○只松
委員 まあ、インフレ論議をする時間もございませんが、札の値段が下がったのがインフレである、こうおっしゃったが、札の値段が、ことし一年だけとりましても、もう相当下がっておりますが、この数年来の札の値段をとれば一これは、
大臣はあるいは直接お使いになる機会がないかもしれませんが、奥さんあたりに聞いていただけば、八百屋なんかに買いに行って、お札の値段がいかに下がっておるか、千円札を持っていった場合に、この二、三年来どんなに札の値段が下がっておるかということは端的にわかることである。ただこれは、恐慌状態におけるインフレ、それが通常インフレと呼ばれるものですが、私はそういう
意味で言っているのではなく、あなたが俗なことばでおっしゃった札の値段がなくなってきておるのではないか、
国民の消費面からインフレではないか、インフレである、こういうふうに言っておる。まあそういうことで、
卸売り物価は上がってないけれ
ども、消費
物価は上がっておるというならば、結局
卸売り物価から、消費される部面に至る流通機構なり何なり、ここいらに——それだけ
卸売り物価が数年来上がらない、消費
物価だけそうやって何倍か上がってくるということであれば、ここに問題点があることは明らかなんです。まあ
物価対策委員会な
どもできておりますから、きょうは時間がありませんからそこまでやりませんけれ
ども、
政府としても、ただ憂慮すべき問題だ、困っておるということだけでなくて、
卸売り物価が上がらなくて、消費
物価が上がる、そこにどういう流通機構の問題があって、どういうふうになっておるか、こういうことを的確に調査され、対策を講じられることが必要だと思います。ぼくら
予算委員会に行っていろいろ聞いておりましても、きのうもちょっと発言しようと思ったが時間がなくなったわけですけれ
ども、
あとで
税制問題その他お聞きしますけれ
ども、何か大所高所からだけ論がなされておって、ほとんどそういう具体的な詰めた議論というものが、
予算委員会でもほかの
委員会でも少ないように思うのです。
政府側の
答弁もそれでお茶を濁されておる。そういうことでなくて、困っておるとか、苦慮しておるということでなくて、そういう御
答弁を私はいただきたいと思う。
次に、私は、
福田さんのことをあえて言うなら、
公債大臣だと言ってもいいと思う。戦後
公債政策がとられなかったのに、
福田さんの責任であるかないかは別にいたしまして、二千五百九十億円の
公債を初めて出されて、今度七千三百億円出されよう、こういうことでございます。この場合も、常に
減税をしておるし、あるいはいろいろなことをやっておるのだから、歯どめをやっておるからインフレにはならないのだ、あるいは
公債のいろいろな面において心配ないのだ、まあ、心配があるとは、これはなかなか言えないだろうと思いますけれ
ども、おっしゃっておる。ところが、たとえば、私はそういう
意味の具体的な例からちょっと見てみますと、ある
金融機関で三百億円の預金を持っておったとする、本
年度約五千億円近く
公債の割り当てがあった。来
年度の四月以降の分七千三百億円の中から約四億円くらい割り当てがくる、再来
年度さらに一兆円のものがくると約五億円、そのときは預貯金額の総額は多少上がるでしょうけれ
ども、十億円の割り当てをその
金融機関が持たされることになる。こういうことになるわけですが、五億円でも、六分八厘でいきますと、三百億円程度の預貯金を持っておる
金融機関で大体とんとんのようです。銀行筋がちょっともうかるわけですね。五十億円とか百億円とか、零細の
金融機関はこれは逆ざやになっておる。七分二、三厘くらいになるとか、そういうふうになってきますと、この三百億円くらい持っておる銀行でもとても十億円以上は持てない。もう十億円でも逆ざやになる。とんとんになる、ちっとももうからないというのが十億円かかえたのではもうたまらない。こういうことを言っております。こういうところから、おそらくこの
金融機関でも五億円以上自分のところで
公債をかかえれば、これは必ずいや気がさして買わないか、日銀に買ってもらわなければならない。こういう事態が起こることは必定でございます。これは再来年になれば大体そういう事態が起こってきます。これはもう端的に起こってきます。さらに私たちは当面
経済が浮揚する見込みはないと思っておる。インフレでも大いにお進めになれば別でございますけれ
ども、そうなると
福田さんの総理
大臣ということもちょっと望みがなくなるでしょうが、インフレをやらない、こういう
経済施策でいかれるならば、これは明後年はたいへんなことになるだろう。それをさらに数年お続けになるということになれば、
金融機関は一斉に反発してまいります。したがって、そういう面から、ただ幾ら出すかということにいままでいろいろ
お答えがありましたけれ
ども、そういう具体的な面から、
一体幾ら出していったならば、
金融機関はいまの状態で無理なくまだ引き受けできるか、あるいは
市中消化ができるのか、歯どめの一つの要因になっておる
市中消化ができるとお
考えになっておるのか。そういう具体的な面から見て、幾らくらい出すのが妥当だ、これは
経済構造と
経済の進行状況と
関連してすぐ
お答えになれると思いますが、こういう具体的な面から見て、幾らくらい
金融機関が引き受けてくれるとお思いになっておるか伺いたい。