○前田(榮)
委員 参考人の
竹田委員長と
原田市長、御両名が全力をあげて万全を期して運動していただいて、おかげで
日本に誘致することができましたことについて、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
さて、こうなりますると、この成果にこたえて最善を尽くさねばならぬと存ずるのでありますが、いま
質疑の中にありましたように、
組織委員会もまだできていないし、また、
政府のほうでも
担当大臣をだれにするかというようなことについても、まだ
準備も不十分なこの際における議論等は、むしろあまりしないほうがよいのではないかと存ずる次第であります。ただ、そういう上に立って、この
段階でお尋ね申し上げておきたいことは、この
決定まぎわまで、
竹田委員長が御報告されたとおりに、あるいはこの前の
会議の模様からすると、
カナダのほうに回るんではないかと
考えられた点も非常に多かった。しかし、
東京オリンピックやその他いろいろな
条件が幸いをいたしまして、
札幌に
決定をされた。御努力のおかげであると存じまするが、ただ、国際的に、かような状態になりますると、この
事情にこたえて
競技場の設備なり、あるいは各国から来られる
方々の歓迎設備等々について、
東京オリンピック以上に努力を払って、全世界の
方々の
期待を裏切ってはならないことだと思うのであります。そういう点で、いまどうするかということについては、そういう覚悟が要る、そういう
熱意を必要とする、こういう点がまず第一の要件に相なろうと思うのでありますが、さて、さしあたって、それならば
組織委員会やなんかのないときにどうするかということについて、実は当
委員会におきましてもただ心配をいたしておるだけで、ほんとうに具体的に、それなら右か左かということの議論もできないという情勢で、心があせっておるという状態なのでございます。
東京オリンピックの際には、衆参両院に
オリンピック特別
委員会という
委員会がそのために設けられたのでありますが、いまその
委員会がございませんので、それにかわるのは当
体育振興に関する特別
委員会が当然その任に当たらなければならぬという情勢のもとでわれわれは心配をいたしておるのであります。追って
事情の進展とともに、特別
委員会が別に設けられるかどうかについても、まだ何とも申し上げる
段階になっておりません。おりませんがゆえに、なお一そうわれわれも
責任を感じて、できようができまいが、われわれの
責任を果たす上からも、この問題の万遺憾ない
準備を進めるべきであるというたてまえに立っておるわけでございます。
そこで、
竹田委員長に多くをお尋ねすることもないと私は思うのでありますが、ただ一言だけお尋ねを申し上げておきたいのは、さて、かように
決定いたしました限りにおいては、将来を嘱望される
日本の若い
選手にいかなる強化運動、いかなる
準備をさすべきかということは、これは専門家におまかせしなければならぬと思うのでありますが、まずそれについて、少なくとも国際的な舞台において強化運動をさせなければならぬ。いままでの
北海道、東北、あるいは北陸等々にありましたこれらの
競技場のようなものでは、問題にならないことは申すまでもないのであります。そこで、国際的な
競技場をつくる上においても、一年でも二年でも早くつくり上げて、
日本の若い青年
選手に、この本舞台において十分な強化運動、十分な訓練をせしめて、世界各国の青年
選手を迎えて、ここで十分な
競技を行なわしめる、こういうことが、いまの場合におけるところの方針としての重要な案件であろうと思うのであります。そこで、現在における
日本の
選手の強化は、われわれ門外漢には十分わかりませんが、一年前ならよかろう、二年前ならよかろう――長いほどいいのはわかり切ったことでありますが、せめて二年くらい前に完成して、二年くらい前からその本舞台の
競技場においてやらせたい、こういうことが当然いまの
関係者である、ことにその
責任者である
竹田委員長にはおありだろうと私は思う。そういうことについて、一々軽率な発言も
責任上しにくいとは思いまするが、ただ、そういう
責任のある
立場の
方々から、専門的な技術の上からも、また実際の問題からも、この点だということを聞かしていただきますならば、われわれのほうでも
政府に要求し、あるいはまたその実行に拍車をかけるという点に力を得てやりたいと思うのでございます。その点、
組織委員会として論議がかわされて確たる
決定問題となろうかと思いまするが、その前に、せめて
委員長としての、個人的な希望というものしか言われぬと思いますが、希望としても、このくらいのことはあっていただきたいという希望を持っておる点を聞かしていただければ幸いだと思うのであります。