運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-06-03 第51回国会 衆議院 地方行政委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月三日(金曜日)    午前十一時三分開議  出席委員    委員長 岡崎 英城君    理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君    理事 渡海元三郎君 理事 和爾俊二郎君    理事 秋山 徳雄君 理事 華山 親義君    理事 細谷 治嘉君       亀山 孝一君    田中 六助君       登坂重次郎君    藤田 義光君       村山 達雄君    森下 元晴君       山崎  巖君    島上善五郎君       西宮  弘君    安井 吉典君       門司  亮君  出席国務大臣         自 治 大 臣 永山 忠則君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁水         資源局長)   鈴木 喜治君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      舘林 宣夫君         建 設 技 官         (河川局長)  古賀雷四郎君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  委員外出席者         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 六月三日  委員久保田鶴松辞任につき、その補欠として  西宮弘君が議長指名委員に選任された。 同日  委員西宮弘辞任につき、その補欠として久保  田鶴松君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方公営企業法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇七号)  地方公営企業法の一部を改正する法律案安井  吉典君外九名提出衆法第三八号)  地方公営企業財政再建促進特別措置法案安井  吉典君外九名提出衆法第三九号)  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案(  安井吉典君外九名提出衆法第四〇号)      ————◇—————
  2. 岡崎英城

    岡崎委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案安井吉典君外九名提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案地方公営企業財政再建促進特別措置法案及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案、以上四案を一指して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。西宮弘君。
  3. 西宮弘

    西宮委員 昨日、御承知のように、私の質問の途中で突然散会になりましたので、きのうに続いて質問いたしますが、きのうの最後はこういうことをお尋ねしたと思いまするので、その点を再度確認いたしまして、そこからきょうの質問を出発をさせていただきたいと思います。  と申しますのは、水道あり方について、水道をどのように認識するかということを厚生当局お尋ねしておったわけでありますが、最後お尋ねをいたしましたのは、水道事業について、現在の水道法の前に、水道条例というのが昭和三十二年まであったわけでありますが、その水道条例にうたわれておるような重大な原則は、今日もなお原則として継承されておるのか、こういうことであります。その点をもう一ぺん確認しておきたいと思います。つまり私がその際に引例をいたしましたかつての水道条例の中で、たとえば第八条の「地方長官ハ」「水量不足ナリト認ムルトキハ」「之カ改良市町村ニ命スヘシ」とか、あるいは第十九条に、そういう各種の命令等について実行しないときには「地方長官ハ府縣費ヲ以テヲ施行シ其費用市町村」「ヨリ之ヲ追徴スルコトヲ得」とか、あるいは二十一条の「内務大臣ハ必要ト認ムルトキハ水道布設市町村ニ命スルコトヲ得」とか、こういうことで、水道事業というものをきわめて重大と考えて、大臣もしくは地方長官が非常な権限を持ってこれに当たる。もちろんその反面におきましていろいろと、たとえば国税の免除とか国有地の払い下げ、貸し付け、その他いろいろの助成規定を設けておりますが、いずれにしてもそういう非常に強い態度市町村に当たっている、こういう条項があったわけでありますが、こういう精神は今日でも受け継がれておるかどうか。もとよりいまは民主主義の時代でありますから、こういう官僚独善的なやり方はもちろん適当に修正さるべきでありましょうが、ただ、私の問いたいのは、国なり県なりが水道に対するそういう認識のもとにこれに取り組んでいるということが基本的な性格として今日の水道法の中にも生きているか、こういうことであります。
  4. 舘林宣夫

    舘林政府委員 お尋ねの、従来水道条例にありました条文の実際上の措置は、緊急事態、たとえば伝染病発生等事態におきまして水道を停止、修理、改善せしめ、必要な場合には都道府県の手によって給水するというような措置を講ずることでございまして、実際上の取り扱いは今日でも伝染病予防法でできるわけでございまして、今日の水道法そのもの条文は組み込まれておりませんけれども水道を重視し、水道に対して行政当局が十分な責任的な立場で配慮するという基本的精神は、今日においても変わりはないものと思います。
  5. 西宮弘

    西宮委員 いまの御返事で、水道に対する行政当局考え方態度というものが明らかになったと思うのであります。  そこで次にお尋ねいたしますが、要するに、水道から受ける利益はだれに帰属するのか、こういうことが水道をいわゆる一般行政と考えるか、それとも企業と考えるかという分かれ道になると思うのであります。あるいはそれをさらに発展いたしますと、したがってそれに要する経費の負担は、税金によるのが正しいのか、あるいは料金によるのが正しいのか、こういうことにもつながっていくと思うのでありますが、とにかく水道の及ぼす利益はだれに帰属するのかということについて、これは自治省から御返事をいただきたい。
  6. 柴田護

    柴田(護)政府委員 やはり住民がその利益を享有するものだと私どもは考えるものでございまして、したがって、その利益態様に応じて水道事業あり方というものを考えていくべきだというように考えておるわけでございます。
  7. 西宮弘

    西宮委員 その最後水道態様に応じて考えるべきだというのは何のことですか。
  8. 柴田護

    柴田(護)政府委員 と申しまするのは、水道経営いたします場合の原則として、私ども受益者負担原則というものを原則として考えてまいっておるわけでございます。それはやはり住民利益を享有するわけでございますけれども地方公共団体の提供するサービスなるものを享有いたします形態というものは、言うならば不特定多数の者に対するサービスではございません。受益者特定をいたしておるわけでございますので、その水道利益に対する反対給付と言うと語弊がありますけれども、これの対価と申しまするか、という点につきましては、やはり住民受益程度に応じてこれを支払っていくというようなあり方が望ましい、またそうあるべきだという考え方に立っておるわけでございます。
  9. 西宮弘

    西宮委員 その特定者であるかあるいは不特定多数であるかということに大きな違いが出てくると思うのでありますが、今日いわゆる一般行政対象になっておるものの中にも、むしろ水道などに比べるともっと特定な者が恩恵にあずかるというのが相当あるのではないか。たとえば保育所であるとか養老院であるとか、あるいは公営住宅であるとか、こういうようなものなどもごく限られた者だけが利用している。これは社会政策的な意義があるのかもしれませんが、しかし利用者はきわめて限られておる。あるいはその他まだほかにたくさん例があると思いますが、要するに、そういう今日一般行政対象にされておる有力なもので、むしろその利用者が限られておるという例が水道以外にあると思うのですが、そういう点との関連はどうなりますか。
  10. 柴田護

    柴田(護)政府委員 社会福祉国家ということになってまいりますれば、どうしても行政住民生活の中に入っていくわけでございますので、おっしゃるように一般行政の分野におきましてもそういった面が出てくることは、私は否定はいたしません。しかし、水道の場合との比較を考えてまいりますと、やはり受益程度というものは非常に違うわけでございます。その享受する住民享受のしかたというものは非常に違ってくる。非常に少なく水を飲む人もありますれば、その水で水まきをする人もある、車を洗う人もあるわけであります。そういうことから考えてまいりますと、これを一般行政と同じ面において考えるということはやはり適当ではないだろう。だからこそ、従来から企業的な経営というのが要請されてきておりまして、今日またそういう形で運営されておるのだろうと考えております。
  11. 西宮弘

    西宮委員 現在の国家社会福祉国家になってきたために云々というのであれば、その点は水道でも全く同様だ。ただ、その話の中に、いわゆる利益享受のしかたが違う、つまり、ぜいたくな人はそれで水まきをする、そういう点が違うのだということであれば、まあその点だけの違い方だと思うのですが、それならば、生活のために必要欠くべからざる水、これは明らかにいわば一般行政の当然の対象になるべきだと思うのですが、どうですか。
  12. 柴田護

    柴田(護)政府委員 そうなりますと議論がいろいろ分かれてくるかと思うのでありますが、やはり水はおっしゃるように必要最小限度人間が生きていくために必要なものでございます。しかし、同じように米だって空気だって必要だと思うのであります。そういうことからいいますと、そのことだけを別途の考え方を立てるという考え方はあるかもしれませんけれども、今日の水道の普及の状況を考えてまいりますならば、水道も全然ないところもあるわけであります。全国に普及しているわけではございません。そういうことから考えてまいりますと生活の最小限度必要な水でございましても、やはり水道経営の中に一本に扱わざるを得ないのではなかろうかというように思うのでございます。よく論ぜられますのは必要最小限度の水だからこれは全部料金を取るなといったようなこともあるわけでありますけれども、まあ米と空気との関係を考えますれば、今日の段階では水道料金として一括して始末せざるを得なかったのではなかろうかというように思うのでございます。
  13. 西宮弘

    西宮委員 いま米と空気と言いましたか。——それではそういう例で申し上げますが、空気はごらんのとおりただですから、これは全くそれと同じように水道を認識するというんならたいへんけっこうだと思うのですが、米の問題は確かに代金を払って買っている。しかしこれとても政府は一千何百億かの金を投じて食糧の負担が経減されるように、そういう配慮を加えながらこれを配給しているわけですよ。そういう点について水道の場合は何もないじゃないですか。ゼロじゃないですか。さらにその次の問題点としてあげた、水道は全部には普及してない、だからたまたま水道のある人だけが得をするのだったら、これを区別するべきだ、こういう意見だったけれども、これはきのうの厚生省の局長お話によりますと、今日七〇%に及んでいる、したがってそれはもう国民生活にきわめて不可欠の施設になっておるんだ。さらに局長はきのう来ないからわからないんだけれども、近い将来に一〇〇%にするんだ、こういう話なんですが、一〇〇%にした場合は水道料金はさっきの原則に従って解決をしますか。
  14. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私は、空気を吸うのはただだとは申しておりません。空気もやはり住んでおれば吸うわけでございますけれども住民税均等割りを払わなければならない、そういうことから考えますならば、今日の段階では空気といえどもただとは言えないと考えるべきだと思う。そういうことから考えますならば、やはりおっしゃるように、水道が全部普及されてしまった場合に、じゃ米と空気水道をどうするかという問題は新たな問題として考えたらいいと思うのでございまして、今日の段階ではそこまで踏み切ることは無理じゃないかと考えております。
  15. 西宮弘

    西宮委員 これは大臣お尋ねいたしますが、住民税というのは空気ただで吸っているための代償なんですか。あまりそういう三百代言みたいなことを言わないようにしてくださいよ。あまりばかばかしい、幼稚園の問答じゃあるまいし。大臣答弁してください。重大問題ですよ。
  16. 永山忠則

    永山国務大臣 空気関係はどうも答弁に困るのですが、とにかく住民として生活していく上においてやはり地域社会享受を受けておりますから住民税を払っているという意味のことを言ったんだろうと思うのでございます。
  17. 西宮弘

    西宮委員 それはもちろんわかりますよ。大臣のその答弁ならば、それは私も十分に了承しますよ。つまり住民としてのその自治体等からいろいろな利益享受しておるから、それに対する対価として住民税を払うんだ、それはわかりますけれども、いまの局長答弁は、空気を吸っているから住民税を払うんだ、こういうお話なんですから、その住民税対象の中にはただ空気も入っておるのかということです。
  18. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私はたとえ話を申し上げたのでございまして、誤解をされては困るのでございます。税金料金を払うのがいいのか、あるいは受益者負担原則で払うのがいいのかというものの考え方をとります場合に、やはり今日の段階では米だって払っておるのでございますし、水といえども全部の段階に普及しているわけではございませんし、そういうことをいろいろ考えてまいりますれば、やはりそういう議論をとるべきではなくして、今日の段階では水道料金は、水道使用に対する対価というものは、受益者負担原則によって律することが適当であろうというふうに考えるのであります。したがって、そういうものがすべて全部に普及してしまった場合に一体どういう料金体系をとるかということになってまいりますれば、あるいは生活必需と考えられる部分については別個の取り扱いをするということだって一つ考え方だろうと思うのであります。しかしそういう場合におきましても、やはり文明が進歩してまいりますれば水の使用の量はふえてまいりますし、また使用態様も変わってまいります。そうなってまいりますると、かりに全部水道が普及いたしました場合におきましても、これは税金でもって負担するという立て方をとることは、私どもは、実は考えておらないわけでございます。私の発言の中に不備な点がございましたらお許しをいただきたいと思いまするが、そういう考え方で先ほど申し上げたわけでございます。
  19. 西宮弘

    西宮委員 大事な問題ですから重ねてお尋ねをしておきますが、私の大臣お尋ねをしたのは、いわゆる地方税対象の中には空気も入っているのかとお尋ねしたのです。その点はどうなのですか。肯定したのか否定したのか、そこだけはっきりしておいてください。
  20. 永山忠則

    永山国務大臣 空気住民税算定基準になっているとは考えておりません。まあ局長のほうはたとえ話をしたのではないかと思います。ことばの不備の点はひとつこの場合是正をさせていただきたいと思います。
  21. 岡崎英城

    岡崎委員長 この際、ちょっと私から申し上げます。  柴田財政局長答弁は少し不穏当だと思いますので、注意を促します。よろしくこれから注意してください。
  22. 西宮弘

    西宮委員 大臣局長答弁を訂正され、あるいはさらに委員長からもそういう念の入った御発言があって明快になりましたので、その点はこれで終わりにいたします。  私はいまの問題をもう少し続けたいと思うのでありますが、どこでそのいわゆる行政企業との区別をつけるか、これは非常に重大な問題でありますから、大臣でもけっこうだし、局長でもけっこうですが、御答弁願いたいと思うのです。たとえば教育とか、あるいは道路とか、河川改修とか、そういうものはこの一般行政の最もティピカルな例だと思うのです。しかし教育にしましても、租税としてとったものを特定の者だけが享受をする。あるいはまた道路もそうだが、河川改修などの場合はほんとうに少数の人だけが利益享受する、こういう場合も現実にあるわけです。そういうのに比べると、少なくとも水道のほうがより公共的である、より不特定多数の人が利益享受している、こういうふうに私は思うのだが、その実態はどうですか。
  23. 柴田護

    柴田(護)政府委員 やはり水道利益態様からいいまして、私どもは、今日の段階においては使用料をもって支弁するという体系が望ましいと考えておるのであります。いまのお話で、教育だっていろいろあるじゃないかということでございますが、外国の例などでも、使用料をやめて租税で払っておるところがあるということを聞きますけれども、現在の日本の状況では、水道使用態様からいいますならば、いま直ちにこれを税金でまかなうということは適当とは考えておりません。
  24. 西宮弘

    西宮委員 その適当と考えないという最後の結論的な言い方は、財政的な理由ですか。
  25. 柴田護

    柴田(護)政府委員 財政的な理由と申しますより、むしろ使用態様から見て適当とは考えません。
  26. 西宮弘

    西宮委員 そこになると、要するに私とあなたの意見の食い違いになるわけだけれども使用態様という点から言うと、いま例にあげました教育の問題あるいは道路河川等の最も代表的な一般行政比較をしましても、いわゆる不特定多数の者が利益にあずかるという点においては、私は水道のほうがはるかにより不特定多数の者が対象になっておると思うのだが、そういう実態そのものはどうですか、適当かどうかは別問題にして。
  27. 柴田護

    柴田(護)政府委員 実態は、不特定多数の人による水道使用というものは、ごく限られておるのではないかと思います。たとえば公園にございまする水の飲用をする場合あるいは散水をする場合といったような場合は、これはまさに不特定多数の住民受益をする。しかし、そうでない場合におきましては、家庭工場等を考えてみますと、おそらく受益者特定しておるのだろうと思うのでございます。しかもその受益態様は明確につかめるのじゃないか。そうなってまいりますと、いま御指摘がございました教育等の問題とは若干違うのじゃなかろうかと思うのでございます。ただ、問題になりまするのは、教育の場合でも高等学校教育になってまいりますれば、それぞれ授業料を徴収いたしておりますけれども、しかし一般財源から何がしかのものは投入されておるわけでございまして、そうなってまいりますると水道だって同じようなことがあっていいのじゃないかという議論も成り立つわけでございます。この問題はこの問題として、一般会計つまり租税水道布設その他に対してどれだけの負担をすべきかという問題とは別個に出てくるだろうと思います。従来から、先行投資等についての財源の、水道建設について何らかの措置があってしかるべきじゃないかというような御議論が出てくるのは、私はそういうところにあるだろうと思うのでございます。この点につきましては、水道料金そのものあり方とのつながりにおいて考えるべきではなかろうかというふうに考えております。
  28. 西宮弘

    西宮委員 いま局長答弁のありました、たとえば公園の噴水の利益をだれが受けるか、これは文字どおり不特定多数というか、全く不明なわけですね。それはちょうど道路の上をだれが走るかわからないのと全く同様だと思う。しかし水道の場合は、その水道利益を受ける人が具体的にわかるじゃないか、そういう点をいわゆる不特定多数ではないという根拠にされるならば、教育の場合だってだれがその利益を受けておるかということは明瞭だと思う。どこが違うのですか。
  29. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私は、教育の場合を考えてまいりますれば、やはり例としてあげられるものは高等学校教育なり大学教育というもの、これと水道という問題はむしろ類似点が見出されるだろう、義務教育はちょっと違うあれでございますが、住民利益享受のしかたからいうならば、むしろそういうような場合がある程度該当し得るのじゃなかろうかというように思うのでございます。
  30. 西宮弘

    西宮委員 その小中学校の教育においても、だれが利益を受けておるかということははきわめて明瞭だし、さらにまたそれは全体の人口の上からいったらその何割かでしかないと思う。だから、そういうものよりも水道利益にあずかるという人のほうが、ことに生活用水享受者ははるかに数も多いし、私は、そういう点で明らかにその利益享受者より広範であり、かつ不特定の者であるといえると思う。その特定、不特定というところにどういう区別をするわけですか。
  31. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私は、水道の場合は受益関係ははっきりと特定していると思うのでございます。いま例にあげました公園使用します等の問題は別問題でございます。したがってそういう場合におきましては、むしろやはり一般会計において負担すべきものであろう、今回改正法案を出しまして負担区分を明確にしようという意図もそういうところにあると思うのでございます。しかし一般家庭工場におきます水の使用態様というものは、むしろ受益関係というものは明確になっておるのじゃなかろうか。私が例としてあげました高等学校大学の場合でも、受益関係はそういう意味ではっきりしておる。これは別の見地から一般会計からいろいろな支出がなされておる。しかし原則はやはり個々の使用料授業料というものが使用態様を律する基本であろうと思うのです。
  32. 西宮弘

    西宮委員 私がお尋ねをしたのは特定、不特定はどこで区別をするのかという点です。
  33. 柴田護

    柴田(護)政府委員 それはやはり水道の場合は一つ水道サービスについて、水道を引いておる住民受益をするわけでございますからはっきりしておる。不特定といえば、公園の水は万人が飲むのでありまして、あるいはその水を散水いたしますのは住民一般のためでございまして、特にこの住民、あの住民ということではないのではなかろうか、やかましく言えばそういうことになるだろうと思います。
  34. 西宮弘

    西宮委員 私はそういう点で、今度いわゆる公営企業の中で負担区分を明確にしたという点は、今度の調査会答申なりあるいはそれを受けてつくったこの法律なり、私は非常な進歩だと思うのです。私は率直に言って、今度のこの改正法で唯一の進歩した点はその一点だ、そう考えておる。だから、いま例にあげた公園の水と家庭工場に引いた水とが特定、不特定に分かれる、これは明瞭ですよ。これは今度の法律で明らかになっているのだし、それは明瞭です。私は一例として教育を例にとったのだけれども、その教育の場合を不特定と称し、家庭工場用水道の場合を特定とする、その区別はどこにあるか。
  35. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私は、先ほど申し上げましたように、教育の場合が不特定だと申しておるのではございません。教育の場合でも高等学校教育の場合は特定をしておる。したがって、この部分については授業料体系という使用料体系があるのだ、それはやはり一種の受益者負担的な色彩があるのだということを申し上げたのであります。教育だから不特定あるいは水道だから特定だということを申し上げておるわけではございません。
  36. 西宮弘

    西宮委員 それで、最初の答弁ですけれども一般行政で担当するのか、あるいは企業体としてやるのか、企業体対象にするのかという点についてその特定、不特定ということが大きく分かれる要素になっておるはずですが、そういう点で、いわゆる教育の場合は国がやり、あるいは地方団体がやる、水道の場合はそうでない、つまり水道の場合は料金でやるのだということとの矛盾はありませんか。
  37. 柴田護

    柴田(護)政府委員 やはり水道の水を供給するという行政あり方をどうするかという問題であります。現に簡易水道のようなものにつきましては私ども公営企業として扱っておりません。つまり強制する企業として扱っておりません。一般上水道の場合を考えますと、サービスの提供というものはやはり事業的感覚を持って処理することが適当であるという考え方から、水道につきましては企業的な経営をすることが適当である、したがって公営企業の範囲内に入れる、こういう考え方をとってまいったわけであります。
  38. 西宮弘

    西宮委員 それでは問題をしぼりまして、たとえば今度の調査会答申の中に、必要最小限度生活用水は低廉に供給できるように配慮をしろとか、あるいは日常生活に不可欠な用水を、それ以外の用水との間に料金に格差を設けろ、そういうことがうたわれておりますが、そこで言うところの生活用水、これはどういうふうに認識をしますか。
  39. 柴田護

    柴田(護)政府委員 これは個々の地方公共団体が個々の住民の水使用態様に応じて考えていけばいいと思います。必ずしも全国一律に、これだけの水は生活に絶対必要だ、専門家に言わせればいろいろあるかもしれませんが、そこのところはそうこだわることはなかろう。調査会答申の趣旨としては、やはり生活に不可欠な水については料金はなるべく安いほうがよろしい。しかしそれ以上の水については料金に格差をつけて取ってもいいじゃないかということを言っておるのであります。本来、調査会答申の御趣旨からいいますならば、原価主義でございますから、むしろそういうことにこだわりなく原価を償うに足る料金——調査会の審議の過程におきましては逆に一つ企業なんだから、むしろ水を多く使ってくれる人に対してはサービスをすべきであるというような御意見すらあったのであります。しかしそれは水道事業をどう考えるかということになりますと、言うならば経済性と向上性の調和をどう考えるかということであります。一つ負担区分の問題でありましょう。もう一つの問題としては、調査会答申の趣旨はそういうところにやはり公共的な配慮をすべきである、したがって生活用水についてはできるだけ料金は低廉にすることが望ましい、こういう趣旨であろうと思うのでありまして、私どももそういうぐあいに考えるのであります。
  40. 西宮弘

    西宮委員 生活用水はどの範囲までであるか、たとえば月に何トンまでが生活用水であるかということは、人によって議論もありましょうけれども、いろいろ統計その他で検討していけばそうむずかしいことではないと私は思う。それは現にわれわれがいろいろ聞いたりしておる範囲内でも何トン程度ということは言えると思うのだけれども生活用水はいままで局長が述べてきたいわゆる不特定とか特定とか、そういう議論から推していくと、少なくとも生活用水だけは明らかに行政対象として考えてしかるべきだと思う。一体生活用水はおよそどの程度であろうかということが、もし水道担当の厚生省でおわかりならばお答えいただきたいし、いまここで数字をもってお答えができないならば、そういう生活用水はどの程度であるかということを判定することは可能か不可能かということをお答え願いたい。
  41. 舘林宣夫

    舘林政府委員 生活考え方でございますが、普通の市民としての近代生活を送るに必要な水量という意味合いにおきまして、普通基本料金という考え方をとっておるわけでございます。基本料金は大部分の都市におきまして一カ月十立方メートル、おおむね十トンでございます。都市によりましては八立方メートルのところもございますが、おおむね十トンを基本的な水の使用、かように考えております。ただ、これをしぼりましてできるだけ節約いたしまして最低限度の水でございますと、一日一人当たり百五十リットルというのがかなりしぼった使用量でございます。ただこれは簡易水道等を布設する場合の基本的な算定の数字でございまして、近代の都市生活としましてはいま申しました十トン、したがいまして多くの都市におきましてはこれを基本的な必需使用量と考えまして、料金も最近はその部分につきましてはできるだけ配慮するという傾向が出ております。
  42. 西宮弘

    西宮弘 そうすると、いわゆる大部分の都市が月に十トンだ、こういうお話でありますが、この基本水量はいわゆる生活用水なんだ、最低限度の生活用水なんだ、そういう考え方をとられるならば、むしろこれは一般行政対象にしていくのが正しいのではないかと思うのだけれども、環衛局長のお考えはどうですか。
  43. 舘林宣夫

    舘林政府委員 水道経営をどういう形で経営するかという経営体の問題と、水道事業に対しまして一般財政から援助をする、基本的な部分を考慮に入れた上で水道の重要性を考えて財政的な措置を講ずるということとやや区別をして現在は扱われておるわけでございます。たとえば、国におきまして低利、長期の融資をするとか、あるいは簡易水道に補助金を出すとかいうように、全体的にこれを助成してまいる。また、各市町村におきましても、水道を単純な独立の事業として扱うだけではなくして、諸種の配慮をするというような点で、財政的な援助をするという心組みが基本的にはあるものと私はかように考えておりますし、国におきましても、簡易水道以外にも、だいぶ前でございますが、補助金を出しておった事例があるわけでございます。したがいまして、水道に対する基本的なものの考え方が最近に至って変わった、かようには私は考えておりません。やはりこれは基本的に生活上必要なものであるので、財政的に一般の会計のほうからできるだけ援助したいという気持ちは同じことでございます。ただ、別の視野からこれを考えてみますと、食品の一部である。食品とは多少違いますけれども、食品の一部である。食品に対する配慮というものと水に対する配慮というものと考えた場合に、やはりこれを正確に一般会計の中へ取り入れて、一般住民の食品の費用を出す、そういう形を必ずしもとっておりませんので、今日の形態は、水道を特殊企業体として取り扱う、かような扱いになっておりますが、基本的には、水道に対してできるだけ財政的援助をしたいという気持ちは同じでございます。
  44. 西宮弘

    西宮委員 従来の旧法の当時の精神が、精神としては今日の現行水道法にも受け継がれておるということを冒頭において確認をしたわけですが、しかして、その旧法当時には補助金等も支出をされておった、だからむしろできるならばそうあるべきであるという、いまの環境衛生局長のお答えは私も了解できるわけです。私は当然そうあるべきだと思う。しかし、私がいま問題にしておるのは、むしろそれには補助金を出すという考え方よりも、それは一般行政対象にすべきだ、したがって、つまり税金をもってこれに充てていっても一向差しつかえない措置である、私はこういうふうに考えて、その点を繰り返し主張しておったわけです。その点についてもう一ぺんお考えを聞きたいと思います。
  45. 舘林宣夫

    舘林政府委員 水道一般会計の中に入れて、下水道の今日の扱いのごとくするかどうかというのは、私は考え方としてはあり得ると思いますけれども、財政的な事情もございましょうし、また、従来からの水道の始まって以来の水道の扱いということから、これが一般会計の中ではなくて、独立採算性の企業体として扱われてきておるわけでございまして、特にこの点は、水道が今後ますます一般住民全体のものであるという時代になりました暁には十分検討しなければならないことでございます。下水道のようにごく一部の者の利用でございましても一般会計であるし、水道のように多数の者が利用しておるものでも独立会計であるということから、必ずしもそこに整理された考え方があると割り切って私は考えておるわけではございません。しかし、水道に対しましては、やはりその事業の性質上、扱いとしては独立した会計体で扱う、それに対してもし何らかの措置を講ずるのであれば、別途財政的な配慮をするということがこの事業の扱い上は適当ではないか、かように思っております。
  46. 西宮弘

    西宮委員 局長の言われるのは、水道が始まった当時からこういう形態で来たからということでありますが、その当時は水道利用者なんというのはきわめてりょうりょうたるもので、今日七〇%あるいはやがて一〇〇%になろうというのとは根本的に事情が違うわけですから、その当時は水道の水を飲むというのがほかの人の持たない特殊な利益であるというふうに理解されてやむを得なかったと思うのです。しかしいまのように水道が普及してきたということになれば、その考え方は根本的に変えざるを得ない、変わるのが当然だというふうに私は思うわけです。しかし、いずれにしても、できるならばそれを一般行政で処理をしたい、あるいはそれができないならば補助金等を出すのがよろしい、ただ財政的な理由からそれが阻害されておるという面はありましょう。しかし、性格としてはそういう財政的な援助を与えるということが当然であるというふうな御答弁のように聞いたのですけれども、もう一ぺんその点を聞かせてください。
  47. 舘林宣夫

    舘林政府委員 水道のようなものに一般財政的な面からどの程度の援助をするかというのは、程度はございましょうけれども、何らか一般的な財政面から財政的な措置を講ずるということが適当である、かように私は考えております。
  48. 西宮弘

    西宮委員 その「何らか一般的な」と局長の言うのは、いまは起債をしておる、それは相当大幅にあるいはまたいろいろな条件を考えながら起債をつけておるのだ、だからそれでいいじゃないか、そういうことも含めて「何らか一般的な」という表現を使ったのであろうと思うのですけれども、私はそうではなしに、それではきわめて不十分でもあるし、不十分だという現実問題以外に、あるいは現実問題以前に、水道の性格、この答申のいうところの生活用水ですね、そういうものに対してはあくまで別個な考え方をとるべきだ、それはむしろ割り切って一般行政対象にすべきだということを強調したいし、さらにそれがもし一歩後退するならば、少なくともその面には相当額の補助をすべきであるというふうに私は考えるのですが、その点をもう一ぺん答えてください。
  49. 舘林宣夫

    舘林政府委員 水道の事業費に対して補助金を出すというような形で国が財政援助をするということは従来行なわれてなかったことでございまして、建設費に対して、上水道についてはかつて補助金を出したこともあるし、あるいは簡易水道においては今日も補助金を出しておる。こういう形をとって助成をし、一般上水道については長期、低利の融資でできるだけ料金の低減をはかる、かような考えで進めておるわけでございまして、一般経費に補助金を出すということは、今日なお私どもの考えではそのような考えは持っておりません。将来いま一度水道を再検討いたしまして、水道料金の全国的な統一とかいうような見地から特段の配慮をするというような政策的な考えに基づきまして、そういうことも検討の中には加えて考慮いたしたいとは思いますが、今日の段階では建設費に対する配慮ということで進んでいきたい、かように思っております。
  50. 西宮弘

    西宮委員 旧法時代には、補助金も建設費に対してやったということは私ももちろんわかっております。しかし今日この種の水道事業が非常に困難に逢着しておるのは建設費の問題ですよ、しかもそれが元利償還等が今日非常に重大な財政上の圧迫になっておる。そういうことで問題になっているわけですから、その建設費について相当多額な補助が出る、こういうことになれば、むろんそれだけでも大きな改善になり得ると思うのです。私はそういう点で、ただ段階においてそこまで考えてないということは、これは現に四十一年度の予算には何も計上されておらないわけですから、いまそれが実施できるとは私はもちろん思わない。しかし今後の考え方の方向として特段の配慮を加える必要があると思うということを最後に言われたけれども、その特段の配慮というのはどういう内容を示しておりますか。
  51. 舘林宣夫

    舘林政府委員 冒頭に私が申しましたように、水道は国民の欠くべからざる基本的な物資であるわけであります。それに対する料金が、今日、非常に安いものは一つ家庭に対して一カ月百円以下であるというようなものもあれば、はなはだしいものは五百円、六百円というような高いものもあるという事態は、必ずしも好ましいものではないわけであります。これらに対して先ほど来いろいろ御論議になっておられるように、基本的な家庭使用する最低限度の水の使用料というものはあまり差をつけたくないというのが、基本的に私ども考えておるところでございます。それをなるべく近い料金にするために何らかの措置を講ずる必要があるかもしれません。この点は、私どもは将来十分に考えていかなければならないことでございます。これに対してどのような措置を講じていくかという手段はいろいろあろうと思いますが、そのような場合に、国が何らかの財政的な援助をするか、あるいは水道経営形態でこれを考慮するかというようなことを考えざるを得ないわけでございまして、これは将来の検討の内容、かように思っている次第でございます。
  52. 西宮弘

    西宮委員 何らかの対策を考えられるかもしれぬというような非常にあいまいな、非常に逃げ腰な答弁ではわれわれはとうてい満足できない。いま直ちにことしからでもやれるというような態勢にないことは、ことしの予算を見てもわかりますよ。だからそれは、そういう答弁ができないことはわれわれも十分承知しておる。しかし、いま局長が繰り返しあるいは冒頭にも言ったように、今日水道国民生活にとってはまさに不可欠のものだ、こういう認識に立つならば、それに対する対策を講じていくというのがきわめて当然で、それは今回のこの答申の趣旨にも一向そむかない。いわゆる生活用水は別個の配慮をしろ、こういうことを答申しておる。この答申とも何ら矛盾しないし、私はその点でぜひそうなければならぬ。しかも届長が所管をされております水道法の第一条には、「清浄にして豊富低廉」こういうことで、「低廉」ということを冒頭に掲げておる。これは水遵法の第一条ですよ。この「低廉」という第一条の趣旨にそれではいかにして沿おうという努力をしておりますか。
  53. 舘林宣夫

    舘林政府委員 先ほど来申しておりますように、国としては、特に単価の高くなるおそれのある簡易水道に対しましては長年補助金を出しており、本年度からはさらにその一部の補助率を引き上げるという措置を講じておりますし、また一般上水道につきましても、最近は水道料金の一番大きな根元をなしており、今日の値上がりの大きな基礎となっております建設費に対しまして、できるだけの配慮をするというような措置を講じておるのでありまして、この点は従来から融資期間を長くする、あるいは貸し付け期間を長くする、あるいは利率の引き下げということで、漸次努力を重ねてきておるわけであります。具体的に料金の引き下げというものに対する補助金という形式はとりませんでも、建設費をできるだけ下げるという努力はいたしてきているわけでございます。
  54. 西宮弘

    西宮委員 それではお尋ねをしますが、簡易水道に補助金を出す根拠は、建設費が高くなるからということですか。
  55. 舘林宣夫

    舘林政府委員 もとよりそれだけではございませんけれども、多くの簡易水道の平均の料金は、普通の大都市の料金の二倍以上の状況でございますので、できるだけそれを低廉にいたしたいということと、水道を一刻も早く山間僻地まで普及せしめたいという配慮に基づいて行なっておるものでございます。
  56. 西宮弘

    西宮委員 それでは建設単価が高くなるということと、それから、したがってその料金一般より高くなる、そういうことと、早く水道を普及したい、そういう三点だ。そういう三点に補助金を出す根拠があるとすれば、それは簡易水道でない一般の上水道の場合にもその原則はそのまま適用されるべきだと思うのだが、それはどうですか。
  57. 舘林宣夫

    舘林政府委員 お説のとおり、一般上水道の建設に対しましても補助金を出すという考え方はあるわけでございまして、現に数年前までは出しておったわけです。それにかわるものとして、最近は起債の条件をよくするという措置を講じておるわけでございます。
  58. 西宮弘

    西宮委員 自治大臣お尋ねをいたします。これは非常に大事な問題でありますから、大臣に明確にお尋ねをしておきたいと思うのですが、答申のいうところの生活用水というのは、この水がなければ生きていけないというものを生活用水と称するわけですけれども、自治省としては、その生活用水の確保あるいは生活用水を市民に飲ませる、こういう点についてどういう態度をもって望むのかということをお聞きしたいと思います。
  59. 永山忠則

    永山国務大臣 現実の問題としましては、いま局長から答弁がございましたように、簡易水道関係においては補助金制度を持ち、一般上水道関係におきましては低利長期の金融的財政措置で努力をいたしておりますが、特に全国平均より高いようなところに対しては、何らかの措置をしなければいかぬのじゃないかというようなことで、予算折衝の際にも努力はいたしました。今年度は金利引き下げということで一応話をつけておりますが、将来におきましてはさらに答申の線に沿うて、最善なる努力をいたさねばならぬと考えております。
  60. 西宮弘

    西宮委員 それでは、いまの大臣答弁の中に、そういう一般よりは、あるいは普通よりは高い水道料金に対しては、これを引き下げるために財政措置をしようとしたが、実行できなかったということがありますが、これは補正予算に計上いたしますか。
  61. 柴田護

    柴田(護)政府委員 予算の経緯その他がございますので、私から申し上げます。  答申にあります趣旨は、非常に料金の高いところについては何らかの措置を考えろということがうたわれております。その精神に沿いまして非常に料金の高いところにつきましては、水道の起債に対する利子補給を考えたのでございます。先ほど大臣が申されましたのは、その線に沿って予算要求もし、予算折衝もいたしたのでございますけれども、結局は将来の地方債の金利を下げるということによって予算は終わったわけでございます。しかし水道料金は、御承知のように現在非常に全国的に格差が多うございますので、この格差をできるだけ縮める必要があるだろう、一種の価格政策でございますけれども、そういう意味合いからも、この努力は今後も続けてまいるつもりでございます。しかし、先ほど来いろいろお話がございましたが、私どもといたしましては、やはり今日の水道会計の経理といたしましては負担区分の問題が一つございますけれども、それが片づきました後の部分はやはり地方債でもってこれを経理していく、建設をしていく、水道料金でもって経常経費をまかなっていく、こういう形になっておるわけでございます。その体系でもってできるだけ経理をしやすい、資本費が安くなりますような措置というものを、まず第一義的に考えていくべきものであろう。そういう意味から、先ほど厚生省からお話がございましたが、私どもといたしましては、償還年限の延伸もはかってまいります。また利子の引き下げという問題も考えてまいったわけでございます。しかしながら、それでもなおかつ料金の高いところがあるわけでございますから、そういうところにつきましては、答申精神等もくみまして、料金格差の是正という見地から、料金の安くなりますように、元利償還金に対して何らかの財政的な措置をする、こういう措置をとろうと思うのであります。またいままでしてきたわけでございますけれども、正直に申し上げまして、予算折衝等の段階でうまくいかなかった。しかし、この努力は将来とも続けます、こういうことでございます。補正予算と申されますけれども、補正予算の性格によりまして、いまの段階でその問題を補正の段階で取り扱うということはいかがかと思いますけれども、しかし、将来ともそういう方向に努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  62. 西宮弘

    西宮委員 いままでやってきたことは、いわゆる建設に対しては資金の供給ということで資金のあっせんをした、それに対して償還年限を延伸したとか、あるいは金利を引き下げた、こういうことでありますが、そのことはまさに事実として私も承知をしていますが、それで今日水道は敷かれていないわけですよ。それがために、いま非常な苦境に立っておるわけです。だから、それで十分にやっていけるなら、あるいは方法論としてそれでもいいかもしれません。私は繰り返して申すようだけれども、いわゆるこの答申のいうところの生活用水については一般行政対象として処理すべきだということは、基本的にはあくまでもそう考えている。当然そうなければならぬと考えておるのだけれども、しかし、現実の問題としていまのようなやり方ではたしてりっぱにやっていけるというのであれば、何もそう理屈にこだわる必要はないと思う。しかし、現実にその償還年限の延長とか、あるいは金利の引き下げとか、そういう融資政策だけでは、とうていいまの水道事業は立っていけない。そういう現実にぶつかっているから、私はそのことを特に強調しておく。ことに料金の問題になりますと、これは皆さんが十分御承知のように非常な大きな格差があり、しかも去年だけで料金を値上げした市が二百三十くらいあったと私は承知をしておるのですけれども、そういうところは非常な困難に出会いながら、当事者は、あるいは市町村長なりあるいは議会なりは、ほんとうに骨身を削る思いでそういう問題に対処をしていると思う。そういう現実をわれわれは承知をしているから特にそのことを強調するのだけれども、せっかくいわゆる格差是正として自治省が予算要求をされたということも、内容的には私はまことに微弱なものだと思います。しかし、それにしても格差是正という方向に一つの手を打ったということに対しては、これは大いに評価をしたいと考えておったわけです。ところが、それさえも簡単に抹殺されてしまって、そうしてしかも補正予算にも出てこない。こういうことでは、一体どういう考え方でいま当面しておる水道の困難性、水道の危機というものに当たっているのかということを疑わざるを得ない。これは自治省だけを責めるわけにいかない。厚生省もその点について重大な責任があると思うのだけれども、とにかく小さいながらもそのいわゆる格差是正という一つの具体案が今度の予算折衝の過程においては提供された。この点について厚生省はどうお考えですか。そういうことは厚生省としてもやるか、あるいはさもなければ自治省のやるその計画を強くバックアップをする、そういうことであるべきだと思うのだが、その点はどうですか。
  63. 舘林宣夫

    舘林政府委員 先ほど申しましたように、格差のはなはだしい現状は何とか是正をいたしたいという気持ちでございます。その是正の手段として、自治省の先般要求せられた案は、きわめて妥当な案でございました。私どもとしても、その予算の成立を強く期待しておったわけでございます。今後ともそのような自治省の御計画にはできるだけバックアップいたしたいと思いますし、なお別途格差是正の手段があれば、私ども水道行政を所管いたしておる者としてできるだけの努力をしてまいる必要がある、かように考えます。
  64. 西宮弘

    西宮委員 これは私が自治省の方から非公式に聞いたんですから、公式の席ではどうかと思いますけれども、予算折衝の際に、自治省がせっかくそういう要求を出したのだけれども、厚生省からは何の意志表示もない。つまり水道の所管官庁は厚生省だ、ところが厚生省はそういう問題については何の要求もないので、したがってこれは残念ながら削られました、こういう説明を聞いたんでありますが、その実態はどうですか。
  65. 舘林宣夫

    舘林政府委員 格段に私どものほうから重ねて同じ案を出すという措置はとりませんでしたが、私どもとしてはその成立は切望いたしておった次第でございます。
  66. 西宮弘

    西宮委員 それでは厚生省としては、形は別な形でももちろんけっこうだと思いますが、そういう負担軽減なりあるいはまた格差の是正なり、そういう点についてどういう御努力をされましたか。
  67. 舘林宣夫

    舘林政府委員 従来、基本的には先ほど来申しておりますように、融資の条件をよくするということ、建設費を下げるという方向に私どもとしては最も主眼を置いて努力をいたしてきておったわけでございます。ただ、これは実際融資を扱われるのが自治省でございまして、前々から自治省に対しましては、融資条件の緩和、利子の引き下げ、償還期限の延長ということに対して強くお願いをいたしておった次第でございます。なおそのほか、最近に至りますと、ダムの建設等における費用の負担の区分という問題もございますが、そういうものに対しましても、できるだけ水道負担が少なくなる方向で配慮するように、予算折衝におきましては努力を続けてきておるわけでございまして、従来からの実績がございますので、にわかにこれを変更するということはできませんけれども、私どもとしては、できるだけ負担の軽減という方向で努力をいたしておるわけでございます。
  68. 西宮弘

    西宮委員 それでは、いまの御答弁だと、要するに建設費を軽減する、そういうために、方策としては融資政策だ、こういうことで、しかもその融資政策は自治省だから、自治省によろしくお願いをしている、こういう御答弁であったわけですが、厚生省としては何もやっていない。ただその負担の軽減と、いわゆるその費用の割り振り、アロケーションの問題だと思いますが、そういう点で努力をしてきた、努力をしようとしているというお話でありますが、それではこの問題はあとでまた別個に詳しくお尋ねをしますけれども、そうすると、要するに対策としては融資政策があるだけである。その融資政策は自治省にお願いをしているのだ。したがって、厚生省としては何もやっておりません、こういう御答弁になるわけでありますか。
  69. 舘林宣夫

    舘林政府委員 水道の問題は、お尋ねのようにきわめて重要な問題でございますので、厚生省は特別に公害審議会の中に水道部会を設けまして、水道に対する対策を目下諮問をいたし、検討をお願いいたしておるわけでございます。それによりまして、いかにして今日の深刻な水不足あるいは料金問題というものを解決するかということの基本的な考え方を諮問中でございまして、特に最大の問題として、水道の広域化方策並びに水道経営方式というものを検討いたしておるところでございます。
  70. 西宮弘

    西宮委員 いわゆる水道部会に諮問をしておる諮問事項は、私も拝見しておりますけれども、問題の第一は、いわゆる広域化についてどうしたらいいかということが問題の第一であり、第二は長期的視野のもとでの水道事業あり方、すなわち水道のビジョンから導かれる問題、こういうことで、若干の説明が加えてありますけれども、その中には、たとえば経営方式をどうするかというような問題もあり、あるいは、経営は独算制がいいのかどうかというような問題なども取り上げてはおりますけれども、私がこの諮問された事項を見た限りでは、いわゆる広域性のあり方がいいかどうか、あるいはどうしてやったらいいか、そういう点がほとんど重点で、いまの料金の問題その他そういう問題は、いわばきわめてつけ足しについているにすぎないというふうに思うのだけれども、その点はどうですか。
  71. 舘林宣夫

    舘林政府委員 広域化のねらいとしますところは、できるだけ水道の水を効率的に運用するというばかりでなくて、事業の運営そのものを効率的に、むだをなくして実施をいたしたいということで、これによって水道料金におきましても、できるだけ低減をはかりたいという配慮があるわけでございまして、決して水道料金のことをないがしろにしておるわけではございません。
  72. 西宮弘

    西宮委員 いま部会に諮問をしているから、やがて答申が出てきたら、それを見ておもむろに考える、こういう御答弁のようだけれども水道事業は明治二十三年から始まっておるのですよ。たとえば工業用水道は、法律は三十二年、実際の事業は三十一年、まあざっと十年ばかりの歴史だけれども、それに対して、水道事業は明治二十三年から始まっておるのですよ。それを部会に付託をしたから、その答申が出たら、それから後ゆっくり考える、こういうことで間に合いますか。
  73. 舘林宣夫

    舘林政府委員 直接の補助金の面でございますと、本年度から、先ほど申しましたように、簡易水道の面では補助率の引き下げを行なったわけでございます。一般上水道に対して補助金を出すかどうかということは、なおただいまの答申等も配慮いたしまして、いかにして水道を全国的視野で、料金の面も含めまして、国民のものとして運営していくかという行政的な措置を考えてまいりたい、かように思っております。
  74. 西宮弘

    西宮委員 これは役所の全く最後の逃げ手として、そういう部会をつくって諮問をしているから、答申を待ってというようなことで、ほとんどそれを唯一の逃げ道にされておると思う。私は、繰り返して言うように、水道事業は実に長い歴史を持って、しかも今日まで料金の問題等では、ずいぶん各自治体が四苦八苦の苦しみをしているわけですよ。そういうことは現に目の前に見ている。それをいまさら部会に付託をしているから、その答申を待たなければ何もできない、そういうのんきなことでは、少なくとも水道行政の所管官庁としては、私はまことに怠慢だといわざるを得ないと思うのだけれども、そういう点について反省はありませんか。
  75. 舘林宣夫

    舘林政府委員 実は昨日お話し申し上げましたように、昭和三十二年に水道の普及率はわずか三割であったわけであります。そのわずか三割しかなかった旧態依然とした水道を、いかにして急速に国民のものとするかということに鋭意努力をしてまいったわけでございまして、それ以来数年間で、今日、先ほど申しましたように、七割に普及するに至ったわけでございまして、水道が非常に急激に伸びたわけでございます。施策の重点が水道をいかに急激に伸ばすかというところに置かれたわけでございます。そのために、従来補助金のあったものが、むしろ融資の形で水道の普及をはかりたいという方針をとってまいったわけでございまして、ようやく水道の普及も全国的に及んでまいっておりまして、融資の額も年額一千億円をこえるというような大きな規模になってまいりまして、普及の面では目的をおおむね達してきたわけでございます。やや財政的な配慮よりは普及の努力が勝っておった。これは、正直に申し上げて、その方向にあったかと思います。この点は今後十分私どもは反省いたしまして、努力をいたしてまいりたい、かように思っております。
  76. 西宮弘

    西宮委員 水道法の第一条には、その水道の普及のために保護育成をはかるのだということがうたわれているわけですね。そのいわゆる保護育成ということに対して、結局やってきたのは資金を貸し付けることだということ、しかも、それは自治省がやる——どの役所がやっても、政府の中でやっておったのなら、それはあえて問いませんけれども、しかし、とにかく水道法の第一条には、保護育成をしろということがうたわれている。ところが、その保護育成なるものは資金の供給である。そして、しかも今日そのために元利償還に追われて非常な困難に立っておる。とても独立採算等ではやっていけない、そういう苦境に立たされておるわけであります。  そうすると、これは明らかに、いまの局長答弁のように、とにもかくにも普及をさせるのだ、こういうことで、そっちのほうにやっきになってきたために、地方財政には大きな赤字をしょい込ました、こういうことになると思うのですが、われわれはそういうふうに解釈をしてもよろしいですか。
  77. 舘林宣夫

    舘林政府委員 今日水道の財政に赤字を生じ、あるいは料金の引き上げを必要とする事態を生じております大きな原因としまして、建設費が原因であるということは、先ほど来申しておるとおりでございまして、最近の建設の水道のトン当たりの単価は、従前設置した水道の水に比べて、はるかに高いものになっておるわけでございます。これが今日の水道の大きな収入不足の原因になっておるということは、確かにそのとおりであると思います。
  78. 西宮弘

    西宮委員 その料金計算の問題はあとでまた詳しくお尋ねをしますが、とにかくそれが今日財政的に大きな負担になっているということはそのとおりだといういまの御答弁であったわけですが、われわれは、さっきも言ったように、そういう融資政策でも、それがりっぱにその水道経営ができるような融資政策、たとえば金利がゼロであるとか、ゼロは困難ならば一分とか二分とかいったような、そういう取り方もございましょう。しかし、そういうのに対して、現在は若干下げましたけれども、なおかつ非常な高率にあるわけです。私は、まあいろいろな例があるけれども、たとえば今度韓国に貸し出す金ですね、いわゆる借款で貸す金、あれは三分五厘で貸すわけですね。そういうのに比べたら、倍も取っている。実に不公平というか、アンバランスというか、これでは、水道法の第一条にいうところの保護育成なんということには全く遠い実態だと思う。政策的に韓国に貸す金なんというのは、きわめて簡単にああいう大量の金を安い利子で貸しておる。そして、さっきから繰り返しているように、あるいは局長答弁しているように、これがなければ一日も生きていけない、生活の不可欠の要素だといわれる水道に対して、依然として高率の利子を取っている。こういうことでは、これはとうていやっていけない事態に追い込まれているわけですよ。そういう点について、私は、この問題は重大でありますから、繰り返し特に念を入れてお尋ねをしてきたわけですし、また重ねてそういう点をお尋ねをしなければならないが、さっきから自治省は、利子を軽減したということを盛んに言っておるけれども、いまの程度で十分やれる、水道はりっぱにあれでやれるのだ、やれないならそのやり方が悪いのだ、やらないのが悪いのだ、そういうふうな御見解ですか。
  79. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私どもが先ほどから申し上げておりますのは、今日の水道財政の困難の基本的な原因というのは、やはり資本費の過重である。資本費の過重をどういうふうに解除するかという問題に結局なるわけでございまするので、その問題については、やはり低利かつ長期の資金をどうして供給するかということを第一のねらいとしなければならぬだろう。その方向で努力してまいりました。しかし、それにしても、なおかつどうにもならぬところがあるじゃないか、これについては別途の措置が要るだろう。だから、第二段としましては、非常に高い料金にならざるを得ない。どんなに努力をいたしましても、どうしても高い料金にならざるを得ないというところにつきましては、やはり別途の措置を講じなければならぬだろう。そういう意味合いから利子補給という手段を考えたのであります。しかし、それでもなお問題が片づかないところがございますので、先ほどからいろいろ御指摘がありましたけれども、だんだんと大きなダムをつくって総合的に水の効率的使用をはかるということになってまいりますと、アロケーションという問題が起こってまいります。アロケーションの問題を考えてまいります場合に、今日のアロケーションのやり方がおかしいではないか、私どもの立場から考えますると、どうしても工業用水、上水道その他の事業というものの間のアロケーションというものが適当と思えない。そこで、そういう問題について再検討をわずらわしたいということから、今日アロケーションに関しまする関係各省の会議をつくりまして、そこで検討いたしておる、こういうことがごく正直に申し上げましての今日までの経緯でございます。  したがいまして、その問題をやるかたわら、当委員会におきましても、さきに附帯決議等ございましたが、先行投資の場合にどうするか、非常に大きな先行投資がある場合に、いまのままの仕組みでいいだろうかどうだろうかという問題が残されておるわけでございます。この問題を早くかたづけなければならぬのでございますけれども、いろいろむずかしい問題がありまして、別途に考慮をいたしてまいりたい、そういったような方向でこの問題に対処してまいりたい、かように考えまして努力してまいりましたし、また今後も努力いたすつもりでございます。
  80. 西宮弘

    西宮委員 いまの局長答弁も、たとえば建設費の負担ということが今日非常な財政圧迫だ。したがって、それに対しては軽減をする。軽減をするために金利の引き下げ等をしたということを繰り返し言っているのだけれども、金利の引き下げというのはわずかに三厘という、全くこの程度ではいまはどうにもならぬ状態にあるわけです。さればこそこの問題が大きな問題になっておるわけなんだから、そんな程度では二階から目薬にも当たらないと思う。そこで、さらに料金の格差是正をはかるということだったが、これは簡単に——簡単かどうか知らぬが、大蔵省では否決をされてしまっている。こういう状況ではほとんど何にもならない。  そこで、残る問題はアロケーションだ。それはいままさに取り組もうとしているのだというお話でありますが、これは非常に重大問題でありまするし、またむずかしい問題もあります。むずかしいというか、相当時間をかけて見解をお聞きしないと私も納得しかねるので、このアロケーションの問題は機会をあらためて次の機会にお尋ねしたいと思います。  それでは一つだけお尋ねをして、きょうの質問を終わりにしたいと思いますが、たとえば調査会答申の中にこういうふうに書いてあるのだが、これはずいぶん妙な言い方だと思うのです。そういうふうにお気づきになりませんか。たとえば「地方公営企業経営原則」として「地方公営企業は、企業として経営される以上、企業の本質にかんがみ、当然独立採算に徹すべきである。」こういうふうに書いてある。これは実にこっけいな言い方です。「地方公営企業は、企業として経営される以上、企業の本質にかんがみ、当然独立採算に徹すべきである。」つまり水道その他ここに最初にあがっているわけですね。水道とか交通とかなんとか、これを公営企業としてやるんだというふうにあがっている。それは「地方公営企業」なんだ、だから「企業として経営される以上、企業の本質にかんがみ、当然独立採算に徹すべきである。」地方公営企業というのをあらかじめきめておいて、それは企業なんだから独立採算にすべきだ、こんな妙な言い方はないじゃないですか。企業をかってにきめておいて、これこれの仕事は企業だときめておいて、企業だから独立採算にしろ、こういうことで、これは調査会答申とはいいながら自治省がそれぞれサゼストしてでき上がったのでしょう。実にこっけい千万だと思うのですけれども、どういう意味なんですか。
  81. 柴田護

    柴田(護)政府委員 答申の中身のお話でございますが、これは最初に公営企業の範囲というものを規定をいたしまして、その次に経営原則を掲げた。掲げる場合は、やはり企業であるという以上は、企業としての収支相等の原則といいますか、その企業だけの中で収支が合わされることが当然じゃないかということで、まあ企業性というものをここでうたいまして、その次に公共性との調和の問題を取り上げておる。順序として分けてものを言っておると思うのでございます。したがって、私どもは、これを読みまして別に先生のおっしゃるように、そうこっけいというふうには考えないのでありまして、最初に範囲を規定いたしておるのでございますので、順序といたしましてそういう論理が出てくるんだろうというように考えるのであります。
  82. 西宮弘

    西宮委員 だから、範囲としてある特定のものを企業だときめて、企業なるがゆえに独立採算にしろ、そういう言い方は実にこっけい千万だと思うのですね。これは調査会答申をしたんだから、局長を責めてもしかたがない。ただ、厚生省の局長お尋ねをいたしますが、水道水道法の第一条に低廉ということがうたわれておる。低廉ということがうたわれている以上、「当然独立採算に徹すべきである。」こういうことには矛盾を感じませんか。
  83. 舘林宣夫

    舘林政府委員 今日でも専用水道もございますし、たとえば簡易水道等は独立採算制でございませんし、必ずしも全部が全部水道は性格的に独立採算制の市町村企業である、かようにはっきり割り切ったわけではございませんが、市町村経営する上水道につきましては、これは公営企業として扱う、かような規定になっておるわけでございます。
  84. 西宮弘

    西宮委員 私は全く考え方が逆だと思うのですけれども、まずその企業を限定して、その限定した企業は、企業なるがゆえに独立採算なんだ、こういう言い方は、実にこっけいというか、矛盾というか、全く理論が逆立ちしていると思うのですけれども、先ほど申しましたように、アロケーションの問題に入ってまいりましたら、これは相当時間をかけてお話をお聞きしないと私も納得できませんので、この次にそのことを聞かしていただきまして、きょうはこれで質問を終わります。
  85. 岡崎英城

    岡崎委員長 華山親義君。
  86. 華山親義

    ○華山委員 資料を要求いたします。  過日の本会議におきまして、私は、都心における乗用車というものは制限すべきである、そして大衆用のバスを特に優先して運行すべきであるということを申したのでございますが、同じような意見がこのたび物価問題懇談会で出たというふうに新聞紙が報じております。新聞紙では承知いたしますけれども、詳細を承知いたしたいので、ひとつその報告書がありましたら、報告書を資料として出していただきたい。  それからもう一つお願いいたしますが、病院につきまして、国立病院、県中央病院——主幹病院と申しますが、その別の、建設、設備、経営費別の国及び地方の一般会計から特別会計への繰り入れ金の内容をお示し願いたい。  それから電気事業につきまして、電気事業が県営であります場合には、ちょっとことばは違うかもしれませんが、水利利用税、利用料といいますか、あれが入らないわけです。それが現在どの程度そのことのために府県に入っておらないか、それをひとつ調べていただきたい。  以上の点であります。
  87. 岡崎英城

    岡崎委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会