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春日委員 これは、お互いに問題の解決をはからなければならぬから、私は、前にも申したように、あげ足をとるものでも何でもないのである。ただ、現実にいま
予算委員会でいろいろな資料を集め、現状に基づいてこれが解決策のために熱心な論議がなされておるのである。本
委員会において公取
委員長は、なお全面的解決に至ってはいない、不当、不公正な歩積み、両建ては全的に解消されてはいないと述べておる。このような現状を踏まえて、大蔵行政はいかにあるべきか、私はここを論じたいのである。
あなたのこの通達を見れば
——私はこれを求めたわけではないが、あなたのほうから自主的に御提出を願った。これを見ると、はなはだ文言が遺憾千万にたえないのであります。と申しますることは、こういうような文言が用いられておる。これは
大蔵大臣、お聞き取りを願いたいと思うのだが、(3)の「留意事項」の中に「苦情を
金融機関に取り次ぐにあたっては、」
——例のあなた方のほうの苦情処理機関を設置するにあたって、各財務局長あてにその注意事項、取り扱い要領を通達されておるが、その中の第三項の「留意事項」については、「苦情を
金融機関に取り次ぐにあたっては、申出人の氏名を明らかにせざるを得ない旨、申出人の了解を得ておくこと。」、そういうような苦情があったら、そして悪いと思ったら厳格に
措置しなければいけない。それなのに、
大蔵省はこれを銀行さんにお取り次ぎ申し上げる、そのような苦情があったらお取り次ぎを申し上げるけれ
ども、事と次第によっては、あなたのお名前を銀行にあかさなければならぬような場合があるが、それでもよいかというようなばかげた態度である。本
委員会の決議はそんなことをいっていないのです。銀行さまに
大蔵省がかしずいて、行き違いなことがあったならば、それをお直しくださいといって、
大蔵省が銀行に頼むような、そんな低姿勢じゃない。ちゃんと書いてあるのです。これは「
金融機関に対しては、行政上厳格なる
措置をとるべきである。」といっている。厳格なる
措置をとるといっておいて、それに基づく苦情処理機関においては、そういう問題をお取り次ぎするにあたっては、被害者のお名前をあかさなければならぬような場合があるけれ
ども、あらかじめ御了承願いたいとは、何たるたわごとであるか、とぼけた姿勢であるか。何がこんなものが厳格ですか。
それから、そのハを見てください。「苦情が申し出られた個々の事案について、当不当の
見解を明らかにすることを避け」、とは何ごとか。当、不当の
見解を明らかにしなければ、苦情処理を受け付ける資格はないじゃないか。(藤枝
委員「そのとおり」と呼ぶ)前の政務次官藤枝
泉介君だってちゃんと言っておるのです。そのとおりです。あなたは少なくとも苦情処理機関の担当者ですね。大蔵
委員会ではこういう決定がなされておる。銀行協会や
金融機関へは通達を出しておる。その苦情を受けるにあたって「当不当の
見解を明らかにすることを避け、一般に、過当か否かは、取引先の信用状態、取引の経緯等によって判断される面の大きい旨を説明しておくこと。」こういうばかな姿勢でどうしてこれをなくすることができますか。
それから、3の「処理」のところの(2)を見ると、「処理にあたって、申出人と
金融機関との間に立って裁断を下すような態度をとらないようにし、具体的解決は申出人と
金融機関との交渉にゆだねるようにする。」本人同士話してくれ、私は聞いておくだけだ。何のために裁断ができないのか、何のために
大蔵省は銀行法に基づいた監督権を全
国民にかわって掌握しておるのであるか。裁断をできぬわけがないじゃありませんか。いかぬ点はいかぬ、悪いものは悪い、
大蔵省がかわってこれを公取に告発するくらいの熱意、そのくらいの本腰を入れなくしてこの問題は解決されるはずがないではないか。
次に、(3)を見てみると、「自粛基準に照して過当と認められるものは、
金融機関を指導して是正させることとするが、
金融機関がなっとくして自主的に是正
措置をとるよう配慮する。」と書いてある。このことは、過当と認められたら、厳格な
措置をとれと書いてある。それが、厳格な
措置も何もとってはいけませんと書いてある。銀行機関を指導して、自発的に指導されるよう、しかも
金融機関が納得して、相手が自分で納得をなすって、そうして自主的にされるように
措置すること、全くの話が公取
委員長、こういうような姿勢でどうしてこの問題の解決がつきますか。つかないからこそ、非難がごうごうと巻き起こって、ついにこれが
予算委員会の政治問題となって、別途の秘密
会議が行なわれておる。これをあからさまに言えば、受信機関としての
金融機関のメンツもさることながら、大きな政治問題が巻き起こるのおそれなしとはしない。だから、これをとっくりと、真相、真意をお互いに顧慮しながら問題の解決をはかろうといたしておる。かような問題を踏まえてその衝に当たらなければならない
大蔵省が
——これをずっと読んでいけば果てしもないことなので、私はこの辺の限界にとどめておくけれ
ども、判断を下さなければならない、指導、監督の責任者にありまする
大蔵省が、決断をしてはいけない、そうして
意見を述べてはいけない、銀行に向かってその態度を要求してはいけない、
金融機関が自主的に
措置されるようにはからえばよろしい。こんなもので苦情処理機関というものを設置したところで、実際
効果があがるはずがないではないか。何にもならないからこそ、大臣みずからいま問わず語りに述べられたように、何にも
効果があがっておらぬようだと言われておるが、あがるはずがない。そんなばかなことをやってあがるはずがないじゃないですか。あの苦情処理機関に行って、財務局の人に真相を言えば、そこでその場で解決がついたとか、一殺多生の剣で、その銀行がどんどん行政処罰を受けていくということになって初めて
効果があるのではないか。何にも
効果があがらぬように、銀行において何らの犠牲が生じないように、銀行本位の立場において苦情処理機関が設けられておる。本来的に苦情処理機関の意義と
目的は預金者のためである。不当な、不公正な、独占禁止法に違反するとおぼしき過大な拘束預金をしいられておる人たちを救済するためにこの苦情処理機関が設置されたのではないか。藤井君どうです。あなたはその当時から大蔵
委員として、ともにこの問題を取り扱ってきた当事者の一人である。いまや時めぐりきたって副大臣になられた。一体この通達は適当であると思われるか、不十分なものであると思われるか。まず藤井政務次官の御
見解を承りたい。