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1965-12-24 第51回国会 衆議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年十二月二十四日(金曜日)    午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 中馬 辰猪君    理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君    理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君    理事 川村 継義君 理事 安井 吉典君       周東 英雄君    田村 良平君       竹山祐太郎君    藤田 義光君       村上  勇君    森下 元晴君       山崎  厳君    和爾俊二郎君       秋山 徳雄君    華山 親義君       細谷 治嘉君    門司  亮君       吉田 賢一君  出席政府委員         自治政務次官  大西 正男君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  委員外出席者         議     員 安井 吉典君         大蔵事務官         (主計官)   佐藤 吉男君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 十二月二十四日  委員秋山徳雄辞任につき、その補欠として實  川清之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員賓川清之君辞任につき、その補欠として秋  山徳雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十二月二十三日  昭和四十年度地方交付税総額等特例に関  する法律案安井吉典君外八名提出衆法第三  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件 昭和四十年度地方交付税総額等特例に関  する法律案安井吉典君外八名提出衆法第三  号)  昭和四十年度分の地方交付税特例等に関する  法律案内閣提出第六号)      ————◇—————
  2. 中馬辰猪

    中馬委員長 これより会議を開きます。  昨二十三日付託になりました安井吉典君外八名提出にかかる昭和四十年度地方交付税総額等特例に関する法律案議題とし、提出者から提案理由説明を聴取いたします。
  3. 中馬辰猪

  4. 安井吉典

    安井議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十年度地方交付税総額等特例に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  自民党政府高度経済成長政策のあふりを受け、昭和三十六年度を峠に地方財政悪化方向に転じ、本年度においては一般的な悪化要因の上に、一、政府が当初予算において国税税収入につい  て大幅な見積もり違いをし、そのため今次補正  予算において減額補正を行なったことから、地  方交付税額が約五百十二億円落ち込んだこと。二、そのため地方税減収もかつてない五百三十  二億円の大幅額にのぼること。三、国家公務員に対する給与改定人事院勧告に  準じ地方公務員給与改定を行なうための財源  措置が必要になったこと。  右三点にわたる重大な事態を生じています。  これに対し、政府は、交付税落ち込み額五百十二億円の補てんと交付団体給与財源とし三百億円を明年度以降の交付税を先食いする形で交付を行なう昭和四十年度分の地方交付税特例等に関する法律案提出し、それとともに地方税減収に対し四百億円の起債ワク増加措置を講じようとされていますが、わが党は、このような措置は単に表面を糊塗したにすぎず、財源先食いにより問題を将来に残す等多くの矛盾を持ち、かつ財源不足対策としては量的にも不十分であると考えます。  よって、わが党は、政府案にかわるものとして、本法案提出するものであります。  次に、本法案の要点を申し上げます。  第一に、昭和四十年度に限り、地方交付税率現行二九・五%を三四・一%とします。これにより、減収した国税三税の二九・五%額より交付額は千十二億円の増額となりますが、うち五百十二億円は国税税減収に伴う落ち込みを補てんし、残り五百億円は交付団体給与改定を五月から実施するための財源として交付するものであり、その趣旨単位費用改定をも行なっております。  第二に、右の趣旨により、昭和四十年度に限り、増率のため増加した交付税額のうち五百億円は普通交付税として交付することとしております。  第三に、交付税率を三四・一%とするために、歳入法である交付税及び譲与税配布金特別会計法をも同時に改める必要があるので、附則において同法の二九・五%を昭和四十年度に限り三四・一と読みかえるものとしております。  以上が、本法案提案理由内容でありますが、なお、わが党は、地方税減収を補てんし地方公務員給与改定完全実施を保障するとともに、災害対策等地方財政需要増加に対応するために、地方債政府措置に加え、さらに政府資金をもって三百億円の増額措置するよう、別に財政投融資計画の組みかえを要求することといたしていることを付言します。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
  5. 中馬辰猪

    中馬委員長 以上で本案に対する趣旨説明は終わりました。      ————◇—————
  6. 中馬辰猪

    中馬委員長 次に、内閣提出にかかる昭和四十年度分の地方交付税特例等に関する法律案及び安井吉典君外八名提出にかかる昭和四十年度地方交付税総額等特例に関する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
  7. 細谷治嘉

    細谷委員 冒頭お尋ねいたしたい点は、三百億円を特別会計に繰り入れをいたしまして、交付税方式人事院勧告実施に伴う財源措置を講じようとしておるわけでありますが、これでやれると思うのかどうか、自治省及び大蔵省お尋ねいたします。
  8. 柴田護

    柴田(護)政府委員 国家公務員ベース計算をいたしてまいりますと三百六十八億要するわけでございますけれども国家地方財政の現況から考えますれば、三百億円程度措置としてはやむを得なかったのであります。したがって六十八億円はこれを節減に求めざる得ない、こういう情勢であります。したがって、六十八億円の節減が可能かどうかということでありますけれども、大体府県で一割程度市町村でも、特殊の経費を除きました部分の六%程度でございますので、特に年度当初から、財政の重点的な運営並びに経費節減をやかましく言っておりますことも考え合わせますならば、まずまずこれでもって必要な額は措置できるのではなかろうかというように考えておる次第でございます。
  9. 佐藤吉男

    佐藤説明員 地方財政対策につきましては、経済の異常な落ち込みにもかかわらず、できるだけの配慮をしてまいったと思っております。
  10. 細谷治嘉

    細谷委員 大蔵省は、まずまずできるだけのことはしてきた、自治省のほうでは、まずまずこれでやれるだろう、こういうようなおことばでございますが、三百億の措置をいたしましたのは、これは交付団体対象になっておる。一体交付団体対象で、この措置で、実際に必要な金額のどの程度充当できる見込みなのか、これについてお答え願いたいと思います。
  11. 柴田護

    柴田(護)政府委員 三百六十八億に対しまする三百億でありますので、約八割でありますが、実際の額ということになってまいりますと、それに若干のでこぼこがございます。引っ込んでいるところは問題ないわけでございますけれども、でこのところということになってまいりますと、ある程度苦しさは避けられないだろうというように思うわけでございます。団体によって、三割程度というところがあるわけでございます。そういうところを考えますならば、この措置としては必ずしも十分ではないということは言えるかと思います。しかし、従来から国家公務員水準において計算されたものを措置するというたてまえをとつてきております。また政府としてとるべき措置としては、そういう方向でなされるべきものだというようにも思いますので、その観点に立ちますならば、昨年等に比較してみますれば、八割というのが——昨年は七割でございます。八割というのは、大体地方財政の苦しさの進行度を頭に置いて考えますならば、昨年程度のものは措置されるだろうというように思っております。
  12. 細谷治嘉

    細谷委員 必要財源は四百九十三億、そのうち三百億の措置をするということですから、八割近い形になるわけであります。府県の場合と都市の場合と町村の場合と、分けてお答え願いたいと思います。
  13. 柴田護

    柴田(護)政府委員 お尋ね趣旨は、交付税給与所要額の四百九十三億の府県市町村の内訳でございますか。
  14. 細谷治嘉

    細谷委員 いや、必要源に対して、府県ではどの程度充当になるか、都市ではどの程度充当になるか、町村ではどの程度充当になるか、これをお示し願いたい。
  15. 柴田護

    柴田(護)政府委員 財政計画計算いたしております額、四百九十三億円というものを交付税にはね返した場合に、どういう形になるかということでありますが、必要額に対しまして、県分は八三%、市町村につきましては七八%、これは交付税計算の問題であります。節約がかかってまいっておりますのと、それから基準財政収入計算のしかたが県を八割、市町村を七八%ということを勘案いたしますれば、大体県と市町村充当割合はほぼ平均しておるというように思うのであります。
  16. 細谷治嘉

    細谷委員 四百九十三億、これは地方財政計画によるベースでやっておるわけでありますが、実際の必要額というのはこれを上回ると思うのです。私がある県について調べてみましたところが、その県では八三%ということでありますけれども、実際は七六・二%にしか当たらないのです。市町村平均七八%といいますけれども、市の場合には五七%程度にしかならない。約半分です。町村になりますと、個々についてはかなりの異同がございますが、まあ大体七五前後ではないか、こう思うのです。そうなってまいりますと、八三%並びに七八%と、こういうふうにつかんでおりますけれども、実際の必要額からいいますと、いま私が申し上げたように、県の場合に七六、市の場合にはわずか半分程度、五六、七%。町村の場合ですと、まあところによっては一〇〇%近いところも出るわけでありますが、突っ込みますと、七〇前後になるのではないかと思うのです。これはたいへんな差が現実には起こっておるわけなんです。いまのお話ですと、昨年よりもよく見てやったのだということでありますけれども、私はあとでまたこの問題についてさらに御質問いたすわけでありますが、形はそういうかっこう。この点だけ見ますと、そうなっておりますけれども、事実はそうではない、こう申し上げなければならぬわけであります。この点について、ひとつ自治省のお考え大蔵省のお考えを明らかにしていただきたいと思います。
  17. 柴田護

    柴田(護)政府委員 お話のような事態が実際問題としては起こるでありましょう。しかしこれは個々地方団体給与水準というものが、前に実態調査をいたしましたときに資料をもって御説明申し上げましたように、でこぼこでございます。したがって、でこの非常に多いところはそれは給与水準、つまり国家公務員水準計算をいたしました額からいいますれば非常に足らぬということが起こってくる。逆に低いところは余るということがあるわけであります。それは今日の制度の仕組みからいたしますれば、ある程度いたし方がないという気がするわけであります。したがってまた、給与費が非常にかさみます団体につきましては、給与関係経費合理化につとめてほしいということを常に要請をしてまいっておるわけでございますし、今回の場合にあたりましても、そういう趣旨閣議決定におきましても、また通牒におきましても強調してまいったわけであります。なぜそれがそんなに足らぬのかという原因をつぶさに一々検討してみませんことには、措置が当か不当かということは、実は見当がつかないのであります。しかしながら、おおむねそういう団体におきましては、非常に人員が多うございましたり、あるいは給与水準が、いろいろ経緯はあるのでありましょうけれども、高かったりといったような事態があるわけでございます。したがいまして、そういう個々事情を一々心して措置をすること自身が、やはり制度としても問題がある。措置のしかたといたしましては、やはり国家公務員水準において必要額を保障するというたてまえをとってまいらざるを得ないだろう、かように思うわけでございまして、その間差につきましては、それぞれ各団体におきまして措置する道を考えていく以外にないというように考えております。
  18. 佐藤吉男

    佐藤説明員 ただいま自治省のほうから御答弁になりましたのと、私どもは全く同様に考えております。
  19. 細谷治嘉

    細谷委員 おことばの中に、国家公務員に準じておらぬからそうなるのじゃないか、こういうような意味も含めてのお答えであったのじゃないかと思うのですが、この計算は、たてまえとして国家公務員に準じたものとしての必要な一般財源という形で出しておると私は思う。それでこういうことなんですね。ですから、従来等の関係で、給与表が結果として、ことしは国家公務員に準じても、給与表との関係で過去の歴史から上回ってくるというようなものもあるかもしれませんけれども現実地方財政計画の中でのベース計算したものでありますから、こういうことが起こってくるということはあたりまえのことだと思う。地方財政計画そのもの決算じゃないのですから、決算とはかなり大幅な違いがあるわけですから。そうなってまいりますと、私は端的に申し上げますと、十分だと言いますけれども府県においても足らない。府県段階においても、今日の財政事情の中においてはきわめて不十分だ。いわんやいま私が申し上げた町村の場合には、七〇前後ということでありますから、かなり充当率がいいようでありますが、もともとこれは国家公務員よりはるかに低い、そういうことから起こってくるわけでありますから、都市については半分程度しかいかないわけであります。いわゆる末端の市町村に対する財源措置というのはきわめて不十分だ、こういうふうに申し上げなければならぬと思うのです。重ねてひとつ大蔵省自治省のこの点についてのお考えをお聞きしたい。
  20. 柴田護

    柴田(護)政府委員 基準財政需要計算をいたします場合には、基準財政収入で二割なり三割なりという租税を保留してあるわけであります。したがって、もっと冷たいことを申し上げますならば、八割だけでよろしい、あるいは七割五分だけでよろしいということすら言えるのでありますけれども人件費の持ちます特殊性から考えまして、それを上回って充当するように心がけてまいっておるわけであります。事務局職員などにつきましては、もっと充当率が高いわけであります。したがって、その点も考えてまいりますれば、七十何%あるいは八三%といったような計数は、今日の段階ではやむを得ぬのではないだろうか。実際問題として、おっしゃるような問題が都市財政にありますことは事実であります。これを否定するものではありませんけれども中身をいろいろ検討してまいりますれば、その団体特殊事情は、それはないとは申しませんけれども、やはりそこには人数が非常に多かったり、あるいは職員が老齢化しておったりというような事例が見受けられるわけであります。人件費はどうしても膠着性を持つものでありますから、これは極力新陳代謝を促進するなり、あるいは給与費のあり方を合理化していくなりという努力がなされねばならぬ。現実がこうであるからといって、その現実に対してすべて財政措置がされなければならぬということは問題があるのじゃなかろうか。やはり措置をいたします場合、財源保障として考えます場合には、国家公務員水準というのが一つ基準であろうというように考えておるわけでございます。しかし、それでは今日の財政計画計数が絶対にいいかといわれますと、問題は残っております。早い話が、財政計画上は臨時職員といったものは一人もいないということになっております。しかしながら、現実に調べてまいりますれば、臨時職員というものはやはり多い。それではどうしてそういうものが生まれてきたかということにつきましてやはり検討し、そういうことが生まれないような措置があるのかないのか、あるいはどうしても防ぎ得ないものなのかといったような問題を検討していく必要はあろうかと思っておりますけれども、今日の段階では、やはり私どものとってきました原則というものは間違っていないというように思うのでございます。
  21. 佐藤吉男

    佐藤説明員 大蔵省といたしましては、地方公務員給与財源をどうするかという問題を考えるにあたりましては、国家公務員給与に準じて想定されている地方財政計画上の金額三百六十八億円というものを対象として考えておるわけであります。
  22. 細谷治嘉

    細谷委員 私がお尋ねしている先ほどの後段の点について、もっとはっきりお答え願いたい。府県に対しても不十分である。特に市町村に対する財源措置というものが、先ほどお答え願った、八三、七八というお答えでありますけれども現実には半分程度しかいっておらない。町村には形としてはかなり充当率がいいようでありますけれども、それはベースが非常に低いからだ。国家公務員に準じておらない、こういうことからきているのでありますから、これは府県も困りますけれども市町村はたいへんな負担になるのだと、こういうふうに言っておるのですが、その辺はそのとおりだと受け取ってよろしいのですか。
  23. 柴田護

    柴田(護)政府委員 どの市のことをおっしゃっておりますか、市にもいろいろございますから一がいに言えぬと思いますけれども、そういう御指摘のような市もあるでしょう。それは認めるにやぶさかでありません。しかしそれを全部措置しろと言われましても、それは何とも困ります、こういうことになるのじゃないか、こう思うわけでございます。
  24. 細谷治嘉

    細谷委員 どうもどこの市だということでありますけれども、私はどこの市ということを言っているのじゃない。全国の五百七十ばかりある市を言っているわけじゃないのです。私が調べましたのは十余りの市でありますが、ある市では大体五三・七、ある市では五二・一、ある市では四七・七、ある市では六二・三、しかし県全体の二十近い市の平均というのは五七%だ、こういうことを申し上げておるのです。個々に言いますと、特に田園都市といわれるようなところになりますと、これはまあ町村に近いところでありますが、そういうところをとりますと、四五とか四七とか、こういうところが多いのですよ。ですから、いや町村については八〇%とったのだ、こう言いますけれども、半分を割っているところだってあるのですよ。田園都市、いわゆる町村合併によってできた新しい市は、決してベースは高くないのですよ。こういう形になっているのです。私は一つ特例をもって一般論としてお聞きしているわけじゃないのです。
  25. 柴田護

    柴田(護)政府委員 お尋ねの問題、御指摘の中の計算のしかたに若干問題があるのじゃないかなという感じが実は率直に言っていたします。それは国民健康保険会計職員とか、あるいは準公営企業会計であります簡易水道とか、そういうものの問題も全部ひっくるめてあるいは計算をされておるのじゃないかなという感じがちょっといたしますが、これはここでとやかくいうべき問題ではないかもしれませんけれども、市におきましては、交付税計算をいたしました場合に、必要額に対して充当額が非常に低いということは、一般傾向としてはいえるかと思います。なぜかといいますと、一般傾向として水準が高いからであります。これはある程度やむを得ない。しかしなぜそういうことになってきたかというのは、いろいろ議論がありましょうけれども、結果論としてはやむを得ない。しかし、いま御指摘になりました数字はやや低過ぎるという感じを私も持つのであります。計算のしかたに若干問題があるのじゃないかなという感じが実はいたします。
  26. 細谷治嘉

    細谷委員 ベースのことなんかいいますと時間がかかりますから、ただ参考までに一例を申し上げておくのですが、一般職平均年齢三十七歳、そこの職員平均ベースが二万七千二百四円です。その市で実際に充当される額は五八%なんです。三万七千円、三十六歳というのは、これはベースが低いのです。国家公務員よりはるかに低いです。それは五八%の充当なんですよ。これじゃやれないと私は思うわけです。まあまあ努力して去年よりもいいんだということでありますけれども、これはきわめて不十分な措置なんだということは、ひとつ自治省大蔵省も認めていただかなければいかぬと思うのです。認められませんか。
  27. 柴田護

    柴田(護)政府委員 中身をよく検討いたしませんと、そうだというわけには実はまいらぬのでありますけれども、全体論として申し上げておりますのは、繰り返し申し上げますように、昨年の必要額に対する措置額という割合から比べますれば、今年のほうが措置割合は高いということであります。
  28. 細谷治嘉

    細谷委員 私の御質問しているところについては、どうも態度を表明されないのであります。大蔵省も、去年よりいい措置をしたんだ、これ以外にはもうないのですか。それがすべての結論だ、こういうお考えですか。
  29. 佐藤吉男

    佐藤説明員 ただいまお示しの例は、私どもとしてはその事実をよく存じていないわけでございますが、内容は千差万別でございまして、私どもとしましては、総体的に見て、御指摘のありましたように、国として今年は非常に努力してまいったというふうに考えております。
  30. 細谷治嘉

    細谷委員 きわめて不十分な措置だ、これが私の結論です。これはおそらくお認めになっていると思うのですけれども、言えないつらさがあるのじゃないかと思う。  そこで、この問題についてはこれ以上申し上げませんが、今度の財源措置でいろんな点が問題がありますけれども、三百六十八億円必要なんだ、そして三百億円措置するんだ、差額の六十八億円は節約しろ、この節約も自治体の自主的な節約じゃないのです。今度の特例法法律の中で、交付税計算の中でもって差っ引いているのですよ。節約しろもくそもないのです。自主節約なんて、そんなことはじゃないのです。法律の中でもうちゃんと六十八億を差っ引いているのです。  そこでお尋ねいたしたい点は、節約額が百九十三億円、昨年の措置においては節約をしなさいというのが百八十一億円、昨年は八十億円の節約をしてくれ——これは交付団体であります。不交付団体については百一億円の節約を去年は考えておったわけです。ことしは百二十五億円の節約をしろというのであります。六十八億円を交付団体、不交付団体は百二十五億円の節約をしろというのだ。この節約を強制的にこの法の中で押しつけているのでありますが、これもずいぶんむちゃな話だろうと思う。あとでまたその税収等の問題に関連してお伺いするのでありますが、たとえば不交付団体、去年はもう地方財政計画に見た税収がへっこんだなんていうことはないのです。それが百一億なのに、ことしは二割五分増の百二十五億円の節約をしろ、この節約もずいぶん無理だ、その無理を押しつけておる。言葉をかえていいますと、三百億円の財源措置ていさいをつくるために、足らない金は節約として押しつけた、こう申す以外にないのでありますが、大蔵省自治省、この節約は可能だと思いますか。もっとも、可能だとかなんとかいっても、やらせるわけです。てんから天引きしておるのですから、これはもう何をか言わんやでありますが、可能だとお思いかどうか。
  31. 柴田護

    柴田(護)政府委員 可能と考えましたからこそ、三百億の措置でもってやむを得ないとしたのであります。
  32. 佐藤吉男

    佐藤説明員 節約額につきましては、国におきましても一応合わせまして二百三十億円の節約をしてまいったわけであります。したがいまして規模が大体国と同程度、やや上回る地方財政におきまして、この程度金額は国に準じた節約じゃないか、こういうふうに考えております。
  33. 細谷治嘉

    細谷委員 ことしの税収減は、地方財政計画上で総額五百三十二億円のへっこみですね。五百三十二億円、この数字はそのとおりですか。
  34. 柴田護

    柴田(護)政府委員 そのとおりでございます。
  35. 細谷治嘉

    細谷委員 この五百三十二億円の内訳は、交付団体二百六十億円、不交付団体は二百七十二億円のへっこみであります。昨年はどうかといいますと、地方財政計画ベースで百十億円の税の伸びがあったわけですね。交付団体が六十一億、不交付団体が四十九億、こういう伸びがあったわけですね。今度はへっこむのです。百十億円の伸びじゃないのです、五百三十二億円、交付団体では六十一億円伸びたのが今度は二百六十億円へっこむのでありますから、昨年からくらべますと、きっさというのは三百二十一億円になるわけですね。不交付団体は二百七十二億円へっこむというのでありますから、昨年は四十九億の伸びが見込まれておったのでありますから、三百二十一億円ですか、去年に比べますと苦しさが増しておる、こういうことになります。これはそのとおりであるとお考えになっているかどうか、自治省大蔵省の御見解をお尋ねしたい。
  36. 柴田護

    柴田(護)政府委員 表面的な数字財政計画数字だけをつかまえて判断いたしますれば、お話のようなことが一応言えるかと思います。しかし細谷委員御承知のように、財政計画と実際の自治体財政とは違うわけであります。去年だって、自然増収があったといいますけれども、自然増収は、現実地方団体では、すでに予算化して使ってしまった。それを組みかえるのでありますから、一種の節約であります。そういうような意味合いからいいますならば、御指摘になりましたような状態の数字でもってあらわされるような苦痛度ではない。苦痛度は若干違うだろうと思うのでございますが、しかし、去年に比べて一般的に苦しいということは言えます。確かに、財政措置の前提として考えられました税収入が減っているのでありますから、これは、去年よりは苦しいことはわかる。しかし、御指摘のようなことがそのまま現実地方団体に当てはまるかといいますと、それはちょっと違うんじゃないかというふうに思います。
  37. 佐藤吉男

    佐藤説明員 御指摘のように、四十年度は三十九年度と比べまして税収落ち込みがございます。したがいまして、昨年全体的にと申しますと、三十九年度よりはつらい状態にあるというふうに思います。したがいまして、対策におきましても前年度以上に努力をしてまいったわけであります。
  38. 細谷治嘉

    細谷委員 前年度以上に努力したとかなんとかいう問題じゃないんですよ。いまの答弁で、マクロの立場から私が質問をしますと、ミクロのほうに話を転化する。ミクロの話を、個々の問題についてやりますと、それは全体の問題として御答弁になる。どうも私は、非常にこの答弁に不満です。  そこで、さらにお尋ねをいたしたいのでありますが、地方財政計画ベースで話してもいけませんから、それと実績とを少し比べながら御質問したいのであります。  三十八年は、この地方税が、計画に対して実績は府県において一五・五%、市町村において一三・七%と、地方税全体としては一四・六%伸びておる。三十九年度になりますと、計画に対して七・七%の伸びということになっているわけです。ですから、三十八年と三十九年を比べますと、地方税の伸びというのは半減した、こういう数字になっております。これはそのとおりお認めになりますか。
  39. 柴田護

    柴田(護)政府委員 伸びが鈍化してまいっておることは御指摘のとおりであります。
  40. 細谷治嘉

    細谷委員 ことしはどういうふうな見込みになるのでございましょうか。いま私が御質問した、この地方税地方財政計画がどういう関係になるか。いままで伸びておったんですね。一四%、七%、減ってはおりますけれども、昨年までは伸びておった。今度はどういうふうになりますか。
  41. 柴田護

    柴田(護)政府委員 決算数字はまだつかめませんけれども、おそらくさらに伸びは縮まるだろう。計画を割るということはないだろうと思いますけれども、計画よりは、オーバー額というのはさらに少なくなるだろうというふうに考えております。
  42. 細谷治嘉

    細谷委員 計画を割ることはないけれども、オーバーすることはないということは、平たく言うと、計画と同じ金額、計画ベースで五百三十二億円の税収減が起こるわけですね。地方財政計画の本年度地方税の見積もりというのは一兆四千九百四十八億、それが五百三十二億円計画ベースでへっこむわけでありますから、計算いたしますと、減の三・七%ということになる。そうしますと、三十八年は一四・六%の伸び、三十九年は七・七%の伸び、四十年度は逆に四%近いへっこみ、地方財政計画から見て実績がへっ込む、そういうふうに見られる。おそらく実績はもっとへっこむんじゃないかと思う。五百三十二億円というのは計画ベースで出ているのでありますから、もっとへこっこむのじゃないかと思う。国の税金だってたいへん減っているのですから、地方税も当然三・七%どころじゃなくて、もっとへっこむと思う。こういうことになっております。これを見てまいりますと、今日の地方財政地方税を主体とした、あるいは交付税の問題も同様でありますけれども、たいへんな問題をかかえておると申さなければならぬ、こういうことだということは、そのまま確認してよろしいかどうか。両省にお尋ねします。
  43. 柴田護

    柴田(護)政府委員 私の申し上げましたのは、五百三十二億円を修正した計画に対しましては若干上回る程度年度を越しはせぬかということを申し上げたのであります。その修正後の計画に対して、これを割ることはまずあるまい、こういうことを申し上げたのであります。しかし、地方財政がたいへんだということは、それはもう御指摘になるまでもなく、そのとおりであります。したがってまた、今回の措置につきましても、給与改定に要する財源交付税落ち込みに対しまする措置あるいは減収に対する措置、一連の措置を、国、地方を通じまして非常に困窮いたしております財政の中でとってまいったわけであります。
  44. 細谷治嘉

    細谷委員 まあ五百三十二億円以上のへっこみはない、若干へっこみは五百三十二億より減るんじゃないか、こういうおことばでありますが、私は、逆になるんじゃないか、五百三十二億を上回ったへっこみになるんじゃないか、こういうふうに見ておるわけであります。さらにお尋ねいたしたい点は、去年よりもいいんだ、財源賦与はよくやったんだ、こういう両省のおことばでありますけれども、私は、これは表面上のつじつまを合わせた、少しことばが悪いのでありますけれども大蔵省自治省は、その表面上の、八〇%だとか、あるいは何%だということで、去年よりいいんだということを言っておるのはごまかしだ。たとえば三十八年はどういう措置をしたかといいますと、人勧に基づく需要額の増として二百八十五億円を措置したのです。二百八十五億円が需要額の増加だと見たのです。交付団体の収入額の増加が四十億円だった、こう見たんです。この場合は、普通交付税段階において調整減額したものが三十四億円あったんだ。この三つを差し引きますと、全体としては実質的に二百七十九億円の財源措置が行なわれているわけだ。需要の増の二百八十五億円、交付団体の収入額増として見込まれたのが四十億円、これは三十四億円調整減額分を戻しましたから、二百七十九億円の財源措置現実に行なわれている。三十九年度はどうかといいますと、三百六十一億円の需要の増が見込まれて、そして、地方財政は苦しくなっておるにかかわらず、収入の増が六十一億円あるとして、これが差し引かれて、そして三百億円程度の実質的な措置が行なわれたことになるわけです。——失礼しました。収入の増加が六十一億円でありますから、四百二十二億円の分を含めての財源があったわけですね。ことしはどうかといいますと、三百億円の財源措置をしただけなんです。交付団体の場合を言っているのですよ。二百六十億円の税の減がありますから、昨年、一昨年のベース考えますと、わずかに差し引き四十億円程度財源措置しかされておらない。三百億円から二百六十億円を引きますと、四十億円。昨年、一昨年のそういうぺースで比較しますと、実質的に四十億円程度財源措置しかされておらぬ、こういう勘定になるのですが、そのとおり理解してよろしいかどうか。自治省大蔵省お尋ねします。
  45. 柴田護

    柴田(護)政府委員 三十六年、七年、八年、いずれにいたしましても、その時代は国も自然増収をもてあましたと言うと語弊がありますけれども、自然増収があって非常によかった時代、地方財政もまたよかった時代でございます。したがってそういう時代におきます措置といううものと、国も地方もすっからかんになってしまったことしのようなときの措置というものと、同日に論ずることはいかがであろうかと思うのでありまして、私どもは、今回の措置でもって非常にこれがよくできたということは一言も言っておりません。それは去年よりか充当率は上がっておりますということは申し上げましたけれども、これで非常に上々にできたというような不遜なことは一つ考えておりません。しかし今日の国、地方のすっからかんの財政状態からいけばやむを得なかった、これで何とかやっていけるのだというように思うのでありまして、こういうようなときにおいて、年度の途中で給与改定をやらねばならぬというような情勢のもとにおきましては、この程度措置が最大であったということを御理解願いたいと思います。
  46. 佐藤吉男

    佐藤説明員 根本はいま自治省から御答弁のありましたとおりでございます。三百億円に対して交付団体税収減が二百六十億円あるではないかという御指摘でございますが、まさにそのとおりでございます。したがいまして、税収落ち込みに対しましては起債の面で配慮したわけでございます。
  47. 細谷治嘉

    細谷委員 いまの柴田局長の答弁で、国が苦しくなったのだから地方も苦しくなってもらわなければならぬ。がんばってもらわなければいかぬ。これで決して十分だとは思っておらぬ、しかしこの苦しい国なり地方の段階においては可能な限りやったんだ。自治省財政担当者としての局長のほんとうの気持ちがちょっと出てきたように思うのです。国が苦しいからということで、地方も明らかに苦しい。例年と比べますとこれはたいへんな措置だ、こういうことをお認めになったようであります。佐藤さん、あなたは大蔵省主計官でしょう。私への答弁に終始一貫、基本的には自治省と同じ考えでありますと答弁をごまかしておる。大蔵省は、きのうも私は申し上げたのでありますが、自治省財政について指導しようという立場をとろうとしておるのでしょう。もっと自主的に大蔵省らしい見解を述べたらどうですか。財政局長が答えたあとを、はいそのとおりでございますと言うのは何かどうも大蔵省らしくないですよ。そのとおりでございますなら、もっとやはり自治省地方財政に対する熱意というものをくんでやるかまえがなければならぬと思うのです。ここへ来ますと何か自治省と同じ考えの上に立っているが、大蔵省に帰りますと、自治省を一局扱いくらいに、頭を下げなければ言うことを聞いてやらぬというような、どうも不遜な態度であるようであります。そういう態度じゃ困ると思うので、ひとつ誠意をもってお答え願いたいと思うのですよ。とにかく、この問題をとってみても、昨年、一昨年と比べますと、実質的に地方団体に対する財源措置というものは不十分である、こういうことを両省ともお認めになったようでありますから、次に進んでいきたいと思います。  私は、今度の特例法にもう一つのごまかしがあると思うのです。いろいろありますけれども、もう一つの重要な点を申し上げたいと思います。今度は基準財政収入額には手を触れましたかどうか。手を触れないようでありますが、その点はどうなんですか。
  48. 柴田護

    柴田(護)政府委員 基準財政収入額には手を触れておりません。基準財政収入額に手を触れないかわりに、減収に対しまして、地方債減収補てん的に使ったのであります。
  49. 細谷治嘉

    細谷委員 いままでは触れておったでしょう。そうじゃないですか。全部じゃありません。少なくとも分割法人については触れられたわけです。
  50. 柴田護

    柴田(護)政府委員 財政計画の上で増収を立てました場合におきましては、これを納税計算にはね返らしてまいります都合上、基準財政収入額の一番計算のしやすいものをつかまえて、そうして基準財政収入額の訂正を行なったことがございます。今回の場合は、減収額が非常に大きな幅に上がりますのと、また基準財政収入額の計算をやり直しておりますと三月までかかってしまい、地方団体給与に関します必要な財源措置ができないといったような事態を起こすおそれがございますので、さような措置はとれませんで、むしろ減収に相当する部分は公共事業に対しまする地方債充当率を高めるという形でもってカバーをいたしまして、そして基準収入額の再計算は避けたのであります。したがって、地方団体のほうも早く基準財政需要額の計算ができますし、来るべき交付税の額の計算もでき、措置も早くできる。いろいろ考えますとそれが一番いい、こういうことになりまして基準財政収入額の計算はやめたのであります。
  51. 細谷治嘉

    細谷委員 いま中学に行きますと代数学というものをやっていて、代数ではプラスとマイナスというものがあることは中学生でも知っているのです。いま局長さんのおことばによりますと、従来分割法人はやっておったけれども、それをやると三月ぐらいまでかかってしまうから時間的余裕がなかった、こういうことでありますけれども、私はまだまだ納得しないのです。いままでもやはり黒の財源措置をしたわけです。年内に特例法が出まして、これに基づいてやはり措置した。その際には、全体についての基準財政収入額は触れませんでしたけれども、把握しやすい分割法人については十一月段階で把握できるわけですから、やれないことはないと思うのです。プラスのとき、分割法人が伸びた場合にはこれを基準財政収入額に加えた。今度の場合は減っているから、従来どおりの考えからいけば、分割法人くらいだけでも三角で加えてもよろしかったではないですか。いままでは黒を加えてやったのでありますが、三角も加えてもいいのじゃないでしょうか。私は時間的な余裕がなかったということについては理解できなくて、やはり金が足らぬので、今度は知らぬふりをした、知らぬふりをさせられた、三百億というワクをつけられた、そういうことではないかと思うのですが、そうじゃございませんか、やはり時間的余裕ですか。
  52. 柴田護

    柴田(護)政府委員 税の減収額が非常に大きい額になるおそれがある——現に非常に大きな額でございますが、三百五十億という法人事業税の減収額というものは、何も分割法人だけじゃございません。非分割法人も含んでいるわけでございますので、細谷委員のおっしゃるように、正確に計算をして基準財政収入額にはね返すということになりますれば、時間は非常にかかるということになります。さようなことをした場合に、逆に三百億円の借り入れ金というものは、ふやさざるを得ません。ふやすことは将来の地方財政に非常な圧迫を加えることになります。そういうような措置を、交付税だけのベースでもって措置考えていって、財政運営に巻き起こす混乱というものと、それから早く財源計算ができる措置をとって、その辺の不都合は将来のことに送ることによる利点と欠点というものを彼此勘案いたしますならば、やはり今回の減収というものは当面地方債でこれをカバーをしておいて、そうして基準財政収入額には手を触れずに、需要額だけの再計算をして、早く必要な給与計算ができるような措置をとる、このほうが私ははるかにベターだと考えたのであります。したがって、当初から私ども減収に対しましては地方債を、給与に対しましては借り入れ金をということを早くから言ってまいったのでありまして、大蔵省に対して交渉の結果やむを得ずこうしたというような事態ではございません。私は最初からこういう措置が、今日の地方財政の置かれた立場におきましては、一番四海波静かにおさまることだというふうに考えて、こういう方針をとったのであります。
  53. 細谷治嘉

    細谷委員 どうも四百億円の地方債のワクの増で最後は逃げ込もうという御意図のようでありますが、私は前にも安井委員等から質問があったように、今年は税の伸びというものはないのだから、かりに人事院勧告というものは閣議決定のとおり九月ということが決定されて——まだ最終決定はされていないようでありますが、そういうことを前提としても、不交付団体でもたいへんな税の落ち込みが出てきている。昨年、一昨年と趣を異にするということでありますから、本来ならば総額四百九十億円を対象として、基準財政需要額の増、収入額の移動、これを総合的にやって、給与財源についての財源措置をしてやるのがあたりまえだ、その上に立って公共事業等に関連する地方負担の問題等を起債において措置するということが正しい姿であろうと思うのですが、それについて、そんなことは間違っているとお考えなのかどうか、ひとつ自治省と大蔵の見解をお尋ねしたい。
  54. 柴田護

    柴田(護)政府委員 先ほど申し上げましたように、すべてを交付税計算に持ち込むのだということで基準財政収入額の再計算もやり、給与改定に要する財源の需要の再計算もやるのだ、したがって、言いかえれば交付税でもってすべてを補てんするというやり方をとるのがいいのか、あるいは措置を少し分けて、長期的な観点に立って措置考えたほうがいいのか、こういう問題であると思うのであります。短兵急に交付税でやるという方法も、これは一つの方法かもしれません。かもしれませんが、それによって起きますところの時間的な問題、事務の混乱、いろいろなことを考えますならば、私はむしろ基準財政収入額の、特に法人関係の租税の精算を将来に譲ることがよろしい。そうして当面はむしろ公共事業費の地方負担分の地方債充当率を上げることによって、当面減収をカバーしていくという方法のほうが、むしろ財政に与えるショックが少なくていい。事務的混乱も少なくて済む。はなはだ事務的には明瞭でありまして、すぐ財源も見当がつくわけでありますので、そのほうが現実財政運営という立場からいえばはるかにベターだというふうに考えたのでございます。
  55. 佐藤吉男

    佐藤説明員 お尋ねの問題は、主として自治省がイニシアチブをとってやる問題でございまして、私どもはそういうふうにするから、こういうお話を承ったわけです。
  56. 細谷治嘉

    細谷委員 どうも金科玉条というようなことであります。今後の問題としてということでありますから……。  ちょっとお尋ねしたいのですが、今度の措置で八月段階交付、不交付というのに、団体の移動がございますか。
  57. 柴田護

    柴田(護)政府委員 少し不交付から交付に切りかえるのがあるようであります。約十団体くらいだそうであります。金額にすると一億円くらい。  なお、先ほど私の説明で、あるいは御説明が悪かったのでおわかりにくかったと思いますけれども、いずれはこの基準財政収入額の穴あき分は精算をするわけでありますが、その精算は明年度以降に持ち越される、こういうことにしたい、こう考えておるわけであります。
  58. 細谷治嘉

    細谷委員 ちょっと繰り返して聞きますが、精算はあとでするということは、基準財政収入額の移動ということもあとでやるということですか。今度は時間の関係で収入額をいじれなかったわけですから、その辺の補正あとでやる、あとというのは何ですか。
  59. 柴田護

    柴田(護)政府委員 法人関係の租税につきましては、御承知のように毎年過去の基準財政収入額の計算と実際の計算との差額というものを精算しております。多いところはつぎますし、少ないところは減らすということをやっております。これは年度の途中でやりませずに、来年度以降においてやる。来年に全部やることができるか、あるいは四十二年度までまたがるかもしれませんけれども、それはここ二、三年のうちに、ともかくことしの基準財政収入額と実収入額との差というものは、法人関係の租税につきましては全部きれいにするということであります。
  60. 細谷治嘉

    細谷委員 法人関係の凹凸については、いつかわからぬけれどもやる。従来の例からいきますと、法人の移動というのは翌年度基準財政収入額の算定の際に考慮されたようでございますが、いまの話によると二、三年後。これはおそらく、あとで質問しますけれども、来年度地方財政計画そのものが立たぬという、交付税の配分自体がどうなるかという、そういう根本的な問題もからんでの、どうも局長としての用心深い、来年になるか再来年になるかというようなことばになったんじゃないかと思うのですけれども、私は給与なんというのは翌年度に繰り越さぬで、本来ならばやっぱりその年に解決すべきであると思う。たとえばそういうものはやはり特別交付税なら特別交付税という形で対処すべきだ。むろん特別交付税というものは六%というワクがきまっちゃっていますから、コップの中のあらしのようなもので、本質的な解決になりませんけれども、本来はそういうものであるべきだと思うのですが、もうちょっと具体的に、二、三年のうちにはということでは明瞭でありませんから、ひとつはっきりと御答弁いただきたい。
  61. 柴田護

    柴田(護)政府委員 二、三年のうちにはということは言ったつもりはないのであります。ことしのやつは来年に必ず精算をしますけれども、来年じゅうに精算し切れるかどうかわからない。それは来年の税収入がどういう見通しになりますか、財政計画がどういう形になるかわかりませんので、来年じゅうに全部精算をし切れるかどうかということは問題がある、こういうことを申し上げたのであります。したがって、非常につれないことを言いますれば、ともかく減収額というものは地方債でもって補てんしておるのだから、その元利償還金だけを別途見ていけば、精算はほっておいてもいいではないか、こういう理屈も立つのであります。二重に見るということになりますから、ほっておいてもいいじゃないかということでありますが、私は、地方債については地方債ベースでもって処理をし、基準財政収入については基準財政収入ベースでもって処理を考えたらいいのではないか。それは一年でできなければ二年かかってもやむを得ない、こういうことを申し上げておるわけであります。現に過去におきましても、非常に増収がありました場合には、一年間でそれを精算いたしますと大激変が起こりますものですから、法定の計算は、非常な増収の場合にはこれを二年に分けて基準財政収入額を修正したこともございます。そこのところは実態、財政の実情を見ながら処理していけばいいじゃないか。そう一年限りで必ずやらなければいかぬ、地方に起こしますところの大激変を、財政運営を混乱させてまでやるべきものじゃなかろうと思うのであります。
  62. 細谷治嘉

    細谷委員 もうちょっとはっきりこの際聞いておきたい。財政運営を混乱させるといいますけれども、来年度でやり切れなければその次になるということでありますけれども、今日の地方財政の危機というものは、余っておるからあしたの朝までめしを残しておこうかというわけじゃないのです。今晩食べるめしが足らぬというわけなんですから、やはり本来ならば今晩腹八分目くらい、とにかく生きていけるだけの措置はしてやらなければいかぬというのがたてまえじゃないか。それができなければ、来年度の普通交付税計算段階ではそれを処理するのがたてまえじゃないかと思うのです。そういうことをあなたがおっしゃると、これは大蔵省主計官、いいことを聞いた、交付税のワクなどはとにかく押しつけていけということで、どうもこれは大蔵省に対する利敵行為的な発言じゃないかと思うのです。
  63. 柴田護

    柴田(護)政府委員 今晩のめしがほしいということは一地方団体に限りませんで、全部がほしいのであります。ところが精算を一ぺんにやってまいりますと、すべて乏しきを分かち合うのではなくて、中には非常にめしを食うやつが出てくる。そうしますと、今度はその地方団体の中によけいな競争が起こるわけであります。したがってその辺のところを、全地方団体のことを考えてまいりますれば、なるべく穏やかにということを考えざるを得ない。いうならば乏しきを分かち合う精神に徹底していってもらいたい。そのためには、一年間でやることが是か非かということはしばらく考える必要があるだろうということを申し上げておるわけであります。したがって、場合によっては二年でやることがいいという結論が出るということがあり得るということを申し上げたわけであります。
  64. 細谷治嘉

    細谷委員 原則は来年までにはやってしまうということですね。しかし場合によってはあり得るけれども、たてまえはそうでしょう、従来もそうだった。特に給与財源なんということは私はその年に処理すべきだ、こういう主張です。  ところでお尋ねしたい点は、私は不交付団体はたいへんなことになると思うのでありますが、地方公営企業関係についてはどうなさるおつもりか。これは内閣委員会等でも総理大臣にこの点についての質問があったようでありますが、ここでひとつ自治省、大蔵の考えをお聞きしたいと思います。
  65. 柴田護

    柴田(護)政府委員 地方公営企業関係職員に関しまする問題につきましては、従来と同じ態度であります。
  66. 佐藤吉男

    佐藤説明員 地方公営企業に関しましては、独立採算の問題を中心にしましていろいろ検討をしておるわけでございます。
  67. 細谷治嘉

    細谷委員 内閣委員会で、国家公務員地方公務員を通じてやるのだから、地方公営企業もやれる、やれるように措置する、こういう総理大臣の答弁があったようであります。御承知のように地方公営企業はたいへんな危機に立っておる、その危機に立っておるのを、北野答申で、何か自治省根本的に考えていらっしゃるようでありますけれども、従来どおりでなんということになりますと、これは私はできないと思うのです。やはり何らかの特別な配慮をしませんと……。あるいは北野答申で、いやそれは金がないならば上げぬでいいぞ、それは独立採算じゃないか、こういう御意見かもしれませんけれども、やはりもっと具体的に、やらなければならぬのですから、やれるような措置を講ずべきだと思うのであります。総理大臣まで言っているのでありますから、もうちょっと総理大臣よりも進んだ具体的な、従来どおりなんということじゃなくて、御答弁いただきたいと思います。
  68. 柴田護

    柴田(護)政府委員 総理大臣がどのようなお話をされましたか詳細を承知いたしておりませんが、私どもが聞いている範囲では、本来独立採算でございますので、独立採算のワク内でもって処理すべき問題だ、しかし非常に困るところについては何か考えられぬかということでもって相談してみようといったような意味に伺っております。御承知のように、公営企業の給与というものは団体交渉できまるものでありますから、特にこれらについて別段の基準があるわけでもないのであります。したがってそのワク内でもって、経営の合理化でもって利益を捻出し、必要な財源を捻出し、必要ならばやっていく、こういうたてまえを前からとっているわけでありまして、今回の給与改正にあたりましても同じたてまえをとってきた。ただ公営企業全体につきましては、非常に困っている状態でありますので、これの抜本的な解決策を急ごうじゃないか、そういう広い範囲内で公営企業の立て直しを考えようということをずっと一貫してとってきたわけでありますし、今日もその態度は変わってないわけであります。ただ、国家公務員水準から比べて非常に水準が低いといったようなところについては、何か資金のあっせんその他について申し入れがあればそれは協力してやろうじゃないか、こういうつもりは、従来から考えておりますし、今日も同じ考えであります。
  69. 細谷治嘉

    細谷委員 抜本的な地方公営企業対策はやるが、それは今後の問題ですね。その一環として今回処理させるということじゃなくて、やはり地方公務員に準じた形で今回はやれるようにする、こういうふうに理解してよろしいですね。
  70. 柴田護

    柴田(護)政府委員 公営企業の給与につきましては、一般の公務員の場合と違いまして労使間の交渉によって措置される問題である、こう考えておるわけでありまして、その場合に、現行法では国家公務員法と同じような規定があります。一つ基準として、国家公務員水準というものがあるわけであります。したがって、それより非常に下回っているようなところでもって問題があるようなところについては、資金のあっせんその他について申し出があれば協力するにやぶさかでない、こういうことでございます。
  71. 細谷治嘉

    細谷委員 私が非常に懸念しているのは、今度の措置対象になる交付団体ばかりでなくて、不交付団体は一体どうなるのか、地方公営企業はどうなるのか、こういうことを非常に懸念しております。同じ地方自治体でありますから、そういう点については自治省、大蔵等も十分な配慮を願いたい、こう思うのです。  この点に関して、小さいことでありますけれども、お伺いいたしたい点は、単位費用改定が行なわれておるわけでありますけれども、この種特例に関する単位費用改定にあたって、従来と比べますと、若干、突然変異とまでは申し上げませんけれども単位費用改定が突然変異に近い形で改定された部分があるのです。個々についてはこまかくなりますから申し上げませんけれども、それについて何か理由があるのかどうかお尋ねしておきます。
  72. 柴田護

    柴田(護)政府委員 突然変異とおっしゃる意味がよくわかりませんので、御指摘願いたいと思います。
  73. 細谷治嘉

    細谷委員 これは事務的な問題にも関連しますからここでは申し上げませんで、最後の点、お尋ねをいたしたいのでありますけれども、私は昨日自治大臣に——国は今度いわゆる十五カ月予算といわれるわけですね。ですから、この特例法は単なる特例だけではなくて、これは重要な危機に地方財政は直面していると思うのです。これについてきょうの新聞あたりを見ますと、経済同友会あたりも、七千億の公債を発行して景気刺激のための事業等を大々的にやっても、もう地方負担ができなくて今日ですらも公共事業の返上が起こっているのである。地方財政について特段の、たとえば交付税率を大幅に引き上げる、あるいは地方に自主財源をやらなければならぬ、こういうことを経済同友会等も、経済団体等も言っているのです。   〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 ところが、この問題をめぐって自治省大蔵省地方財政対策の基本というものが、食い違いどころではなくて、たいへんな相違があるということを私は昨日申し上げたのであります。遺憾ながら大臣からは、若干でも私が納得いくような御説明はいただけなかったのであります。これをいろいろと掘り下げて聞きますと時間がありませんから、一体、大蔵はどう考えているのか、これについてひとつ佐藤主計官考えの基本をここで明らかにしていただきたいと思います。
  74. 佐藤吉男

    佐藤説明員 四十一年度地方財政につきまして、国もそうでございますが、国、地方を通じてたいへんな難局にあるというふうに私ども考えております。先ほど御指摘のありましたように、公共事業その他個々経費増額されても、それを支出するところは主として地方公共団体でございますので、幾ら個々の木が大きくなっても、それを支える畑が狭いのではやれない、こういうふうに考えております。そこで来年度どもとしては、苦しい中でもできるだけ地方財政対策に万全を期したい、こういう基本的な考え方であるわけであります。ただ現在のところ、どの程度までどうすべきかという対策の面につきましては、自治省といろいろと差のあることもまた事実であります。
  75. 細谷治嘉

    細谷委員 これは大蔵省が、そんなことは知らぬ、新聞に書いたことについて責任は持てない、こうおっしゃるのでありますが、大蔵省の基本的考えというのは七千億の公債発行、平年度三千億円の減税ベース、公共事業は二割増、これに基づいて地方が不足する財源というものは昭和四十一年度に二千億程度だ、そのうち五百億円くらいは節約しなさい、残りの千五百億円くらいがどうも不足だから、こういう見解に立っておるようであります。自治省は三千三百六十億円最低必要だ、個々については掘り下げて質問しませんけれども、たいへん大きな食い違いがあるのですね。自治省の三千三百六十億円というものは、私はやはり過小見積もりだと思っておる。私が計算しますと、やはりどうしてももっとふえる、四千億くらいになるのじゃないかと思う。お尋ねしたい点は、一体五百億円なんという節約が可能だとお思いなのかどうか。  それから、千五百億というのは何でやるかといいますと、大蔵省が特別交付税の率なんか上げないのだ、今度景気がよくなった場合に困るのだ、こういうことで、地方債とか縁故債のワクを拡大しよう、あるいは臨時の今度の五百十二億のようなもの、臨時交付税交付金、こういうような形でごまかそうという考えがあるやに仄聞しております。また新聞もそう書いてあります。そういう考えなんでしょうか。お尋ねしたい点は、千五百億をそんなことでやろうとしておるのかどうか、五百億円なんという節約能力があると大蔵省は見ておるのかどうか、これをお尋ねしたい。
  76. 佐藤吉男

    佐藤説明員 大蔵省といたしましては、来年度地方財政につきましては目下検討中でございます。ただいま御指摘数字については、大蔵省からはっきり申した数字ではございません。ただ地方財政の来年度の不足見込み額につきまして私どもが試算をしてみますと、二千億円というような数字が出たのでございます。しかし、これは自治省当局ともたいへんな違いがございまして、目下その内容について鋭意詰めるように、こういう上からの指示があるわけでございます。
  77. 細谷治嘉

    細谷委員 査定の作業の段階において二千億程度出たということはお認めになるのですね。そうでしょう。新聞にはこう書いてある。「これまでの大蔵省の査定ではたとえば自治省が明年度地方税収入の自然増を七百億円としているのに対して、これを一千億円以上は見込めるとするなどのほか、歳出面でも地方公務員給与支給額の増を一千二百億円程度自治省は一千五百億円を要求)とみるなどによって不足財源を約二千億円前後とし、このうちさらに五百億円程度節約など地方公共団体の自己努力」、その自己努力の五百億円については可能だとお考えですか、ちょっとお聞きしておきます。
  78. 佐藤吉男

    佐藤説明員 現在の経済情勢から見まして、国も地方も非常につらい状態にございます。したがいまして国もできるだけの努力をいたしますが、地方もできる限りの御努力はしていただきたい。こういう基本的な考えを持っておるわけでございます。  その額が五百億円ということは私どもよく存じておりません。またその五百億円という金額ができるか、こういう御質問につきましても、まだ金額をそういうふうに詰めたことはございません。
  79. 細谷治嘉

    細谷委員 国もきついんだから地方もきつかろう、お互いにしんぼうするときはしんぼうしよう、これは当然なことです。しかし、できないことはできないわけですね。いかに努力してもできないことはできないわけです。どうも大蔵省は、地方財政の危機なんというのはよその国のあらしのような考えでものを見てもらっては困ると思うのです。佐藤さんは主計官ですからね。できるかできないかというのは、あなたはよく知っておるはずです。むろんこの問題については、具体的に基本的な予算編成の方針が明らかになった上で数字を詰めなければならぬでありましょうけれども、こういう考えに立って地方財政の長期的な再建方策を立てるなんというおこがましい大蔵省の態度では、これはたいへんなことだと思う。そういう点で、ひとつ地方財政の危機ということについては十分な認識に立って、可能なものは可能なものとして、努力すべきものは努力すべきものとして、不可能なものについては、やはり自治体なんですから、自治体が最低生活をやっていけるような具体的な措置、たとえば交付税率をどうするのか、地方の自主財源をどうするのか、あるいは起債、起債と、すぐ起債に逃げますけれども、来年度あたりは起債の洪水になりますよ。一体、地方などでそんな起債が消化できるかどうか、たいへんな問題になると私は思うのです。そういうことでありますから、やはり十分に考えていただかなければならぬと思う。これを強く要望いたしまして、この問題についてはいずれまた次の機会に大蔵当局の見解あるいは自治省の見解等をただしたいと思います。財政局長も何かもらいがかかっておるようでありますから、私はきょうの質問はここで一応打ち切っておきます。
  80. 大石八治

    ○大石(八)委員長代理 華山委員
  81. 華山親義

    ○華山委員 原則につきましては、ただいま細谷委員からいろいろお話がございましたので、事務的なことにつきまして少し伺いたいと思います。  国のことにつきましてお伺いいたしますが、国家公務員給与というのは全部で一体どのくらいになりますか。
  82. 佐藤吉男

    佐藤説明員 四十年度の当初予算におきまして、一般会計でございますが、総額が四千二百五十四億円でございます。
  83. 華山親義

    ○華山委員 そのうち自衛官は幾らでございますか。
  84. 佐藤吉男

    佐藤説明員 自衛官は千二百六十八億円でございます。
  85. 華山親義

    ○華山委員 現在、自衛官はたいへん欠員が多いそうでございますが、この年度末までにどのくらいの人件炎の剰余が出ますか。
  86. 佐藤吉男

    佐藤説明員 防衛庁に欠員があるのは御指摘のとおりでございます。その金額はどれくらいかということは、目下数字を持ち合わせておりませんので、後刻調べて御報告さしていただきたいと思います。
  87. 華山親義

    ○華山委員 このたびの給与改定で、国家公務員についての予算がどのくらいの増額になりましたか。私、調べればわかりましょうけれども、ここでちょっとおっしゃっていただきたい。
  88. 佐藤吉男

    佐藤説明員 このたびの補正予算で、一般会計におきまして百七十八億円を計上いたしております。
  89. 華山親義

    ○華山委員 私考えるのに、国全体として考えますれば、一千二百六十八億の自衛官の経費のうちから、百七十八億ぐらい剰余は出ますね、見込みで。
  90. 佐藤吉男

    佐藤説明員 そのような百数十億というような不用は、防衛庁では出る見込みはございません。
  91. 華山親義

    ○華山委員 千二百六十八億から、百七十八億出ませんか。
  92. 佐藤吉男

    佐藤説明員 それは大体むずかしいことでございます。
  93. 華山親義

    ○華山委員 一ぺん調べてください。何人くらいいま欠員があるのか、そうしてそれは単価的に見てどのくらい年度末においてそこに剰余金が出るのか、ひとつ調べていただきたいと思います。
  94. 佐藤吉男

    佐藤説明員 はい。
  95. 華山親義

    ○華山委員 それで、国のほうでは今度節約されましたね。どのくらいの節約をやっていらっしゃいますか。
  96. 佐藤吉男

    佐藤説明員 二百三十億円でございます。
  97. 華山親義

    ○華山委員 これは各省の責任においてなすったわけですね。
  98. 佐藤吉男

    佐藤説明員 そのとおりでございます。
  99. 華山親義

    ○華山委員 この四千二百五十四億というのは、国の総予算の何%を占めておりますか。
  100. 佐藤吉男

    佐藤説明員 一二%程度でございます。
  101. 華山親義

    ○華山委員 それで、地方における人件費というのはどのくらいの割合を占めるものですか、自治省にお聞きしたい。
  102. 柴田護

    柴田(護)政府委員 財政計画上は、人件費で、給与費だけで一兆二千七百億でございます。大体計画では三七%程度団体によりましては四〇%、県では四〇%前後、市町村に参りますと少し比率が落ちまして、二五、六%から三割程度になるわけでございます。
  103. 華山親義

    ○華山委員 先ほど主計官は、国と地方財政との割合を取り上げられて、国でこれだけ節約できるのだから、地方においても節約できるじゃないか、パーセンテージは大体同じじゃないか、こういうふうに言われましたけれども、国では人件費が一二%ですね。地方では三七%、それを同じように節約せよといったって、これは無理じゃございませんか、どうなんです。そういう点は、大蔵省のほうは主計官として非常に計算がこまかくていらっしゃるわけですけれども、そういうところまでお考えになりませんですか。
  104. 佐藤吉男

    佐藤説明員 先ほど申しましたのは、財政規模の総額が大体見合っている、こういうことで比喩的に申し上げたわけでございますが、華山委員の御指摘のように、人件費につきまして、先ほど申し上げました国については一二%程度、地方では三七%程度ということでございますが、一言補足さしていただきますと、国の場合には、国自身が直接給与を支給する人員を申し述べたわけでございます。国につきましては、そのほかに、義務教育職員であるとか、その他保健所職員、農業改良職員というような補助関係職員につきましての所要額も一般会計の中に計上されております。その数字は、直接支払うものでないので、申し上げなかったわけでございます。同じようなことが、特別会計におきましても、社会保険の関係人件費は一般会計から見る、こういうことになっておりまして、そういうこまかい人件費という名前になっていないけれども、実質上は人件費である、こういう経費があるわけでございます。したがいまして、この人件費の違いはよく承知しておるわけでございます。計算考えましたのは、節約対象が公共事業費を除く旅費、庁費等の物件費でございます。その物件費につきまして同じような節約が可能である、こういうふうに計算しておるわけでございます。
  105. 華山親義

    ○華山委員 計算されたそうですか、それを私もお聞きしょうと思っておったのですけれども、たとえば中小学校の教員につきましては、半額は国で持って半額は地方で持つというような関係がございますから、財政上の統計だけではいかないということは私知っております。計算なさったそうでございますから、その統計をひとつ出していただきたい。国と地方の間におけるところの統計から見て、人件費といろんなものとの割合というものはどうなっておるか。私がこういうことをお聞きいたしますのは、給与改定地方財政には非常に圧力が強いということを考えますので、その点の統計的な数字を出していただきたいと思っております。  次に、地方におけるところの節約の方針として、この間お聞きしました御説明等にも物件費等と書いてありますが、私いろいろ財政の分類等でも見ましたけれども予算内容にも出ておりませんし、一体物件費とは何ぞやということがわかりませんので、どういうことを考えて物件費の節約と書かれたのか、自治省のほうにお聞きいたしたい。
  106. 柴田護

    柴田(護)政府委員 節約対象といたしておりますのは、いわゆる旅費と食糧費であります。物件費というのは、いわゆる庁費といわれておるもので、光熱水費あるいは維持補修費、これはいわゆる大きな維持補修ではございませんで、ごく小さいものでございます。あるいは食糧費とか、そういったものを一切含めて物件費と言っておるわけでございます。
  107. 華山親義

    ○華山委員 そこで私お聞きいたしたいのでございますけれども、地方におけるところの物件費というものの非常な部分が道路の維持修繕費なんです。砂利代なんです。これを節約することによって、たださえも手の及ばない地方の小道路、市町村道路あるいは県の小道路、そういうところの維持修繕費に非常な影響がないかということをおそれるのでありますが、そういう点については関心を持っていらっしゃいますか。
  108. 柴田護

    柴田(護)政府委員 財政計画の中で申します道路の維持補修費、大きな建物の維持補修費につきましては、別に維持補修費という項目を立てております。そちらのほうにあげてありまして、これは節約対象にいたしておりません。ここに六十八億と出しました根拠になったようなものは、旅費、食糧費のようなものでございます。
  109. 華山親義

    ○華山委員 そうしますと、出張旅費とか食糧費とか郵便切手とか、そういうものなんですね。なかなかそういうふうなところから六十八億節約するというようなことは私は非常に困難だと思っております。  それから、これは先ほど細谷さんからもお話がありましたが、現在においても新聞等に報道せられておるとおり、私も二、三の県の実例を知っておりますが、公共事業費を返上している実態がある。あるいは公共事業費返上の実情までいかなくとも、とにかく予算にはのせたけれども、一体できるのかできないのかわからないものがあって、まだ仕事にかからないものがあると聞きますが、この実情についてお伺いいたしたい。
  110. 柴田護

    柴田(護)政府委員 今回の四十年度補正措置が講ぜられます前におきましては、大体地方で公共事業費系統で負担し切れぬであろうという見込みを立てておったものの額が、地方負担で約二百億くらいございました。その中には返上をきめたものもございますし、あるいはどうしていいかわからないということで、保留の形で残っておったものもございました。これは九月ごろの情勢でございます。結局そのふらふらしておりました中には、給与改定財源措置が一体どうなるだろうかという心配がございましたのと、税収見込みが一体どうなるだろうかという両方の心配から保留しておったものが相当ございます。しかし、その情勢からこの四十年度措置を急いだわけでございまして、この措置がとられました以後におきましては、大体必要な公共事業につきましては予算に計上され、あるいは返上取り消しといったような措置がとられておると思います。詳細は十二月予算でもって処理されておりますので、現在それぞれ県会等で審議中のものもございます。まだその詳細は現在の段階でつまびらかにいたしませんけれども、おそらくはほとんどが消化されたのじゃなかろうかというふうに見ております。
  111. 華山親義

    ○華山委員 もう時間がありませんのでやめますから、ひとつこの次までに調べておいていただきたい。どのように予算が返上されたのか、またどんなふうに今後できる可能性があるのか、そういう点をひとつ調べておいていただきたい。
  112. 柴田護

    柴田(護)政府委員 できるだけ努力はいたしますが、返上というのが、いろいろ主管部局ごとによって意思が違いますので、なかなかわかりにくうございます。ただできる範囲で調査し、御報告申し上げることを御了承願いたいと思います。
  113. 華山親義

    ○華山委員 時間がまいりましたので、あとの質問はこの次の機会のあったときに行ないたいと思いますから、ひとつお含みおきを願います。
  114. 大石八治

    ○大石(八)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十一分散会