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1966-02-15 第51回国会 衆議院 大蔵委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月十五日(火曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 金子 一平君 理事 吉田 重延君    理事 平林  剛君 理事 堀  昌雄君       岩動 道行君    大泉 寛三君       押谷 富三君    木村 剛輔君       木村武千代君    小山 省二君       砂田 重民君    田澤 吉郎君       地崎宇三郎君    福田 繁芳君       藤枝 泉介君    村山 達雄君       毛利 松平君    山本 勝市君       渡辺 栄一君    渡辺美智雄君       有馬 輝武君    小林  進君       佐藤觀次郎君    只松 祐治君       野口 忠夫君    日野 吉夫君       平岡忠次郎君    藤田 高敏君       山田 耻目君    横山 利秋君       春日 一幸君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤井 勝志君         大蔵事務官         (主計局長)  谷村  裕君         大蔵事務官         (主税局長)  塩崎  潤君         大蔵事務官         (関税局長)  谷川  宏君         大蔵事務官         (理財局長)  中尾 博之君         大蔵事務官         (証券局長)  松井 直行君         大蔵事務官         (銀行局長)  佐竹  浩君         大蔵事務官         (国際金融局         長)      鈴木 秀雄君         国税庁長官   泉 美之松君         食糧庁長官   武田 誠三君  委員外出席者         国税庁次長   中嶋 晴雄君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 二月八日  委員木村剛輔君辞任につき、その補欠として相  川勝六君が議長指名委員に選任された。 同日  委員相川勝六辞任につき、その補欠として木  村剛輔君議長指名委員に選任された。 同月九日  委員木村剛輔君竹山祐太郎君及び谷川和穗君  辞任につき、その補欠として今松治郎君、山本  勝市君及び村山達雄君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員今松治郎辞任につき、その補欠として木  村剛輔君議長指名委員に選任された。 同月十日  委員木村剛輔君辞任につき、その補欠として灘  尾弘吉君が議長指名委員に選任された。 同日  委員灘尾弘吉辞任につき、その補欠として木  村剛輔君議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員木村剛輔君及び有馬輝武辞任につき、そ  の補欠として灘尾弘吉君及び角屋堅次郎君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員灘尾弘吉辞任につき、その補欠として木  村剛輔君議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員角屋堅次郎君及び永末英一辞任につき、  その補欠として山花秀雄君及び春日一幸君が議  長の指名委員に選任された。 同月十五日  委員山花秀雄辞任につき、その補欠として有  馬輝武君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月七日  農業近代化助成資金設置に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第四一号) 同月九日  日本開発銀行法の一部を改正する法律案内閣  提出第四二号)  都市開発資金融通特別会計法案内閣提出第四  四号) 同月十日  国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第四九号) 同月十二日  災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に  関する法律の一部を改正する法律案内閣提出  第五一号) 同月十四日  昭和四十年産米穀についての所得税及び法人税  の臨時特例に関する法律案内閣提出第一八号)  (参議院送付)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ  き、税務署の設置に関し承認を求めるの件(内  閣提出承認第一号) 同月八日  東京都狛江町の畦畔所有権に関する請願福田  篤泰君紹介)(第一二二九号)  バナナの関税率据置きに関する請願小坂善太  郎君紹介)(第一二三〇号)  同(小川平二紹介)(第一二六〇号)  同(小坂善太郎紹介)(第一二六一号)  同(林百郎君紹介)(第一二六二号)  医療法人課税是正に関する請願毛利松平君  紹介)(第一二三一号)  葉たばこ収納価格引上げ等に関する請願湊徹  郎君紹介)(第一二四七号)  地方公務員互助団体掛金所得控除に関する請  願(小川平二紹介)(第一二六三号)  同(小坂善太郎紹介)(第一二六四号)  同(林百郎君紹介)(第一二六五号)  個人企業完全給与制実施に関する請願山田  彌一君紹介)(第一三二一号)  各種共済組合法増加恩給受給権者に対する不  均衡是正に関する請願小川半次紹介)(第  一四一〇号)  同(原健三郎紹介)(第一四一一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十年産米穀についての所得税及び法人税  の臨時特例に関する法律案内閣提出第一八号)  (参議院送付)  税制金融に関する件      ————◇—————
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  税制金融等、当面の基本施策について、大蔵大臣より説明を聴取いたします。福田大蔵大臣
  3. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 今後における財政金融政策基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において明らかにしたところでありますが、本委員会において関係法律案の御審議をお願いするにあたり、重ねて所信の一端を申し述べ、御参考に供したいと存じます。  わが国経済はいま二つの問題に当面しております。それは不況の打開と安定成長路線の確立であります。  この二つの問題を同時に解決していかなければならない財政金融政策が、今後指針とすべき原則は、次の三つであると考えます。  第一は、経済の安定的な成長を確保することであり、第二は、経済部門均衡のとれた発展を期することであり、第三は、家庭企業を通ずる蓄積強化に資することであります。そして、物価の安定と国際収支均衡経済成長基本的な条件であることは申すまでもありません。  政府は、財政金融政策のこの役割りを遺憾なく発揮せしめるため、ここに公債政策を導入し、これを主軸として財政金融政策の新たな展開をはかろうとするものであります。  まず、経済の安定的な成長の確保であります。  今後における政策目標が、景気変動の振幅をできるだけ小さくし、経済社会均衡を確保し得る範囲内で、高い成長を達成することに置かれるべきことは申すまでもありません。  しかしながら、今日のような供給力超過経済基調のもとにおいて、経済成長の要因を企業投資活動の盛り上がりに期待することは困難であります。当面の不況脱出のためにはもとより、その後においても、しばらくは、経済の望ましい成長を確保していくためには、財政面から有効需要拡大をはかっていくことが必要であると考えます。  もとより、財政運営にあたりましては、国民経済全体としての均衡を維持し、その規模及び内容経済の動向に応じた適正なものとすることが基本でなければなりません。今後の成長過程において、民間経済活動が活発化し、経済全体の行き過ぎが生ずるおそれのある場合には、公債発行額を圧縮する等の措置をとるほか、年度の途中においても、予算弾力的執行公債発行の調節を行ない、適切な金融政策運用と相まって、弾力的に対処していく考えであります。  次に、経済部門均衡のとれた発展実現であります。  今後わが国経済の新たな発展を期するためには、この際、政策重点を、経済社会の各部門、各分野に見られる不均衡是正に置かなければならないと考えます。  すなわち、まず、民間設備投資規模を適正な水準に維持する一方、立ちおくれの著しい道路、港湾等社会資本充実し、住宅を建設し、生活環境施設整備していく必要があります。また、農林漁業中小企業近代化をはかり、あるいは後進地域開発を進める等、わが国経済の中の格差を解消していくことも必要であります。  第三に、家庭企業を通ずる蓄積強化であります。  家庭企業蓄積は、経済の持続的な成長過程において、着実な努力を積み重ねることによって初めて実り得るものでありますが、財政金融政策も、そのための条件を整えることを通じて、これが実現に寄与すべきであると考えます。  ゆとりのある家庭を築くためには、経済の安定的な成長の上に所得水準の着実な上昇をはかることが基本でなければなりません。そしてこれとともに、租税負担軽減合理化社会保障制度充実、さらには住宅生活環境施設整備等を通ずる国民生活の場の改善につとめていくことが必要であります。  また、企業蓄積強化をはかるには、企業の適正な投資水準の維持、社会資本充実等を通じて生産効率を高め、収益力を向上させることが基本でありますが、これとともに資本市場、特に公社債市場育成整備企業税負担軽減合理化を行なっていくべきであると考えます。物価の安定と国際収支均衡は、経済成長を進める際に、常に留意さるべき基本的な条件であります。  わが国卸売り物価は長期にわたって安定しておりますが、消費者物価上昇は今日の最も大きな問題の一つになっております。私は、この際、決意を新たにして、物価問題と真剣に取り組んでまいる所存であります。  次に、今後のわが国国際収支目標は、貿易収支の黒字によって貿易外収支資本収支の赤字を埋めながら、経済規模拡大に応じた外貨準備の漸増をはかるということでなければならないと考えます。わが国としては、今後とも、進んで国際流動性強化につとめるとともに、輸出の拡大に一そうの努力を傾注する必要があります。  今回の予算の編成におきましては、以上申し述べました財政金融政策運営基本的な考え方にのっとり、その健全性を確保しつつ、積極的に有効需要拡大をはかることを主眼といたしました。  第一の特色は、戦後初めて本格的な公債政策を導入したことであります。七千三百億円の公債発行は、財政法原則基づき、その対象を公共事業費等に限定するとともに、市中消化によることといたしております。  第二は、有効需要喚起をはかるため、財政規模を積極的に拡大したことであります。一般会計予算及び財政投融資計画の伸びは、昭和四十年度に比し、それぞれ一七・九%及び二五・一%となっており、また国民総生産に対する政府財貨サービス購入の割合は、戦後最高の二三・二%と見込まれます。  第三は、画期的な大幅減税を行なったことであります。  第四は、財源の重点的配分であります。すなわち、予算及び財政投融資計画を通じて、住宅生活環境施設等の飛躍的な拡充をはじめ、社会保障充実社会資本整備、低生産部門近代化物価対策強化等重点施策を積極的に展開いたしました。その反面、一般行政費節減合理化につとめ、機構の拡大や定員の増加を抑制する等、財政体質改善を推進することといたしました。  次に、税制改正の大綱について申し上げます。  昭和四十一年度におきましては、さきに申し述べました基本的な考え方にのっとり、また特に当面の経済情勢に対処し、国税、地方税を通じ、平年度三千六百億円に達する戦後最大の額の減税を実施することといたしました。  そのおもな内容について申し述べますと、まず、所得税におきましては、中小所得者負担軽減重点を置き、平年度総額一千五百億円に及ぶ減税を行なうことといたしました。すなわち、給与所得者標準世帯で年収六十三万円程度までは所得税がかからないよう諸控除引き上げを行なうとともに、中堅所得層以下に適用される税率を大幅に緩和することといたしております。  次に、企業に対する課税につきましては、その体質改善促進するための措置を講ずることといたしました。すなわち、法人留保所得に対する税率を二%引き下げ、建物の耐用年数を短縮することにより、企業内部留保充実に資することといたしましたほか、資本構成改善促進、合併の助成スクラップ化促進等の諸措置を講じているのであります。  さらに、今回の企業減税特色は、中小企業体質強化に特段の配慮を加え、専従者控除の大幅な引き上げ中小法人税率の特別な引き下げ、同族会社留保所得課税軽減等中小企業の実情に即した大幅な軽減措置を実施することといたしたことであります。  このほか、相続税物品税につきましても、国民の適正な財産形成と健全な消費需要喚起に資するため、負担軽減合理化をはかることといたしました。  地方税につきましても、住民負担軽減をはかるため、住民税及び料理飲食等消費税減税を行なうことといたしました。また、固定資産税及び都市計画税課税につき、負担均衡化合理化を進めることといたしております。  昨年の夏以来、政府は、財政面から景気回復の歩みを促進するため、一連の景気対策を講じ、さらに年末には公債発行を含む補正予算の成立を見たのであります。これらの施策は、まさにその実効をあらわそうとしております。  こうした局面において、公債政策主軸として、緊要な財政需要にこたえつつ、他方大幅な減税を断行することにより、積極的に有効需要拡大をはかろうとする昭和四十一年度予算が登場するのであります。そして、政府は、予算執行にあたっては、できるだけこれを上半期に繰り上げて実施し、これが、景気回復に、より効果的に機能するよう全力を傾ける所存であります。  他方、金融面におきましても、引き続き、金融政策の適切な運用を通じて、緩和基調を維持し、経済の順調な拡大支障のないようつとめてまいる所存であります。  私は、このような財政金融政策運営によって、わが国経済は、昭和四十一年度を通じて、着実な回復過程を歩み、新たな発展への一歩を踏み出すに至るものと確信いたします。  以上、今後の財政金融政策基本的な考え方について申し述べた次第であります。私は、ここに、安定、均衡蓄積三つ目標を掲げて、金融政策との緊密な連携のもとに、今日財政に課せられた使命を遺憾なく果たし、国民の期待と国家の要請にこたえる決意であります。  なお、本国会において御審議を願うべく予定しております大蔵省関係法律案等は、昭和四十一年度予算関連するもの二十一件を含め二十六件でありまして、そのすべてについて本委員会の御審議を願うことにもなるものと存じております。  何とぞ、よろしく御審議のほどをお願いする次第であります。
  4. 小林進

    小林委員 議事進行について一言発言をさせていただきたいと思います。  第一番目には、この委員会には十時半の招集を受けている。第一回目であります。私どもは十時半に参りましたが、大臣の御都合が悪いから、昼休みの休憩の時間を見て委員会を開こう、少なくとも十二時まではどうぞひとつ行動御自由にということでございます。そのときに、私は冗談まじりに、委員長、われわれ野党の議員の時間だって時間の尊さの点においては変わりはないだろう、十二時までにあなたは何か処置を講じなさいよと言った。吉田理事もおられて、しかし、まさか昼間から一ぱい飲むわけにもいかぬし、どうぞ御自由にということで、私は次の行動計画を立てておるときに、はからざるときにこういう放送をされて、大蔵委員会を開くから集まれ。何ですか一体。われわれをでくの坊か何かに考えているのかもしれません。そういう不謹慎なやり方委員長が今後運営されるならば、われわれはついていけない。どうぞひとつ正確な御回答をいただきたいと思うのであります。それが一点であります。  それから第二点、これは大蔵省にも申し上げる。私はいま大臣の御説明を聞きながら、第五十一回国会における大蔵大臣財政演説と比較対照しながら見ていた。これはこの中の文章をやや簡略にしたものにすぎないじゃありませんか。いいも悪いも、この中に含まれていない文章内容の違うのは、一番最後の五行だけです。「なお、本国会において御審議を願うべく予定しております大蔵省関係法律案」云々、これだけの文章がないだけです。あとはみんなあなたの本会議における財政演説をピックアップしたものなんです。それから切り抜いて書いたものにすぎない。そんなものをわざわざ印刷して、なぜ一体経費をむだにされる必要があるのですか。むだです。いささかでも新味のある異なったものをやるのならいいけれども、そういうような不謹慎なやり方はいけません。むしろこの委員会では本会議場演説よりも詳細に報告をするというのが従来のしきたりなんです。委員会における各大臣最初所信表明というものは、本会議場で言い尽くせなかった問題をも加味して、より詳細に、より具体的にこの委員会説明するというのが従来の慣行です。ところが、何ですか。本会議場における演説を要約したものじゃないですか。簡略にしたものじゃないですか。そういう委員会を軽視したような大臣所信一体どこにありますか。従来の慣行にはありません。この二つの問題について御答弁をいただきたい。
  5. 三池信

    三池委員長 小林君の最初の時間の問題ですが、予算委員会都合で十二時ごろの休憩時間でなければ大臣が出られないというような予定をしたわけです。ところが、予算委員会のほうが休憩になったものですから、とりあえず早いほうがよかろうと思って開いたわけです。どうぞ御了承願います。  大臣所信表明のほうは、従来の慣例も今日のような所信表明であったということを聞いております。
  6. 小林進

    小林委員 御説明がないのですが、私は何もここでけんかをしに来たわけじゃありませんから、将来の運営の問題を十分御考案をいただいて、大蔵委員会大蔵委員会独自の権威自主性を持ってやっていただきたい。大臣の御都合や他の委員会の御都合でこっちはいつでも自由自在に振り回されているような、そういう権威のないやり方をやらぬでくださいということです。  それから大蔵大臣、あなたの御答弁ございませんか。私も国会は初めてじゃない。十数年ここでめしを食っているが、本会議場でやっている演説は、時間の制限もありますから、そのほうは要を得た簡略な説明に終わって、委員会はそれをもっと具体的に、もっと詳細に述べるというのが、本会議場における所信表明委員会における大臣の御説明との関係じゃないですか。それを、あなたのほうは本会議場のほうは詳細に説明し過ぎたから大蔵委員会は簡単にやろうという。本会議場説明を三分の一に削って要点だけを説明されるようなやり方は、私の知る範囲内においては、こういう慣行は初めてだ。いかにも委員会を軽視されているようなやり方ではないか、こう私は感ぜざるを得ないが、一体どうしてそういうようなことをおやりになったのか。同じ大臣説明ですから、ひとつお答えをいただきたい。
  7. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 今回私が、所信を述べろ、こういうことで、お答えをする意味におきましてただいま申し上げたわけでありますが、所信という点になりますと、これは私の考え方基本を申し上げることだろうと思うのです。今回は財政政策が非常に転換をしておる、その転換の私の考え方を率直に申し上げることが一番いいんじゃないか、そうなりますと、本会議における演説とそう違うということになるはずがないのであります。そういうことから、たまたま本会議演説と同じような内容になりました点は、私も率直にそういうふうに認めます。認めますが、個々の税の問題とか、あるいはこれから出てくる、いろいろな派生する法律案の問題、これはそのつど詳細に申し上げますので、この際としては、私は、基本的な考え方大蔵委員の各位に、重複はいたしますが申し上げたほうがいいんじゃないか、そういうふうに考えまして、ただいまのような内容のものとなった次第でございます。  なお、委員会理事会もあることでありますから、そういうことで、今後はこうしたほうがよかろうというような御注文でもありますれば、そういうふうなことを考えてけっこうでございますから、ただいまやったのは、そういう趣旨基づいたことを御了承願いたいと思います。
  8. 有馬輝武

    有馬委員 いまの大蔵大臣の御答弁、それから小林委員質問関連して、この際大蔵大臣としての所見を承っておきたいと存じます。  それは、日ごろから私ども歳入委員会としての当委員会の院の構成の中におけるあり方ということで、いろいろ理事会その他を通じて意見を申してまいりましたし、またこれは議院運営委員会の問題でありますので、機会あるごとに議運のほうにも私ども所見を申し述べてまいったのでありますが、現在その歳入委員会としての大蔵委員会予算委員会との関連が、ただ慣行ということでそのまま踏襲されてきておって、それを検討する機会がないということに私は問題があろうと思うのであります。そういう意味で、この歳入委員会としての当委員会予算委員会との関連について、大蔵大臣として、所管大臣としてどのような見解を持っておられるか、あわせてこの際お聞かせおきを願いたいと思うのであります。
  9. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 予算委員会大蔵委員会は、まさに車の両輪のごときものである、こういうふうに考えます。ただ、予算委員会のほうはいろいろな人が、いろいろな閣僚が関係をいたすわけであります。当委員会は主として私が関係するような次第でございます。そういう関係で、時間的の調整に私も非常に苦慮いたすわけでございますが、全力を傾けて、車の両輪のそのいずれの輪にも支障のないように最善を尽くしていく、これが私の考えでございます。
  10. 小林進

    小林委員 議事進行ですからこれで終わりますが、大臣の先ほどの答弁に私は了承できません。とにかく長い間——繰り返して申し上げますが、長い間、本会議場における所信表明を詳細にかつ具体的に述べるというのが、予算委員会をはじめ各委員会大臣所信表明であります。私が調べたところでは、今回だけは本会議場における詳細な所信表明に対して、委員会のほうは、あなたのおっしゃるプリンシプルですか、その趣旨とするところだけ要約して述べたというお話で、簡略なこういう説明を承ったことは、国会における長い間のよき慣行を破ったことになりまして、私は了承できませんが、あとからお話し合いできめていただければ今後改めるというお話がございましたから、そのおことばを了承して、このたびはこれで質問を打ち切ります。どうぞ十分御注意をいただきたい。     —————————————
  11. 三池信

    三池委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。佐藤観次郎君。
  12. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 最初に、私の母校でありますが、いま学生が非常に騒いでおるわけであります。その大きな原因は、御承知のとおり、国立大学授業料がいま年間一万二千円、それから今度早稲田が上げようとするのは年間授業料八万円にしようということで学生が反対しておるわけであります。大体、一方においては国家補助が一名に対して四千円、ところが一方の国立大学では、一人について八十万円の補助をして学校をやっておるわけであります。ちょうどいまの資本家中小企業者、こういうような非常に矛盾に満ちた世の中でありますけれども、こういうような状態が続くということは、教育の不均等という意味で非常に問題があると思うのです。そこで、現在学生がどういうことになっているかといいますと、国が受け持っておる学生がその三割、それから私学が大体七割でありまして、教育というものは、何も私学だから政府がほかっておってもいいというものではない。イギリスなどは、私は調査に参りましたけれども、大体国が七割五分の負担をして私学に援助しております。ちょうどこの間予算委員会でわが同僚の山中委員から総理に質問したときに、総理も国立の大学でございますから、おそらく福田さんもそうでございますから、私学の苦労を知らない、ほとんど人ごとのような答弁をしておられました。これは日本の教育の問題について重大な問題だと思っておりますが、大蔵大臣はこの点をどのようにお考えになっておりますか、まず伺いたいと思います。
  13. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 私もせがれが早稲田大学に行っていまして、この問題には非常に関心を持っております。私が聞くところでは、早稲田大学の問題は、学生会館の管理権が一体学生の手に帰すべきかどうか、こういう問題がまずきっかけであり、そこへ慶応並みの授業料値上げということがからみ合って今日の事態になってきておるというふうに聞いております。それはそれとして、ただいまお話のように、私学にこういう問題が起こるということは非常に遺憾であります。したがいまして、こういう際にこそ私学のあり方というものを再検討してみる、みんなして考えてみるということは、国家的に必要なことであるというふうに考えます。昔は私学と官学が大体生徒の負担におきましてはそう違いはなかったようでありますが、今日非常な違いが出てきた。これは私は是正していくべき問題だというふうに考えます。そういうふうには考えますが、しかし、一挙にというわけにはなかなかいかぬ、長い時間をかけなければならぬ問題だと考えますが、そういう角度から、政府におきましても決して私学をほっておくわけではないのでありまして、国家的にいま要請されておる理工科のごとき科学技術の部面につきましては、その施設費を国家において補助をいたしますとか、あるいは経営自体につきましても私学振興会を通じて出資をいたす、あるいは財政投融資資金を回すというような措置を講じておるわけであります。今後とも私学が健全に私学としての日本の教育体系の中での任務を果たせるように尽力、努力をしていかなければならぬ、そういうふうに基本的に考えております。
  14. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 大蔵大臣のむすこさんが私学に入っておられるということは面接のいい参考になると思うのですが、私が考えますと、あなたのそこの局長さんたちも秀才ばかりですから東大出の人が多いのです。それから文部省の役人も大体大学出が多い。これは国立の大学出が多いので、どうも私学の立場の理解が非常に少ないというような感じを持っておるのです。そこで、御承知のように、私学振興会の負債の問題、それから国が私学振興会に与えておる投融資の問題も問題になっておりますが、昨年は慶応があれだけの大きな騒ぎをやり、ことしは早稲田、来年は明治だろうと言われております。全くリーグ戦みたいになるのですが、おそらく国の考え方がいまのようなことである限り教育の機会均等が失われて、金持ちのむすこでなければ大学に行けぬような状態がどんどん出てくると思うのです。いま早稲田の問題は非常に大きな社会問題になっておりますが、ここらあたりでよほどの大きな転換をしなければ私学が壊滅をするのじゃないかということも言われております。そこで、御承知のように、これから三年間は非常に学生がふえるので、国も文部省も非常に過剰な浪人ができては困るということで、たしか今年度は昨年より二万三千人くらい国立の学生をふやして募集しております。しかし、そのほかの大ぜいの七万人、八万人というのは結局私学がそれをしょっているわけでございます。そこで、今度文部省と大蔵省で、この四十一年度において二十七億円くらいの融資をして、とりあえず借金の多い学校から処理をしてやろうというような声が起きたということも聞いております。焼石に水ではありますけれども、とりあえずの問題としてこういうことをやれば当面の苦境は救えるというように考えておりますが、その点は大臣はどのように解釈され、どのように行なっていくのか、これも伺っておきたいと思います。
  15. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 昭和四十一年度予算では財政投融資資金を百九十億円私学振興会に回すわけです。それからさらに政府がこれに十二億円の出資をいたすわけであります。そういうことを通じまして、つまり、私学振興会という機構を通じまして私学の経営全体をいささかでも援助していこう、こういう考え方をとっておるわけです。別に政府が何とかして教育政策上推進していかなければならぬ問題があります。それは理工科の問題とか、そういう問題でありますが、それらに対しましては直接国が補助金を出して、そしてその教育をお願いする、こういう考え方をとっておるわけであります。
  16. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 そこに主計局長もおられますから、これと関連して申し上げたいと思うのですが、どうも大蔵省は国立の大学だけは自分の直接のあれだからやらなければならぬ、私学学生は直接でないからというような観点から、まあ文部省もそうでありますけれども大蔵省は非常に冷たい感じを持っておる。しかし、私たちは政治家として、当然国でやらなければならぬ教育の機関を私学にやらしているという立場からすれば、もう少し積極的に支援をする必要があるのではないかというふうに考えておりますが、この点は大臣はどのように考えておられるのか。私たちは、少なくとも教育というものに対して、これは教育基本法でもそうでありますし、憲法でもそういうことが書いてありますけれども、それが国立であろうが私立であろうが、教育というものは同様に見るべきではないかという観点に立っておるのですが、この点は一体どういうようにお考えになっておりますか、大臣に伺いたいと思います。
  17. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 私学と官学、いずれも将来日本の運命をになうべき青少年を育成する、こういう意味におきましては全く異なるところはないのであります。ただ経営主体が、官学におきましては国において責任を持つということ、これはもちろんでありまするが、私学におきましては、一定の民間の団体あるいは民間の機構というものが責任を持つ、こういうことになっておる。そういう点で、やはり私学、官学に対する財政措置におきましてもおのずから違う点が出てくる。これは私はやむを得ないところじゃないかと思います。しかし、それがはね返って学生に非常に大きな負担を課する、負担の違いが出てくるというようなことは好ましいことじゃありません。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、これは政府努力だけではとても片づく問題ではございませんけれども、いささかなりとも政府がそういう方面で力になればというので、あるいは融資において、あるいは財政支出においてお手伝いをしておる、こういう状態であります。いずれにいたしましても、私学は経営主体が民間団体、民間機構でありまして、これが責任を持つものでありまするから、これは官学と本質的に違うところがある。これは私が申し上げるまでもないところかと思います。
  18. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 大臣にお伺いしたいのですが、私学といえども教育は営利事業でありませんので、やはり国と同じような方針で教育をするということになるわけですから、まあ、いろいろの解釈もありますけれども、当然国の助成ということがやはり根本になってくると思うのです。そこでいろいろ私たちも知っておりますけれども、慶応の学生があれだけ去年騒いだ、早稲田はおそらくあれの三倍ぐらいは騒ぐだろうと予想しておりましたが、こういう問題はいろいろな社会の機構の中で出てくる一つの大きな矛盾だと思います。しかし、いまのままでは毎年各大学で問題が起きると思うのですが、こういう点で、国の助成ということについて明年度考えられる余地があるのかどうか。この点を伺っておきたい。
  19. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 国の助成につきましては、私学振興会に対する出資を増額する、あるいは融資を大幅に増額いたしますとか、そういう措置考えておるわけであります。また、さらに税の面で、私学などに対しまする寄付金は免税にするというようなことを考えたらどうかという意見が多いわけであります。しかしこれは、一応そういうお考えを持たれる向きの趣旨とするところは私どもも理解することができるわけですが、これは税という観点から見まする際に、また財政のやりくりということを考える場合におきまして、これをみだりに免税あるいは軽減をするというわけにもまいらぬ。これは長い間大蔵委員をされておりました佐藤先生におかれてはよく御理解の届かれるところだと思いますが、しかし、それにいたしましても、軽減措置を講ずることは時宜に適したことである、こういうふうに考えまして、今度は寄付金の場合に、五十人の会社が、あるいは五十人の個人がなければ免税措置の要件を満たさないということになっておりましたものを、十人あればよろしいというふうにいたしますとか、あるいは松下幸之助さんみたいな大金持ちが、自分が全部寄付をするということが許されない。松下さんでもその対象事業の二〇%しか免税の対象にならぬというようなことでありましたが、これを五〇%まではいいというふうにいたしますとか、あるいは税率改正をいたしますとか、いろいろそういうことをいたしておるわけなんです。ともかく、四十一年度はそういうことをいたしますが、今後といえども私学については関心を持ち、注意を払いながらやっていきたい、かように考えております。
  20. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 大臣はいろいろ私学振興会に金を出しておると言われますけれども、これはただの利息でなくて、普通六分五厘、しかも高いのは八分五厘という高い利息で借りておるわけです。この点は十分考えていただかないと、国の助成はわずかなことでございます。これはこんなことばかり言っておられませんから、ほかの問題に移りますけれども、十分にこれは考えていただきたいと思うのであります。  それから、池田内閣から佐藤内閣とずっと続いておるのですが、われわれが考えると、非常に行き当たりばったり、その場間に合わせのことをやっておられるように思うのです。そこで、佐藤さんや福田さんたちは、党内野党でいろいろ正しい意見を言っておられましたけれども、やってみれば、ちょうどこの四、五年間ずっと自然増収で、その自然増収があるのをいいことにして、いろいろ食い散らしてやっておった。やりたいことをやっておって、そして御承知のように、四十年度は税収入が二千六百億円ばかり減ったから公債を出すというような、実にその場間に合わせで盛んにやっておるのでありますが、少なくとも国の方針を立てるときに、これは三年ぐらい前には、佐藤さんも、それから前の田中大蔵大臣公債は絶対に出さぬ、そういうことを盛んに宣伝をされておった。しかるに、わずか半年くらいになってから、いかにも公債政策を初めから考えておるかのような、まあ、この説明にも響いてありますけれども、いかにも初めから予定をつけて公債政策に踏み切ったように言っておられますけれども、これは非常におかしな話だと思うのです。初めの見積もりの収入が減って、二千六百億円も自然増収が減ったから急に公債を出す、こんなことなら三つ子でもやるわけです。予算が減ったから公債を出す、そんなような無責任なことなら、これは普通なら内閣がつぶれるのでありますけれども、社会党が弱いので、残念ながらつぶすわけにいかない。これくらい大きな失敗はないわけです。これは福田さんばかりの責任じゃありませんけれども、こういうでたらめなことを理論づけて、いかにも公債政策がりっぱなようなことを言っておられるのでありますが、これは私としては片腹痛いと思うのですが、その点は一体どういうようにわれわれに説明していただけますか、大臣に伺いたい。
  21. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 これは大事な点ですから、少し詳しく申し上げたいのですが、佐藤総理は、前々から公債発行論を考えておられたのです。一昨年の自由民主党の総裁選挙のときに、三千億減税ということを言っておりますが、一体三千億の減税が一挙にできるか、こういうことになりますが、これは公債発行ということを考えられておったのです。佐藤さんの御意見は、国は借金しても国民を富ますべきである、そういう基本的な考え方に立っておったわけであります。しかし、総裁選挙では十票の差で破れて、その考え方実現できない。十一月に総理、総裁になっわけでありまするが、しかし、これが御承知のようないきさつで、話し合いだ、池田さんの政策をそのまま継ぐのだ、また、人事、つまり閣僚ですね、これは一人もかえないのだ、こういうことでやったものですから、やはりそういう根本的な財政改革をするというわけにはまいらなかったわけであります。それで、昨年の六月内閣の改造があった。よく新聞なんかでは自前内閣ができたというふうにいわれますが、そこで佐藤さんらしい新しい政策に取り組む、こういうことになったわけなんです。私は、大蔵大臣に就任したその日に記者会見だとかテレビの会見なんかを求められた。そのとき、すでに公債発行による財政政策転換をするのだということを申し上げたわけでありますが、そういう大胆なことを私は申し上げ得る背景というものがあったわけなんです。つまり、もう一年もかけてそういう問題を検討してきた、こういうことなんであります。そういうことで、何も突如として公債政策というものが生まれてきたわけじゃない。そのあとでこの税の落ち込みという問題が起きてきておるわけであります。四十年度においては、そういう臨時、非常の事態でありますので、財政法第四条の特例による公債を出すというふうにいたしましたが、私どもが年来考えておりました公債政策による財政転換ということは、四十一年度からこれを実行するという形になってまいりました。四十一年度財政法第四条による公債だ、こういうことになってきておるわけであります。
  22. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 理屈は幾らでもあとでつきますから、じょうずに言われればけっこうだけれども、私たちはそう理解はしていません。  そこで、これからの方針もいろいろきまるわけですが、最近の三十六年からの五年間の間に、御承知のように予算が大体二〇%ずつ膨張しております。それから、財政投融資も、大ざっぱでありますが、やはり平均二〇%ずつふえておるわけです。そこで、そういうことをやっておきながら、この上に公債が出る、そうしてその結果、通貨が膨張してインフレの傾向になる——インフレと言いませんけれども、インフレ傾向になるというような考えを私は持っておるわけです。そこで、いつまでこれをふやしていくのか。三年先まで二〇%ふやしていくのかどうか。その点、大型予算ということが問題になっておりますけれども、とどまるところがないのじゃないかという不安が国民の間に起きておる。これはあと物価問題とからんで御質問しますけれども一体政府はどの点が焦点でこういうようなことをやっていかれるのか。これは福田さんが永久に大蔵大臣をやっておられるわけじゃありませんけれども、そういう見通しをひとつ伺いたいと思います。
  23. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 公債政策をとりましたゆえんは、いろいろあるわけでありますが、一つは、財政経済というものが一体的に働かなければならぬ、こういう考え方であります。つまり、経済の動きに対して財政が有機的な動きを示すべきである、こういう考え方になるわけであります。民間経済が好調であるという際には、財政規模はやや押えぎみのほうがよろしい。また、民間経済不況の際には、その不況を補う意味において、財政はやや積極型がよろしい。そういう財政の弾力的な運営をはかるということは、均衡財政という考え方ではなかなかむずかしい。逆に働く可能性があるわけです。つまり、景気がいい、租税収入がうんとふえる、したがってこの際大いに国の事業をやってしまえ、こういうようなことになる。過去のいきさつがそれを端的に示しておるわけであります。公債をもって財源とするという際には、それが非常に弾力的に運営し得るというふうに考えるわけであります。そういう考え方からいいまして、今後のことを考えてみますと、昭和四十一年度、これは非常に民間活動が低迷の時期に当たるというふうに考えるわけであります。つまり、民間設備投資のごときは大体横ばいというような程度じゃあるまいか。それから昭和四十二年度、四十三年度という時期も大体四十一年度と同じような状態が、これは大きく見ての話でございますが、同じような傾向が続くんじゃあるまいか、そういうようなことを考えますと、この期間におきましては、財政は積極的な働きをしなきゃならぬ。したがいまして、その調節弁である公債は、やや多額のものが、四十一年度、四十二年度、四十三年度と続いて発行されるようなことになろう。しかし、そういう経過を経ながら民間経済力もだんだんついてくる。私は四十四年度、四十五年度あたりが境目になると思うのであります。これがどういう動きをするか。しかし、日本の経済公債発行政策主軸とする経済政策によりまして回復するという時期は、必ず四、五年先には来るであろう、そういう際には租税収入のほうは高まってくるわけであります。そうしてだんだんと公債発行額は縮めていけるようになってくる、かように考えるわけであります。これは過去の日本の経済の動きが今日と非常に似た動きを示しておるのであります。昭和七年に予算の三割に及ぶ公債発行というものが行なわれた。それが八年、九年と続いたわけです。そうすると、もうすでに租税収入に非常に大きな変化があらわれてきております。十年には公債を減らし得る、こういうような状態になってきておるわけであります。私どもはそういう過去の経済の歩みなんかも見つめながら、これからしばらくの間の財政運営をしていきたい、そういう考えを持っておるわけであります。
  24. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 そこでひとつお伺いしたいのは、これは予算委員会でも、私のほうの勝間田君の質問に対して総理も大臣答弁しておられましたが、当面の問題は、やはり昨年から例のない大不況で、倒産は歴史を破ったほどの大倒産がたくさんありました。そこで、当面の経済政策不況を克服するということがおそらく主眼点だと思うのですが、その点は間違いありませんか。
  25. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 不況回復すると同時に、この不況回復過程で今後の経済を安定成長の路線に乗せる。つまり、その中心は物価の問題であります。物価を中心とする安定経済路線の設定、これを不況回復過程から生み出していく、この二つを目的としておるわけであります。
  26. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 そこで、私たちがどうしても納得できないのは、その景気上昇させるということと、物価が上がるというこの問題だと思うのです。  そこで重ねてお伺いしますが、景気を刺激するような大型予算を組むと消費物価がたいへん上がってくると私は見ている。そこで大型予算物価上昇促進するということになると思うのですが、景気を刺激するようなものによって当然購買力がふえてくる。需要がふえれば物が上がってくる、こういうのは経済原則だと思うのですが、そこで、予算景気をよくするようになれば、物価がどんどん上がってくる。そこで、四十一年度予算物価を上げる予算だとわれわれは解釈するのです。私は景気をよくするということは、同時に物価をつり上げるという結果になるということを考えておるのですが、この点をわれわれにわかるように説明していただきたいと思います。
  27. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 一体物価と言われますが、あなたは消費者物価のことを言われておると思うが、消費者物価はなぜ上がるかというと、私どもは、中小企業やあるいは農村、特に農村であります。農村の出産性が労銀の上がりとか、そういうものを吸収し切れないというところに問題がある、こういうふうに考えておるわけです。つまり、景気が悪ければ消費者物価というのは、ほんとうはうんと下がるべきはずなんであります。それが下がらない。下がらないゆえんのものは、そこに問題がある。これを世の中じゃ構造的なんとかいうことばで呼んでおるというふうに思うわけでありまして、この経済の需給の動きと別に消費者物価というものが動いておる、そこにこの問題のむずかしさもある、私はこういうふうに考えておるわけであります。そういうようなことで、第一のお答えといたしましては、いまの消費者物価の動きは、そう過去の経済循環のような密接な関係はない、こういうふうに考えております。  それから第二は、今日の経済情勢は、需要を喚起いたしましても需給のバランスが破れるという状態じゃない、供給力が非常に過剰な状態になっておるという点であります。この過剰の度合いというものは非常に高いのであります。いろいろの見方があるが、大ざっぱに見て三割くらいの設備が遊んでおる。これをデフレギャップというようなことばで呼ぶ人もありますが、なかなか一挙に埋め尽くすというようなわけにはまいらない。これを埋め尽くすには二、三年はかかると思うのであります。そういう状態下で四十一年度予算が相当膨張した。これは、私は、経済の動きに対しましては、いい効果はありましても、悪い面は出てこない、特に物価問題につきましてマイナスの面は出るはずがない、こういうふうに考えておるわけであります。
  28. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 非常に矛盾が出てくると思うのですが、大蔵大臣が毎日新聞の経済部長の質問に答えられて、きょうその回答が出ております。そこで、福田さんは直接は言われませんが、大体いままでの政府の方針では、消費者物価が上がっても、賃金が上がっておりますから、こういうことを一般的に言われておる。そこで今度はこんなたわいもない答弁——いま福田さんは言われませんけれども、そういうように解釈されておる。しかし、物価を下げるために賃金をストップさせたらどういうことになるかといえば、これは国民の購買力が減るのですから、逆に不景気がどんどん進行するというような結果になると思うのです。これは非常に私たちが考えた点で、いま福田大蔵大臣考えておられる景気の刺激とそれから物価対策というものとは全く矛盾した一つの形が出てくる。もしあなた方が景気をよくしようと思えば、これは購買力がふえなければ景気はよくならない。その一方においては、賃金をストップさせるということになれば不景気がまたもとに戻るんじゃないかというような矛盾が出てくるので、この点をどのように調整されていくのか、これを福田さんに伺いたいと思います。
  29. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 それは非常にむずかしい問題で、一挙にこれを解決するという道はないと思います。私は、消費者物価問題は、ただいま申し上げましたように、景気が悪くなれば引っ込むとか、よくなれば上がるとかいう景気循環の問題でなくて、農村、中小企業という二重構造といわれるそこの問題ですね、そういう本質的な問題を抱えての物価問題である、そういうふうな認識を持っておるわけであります。ですから、非常に長期的な角度からいいますれば、これは中小企業とか農村の近代化合理化、これに熱意を持って、粘り強く努力をしていくということ——これはしかしそれだけで手が尽くせるか、尽くしたかということじゃありません。日本の全経済の中の流通機構の問題、あるいは労働需給の問題、まあ、いろいろあります。そういう問題につきましても、きめこまかく手を尽くしていく、長期の、それから当面の、あらゆる考えられる施策を粘り強く、総合的に進めていくということによってだんだんこれが解決されていく、私はそういうふうに思います。いま賃金が上がる、賃金が上がることは私も非常にこれを期待しておるわけであります。しかしながら、賃金が上がりましても、物価のほうが上がるものですから、やはりそれがはね返って実質賃金の値上がりというふうにならない。私はそれは非常に残念なことだと思います。そういう事態を克服するためには、どうしても物価問題に目を向けなければならぬ。私は、先ほどから、景気回復もこれは大事なことである、しかし、それもさることながら、同時に経済を安定させなければいかぬ、その安定のかなめは物価の安定である、こういうふうに申し上げておるゆえんはそこにあるわけであります。
  30. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 福田さんが盛んに強調されるところのいわゆる農業の近代化中小企業近代化というようなことについては、これはごもっともであります。それならば、一体四十一年度予算にどれだけ組んであるかというと、わずか百六十億円です。百六十億円でそんなことがうまくできるかどうかということは、これはわれわれは納得できない。  それからもう一つ問題になっておりますのは、御承知のように、大都市周辺に地価対策というのが全然講じられていない。これが、御承知のように物価騰貴の大きな原因になって、数年前に笠信太郎氏が花見酒の経済という中で、日本の政治の中で一番大きなウイークポイントは、土地抑制対策がないということが大きな原因であるということを言われた。私はこの委員会でも質問をしたことがありますが、そういう点について全然触れていない。私は、これは非常にむずかしい問題で、土地の抑制、これに税金をかけるようなことはむずかしいけれども、そういうところで物価を押えるような道が講ぜられなければ、なかなかいまの物価上昇を押えることはできない様相だと思うのですが、この点は一体どのように考えられますか、お伺いしたいと思います。
  31. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 ぼくは、土地政策というのは、これは経済の中の一つの大きな根幹の問題であるという認識を持っておるわけです。それで、昨年の一月、私は自由民主党を代表して、佐藤総理に本会議質問をしたことがあります。そのときも、土地というものは普通の商品と違うんだ、これは憲法では私有財産ということが認められておるけれども、その認められておるワクを越えるととはできないにいたしましても、これは特別の考え方をとるべきであるということを切々と申し上げたことがあるわけであります。これは、土地に対する基本的な考え方転換しなければならぬ、こういうふうに考える次第なのでございますが、今度の予算執行する——まあ公共事業を行なうにいたしましても、土地の問題というのはどうしてもまず解決せられなければならない問題であります。そういうことでありますが、内閣といたしましても、土地に対する考え方を、私が質問演説を通じて申し上げましたような趣旨で統一をいたしまして、今度土地立法、つまり、当面考えておりますのは土地収用法の改正でありますが、これを根本的に改正をする、また、税法の面におきましても、これと見合いをとりましていろいろな改正をいたす、これは当委員会において御審議をお願いをするわけであります。逐次そういう方向で、土地政策というものを考えていこう、しかし、同時に土地問題、ことに地価の問題は、やはり大きな経済原則のワクからそれるわけにはいかないわけであります。そういうことで、土地の需給という角度からの検討も必要と考えております。そういうふうなことから、今度土地造成のためのいろいろな施策昭和四十一年度予算の中でお願いをいたしておるわけであります。今後とも、土地というものにつきましては、その地価の問題を含めまして、ただいま申し上げました、根本的な考え方を変えていくんだという角度で進めてまいりたい、さような考えであります。
  32. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 同僚議員からも質問がありますから、あまり詳しいことはできませんが、私、昨年モスクワに行きまして、モスクワの庶民住宅の建設のすばらしいのを非常にうらやましく見てきました。これは、ソ連は土地が国有でありますから、土地問題がないということが大きな原因だと思うのですが、大蔵省のほうでも、これは建設省と関連して、都市に対する住宅問題とからんで、土地の急激な値上がりに対する根本的な対策を立てられる考えがあるのか、またやっていかれるのかどうか、この点をひとつ伺いたい。
  33. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 建設省から土地収用法の改正案が出るわけです。この考え方基本は、いままでの土地収用の基準価格、これが収用時の価格になるわけであります。これはごねた人がどうしても得をすることになるわけです。それは不公平だという考え方のもとに、計画を設定をしたその時点における価格をもって収用するというふうな改正を行なうことになりました。そういたしますと、たとえば東名高速道路ができる。その道路のために土地を収用された人は安い価格で収用されるいうことになりますが、そこにインターチェンジができますと、その近傍の土地が値上がりをするわけで、その近傍の人の土地というものは高い値段で売られるわけであります。そうすると、収用を受けた、公用に供したという人と、それから近傍の人との間にどうしても不公平が生ずる。そこで、その不公平を是正しなければならぬ。これは租税政策でいくほかはないというような考え方のもとに、今度税制改正をお願いする、こういう考え方をいたしておるわけです。  それから、予算の支出面におきましても、あるいは財政投融資の面におきましても、宅地の造成というものを大いにやろうということで、予算、また投融資の用意をしております。  それからもう一つは、過密都市的な感覚も土地政策には入れなければならぬというような考え方から、都心に大いに住宅地をつくろう、その宅地を政府の援助のもとに開発しようというような計画も、今度の予算案に出ておる次第でございます。
  34. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 時間がありませんからあまりくどいことは申しませんが、私がお願いしたいのは、少なくともこの景気の問題と物価の問題というのは、非常にむずかしい問題で、非常に矛盾の多いものだと思いますので、これは十分に検討していただきたいということと、もう一つは、この間の予算委員会のわが党加藤清二君の質問で、山一証券の問題で、わずか二十二億二千八百万円という担保で二百八十億円の金が大蔵省の特別融資で借りられたということになるんですが、これは福田さんの前の田中さんのときにやったんですけれども、こんなことが許されるということになれば、日本の銀行というものは、このくらいの担保を取ってやっておったら全部つぶれてしまうと思うのです。この点はあまり深いこと追及しませんけれども、どのように解釈されますか、わかりやすく説明していただきたいと思います。
  35. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 昨年の五月ごろの経済情勢を振り返られると御納得がいくんじゃないかと思います。あのころは、設備過剰というデフレ圧力が経済の全面をおおうというような状態であり、倒産、破産もどんどん出てくる、また株価は底知れずの低落状態である、こういうような状態であります。そこへこの数年間企業間信用というのが非常に幅広く張りめぐらされてしまったわけなんであります。そういうような経過から見まするとき、日本経済の一角に何か重大な変化が起こるというようなことになると、一波万波を呼んで、これが信用恐慌、つまり日本の信用機構が麻痺し、混乱をするという状態ができかねないときだったわけであります。そういうときに山一問題というものが露呈をいたしてきたわけであります。山一は、御承知のように、日本の証券界では屈指の大会社である。ここに問題が起こるというようなことになると、まさに崩壊寸前の日本経済の一角に火がついたということになることが必至である、そういうふうに考えられたのでありまして、これはほんとうに日本銀行とすれば伝家の宝刀でありまするが、二十五条を発動するということになったわけであります。これによって、日本経済が非常な混乱になるということを防ぎ得たのであります。かように考えております。
  36. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 まだ申し上げたいことがたくさんありますが、中央銀行のあり方について、これは日銀法の改正とからんでこれが問題になると思うのですが、こういう問題は私たちがどうしても納得できない点が多々あります。そこで、日銀法の中央銀行としてのあり方、それからわずか二十二億円の担保で二百八十二億円も借りられるということ、こういうことはだれも納得できません。もし金融撹乱が起きればということで、政府がそういうことをおやりになるとすれば、私立大学が混乱を起こしておれば、当然これはほかにも波及しますし、何とかしそうなものだが、これはやらない。どうもその点が国家としては片手落ちだと思います。  最後にもう一点、貿易問題について一言だけちょっとお伺いしたいと思います。これは先回にも、福田大蔵大臣が就任された当座に、日ソ貿易の問題、日中貿易の問題を私がここで質問いたしましたら、たいしたことはないようなことを言っておられましたけれども、最近ソ連側も日本に対する好意を持ってきたということと、日本の財界も百八十度転換しまして、このごろは日ソ貿易の問題が真剣に討議されるようになりました。中共貿易は吉田書簡がなかなか問題になっておりますが、少なくとも日本の貿易の独立性から考えて、日ソ貿易でもひとつ力を入れてやったらどうかということが各方面でも言われておりますし、同時に、アメリカ一辺倒ではたいへんだということで、だいぶ財界のほうもゆれておるようであります。この点について、福田さんが大蔵大臣になられた当時と同じような御意見を持っておられるのかどうか。日本の経済の独立のための貿易の問題についてどのようなお考えを持っておられますか、これを最後にお伺いしたいと思います。
  37. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 あの当時と考え方は変わってはおりません。つまり、ああいう政治形態の変わった国との経済交流は、これは政経分離でいくほかはない、政経分離のもとに経済発展をはかるべきである、こういうふうに今日といえども考えております。
  38. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それでは、これで終わります。
  39. 三池信

    三池委員長 只松祐治君。
  40. 只松祐治

    ○只松委員 きょうも財政方針のもとに所信表明があったのでありまして、いろいろなことを大臣おっしゃっておりますが、私たち大蔵関係国民に最も関係のある、あるいは大事なことがたくさんございます。その中の一つ、先ほどから佐藤さんも論じましたけれども、いまの段階が経済のどういう段階に当たるんだというようなお話がございました。ほんとうは、時間があれば、いまの自民党の佐藤内閣がとっておる中期経済計画が途中で変更になったり、あるいはいろいろな計画が立てられたり、そういうことをしておる不定見な経済政策についてまずお伺いしたいと思いますが、それはやめます。  ただ、国民が一番関心の深い物価の問題、インフレの問題について、大蔵当局なり大臣は、これを経済構造の面から、インフレではない、こういうことを盛んにおっしゃっておるわけなんです。しかし、国民生活の面から見れば、すでに去年で七・五%か六・五%上がっておるわけなんであります。でありますから、国民生活の面から見れば、これは明らかにインフレだと思うのです。単なるいわゆる公式的な経済学という面から見れば、福田さんはオーソドックスな経済学者だそうでございますから、そういうお答えもあるかと思いますが、国民生活の面から見れば、こんなに物価が上がって、ことしもまた五・五%とかおっしゃっておりますけれども、とてもこれではとどまらない物価上昇である。こういう面から見れば明らかにインフレだ、こういうふうに私は見るわけでありますが、この見方に対してどういう見方を持っておられるか。あるいは、これも繰り返しお聞きになり、説明されておるところでありますけれども、インフレでないとすれば、あるいはある面からは、経済構造の生産過剰の面から見ればデフレ的要因もある、こうお話しになれば、何かそこに物価を抑止する方策というものがあるのではないか、こういうことも考える。しかし、そういう面については、経済構造の面から、インフレでない、こういうことをおっしゃるだけで、そういう面からの物価の抑止策というものは何ら考えられないわけであります。そういう点が全然ないのかどうか、ひとつお伺いをしておきたい。
  41. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 今日の経済は、私はいろいろな見方があると思うのでありますが、現象として見ると、デフレの面もあるし、インフレの面もあるし、非常に複雑な経済状態でありまして、これを一口でどういう経済状態であるというふうには言えないと思うのです。インフレ、インフレといいますが、これはなかなか重大なことばだと思うわけであります。学問的な意味におきましては、いまお話がありましたが、札の値段が下がる、これがインフレということだろうと思います。それじゃ一体札の値段は下がっておるかどうかというと、これは卸売り物価は大体安定しておるわけです。卸売り物価の面の貨幣価値というものは安定しておる。対外価値も安定しておるわけです。しかし、われわれの生活に直結する消費者物価のほうは上がっておる。こういうことで、インフレなりやという面もまた非常に回答の困難な状態にいまなってきておるわけです。しかし、普通インフレ、インフレといいますのは、これは貨幣価値が下がって、これがどんどんと進行して停止するところがないという状態をさす場合が多いのでありまするが、そういう意味におきましては、私は絶対にインフレでない、こういうふうに考えるのです。インフレ論議がございましたから、そういうふうに申し上げたわけでございますが、しかし、とにかく消費者物価が上がるということは、これは非常にゆゆしい問題であります。私も年来これを憂えておるわけでありますが、先ほども申し上げましたように、これは構造的要因に基づくものが多いのであって、需給の関係はむしろ従たる関係にある、こう見ております。したがいまして、その構造的要因、つまり低生産性部門の生産性の向上に粘り強く取り組んでいかなければならぬし、また同時に、これと並行いたしまして、当面の問題である流通機構の問題でありますとか、あるいは労働の流動性の問題でありますとか、そういうような問題につきましても取り組んでいかなければならぬ。また、これだけ科学技術が進歩している世の中でありまするから、われわれの生活のあり方というものにつきましても国民全体が考えていくべきじゃないか、そういうふうにも考えておるわけでございます。とにかく、これは非常に重大な問題であるという認識のもとに努力していきたいと存じております。
  42. 只松祐治

    ○只松委員 まあ、インフレ論議をする時間もございませんが、札の値段が下がったのがインフレである、こうおっしゃったが、札の値段が、ことし一年だけとりましても、もう相当下がっておりますが、この数年来の札の値段をとれば一これは、大臣はあるいは直接お使いになる機会がないかもしれませんが、奥さんあたりに聞いていただけば、八百屋なんかに買いに行って、お札の値段がいかに下がっておるか、千円札を持っていった場合に、この二、三年来どんなに札の値段が下がっておるかということは端的にわかることである。ただこれは、恐慌状態におけるインフレ、それが通常インフレと呼ばれるものですが、私はそういう意味で言っているのではなく、あなたが俗なことばでおっしゃった札の値段がなくなってきておるのではないか、国民の消費面からインフレではないか、インフレである、こういうふうに言っておる。まあそういうことで、卸売り物価は上がってないけれども、消費物価は上がっておるというならば、結局卸売り物価から、消費される部面に至る流通機構なり何なり、ここいらに——それだけ卸売り物価が数年来上がらない、消費物価だけそうやって何倍か上がってくるということであれば、ここに問題点があることは明らかなんです。まあ物価対策委員会どもできておりますから、きょうは時間がありませんからそこまでやりませんけれども政府としても、ただ憂慮すべき問題だ、困っておるということだけでなくて、卸売り物価が上がらなくて、消費物価が上がる、そこにどういう流通機構の問題があって、どういうふうになっておるか、こういうことを的確に調査され、対策を講じられることが必要だと思います。ぼくら予算委員会に行っていろいろ聞いておりましても、きのうもちょっと発言しようと思ったが時間がなくなったわけですけれどもあと税制問題その他お聞きしますけれども、何か大所高所からだけ論がなされておって、ほとんどそういう具体的な詰めた議論というものが、予算委員会でもほかの委員会でも少ないように思うのです。政府側の答弁もそれでお茶を濁されておる。そういうことでなくて、困っておるとか、苦慮しておるということでなくて、そういう御答弁を私はいただきたいと思う。  次に、私は、福田さんのことをあえて言うなら、公債大臣だと言ってもいいと思う。戦後公債政策がとられなかったのに、福田さんの責任であるかないかは別にいたしまして、二千五百九十億円の公債を初めて出されて、今度七千三百億円出されよう、こういうことでございます。この場合も、常に減税をしておるし、あるいはいろいろなことをやっておるのだから、歯どめをやっておるからインフレにはならないのだ、あるいは公債のいろいろな面において心配ないのだ、まあ、心配があるとは、これはなかなか言えないだろうと思いますけれども、おっしゃっておる。ところが、たとえば、私はそういう意味の具体的な例からちょっと見てみますと、ある金融機関で三百億円の預金を持っておったとする、本年度約五千億円近く公債の割り当てがあった。来年度の四月以降の分七千三百億円の中から約四億円くらい割り当てがくる、再来年度さらに一兆円のものがくると約五億円、そのときは預貯金額の総額は多少上がるでしょうけれども、十億円の割り当てをその金融機関が持たされることになる。こういうことになるわけですが、五億円でも、六分八厘でいきますと、三百億円程度の預貯金を持っておる金融機関で大体とんとんのようです。銀行筋がちょっともうかるわけですね。五十億円とか百億円とか、零細の金融機関はこれは逆ざやになっておる。七分二、三厘くらいになるとか、そういうふうになってきますと、この三百億円くらい持っておる銀行でもとても十億円以上は持てない。もう十億円でも逆ざやになる。とんとんになる、ちっとももうからないというのが十億円かかえたのではもうたまらない。こういうことを言っております。こういうところから、おそらくこの金融機関でも五億円以上自分のところで公債をかかえれば、これは必ずいや気がさして買わないか、日銀に買ってもらわなければならない。こういう事態が起こることは必定でございます。これは再来年になれば大体そういう事態が起こってきます。これはもう端的に起こってきます。さらに私たちは当面経済が浮揚する見込みはないと思っておる。インフレでも大いにお進めになれば別でございますけれども、そうなると福田さんの総理大臣ということもちょっと望みがなくなるでしょうが、インフレをやらない、こういう経済施策でいかれるならば、これは明後年はたいへんなことになるだろう。それをさらに数年お続けになるということになれば、金融機関は一斉に反発してまいります。したがって、そういう面から、ただ幾ら出すかということにいままでいろいろお答えがありましたけれども、そういう具体的な面から、一体幾ら出していったならば、金融機関はいまの状態で無理なくまだ引き受けできるか、あるいは市中消化ができるのか、歯どめの一つの要因になっておる市中消化ができるとお考えになっておるのか。そういう具体的な面から見て、幾らくらい出すのが妥当だ、これは経済構造と経済の進行状況と関連してすぐお答えになれると思いますが、こういう具体的な面から見て、幾らくらい金融機関が引き受けてくれるとお思いになっておるか伺いたい。
  43. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 昭和四十一年度に幾らの公債を出すことが適当であるか、こういうことでずっと長い間検討をいたしてきたわけです。その結論が七千三百億円ということになってきておるわけであります。その結論はどうして出てきたか。こういうことは、一つは財政規模との関係があります。それからもう一つは、市中で大体消化というたてまえをとるわけでありますが、その消化が一体可能であるかどうか、こういうことであります。私は、昭和四十一年度という年は、財政は大幅にして、そうしていわゆるデフレギャップの一部を補う、こういうことが経済の立ち直りのためにぞひ必要であるというふうに考えたわけでありまするが、そういう角度からいうと、公債はよけい出すということになりますが、しかし、ただいま申し上げましたように、市中の消化というようなことを考えますと、そう出すわけにもまいらない。そういうことで、市中の消化ということを基準にいたしまして七千三百億円という結論に到達したわけであります。大体半年間のいろいろな話し合いの結果、この辺がまずまず適当であろう、こういうふうに考えられた結果がこの数字に相なるわけであります。今後の昭和四十二年のお話がありますが、この七千三百億円という基準がそうたくさん動くことはないと私は思っております。ことしの推移を見なければわかりませんけれども、おそらくそうあなたがおっしゃるように、これが一兆円以上になり得るんだという情勢でもないと思いまするし、まあ大体四十一年度について検討いたしましたその結果というものから出てきた七千三百億円というのが大きく浮動するということは私はないのじゃないか、そういうふうに見通しております。
  44. 只松祐治

    ○只松委員 七千三百億円がここ当面公債を出していくもののめどだ、こういうお答えのようでございますが、明後年一兆円となるようなことはない、あるいはそういうときに金利をもっと上げる、金利を変動させていく、こういうことも考えていない、こういうふうに見てよろしいのですか。
  45. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 金利の点はちょっとよくわからないのでありますが……。
  46. 只松祐治

    ○只松委員 金利の変動をしない、市中公募ができないならば金利を上げていく、こういうこともいまのところは全然考えない、こういうことですか。
  47. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 今日の金利体系の中で一体公債の利回りがどの程度で消化されることになるか、こういうことにつきましても、その額と並行いたしましてずっと検討を進めた結論が、すでに御審議をお願いいたしました昭和四十年度の国債の利回りであるということになるわけなのです。この利回りは、私は四十一年度債としてはまあそう大きく変わることはないのじゃないかという感じがいたします。ただ、たてまえといたしましては、これはシンジケートとの間に公債条件というものは協定をするということでありますから、そのつど変え得るというふうにはなっております。なっておりますけれども、まあ、今日の金融の情勢また金利の情勢、そういうものにここしばらくの間は大きな変化があるような気はいたしません。したがいまして、四十年度に慎重に審議の結果きめられましたこの公債条件が大きく動くというようなことはないのじゃないか、そういうふうに見通しておる次第でございます。
  48. 只松祐治

    ○只松委員 大きく動くことはないけれども、動く可能性はある、こういうことだと思います。これだけやっておりますと時間がございませんから、そういう御答弁に満足しておるわけじゃございませんが、問題を進めてまいりたいと思います。  次に、山一証券の問題について若干お尋ねをしたいと思います。  すでに政府のいろいろな施策によって二百八十二億円の巨額をまったく無担保、無利子、無催促というような形で山一にお貸しになった。ところが巷間あるいは新聞紙上いろいろなことが伝えられたり書かれておりますけれども、その後の山一証券の再建状況というものはどういうふうになっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。簡単でけっこうでございます。
  49. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 昨年の五月の時点では、再建はなかなか骨が折れるだろうというような見通しだったのですが、昨今株価が御承知のように非常な好調を示しております。また同時に、取引所における株式の取引額が非常に増加をいたしておるわけであります。そういうようなことから各証券会社の業況が非常によくなってまいりました。山一もその例外ではないのであります。十月、十一月、十二月の三カ月をとらえてみますと、十五億円ぐらい益が出るというような状態でございます。さような状態でございますので、たいへん御心配をかけましたが、山一の今後の再建、こういうものは非常にやりやすくなってきておる、こういうふうに考えておる次第でございます。
  50. 只松祐治

    ○只松委員 再建がやりやすくなってきたり、おっしゃるとおりよければ、旧山一を、まあセミの抜けがらじゃございませんけれども、事実上ここに負債をおっかぶせて、そして新山一をつくろう、特に明年の免許制の問題等も関連して、そういうこともいろいろ言われておるわけです。明年の免許制までにそういうことが好調でいっておるならば、こういうことはひとつも問題ないと思う。おそらくここ若干は、そういう多少黒字なり、よくなった面もあるかと思いますけれども、しかし、必ずしも私はこの山一全般の再建策——ただ部分的に、初め思っておったより、想像より多少いい、こういうことはあると思いますけれども、山一の再建のめどというのはなかなか容易ではない、こういうことから、結局新山一をつくるということが考えられておると思います。それでは新山一というものは何でおつくりになっておるか、私はちょっと理解しかねるわけです。どうして新山一というものが構想されておるのか。おそらくまだ構想の段階ということでごさいましょうが、新聞等にはいろいろな問題まで相当詳しく解説も出ておるわけです。大蔵当局としてはそこまでのことを関知されておるわけではないと思いますけれども、しかし巷間伝えられておって、それこそ二百八十二億円から出しておる大蔵省がそういうことを全然知らぬというのは、これまた不見識きわまりない話だと思います。ひとつおわかりのところをお教えいただきたいと思います。
  51. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 山一の再建につきましては、富士銀行をはじめ、主力三銀行が中心となりましてその再建計画を練っておるようであります。証券局のほうにもぼちぼち考え方の連絡があるようでありますが、まだ私までの段階に至らないのです。したがいまして、私としては、どういう再建策があるかということにつきましては、詳細を承知しておりませんのでございます。
  52. 只松祐治

    ○只松委員 大臣が承知しておられなければ、証券局長もお見えでございますが、あとのこまかいことはいずれまた日をあらためて聞きますけれども証券局長からお答えをいただいてもあれですし、それから私から言えば、証券局長あたりのところまでは相当わかっているけれども大臣が全然わからないというのじゃ——実は単に山一に二百八十二億円貸したということではなくて、山一の再建に二百八十二億円特別融資をしたということは、面接には証券界、日本経済全般がこの山一の倒産なりその動向によって左右される、こういうことでこの無法な融資を当時したわけですから、これは一山一の問題ではなくて、日本の証券界あるいは産業経済界に対して大きな影響を持つ問題だと思う。それを再建やその他について、大蔵大臣が今日の段階において知らぬ——知らなければ私がずっと詳細に、何ならお教えしてもよろしいのですけれども、私のほうからお教えすればいろいろ差しさわりがあるのじゃないですか。だから、全然知らぬという形じゃなくて、ある程度の構想ぐらいはお話しになったほうがいいのじゃないかと思いますが、いかがです。
  53. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 三行を中心とする再建案の具体的なことは私は報告を受けておりません。ただ私が申し上げておりますのは、とにかく山一はその経営を合理化しなければならぬ、そうして特融まで受けておるのですから、そのあと始末をきちんとしなければならぬ、それにはやはり大債権者も犠牲を負わなければならぬ、また会社自体も責任をとらなければならぬ、こういうことを根幹として再建策が進めらるべきである、こういうことを申しておるわけでございまするが、その動きが現実にどうなっておるか、これはまだそう急いだ問題でもございません。私の手元に報告が来ないといっておかしいという状態ではまだないのであります。
  54. 只松祐治

    ○只松委員 私がずばり言うなら、新山一はそれだけ旧山一が——まだ新ができていないのですが、山一の再建がうまくいっておるならば、新山一は必要ではないと思います。なぜそういうふうにうまくいっているにかかわらず新山一をつくらなければならなないか。つくるということはもう既定の事実ですよ。これは、今日なんぼあなたが知らぬ存ぜぬと否定されようと、新山一ができるということは、これは既定の事実です。私は、これをつくらないならつくらないとおっしゃっていただきたい、できないならできないとおっしゃっていただきたいけれども、今日の段階に及んでもこれだけの重要問題を全然知らない、こういうことでは委員会軽視もはなはだしいと思う。ずばり言うならば、新山一をつくる理由はなんだ、それをお聞かせいただきたい。具体的な問題も私は知っていますが、そこまでは聞こうとは思っていません。
  55. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 まだ大蔵省の段階で新山一をつくるという方針をきめておりません。
  56. 只松祐治

    ○只松委員 それじゃ、新山一をつくることを好ましいとお考えになっておるか、好ましくないとお考えになっておりますか。
  57. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
  58. 松井直行

    ○松井政府委員 お答え申し上げます。  大臣から御答弁がありましたとおり、現在主力三行におきましていろいろ案を練っておる最中でございます。まだ最終的に固まった案としてわれわれのところへ出てきたものはございません。いろいろ新聞に出ております記事は、おそらくその過程においていろいろな案があったことが新聞に出たものとわれわれは理解いたしておりますが、いまおっしゃいました経理の合理化といいますか、人員、店舗とも非常に合理化が進みまして、昨年五月再建計画を発表いたしましたときの目標額まで合理化が進んだことは事実でございます。あの当時も申し上げました東京の一日の出来高八千万株を基準として進めてまいっておりますが、御存じのとおり昨今それを相当上回る市場でございますので、収益力経済能力から見まして、この際前向きに再建計画を実行に移す段階がきておるということは仰せのとおりであります。そのときに経理内容一体どういうふうに立てていくか、これは全く技術的な問題であろうと思います。終戦後の日本の産業の立て直しをはかりますときにも、同じ企業の中で新旧勘定を分離した方法もありますし、あるいは全然新しい会社をつくりまして、一般の信用力といいますかをつけ、かつまた、経営者としましては、従業員の士気を鼓舞するという意味もありまして、りっぱな新会社をつくり、それがあげた収益でもって旧会社の負債を漸次埋めていくというような、いろいろな方法もあるわけでありまして、一体何がいいかということは、現在経営者及び主力三行が、単にそうした収益力ということだけじゃなしに、さらに一そう合理化が進むかどうか、あるいは今後の証券市場全体に与えます信用回復の程度といいますか、非常に信用を失ったわけでありますが、特融を受けたという趣旨、こういう事態を乗り切るためにはどういう形にしたほうがいいだろうかということで、いろいろ案があるようでございます。そうした、新旧勘定を分けるか、新会社をつくるか、あるいはいまのままでいくかという問題は、全く技術的な問題でありまして、諸般の状況を勘案しながら、いま大臣がおっしゃいましたように、的確に日銀の借金を返済し得るということ、信用秩序の維持に役立つことよりも、むしろ前向きに証券界全体の信用を獲得する方向に進むにはどうあるべきかということ、及び大債権者、株主というものがどの程度負担を負うのが国民感情として最も適当な方法であるかというような点について、三行がいろいろいま案を練っておるところであろうと思います。その新会社をつくるかどうかということは、その中の非常に重要なことでありますけれども、会計を分ける際の技術的な問題の一つでありまして、そういう道も考えられ得ることであろうと思います。
  59. 只松祐治

    ○只松委員 こまかいことを聞けば、利子を免除するのかしないのかとか、ずっとたくさんあるわけですが、きょうは時間がありませんから、そこまで聞こうとは思っていないのです。新会社を設立する、非常に好調ならば別に何も——たとえば、製造会社ならば、行き詰まれば会社更生法を適用いたしますし、これにはいろいろな方法がある。ところが、そういう株の商行為を行なっている会社ですから、いわゆる製造会社と違うのです。こういうところにいままでの会社をそのままおいでおいで新しい会社をつくっていく、巷間伝えられるところによれば、二百八十二億円の日銀融資あるいは四十二億円の欠損、子会社の四百億円の貸し付け、そういうものは全部旧会社に負わせておいて、新会社は、銀行等から貸しておる金をそのまま出資した形にとって、銀行が傷つかないでしていこうとか、いろいろなことが計画されて、すでに新聞等でこれは相当こまかく書かれているわけですよ。そういうことを二百八十二億円も貸し付けておる政府側が——単に貸し付けたじゃなくて、日本の証券界、産業界全般に及ぼす内容を今日まで全然知らないというのでは、私はたいへん不本意だと思う。知らぬのじゃなくて、言えないのだろうと私は思うけれども、それにしたところで、大体新会社をつくるのが好ましいとか好ましくないとか、そういう程度のことはおっしゃったっていいと私は思いますよ。そういうことを、説明はけっこうですから、好ましいなら好ましい、やむを得ないならやむを得ない、好ましくなければ好ましくないと、ひとつずばりとおっしゃっておいていただきたい。
  60. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 新会社をつくるか、あるいは会社の中に新旧勘定を設けるか、そういうようなことは技術的な問題で、まだそういう論議の段階まできておらないのです。いずれにいたしましても、山一証券は特融二百八十二億円を借りたわけでありまするから、これの処理はもうほんとうに適正にやらなければならぬ。いずれ再建案が会社側から出てくる。そういう際には大蔵省といたしましてもこれを検討いたしまして、その検討に基づいて、国民全部が納得できるような再建案をまとめ上げていきたい、こういう気持ちであることを申し上げておきます。
  61. 小林進

    小林委員 関連して、この機会ですから大臣にお伺いしておきたいと思うのです。  先ほどから、山一証券は一企業会社ではあるけれども、これが倒れると日本の経済に影響するから政府が介入して二百八十二億円の金をお出しになったと言われるけれども、世間はそう思っておりません。世間は、山一証券の場合は政府との結びつきが強くて、選挙のたびに多額の金を献金するから、だからこれは政治家の責任において特に政府はごめんどうを見たのだ、こういうものの見方をしております。そこで私のお尋ねしたいのは、こういうことをときどきの判断に基づいて——資本主義であるから、大きな会社で今日幸いであっても、いつ倒れるか、あす倒れるかわかりません。そのつど、政府というか、政党というか、政府の中におけるボスというか、その人の判断で、助ける会社、助けない会社ができたのじゃ国民はあぶなくて見ておられない。そこでひとつ、今後とも一企業会社の中でも、どの会社とどの会社が倒れた場合には政府はちゃんと金を出して助ける、こういう企業会社は、国民関係はあるけれどもそれは助けないのだというようなことが、だれが見ても、第三者がはっきりわかるように、山一証券に準ずべき政府が助けるべき会社を資料で出していただきたい。答弁は要りません、時間がありませんから。私は、いまのこの再建方策についても、新山一をつくるというけれども、一々政府が介入してそのめんどうまで見る、とてもこういうことは納得できませんから、以上、ひとつ資料でお願いいたします。
  62. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 これは山一という一会社に問題があるわけではない。問題の根源は日本の信用機構というところにあったわけであります。そういうような意味合いでありますので、いま小林委員は、どの会社が倒れたらこれが発動されるかというお話でございますが、そういう考え方はいたしておりません。したがいまして、御要求の資料は、まことに残念でございますが、作成することが不可能でございます。
  63. 小林進

    小林委員 それならば了承できない。それは一山一証券で、その理由に基づいて——山一同様に日本の経済の信用に影響する例が確かにあるはずです。たとえていえば、われわれが考えても、銀行の場合もありましょうし、あるいは三菱銀行が倒れるとか富士銀行が倒れると、山一証券以上に大きい影響があるでしょう。そういうような、あなたのおっしゃるような理論に基づいて、山一同様、日本の経済、信用その他に影響する企業会社はこれとこれとこれだ。これが倒れた場合には政府は二百八十億円も貸す、小林商事会社が倒れても一銭も出しませんというように、ひとつ明確なあなたの理論に基づいて具体的な企業会社をお示しいただきたい、こういうことでございます。
  64. 只松祐治

    ○只松委員 次に、税金の問題を少しお尋ねをしてみたいと思います。  きのうも予算委員会質問する予定でございましたが、時間がなくて質問できなかった。きょうの大蔵委員会の冒頭でも多少御論議がありましたように、予算を使う問題については非常にはでですし、いろいろな御論議があるわけですが、予算といっても、その裏づけをなすものは、九四、五%というのは、ことしは若干下がりましたけれども、税金なわけです。この税金の問題についてはなかなかそこまでの御論議をする時間がない。去年も税小は一ぺんしか開かない、こういうでたらめな運営ぶりでございました。ひとつ税小もぜひ開いてもらいたいと私たちは思っております。そのくらいですから、税金の場合には、税法だけではなくて、課税、徴収、こういうものが非常に問題になってくるわけです。むしろ税法そのものより実際上の税務行政というものが一番重要になってくる、こう言っても過言ではないと思います。昨年の暮れ、二十三日でしたか、本委員会においても年末に徴税の強化をしないように、こういうことで委員会の満場一致の決議がございました。具体的にこれがどういうふうに末端にまで取り扱われたか、ひとつあとでけっこうでございますが、これをまず一点お答えをいただきたいと思います。  それから、そういうことで私たちのところに近ごろたくさんの税務行政上の陳情が参ります。それを聞きましても、あるいは過日税理士法の改正がございまして、私も税理士さんたちと仲よくなったりして、いろいろ税理士さんからお話も聞きます。こういうお話も聞きますと、徴税攻勢が非常に激しい。査察件数が、ところによると去年の倍ぐらい大体査察が行なわれておる、こういうことがございます。あるいはまた、いままでは一年で済んでおったのが、三年ないし五年遡及して行なわれておる、こういうことが言われておりますけれども、そういうことがあるかどうか、あるいは国税庁なり大蔵当局としては、そういうふうに、いわゆる税収が不足して、予算に大きな穴があくから、ひとつ大いに取れるものは取る、取るなということは言ってないでしょうし、取れということを言ってあるかもしれません。そういう苛斂誅求までして、しぼり出せるものはしぼり出せ、こういう方策であるかどうかお尋ねをいたしたい。
  65. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 経済界はこういう状況でございます。これは大企業はもとよりでございますが、不況が長引きますと、中小企業は非常に困難な立場になると思います。そういうようなことを考えまして、税の執行には無理のないようにということを特に心がけておるわけであります。税収が落ち込んだからそれを徴税の強化によって取り戻せというがごときは毛頭考えておらないところでございます。この上とも税の執行は適正を期さなければならぬし、無理があってはならぬ、こういう心がけでいきたいと思っております。
  66. 只松祐治

    ○只松委員 大蔵省当局から出しておる毎月のこの統計をずっと見ましても、たとえば、この十二月分の、今月出しておる統計を見ましても、申告所得税の申告分において二・八%、百六十二億円、それから源泉分は〇・〇二%、平均しまして一・四%、所得税はパーセントにおいて、金額において上がっております。法人税のほうは四・七%下回っておる。ずっとこう見ておりますると、所得税相続税は、これは評価が上がったということだろうと思うのですけれども、こういういわば確実に取れる源泉、それから申告に基づ所得税相続税というものはずっと上がっておる。私は税務署に二、三参りましてお尋ねをした。君のところの税務署——全国にある個々の税務署はどれだけあるかと聞いたら、私のところはわかりません、毎月統計は本庁のほうに出していないか、出しておりません、こう言って私に教えないわけなんですが、それじゃ教えなくてよろしい、末端税務署が出しておらぬのに本庁で出しておるのはどういう理由かとこの間聞いたが、そういうことで、私はきょうもまたあわせてお聞きしておきたいと思いますが、そういうふうに末端税務署からとらないで何の統計によっておるのか。具体的な例はあとでずっと聞きますけれども大蔵省の出した統計によっても、こういう申告分や、俗にいう取れると思われる税金は上がっておる。法人税や何か、強いものは結局税金は取らない。取れないものはなかなか取らない。しかし弱いものとか、取れるもの、こういうものからは税金を取っていく、こういう傾向というものは近ごろきわめて顕著でございます。これは、言われるように、税務職員の方も少ないし、いろいろ徴税上の問題子、の他もあることは十分知っておりますけれども、そういうことを了承しても、なおかつ、こういう統計やその他を見てもきわめて税務行政に誤りがあるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、いかがですか。
  67. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 さような傾向はないと思います。現に最近の傾向は逆でございまして、たとえば、一億円以下の法人と一億円以上の法人をとってみますると、一億円以下の法人の納める法人税のシェアは減ってきておる、こういうような状態でありまして、これなどは、いまお話のことと全く逆の数字というふうに理解をいたしておるわけであります。とにかく、徴税にあたりましては、大きなものは楽にする、小さなものは過酷にする、そういうことは断じていたしませんから、ひとつよく御理解のほどをお願いいたします。
  68. 只松祐治

    ○只松委員 たびたび政府側ではそういう御答弁ですが、吹原事件のときの森脇にしてもしかり、あるいは山陽特殊鋼のことにしてもしかり、その当時だと絶対にない——五分ないし一割、一割何分配当しておって、証券局には黒字だといって報告しておるけれども、一方国税庁に対しては赤字だということで一銭の税金も納めていない会社がたくさんあるのではないか。これは税法上の背任行為その他に該当するし、税法に違反するが、法律上の問題もあることだし、とにかくこういうことがたくさんあるということを指摘しても、そのときはないないとおっしゃるけれども、その後ぼろぼろ出てきた。私もあとで多少資料を出しますけれども、そういうことがあるわけです。ないということは、私はたいへん不満である。あるけれども、これを順次改めていきつつあるとか、こういうふうに大会社やなんか改めておる、こういうふうなことならば、これは私もなるほど御努力あとというものは見受けますけれども、そう一方的に突っぱられて、ないと、こういうふうなことをおっしゃるのだったら、多少皆さん方の中で秘密にわたる事項等もあって御迷惑を及ぼす向きもあると思うけれども、私は資料を出して、最高級の、たとえば赤坂かいわいの料理屋なんかの税金を私は持っておりますから、そこいらがどういうふうになっているか、末端のものがどういうふうに取り調べられているかということでひとつ論争をいたしてみたいと思います。いかがですか。絶対にそういうことはありませんか。あるけれども、こういうふうに改めておるというふうに、それは国税庁長官でもだれでもいいけれども、御返事があればひとつ……。
  69. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 それは徴税のことであり、人間のすることは間違いがないとは私は言いません。また、見落としがないということを否定するわけじゃございませんけれども、あなたは大きなものは宥恕するのだ、小さいものには強く当たるのだという方針でやっておるかのごとくお話なものですから、そういう考え方はいたしておりません、こういうふうに申し上げておるわけであります。今後とも適正に行なわれるように努力をしてまいります。
  70. 只松祐治

    ○只松委員 本会議が二時にきまったそうでございますので、全部こまかくあげてと思いましたが、あと野口さんがおいでになりますので、たいへん弱ったことになったのですが、たとえば法人でも同族会社の小さいやつですと、十五万円の月給を取っておる社長がある。そうすると、その十五万円は高過ぎる、それで社長は十二万円にしろ、こういうことで三万円だけチェックをして、過去十五カ月間遡及して四十五万円ですか、これを法人の利益とみなして取っている。これは一例でございます。こういうふうに、これは相当大きな店をやって、同族会社ですけれども、そういうふうにまじめにやっておるところは、それは源泉所得税を払っておるわけですけれども、それでもなおかつ高いと、こうおっしゃる。今度は大工、左官、そういう職人の白色申告、これは徴税はなかなかむずかしいところでございますけれども、ある団体に加盟をしておる、その加盟しておる団体を脱退するならば幾らまけてやるけれども、脱退しなければ、とにかくこれだけぶっかけるぞ、こう言っておどし上げてくる。あるいは、御承知のように、幼稚園というのは本来国なり県なりがやるべきで、これが十分でないから民間でいろいろやっておる。そうすると、こういうふうに幼稚園やなんかはもうけ過ぎているじゃないか、こう言って、徹底的に追及する。いわゆる源泉所得者、いわゆる給与所得者でちょっと出張なんかすると、それがすぐ税金としてかかってくる。あるいはこうやってまじめに商売している人が、ちょっとの利益が出てくると、ものすごくかかってくる。ところが一方、よく私が例を引く高級所得者に対してはなぜ徹底的に調査をしないか。租税特別措置基づく配当、利子、あるいは山林所得者、利子所得者、こういう人々の税のきわめて軽いことはもう申すまでもございません。これをもってしても、高額所得者やなんかに、あるいは法人のことは触れる時間がございませんけれども、この法人にシビアーである、これは諸外国と対比した法人税率を見ればすぐわかりますけれども、シビアーであるというふうにおっしゃるけれども、決してそんなことはありません。そういうふうにまじめに働く者には非常にきびしいわけです。しかし、たとえば赤坂かいわいに日本の超一流の料理屋やあるいはキャバレー、バー等がございます。あるキャバレーでは何百人かのホステスと申しますか、そういう人々がおる。しかし、税務署に申告するのは、これは申告所得か源泉所得か、店の形態その他によっても非常に違ってきます。ここはあるいは論議のあるところです。しかし、税務署は申告所得として取り扱っておりませんが、三十六名、最低二十五万円から最高七十三万円、それからBのところでは、百名以上おるのに二十名の申告、そうしてこれはやはり最低二十万円から最高五十二万円、こういう申告しかなされておりません。三分の一あるいは五分の一等で、これは税務署でそういうことを把握することもなかなか困難な状況もありますけれども、私はそういうこまかいことまで論議しませんけれども、こういう状態でございます。あるいは高級料理店の場合でも、たくさんこれに類するものがあるわけなんです。私は、まじめに働く人々にこれだけ強くするならば、こういう人をふまじめとかなんとか言うわけじゃありませんけれども、税は公平に——たとえばある飲み屋に行きますと、聞いたところでは最低日当が一晩四千円、高ければ七千円、こう聞いております。こういう人々から税金を取っておるかというと、税金は一つも取っておりません。七千円にいたしまして、二十五日働いても十七万五千円、これだけ収入があっても一銭の税金も払っておらない。ところが、勤労者や大工、左官や、こういう幼稚園、こういうまじめな、国ですべきようなところにはこういうふうに追い打ちをかけてしぼり上げている。私は、これは脱税しろとは申しませんけれども、こういう事態がたくさんあるわけです。私はこれを多少時間をかけて、一間一答式に一つ一つの質問をしようと思ったのですが、きのうも予算委員会で時間がございません。きょうも時間がなくなってきましたので、多少まとめていま話をしておるわけですけれども、こういう状態というものをどういうふうにお考えになるか。現にあるわけです。ないとおっしゃるなら、私はここへ正式に資料として出してもいいし、あとで個人的に話してもけっこうでありますけれども、全部資料がある。
  71. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 国税庁長官お答えをいたさせます。
  72. 泉美之松

    ○泉政府委員 昨年末の当委員会において年末の徴税について御決議がございましたので、この点につきましてはその節申し上げたと思いますが、十一月二十一日に長官通達を出しましたが、その後当委員会の御決議がございましたので、重ねてその翌日通達を出しまして、全国の国税局、税務署に注意を促しております。  それから、先ほどお尋ねがございました中で、税理士さんにお聞きになられたら、査察の件数が本年は倍になっているというようなことであったというお話でございますが、この点は、昨年査察官を若干増員いたしましたので、前年に比べますと査察の件数が若干増加いたしておりますけれども、倍になるというほどの増加ぶりではございません。せいぜい二割程度増加いたしておる程度でございます。  それから、ただいま個々の事例につきましていろいろお話がございました。私ども、森脇文庫の脱税事件が起きました際に、部内の者が集まりまして深刻に反省会を開いたのでございます。大臣お話しになりましたように、税の執行は公平でなくてはならないわけでありまして、大企業であるからゆるやかに、あるいは中小企業であるからきびしくというような方針でやるべきでないことは申すまでもないところでございます。しかしながら、森脇文庫の脱税事件からわれわれが反省いたしますと、何ぶん最近課税対象がふえておるのに対しまして、人員がこれに伴っておらないといったような面もございまして、とかく調査に非常に手数がかかり、困難な事件はあと回しにしがちである。そのために、そういった点に対する課税が十分でないうらみがある。この点は私ども率直に反省いたしまして、その是正をはかるべきものだと考えまして、長官通達を出しまして、各国税局、税務署にそういった点について十分反省して税務行政をやっていくようにすると同時に、機構的にも東京、大阪、名古屋の三局には特別管理班を設けまして、大所得者にしてその申告の実績が必ずしも適正と認められない人々につきまして、また特別に管理いたしまして、調査資料収集の徹底を期したい、かようにいたしておる次第でございます。  それからその次に、お話のように、役員に対する報酬につきましては、御承知のように法人税法第三十四条に規定がございまして、過大な役員報酬については損金に認めないという規定があるわけでございます。その過大の点につきましていろいろ御意見のあることは承知いたしておりますけれども、たとえば、株主総会あるいは定款できめました報酬総額をこえる報酬額が支出された場合には損金に認めない、あるいは同種、同規模法人に比べまして著しく過大であるものは損金に認めない、こういった規定がございまして、これに基づいて執行をいたしておるわけでございますが、何分にも給与が同種、同業の法人に比べましてどの程度が適正であるかということにつきましては、いろいろむずかしい問題があるわけでございますので、執行上いろいろ困難を感じておるような次第でございます。  それからキャバレーのホステスなどに対する課税と他の者との権衡がとれておらないではないかという点、これにつきましても、私ども深刻に反省いたしております。ただ、昨日も大臣から御答弁がございましたように、ホステスにつきましては、その居住が必ずしも一定しておりません。また、その点に対する報酬の支払い形態が、場所によりまして、定額の給与だけではなしに、それ以外に支払うものが、直接お客から支払われるものと、それから店を通じて支払われるもの、あるいは債権の取り立てに応じて支払われるもの、こういうものがありまして、なかなかその調査が十分でないということは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、今後そういった点につきまして一そう適正を期したい、かように考えておるのであります。
  73. 只松祐治

    ○只松委員 最後に、時間がございませんから……。それはいろいろ例がその他にもあるわけです。そんなホステスだけのことを私は言っているのではない。これはそういう人たちの例のほかに、キャバレーあるいは料理屋等にもそういう例がたくさんあるのです。あるいはマンションなどもそうなんです。たとえば、マンションで二十八人住んでおって、その中に女性が八人住んでおる。その部屋の価格が最低三百六十万円から五百万円、さらには一千二百万円もする。それに対しての取得税、あるいは自分がお金を持っておらずに贈与されていれば贈与税、それからまた所得税、そういうものがどうなっているか調べてごらんなさい。自分たちの傘下の税務署を調べてごらんなさい。一番模範とされておる税務署だってまだ十分取得税など調べていない。日本一の模範税務署でそうなんですよ。また末端のほかの税務署に行って調べてごらんなさい。  それからさらに私は言うけれども、さっき法人税は公平にやっておりますと言うが、そんなことはない。大法人中小法人だけでなくて、地域的に、東京では模範的だとあなたたちが言っておる税務署で二一%、それからほかの多少手のあるところで二五%、埼玉では四五%、法人税は埼玉では二年半に一ぺん調べておる。東京の税務署では五年に一ぺんしか調べていない。五年に一ぺんということは、刑法上の脱税の遡及にひっかからない、あるいは税法上の場合でも、ちょっと何かすれば遡及しないで時効になることがある。いなかの税務署では二年半に一ぺん調べられて、私の知ったところでは五年分遡及してぎゅうぎゅう取られておる。ところが東京の税務署では五年間に一ぺんで、二一%ですから、結局何回も行って、おるところもあれば、行っていないところもある。あるいは大法人中小法人ということでなくて、六年目に来たときにはもう取れない、こういう税の不公平というものがあるのですよ。私は税小なりほかの委員会でも——きょうは二時から本会議ということでやめますけれども、そういう具体的な例を私は全部持ってきてやります。これは税が不公平だ、こういうことを言っておるのですよ。マンションあたりのことを二年前に木村長官に調べろと私は言ったら、マンションだとかあるいはデパートの高額買い上げ者、こういうものを調べます、そう言ったが、その後調べた形跡はない。日本一の模範的な税務署でそこまでいっていないのですから、ほかの税務署ではなおさらです。そういうことで、まじめに働いたり、弱い者からは取りやすいからとことんまで税金を取っていく。私は繰り返して言います。青色申告くらいは、これだけまじめに出すならそういうところはむしろ手を抜く、青色申告だって、埼玉あたりではわずかの修正も含んで九八%の更正決定がなされているのですよ。そういうことでなくて、青色申告くらいは大体無条件で認めるくらいにしておく、そうすると、人間というものはあまり悪いことはできなくなりますから、青色申告はだんだん軌道に乗っていく、一方、悪質な脱税等に余った手を回していく、そういういろいろな徴税の方法がある。ところが、青色申告もとことんまで調べていく、ところがこういう高額所得者、マンションなどに住んでいるところのそういう人たちは結局抜かしておる、こういうことを私は言っておるのです。これは地域的にこういう高額、低額、大法人中小法人、私はずっと証拠を持ってきており、データを持っていますからいずれまたやりますけれども、そういうことを総合して、きょうせっかく大臣答弁の日だからお尋ねをし、そういうことがあればぜひ直して、公平な税金に、民主的な徴税の方向に進んでもらいたい、そういうことを要望しておきます。そういうことをひとつ大臣から御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
  74. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 税の執行につきましては、あくまでも適正を旨として今後ともやってまいります。只松委員はいろいろ貴重な資料等もお持ちのようでありますから、またお知恵を拝借いたしたいと思います。お願いをいたしまして、お答えといたします。      ————◇—————
  75. 三池信

    三池委員長 昭和四十年産米穀についての所得税及び法人税臨時特例に関する法律案を議題といたします。     —————————————
  76. 三池信

    三池委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。福田大蔵大臣
  77. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十年産米穀についての所得税及び法人税臨時特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和四十年産の米穀につき、事前売り渡し申し込み制度の円滑な実施に資するため、個人及び農業生産法人が、その生産した同年産の米穀を事前売り渡し申し込みに基づいて政府に対し売り渡した場合には、昭和三十九年産米穀と同様に、その米穀にかかわる所得税及び法人税について、売り渡しの時期に応じ、玄米換算正味百五十キロギラム(一石)当たり千百円ないし千七百円を非課税とする措置を講じようとするものであります。  これが、この法律案提出する理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  78. 三池信

    三池委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————
  79. 三池信

    三池委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。野口忠夫君。
  80. 野口忠夫

    ○野口委員 まことに時間がないそうでございまして、どうもこれは法律案審議するのにも二時から本会議にかけるというような立場での審議になるわけですが、昨年もそのような状態であったようです。予約減税という問題がこのような状態で扱われるということについて、まことにどうも遺憾にたえないと思うわけでございますが、時間がありませんので、端的に重点だけしぼってお聞きしたいと思います。  福田大蔵大臣財政政策の特徴は、国債を発行したということが一つ、画期的な減税を行なったこと、こういうふうにいわれているわけでございますが、この画期的に行なわれたという減税が、農業との関係の中ではどういう減税になっているのだろうかという面、この点ひとつお尋ねしたいと思います。  先週農業白書が発表になりましたが、政府発表の農業白書によりますと、農業所得七十万円以上の農家は、全農家の五百六十六万戸中わずかに一〇%にすぎない。その中で、国税納税農家はわずかに七・二%にすぎない。こういう白書が出ているわけであります。これは減税措置というものが行なわれても、その減税の恩典に浴さないところの所得者が農家であるというように考えられるわけです。国債を発行して、一方では減税をして、国民の貯蓄を増していくのだとうい福田さんの財政政策というものは、何か農民というものから離れたところでのみ一本しかれているように思われるわけです。特別措置によって農民だけは減税をしたからという意味での国税納税率が七・二%というようなことではないのであって、その所得において課税されるものが七・二%きりないものに対して、所得税法人税減税というものは、福田さんのいう減税措置としては農民を素通りしているのではないかというふうに思われるわけです。三千六百億円の減税の中で、新聞発表によりますと、勤労者の場合は最低六十三万円にこれを引き上げたとかいうことがいわれておりますけれども、このような実態の中における農民というものの立場は、この減税政策の中の恩典はまことに僅少なものがある。しかもそれ以外の農民層がある。その農民層は、数の上では相当数でございますから、酒税あるいはたばこ税というようなものにおいては相当の負担をしている層であると考えられるわけであります。福田さんのいわれる減税というものが、中小所得者あるいは企業減税、こういう方面に三千六百億円の減税がふんだんにいって貯蓄が増すであろうという場合に、農民はその恩恵に浴さないで、しかも酒税、ことに固定資産税地方税等の場合では、私の聞いたところでは、たばこ乾燥所を一つつくった、八万円でできた、それに壁をずっとつけた、壁をつけたものだからというので約三万円近い税金がそれにかけられたというて農民が驚いているというようなことがあります。なお、国家財政の貧困の中では、固定資産の評価がえを延期しているわけでございますが、この評価がえに基づくところの税金の徴収方法も考えられるということになりますと、福田さんのおっしゃる国債発行国民貯蓄を増す減税措置というものからはずれた農民は、少しも減税という意味においての恩典に浴してないように思われます。減税と農業との関係について私はそういう疑問を感ずるものですけれども、これについて、農民にも恩典に浴させるような減税措置というものを、間接税とか地方税とか、国家の税金というものに関係ないところで、しかも税を重く感じている農民層というもののために、あなたの減税政策の中で考えられるべきではなかったかと思うのでございますが、そういう点の減税政策が見当たらないので、この面についての見解をお聞きしたいと思うわけです。
  81. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 公債発行と農村との関係はどうか、これが第一点のようですが、公債発行をいたしまして、財源を充実させ、国の必要とする仕事を大いに積極的にやっていく、これは農業の関係もその意味においては非常に重大な地位を占めるわけであります。つまり、今回は土地改良十カ年計画を策定いたしまして、農民の所得の根源である土地を改良していこう、改善していこうという計画を着実に進めていくことにいたしておるわけでございます。そういうことを根幹といたしまして、農林関係予算もこれを大幅に増額をいたしておるわけでありまして、これでもし公債発行なかりせば、とうていそういうようなわけにはまいらなかった、それが公債発行によってできるようになった、こういうことかと思います。  それから、税の面におきましては、もともと農村では一般的に所得が低い関係がありまして、直接税の納税者が非常に少ないわけであります。二十万人ちょっと越えるという程度、しかも税収では二十億円だというような程度であります。それでありますから、今回の税制改正によって直接税の負担軽減されるということになりましても、一般的に農村全部がその影響を受けるというわけにはいかないので、いままで納税者であった人、あるいは今後納税者となるべき人の課税最低限が高くなったというような関係で恩恵をこうむるとか、あるいは税率調整の結果影響を受けるとか、そういうことに相なるわけであります。  そこで、今回の税制改正の結果は、そうは申しましても、農村に非常に大きな影響がありますのは、従来二十億円をこえるといわれました所得税の納付額が、ただいま私どもが四十一年度において見通しておるところでは二十億円を割るというところまでくるわけです。あるいは納税人員にいたしましても、二十万人を割る、こういうところまでくるわけでありまして、そういうところから見まして、今回の税制改正が農村に何らの影響はない、何らの裨益するところはないというわけではないのであります。農村にもそれ相応に均てんをしておる、かように考えております。
  82. 野口忠夫

    ○野口委員 三千億減税という新聞発表は、非常に大きく国民に対して減税の恩恵というものが与えられていくように訴えられていながら、事実においては、税を納める以前における農村のあり方というものについて検討をしなければならないということになるわけでございますから、その辺のところでは、農民の零細な所得の中における税金は軽いのではないのです。先ほど申し上げましたように、軽いのではなくて、実は重く感じている者がある。そういう面のところの減税措置というようなものは従来一度もとられてきたことはないわけです。間接税の問題等につきましても、固定資産税の問題等でも、農家の作業場というようなものをどのように見るかというような状態についても、これは考えられてこなかったわけでございますから、そういう意味での減税というようなものも福田大蔵大臣のあたたかい財政政策の中で十分取り入れて考えるべき問題ではなかったかと思うのですけれども、単に三千億の減税をしたということだけで、農民は決してその減税によっての恩典が十分あるというような考え方にはいかないというように申し上げたいと思うわけであります。  時間がありませんからぽつぽつになりますが、次は、福田大蔵大臣財政主導型経済政策というような形になっておる中では、私は農業の問題等も財政当局者は十分に御検討あるべきだと思うのですが、近ごろ農業政策の中で非常に不安になっているのは、食糧自給の問題だと思います。しかし、いまの佐藤内閣における農業政策基本となる姿勢は、米麦中心主義はやめ、選択拡大をやるのだという考え方、あるいは農地の流動化を促進してこれを他に転用するというようなこともふんだんに進められております。それに伴って、農業労力の移動というようなことが自由化体制の推進の中で進められているわけでございますけれども、こういう一つの農政の進め方がある中で、食糧自給という問題が年ごとにその増産のテンポが少なくなっておる。八〇%台を割るのではないかというような農業白書の発表があり、それが転じては外国農産物に依存するというような形の中で、その依存率がだんだんと増大していって、全貿易額の半数に至るような状態も、来年、再来年あたりおそれられるのではないかと思うのですけれども、この食糧自給体制ということを基本とした農業の財政的な措置というようなものをいまの政府の中ではどのように考えられているのであろうか。現実に言うてみて、農業が近代化していくということ、機械を入れるということは、例としてはアメリカあたりの例がいつもとられますけれども、大型、大農主義的な農業経営というものは、その生産は落ちてくることが言われるわけであります。構造改善事業などで進められておりますいまの基盤整備というようなものも、いわば東北地方の山の中あたりに行きますと、山の上の小さなところのたんぼからとれた米も含めて、そのたんぼも含めて日本の米が一応自給体制をとっている中で、構造改善事業一本を進めて、多収穫の中から低農産物価格制を生み出して、これらの山の上で働いていた、いままで食糧自給体制に協力してきた農民の方々の価格が引き下がってくるというような現状になれば、おのずから日本の国の米の自給体制というものはくずれざるを得ないというような政策に見られるわけでございますが、いまの政府の農業基本法に基づいて進められる農業政策が、食糧自給体制ということの中で、まことに外国依存の日本の食糧体制ということになってしまうし、貿易関係における農産物輸入の額の増大というものが日本の対外関係における貿易の収支のバランスをどのようにしていくか、その辺のところを大蔵大臣からお聞きしたいと思います。
  83. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 米が戦後飛躍的な増産になったわけでございますが、最近多少その伸びが鈍化しておるという状況もあります。しかし、とにかく米は総農業生産物の中で半分を占めるものでありますから、これは非常に重要な農作物だというふうに考えております。それあるがゆえに、今回のこの租税特別措置、また米価の決定につきましても格別な対策をとるというふうに考えておるわけでありますが、しかし、今日食糧は大体二割方輸入をいたしておるわけであります。二割方の輸入でありますが、この食糧の輸入というのは、食べて、これはほんとうに消費をしてしまうものでありまして、鉄あるいは石炭を輸入するという場合におきましては再生産性を持つわけでありまするが、食糧の場合にはそういう経済的な効果がないわけであります。そういうことから考えまして、私は、食糧の輸入、特に米を中心といたしまして食糧の輸入が今日の八〇%の自給率を割る、これを著しく低下するというような事態があることは日本経済全体のためによろしくない、こういうふうに考えております。そういう基本的な認識のもとに農業の生産を維持するというためには、政府はあくまでもこれを努力していかなければならぬ、そういう考え方財政政策運営していかなければならぬ、かように考えておるわけであります。
  84. 野口忠夫

    ○野口委員 非常に重要なお考えをお聞きしたわけでございますが、私の考え方をひとつ申し上げます。  食糧自給の原則に立つ農業政策のあり方としては、農業保護政策きりないのではないだろうか。農業保護政策によって、いわば食糧品というものに対して、企業の中における商品的な扱い方をもって臨むことはやめねばならない。需給均衡というような形の中で農家所得を補償するような価格制度というものは、従来の農民の貧困というものをつくってきた原因であろうと思うわけです。食糧自給体制をつくっていくということの中では、農産物価格の保障制というようなものはあくまでも貫かれなければならないし、それが農家の所得を増し、日本の食糧自給体制を守っていく一つの形であろうと思うのです。価格保障制については従来いろいろな話が出ておるわけでございますが、大蔵大臣としては、この自給体制確立の中における農産物価格保障政策についてどのような御見解をお持ちであるか、お聞きしたいと思うわけであります。
  85. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 農作物と申しましても、これは千差万別、いろいろあります。これらに政府がその価格政策で全部関与していくというわけにはまいりません。しかし、農作物の半分を占める食糧、米でありますが、これはもう大事なものであるというので、ただいま生産費所得補償方式がとられて、これによって農村の経済の非常に大きな支柱になっておるという状態であります。その他のあるいは乳業でありますとか、いろいろのものがありますが、それらにつきましてはそれらにおのおのの特色があります。その特色に従いまして価格安定の対策をとっておるわけでありまするが、お話のように全体として——私は、一つ一つのものを全部というわけじゃございませんけれども、農家、農村、これに対しましては保護政策をとっていかなければならぬ、全く同様に考えております。
  86. 野口忠夫

    ○野口委員 時間がないので私も急ぐわけですが、今度の四十一年度の食管の特別会計の中で予算米価が載っているわけでございます。これは昭和四十年度政府買い上げ価格でこの予算米価が載っておるわけであります。しかし、現に物価はみんながわかるとおり上がっているわけでございますから、予算米価を四十年度のもので載せて、それで米価を決定する時期になってきて、その米価の決定はちょっと食管会計の赤字を増すからどうもまずいのだ、こういう御意見でだいぶ米価の問題がいつも議論されているわけでございますけれども、一般会計その他の特別会計等において、こういう諸物価の値上がり等があったり経費の増大等があるものを、それを見ないで予算要求を普通しているのかどうか。私は、各省とも人件費の増大等がそれぞれ見込まれて経費等も見積もられてあるのではないか、物価値上げ等についてもそういう点で考慮されて予算に組まれているのではないかと思うのですけれども、この予算米価についてだけは、もうすでに値上がりするであろうことが予測される現在において、予算米価としては昭和四十年度予算米価を載せて食管会計の赤字がいつも増大する、こういうことを言うわけですけれども、この辺で生産費所得補償方式に基づいたいわゆる予算米価というものをなるべく現在の経済環境、情勢に合わせて将来きめられるところのものに近いものにしていけば食管会計の赤字というような問題で論議される必要がないわけでありますから、昭和四十年度予算米価というようなことで四十一年度にとってくることについて、他の特別会計や一般会計等においてもそのような例があるのかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。
  87. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 米価は六、七月のころにおきましてきめるのが慣例になっておることは御承知のとおりであります。そのときにおける最近時の統計資料を使うわけであります。そこで、生産費所得補償方式による数字がどういうふうなものになるかということで米価がきまっていきます。今日その数字を予測することができない。したがいまして、かりに旧来の単価をもって計算をしておるということになるのですが、それは米と並んで最も大きな問題である官庁の人件費、これにつきましても同じなんです。従来の単価できめていく、これが人事院の勧告でどうなるかということによってまた実際が変わっていく、こういうことに相なるわけでありまして、これはいたし方がないわけでありまするが、それによって生産費所得補償方式の計算のしかたが曲げられるということは全然ないわけであります。
  88. 野口忠夫

    ○野口委員 最後にお聞きしますが、予約減税までやって、農民から供出していただいた米というものを国民に与えていく場合に、どうも消費者米価というものの値上がりが例年行なわれてきました。これは国民にとっては一番大問題なんでございますけれども、この消費者米価の値上げということをまた四十一年度においてもやる、あるいはそういうことはやらない、いわば福田大蔵大臣財政政策の中で、消費者米価については据え置きという考えで進めていくというようにお考えであるかどうか、最後にお聞きして終わりにします。
  89. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 生産者米価が上がった場合に消費者米価を上げるかという問題につきましては、原則論としては、私は、これは上げて、リンクさせていくのが一番よろしい、こういうふうに考えておるのでありますが、まあ、物価問題もありますし、あるいは経済上のいろいろな問題もあり、激しくそれらが動いておるような時点であります。それでありますから、それはそのときどきの状態において流動的に適応していくべきものであると考えますが、基本的には私はリンク制が一番いい、そう考えております。昭和四十一年産米の生産者米価が上がった、それに対して消費者米価を上げるかどうかということは、そのときのいろいろな要因を考えながら判断しなければならぬ問題で、いまここで上げますとか上げませんとかいう結論を持っていないということを申し上げます。
  90. 三池信

    三池委員長 本案に対する質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————
  91. 三池信

    三池委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  おはかりいたします。  本案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  94. 三池信

    三池委員長 この際、谷川関税局長及び中嶋国税庁次長より発言を求められておりますので、これを許します。谷川関税局長
  95. 谷川宏

    谷川政府委員 ごあいさつ申し上げます。  このほど関税局長を拝命いたしました谷川宏でございます。未熟者ではございますが、今後大いに勉強いたしまして、関税局の行政を通じまして、輸出の振興あるいは国内産業の保護など、ひいては日本経済発展にお役に立ちたいと存じますので、委員各位の格別の御指導、御鞭撻をお願い申し上げたいと思います。(拍手)
  96. 三池信

  97. 中嶋晴雄

    ○中嶋説明員 このほど国税庁次長を拝命いたしました中嶋でございます。  税の執行はたいへん困難な状況に際会いたしておりますが、大臣、次官を補佐いたしまして、遺漏のないように努力いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
  98. 三池信

    三池委員長 次会は、明十六日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後二時十四分散会