○平岡
委員 あなたのおっしゃるのは、中間的な、補完的な機関とすれば、民法上の
監査組合ということでやり得るのじゃないか、こういう御意向と思います。ただ、そうなると、民法上の
監査組合を中間的に認めているくらいなら、二名以上をもって
監査法人の要件としたほうが手っとり早いのじゃないかということ、それから、なるべく五人にとどまらず、それ以上に大きくしていくというようなことは
行政指導的にそれをやれば足りるのじゃないかと思うのです。その理由としては、アメリカ自身も、法制的には二名ということを
規定している。しかも二名というようなことにはないわけです。だから、あなたのおっしゃるのは、五名以上をもって、やはり軌道に乗せたい、ただし、現実の救済としては、民法上の
監査組合で二名ないし四名の共同組織で事に当たらせよう、こういう考えであるわけですが、私のほうがあなたと対立するのは、そんなややこしいことをやるなら、いっそのこと、法制的には二名以上としたほうがいいのじゃないかという
意見です。議論を続けてもしようがありませんから、一応
松井さんの顔を立てるということで終わりましょう。ただし、現実には、先ほど私が言ったように、共同
監査を受けている例のほうがよほど少なくて、個人の
監査のほうが圧倒的に多いという現状なのですから、その辺のところで、あなた方も飛躍し過ぎて足を踏みはずさないような御用意をお願いしたいと思います。
さらに進めまして、第四番目の課題であります
監査法人及びこれを構成する社員等への懲戒権の所在はいかにあるべきか。この問題は、先ほど
只松委員から
意見がありまして、あなた方の
お答えがありました。しかし、大事なことですから、私もさらに政府の御意向をお伺いしたいと思います。
監査法人及び社員の懲戒権につきましては、今回の
改正案におきましては、依然として大蔵大臣が直接的
権限を行使するということになっております。そして協会の権能は「会員の
指導、連絡及び監督に関する事項並びに
公認会計士等の登録に関する事務を行なうこと」、さらに運営の範囲としては「
監査証明業務に関する紛議の調停、
公認会計士制度に関する建議、答申等を行うこと」、こういうように限定しておるわけですが、私は、やはり竿頭一歩を進めて、協会そのものに懲戒権を委譲すべきではないかという
意見であります。今回の
公認会計士法の一部
改正法律案の提案理由の説明で一番あなた方が力点を置いている最初の内容は「まず第一に、
公認会計士の自主
責任体制を通じてその資質の向上及び業務の改善進歩をはかる」ということになっておるわけですね。要するに、自主
責任体制の確立を目ざしておるのですから、したがって、懲戒権を委譲することによってこれを完結していただきたいというのが私の念願であります。突拍子もなく飛躍的なことを私は申し上げておるわけではないと思うのです。私は、大蔵大臣に
権限があるというようなことは、
一つの官僚権威主義だと思う。一番
民主化がおくれているのはやはり官僚機構それ自体であると私は思っている。やはり、民主的運営でできることはやらしたほうがいいのです。しかも、
日本でその例がないわけじゃない。弁護士会というりっぱな先例があるわけですね。弁護士法による特別
法人として、弁護士会は、法務省とか検察庁とかから離れて、不即不離な
独立体を形成している。それで十分りっぱにやっているわけです。いままでのあなた方からの答弁では、この懲戒権を大蔵大臣に置くということは、従来もそうであったからということになっている。ところが、従来そうであったことは、
一つの批判さるべき経験的事実なんで、従来あったことそれ自身が
一つの公準になるわけじゃない。しかも、従来が実績上それで非常にりっぱだったかというと、そういう権能を大蔵大臣に持たせながら、実際的には、
山陽特殊鋼とかそういういろいろな事例を見ましても、その厳正な大蔵大臣の懲戒権下、監督下にあるところの
公認会計士自身が、
決算における
監査証明として、適正である、適正であったと、みんなでたらめを書いている。そういうところからいいますと、雲の上に懲戒権を置くというようなことより、自主的運営の中に持ち込んでおくほうが、ほんとの
責任体制の確立ができて、そして自主的な運営の中でこそ十全に懲戒権の機能も発揮し得る、そういうように思わざるを得ません。私のは抽象議論ではなしに、弁護士会それ自身がそういう道をたどってりっぱな業績を残しておりますし、りっぱな運営をやっておりますから、この
改正にあたって、やはり大胆にそれを取り入れるべきだと思っております。どうでしょうか。これは政務次官から
お答えをいただきたい。