○小林
委員 なるほどそういうふうになりますと、これは厚生省と
金融機関の統制機関に基づいて二百億円の金を準備しているけれ
ども、あなた方のほうで、これは特定設備なり、何だかんだという証明つきということになってくれば、厚生省のいろいろな見方によると、この金は百五十億円、二百億円、貸したり貸さなかったり、これはたいへんなことになりますよ。実にかた苦しいことになる。これはたいへんなことだ。これはいよいよかぼそい者に対する統制の強化だ。これはおそるべきことで、この運営面にあたっては重大ポイントがあると思いますから、うっかり賛成はできない。
時間がありませんから、同時にいま
一つ、あなたがおっしゃるように、
零細な業者だから、特定のそういうワクを設けて、厚生省がめんどうを見ながら
国民金融公庫から金を借りるようにして措置をしていきたいとおっしゃられたけれ
ども、それほど
零細業者がかわいいならば、一体利率の点はどうですか。八分四厘とは何事だ。私は「
政府関係金融機関等主要
金利一覧」というのをゆうべ寝ないで見たが、これは開発銀行なんかに至っては、電力会社に対しては幾らで出しているか。年六分五厘で出している。水力自家発電に対して幾らで出しているか。六分五厘です。外航船も六分五厘、
経済援助
資金も六分五厘、こういうような大
企業はみな六分五厘で金を貸している。輸出入銀行は幾らだ。年利四%から七%、実効利率四%、四分じゃないか。輸出業者がかわいいかわいいというと、これはやはりみな四分で金を貸している。それじゃ一体農林漁業
金融公庫の金は幾らかといえば、近代化
資金だとか、まあ時間がないから簡単に申し上げるけれ
ども、やはり農業構造改善
事業推進
資金が非補助で三分五厘じゃないか。補助の
事業においても六分五厘じゃないか、償還期限が二十年以内、果樹園経営改善
資金についても年利五分五厘、畜産経営拡大
資金についても五分五厘、農地等取得
資金に至っては年三分五厘、あと、たいていみな三分五厘、そういうふうにこの
金利でもって保護をしておきながら、いま一番不景気のあらしの中に押しまくられて、一般
金融機関のルートに乗れないからといって
市中金融機関から締め出されて金が借りられないこの
零細業者、だからこそ、特別の
金融公庫をつくってこういう環境衛生業者のめんどうを見ようというそれほどの熱意をお持ちになっているならば、一体八分四厘とは何事だ。八分四厘の利息とは一体何事ですか。こういうようなことをやられておためごかしの
お話をされても、われわれは簡単に了承するわけにはいかぬ。これは大蔵大臣がいかに白を黒と言うてもだめです。厚生大臣はだまされている。鈴木先生、あなたはいま少ししっかりがんばって
——こういうような
零細なる
サービス業者が八分四厘の金を払って、一体営業が成り立ちますか。だめです。だからこういうことは私は賛成できないのです。もう時間もありません、本会のベルも鳴っておるようでありますから、この問題はひとつあとで書面で回答を寄せていただきたい。
それから、
理事を一名増員することになっておるけれ
ども、これなんかも一体だれを予定しているのか。現在
公庫の役員は、月報で見ると十名になっておるが、これがまた十一名になるのでありますけれ
ども、この十名の
理事の出身別、経歴
——総裁、副
総裁はもちろんでありますが、それを書面でひとつ御
提出をいただきたい。あわせて、この一名は一体だれを予定しておるのか、これもひとつ書面で御回答いただきたいと思います。
それから次に、この月報の中に載っておりますけれ
ども、特別
小口貸し付けなどという制度があるけれ
ども、
昭和三十九
年度における
申し込み件数はわずかに一件、
金額は五万円、四十年の四月から二月に至っては一件もなし、
回収は二件だけであります。こういうようなものは、私は、単なる言いわけの処置であって、実行力がないと思う。何にも効用がない。こういうものは
貸し付け限度を大いにふやすか、さもなければ廃止するか、実情に沿わないものは十分
考えてもらわなければならぬ。こういう特別
小口貸し付けなどという、いかにも
零細業者に特別のめんどうを見るかのごとき看板を掲げておって、四十年で一口も借りるものがないなんという、これは羊頭を掲げて狗肉を売る、看板だけで
国民をつる欺瞞の政策であると言わなければならぬ。欺瞞の政策でなければ、官僚の怠慢です。だれのためにもならないようなものをそのまま存続するということは、これは官僚政治の怠慢です。こういうものは即刻改良するか廃止しなければ、私はだめだと思う。いかがでございましょうか。これも書面でひとつ回答をしていただきたい。
それから、三十九
年度の
貸し付けの合計
金額は一千九百九十七億三千五百万円、四十
年度の
貸し付け金額の総計は一体幾らになるか、推定でよろしゅうございますけれ
ども、これもひとつ教えていただいて、同時に、あなた方は四十一
年度二千七百八十七億円を
貸し付ける予定であると、この
金額を非常に大幅に宣伝せられておるけれ
ども、四十
年度に比べて四十一
年度予定せられておる二千七百億円という金が一体どれだけ多いのか、この中で環境衛生
関係に新しく
貸し付けるというワクが設けられておるならば、その環境衛生に
貸し付ける別ワクの問題を差し引いたら、一体四十
年度に比較して一般に対する
貸し付けを圧迫するような形にならぬのかどうか、私
どもはそれを非常におそれている。ですから、四十
年度の
貸し付けの総額と、四十一
年度の
貸し付け推定額と、その中に占めるいわゆる環境衛生
関係に関する
金額、二百億円なら二百億円でよろしゅうございますけれ
ども、それを区別して、これも時間がありませんので、文書をもって御回答いただきたいと思います。
それでは、本鈴が鳴りましたから、最後に、かけ足で申し上げますけれ
ども、融資審査でいやしくも
国民金融公庫の職員が逮捕をせられておる。「警視庁捜査二課は二月十九日、
国民金融公庫元王子
支所審査課、現岐阜
支所管理課勤務岩部諒」、いやしくも、三十万円を借りに行ったのを四十万円を借りるように手続をしてくれと言って、その十万円をもっぱらふところに入れる、こういうことはまさに首つりの足を引っぱるのと同じことだ。こういう庶民
金融の、血も涙も出ないような、疲れ切ったほんとうの低所得の庶民階級が最後の命網に借りに行く、その借り主をえさにして十万円も金をとるなどというその冷酷さ
——これは私は、その人を言っているのじゃないのです。こういうような人を出すこの
公庫の姿勢を問題にしているのでありまして、私は、こういう庶民大衆の血も涙もしぼり取るような仕組みであるならば、直ちに辞表を出して、みずからの責任をとります。
公庫の
総裁は責任をとりましたか、副
総裁はこの問題に対して責任をとる姿勢をお持ちになりますか。
総裁、副
総裁は、こういう過去のおそるべき職員の汚職事件に対して、いかなる責任をおとりになりますか。書面をもって御回答いただきたいと思います。
時間もありませんから、以上をもって、私の質問を終わります。