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1966-05-31 第51回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年五月三十一日(火曜日)    午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 大石 武一君 理事 島村 一郎君    理事 田中 榮一君 理事 只松 祐治君    理事 前田榮之助君       上村千一郎君    小川 半次君       佐藤 孝行君    砂田 重民君       八木 徹雄君    泊谷 裕夫君       長谷川正三君    小平  忠君  出席政府委員         文部事務官         (体育局長)  西田  剛君  委員外出席者         参  考  人         (日本オリン         ピック委員会委         員長)     竹田 恒徳君         参  考  人         (札幌市長)  原田 與作君     ――――――――――――― 五月三十一日  委員坂本泰良君及び栗山礼行辞任につき、そ  の補欠として泊谷裕夫君及び小平忠君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員泊谷裕夫辞任につき、その補欠として坂  本泰良君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  体育振興に関する件(オリンピック冬季札幌大  会準備等に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  体育振興に関する件について調査を行ないます。  本日は、オリンピック冬季札幌大会準備等に関する問題につきまして調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。  本問題調査のため、日本オリンピック委員会委員長竹田恒徳君及び札幌市長原田與作君の両君を、本日、参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福永一臣

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 福永一臣

    福永委員長 この際、委員長より一言ごあいさつを申し上げます。  参考人方々には、御多用中にもかかわらず、わざわざ本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。  さきに、わが国民の多年の熱望でありましたオリンピック東京大会の実現を見、しかして、国民期待以上に大成功をおさめたのでございますが、今回さらに、第十一回の冬季大会札幌で開催されることに決定を見るに至りましたことは、まことに喜ばしいことでございます。  申すまでもなく、今回札幌冬季大会決定を見ましたのは、地元をはじめ関係各方面の方々のなみなみならぬ御尽力はもとよりでありますが、さき東京大会成功をもたらした国民各位の創意と熱意に対して、深い信頼を寄せられたことであると考えられます。今後、この大会開催まで諸般の準備などが進められることと存じますが、願わくば、東京大会成功の経験を土台としてりっぱな冬季大会を行なうよう万全の準備を進めることが、国際親善にも多大の貢献をするものと確信しております。  本委員会といたしましても、本大会準備促進等につきましては、あらゆる機会を通じて協力し、援助をいたすつもりでございます。  つきましては、本日御出席の両参考人方々から、それぞれの立場において忌憚のない御意見を伺えますれば、まことに幸いと存じます。  なお、御意見開陳はお一人十分程度お願いすることとし、そのあと委員質疑があれば、これにお答えを願うことといたします。  それでは、順次御意見を承ることといたします。  初めに、竹田参考人お願いをいたします。
  5. 竹田恒徳

    竹田参考人 日本オリンピック委員会委員長を仰せつかっておりまして、このたびのオリンピック冬季大会札幌招致委員会実行委員長をいたしております竹田でございます。  札幌オリンピックがきまりました経緯につきましては、書類をお手元に差し上げておきましたので、かいつまんでごく簡単に申し上げます。  御承知のとおり、札幌冬季オリンピック招致を始めましたのは、いまから約三十年前のことでございます。一度、一九四〇年に札幌で行なうことが内定をいたしながら、不幸な国際情勢関係で返上のやむなきに至りまして以来、一昨年も立候補いたしまして惨敗を喫した経過もございますので、このたびの決定はまことに喜ばしい次第でございますが、これは、一に先生方をはじめ、国民皆さまの絶大なる御熱意の結果であると存じます。  しかして、今度の決定に際しましても、四つ都市立候補をいたしております。カナダバンフ、フィンランドのラハチ、アメリカのソルトレーク、そして日本札幌でございます。前回非常な接戦で、わずかの差でフランスのグルノーブルに破れましたカナダバンフが本命といわれておりましただけに苦戦でございましたが、結果におきましては、六十一名の委員投票のうち、第一回の投票で三十二票という過半数をとりまして、一ぺんにきまるという結果を生みましたのでございます。その原因は、もちろんいろいろございますが、その中で特にわれわれの感じましたことは、一昨年の東京オリンピック大会が、皆さまのおかげによりまして大成功に終わった。それで、日本組織力というものをたいへんに高く買っておりまして、日本にまかせれば冬のオリンピックも必ず大成功をするであろうという考えが、根底にあったことは事実であろうと存じます。それだけに、この札幌オリンピック大会も、東京オリンピックに負けないりっぱな大会として大成功をおさめなければ、世界の期待に沿い得ないと存じまして、われわれはますます責任の重大さを感ずる次第でございます。  ここで、オリンピック準備し、実行いたしますことに関します事の進め方について、少しく御説明をいたしたいと存じます。  オリンピック招致いたしますのは、各都市招致をいたすことになっております。ただし、一国で一つだけの市が立候補する権利を許されております。日本にも幾つかの候補地はございますが、日本といたしましては、札幌が、前にも一度きまった経緯もございますし、場所柄、また天候、気象、すべての条件から最も適地であるというので、札幌立候補をいたしたわけでございます。そうして国際オリンピック委員会会議におきまして開催予定地決定をいたしますと、その大会準備運営責任は、その国のオリンピック委員会に命ぜられるわけでございます。すなわち、このたびは札幌市が立候補をいたしまして、札幌市長の名前で立候補書を出しておりますが、同時にこの立候補書には、国の責任者裏書きと、その国のオリンピック委員会委員長裏書きを必要といたしますので、国の代表として総理大臣サインをいただきまして、日本オリンピック委員会委員長の私のサイン、三つのサインをもって立候補をいたしたわけでございます。決定をいたしますと、その国のオリンピック委員会、すなわち日本オリンピック委員会に、この大会準備をしろという命令が下るわけでございます。ただ、最近のオリンピック大会は、冬といえどもたいへん大きな行事になりまして、一スポーツ団体が完全にこれをいたしますことはとうてい不可能でございますので、その場合には、その国のオリンピック委員会組織委員会を組織いたしまして、その権限組織委員会に一切委譲することが許されております。組織委員会ができまして権限が委譲されますと、その組織委員会国際オリンピック委員会に直属をいたしまして、一切の準備運営に当たるということになっております。そのことにつきましては、お手元に差し上げました報告書の一番おしまいに、今度決定いたしました直後にブランデージ国際オリンピック委員会会長から参りました手紙をつけてございますが、そこにもそのことがうたってございます。したがって、われわれは、先般札幌オリンピック招致のためにつくりました委員会は、その任務を達成いたしましたので解散をいたしまして、次に組織委員会をつくりまして、その準備運営に当たるべく目下進めつつあるところでございます。  札幌オリンピック開催の日時は、一九七二年の二月でございますから、まだ六年ほどあるわけでございますが、その間の準備等のためには、決して十分な日数とは申し得ません。直ちにも準備にかかります必要のものもございます。鋭意努力をいたしますが、先生方の今後の力強い御支援のほどをお願い申し上げます。
  6. 福永一臣

    福永委員長 次に、原田参考人お願いいたします。
  7. 原田與作

    原田参考人 一九七二年の冬季オリンピック大会札幌決定した一つの要因は、札幌冬季オリンピックを開くための自然的な条件、たとえば気象あるいは山岳、それから平野、そうした条件がすぐれておるということと、大都市の近くにそれぞれの競技施設をすれば非常にまとまってやれる、こういった社会的な諸条件が、他の四つ立候補市よりもすぐれているというところに、札幌が勝った原因一つがあると存じます。  さて、それならば現実にこのオリンピック大会の成果をおさめるための施設がどの程度できておるかと申しますと、率直に申しまして、これから施設をするんだというのが大部分でございます。そこで、私は、この際そうした施設についての概要を申し上げまして、皆さまの今後の御援助お願いしたいと思います。  お手元に、オリンピック冬季大会関係施設一覧表というのを差し上げてございますが、この施設はスキー、スケート、それからボブスレーバイアスロンアイスホッケーリュージュ、六種目に分かれておりますが、この中で、札幌市が現に保有しております施設は、大倉山のジャンプ台だけでございます。しかし、これもオリンピックをやるためには、相当改造しなければならない現状でございます。それからクロスカントリー、これは距離競技でございますが、これなども今後やらなければならない施設でございます。アルペンのスラローム、それからジャイアンツスラロームコースは、これは現在施工中でございますが、まだ完成を見ておりません。バイアスロンは、一応そのコースはございますけれども、やはりオリンピックをやるためには、今後相当施設整備しなければならない現状になっております。スピードスケートとフィギュアの施設、これはもちろん現在はございませんが、今後札幌市の近郊にございます真駒内の、従来ゴルフ場であったものを、この一部を使わしていただきまして、この施設を整える予定になっております。アイスホッケーについても同様でございます。ボブスレーリュージュは、これは手稲山につくる予定になっておりまして、現在そのコースを測量いたしておるような段階でございます。これらの施設をやりますのには、今後、工事必要期間と書いてございます欄にございますように、二年ないし三カ年の工事期間が必要でございますが、われわれといたしましては一日も早くこれを完成いたしまして、日本選手養成等にも十分役立たせたいとも考えております。  これらの施設に対して、今後幾らぐらい投資を必要とするかという点でございますが、これは、今後組織委員会が結成されまして、その検討の結果によって、いろいろ位置等について正確な決定を待たなければ、費用を算出することもなかなか困難な面もございますが、一応われわれが現段階までに判断したところによりますと、この競技の直接の施設には約三十億円程度、それから、その右のほうの欄に書いてございます必要関連事業、これらに約二十億円、合計いたしまして五十億円程度必要でなかろうかというふうに判断をいたしておりますが、これは今後の研究に待たなければ正確には申し上げかねますが、概算以上のとおりでございます。  そこで、私どもといたしまして特にお願いいたしたいことは、この施設の中で主要なものにつきましては、国立競技場として設定をしていただきたいというのがわれわれの念願でございます。この点に関しましては、過般衆議院及び参議院に請願をいたしておるところでございますけれども、これについての具体的な予算等については、まだ裏づけがございませんが、今後こうした面につきましても、皆さまのいろいろな御支援、御援助お願い申し上げたいと存じます。  まことに大ざっぱでございますが、以上申し上げまして、私の陳述を終わります。
  8. 福永一臣

    福永委員長 以上で、参考人意見開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  9. 福永一臣

    福永委員長 この際申し上げますが、両参考人の方は所用がございまして、正午までの御出席との御希望でございます。念のためにお知らせいたします。  これより質疑に入りますが、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泊谷君。
  10. 泊谷裕夫

    泊谷委員 竹田原田参考人には、世紀冬季オリンピック誘致にたいへんお骨折りをいただきまして、まず最初にお礼を申し上げておきたいと思います。  私ども衆議院議員といたしまして、昨年、この委員会に同席しております与党の島村先生、私どものほうの前田先生と一緒に現地調査させていただいたのでありますけれども、まず、これに関連いたしまして、最近とみに現地には政府要人が出向いて、冬季オリンピックに対するかまえ方に意欲的な姿勢を示されておることは、私ども北海道に生活する者としても心から歓迎をしておるところでありますけれども、まず最初原田市長にお伺いしたいのでありますが、北海道は、市長も御承知のとおり、冬季間が長いために、工事を施行するとしてもほかとは違った困難性を有する。しかも、急激に人口が増加してきております町であるだけに、市長としても、民生安定上の問題を頭からはずしてこの作業に取り組むということはでき得ないだろうと思います。したがって、今回の大きな仕事に対する市の態度として、かつて東京オリンピック大会が開催された場合の費用負担の問題について、組織委員会を通していろいろと協力を願ってきたということもありますけれども札幌市としてこの受け入れに対して、大筋どういう方向で財源上これをこなそうとされておるのか、まず大綱的なところでけっこうですが、一応聞かしていただきい、こう思っております。
  11. 原田與作

    原田参考人 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、直接の施設には、関連施設も含めてほぼ五十億円と推定をいたしておりますが、そのうちの主要部分につきましては、私は国立競技場ということでひとつぜひお願いをしたいものだ、そういたしまして、その残余の部分につきましては、地元及び組織委員会、あるいは国費の補助、これらを得て施行したい、かように思っております。したがって、現在のところ幾ら幾ら国費お願いするかということについては、まだ明確に申し上げかねますけれども、少なくとも相当部分国費に依存したいものだ、かように存じております。
  12. 泊谷裕夫

    泊谷委員 体育局長がお見えでありますが、最近、先ほども申し上げましたが、特に開発庁福田長官などお見えになりまして、このオリンピックに意欲的な姿勢を示されておるわけですが、新聞を通して見ますと、約一千億近い予算に対して、政府は意欲的に取り組んでいただけるかのように報道されておるのでありますが、これは関係省内十分連絡をとられて、一応の態度として新聞発表をされたものと受けとめていいかどうか、もしそれらの事情についてお知りであれば、この機会にお聞かせをいただきたいと思います。
  13. 西田剛

    西田政府委員 ただいま原田市長からお話もありましたとおり、大筋として冬季オリンピックにどれくらいの金がかかるかというアウトラインがまだつかめておりません。したがいまして、いまお話がありましたように、施設そのものでは、いろいろ数字変化等もございましたが、現段階では、直接の施設としてほぼ三十億くらいかかるのじゃないか、そしてその周辺のパーキングスペースとか、環境整備とかいうようなものを含めて二十億くらいかかるのじゃないか、そういうことで、狭い意味での関連施設ということであれば、ほぼ五十億くらいかかるのじゃないかという中身につきましては、市のほうから大体承っております。そのほかには、主として関連道路とかいうような問題がございますが、道路の一部につきましても、たとえば、恵庭岳のほうに行きます丸駒道路ですか、そういうふうな道路が要るとか、若干のお話は聞いておりますけれども道路経費にどれだけかかるというようなことは、必ずしもまだすっかりわかっておりません。また輸送の関係で、千歳空港を、臨時であるにしろこれを拡張して、国際空港に使うようなことも考える必要があるのではないかとか、いろいろのお話がございますが、それは、それぞれの担当大臣が抱負をお述べになっている程度でございまして、私どものほうでも開発庁のほうとも連絡をとっておりますが、実は、その大ワクもまだつかめない現状で、お話のように、新聞情報としてキャッチできる程度のことは私のほうもまとめまして、なるべくそういう情報について中身を知りたいというようにつとめておりますが、まだつかめておりません。  いずれにいたしましてもかような問題は、組織委員会ができまして施設、設備の要る場所がおのずからきまり、そしてそれに伴ってどういう道路が要る、どういうものが要るということになりましょうから、そういう組織委員会の発足、そしてそれらの基本的な事項、極端に申しますと、選手村なら選手村も、いま予定されている位置につくるかどうかとか、また、もしそこにつくるとしても、敷地が具体的にどこになるかというような関連もありますので、詳細な数字は、まだ全くつかめておらない現状でございます。私どもとしては、つとめて全貌をつかむようには努力いたしておりますが、全体としての動きは、やはり組織委員会がおできになって基本の形というものをお考え願う、そういうふうな過程において初めて全体がつかめるのではないかというふうに考えております。
  14. 泊谷裕夫

    泊谷委員 局長にお尋ねするのはいささか問題があると思いますけれども、ともあれこの種問題の主たる担当官庁は、いまの場合文部省ということになると思うのであります。東京オリンピックの場合は主管大臣が認証されまして、その中でこの仕事を大じかけにやってまいったのでありますけれども文部省としてこれだけ大きな世紀大会を開催するということになれば、おのずから各省との調整もありまして、勢いそういう機構上の問題について、閣内調整を願わなければならぬ事情にあるのではないかと思いますが、文部省としてその必要性をお考えかどうか。あるとすれば、その作業はいつごろから始められ、いつごろに完了される手はずを事務局としてお考えになっているかどうか、この点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  15. 西田剛

    西田政府委員 冬季オリンピックの全体計画を進めていく上で、政府側として各省連絡分担等をきめて、それらのことについて連絡調整をしていくというような必要性が将来どの程度生じてき、具体的にどういう局面でそういう問題が取り上げられるかというような問題もございますが、それらは、組織委員会においてどういう課題が取り上げられるかという問題が、まず先決であろうかと思います。夏季オリンピックの例によりますと、お話のように主務大臣ができましたけれども、この場合も、主務大臣ができまして具体的に各省調整を必要としたのは、決定を見ましてから二年以降後のことでございます。ある程度作業が進んで、いろいろな問題でそういう各省連絡を必要とするという具体的な問題が起きたときにできているような状況もありますので、それらの問題と必要性等を勘案して、担当大臣というものが設けられるかどうかということは、その段階できめられるようなことになるのではないかと思っております。いずれにいたしましても、この組織委員会が発足しまして全体の構想、骨格、いわゆるスケルトンが大体できましてから、そのうちで国がどういう分担をやるかという問題、そのためにはどういう調整が必要であるという問題が起これば、その段階において、そのような前例に従った措置をお願いするようなことになるのではないか、かように考えております。
  16. 泊谷裕夫

    泊谷委員 前回の例を見ますと、局長お答えになったとおりだと思いますが、前回の例で、やはり補強したほうがよいと考えるものは意欲的に補強されていいのではないかと私は思うのです。せっかくの国際的な行事でありますから、耳ざわりなことは一切避けたいと思うのですが、たとえば原田市長なり竹田委員長なりが折衝して帰ってまいりまして、そしてその新聞報道を見ますと、現実には、千歳空港がこの受け入れのポイントになるかのように話がされておりますが、原田市長さんにお伺いしたところに関する限りは、札幌市としては、それはまだ何も意思表示していない。これは国の方策もありまして、全体的な立場でおきめいただくという姿勢をとられることは、私は好ましいことだと思うのですが、北海道民の偽らない気持ちとしては、新聞を見れば、開発庁長官が、バイパスも千歳まで、あるいは高速道路設置飛行場整備、これは中村運輸大臣もおっしゃっているのですけれども、こういうことをどんどん大きくぶたれる。だが、反面道民気持ちにしますと、全日空機が落ちてから今日まで間もないのに、矢つぎばやに飛行機の追突事故が起きて新聞紙上をにぎわしている。かりに千歳を使うとしても、いまの体制でいいか。ILSの設置が二日ほど前の閣議できまったようでありますけれども、それで千歳飛行場でこなし切れるかどうか、こういうちぐはぐな感じを持っておる。いま局長がおっしゃったように、これは単に運輸省だけできめられるものでもなく、また、開発庁長官という立場できめられるものでもなく、閣内の全体的なものとして――冬季でありますから、国立競技場整備してもらうにしても、いかにしてそこに運ぶかということから考えていかなければならぬと思うのです。特に積雪の多いところでありますから、また、雪がなければできない競技でありますだけに、これに関連して市では、早くも地下鉄の導入なども考慮されておるようでありますけれども、全体的なものをきめるのに、いま局長の言われたように、新聞の出どころを追及しているというような話では、いささかとまどうわけであります。そういうことで、早急に閣内の意思をまとめてもらう、機構整備することを事務局としては具申してもらう必要があるのではないかと思うのですが、その点についてはいかがですか。
  17. 西田剛

    西田政府委員 いろいろ考え方もございましょうかと思いますけれども冬季オリンピックが大体どういうふうな規模で、どういう場所で行なわれるかということになり、たとえば、観客がどのくらい来ることが予想されるとか、選手がどれくらい予想されるというような、ほぼ基礎になるような素材が整った段階において、それとの関連におきまして、それぞれの省は今後の計画を立てるというような段取りになろうかと思います。そしてそういう段階において、主として各省内で連絡、御相談を願うということになるのではないかと思いますが、いまのところ各省における事務ベースにおきまして、どういうふうな冬季オリンピック構想なんだから、それについては自分の省としてはどういうことが考えられるということが、まだ出そろわない段階でございます。そこで、一応組織委員会が早目に発足いたしまして、それらの問題を検討する素材になるようなものをほぼ固めていただく、そしてそれによって関連各省においてそれに対応した計画を立てていただく、かようなことになろうかと思います。夏季オリンピックの場合にも、東海道新幹線もオリンピック関連施設として入れるかどうかとかいろいろな問題がありましたが、一応直接の経費としては、新幹線あたり東京オリンピックと結びつけるのはどうかというような意見もございましょうけれども、その辺の規模構想は、大臣として相当大きなものをお持ちのようですが、現実冬季オリンピック札幌大会そのもの最小限どれが一番必要なのか、それに関連してどの程度のものが次に必要か、その次に、北海道全体の発展のためにこの機会整備していこうという事柄としてはどういうものがあるかというようなものが、おのずから仕分けされていくのではないかというふうなことになろうかと思います。とりわけ、いまお話のありましたような大問題につきましては、その直接関連する行事からはやや周辺にわたる事柄に類するものでございますから、これらの問題につきましては、いずれ大体各省で、今回の冬季オリンピック規模、あるいは場所等から見て、どの道路最小限必要だとか、あるいは、この際主要幹線国道をつくることが必要だというようないろいろの意見も出ましょうから、その辺で組織委員会でも御検討願い、あるいは政府部内でも御検討願って、仕分けをして具体的に進めてまいるというようなことになろうかと思います。
  18. 泊谷裕夫

    泊谷委員 実態としてはまだそこまでいっていないようで、お尋ねすることが少々無理かと思うのですが、私の気持ちを率直に言いますと、この世紀大会を世界各国で数多くやってきているのですが、今度竹田さんや原田さんにお骨折りをいただいたように、大都市に最も近いところでこの競技が開催されるということは、いままでなかったことだと思うのです。ですから、ブランデージ会長からも勧告が出ておりますように、単なる商業ベースでこのオリンピックの開催を日本として迎えるというわけにいかぬでしょう。でありますだけに、大都市の周辺でしかもこれだけのスロープをもってやれるということを最高度に生かして、東京オリンピックのときのように、ほんとうに日本に来たというような印象を、集まった報道関係選手また関係者をして抱かせ、世界のすみずみに日本の姿というものを周知してもらうところにも、これは一面大きな意義があると思うのです。そういうことで考えてみますと、いまお話のありましたように、従来のように競技場そのものとそれから関連事業として位置づけてながめることが、札幌の場合はたして適切であるかどうかということについては、私はいささか疑問を持っておるのですが、ともあれきょうの場合、それじゃ文部省自体だけに関連するもので、政府は意欲的にどう取り組んでくれるのかということを知りたいためにひとつ尋ねてみたいと思うのですけれども国立競技場の問題は、いずれにせよということで一昨年から地元から要請がありまして、先ほども紹介しました島村さん、前田さん、そして私、当時委員長でありました大石さんも骨を折って、文部省としては、たしか調査費を三百万ないし四百万計上してくれたはずと思っておるのですが、結果的には、ことしは四十八万だったと記憶しておるのですが、文部省自体で直接的な、大倉山のジャンプ台にいたしましても、あるいは場所は動くかもしれないといわれておりますけれども、真駒内のスケートリンクにいたしましても、四十八万で、当初の七二年には札幌オリンピックが持ってこれないのじゃないかという想定に立ったときの措置では、とても間に合わないし、特に気候その他の条件がありまして、北海道という積雪地ということになれば、急激にこの措置だけでも急がなければならないのは、文部省の直接的な仕事になってくると思うのですが、それについて体育局長としてはどういうお考えをお持ちになり、そしてまた関係各省に対して具体的にどういう要請を起こそうとしているか、また起こしておれば、その内容を聞かしていただきたいと思うのです。
  19. 西田剛

    西田政府委員 この冬季オリンピック施設に関する調査につきましては、お話のように約三百万近い要求をいたしました。大体調査そのものにつきまして百万程度の要求をし、それから二人ばかりの職員なり、あるいは部外者も含めまして海外の施設調査してもらうという調査旅費を二人分ということで二百万、合わせて三百万の要求をいたしたわけでございますが、海外の施設調査という項目は一応はずされまして、そして国内における調査につきまして、委員を設けて会議をやるとか、あるいは現地に出張をして調べてもらうというような経費を、お話のように約四十八万円現在組まれておる現状でございます。ところが、オリンピック札幌大会決定いたしましたので、ちょうどそれと前後いたしまして、私のほうの課長補佐の職員が、各国の冬季オリンピック施設を見て回るように中途で変更いたしました。現に、一カ月ばかり見て回ってすでに帰ってきております。そういうことでございますが、残りの四十八万何がしでどういうふうなことができるのかというような問題もあろうかと思います。一応その段階では、私ども、およそオリンピック冬季大会の場合に、規模としてどれくらいのものが常識的に各国との比較において要るものかどうか、それから、そのうち仮設でどのくらいのものが用を足せるかどうか。この点は、特にこの種の施設をつくった場合に、自後どういうふうに利用されるかというのが最も大きな問題でございまして、夏季等の施設の場合でも、えてしてシーズンをはずれますと使いにくい、あるいは大き過ぎたりしてかんこ鳥が鳴くというようなきらいもございますから、冬季施設の場合にも、夏季に多少これを活用するような方向があわせて考えられないかとか、そういうふうな面も検討をいたしたいし、それらのことはすべて経営面とも関連するのでございますが、現在あります国立競技場につきましても、できるだけ国が補助するような形になっておりますけれども、たてまえとしては、特殊法人でそういう施設をつくった場合には、収支を自前でまかなってもらうという前提でいままでできてきておるわけです。国立競技場につきましてもほかのものにしましても、それは必ずしも予定どおりにはまいりませんから、相当の収支差額の補助を現在出しておる状況でございます。そういう点とも関連しまして、冬季施設の場合に収支採算面がどういうふうになるかというふうなことも、いろいろ検討してまいらなければならぬかと思います。また設置主体にしましても、国が直接やるのがいいのか、あるいは特殊法人がやるのがいいのか、あるいは大幅に補助金を出すことにして、地元である北海道なりあるいは市なりのほうにお預かり願うほうが、現場の実情にも即していいのではないかというような、さような点がいろいろとございますので、そのような点を検討しようという趣旨のものでございまして、お話のように、予算が取れてから後この札幌大会が四十七年にはくるということがきまりましたので、新しい時点に立って、その辺の実行につきまして、新しい角度から多少検討をする必要があるのではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、それらの調査を進めるにいたしましても、組織委員会ができまして、およそ大組みとして場所が大体固まるという前提に立ちませんと作業がしにくいものですから、組織委員会が発足しまして、それに伴いまして、おそらく施設関係の専門の分科会といいますか、委員会みたいなものが、東京のオリンピックの例によりますとできるのではないかと思いますが、その辺で関係者が寄り集まって、いままで招致段階で用意していた場所なら場所でいいというようになりますれば、そこでボーリングするとか、さらに調査の不十分であった点を調査し、それに必要な経費等を組んでいくような方向で善処をいたしたい、こういうふうに考えております。
  20. 泊谷裕夫

    泊谷委員 局長さんの立場ではなかなかむずかしく、型どおりの答弁しかできないと思うのですが、北海道の人間というのは、局長承知かもしれませんが、純朴な者が多いんですよ、てまえみそですけれども。ですから、本州の皆さん方から薄のろが多いと言われているのです。少し足りない、こう言われているのですが、北海道の人間から見ますと、政府要人の話というものは、それなりにまともにいただいているわけです。そうしますと、この誘致運動も、与野党で組んでおりますスポーツ議員連盟、それから与党の場合は川島副総裁、そしてまた前の黒金官房長官というような方々関係しまして、一応これが誘致できた場合は、国をあげてやっていこうじゃないか、こういうことの数々の談話があり、そのとおりこん身の努力を払っていただけるものと理解をしているわけです。北海道自体は、申し上げるまでもなく後進県で、市の財政も決して豊かではありません。でありますから、東京のように国が三分の一、都が三分の一、協力を三分の一仰ぐというような仕組みでは、世紀大会を円満にやるということについては支障なしとはしないわけです。でありますから、もちろん道も道なりの、北海道としての町々のてこ入れもあるでしょうけれども、先ほどお話がありましたように、これは国が誘致したのではなくて、東京や札幌だ、確かに理屈上はそうなるでしょうけれども、もう根本的な出発点から考えをきちんと整理しておいてもらって、ということは、東京オリンピックよりもむしろ国が本腰を入れて、財政上の措置も含めて相当意欲的な姿勢を示さなければ、これが円満に開催をし、成功をせしめるということは困難である事情は、御承知いただけると思うのです。そういうことで、当面文部省が窓口になるわけでございますけれども文部省の主たる担当局長として、そういう姿勢で話を進めていただくというお気持ちはあるのだろうと、こう思うのですが、いかがですか。
  21. 西田剛

    西田政府委員 お話のように、現在文部省が直接の窓口でございますし、事スポーツ振興のことでございますので、私どもは重大な決意を持って最善の努力をいたすつもりでございます。ただ、いまのようなお話の展開のしかたとしては、やはり組織委員会ができて、組織委員会という土俵においてある程度の骨格が固まっていく、そしてそれと符節を合して政府部内でも、それに即応した連絡会議等を持ちましてこれに当たっていく、そして大きな問題については閣僚懇談会なり、必要があればそういうものを随時お願いして決定をしていくというような方向でまいりたいと思っております。私どもとしては、もちろん最善の努力を尽くすつもりで、現在も各省とも連絡をとりながらやってまいっておりますが、いまのところ全体としての大もとの組織委員会をつくって、そして大所高所からそういう問題を議論にかけていただいて、たとえば、大筋としての負担区分というような問題の考え方なども、十分そこで練っていただくということが必要ではなかろうかというふうに思っております。もとより私どもは、東京都と札幌市との場合には、財政力その他もずいぶん違うことですし、おのずから国の援助の幅というものは、それなりに考慮してまいらなければならぬと思いますが、いまの段階では、そういうおよそどれくらいかかるかというのもほんの目安でございまして、そういう目安の段階で、あまり大蔵省と具体的な折衝もできないような状況ですが、いずれにしてもなるべく早く組織委員会の発足を見ていただいて、そこで、さような問題も含めて討議していただく、それに順応して私ども政府部内として協力体制といいますか、そういうものも十分とってまいりたいというふうに思っております。
  22. 泊谷裕夫

    泊谷委員 組織委員会ですべての相談をしていただくということになろうと思いますが、組織委員会にあらかじめ政府が参加をして、その決定にお互いに責任を持ち合うという体制をとろうというお考えなのか、組織委員会組織委員会として独立をさして、そこできまったものについて、要請に基づいてその部分政府が自動的に実施に移していくという方策をとろうとしておるのか、組織委員会に対するかまえについてお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
  23. 西田剛

    西田政府委員 組織委員会の性格その他の問題もございますが、これにつきましては、夏季オリンピックの例もありますので、大体夏季オリンピックの例に準じた進行を見ることと思います。したがいまして、一部政府からも関係者が参画するようなことになるのではなかろうかというふうに思います。ただ、組織としましては、竹田委員長からも先ほどお話がありましたように、組織委員会がこの大会運営責任者の主体になるわけですから、それと政府とは一応離れますが、そこに政府側からも加わっていただく、そしてそこできまってくる事項につきましては、政府部内は政府部内としてできるだけその線に沿うように協力をするという体制に大筋として進むのではないか、こういうふうに考えております。
  24. 泊谷裕夫

    泊谷委員 参考人竹田さんと原田さんに、いまの組織委員会の構成のしかたについてどういう構想をお持ちであるか伺いたい。そうしてその組織委員会は、二つの面を持っていると思うのです。大きくは一つでありますけれども、いずれにせよ大会成功させたい、オリンピック成功裏に飾りたいということでありましょうが、その作業を進めるまでには、技術的なもの、そしてまた財政的なもの、いろいろあると思いますが、ともあれ政府の協力なしにはこの作業はこなし得ないと思いますけれども、前の東京オリンピック関連もありまして、今度の札幌冬季オリンピックについての組織委員会構想は、どういうふうに政府との関連を進めたいとお考えなのか、その点を中心にしてお答えをいただきたいと思います。
  25. 竹田恒徳

    竹田参考人 組織委員会の構成につきましては、まだ研究途中でございますので、はっきりしたことを申し上げる段階にまいっておりませんが、このたびの札幌オリンピック招致いたしました経緯から申しましても、先ほど申し上げましたとおり、原田市長サインのあります招請状に、国を代表して総理大臣サインもいただいてございますので、やはり政府も一緒になって応援をしていただく。東京オリンピックの場合にも、政府関係方々にお入りいただいて組織委員会をつくりました。仕事の進め方その他は、またそれぞれ別の面もございましょうが、構想を練って大綱をきめていく上においては、政府の方にお入りいただいて、一体となってつくっていきたいと考えております。
  26. 原田與作

    原田参考人 いまの竹田実行委員長お話に尽きているわけですが、私ども気持ちといたしましては、これを地元でやる以上全力を尽くしてこの完成に当たりたいと思います。しかし、先ほど泊谷先生からお話もございましたように、われわれの市経理では財政にかなりの限界がございますので、やはり国をあげての体制で応援していただくということはぜひ必要でございますので、それらのことに十分御協力をいただけるような組織にしていただきたいものだ、かように存じます。
  27. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これでおしまいにしますが、委員長お願いしておきたいと思うのです。先輩の理事を通して申し上げるのが筋だと思いますが、私は、やはりこのオリンピック成功させるのには、競技場設置はもちろんのこと、その関連事業についても、総括的な政府のかまえ方について要請をしたいと思いますが、きょうは政府側の答弁要員は局長さんでありますから、政治的な問題については、聞かれても発表できない事情もありましょうから、いずれ関係大臣出席をいただきまして――まだ部分的な問題についても私自身の希望があります。たとえば、競技場設置するのに文部省の係官が国外に派遣されたという話もいま聞きましたが、やはり特殊な競技であるだけに、長いことこれに携わって、選手団などで各地の大会に参加した者も全国には相当いる。ですから、どうせ国の費用調査研究させるとすれば、そういう人を求めてもらいたいとか、あるいは衆参の国会にも総力をあげて協力をいただくために、現地をもう一度詳査してもらうとか、いろいろありましょうけれども、こういうものを特に総括的に意見交換のできるような場所を、きょうではなくて、日をあらためて考慮していただいて、その中で、先ほども提起いたしました札幌オリンピック大会のポイントであります港をどうするか、あるいは飛行場をどうするかというような位置づけの問題についても意見交換をさせていただきたい、こういう手はずが可能であればとっていただくように願いたい。具体的には後ほどまた理事会で相談をしていただくことになろうと思いますが、御配慮いただくことをお願いいたしまして、きょうは、一応政府が積極的に意欲を示してもらいたいという要請を申し上げたという程度にとどめておきたい、こう思います。
  28. 福永一臣

    福永委員長 次は、前田榮之助君。
  29. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 参考人竹田委員長原田市長、御両名が全力をあげて万全を期して運動していただいて、おかげで日本に誘致することができましたことについて、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。  さて、こうなりますると、この成果にこたえて最善を尽くさねばならぬと存ずるのでありますが、いま質疑の中にありましたように、組織委員会もまだできていないし、また、政府のほうでも担当大臣をだれにするかというようなことについても、まだ準備も不十分なこの際における議論等は、むしろあまりしないほうがよいのではないかと存ずる次第であります。ただ、そういう上に立って、この段階でお尋ね申し上げておきたいことは、この決定まぎわまで、竹田委員長が御報告されたとおりに、あるいはこの前の会議の模様からすると、カナダのほうに回るんではないかと考えられた点も非常に多かった。しかし、東京オリンピックやその他いろいろな条件が幸いをいたしまして、札幌決定をされた。御努力のおかげであると存じまするが、ただ、国際的に、かような状態になりますると、この事情にこたえて競技場の設備なり、あるいは各国から来られる方々の歓迎設備等々について、東京オリンピック以上に努力を払って、全世界の方々期待を裏切ってはならないことだと思うのであります。そういう点で、いまどうするかということについては、そういう覚悟が要る、そういう熱意を必要とする、こういう点がまず第一の要件に相なろうと思うのでありますが、さて、さしあたって、それならば組織委員会やなんかのないときにどうするかということについて、実は当委員会におきましてもただ心配をいたしておるだけで、ほんとうに具体的に、それなら右か左かということの議論もできないという情勢で、心があせっておるという状態なのでございます。東京オリンピックの際には、衆参両院にオリンピック特別委員会という委員会がそのために設けられたのでありますが、いまその委員会がございませんので、それにかわるのは当体育振興に関する特別委員会が当然その任に当たらなければならぬという情勢のもとでわれわれは心配をいたしておるのであります。追って事情の進展とともに、特別委員会が別に設けられるかどうかについても、まだ何とも申し上げる段階になっておりません。おりませんがゆえに、なお一そうわれわれも責任を感じて、できようができまいが、われわれの責任を果たす上からも、この問題の万遺憾ない準備を進めるべきであるというたてまえに立っておるわけでございます。  そこで、竹田委員長に多くをお尋ねすることもないと私は思うのでありますが、ただ一言だけお尋ねを申し上げておきたいのは、さて、かように決定いたしました限りにおいては、将来を嘱望される日本の若い選手にいかなる強化運動、いかなる準備をさすべきかということは、これは専門家におまかせしなければならぬと思うのでありますが、まずそれについて、少なくとも国際的な舞台において強化運動をさせなければならぬ。いままでの北海道、東北、あるいは北陸等々にありましたこれらの競技場のようなものでは、問題にならないことは申すまでもないのであります。そこで、国際的な競技場をつくる上においても、一年でも二年でも早くつくり上げて、日本の若い青年選手に、この本舞台において十分な強化運動、十分な訓練をせしめて、世界各国の青年選手を迎えて、ここで十分な競技を行なわしめる、こういうことが、いまの場合におけるところの方針としての重要な案件であろうと思うのであります。そこで、現在における日本選手の強化は、われわれ門外漢には十分わかりませんが、一年前ならよかろう、二年前ならよかろう――長いほどいいのはわかり切ったことでありますが、せめて二年くらい前に完成して、二年くらい前からその本舞台の競技場においてやらせたい、こういうことが当然いまの関係者である、ことにその責任者である竹田委員長にはおありだろうと私は思う。そういうことについて、一々軽率な発言も責任上しにくいとは思いまするが、ただ、そういう責任のある立場方々から、専門的な技術の上からも、また実際の問題からも、この点だということを聞かしていただきますならば、われわれのほうでも政府に要求し、あるいはまたその実行に拍車をかけるという点に力を得てやりたいと思うのでございます。その点、組織委員会として論議がかわされて確たる決定問題となろうかと思いまするが、その前に、せめて委員長としての、個人的な希望というものしか言われぬと思いますが、希望としても、このくらいのことはあっていただきたいという希望を持っておる点を聞かしていただければ幸いだと思うのであります。
  30. 竹田恒徳

    竹田参考人 東京オリンピックのときもそうでございましたように、札幌に冬のオリンピックがきまりますと、やはり国民の感情として、日本選手がはたしてどれだけの成績をあげるか、何本の日の丸を上げるかということが、大きな関心事であろうと存じます。残念ながら冬の競技で、いままでのオリンピックでは、旗はたった一本きり上がっておりません。しかしながら、目下非常に向上をいたしておりまするし、六位までの入賞いたした者はたくさんございますので、今度札幌地元で行なわれますときには、国民の輿望に沿います成績をぜひともあげなければならないと考えております。  先ほど来お話のございました、組織委員会ができますと、日本オリンピック委員会は、オリンピック準備運営の一切を組織委員会にまかせまして、日本オリンピック委員会が中心になりまして、冬の各競技団体が選手の強化に真剣に取り組むわけでございます。まだこれから六年先のことでございますので、選手と申しましても、現在の選手よりももっと若い、六年後に完成する選手を十分にこれから養っていくということがたいへんに大事でございますので、そうした機会と設備とを要求いたしますし、また、ただいまのお話のように、やはり他流試合と申しますか、外国の先進国との十分な交流をいたしますことも、選手強化のたいへん大事なことでございます。  なお、札幌オリンピックは六年後と申しますけれども、ただいまから札幌大会との間に冬のオリンピックはたった一回きりございません。それは一九六八年でございます。まず、それを目標に選手強化をいたし、そのあと、なるべく早く札幌の実際の競技場が完成いたしまするならば、そのほんとうの場所で十分に訓練ができるということになります。これが一番地の利を得た、地元としての有利な点だと存じますので、少なくとも一年、二年前には完成をしていただいて、その競技場選手の最後の仕上げができるようにしていただきたいと希望をいたします。また、選手強化のためには、施設や海外遠征その他費用もかなりかかります。この点も十分考慮をいたさなければならないと考えておりまするが、いずれにいたしましても、札幌オリンピックのときには、日本選手国民期待に沿います成績をあげるために、われわれは今後全力を尽くす覚悟でございます。どうぞよろしく御支援お願いいたします。
  31. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 次に原田市長にお尋ねなり、あるいは希望なりを申し上げておきたいと思う次第でありますが、特に地元市長として、何か非常な責任がおっかぶさったような気がして、市長としての今後の行動については多大な御心配をされることだと、私は心から敬意を払うと同時に、御同情も申し上げておる次第であります。  そこで、この札幌における競技場というものは、私、先年参りましてながめてみまして――もちろん今回の運動も合理的であり、しかも、りっぱな運動をされた結果であるとはいいながら、札幌の現在予定されておるところの競技場の地形なり、風土、その他環境というものが、他の競争地とは比較にならぬりっぱなところであったということにも大きな原因があると思うのであります。したがって、これを十分に生かした設備をしなければならぬと思うのであります。したがって、札幌会場としての冬季オリンピックの設備をするのではございまするけれども日本における国際的な競技場としてはこれよりほかにないといわれるものをつくってもらいたいのであります。札幌競技場でなくて日本競技場だ、国際的な競技は、少なくとも札幌競技場を踏まなければ舞台を踏んだとはいわれないと言われるものをつくってもらわなければならぬと思うのであります。もちろん、冬季オリンピック国内競技というものは、年々各地で行なわれておりますから、東北でも、あるいは北陸でも、競争的にそういうものをだんだん整備されるとは存じまするけれども、しかし、国際的な設備というものはそう簡単にできるものではないのでありまして、まず日本における国際的競技場札幌のこれこれだ、まずこの土地を踏んだら、国際的な一応の舞台を踏んだことになるのだということにならなければならぬと思うのであります。そういう意味において、ただ単に地方的な考えでなしに、国全体の考え方の上に立ってひとつ努力をしていただきたいと思うのであります。  そこで、本日いただきました印刷物によりますると、この中に、土地が民有地、公有地あるいは国有地とありまするが、問題は民有地なのであります。はたしてこれだけの民有地が――ことに真駒内、大倉山、手稲山は民有地がわりあい多いようであります。あとは国有地や公有地が多いようでありますが、やはり国際競技場として将来の日本冬季競技については、ここがひのき舞台にならなければならぬ関係もありまするので、この土地が、民有地の関係でかってなまねをされたのでは、札幌に住まないわれわれといたしましても残念なことになるのですが、そういう土地の問題については、そう心配することはないようですか、ちょっと情勢だけ聞かせていただきたいと思うのです。
  32. 原田與作

    原田参考人 仰せられますように、私どもこれを機会に世界的な水準の競技施設というものをここへ置きまして、日本はもちろん、東洋でも冬季スポーツのひのき舞台は札幌だというふうにしたいものだというふうに念願をいたしております。  そこで、いろいろこうした施設の中で問題になりますのは土地でございますが、この中のほとんど大部分は一応了解をしてもらっております。ただ、細目の協定等についてはまだできておりませんけれどもオリンピックが来たらぜひ協力したい、かようなふうに私どもは受け取っておりまして、その問題については大きな問題はないと信じております。
  33. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 最後に体育局長にお尋ね申し上げますが、過般の当委員会におきまして、よく大臣とも相談をして、万遺憾なきを期してもらいたいという希望を申し上げておきましたが、本日も大臣がおいでにならぬので、私は心残りがするわけですが、あなたが本日御発言になったことも、あなた個人の御意見として、また考え方として述べられたのか、大臣ともよく相談をして、大臣気持ちはこのとおりだというような考えで、またそういうように感じられて述べられたのか、また、過般私があなたに希望を申し上げておきましたように、大臣とも相談をされた結果、大臣気持ちは、この点についてやはり相当熱意を持っておられるかどうか、この点だけをお聞かせ願っておきたいと思います。
  34. 西田剛

    西田政府委員 先般お話もございましたので、状況は大臣にも御連絡を申し上げておりますし、大臣も非常な御関心を持っておられます。ただ、きのうも、きょうのことで大臣ともお目にかかっているわけでございますが、いずれにいたしましても、現況では組織委員会のすみやかな発足というのが第一じゃないか、そういう角度で、なるべく体協の方及び地元の方とも相談して、すみやかな組織委員会の発足をぜひ進めるようにしてもらいたいと思います。内輪でいろいろの話はいたしておりますけれども大臣としては非常に御関心をお持ちでございます。また、オリンピック並みには少なくともしっかりやりたいというお気持ちでございます。幸い、中村大臣オリンピックの際の組織委員会の当初の委員でもあられましたし、御関心は非常に深うございますから、その点私どももたよりにいたしておる次第でございます。
  35. 福永一臣

    福永委員長 ほかに質疑はありませんか。  両参考人には、御多用中にもかかわらず貴重な御意見を承りまして、まことにありがとうございました。本委員会の今後の調査に、非常に参考になったことと存じます。ここに委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。  次会は、明六月一日、水曜日、午後一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十三分散会