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1966-06-10 第51回国会 衆議院 地方行政委員会運輸委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月十日(金曜日)    午後零時十五分開議  出席委員   地方行政委員会    委員長 岡崎 英城君    理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君    理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君    理事 和爾俊二郎君 理事 秋山 徳雄君    理事 華山 親義君 理事 細谷 治嘉君       亀山 孝一君    田中 六助君       中馬 辰猪君    登坂重次郎君       藤田 義光君    村上  勇君       村山 達雄君    森下 元晴君       山崎  巖君    井手 以誠君       阪上安太郎君    重盛 寿治君       島上善五郎君    安井 吉典君       門司  亮君   運輸委員会    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田澤 吉郎君 理事 田邉 國男君    理事 久保 三郎君       有田 喜一君    川野 芳滿君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       井岡 大治君    泊谷 裕夫君       野間千代三君    内海  清君       竹谷源太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村 寅太君         自 治 大 臣 永山 忠則君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 鳩山威一郎君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      堀  武夫君         運輸事務官         (自動車局長) 坪井 為次君         建設事務官         (都市局長)  竹内 藤男君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   長岡  実君         運輸事務官         (鉄道監理局民         営鉄道部長)  蜂須賀国雄君         建設事務官         (道路局次長) 吉兼 三郎君         自治事務官         (税務局府県税         課長)     石川 一郎君         専  門  員 越村安太郎君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方公営企業法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇七号)  地方公営企業法の一部を改正する法律案安井  吉典君外九名提出衆法第三八号)  地方公営企業財政再建促進特別措置法案安井  吉典君外九名提出衆法第三九号)  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案  (安井吉典君外九名提出衆法第四〇号)      ————◇—————   〔岡崎地方行政委員長委員長席に着く〕
  2. 岡崎英城

    岡崎委員長 これより地方行政委員会運輸委員会連合審査会を開会いたします。  先例により、私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案安井吉典君外九名提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案地方公営企業財政再建促進特別措置法案、及び、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案、以上四案を一括議題とし審査を進めます。     —————————————
  3. 岡崎英城

    岡崎委員長 四案の趣旨説明については、お手元の配付資料をもって御了承願うことといたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。井岡大治君。
  4. 井岡大治

    井岡委員 この改正案の第一条に「特例」の下に「並びに企業財政再建に関する措置」を加えた理由を聞きたい。
  5. 柴田護

    柴田(護)政府委員 この法案の中には、将来赤字が出ました場合に、やはり再建に関する措置をとっていくという法文を入れておこう、これは望ましい法文とは思いませんけれども、数ある地方団体の中には、間違って赤字になるというようなこともあるわけでございます。そうしますと、やはり恒久的な措置としてそういう場合の措置を規定しておくことがいいのではないだろうか。そうしますと、やはり一種の恒久措置でございますので、これを一本にしたのでございます。当初私どもは、法体系の問題につきましては、必ずしも現行法ということを考えていなかったわけでございますけれども、いろいろ検討いたしてまいっているうちに、やはりそういう方法をとるのが望ましい、こういうことから御提案申し上げているような法案の形にいたしたわけでございます。
  6. 井岡大治

    井岡委員 将来間違って企業それ自体を危うくする、こういうことを考慮してこれを入れたのだ、それでいいんですね。
  7. 柴田護

    柴田(護)政府委員 そういう場合の措置も考えておかなければならぬということから、そういう規定を置いたのでございます。
  8. 井岡大治

    井岡委員 それでは今度の改正案の一番原因になったものは、一昨年、昨年来、地方公営企業が非常に苦しくなっている、赤字で困っている、したがって何とか再建をしようじゃないか、そういうことで地方公営企業制度調査会を設けて、それに基づいてこの改正をした、こういうように提案理由を述べておいでになるわけですが、そうじゃないのですね。
  9. 柴田護

    柴田(護)政府委員 提案理由は、お説のとおりでございます。
  10. 井岡大治

    井岡委員 提案理由はお説のとおりだというのと、ここに再建財政措置を講ずる、再建をするということは、これはいま御説明なさった限りにおいては、若干食い違いがある。この点どういうふうにお考えですか。
  11. 柴田護

    柴田(護)政府委員 おことばではございますが、私どもは食い違っているとは思わないのでございます。やはり健全経営をいたしてまいりますためには、将来赤字が出ないような仕組みをつくる必要がある。同時に、過去のものを始末する必要がある。この二つ基本でありますけれども、さりながら、将来そういう仕組みをつくりましても、運営するのは個々企業でございます。個々企業の中にはつい足を踏みはずすということもないことはない。そういう場合の救済措置はやはり考えておかなければいけない、そういうたてまえから、過去の赤字以外に将来出ました場合の措置というものをやはり規定すべきだと考えたのであります。
  12. 井岡大治

    井岡委員 法律目的の中に将来のことを考えるということは、私は間違いだと思うのです。法律目的というものは、公営企業というものはこういうものなんだ、そうして住民福祉をするのだ、これでいいと思うのです。それをいま赤字がある、したがって制度調査会答申を受けてやったのだということであれば、ことさらにここに書かなくても、ほかのところでその救済措置を講じたらいいのであって、何も目的のところにこれを入れる必要はないと思うのです。ここの点を明らかにしてもらいたい。
  13. 柴田護

    柴田(護)政府委員 目的の字句の問題についての御質疑かと思いますけれども、やはりそういうような場合のことを一緒に書いております以上は、その問題もはっきりしておくことが正直じゃないかということから書いたわけでございます。
  14. 井岡大治

    井岡委員 柴田さん、正直なら正直のようにほかのところでおやりになればいいのであって、何も目的のところをことさらに変えておやりになる必要はない。これは正直じゃないあなたの意思が十分に動いている、こういうようにしかわれわれは理解できない。これは正面ではありませんよ。私はこの問題をさらに追及するという時間がありませんから、あとでもう一度また聞きます。  そこで、もう一つ次にお伺いをしたいのですが、公営企業というのは、ここにいろいろ列挙されてあります。その列挙されてある中で、私は非常に理解のできないものがあるわけです。それは、政府の機関で料金認許可を与えるもの、与えないもの、こういうように分かれている。たとえば、交通事業は全部政府認許可を与えるわけです。ところが、水道とかあるいは病院のようなものは政府認許可を与えるのでなくて市議会が与える。これは答申に明らかにしているわけですね。公営企業独立採算ということを考えるのであれば、その地域住民福祉を考えつつ公共団体の長あるいは議会がやるようにすることのほうがより合理的じゃないか、こういうようにうたっている。これらの問題を何ら考慮されないで、やはり一律に並べている。しかも運賃料金というものがどっちが——私は運賃というのと料金というのとはどう違うのか一ぺん聞きますが、こういうものを一緒にした法律でごそっとこう出してくるこのこと自体が、この公営企業をさらに混乱におとしいれていると思うのです。したがって、これは別々にお出しになるのが当然なんです。そういうように思いませんか。
  15. 柴田護

    柴田(護)政府委員 おっしゃることはよくわかりますけれども、私ども法体系理解では、各事業法というものがある。これがまあ織物で言いますれば縦の線とも考えていいのだろうと思いますが、公営企業法というものはいわば横の線でございまして、この二つの線がかみ合って織物ができておるのだと考えておるわけでございます。お説のように、運賃と申しますか、料金の許認可のあるものとないもの、区別があるじゃないかというお話、これもよくわかります。答申の御趣旨も私どももごもっともと思いますし、そういう線で努力をいたしました。しかし結果は必ずしも理想どおりいってない、これが偽らざる現状であります。法体系といたしましてはやはり地方団体の行ないます企業体というものの経営方式仕組み、運営、財務というものに基因するものでございますので、その限りにおきましてはやはり一つ独立法があってもいいんじゃないか。問題は事業法とのかみ合わせをどうするかというところに問題がある。御指摘のように必ずしも現状は理想どおりいっている状態でございませんけれども、これは私はいまの段階ではしようがない、こういうように考えておる次第でございます。
  16. 井岡大治

    井岡委員 そこでもう一ぺんもとに戻るが、あなたの言われるのはこれはあくまで基本法なんですね。企業を行なうための基本法だ、こういうふうに理解している。あなたの言われるとおりにすると、事業法はおのおの独立してある。それが縦の線なんだ。これによって一応基準というものをきめている。これは横の線だ。そうしてこれは企業というものの一つのあるべき姿、こういうものを明らかにするんだ、こういうことになってくると、第一条のこれを挿入したこと自体は大きな間違いですよ。そう思いませんか。
  17. 柴田護

    柴田(護)政府委員 先ほど御説明申し上げましたような趣旨で入れたのでございまして、別に間違いとは私は考えておりません。
  18. 井岡大治

    井岡委員 じゃこれは運輸大臣と両方に聞くのですが、運賃というのと料金というのとどう違うのですか。
  19. 堀武夫

    堀政府委員 私たちが運賃と言っておりますのは、物の場所を移転するいわゆる輸送についての料金でございます。ただ料金と申します場合は、たとえば寝台料とかあるいは急行料、あるいは特定のサービスについての費用でございます。そういうふうに区別して使っておるということでございます。
  20. 柴田護

    柴田(護)政府委員 結局、料金と申しておりますのは使用に対する対価一つ形態、それを一括して料金という形でとらえておる。それを各事業法では運賃といっておるわけでございます。実態は同じでございます。
  21. 井岡大治

    井岡委員 一方は物の移動を原則として運賃という、したがって寝台あるいは急行というものは、これは料金なんだ、こういうように言っておいでになるし、あなたのほうは使用に対する対価なんだ、こういうように言っておいでになる、それを運輸省は運賃と言い私のほうは料金と言うのだ。私はそこは違うと思う。あくまで料金というものは手数料なんですね。使用対価ということである限りにおいては手数料なんです。手数料であるべき企業、それに対して独立採算というのはどういうことなんです。
  22. 柴田護

    柴田(護)政府委員 発生史的にいいますならば、昔は営造物使用料といったものでございます。しかしその営造物がだんだん進化してまいりまして、いわゆる営造物としての経営ではございませんで、むしろ企業と割り切って経営に徹すべきだということから、公営企業というものの呼称が生まれた。そういうことからいいますと、それの使用体系というものにつきましても、むしろ事業という形でとらえたほうがいい、それで料金という名前にした。実態はむしろ手数料とおっしゃいましたけれども、むしろ使用料的なもの、受益に対する対価、こういう考え方でございます。
  23. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、自治省はあくまで使用料として考えている、こういうように解していいんですね。
  24. 柴田護

    柴田(護)政府委員 性質からいいますならば使用料に近い。しかし現在自治法で規定しております使用料とは違います。
  25. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、逆に言うと、こういうように理解していいですか。料金というものは、自治省の立場から考えると、自治行政をやる場合における当然住民福祉を考えて民生というかあるいはどういうか、適当でないかもしれませんが、行政一環として、サービス一環として行なうものをもって企業体だ、こういうように考えていいですか。
  26. 柴田護

    柴田(護)政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、私ども考え方としましては、一般行政ではございません。しかしサービス提供であることは間違いございません。サービス提供に対する対価、それを一般的対象として料金という名前を使っておる。個々事業法になりますれば、あるいは運賃といいあるいは電気料金ガス料金といったような形になるというように考えております。
  27. 井岡大治

    井岡委員 いや、ぼくは具体的に聞いているのですよ、柴田さん。交通事業水道病院電気ガスも、これは自治体の持つ一つ事業なんですね。これは企業じゃないのです。そうでしょう。自治体の持つ事業なんです。したがって料金という名前をつけているのです。これが企業であるとするならば、交通の場合はこれは運賃でなければならない、そういうように理解していいのじゃないですか。事業なんです。これは企業じゃない。そこに企業ということをあえてあなた方がやろうとするところに無理がある。たとえば都市交通というのは、あなた方は民間民間とよく言われますけれども外国最初は全部私企業でやっておった。そうしてどうにもやっていけなくなって公共団体が買い上げる、そうして国が補助をしてやる、こういうのが外国交通事業実態なんです。国鉄だってそうなんです。国鉄だって初めから全部やったのじゃない。私企業でやっておったけれども採算がとれなくて、これは国に買ってもらいたいということで買わしているわけです。国の事業なんですから、ここにいわゆる公共性とそれからなにと二つに分けている、一緒に併立しているところがあるわけなんです。ですから初めから企業として考えるということは間違いなんです。それを今度の法律は明らかに企業ときめつけてやろうとなさっている。ここに大きな矛盾が出てきておる、私はこういうように思うのです。そう思いませんか。
  28. 柴田護

    柴田(護)政府委員 事業企業、これはなかなかむずかしい問題で、むしろ私どもお教えをいただかなければなりませんが、昔から公営企業企業となっております。一般民間会社と同じような形態をとるものはまあ同じようなものだと考えておる。ただし公共団体経営するものでございますから、そこには公共性という度合いが強まってきておるということは考えなければならぬ、それが従来の法体系では明確じゃなかった。それがまた公営企業を必要以上に苦しめてきた一つ原因じゃなかろうか。そこでそこのところをはっきりと区分けをしようじゃないか、そして企業経済的経営基礎を安泰にしてやろう、こういうねらいでこの法案をつくったのでございます。
  29. 井岡大治

    井岡委員 これは昔から企業としてと、こうおっしゃるけれども、そうじゃないのですよ。都市計画法の第一条に「本法ニ於テ都市計画ト称スルハ交通、衛生、保安、防空、経済等ニ関シ永久ニ公共ノ安寧ヲ維持シハ福利増進スル為ノ重要施設計画」云々と書いてある。これはあくまで都市計画としての事業なんです。企業じゃないのですよ。どうお思いになりますか。
  30. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私が申し上げましたのは、昭和二十七年に公営企業法ができましてからずっと企業になっておりますということで、その昔を言いますれば、おっしゃるとおり、営造物的性格の非常に強かった時代におきましては、事業的扱いをしておったと思います。しかし、やかましく言いますれば、事業企業というものの区別も、先先がおっしゃるように明確に区分けできるかどうか、私は疑問だと考えます。
  31. 井岡大治

    井岡委員 あなたが、二十七年にこの法律をこしらえてから企業になったんだ、こういうようにおっしゃるのであれば、企業としての取り扱いをしたかどうか、ここに問題がある。たとえば、都市計画法の第六条の二項、「主務大臣必要ト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ都市計画事業ニ因リシク利益受クル者シテ其受クル利益限度ニ於テ前項費用ノ全部又ハ一部ヲ負担セシムルコトヲ得」こう書いてある。したがって、たとえば路面電車撤去して地下にこれを入れた場合、道路効率というものは著しく上がっているわけです。受益しているわけです。それに対して何らの手当てをしておらない。しかもその土地はその事業者財産なんです。たとえば、私は大阪ですから大阪の例を言います。大阪路面敷地というものは千六百億です。その千六百億を全部はずしていくわけですね。それは建設省はただもらいなんです。しかも路面電車地下に入っている。受益者負担原則からいくと、当然効率が上がったんですから、それは出すべきなんです。私も全部出せとは言わない。全部出せとは言わないけれども、当然負担すべきものなんですよ。自治省はそれを要求する権利があると思うのです。要求しませんか。
  32. 柴田護

    柴田(護)政府委員 そういう問題がいままでありながら、法律上明確じゃなかった。それが先ほど申し上げましたように、公営企業経営を苦しめておった一つ原因だ、だからそこのところを今度は明確にしようというのが改正趣旨でございまして、いまおっしゃいました事例につきましては、経費の負担区分を具体的に問題にする際に問題にしたいと考えております。
  33. 井岡大治

    井岡委員 負担区分の問題でいまあなた方が出されておるのは、原形復帰費用だけじゃないですか。いままでひどかったですよ。撤去をした、それをその事業者に全部補修をさした。そうしてもとへ戻した。財産はとってしまうわ、また費用は出さぬわで、あなた方の負担区分というのはそれだけしか考えていないじゃないか。その財産はどうなるか、受益者負担という原則受益をしているものの原則、これから言うたらどうなるか。あなた方の考えておる受益者負担というものは、使用料を払うということで、それは乗った者が料金運賃ということで払っていっておるじゃないですか。これが受益者負担の一方の原則です。同時にそれによって効率のよくなったものの費用負担をどうするかということです。
  34. 柴田護

    柴田(護)政府委員 それは都市によって事情が違うと私は思います。一般の場合におきまして、逆に道路の上を特に占用権を取得して軌道を敷いている場合がある、こういう場合はむしろ道路所有者には迷惑をかけておるわけですから、むしろ撤去すればもとの姿に帰るということになるのだろうと思うのです。お話大阪の問題は私も若干問題があると考えております。大阪の場合だけは軌道敷が全部交通局所有になっておるということで問題があると考えております。
  35. 井岡大治

    井岡委員 これは単に大阪だけじゃないのです。東京だってあるのです。東京全部とは言いませんが、八〇%というのは東京交通局財産ですよ。原簿を見てみなさい。それに対して道路効率がよくなっている。最近、地下鉄は掘っていないけれども、都電もどんどんはずしていっていますから、道路効率はよくなっている。ですけれども、それに対して、使用区分の問題だけじゃない、受益者負担原則から当然取るべきなんです。道路局次長、どう思いますか。
  36. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 ただいま御指摘軌道撤去の場合の問題でございますが、いま大阪事例をおあげになりましたが、大阪の市電の敷地財産区分がどういうふうになっておりますか、よく調査いたさなければわかりませんが、私どもは、これは道路敷の上に占用の形で軌道が走っておるというふうに理解いたしておるわけでございます。そういう場合には、軌道法によりまして、撤去いたしました場合は一応もと道路の姿に返るわけでございまして、その際当然撤去費用の問題等々がありますが、それはまた別の問題でございます。かりに占用軌道敷の場合、軌道を廃止することによりまして、道路の状況からそこを道路敷に取り込んだほうがいいという場合は、道路管理者の側におきましてその用地取得について必要な手当てをしなければならないということは当然でございます。
  37. 井岡大治

    井岡委員 もう一点聞きますが、次長、自分のところの財産なんですよ。あなたの言っておいでなのは、占用道路だった、それをあとからつけたんだ、したがって原形復帰にしてもらうだけの権利があるのだ、こういうことなんです。そうでなくて、その軌道というものは交通局がつけて、それから隣に道路をつけていったんですよ。東京だってそういうのはたくさんありますよ。そこで、軌道撤去するわけだ。その軌道というものは依然として交通局財産なんです。これが明らかになったら金は払う、こういうように理解していいのですね、あなたのいまの話だったら。
  38. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 過去のいろいろな経緯は私まだよく調査いたしておりませんが、いまの軌道法のたてまえからいきますと、軌道道路に敷設すべしということになっております。したがいまして、最初軌道が走っておって、道路あとからそこへ乗っかってきたというような場合に、その当時においてどういう手当てをしたか。つまり軌道敷地そのもの道路敷ということで、財産管理道路管理者のほうにそれを移したかどうか、おそらくそういうふうな手当てをして、大阪の場合はよく調べなければわかりませんけれども、歴史的な問題は別といたしまして、現在は道路管理者つまり道路敷という扱い財産区分はなっておるのじゃないかというふうに私ども理解しております。
  39. 井岡大治

    井岡委員 あなた、むちゃを言っちゃいかないですよ。それは現実に財産として残っておるのですよ。その財産をかってにあなた方が道路にしちゃったらいけませんよ。ですから、阪神国道線撤去の場合については、原価を支払うということをあなたのところがちゃんと明らかにしているじゃないですか。大阪市のもの、東京都のもの、あるいは名古屋市のもの、こういうものについては金を払わないけれども民間会社である阪神に対しては同様のものを払うということをあなたは明らかにしているじゃないか。近く呉市でも同じことが起こるのです。ですからこの点は、受益者負担原則から、効率が上がるのだから払うのかどうか、この点だけ明らかにしておいてください。
  40. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 軌道撤去することによって道路効率が上がるというふうな事態は、大都市においてずいぶん見受けられることでございます。したがいまして、道路側といたしましてそういうふうな撤去の際にいろいろな手当てをする、たとえば復旧費につきまして、道路側復旧費に対する補助道路管理者に対する国の補助、それをさらにもう少し、従前は簡易復旧費程度復旧費ということを言っておりましたのを、本復旧的なものにつきまして道路側のほうにおいて持つ、国がそれに対して助成をするというような考え方に私どもはこれから検討してまいりたいというふうに思っております。  ただ、その財産の問題につきましては、これは私ども事情をよく調査いたしまして、それからでないとお答えはできませんが、道路管理者財産でないという場合にそれを道路敷地に取り込むという場合は、考え方としては、たとえそれが同じ公共団体の別会計の土地であろうと、民間の民有地であろうと、考え方に差異をつけるという理屈は私はないと思います。
  41. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、だめを押しておきますよ。この点だけは明らかにしておきます。民間公共団体とを問わず、所有権者に対して差異をつけるようなことはしない、こういうことですね。
  42. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 御指摘のとおりでございます。
  43. 井岡大治

    井岡委員 そこで、大蔵省主計局の鳩山さん、おいでになりますね。これはどちらでもいいですよ。私が五年前に都市交通の中における都市計画法の第六条第二項の問題で質問をしたときに、受益者負担原則から、都市計画法では二分の一あるいは三分の一という補助が出るけれども受益をするものが負担をすべきであって、それに対して交通というものについて補助をすることはできません、こういうのが鹿野さんからの答弁でした。私はこれは見解が違うということでそのときには終わりましたけれども、いまお聞きになられたように、道路効率がよくなる、その場合当然ガソリン税は受益者負担であるそのなにに対して渡すべきだと思うのですが、この点はどうなんでしょうか。これは運輸省も……。
  44. 長岡実

    ○長岡説明員 お答え申し上げます。  軌道撤去されまして道路効率がよくなった場合に、道路管理者受益者であるかどうかという問題につきましては、道路管理者は、やはり都市計画法でいう街路その他都市計画の施設をそこへつくり、管理をする立場にあるわけでありまして、これは受益云々の問題ではないのじゃないかと思う。それは経費の負担区分の問題はあろうかと思いますけれども都市計画法六条二項による受益者負担金の性格のものを道路管理者軌道経営者に払うべきかどうかという点については、いささか疑義があるのではないかと考えております。
  45. 井岡大治

    井岡委員 ちょっとわからないのですが、道路管理者受益者ではない、こういうふうにお考えなんですか。簡単に言ってください。いろいろなややこしいのは、あなた方が初めに言ったのと違う、曲げるから。
  46. 長岡実

    ○長岡説明員 都市計画法の第六条の二項には、「主務大臣必要ト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ都市計画事業ニ因リシク利益受クル者シテ其受クル利益ノ限度ニ於テ」「負担セシムル」その都市計画事業、要するに利益を受けさせる都市計画事業の中に街路事業が入っておるわけであります。ですから、その軌道撤去することによって、なるほど街路の効率は上がる、その街路の効率が上がることによって受益者が出てくる、それはその街路の周辺の地主なりなんなりという問題であれば私ども理解できるのでありますけれども、いわゆる道路管理者大阪の場合にも、おそらく都市計画街路であれば市長さんが管理者であろうかと思いますけれども、その市長さん自身がここにいう都市計画事業による受益者だということにはならないのじゃないかと思うわけであります。その点を申し上げた次第であります。
  47. 井岡大治

    井岡委員 ですから、効率が上がるということは自動車それ自体受益をしているわけですね。そうでしょう。自動車それ自体受益をする。同時にそのことは、産業、会社いろいろあるでしょう。それがそれを撤去することによって受益をしているわけです。そうするならば、当然受益者は税金を納めるわけですから、その税金の一部または全部をその事業者に対して、受益者負担原則からいくなら出してやるのがほんとうじゃないですか。そうでないと、それは受益者負担にならぬですよ。だからガソリン税は当然、撤去することによってその地域に対してこれを受益者として渡してやる、これは当然じゃないか、こう言っている。
  48. 長岡実

    ○長岡説明員 ガソリン税の性格は、非常に議論めいたことになりますけれども受益者負担金的性格であると同時に、道路損傷の原因者負担的な性格も持っておると考えております。いまのお話で、道路管理者道路をよくする、それだけ道路効率が上がる、その事業費に道路事業費としてガソリン税が入ってくるという点は理解できるのでございますけれども、直ちに効率をよくするために撤去した軌道経営者に対してガソリン税を財源として付与するかどうかという点につきましては、必ずしもそうならないのじゃないかという気がしておるわけでございます。
  49. 井岡大治

    井岡委員 ガソリン税はそんなのじゃないでしょう。道路整備のために臨時措置法として取っているのでしょう。そうでしょう。だから藤山さんが、すでに国道で九九%できたから、当然都市に対してガソリン税の移管などをしてやらないといけないのだ、地方財政を圧迫しておるのは道路の拡幅、都市計画のいわゆる都市の整備再開発、こういうようなものから考えて、これは移管してやらなければいかぬということを、先般大阪で談話を発表されておられる。これは再開発という立場から当然のことなんです。道路整備法というのは、あなた、曲げてはいかないですよ。ガソリン税というのは道路整備法に基づいて取るということにはっきりしているのですから。そういうようになりますと、再開発という立場から、路線を撤去して再開発をする、整備をすることになるわけです。これは東京だってどこだってみな同じことなんです。こういうことを考えてやらないと、公営企業などというものはやっていけるものじゃないのですよ。そういうようにお考えになりませんか。運輸大臣、どうお考えになりますか。
  50. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 この問題は、将来の一つの問題として検討するに値する問題であると考えております。
  51. 井岡大治

    井岡委員 大臣、将来検討するなんといったって、いまこの法律で連合審査をやっているのですよ。だからここであなたがそのことについて考えるということを明らかにしておかないと、将来考えるといったって、それはだめですよ。もう一回答弁してください。
  52. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 私から申し上げるのはどうかと思いますが、ガソリン税のいろいろの問題につきまして、来年度予算編成の際にやはり相当いろいろな問題が出るかと存じます。その際には各種の立場からいろいろ検討を重ねるべき問題であると考えております。
  53. 井岡大治

    井岡委員 これは自治省、運輸省にかわって鳩山さんが検討する、こういうことですから、自治省と運輸省は、このガソリン税の問題、いわゆる負担区分の問題は、建設省はよく聞いておいてくださいよ。あなた方の道路をこしらえるために地下鉄を掘っていっているわけですよ。だから外国では、ドイツの例を言いましょうか。ドイツは、地下鉄の建設に対して路面電車撤去する、そして道路効率がよくなる——これはニューヨークも一緒ですが、だからガソリン税に一定の区分を分けて、その分については地下鉄建設者に対して出す。明らかになっているのです。だから各国は地下鉄が非常に早くできるのです。日本ができないのはそこなんですよ。これは道路効率がよくなるのだから、当然そこに持ってこなければいけない問題だ。それをあなた方は幾ら言ったってそんなことは考えぬのだ。だからこの点は明らかにしてもらいたい。
  54. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 政府といたしましては、地下鉄等の場合は、財投によって援助するとか、あるいは補助によって現在援助しておるのでございますが、その財源についてはいろいろ問題があると思いますので、その際には考えの中に入れて検討してまいりたいと思います。
  55. 永山忠則

    ○永山国務大臣 地下鉄につきましては、やはり国の負担についても考えるべきだという観点で、予算編成の際に自治省としては努力をいたしましたが、本年度はとりあえず利子補給の四億を八億にいたして将来検討をしようということになっておりますので、来年度予算編成を待ちまして十分ひとつ検討を続けていきたいと考えております。
  56. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 ただいまの問題につきましては、ちょっと問題が大きうございますし、私どもだけの一存でお答えできない点もあろうと思いますが、ガソリン税をさいたほうがいいか、あるいは別途地下鉄に対して何らかの手当てをしたほうがいいかというような問題もあろうかと思いますが、ひとつその点はよろしく……。
  57. 井岡大治

    井岡委員 建設省に言いたいのは、効率が上がるということは、道路をこしらえる場合は道路管理者に対してあなた方は補助をするでしょう。国道の場合は二分の一、都道とか市道とかいうものについては三分の一の補助をするでしょう。都市計画に基づいて、あるいは区画整理法に基づいてやる場合はするでしょう。その場合、当然これを取り除くことによって、道路をつくったのと一緒になるのですよ。しかもそれは財産だったのですよ。ただで取って、それだけの何が残っている。しかも道路をこしらえたら、その場合は当然その公共団体負担区分として出してやる、道路をこしらえただけ出してやる。出してやって、その地方公共団体がさらに公営企業等をやっている、これは独立採算ということを言っているのだから、それに対してそれだけのものをやるということにするのがあたりまえじゃないですか、こう言っているのです。柴田さん、ほかの連中はあまりややこしいことを言うから、あなたに聞きたい。
  58. 柴田護

    柴田(護)政府委員 道路使用実態についていろいろ問題があると思います。しかし原則的に、そういう場合に負担区分の問題の一つとして取り上げるべき問題だということは御指摘のとおりと思います。私どもはその問題も含めまして、負担区分の政令を定める際に具体的に検討いたしたい、かように考えております。
  59. 井岡大治

    井岡委員 そこで時間がないし、久保さんが質問が若干あるということですから、一つだけ聞きますが、この法律の第四十二条に「地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、地方公営企業経営するための地方公共企業体を設けることができる。」こう言っているのです。これは私は東京都市交通審議会で第一回の答申ができたときに、都堂でやるのかあるいは営団でやるのか、この点その経営主体を明らかにしておかないと五年、十年先には大混乱が起こりますよと言ったのです。そのときに、どうも運輸省並びに自治省ははっきりしなかった。同時にこれは東京都もはっきりしなかった。安井さんに何べん来てもらってやっても、安井さんははっきりしない。それが今日東京の混乱が起こっている原因なんです。撤去ができない。営団にどんどんやらしているからできない。この公共企業体というのはどういうことを考えておいでになるのか。この点をひとつ明らかにしてもらいたい。
  60. 柴田護

    柴田(護)政府委員 その条文を驚きましたのは、御承知のように調査会の答申の中で間接経営論が非常に多かったわけでございます。そこで、間接経営論と申しましても内容はいろいろ違うわけでございますので、どういう形でやるか、つまり一般的に間接経営方式というものを法文化するか、あるいは個々具体の問題として考えるか。たとえばいま御指摘ありました東京都のような場合、やはり間接経営方式を考えていくほうがいいじゃないかという答申もあるわけでございますので、その辺のところの問題は、東京都の交通の問題については別途御審議をわずらわしておるような委員会もあるわけでございますので、その辺の進行状態等もにらみ合わして考えたらいいだろう。ただ、間接経営方式というものをとる余地を残しておこう、その根拠規定を残しておこう、こういうことで条文を置いたわけでございまして、具体的には、私どもの頭にありますのはいわゆる三公社のような公共企業体ということを考えておるわけでございます。
  61. 井岡大治

    井岡委員 それではこれで久保さんに譲りますが、最後に一つ。私は先ほどから聞いていまして、私は交通だけの問題をとらえてみましたが、料金運賃の問題、料金というものの性格、これがどうもあやふやでかないません。答弁としてはわかりました。わかりましたけれども、これに対しての確固たる何がないということ、したがってここからくるものにすべて独立採算でもって事を処理しようとすればかなり無理がある、こういうように理解をしたいと思います。間違いありませんね。
  62. 柴田護

    柴田(護)政府委員 現実の料金個々の具体法によってきまっていくわけでございます。そのときに御指摘のようにいろいろな別の要因から料金が、企業経営という形からの要請と変わった形のものが出てきておるという問題も御指摘のとおりでございます。それやこれやを考えますると、やはり何もかも企業に押しつけてやれということは無理じゃなかろうかということから負担区分論というものが出てまいりまして、一般会計とのけじめを明確にして、ここで公共性と経済性との調和をはかろうというのが改正案趣旨でございます。私はこの料金と各事業法の、交通でいいますならば運賃と申しまするか、それとの間の概念上の問題から御指摘のような理論が出てくるとはちょっと納得いたしかねるのでございますけれども、しかし現実の交通料金のきめ方についていろいろ問題があることは事実でありまして、そういう形で一方食掛区分を明確にして企業の荷を軽くしてやる、片っ方は料金の適正化をはかっていくといったようなことをかね合わせまして交通企業の安定化をはかってまいりたい、こういうことを考えている次第でございます。
  63. 井岡大治

    井岡委員 その負担区分というところに公共性を見出すのだ、こういうように言っておいでになる。そうすると、その負担区分の問題は単に当該地方公共団体負担区分だけでなくて、いま申し上げましたように道路あるいはガソリン税、受益者負担というような分から考えても、かなり大幅に政府それ自体、国それ自体が考えなきゃいけない、こういうように解釈していいですね。
  64. 柴田護

    柴田(護)政府委員 外的要因の整備という意味におきまして、御指摘のとおりだと考えます。
  65. 井岡大治

    井岡委員 足らないところは今度またこの委員会であなたとやります。それでは終わります。
  66. 岡崎英城

    岡崎委員長 久保三郎君。
  67. 久保三郎

    ○久保委員 私はこの法案の中で、特に都市交通に関係のある問題について二つほど簡単にお尋ねします。  一つは、いま井岡委員からもお尋ねがあったことでありますが、法第二十一条第二項では料金のことに言及しております。この中でいっておることは、この「料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。」ということでありますが、この二十一条の二項はだれを拘束するものであるか。法律というからには、だれかが拘束されると私は思うのですが、拘束される対象はだれであるか。それは言うまでもなく、当該地方公営企業を営んでいるその事業体に対してだと思うのですが、そのとおりでしょうな。いかがです。
  68. 柴田護

    柴田(護)政府委員 そのとおりでございます。
  69. 久保三郎

    ○久保委員 しかし、料金運賃を決定する権限は、その事業体なりあるいは地方自治体にはないものがある。たとえば都市交通運賃あるいは料金、そういうものは自治体自身には決定権はない。政府というか、運輸大臣というか、そこに決定権がある。しかし決定権を持ったところの政府自体については、いわゆる料金決定の原則というものは、こういう文言はどこを見てもないのです。たとえば地方鉄道法一つをとっても、こういうようなこまかい運賃料金の性格を規定づけたものはありません。しいてあるとするならば、国有鉄道運賃法にややこういう文言に似ているものがあるが、地方公営企業としての都市交通には関係がない。だから、お尋ねしたいのは、この二十一条第二項は、あなたがおっしゃるように、されるものは自治体であり、公営企業を営むものであるということなんだが、これはこの法律で実効を担保することは不可能である。不可能だとするならば、何がゆえにこの規定を設けたのか、その趣旨をお伺いしたい。
  70. 柴田護

    柴田(護)政府委員 二十一条の規定は、従来もこれに相似た規定がございます。その相似た規定の趣旨を明らかにした、より明確化したというだけの意味を持っておるのでございます。従来から料金一般原則を掲げておりますのは、御指摘のように、認可権を政府が持っておりまするものもございますけれども、たとえば水道のように地方自治体の議会にかけてきめるものもあるわけでございます。それらを通じて料金のあり方の一般原則を書いておったということでございます。したがって、もちろん公営企業そのものを拘束する規定でございますけれども、ひとしく国家の法律でございますので、認可官庁におかれましても、この規定の趣旨を尊重されて運営されるべきものというように考えておる次第でございます。
  71. 久保三郎

    ○久保委員 御答弁でありますが、なるほどお説のように都市交通以外のものにはそれはまあ適用されるものがある。しかし、あとは、御説明では尊重さるべきである、こう言うのですが、尊重されるべきであるけれども、問題の大きな分野はこの料金の問題にかかっているのではないかと思うのです。その適正であるかいなかという問題は別としても、一つには、見方によれば大半の地方公営企業の危機というのは、言うなら運賃料金の問題が一つひっかかっている。今度はこれの再建整備というか、そういうことでこの法律改正をしようとするのであります。極端なことを言ってたいへん失礼でありますが、具体的なところは、再建債の利息を幾らにして、幾ら利子補給をするかというだけが具体的でありまして、あと再建計画をつくるということでありましょうが、再建計画をつくる土台、そういうものについては何らの前進がこれはないのですぞ。だから、私どもから考えれば、まあまあ中途はんぱであろうが、やむを行ずこういうものでもやってみようかということではないかとさえ考えられるのであります。しかしそれをいまここでとやかく言う時間もございませんけれども、もう一ぺんお尋ねしますが、運賃料金というものは、ここへこう書いておいても、これに拘束されない場所で、拘束されない人がつくっていくという矛盾はどういうふうに解消しようとするのか。たしか制度調査会答申にはやや別なことが書いてあると思うのだが、そういう問題に関連してどういうふうに解釈していったらいいのか、もう一ぺんお答えいただきたい。
  72. 柴田護

    柴田(護)政府委員 この規定の意味につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおりだと思うのでございます。おっしゃるように、具体的の認可料金のものにつきましては別に認可するところがあるわけでございますので、その間に矛盾が出てきやせぬかというお尋ねかと思いますが、従来からそういうことがあったかどうか、私どもは、認可の時期のおくれと申しまするか、あるいは物価政策からの別途の観点といったような問題はありますけれども、やはり従来からもこの料金の規定というものは尊重されておったのじゃなかろうかというように思うわけでございます。また、道路運送法でございましたか、自動車関係の料金の規定にはこれと同じような規定が実はございます。したがって、相互に矛盾することのないように気を配ったつもりであります。また、実際問題といたしましても、国の認可官庁がやはり国の法律趣旨を没却してやられるということはないのじゃなかろうかというように考えておるわけでございます。
  73. 久保三郎

    ○久保委員 いまの答弁では、まあこういうふうな改正は、道路運送法にも運賃に言及してこういうことが書いてあるから、それに見合ったものを書いたのだと言う。なるほどこの企業法というか、そういう範囲だけでいわゆる規制というか、限定されるような公営事業というものならば、それは一応問題はないと思うのですが、都市交通というか、その中でも地下鉄とか路面電車というものが主でありますが、いまのバスの場合は道路運送法にそういうふうに書いてあるかもしれない。しかしそれは書いてあるけれども、決定権は運輸大臣でありますから、自治大臣でもなし、そこの地方自治体の長でもないですね。だからそうなるというと、これは非常にわれわれの担当しておる運輸というか、そういう面からいけば、何か一つだけ浮き上がった存在であって、まあ訓示規定でもあろうかというふうにとるわけです。しかしさっきも申し上げたように、運賃料金というものが今日ただいまの問題の——それはいい悪いは別ですよ、いい悪いは別にして、そういう運賃料金というものの問題が大半を占めておるのですね。先ほど来の質疑応答を聞いておりましても、将来にわたっての赤字が出たときには云々というふうに本改正案は言及しているそうでありますが、これもとりようによっては、そのほうがあるいは妥当かもしれません。しかしながら、問題の根本であるところのこういう問題を解決せずして、法律の文言だけ抽象的に書いたから、それで再建ができるとは私どもは考えておりません。あなたも考えておらぬと思うのです。ただ先に通ったというだけで、政府全体から見れば、はっきりいってこんなはんぱな法律はありません。画竜点睛を欠いたということはこのことなんです。(「画竜もないよ」と呼ぶ者あり)まあそういうことをいまさら言っても、すでにこれは法案のことだから、これからいくのでしょうが……。少なくとも画竜もないそうだから、何か知らない、ミミズくらいになるのでしょうが、自治大臣どうですか。あなたは胸を張ってこの間提案説明をされたので、私はほんとうにりっぱなものができるのかと思って、あとで連合審査ということで一応ずっと法案を見てまいりますと、どうも私の知った範囲でも、こういう二十一条の二項なんといって、あてもないことが書いてあって、何かこれだけ読むと、ああそうか、これで幾らかよくなるものか——いなかの村長さんだって、これを読んでそのとおりに考える人は、たぶん一人もないと私は思うのだが、どうですか。
  74. 永山忠則

    ○永山国務大臣 料金決定にあたりましては、中央、地方一体の行政通常の観点から、関係閣僚が十分連絡の上で万遺憾なきを期するように、現段階におきましても経済企画庁を中心に関係閣僚の懇談会を持ちまして、十分地方議会の意見を尊重をいたし、かつ、各関係名の閣僚間の意見を調整して適正を期するようにいたしておりますので、将来も運営に対して十分考慮いたしたいと考えます。
  75. 久保三郎

    ○久保委員 懇切丁寧な御答弁でありまして感銘を覚えます。しかしながら、中身は空虚なものが広がって、これを押えることは困難であります。  次に、それじゃこれが正しいものとして考えた場合に、「能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、」云々と書いてあるんだ。これは前後の文言は大体修飾、モデファイアだから、それはどうでもいい。しかしまん中の「適正な原価」は現実的なものをさしているようだから御説明いただきたいのだが、適正な原価とは何が入るのか、どれとどれが入って適正なのか、いかがでしょうか。
  76. 柴田護

    柴田(護)政府委員 現実の原価というものがある程度基礎になると思いますけれども、それに「能率的な経営」という修飾語がついておるわけであります。したがって、具体的な問題になってまいりますとなかなかむずかしい問題が出てまいると思いますが、一般論としては裸の原価ではございませんで、能率的な経営の下における原価で、原価というのは、これは普通の一般に原価計算でいわれる原価そのものをさす、かように考えております。
  77. 久保三郎

    ○久保委員 不敏にしてその原価の解釈がよくわかりませんので、原価とはいかなる項目の費用が積算されて原価なのか、お教えをいただきたい。
  78. 柴田護

    柴田(護)政府委員 一般的にはその企業を運営してまいりますに要する費用、したがって普通の人件費、物件費、借金の利子、それから減価償却費、それに資本報酬といったものが入ります。
  79. 久保三郎

    ○久保委員 公営企業の資本報酬とはいかなるものでありますか。
  80. 柴田護

    柴田(護)政府委員 現在までは借金で行なっておりますから、資本報酬にかわるべきものは借金の利子であります。しかし、この答申では自己資本を充実しろということをいっておりますし、改正法案でも、自己資本というものは漸次充実すべきものだ、したがって一般会計から出資をしていくんだという形をとっております。ただ、一般的に全部出資を強くするという意味ではございませんで、当座は資金繰りを円滑にする程度の出資ということがいわれております。それに対する資本報酬であります。ただ、この資本報酬をどう扱うかというのが具体問題としてはなかなかむずかしい問題であります。たとえば電気料金あるいはガス料金等におきましても、若干の資本報酬の計算が入っております。そういうものをこの料金の中に算定基礎に入れるべきだということでございます。
  81. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、運賃原価の中には資本報酬は入るが、資本そのものはもちろん入ってない、こういうことでしょうね。
  82. 柴田護

    柴田(護)政府委員 資本は、減価償却の形で織り込まれるわけでございます。
  83. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、先ほど来永山自治大臣もお答えになりましたが、特に地下鉄等の建設でありますけれども、私どもはこの国会にすでに都市鉄道整備促進法というのを出しております。ごらんいただけたかどうかわかりませんが、おそらくいただいてはいないと思うので、骨子だけ申し上げましょう。  これは、一つはいま柴田局長の御答弁のような方針であります。資本はよそからちょうだいしてくる。運賃原価の中には入れない。全部じゃなくてその大半は入れない。どういう理屈かというと、一つには、都市交通は高速鉄道でなければならぬ、かように思っておりますので、地下鉄あるいは高架鉄道の建設を促進させる。その場合に高架の、言うなら橋ですね、橋の上にレールがついたり電線が引っぱられるわけでありますから、その場合は特に電線やレールは入らない。高架、橋の建設費。地下鉄の場合はトンネル部分だけ。そのレールや電線や駅舎は入らない。そういうものはいわゆる道路整備と同じものの考え方で、先ほど井岡委員も申し上げたような思想で、これは全額国から一応出してもらう。これは出しっぱなしでございませんで、もちろん企業が一定限度の利潤が得られるようになれば国に返してもらおうということであります。だから、地下鉄に例をとりますれば、大体キロ四十億ないし五十億だそうでありますが、われわれが提案していまお話し申し上げたトンネル部分は、そのうち大体三分の二くらいの費用であります。残り三分の一は道床なり軌条なりあるいは駅舎であります。そういう残りの三分の一に類するようなものは、当然企業の資本報酬の中で立てていく、こういう必要がありゃしないかということでございます。だから、そういう意味からいっても、この料金という問題はやはりもう少し詳しく考えていかねばならぬ、かように考えておるわけなんでありますが、いま申し上げたような点について永山大臣はどう考えられますか。運輸大臣はこれに反対とは言えないように私は聞いております。なぜかというと、すでに運輸省自体では、私の構想にやや近いというか、そのうちの一部分だが、先年構想を持たれたことがありますが、政府全体の立場というか、大蔵省の立場からか知りませんが、つぶれたままでおります。ですからそうなりますと、私どもの案には賛成だ。永山大臣も、先ほどの御答弁を聞いておりますと、少なくとも私のこの説明には同意されるのじゃないかと思いますが、どうでしょう。
  84. 永山忠則

    ○永山国務大臣 地下鉄の関係におきましては、お説のように本年度予算編成にあたりましても、国費の持つ部分というようなものについても相当強く折衝をいたしたつもりでございますが、しかしとりあえず利子補給という形でいきましたので、次期予算編成を通じまして、ただいまのお説のような点も十分ひとつ考慮をいたしまして努力をいたしたいと考えております。
  85. 久保三郎

    ○久保委員 運輸大臣はすでに御了解済みのようだからいいでしょう。永山さん、あなたはいま法案提案しているからそういうことでありますが、私のいま申し上げた、そして提案しているようなものはあなたらがじかに出せないので、ぼくのほうで出しているだけなんですよ。御答弁なり答申を全部盛り込んだ私ども提案なので、お忙しいと思いますが、下僚に命じてお取り寄せいただいて、私ども法案を一日か二日のうちにお目通しをいただきたい、かように思います。そうすればいまのような繰り返しの御答弁ではなく、全くそのとおりだという気持ちになると思うのであります。しかしこれを直ちにあなたが賛成して、すぐにというわけにはまいらぬでしょう、内閣改造後においてひとつごふんばりをいただきたい、かように考えておるわけです。  いずれにしても運賃決定の問題は、先ほどお話が出たように、節二十一条第二項をきめただけでは、民主的なあるいは能率的な運賃料金というものは私は出ないと思うのです。だから答申を受けて立ったというならば、この運賃料金の決定の方法についてもこれは言及しなければならぬと思うのだが、これには運輸省はおそらく反対だろうと思う。そこでおそらくこれはもともと昔かなかったと思うんだが、そういう矛盾を直さぬ限りは、これは運輸省の権限だとか自治省とかあるいはその当該の自治団体とかいう問題ではなくて、大きくやはり運賃料金の制度というものは単に訓示規定だけではなくて、具体的に消化をしなければならぬ問題だと私は思うのです。あなたたちの答弁を繰り返しもらってもしようがないと思うんだが、はたして担当の永山大臣と運輸大臣はどう思いますか。いかがでしょう。
  86. 永山忠則

    ○永山国務大臣 運賃決定の方法につきましては、今後も関係大臣と十分相談して進みたいと考えております。
  87. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 運賃を決定いたしますに際しましては、原則としては企業が成り立つような内容を持った運賃をきむべきであると思いますが、公共性その他、他の要因によって引き上げられない点等がございますので、そういう点につきましてはできるだけ国のほうで援助していくべきものである、かように考えて善処しておるのであります。国家財政の観点等からなかなか思うようにはまいりませんが、そういう方向で善処してまいるべきものと考えておる次第でございます。
  88. 久保三郎

    ○久保委員 この方法については答申にも出ておりますので私は申し上げたのです。法律案の中には全然言及してないから、お忘れだと思うので申し上げたわけです。やはりお忘れのような態度であったが、反省されて今度は関係大臣と永山大臣が御相談いただくということでありますから、せっかく御相談いただいて、これは関係の自治体がきめるのがいいのか、従来どおり運輸大臣が決定するのがいいのか、あるいはいままでどおりであっても地方議会というか、そういう自治体における住民の意思をどう料金決定の中で反映させるかというくふうが出てこなければいけないと思うのです。単に企業の健全化だけうたっていても、これは住民から離れての公営企業はございませんから、そういう点で私は申し上げているわけでありますが、それでよろしゅうございますか、御了解いただけますか、どうでしょう。
  89. 永山忠則

    ○永山国務大臣 お説のとおりでございます。
  90. 久保三郎

    ○久保委員 中村運輸大臣はいかがでしょうか。
  91. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 地方等の運賃を十分考慮の中へ入れまして、そして適切な運賃をきめていくべきものである、かように考えております。
  92. 久保三郎

    ○久保委員 少し言い方が違うようだけれども、時間もありませんので、永山大臣がいまのところ本法案は主管大臣のようだから、あなたの御意見でいきましょう。  そこでもう一つ、これは柴田局長に、あとでいいのですが、あなたが答弁された運賃の原価について、私はよろしいと言ったわけです。これは相済みませんが、下僚に命じて、もっとこまかに原価の中に含まれるものはこれとこれであるというのを、すぐ出るはずですが、ここではめんどうですから、書いたものを、地方行政委員会のほうは続いてありましょうから、そのほうを通して私の手元にも資料として配付してください。運賃のほうはそれで切ります。  次には、この答申の中に、やはり「都市交通の問題点の一つは、当該地域について包括的行政責任を有し、都市交通についても住民に対して責任を負わざるを得ない立場にある地方公共団体の長が自ら交通事業経営するのでない限り交通事業に十分関与できない建前になっていることである。相当規模の都市にあっては、公営、民営を問わず地域内の主要交通事業に関し、路線の免許等にあたって関係地方公共団体の長の意見を尊重する等の措置を講ずる必要がある。」と、こう書いてあるが、これも都市交通といわれる地方公営企業交通事業にとっては非常に重大なウエートを占める問題点の一つであります。これについては、もちろんこの法律ではそういう問題について言及はしておらない。もちろん言及できない法律でありますが、少なくともここで地方公営企業、その中での都市交通そのものの再建をはかっていこうというねらいであるならば、さっきの運賃料金の問題以上に、いわゆる単に経営の問題じゃなくて、都市行政というか住民を主体にした地方自治体、しかも問題の多い都市の機能を有機的に発展させるというからには、この問題を取り上げないではこれは前進はないと思うのだが、永山大臣はどう思いますか。
  93. 柴田護

    柴田(護)政府委員 答申との関連でございますから、私から便宜お答えさせていただきます。  お話しのように、この答申趣旨は、地方公営企業にとりましてはきわめて大切な問題でございまするが、主として運営面の問題でございます。したがって法律問題としては特別の措置を講じておりませんが、ただ運営に当たりまする態度ということを明確にする意味におきまして、公営企業法には五条の二という規定を置きまして、国の行政機関の長が行政処分を行ないます場合の基本的態度というものについて、この答申趣旨に沿うようにするというような意味合いの精神規定を置いております。具体的には路線免許等にあたりましても、今日でも運輸当局におかれましては関係地方団体の意見を徴しておられるようでございます。その徴するにあたりまして、これをより尊重するように心がけてほしいということを私どもからもお願いいたしておりますし、運輸当局におかれましても、その趣旨で今後とも運営に当たるということが話し合われております。したがって、具体的には立法措置等になってまいりまするともっと大きな問題になってまいりまして、複雑困難な問題でございまするが、とりあえずはそういう方法でこの答申趣旨に沿いたい、かように考えておるわけでございます。
  94. 久保三郎

    ○久保委員 局長、ぼくもやはり日本人だが、あなたが言うような、第五条の二項にはそんなことはみじんも書いていない。どこに書いてあるんだ。なめちゃいけない。「国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分その他の事務の執行にあたっては、すみやかに適切な措置を講ずる等地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮するものとする。」ぼくの質問はどこに書いてある。たとえば運賃の値上げの申請があったとか、路線の免許の申請があったならば、すみやかにこれはやってもらいたいという意味のことが書いてあって、この答申に書いてあることにはちっとも正面切って答えているものではない。大臣、どうですか。
  95. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私の答弁が不十分でございまして御迷惑をおかけいたしました。私が申し上げましたのは、この御質問の趣旨の条項は運営の問題だから、主として運営の問題として処理をいたしますということで運輸省と話し合いができておりますということを申し上げたのでありまして、そういうような問題は、料金等も含めまして、一般的な地方公営企業の育成と申しまするか、円滑な運営と申しまするか、そういう趣旨を込めて五条の二を置きましたということを申し上げましたわけでございます。
  96. 久保三郎

    ○久保委員 鉄監局長に聞きますが、それはそのとおりですか。この答申をあなたはお持ちですか。あなたの持っているのとは違うかもしれないが、ぼくの持っているのでは十七ページの上段から中段にかけてあるわけです。一ぺんあわてないでけっこうですから読んでください。  次には第五条の二項について、自治省と打ち合わせしたときの記憶をよみがえらせて答弁してください。自動車局長もおられるな、あなたも同じだ。まとめて何だったら中村運輸大臣に御返事いただこうか、そのほうがいい。
  97. 坪井為次

    ○坪井政府委員 ただいま柴田局長からお話がありましたように、運用面においては十分配慮して、できるだけ御趣旨に沿うようにしていきたいと思っております。
  98. 久保三郎

    ○久保委員 鉄監局長も以下チョンチョンか。
  99. 堀武夫

    堀政府委員 法律に書いたほうがいいじゃないかという意見もありましたが、しかし現在実際やっておることは、この答申趣旨に全く沿ったやり方をやっておりますので、いまの方法で十分答申趣旨に沿えるということで書かなかったといういきさつでございます。
  100. 久保三郎

    ○久保委員 それは第五条の二には書いてないという意味ですよ。自治省柴田局長は書いてあるんだ、こう言う。話し合いの中で、いまやっておるとおりでいいじゃないかと言ったら、そうだということで話は落ちついておる、こういう話。第五条の二には関係なく話はついておるということをいま鉄監局長は言っておる。柴田局長はわからない。あなたは間違っておるんだ。いずれにしても、これは永山大臣、中村大臣に聞いてもらいたいが、ぼくのほうで提案している都市交通整備促進法案なるものの中にはちゃんとこのとおり書いてある。自分で地下鉄をやるとかバスをやるとかいうことだけじゃなくて、その土地におけるいわゆる交通整備については交通整備計画運輸大臣が立てることになりますから、立てる過程においてはきちんと関係の自治体の長がこれに入っておる。実際はそうしなければいかぬ。そういう意味でありますが、たまたまこれは自動車局のほうが事件は多いのです。鉄監局長の所管よりは自動車局長のほうにいつもその問題があるように思います。それは自動車の路線免許についていつも問題が出てくるのでありまして、そういうことを考えると、これはもっともな話でありまして、自分が企業をやっているかいないかは別にして、地方自治体の長というものが、そこの自治体行政というか、あるいは自治体における都市をつくっていく場合のビジョンというか、そういうものにかかわりなく、いわゆる動脈であるところの交通機関というものがつけられるということは迷惑しごくのことであり、また完全な都市構成はできないと思う。だからそれを考えていくことが必要なのですよ。決してその申請を押えるという意味でこれを言っているんじゃない。問題は、そこの長というべき者は自分の都市については最高責任者であり、また住民と一体となってその都市の発展を考えていくんだから、特にそういうものを設定する場合には、地方自治体の関係の長の意見はほんとうは聴取されるべきなんだ。もちろん公営企業法の中にこういう答申のとおりの法律の条項を入れることが直ちに適切だとはぼくは思わぬけれども、少なくともどこかでそういうものがなければ、今後とも再建整備をどんなにりっぱにつくっても、なるほどペーパープランとしてはうまいぐあいに三年後五年後には再建できますという回答ができるかもしれないが、時代は流動的であります。特に運輸のほうはごらんになってもお気づきだと思うのでありますが、最近は非常に流動的なのです。だから、こういうものがない限りは再建整備を今日の時点でりっぱにつくっても、この方針どおりやって五年たったらやはりだめだということに極端に言えばなると私は思うのですよ。だから、当然こういうものこそどこかで政府の意思を決定して、地方自治体の長には権限を与えていくということのほうが私はいいのではなかろうかと思うのです。これは、全然こういう答申はめんどうだから、さっきの話のとおり局長段階のお話でいいだろうということになったのですか。それともぼくが言うとおり、ぼくがあまりしつこく言うからやるつもりになりますか、永山さんどうですか。
  101. 永山忠則

    ○永山国務大臣 その交渉内容をよく存じませんが、運輸省と話はいたしたようでございますが、この答申そのもののような結論にはなっていないようでございます。ただ、御承知のように公聴会その他で関係者の意見等をよく聞いて現実にはやっておるし、さらに八大都市に対しては政令で意見を尊重するというようなことになっているとかというようなことで、現段階では趣旨に沿うようさらに将来努力をしようというようなことで、法文化はいま積極的に進んでないように聞いております。
  102. 久保三郎

    ○久保委員 これは柴田局長の所管ですか、いまぼくが質問しておることは——そうですか、幅が広いですね。それじゃあなたに聞きますが、大臣は交渉の内容を御存じないとおっしゃいましたから、しかも御答弁の終わりごろに、政令で云々と言及されたが、その政令に言及されたことは、内容はどうなんですか。
  103. 柴田護

    柴田(護)政府委員 先ほど私が申し上げました、重要路線については意見を徴するということの、意見を聞く場合を政令で書いておる。これはたしか八大都市だと思いまするが、御承知かと思いまするが、そういうことになっておるということでございます。経緯といたしましては、この答申が出るときにおきましても、運輸当局からいろいろ意見の開陳が調査会に対してもありまして、運輸省の関係局長さんも幹事として入れてもらっておりました関係で、意見の開陳がございました。そのときにいろいろ話がございまして、現行の制度をもっとよく運用していけば事足りるじゃないかということになった次第でございまして、運輸省におかれましても、その趣旨で今後ともやっていただけるものと考えております。
  104. 久保三郎

    ○久保委員 運輸省といっても、これは局となればいろいろあるのですが、これは鉄監関係か自動車関係ですか。あるいはその二つですか。
  105. 柴田護

    柴田(護)政府委員 この答申の問題に関係しておりますところは、主として自動車関係でございます。
  106. 久保三郎

    ○久保委員 自動車局長、いまの答弁に間違いはないですか。
  107. 坪井為次

    ○坪井政府委員 地方公共団体の長の意見の聴取の問題でございますが、公営企業が営まれている長の意見という場合に、いわば企業体としての意見というようなものもありますし、広くその上に立って、住民福祉のための意見というようなものと、二つあると思うわけでございます。それで、われわれとしては、企業者としての意見につきましては、民間企業、その他の調整もありますので、十分制限的に考えなきゃならぬ。しかし、公共的な立場からの意見については十分考慮していく。そういうことで、運用でやっていきたい、そう申し上げたわけでございます。
  108. 久保三郎

    ○久保委員 そうすると政令じゃないのですか。柴田局長が言ったとおり、政令できめる事項もあるでしょう。はっきりしてください。
  109. 坪井為次

    ○坪井政府委員 百二十三条で、現行法では、特定の都市について意見聴取ということになっておりますが、これを政令で拡張するということにつきましては、慎重に検討していきたいと思っております。
  110. 久保三郎

    ○久保委員 それは慎重にやっていくというのだから、自治省の局長さん、政令で書けないのじゃないかな。どうなんです。慎重にやるというのですよ。あなたは先回りして政令で書くというのだが、どうなんです。
  111. 柴田護

    柴田(護)政府委員 この法律の政令でございませんで、運輸省の法律の政令でございます。それで、その政令で現在何都市かが規定されておる、こういうようなことでございます。それをもっと範囲を広げてほしい。政令があろうとなかろうと、地方団体の意見も十分聞いてくれ、それはそういう方向で努力しますということでありますということをお答え申し上げたのでございます。
  112. 久保三郎

    ○久保委員 それはあなたの希望であって、別に政令で書くとはきまっちゃおらぬな。
  113. 柴田護

    柴田(護)政府委員 現在政令できまっておる……。(久保委員「きまっておるのを拡大するのだろう」と呼ぶ)そういうことでございます。
  114. 久保三郎

    ○久保委員 坪井局長、いまの自治省の局長の言うとおり、範囲を拡大する、そうして響くということを答弁しているが、そのとおりであるのかどうか。そのとおりであるとすれば、これは自治省の局長に言ったほうがいいかもしれないが、当委員会には政令の要綱はまだ出ていないですね。出ていなければ、あと地方行政委員会を通して私のところへも配付してほしい。おわかりですか。
  115. 坪井為次

    ○坪井政府委員 現在、私のほうの政令では、都のほかに、大阪、京都、名古屋、横浜、神戸、福岡、仙台の各市が意見聴取すべき対象の市として定められております。これを拡張するかどうかにつきましては、ただいまお話ししましたように、十分運営ではかりたいけれども、さらに必要があれば、拡張するかどうかについて検討したい、かように思います。
  116. 古川丈吉

    ○古川委員 大蔵省の鳩山次長が帰られたけれども、両大臣もおられますので、公営企業としての地下鉄の問題につきまして一言私が問題を提起しておきますから、関係方面でよく御研究を願いたい、かように思うわけでございます。  御承知のように、大都市におきましては、交通事情からいいまして、地上の路面電車撤去しなければならぬ。新しい道路をつくろうといたしましても、立ちのきその他、土地の問題でなかなか解決をいたしません。したがって、やむを得ず地下鉄というような形になるわけであります。そういう意味において、地下鉄の仕事というものは道路にかわる事業である。しかも、この地下鉄は非常に金がかかる。こういう面で、昭和四十一年度の予算折衝の場合にも、運輸省並びに自治省の御心配によって——消極的な意味で御心配願ったのでありまするけれども、私は、さらに一段とこの考えをはっきりと徹底して、財政措置をしてもらいたい。あるいは、路面電車地下鉄にする場合に、軌道敷地が市有財産である場合は、道路としてりっぱに改修するのに市自身がやる場合がある。こういうものも、建設省が道路をつくるという意味において、これはやはり国が一部負担すべきである。そういう考え方と、それからいま申し上げているとおりに、道路にかわる交通機関としてやむを得ず地下鉄をつくるのでありまするから、これに対して、国家が道路をつくる意味を含めて財政的な援助をしなければならぬ、こういう基本的な考え方を、両大臣がおられることでありまするから、ひとつ御研究を願っておきたい。ただ問題だけを私は提起しておきます。ことに、大蔵省も建設省もお見えにならぬようでありますから、関係局長と大臣とゆっくり相談して結論を出してもらいたい。  以上を申し上げて、私の意見の開陳を終わります。
  117. 岡崎英城

    岡崎委員長 内海清君。
  118. 内海清

    ○内海(清)委員 時間がよほど経過いたしましたので、いままでの質問を承りましてなお十分納得いきにくい点もございますけれども、できるだけそういう点を省略いたしまして、二、三についてお尋ねいたしたいと思います。  御承知のように、今日地方公営企業というものが非常な赤字を出しておる。それの中でも特に交通関係においてそれが大きな問題になっておることは御承知のとおりであります。ところが、今日の都市におきまする、ことに大都市の人口が非常に集中してくるということ、これは年々著しいものがあるのでありまして、人口が非常な膨張を来たしておる。したがって、都市交通の面から考えますならば、これに対応したあらゆる都市交通施設が行なわれていかなければならぬ、こういうことは論を待たないわけであります。そういたしませんと、都市は麻痺してしまう、こういう状況であるのであります。ところが、これは何も地方自治体の責任ではないのであります。さらに都市交通施設の問題も、多少語弊があるかもしれませんが、これまた地方自治体の責任ではないと言い得ると思うのであります。そういう点からいままでもいろいろ論ぜられましたが、たとえば、路面電車というものは当然今後廃止していかなければならぬ。地下鉄であるとかあるいはトロリーであるとかあるいはバスであるとかというふうな交通機関にかわっていかなければならぬことは御承知のとおりであります。ところが、こういう施策をやります上につきましていろいろ問題があると思いますけれども、私は、いま特にお聞きしておきたいと思いますことは、都市におきまする、特に大都市でありますが、交通行政の一元化ということ、これはきわめて大事なことだと思うのであります。いま申しましたように、路面電車というものは当然早急に撤去されなければならぬ。しかし、撤去しただけではいかぬので、これにかわる交通機関というものができていかなければならぬと思うのであります。その最も重要なものは地下鉄である、私はかように考えるのであります。ところが、この路面電車撤去して地下鉄を建設するという場合に、この行政の一元化がないために非常にここに支障があるということ、これまた御承知のとおりだと思うのであります。まあ、この点につきましては、大阪と名古屋は比較的問題が少ない。同一企業でもってこれを経営しているということであります。ある程度スムーズにいっておると考えておるのでありますが、問題はいま一番交通難の現出しております東京都における交通難である。しかも、東京都におきまする企業経営というものも一番悪化しておる、こういうふうに考えておるのであります。御承知のように、東京地下鉄は大部分営団で経営しておりまして、一部東京都営もございますけれども、この東京都と営団の関係、連絡とか協議機関というふうなものが十分設けられてないという、これはどうしても打破していかなければ、今後、特に東京都におきまする都市交通の円滑な運営ということは非常にむずかしいと考えるのであります。承りますと、先ごろ都営の地下鉄と営団地下鉄とが合同することによりまして、東京都の交通事業と営団との間に交通行政の一元化をはかろうとする、こういう動きが非常にあると承っておりますが、その点につきましてお伺いいたしたいと思います。ひとつ運輸大臣のほうにお伺いいたします。
  119. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 内海議員が御指摘のように、現在大阪、名古屋はきわめてその点は都合よくいっておりますが、東京は御承知のように問題があります。しかし地下鉄の営団の中には都から役員が入っておりますし、そのほかあらゆる面で緊密な連絡をとりながらやっておるのが実情でございます。いま内海議員が指摘をなさるようないき方にやるべきじゃないかという意見も有力な意見としてありますけれども、いまこれを直ちにやりますと、かえって混乱を招くというような点もございますので、将来問題として一元化の方向というようなことを検討してまいるべきである、かように考えております。
  120. 内海清

    ○内海(清)委員 いまやるとかえって混乱を来たすので将来これを考えようということでありますが、この東京都営の地下鉄と営団地下鉄との間に何か連絡あるいは協議機関というようなものがありますかどうか、この点をお伺いいたします。
  121. 堀武夫

    堀政府委員 営団の地下鉄には東京都も出資をいたしておりますし、そして人的なつながりと申しますか、役員にも東京都出身の方が入っておりまして、十分東京都の意向というものを反映しておると思っております。なお、問題のあるたびにこれは適宜十分な打ち合わせなり連絡なりとっておりますので、その点についてはさほど心配な点はないと思っております。
  122. 内海清

    ○内海(清)委員 鉄監局長の御答弁では、十分連絡をとってやっておるということでありますけれども、このことによって、これが二元化されておるということによって、たとえば路面電車撤去すればその従業員、これをどうするかという問題が直ちに出てくるわけです。これが一元化されておれば、こういう労働問題も比較的スムーズに解決されていくわけであります。ここに非常な問題がある。したがって、この地下鉄の問題につきましては、運輸省当局の主管でありますけれども、当然自治省としてもこの点は考えられまして、できるだけ早い機会にこれが一元化されるべきである、そのことが東京都におきます都市交通であり、同時に交通面におきます公営企業の健全化にもつながるものだと思うのであります。それらにつきましての永山大臣の御所見があればお伺いしておきたい。
  123. 永山忠則

    ○永山国務大臣 お説のように、大阪、名古屋は経営の一元化によりまして非常にスムーズにいっておるように聞いておりますので、お説のような方向へ進むべきだと考えております。
  124. 内海清

    ○内海(清)委員 このことにつきましては、運輸省当局におきましては、これが主管でありますから、当然強力に進められなければなりませんが、これは単に運輸省当局というよりも、むしろもっと大きい立場で、国としての首都の問題でありますので、十分な行政指導が行なわれていかなければならぬ、かように考えるのであります。今後この面につきましては十分研究されまして、できるだけ早い機会に一元化されるように、この点を強く要望しておきたいと思うのであります。これは今日の、特に大都市交通行政基本になり、ことに交通面におきましては、公営企業の健全化の基本になる問題の一つである、かように考えておりますので、十分御善処いただきたい、こう思います。  それから次にお伺いしておきたいと思いますことは、いわゆる地方公営企業の公共負担の問題であります。これは御承知のように、今国会の当初におきまして国鉄運賃の値上げが審議されましたときにも、国鉄の公共負担というものが非常に大きな論議を呼んだ、論議の中心になったことは御承知のとおりであります。これは地方公営企業におきましても同様なことが考えられるのであります。一例をあげますと、水道では消火栓であるとか道路の清掃、あるいは国、地方自治体の建設事業に対しまする各種の付帯工事、あるいは交通で申しますと軌道内の舗装とか割引定期とか、あるいは病院で申しますなら防疫あるいは衛生、あるいは看護婦の養成とか伝染病対策とか、こういうふうなものです。どれをとってみましても、多くの公共負担を要しておるのであります。この公共負担に対しまする一般会計からの繰り入れと申しますか補てんと申しますか、これは御承知のように、ほとんどないのであります。今回の改正案では、経費の負担区分の明確化という点があげられておるのでありまして、今後若干考えられていくかとも思いまするけれども、いま申し述べましたような公共負担につきまして、今回の改正案ではどういうふうに処理するおつもりであるか、その点をひとつお伺いしておきたいと思う。
  125. 柴田護

    柴田(護)政府委員 お話しのように、一般会計等におきまして負担すべき経費というものの区分けが不明確でございましたのが今日の公営企業の窮状を招いた一つ原因でもございます。したがって、改正法ではその点を明確にいたしまして、政令で規定をしよう、そしてその部分につきましては、財源措置をいたします場合に一般会計分につきまして必要な財源措置をしていく、こういう態度をとろうとしておるわけでございます。御指摘がございました点等につきましては、具体的には政令で規定するつもりでありまして、政令案は現在の段階におきまして私どもの手元で考えておりまする事項をすでに資料として提出いたしました。  簡単に御披露を申し上げますると、水道事業につきましては、消火栓の設置、管理その他水道を消防用に供するための費用、公園、道路公共用水飲み場その他の公共施設において公共のために無償で提供する経費等、交通事業につきましては、軌道撤去の場合における撤去費用、それから高速鉄道の建設に必要な地下または高架構造物の建設費の一部、それから病院事業等につきましては、看護婦養成所、伝染病室、救急医療、集団検診、その他の保健衛生行政一環として行なわれまする事務に要する経費、また不採算地区病院病院付属の僻地診療所の経費、あるいは結核病院だとか精神病院だとか、またはリハビリテーションの専門病院におきまする増高経費、通常の度合い以上にかかる経費でございます。そういったものを政令で規定をいたしたい、かように考えております。
  126. 内海清

    ○内海(清)委員 政令でこれを定めるということでありますが、いま政令案の大体の骨子をお伺いいたしたのであります。この点につきましては、なお今後十分なる措置が行なわれていかなければ、やはり公営企業経営の実はあがらない、かように考えておりますので、今後一そうこの点については研究されまして、十分なる措置が行なわれるように強く要望しておきたいと思います。  それからいま一つお伺いしておきたいと思います。それは、地方一般会計からの繰り入れの問題、これは現行の十七条の二でありまするが、この問題を今後改めていく必要があるのじゃなかろうかというふうに私は考えるのであります。それは特に住民の生活に密着いたしております水道交通あるいはガス関係等であります。こういうふうなものにつきましては、これは申し上げるまでもなく住民の日常の生活に密着しておる問題で、たがいまして、こういうものにつきましては、今度の法案でいえば合理化し能率的な経営を行なっても、地方によってはなおかつ経営困難な場合があると思うのであります。そういう場合にはやはり一般会計からこれを繰り入れができる、こういう程度までいかなければ、この公営企業というものはなかなか健全な発展ができぬのではなかろうかということを実は私は強く考えるのであります。それでなかったならば、特に交通機関などで申しますると、二、三年すればまた料金値上げ、運賃値上げというふうなものが出てくるおそれがあるのであります。これにつきましては、こういうことが起きてきますのは、国とかあるいは地方に対する公共負担が行なわれるところに一番大きい原因があると思いますけれども、そういう点から考えまして、いま申し上げました程度の改正は当然行なわれていかなければならぬのではなかろうかということを考えます。これに対しまする自治大臣の御所見をひとつお伺いしておきたい。
  127. 柴田護

    柴田(護)政府委員 負担区分制度を取り入れて明確化しようと考えたのは、実は御指摘のようなことを頭に置いてのことでございます。したがって、ただいま申し上げましたように、不採算地区の病院といったところにつきましては、どう能率的に経営いたしましても何ともならぬというところについては、一般会計からの負担を認めよう、こういう考え方に立ったわけでございます。同じような問題が水道等につきましても、ところによってはあろうかと思うのであります。ただ一般論といたしましては、今日の段階では、一般会計で持つことが適当と考えられる経費を除きましては、やはり企業体でもって収支を合わせていくという態度をとっておるわけでございます。もとより生活に必要な水等につきましては、できるだけ安い料金であることが望ましいのでございますけれども、そういったものの今後におきます問題といたしましては、やはり資本費的なものをできるだけ軽減してやる措置を融資面で考えていく、そしてその上でどうなるかということを考えていかなければならぬかと思うのであります。御指摘の問題はなかなかむずかしい問題でございますけれども、とりあえずは僻地を中心にした問題だけを取り上げたい、かように考えております。
  128. 内海清

    ○内海(清)委員 その点は十分考慮して今度の会計区分をやったということでありますけれども、少なくとも十七条の二をそういう方向に改正していく必要がやはりあるのじゃなかろうか、かように考えておるのであります。この点は今後の問題でございましょうが、十分御研究いただきたい、こう思うのであります。  だいぶ時間が経過いたしましたので、なおこの都市交通の問題、特にまた先ほどもいろいろ論議がありましたが、料金の算定の問題、こういう点につきましても私多くの疑義を持っておりますけれども、本日はこの程度で終わりまして、いずれ機会がございましたらさらに御質問申し上げたい、かように思います。  以上で終わります。
  129. 岡崎英城

    岡崎委員長 これにて本連合審査会は終了いたしました。    午後二時二十二分散会