○堀
委員 それでは、明日か金曜日には
大蔵大臣に入っていただいて、締めくくりのこの問題についての質問をいたしますので、そのときに間に合うように
資料をいただいて検討したいと思うのですが、実は、
日本は御承知のように、
災害、といいましても、特に風水害が非常に多いと思います。そのほか、雪害もありますし、地震もありますけれども、しかし、現状で一番国民が
被害を受けるのは、台風によるところの風水害が一番
被害が大きいだろうと思うのです。そこで、もちろん
所得税を納め得る状態というものは、
所得の状態からいたしましても、貯蓄が多少は行ない得るという階層になると思います。ですから、貯蓄が行なわれておるならば、
災害の際にそれに対応する処置はとれるかと思うのですが、一番問題になるのは、十分な貯蓄のない低
所得階層が
災害に襲われたときに非常に悲惨な状態が全国的に見受けられるわけであります。それでは大体どのくらい
災害によって家屋が流失をしたり、あるいは全壊をしたりしておるか調べてみますと、
昭和三十七年度に発生した
災害では、全壊の建物が千五百七十五戸、流失が三百九十戸ということでありますから、約千九百戸余りの
住宅が全壊または流失をして居住に耐えられなくなっておる。
昭和三十八年にまいりますと、全壊が千四百二十五戸、流失が四百三戸、こうなっていますから、ここもやはり約千八百戸ぐらいが使用不能になっておるわけです。
昭和三十九年には、この年は非常に
災害が多かったと見えまして、全壊が六千二百二十一戸で、流失が百六十一戸ということでありますから、これまでの例の大体三倍以上のものが
昭和三十九年には起きておるわけです。農業
災害の問題については現在
救済の手が伸べられておりますが、問題は、
個人災害については、実はいま
災害としては何ら国から協力の手が差し伸べられていない、こういうことになっておるわけです。現在
所得水準はだんだんと上がってきておりますから、その意味ではそういうボーダーライン層というものは相対的には少なくなりつつあると思いますけれども、しかし、依然とし
かなりのボーダーライン層の国民がいる。この
かなりのボーダーライン層の国民というのは、実は最近の非常な
物価高ということの中で
生活に追われて十分に可処分
所得がないものだから、貯蓄にまでなかなか回らない。そういう人たちが一挙に
災害にあって家屋を流失する、あるいは全壊をするという場合に、これが再起をする場合には実はいま非常に困難な状態に置かれておる、こういうふうに
考えるわけです。ですからこの問題は、一面的には社会保障の問題でありましょうし、一面的には、やはり雇用や生産、いろいろな
関係から
所得を上げる問題としてあろうと思うのです。しかし、いずれもいまの
日本の場合にそれが十分には行なわれていないために、その谷間にある人たちが現存しておることは、これは否定できません。そういう人たちが風水害あるいはその他の
災害にあったときには、これはもう一挙に
生活保護世帯のようなところに転落してしまう以外に手がないということでは、やはり憲法第二十五条にいう気持ちから見ても、もう少し何らかの
措置を検討してみる必要はないのか、こういうふうに、私は
災害を実地に調査に行った結果感じておるわけです。
そこで、方法はいろいろあろうと思うのですが、やはり私どもは、
生活の根拠として、まずその住むに足る家を建ててあげるということは非常に重要だと思うのです。いま
住宅金融公庫のほうの出席を要求しておりますけれども、私は、
住宅金融公庫の
災害復興
住宅の問題も
一つあると思います。あると思いますけれども、実際には、これがそういう場合に、特に低
所得の者については比較的利用しにくい
状況にあることもまた事実でありますので、そこで、ひとつ私は
政府に対して
——あるいは貸し付けの
制度、方法は皆さんのほうでいろいろ
考えてみていただいていいと思うのですが、その借りたものを、公営
住宅のようなものかなんかで建てられるのもいいでしょうが、都市の場合ならそれでもいいのですけれども、いなかになりますと、公営
住宅を山や谷間のあちこちに建てるわけにもいかない。しかし、その人たちの生産手段である農地はその周辺にあるから、あまり遠方に行ってしまうわけにもいかないという限られた状態になっておる中で、私は、何らかの処置を検討してみる必要があるのではないか、こう
考えるわけです。
考え方としては、私はおそらく反対はないと思うのですが、具体的にどうするかというところでは、これはいろいろ議論のあるところだと思います。まあ、きょうは大臣がお見えになっておりませんから、総論的に
考え方がどうかという点について、政務次官にひとつお答えをいただきたいと思います。