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只松委員 ほんとうは大臣に先にお伺いしようと思ったのですが、
あとでお見えになりましたので
あと先になったわけですが、まず、こまかい問題からひとつお伺いしておきたい。
いま申し上げたことと関連をいたしまして、国税庁の徴税
態度というのは、
国民にとってなかなかきびしいものがあるわけでございます。ほんとうは私は、きょうはそういう具体的な問題を提示いたしまして大臣のお考えを聞きたいと思っておったのですが、時間もなくなりましたし、そういう問題は提示いたしません。ただ
一つ、簡単な問題として、
税務署の職員の
態度がきびしいというだけではおわかりにくいと思います。大臣も雲の上じゃございませんが、なかなかそういう末端のことはおわかりでないと思いますので、
一つだけ簡単な問題を提示いたします。
ある
税務署で大工、左官さんの方々の
調査をしたわけです。
調査をしに行った。土建総連というのに入っておるわけですが、土建総連を脱退しなさい、脱退すれば五十万にしてやろう、脱退しなければあなたは倍にして百万にするぞ、こう言う。相手方にとっては非常な脅迫をされた。それで脱退文書を十何枚かとったわけです。それで、私がそういうことを知りまして、そういうことはやめてもらいたいという
お話をしたら、そういうことは一切ございません、こういうことをおっしゃるわけです。しかし、代議士のところまで話を持ってきたのですから、その人も、私はそんなうそを言う人とは思いませんので、あるでしょうから、ぜひそういうものを返して、そういうことがなかったように円満に解決したらどうですかと言うけれ
ども、一向そういうことは知らない、こういうことです。それではというわけで、本人を連れまして、こういうことがあるではないかと言ったら、今度は署長さんのほうから、あることはあります、こういう話です。あることはあるけれ
ども、たいしたことではございません、脱退届けまでとっておりません、こういうことです。それならばということで、そのときに私はちゃんと証拠を
一つ持っておりまして、そこの
税務署の係長さんが、そういう一札を書いたわけです。金額は明示しておりませんけれ
ども、私の言うとおりにするならば、私があなたにお約束したことを実行いたします、署名捺印をしているわけです。そのリコピーをとりまして
——初めは円満におさまると思って私はそういうことまで言わなかったんだが、そこまでがんばられるならば、ひとつ証拠を
出して、そのかわり、出す以上は署長さんが責任をとるなり、当の係長さんを首にしなさい、
出しますぞといって、写しを
出したわけです。ところが、びっくりして、いやまことに相済みませんでしたというわけで、それでもなおかつ、脱退届けを一通だけお返しになった。そんなことを言わないで、全部返しなさいと言ったら、最後は四、五通くらいお返しになりました。これは去年の暮れの話で、そう遠くない話なんですが、いわゆる末端でそういう脱退届けをしろ
——録音も現在ありますが、相当激しい
調査が行なわれてやられたから脱退届けまで書いたわけですね。ところがそれを、当の職員の人もやらないと言うし、
税務署長さんも絶対やってない、知らない、こういうことをおっしゃる。
大蔵委員会で税の小
委員をしておるわれわれが行っても、なおかつそういうことは知らぬ存ぜぬ、ないとおっしゃるわけです。だから、一般の
国民、あるいは特に力のない庶民の方々が
税務署においでになりましてそういうことをかけ合われたり相談をされた場合に、いかにいわば強権的な、権力的な
態度でお臨みになっておるかということが想像できる。いまの最後の証拠を出すまでは知らぬ存ぜぬ、こういうことなんです。そういうことを経験したことが、私自身の問題でもあるわけなんです。だから、そういうことを考えますと、わずかな職員で
全国民の徴税あるいは納税事務をするわけですから、これは容易でないことは事実でございます。したがって、商売人のようにもみ手だけでそういうことが簡単にできるというふうに思っておりませんけれ
ども、しかし、いま申しました事例から見ると、まことに権力的な
税務行政というものが依然として行なわれておるわけです。そういう点について、警察官でも、一般的に警察官は非常に民主化をしてまいりましたように、徴税行政においても民主化をするようにぜひ特段の御配慮をいただきたい。そのためには、いや、もう民主化しておるんだ
——私は民主化と機械化のことを常に申しますけれ
ども、そういうふうな認識をされたのでは、する必要はないと思います。私が言いますように、まだ例をあげろとおっしゃれば幾らだってきょうは具体的な例を用意しておりますけれ
ども、きょうはそういうほかの例は申し上げませんで、いま、
一つ一番簡単な例を
お話し申し上げて、大臣の徴税行政に対する下部への意向の伝達をお願い申し上げたいと思います。いかがですか。