になるわけであります。それが本来の郵便振替貯金の行き方であります。だがしかし、現在の政府部内におきまして、郵政省あるいは大蔵省との折衝においてそういうことが困難であったかもしれないけれども、将来において、郵便振替貯金というものが今回は郵便振替ということになるわけでありますので、それが国民に愛され、国民に利用され、隆々として発展をしていくという道は、料金収入よりも運用収入をふやして、運用収入によってこの郵便振替というものが経営されていく、こういう方向になって初めてこの郵便振替が生きてくるのではないか。こういう点についてもひとつ大臣としての政務次官のお答えを願っておきたい、こう思うわけです。
  120. 亀岡高夫

    ○亀岡政府委員 森本委員のおっしゃるとおりでございます。その前提として、やはり日本の場合は、先ほどもちょっと申し上げましたように、ヨーロッパ諸国に比べまして利用者が非常に少ないわけでございます。したがいまして、この利用者が多くなるようなサービスの向上、そういう面にも大いに努力をするかたわら、ただいま申されたような振替によるこの資金の運用というものを効率的にする方策につきましては、郵政当局としても今後慎重に検討してまいりたいと思う次第でございます。
  121. 内藤隆

    ○内藤委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会