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1966-02-17 第51回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月十七日(木曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 大石 武一君 理事 川崎 秀二君    理事 島村 一郎君 理事 前田榮之助君       上村千一郎君    海部 俊樹君       佐藤洋之助君    砂田 重民君       古井 喜實君    佐藤觀次郎君       長谷川正三君    穗積 七郎君       栗山 礼行君  出席政府委員         労働事務官         (大臣官房長) 辻  英雄君  委員外出席者         建設事務官         (計画建設振         興課長)    桑山 行夫君         建設事務官         (都市局参事官小林 忠雄君         建設事務官         (河川局次長) 青木 義雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  体育振興に関する件(国民の健康、体力つくり  関係施策)      ————◇—————
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  体育振興に関する件について調査を行ないます。  この際、国民の健康、体育つくり関係施策につきまして、建設省及び労働省より説明を聴取することといたします。桑山建設振興課長
  3. 桑山行夫

    桑山説明員 建設省計画局建設振興課長でございます。産業開発青年隊事業につきまして御説明をさせていただきます。  お手元に配付してございます「産業開発青年隊事業」という資料を御参考にしていただきたいと思います。  産業開発青年隊は、資料にもございますように、地域青年自発的参加によることをたてまえといたしまして、地域青年組織的な実践力を活用いたしまして、国土総合開発の促進に当たりますとともに、社会人としての一般教養技能教育青年に施しまして、有為な社会人を育成するということを目的といたしまして、昭和二十八年度から発足をいたしております制度でございます。  教育内容でございますが、青年隊教育は、いわゆる働きながら学ぶということでございまして、したがいまして、現場教育を主眼といたしておるわけでございます。すなわち、昼間は工事現場で働きまして、夜間は、技術及び一般教育を受けるという教育のしかたをいたしておりまして、団体生活共同生活を通じまして、郷土愛国土愛を基調といたしますところの精神的教養と、集団社会構成員としての必要な協調性とを組織的に訓練を実はいたしておるわけでございます。  産業開発青年隊事業目的はただいま申し上げましたとおりでございますが、次に、青年隊訓練組織及び内容でございます。  訓練組織及び内容は、まず訓練機関といたしまして、国直轄実施いたしておりますものと、それから補助事業といたしまして、事業主体道県実施いたしまして、国がこれに補助金を交付いたしまして奨励をいたしております制度でございます。  国直轄実施をいたしておりますものに二通りございまして、まず、建設大学校中央訓練所というものを付置いたしまして、この中央訓練所幹部隊中央隊というものを置きまして、これに基づきまして教育をいたしております。  まず、幹部隊でございますけれども、昭和四十一年度からは、幹部隊訓練期間二カ年といたしまして、訓練人員は一年生を三十名、それから二年生を二十名にいたしております。この応募資格でございますけれども、幹部隊資格は二十二歳から二十七歳までの男子対象といたしておりまして、中央隊地方隊修了者または短期大学卒業以上の学力を有する者の中から選考をいたしまして入所せしめております。それから中央隊でございますけれども、これは訓練期間が一年でございまして、人員は四十名を訓練いたしております。この応募資格でございますが、十八歳から二十三歳までの独身男子でございまして、高等学校卒業以上の学力を持っております、かつ地方隊実施していない県の出身者、後ほど申し上げます地方隊実施していない県の子弟中央隊に導入いたしまして、教育をいたしております。  それから、国直轄のものの一つといたしまして、北海道開発局青年隊教育をいたしておりますが、これを北海道開発局青年隊と申しまして、訓練期間は一年でございます。訓練人員は四十名を訓練いたしております。この応募資格は、大体中央隊と同様でございまして、十八歳から二十三歳までの独身男子で、義務教育修了者以上の学力を持ち、かつ、北海道出身子弟対象として教育をいたしておるわけでございます。  それから補助事業でございますが、これは先ほど申しましたように、事業主体道県でございまして、国がこれに補助金を交付いたして奨励をいたしている制度でございますが、地方隊訓練期間は一年でございます。訓練人員は四百七十名、応募資格は、十八歳から二十三歳までの独身男子で、義務教育修了者以上の学力を持ち、かつ、実施県の出身者というものを導入いたしまして教育をいたしております。  地方におきます産業開発青年隊事業実施県は、北海道五十名、山形県四十名、福島県二十五名、群馬県二十五名、長野県五十名、岡山県二十五名、島根県三十名、香川県二十五名、福岡県二十五名、大分県二十五名、熊本県四十名、宮崎県百十名、合計訓練人員四百七十名を教育いたしているわけでございます。  以上が、組織内容教育対象になっております青年の数でございます。  次に、現在までの成果でございますが、まず訓練人員につきましては、昭和四十年度までの訓練人員でございますが、幹部隊百六名、中央隊九百四十一名、北海道開発局青年隊百五十五名、地方隊六千百三名、合計七千三百五名を現在まで教育をし、社会に送り出しております。  この教育を修了いたしました青年自立状況でございますけれども、昭和三十九年度までの調査によりますと、昭和三十九年度までの修了生自立状況は、建設および測量会社等に五千二百五十八名が就職をいたしております。これは全修了生の七七・六%に当たる数字でございます。そのほか官公庁に職を得ております者が九百五十六名、全修了生の一四・一%に当たります。それから、主としてブラジルでございますが、海外に移住いたした者が三百三十二名でございまして、全修了生の四・九%に当たります。そのほか、自営をいたしております者が二百三十二名で、合計六千七百七十八名が自立をいたしているわけでございます。  以上が建設省におきます産業開発青年隊事業の概要でございますが、引き続き、お手元にございます建設省資料の第一ページ、「昭和四十一年度産業開発青年隊関係予算」をごらんになっていただきたいと思います。  四十一年度予算につきましては、この表に、四十年度予算額との対比を示しましてその動向を示しておりますが、産業開発青年隊事業に必要な経費と、それから建設大学校中央訓練所営繕費と、大きく二つに分かれて示されておりますが、第一の、産業開発青年隊事業に必要な経費から申し上げますと、四十年度予算総額が五千八百二十二万円になっているわけでございますが、四十一年度政府予算額は六千四百四万三千円、比較増減をいたしますと、前年度に比較いたしまして五百八十二万三千円の増額になっておりまして、比率としては一〇%の増額となっております。  この内訳は、運営指導経費が、昨年度は二十六万七千円、四十一年度が三十万一千円で三万四千円の増額、それから北海道開発局青年隊訓練経費が、四十年度が四百七十五万円に対しまして、四十一年度が四百八十四万四千円で九万四千円の増額募集選考経費が、四十年度は五十六万六千円で、四十一年度が五十七万六千円で一万円の増額、それから中央訓練所運営経費が、千三百五十九万七千円の本年度予算に対しまして、来年度は千四百四十万八千円、八十一万一千円の増額幹部隊訓練経費が、四十年度六百八十五万五千円が四十一年度七百五十四万円になっておりますが、六十八万五千円の増額中央隊訓練経費が、三百六万二千円が三百二十七万八千円で二十一万六千円の増額地方隊特別訓練経費が、四十年度千百三十六万七千円に対しまして、四十一年度が千百七十二万二千円で三十五万五千円の増額、それから地方隊訓練経費、これが先ほど申しました道県に対します補助経費でございますが、四十年度が千七百七十五万六千円に対しまして、四十一年度が二千百三十七万四千円で三百六十一万八千円の増額、以上のようになっておりまして、総額といたしまして、前年度比が五百八十二万三千円増額に相なっているわけでございます。  このほかに、建設大学校中央訓練所施設費、これは営繕費でございますが、四十年度予算が三千八十万円に対しまして、四十一年度予算額は四千三百七十六万五千円になっておりまして、差し引き千二百九十六万五千円の増額合計にいたしまして青年隊事業費が、四十年度予算が八千九百二万円に対しまして、四十一年度政府予算額が一億七百八十万八千円ということで、差し引き千八百七十八万八千円の増額に相なっているわけでございます。  以上が、昭和四十一年度産業開発青年隊関係事業費及びこれに関連する予算でございます。簡単でございますが説明を終わらせていただきます。
  4. 福永一臣

  5. 青木義雄

    青木説明員 ただいま説明のありました産業開発青年隊の次のページに、河川局関係というのがございます。河川局からは、この都市河川整備事業五カ年計画と、資料といたしましてほかに二部出してございます。それは、「河川敷地占用許可方針はいかにあるべきかに関する答申」と、それともう一つは、「河川敷地占用許可について」の建設事務次官通牒でございます。便宜一括して御説明さしていただきます。  昨年の三月三十一日の当委員会におきまして、体育振興に関する特別委員会として決議というのがございまして、政府に対しまして、河川敷地占用にあたっては適正な河川管理を行ない、占用につきましては、公園、広場、運動場等について優先的に行なう、その他、特に都市周辺河川敷地につきましては、諸般土地事情を勘案して適正な措置を講ずべきである、といった趣旨のものでございます。私どもはこの決議を受けまして、その方針に沿いまして諸般措置を行なったわけでございますが、いま申しました都市河川整備事業五カ年計画というのもその一環でございまして、これは敷地占用許可を適正に行ないますとともに、大都市周辺河川につきまして、建設省がみずから河川改修一環といたしまして敷地整備いたしまして、いわば公園化をするという事業を考えてみたわけでございます。いま考えております川は、直轄事業といたしまして多摩川荒川淀川外河川でございます。五カ年計画といたしまして、ここにございますように、多摩川につきまして三十六万平米、事業費二億円、荒川につきましては九十四万平米、八億ということを考えまして、とりあえず四十一年度につきましては、多摩川につきまして六万平米、事業費四千万円をもって土地を造成いたしたい。大体二子玉川の上流地点のあいておりますところに緑地をつくりまして、都民の散策あるいはいこい場所にさせたいということで、準備を進めておるわけでございます。  それから次に、河川敷地占用につきましては、この許可が、従来基準等についてはっきりしたものがない、不分明の点が多かったという経緯にかんがみまして、昨年の六月一日に、河川審議会に対しまして建設大臣から諮問をいたしまして、自来審議会管理部会で前後九回にわたりまして調査審議を重ねまして、十一月十日付をもちまして答申があったわけでございます。  この答申を簡単に申し上げますと、三ページ以下でございますが、河川というものは、洪水の際には安全に流過せしめ、被害を最小限度にとどめるという重要目的のあるものでありまして、そういう最も重要な公共用物でございますので、本来、占用許可というものにはそぐわないものであるけれども、もし社会、経済的な必要があってやむを得ず占用許可を認める場合においては、治水、利水に支障を生じてはならない、あるいは河川自由使用を妨げてはならない、あるいは河川及びその付近の自然的、社会的環境をそこなわない場合等に限って行なうべきものである、それから、公共性の高い事業計画との関係を十分調整してやるべきである、それから、主として治水上の観点から、河川管理施設の妨げとなるような占用許可はもちろん許すべきものでもないし、許可内容につきましても、必要最小限のものに許すべきである、それから、大都市周辺河川敷地占用につきましては、公園緑地運動場等、そういう一般国民の使用する施設のために限って許可すべきである、こういう内容のものでございます。したがいまして、そういう方針に沿って河川管理の強化を行なうべきであるという答申をいただきまして、それに基づきまして、先ほど申し上げましたように、昨年の十二月二十三日、事務次官通牒をもちまして、大体以上の答申の線に沿いました通牒を出しておるわけでございます。  このことは、もちろんまた当委員会決議趣旨にも沿っておるわけでございます。そういうことで、建設省といたしましては、河川敷地占用許可につきましては、適正な河川管理を行なう趣旨で厳格な規制を行ないますとともに、他方、事業を行ないまして、こういう敷地をみずからつくって、都民いこい場所に供しようという、両建てでもって進んでおるという状況でございます。  簡単でございますが、説明を終わります。
  6. 福永一臣

  7. 小林忠雄

    小林説明員 お手元にお配りしております建設省資料の三ページ目をお開き願いたいと思います。  都市局関係公園でありますが、公園関係は、四十一年度におきましては国費におきまして十四億円、事業費にして三十億円、前年度に比しまして二・五五倍というように、おかげをもちまして画期的な伸びを見せております。ただし、このうち、一番左の欄の下から三段目と二段目にございます古都保存事業費補助、それから首都圏広域緑地保全事業費補助というのは、公園予算のうちに入っておりますが、これは土地を買い上げる費用でございますので、やや本来の公園事業とは異なっております。この二つを除きました本来の公園事業は、ちょうど国費にしまして十億円、三分の一補助でございますから、事業費にしてちょうど三十億円になるわけでございます。  そのうち国営公園というのが直轄でございますが、これは霞ケ関公園北の丸公園というので、合わせて全額国費で二億三千万円。霞ケ関公園は、国会前の尾崎記念館の裏のほうの参議院議員会館あと整備をいたしまして、四十一年度で完成をいたす予定でございます。北の丸公園は、旧近衛師団あとでございますが、これを四十三年度までに仕上げるための費用一億八千二百万円がついております。  主として公共団体が行ないます公園に対する補助金、これが国費にしまして七億六千五百万円、事業費にしまして二十二億九千五百万円でございます。その内訳は、公園墓園に分かれておりますが、公園のうち、特に体育振興関係がございますのは、児童公園河川敷緑地でございます。児童公園は、金額にしまして、国費で二億九千九百万円、事業費で八億九千七百万円、前年度に比して二・二一倍の倍率を示しておりまして、その個所数というのがございますが、本年度二百七十カ所に対しまして来年度五百カ所、画期的に児童公園はその個所をふやしております。これは、最近都市の中で子供の遊び場が非常に少ない、それから交通が非常に混雑をいたしまして、子供の遊びが危険でございますので、そういう地元の要望にこたえまして、個所数及び金額を飛躍的に増加させたわけでございますが、さらに、これは年次計画をもって進めてまいりたいと思います。  次に、河川敷緑地が、国費にして一億三千万円、事業費三億九千万円、個所数十一カ所というようになっておりますが、これは、先ほど河川局から説明がございました決定に基づきまして、河川敷で遊休化しておるところを、なるべく公園緑地として利用しようというための予算でございます。それで、河川局のほうで河道整理を、先ほど説明ございましたようにいたしているわけでありますが、これは、同一年度に直ちに公園として利用するということはできませんので、河川局のほうで整理をしてつくってくれました用地は、四十二年度以降に公園化する予定でございまして、四十一年度におきましては、そういう河川工事を要せずして直ちに使えるような河川敷地がございますが、そのうち、ゴルフ場でございますとか、その他占用されていなくて直ちに使えるようなところを、東京大阪名古屋等大都市周辺で選びまして、三分の一の補助でこれを行ないたいと思っております。大体、河川数にいたしまして七河川を一応考えております。たとえば、東京周辺でまいりますと、多摩川荒川江戸川、それから大阪周辺でまいりますと、淀川あるいは淀川の支川の宇治川、神戸付近では武庫川、名古屋付近では庄内川といったようなところに、合わせて約六十二ヘクタール、二十万坪程度緑地をつくりたい。一カ所大体三千坪から一万坪程度緑地で、三千坪と申しますと、野球場一つくらいとれるという程度で、一万坪になりますれば、それが三面とれるわけであります。その施設内容は、野球場テニスコート等のほか、灌木程度植栽をいたしたい。その他、ある程度芝生を張りますとか、あるいはピクニックに行けるような程度の花壇をつくるというようなことを考えております。これは、四十一年度はごく試験的に行ないまして、四十二年度以降河川局のほうで整地をしてもらいましたところに、大々的に行ないまして、五カ年間で、われわれの希望としましては、二百万坪程度河川敷緑地をつくりたいというように計画いたしております。
  8. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 いま、あなたが北の丸の問題に触れて、北の丸整地の問題がありましたからちょっとお伺いするのですが、実は、私は日本武道館常任理事で、かつて議会で六百何人の賛成を得て、あの殿堂をつくり上げたことは御承知のとおりです。約三千坪拝借しているのですが、最近これが東京の名所になりまして、非常な観覧者がある。一日平均大体五、六千人ある。それから、大きな催しがあると何万という人が集まる。ことに、この間の池田さんの葬儀のときには約三万五千人、自動車が三千台集まった。東京都内自動車が三千台も集まるところがないんです。  そこで、日本武道館を今後いろいろ国家的に利用することが多いだろうと思うから、この間瀬戸山君に交渉した。あそこに自動車を置くところをこしらえろと言った。瀬戸山君いわく、あそこには何も営造物をつくらないのだという答弁なんです。ところが、あにはからんや四、五日たったら、閣議であそこに近代美術館をつくるという話になった。最近その全貌までわかってきた。ブリヂストンの石橋さんが全額寄付して、地下一階、地上三階の近代美術館をつくるという。まるで瀬戸山君の言うことと違っておる。私は非常に失望した。とにかくあそこに三千台も集まる機会があるにかかわらず、自動車置き場がないのだ。整地をしながらあなたがこれを考えて——いまの瀬戸山君の言われたことにはいたく私は失望したのだが、二、三日前の新聞に出ていることでは、瀬戸山君の意図と反することになるわけです。北の丸というものは、陛下の還暦の記念事業にあそこは森林地帯にするのだ、こういう御説明であったのだが、そのいきさつはどうなんですか。
  9. 小林忠雄

    小林説明員 ただいまの国立近代美術館の問題につきましては、本来、代々木のオリンピックの選手村のあと建設をしたいという話でございましたのですが、その後あそこは青少年のスポーツセンターにするというようなことで、近代美術館がくると、織田フィールドを中心とするいろいろな施設に差しつかえがあるというような、体育関係の方のいろいろな反対がありまして、代々木につくることができませんで、北の丸という話になったわけであります。都市公園法で建蔽し得る率が一応きまっておりまして、その範囲内ぎりぎりでおさめようということで、いろいろ折衝いたしました結果、現在の武道館科学技術館ですか、そのほかに総理府のほうの国立公文書館、その国立公文書館の面積を縮小いたしまして、そのあいた分に近代美術館を入れるということで閣議決定を見たのであります。
  10. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 いまの小林君の答弁では、結果において瀬戸山大臣の意思に反するわけなんです。私が陳情したらはっきりそういうふうに言い切っておる。あそこには全然つくりません。日本武道館とそれから科学技術館以外にはつくらないのだという答弁だから、そのまま聞いてきたのですがね。  そこで、あの武道館の前に官舎がありますね。宮内庁の官舎だと思うが、あれは取り払うのですか。
  11. 小林忠雄

    小林説明員 あれは法務省の研修所建物であります。あれは四十一年度予算でこれを撤去いたします。
  12. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 四十一年度予算で始めていいわけだね。あそこは計画してあるわけですね。やはりあすこは、将来の武道館運営に非常に大きな影響があるのだ。そして陛下が、最近武道館にいらっしたのは九回いらっした。陛下がいらっしゃるときに、その車の操作が非常にむずかしいので、あれをぐるりと回って、陛下の車が順調に出れるようにしたほうがいいのではないか、こういうことで、そのこともあわせ瀬戸山君には話をしておいた。それをよく頭に入れておいてください。九回いらしたのですが、陛下がいらっしゃる便殿もない。それでは階下につくろうと、実は武道館の上に陛下がいらっしゃる部屋があるのですが、陛下がじかにお出ましになられるようなところへ数十万円の金をかけて、あそこに陛下お出ましになる部屋をつくった。そういうような関係がありますので、どうしても武道館の向かって右わきのところは少しあけておいてもらわなければならぬ。しかるに、いまどんどん植木を植えておる。全然車はあそこに入れないほど植えておる。そういう点が非常に遺憾に思うのですが、ひとつそれをお考えおき願うことと、それから前面のいまの研修所のあれは、至急に撤去してもらいたい。こういうことをこの機会お願いをしておきたい。委員長にもお願いをしておきます。
  13. 福永一臣

    福永委員長 だいじょうぶですか。車の置き場というのは、これから大切なんですよ。建物はあっても車が使えないと、利用価値がなくなるのだ。これはひとつ十分言質をとっておいてください。
  14. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 事務局長を連れて、近くこれはあなたに具体的に話をするから。瀬戸山君にも会って話をするから。
  15. 小林忠雄

    小林説明員 ただいまの閣議決定は、これ以上の建物をつくらないということでございますから、敷地を建蔽しないような形の駐車場等は、当然全体として考えなければいけないと思うのです。ただ、いまお話の場所にそれをとるかどうかということは、設計上の問題としまして十分検討いたしたいと思います。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 大体建設省関係の御説明は終わったのだと思うのですが、きょうは時間がございませんから、いろいろ内容に立ち至っての御質問は、また当委員会で同僚と相談をしながらいたしたいと思います。したがって、きょうはこのままで、建設省の御説明は承っておくということでありまして、したがって、これを了承したということでないことを、ひとつ御確認を願っておきます。  多摩川の問題あるいは江戸川問題等についても、さきの当委員会調査をいたし、意見も述べ、またその内容に立ち至ってもいろいろ懇談をいたしております。そのこと等の進捗のぐあい等を、具体的にまた追って質問をいたします。  なおまた、野球場ゴルフ場等について、相当の、東急その他の会社等において使用いたしておる点が、いろいろ問題点があろうと思いますが、これらも後日に譲ることにいたしますから、そのおつもりでひとつお願いをいたしたいと思います。
  17. 穗積七郎

    穗積委員 建設省の方にお尋ねするのがいいのかどうか、私は体育委員会に出たのは初めてですから、間違っておったらそっちからサゼストしてもらいたい。  いまの佐藤さんの御質問と、ちょっと関連したことですから、一点だけ関連してこの際伺っておきたいのですが、代々木の旧練兵場のところを体育のセンターにするという御計画だそうで、私も、実は学生時代はいろいろな運動を熱心にやってまいりましたけれども、最近忙しくて、最近の体育に関する施設を全部見ていないのです。見ていないので見当違いな質問かもしれませんが、あそこへもしつくるとすれば、相当の広さもあります。私は幹部候補生で歩兵でございましたから、あそこでいつも訓練を受けましたけれども、最近は行っていないのです。ですから、ちょっと現地の状況をつまびらかにいたしませんが、水泳、陸上それから武道、それからラグビー、これらはほとんど施設を持っておる。それからボートは、戸田に静水のコースを持っているわけですが、最近わが国のスポーツの中で、学生スポーツを含めまして、着目すべきものはサッカーだと思うのです。これは非常に協会の諸君も熱心に指導され、外国の技術も入れたりして、最近急速に進歩、発展を遂げて、アマチュアスポーツ界におきましては、日本サッカーの将来については着目しておるわけです。ところが、この間聞きますと、サッカーの練習場、競技場もないというようなことで、あっちを借りたりこっちを借りたりしてやっているようなことで驚いたのですが、もしいまのようなスポーツセンターをつくるとか、あるいは九段の旧近衛師団、私はあそこの連隊の中にいたので、大体全体の模様は心得ておりますけれども、あそこは武道館の以外にどういう計画があるのか。あそこもスポーツに非常に適切な、付属いたしました施設をつくれば、りっぱな国民のレクリエーションの——平素はレクリエーションに公開していいわけですから、そういうことも総合的かつ積極的に考えるべきだと思うのです。スポーツセンターの話が出ましたので、まだ不勉強ですが、一点だけ事のついでに関連をして、そういう計画があるかどうか、それだけ伺っておきたいと思うのです。
  18. 小林忠雄

    小林説明員 サッカー場につきましては、オリンピックの際に東京都のほうで、駒沢の公園に専用のものを二つ、その他合わせまして駒沢公園で約三面ほど使えるわけです。それから、ただいまの代々木の森林公園につきましては、東京都が近く着工することになっておりますが、サッカー場をこの中に設けるかどうかということは、まだはっきり聞いておりません。先ほど御説明いたしました河川敷の利用という中には、野球場、テニスコート、サッカー場というようなものも考えたいということでございます。
  19. 穗積七郎

    穗積委員 私の聞くのは——私は思いつきですから、よく全体のいろいろな関連は存じませんけれども、たとえば、いまの代々木の森林公園、あるいはまた九段の旧近衛歩兵連隊のあとですね。あそこらにそういう計画の可能性があるのではないかと思いますが、東京都がやっておるからどうか知らぬということですけれども、それは建設省が、全体としてそういう施設については統括的な一つの指導なりサゼストをすべきだと思うのです。そういう意味で、建設省のアクチブな御意向を聞いておきたい、そういうことです。東京都のことは私は国会で聞こうとは思っていないのですから、建設省がどういう計画で、総合的な体育振興施設並びに方策についてアクチブな考えを持っているかどうか。その中の一環としていまのサッカーの競技場ですが、これは平素は公開してもいいわけです。他の目的のために公開してもいいわけでしょうが、それはぜひ必要だと思うのです。目ぼしいスポーツの中で、東京地域に専用のそういうものを持っていないのはサッカーだけじゃないかと思うのです。その点はどうでしょうか。その御意向は、いま現在わからぬでもいいですよ。将来はこういう方針で進みたいという御意向はどうです。
  20. 小林忠雄

    小林説明員 北の丸公園建設省直轄でやっておりますので、よく存じておりますが、森林公園はむしろ都民の散策の地というように考えておりますので、あそこに体育施設を、武道館以外につくるという計画は、ただいま建設省は持っておりません。  それから、代々木のオリンピック村のあとにつきましては、大体全体を三分いたしまして、小田急の駅に近いほうの鉄筋の建物は、これは文部省のほうで青少年のセンターとしてお使いになる。それから、ただいま工事をいたしております都市計画の放射二十三号線の北寄りの部分は、東京都が森林公園として植栽をする予定でございます。それから、放射二十三号線から渋谷の区役所寄りのところにつきましては、東京都と体育協会と共同いたしまして、スポーツセンターとして整備をする計画になっております。その中にサッカー場がとれるかどうかということは、ただいま聞いておりません。
  21. 穗積七郎

    穗積委員 わからぬけれども、建設省が研究して促進する熱意があるかどうかを聞いているのです。
  22. 小林忠雄

    小林説明員 研究をいたしたいと思います。
  23. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 ちょっと資料を要求しておきたいと思います。  衆参両院議員で、剣道、柔道、弓道、三道に関係のある人の名前と、それから段級とか称号のようなものがわかればけっこうです。それから国会関係の職員でその三道に関係しておる人の名前、段級などがわかればけっこうです。それから、それらに対する施設があるかどうか。職員の施設はあるようですけれども、国会議員がやるべき三道の施設がない。それらについての資料をひとつ要求しておきます。
  24. 島村一郎

    ○島村委員 河川敷の利用の問題でちょっと伺いたいのですが、ことに東京あたりは、大阪もあるいはそういうことがあると思うのですけれども、子供や何かの運動場が足らな過ぎる。だから、河川敷をどうしてもねらいたくなる。しかも、建設省のお考えを伺っておりますと、東京ではここなら許可ができるだろうというようなお話を伺って、昨年でしたろうか、当局に御案内をいただいて、荒川とか江戸川とかずっと見学した。そうなりますと、ずいぶん方々に空地があって、これを利用させてくれればいいなということがはっきり出てきたのですけれども、ただ、荒川なんかの場合を一応ごらんいただきますと、もう下流方面へ行きますと、ずっと洪水面が低くなっている。それで、かりにあそこへ川のしゅんせつを許可していただいて、それで根を上げたらいいだろうとは思うのです。ただ、やはりしがらみをつくらないとそこらはどんどん解け込んでしまって、埋め立ててもぼくは薄くなると思う。さて、その場合に鉄矢板を打ち込むことが許されるのかどうか、あるいは木柵でなければいかぬというのか、そこらのお見込みを伺いたいと思うのです。  それからもう一つは、この間同僚議員から、これは埼玉ですけれども、何かパイプラインをあの中に埋め込ましてもらったらどうかということを聞かれた。ところが、私はどうもそういう施設はほとんど認められにくいのじゃないか、いままで私の聞いた範囲では、そういう施設をする場合には許可にならないというように思ったけれども、どうかいな、おそらくだめじゃないかなということを、しろうと考えに申しておいたのですが、それらについてどういう御見解ですか、これらを伺いたいと思います。
  25. 青木義雄

    青木説明員 ただいま荒川の下流部につきまして、地盤が下がっているので、土地造成等について見込みがむずかしいんじゃないかというお尋ねかと存じますが、確かにそのとおりだと存じます。したがいまして、下流部につきましてそういう場所が造成できるかどうか、これは流水並びに洪水のはける容量とも関連いたしますし、慎重に検討しなければならぬと考えております。概括的に申しますと、ちょっと下流部につきましては、無理な点が多いんじゃなかろうかと思います。いま中流部等につきまして、場所をいろいろ検討しておりますけれども、そういうところについて造成いたしたいというふうに考えております。  それから、パイプラインの問題でございますが、これは工場等の普通の排水とかなんとかのためのパイプラインでございましょうか。
  26. 島村一郎

    ○島村委員 それは、私ははもうだめだと思ったから、その用途等については聞かなかったのですけれども、たぶんそんなことじゃないかと思うのです。
  27. 青木義雄

    青木説明員 これは、目的が工場の排水等を川へ流すためのもの等でございますと、もちろん治水上の観点もございますけれども、最近、河川の汚濁等の問題が非常にうるさくなっております。したがいまして、堤防、護岸の治水上の観点並びにそういった面につきましても、検討した上で許否を明らかにしたいと思いますけれども、概括的に申しますればあまり望ましくないんじゃないか、こういうふうに考えております。
  28. 福永一臣

    福永委員長 これより労働省所管の説明に入るのですが、それに先立って、佐藤君から質疑の要求がありますので、特にこれを許します。佐藤君。
  29. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 ちょっと労働省の官房長にお伺いしたい。  いろいろレクリエーションの計画等あるようですが、昨年ソ連に行きまして、労働者の健康管理について非常に進んだ施設を見てきたのですが、こんなのは時代おくれです。やればやるにこしたことはないのですけれども、千二百万の労働者の健康管理という面において、スポーツの奨励は非常に大事だと思うのです。そういう点で労働省でお考えになっておる点があるかどうか。このことと別ですよ。そのことをお伺いしたい。
  30. 辻英雄

    ○辻政府委員 労働省といたしまして、スポーツ関係の問題ではいろいろな問題がございますが、第一には職場体操ということが、労働者の疲労の回復というような意味でも一番直接的な問題でございまして、これは労働省として、職場体操のモデルのようなものを幾通りかつくりまして、これを企業におきます衛生担当者その他に流しておりまして、指導員等はまだ必ずしも十分でございませんが、そういう形で現在進めてまいっております。しかし、これはまだまだ十分とは申せない段階でございますので、私のほうで、企業の労務管理の近代化の指導というようなことをいたします際に、これは昨年もいたしましたのでございますが、あるいは労働者体力つくりの推進大会等の際にも、そういうものの説明、講習等もいたしまして、そういう考え方を普及すると同時に、その徹底をはかってまいりたいということに考えております。  それからスポーツの問題といたしましては、御承知のように、大企業のほうはある程度施設を持っておるわけでございますが、中小企業の場合は独自の施設を持っておりません。そこで、関係各省その他いろいろな方面で一般に利用できる施設について御配慮を願っておるわけでございますけれども、労働省といたしましても、中小企業従業員のための施設といたしまして、四十年度に一カ所、四十一年度に一カ所というような計画をいたしております。また従来から、働く青少年のための勤労青少年ホームというものがございます。また働く婦人の家というのがございますが、これも計画的に全国に配置をしてつくっておりますが、その中で、特に青少年ホームのほうには、軽運動施設を必ずつくらせるというように指導をいたしておるわけでございます。  その他、できる限り勤労者のスポーツその他につきましては、こちらのほうも奨励をいたしましてやっておるのでございますが、さらに一そう進めてまいりたい、かように存じております。
  31. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 職場体操というのもけっこうだけれども、無味乾燥だと思うのです。歩け運動やそういう体操運動は、古井さん、前田さんが得意で、国会議員などというのは十分理性がありますから、そういうことができるのですが、国柄が違いますけれども、ソ連では、昨年体育費だけで六兆という金を出しております。そこで、私はお願いするのですが、いま労働者のスポーツ祭典というものを総評で一昨年あたりから始めておるのですが、昨年名古屋に行きまして、名古屋はちょうど岐阜の国体の開催とぶつかりまして、あまり盛り上がらなかったけれども、最初の東京では非常に成功したのです。そこで、労働省か文部省か知りませんけれども、そういうオリンピックに出すスポーツでなければ——これはアマチュアでありますから、プロのゲームでありませんので、そういうような指導をするということが一番大事だと思うのです。いま官房長は、中小企業のほうに施設がないと言われましたが、そういうようなアマチュアのスポーツについては財源がない、これが非常な欠点だと思うのです。だから、そういうような施設をつくることも大事だけれども、そういう奨励をすることにおいて、労働省がそういうことを援助されれば、相当全国に広がってくると思うのですが、そういう点の意図はあるのかないのか、これもあとで、安井総務長官なんかにもいろいろ聞こうと思っておりますが、ちょっとその点をお伺いします。
  32. 辻英雄

    ○辻政府委員 お話の御趣旨のとおりでございまして、労働者が主体になりまして自分たちのスポーツの大会をやるということは非常にけっこうだことだと存じております。労働省としても、できる限り支援をいたしておるつもりでございますが、従来の実情は、府県単位等のものにつきましては、府県である程度めんどうを見ていただくということが多うございまして、私どももできる限りこれを御援助するようには努力してまいったつもりでございます。  全国大会につきましては、正規の予算は、現在のところ残念ながらございません。できる限りの方法で、事実上援助するようにいたしておるつもりでございますが、さらに今後とも努力いたしたいと思っております。
  33. 前田榮之助

    前田(榮)委員 いま佐藤委員からいろいろ御意見が出たのですが、各府県単位についても、今日そうたいして見るべきものがないのです。ことに労働者は、組織としては労働組合が中心に活動するのでありますが、労働組合については、左右いろいろなものがあるから、甲乙をつけたり、いろいろなことが非常に複雑になっておるということもあろうと思うけれども、その組合の中にある体育部とか、あるいはレクリエーションのクラブやいろいろなものがあります。これらに十分な、健全な発達をさせることが、日本の産業のためにも、日本の国民性を健全に発達させるためにも必要なことであって、左翼の労働組合はそういうことはむしろ反対かもしれない。反対かもしれぬけれども、世界の大勢は、共産主義の国でも、今日の情勢は、非常な、国をあげての力を加えておる情勢なのでありまして、そういうことから考えても、ほんとうに労働者を健全に発達させることが、会派のいかんだとか思想のいかんを問わず、日本の産業的発展をする今日の情勢からして、積極的に進めるべきじゃないか。これは西欧諸国でも、保守政党であろうが、革新政党であろうが、最近特に発展的に進んでおる傾向だと思う。いま日本においてこれをやらないなどということはいかぬと私は思う。  体力つくりでは、私も、大阪、長野県、滋賀県、それから兵庫県、長崎県等へ参りましたが、これらのところでも、やはり労働組合の代表者が積極的に出ておりません。ただ長崎県では、全労その他総評関係も、いまの体育部の関係で出てくれておるのです。そのときに、私はそれらの連中に、中央もどんどん進歩的に発展さすことになっておるから、あなたたちも県知事をはじめとした県の連中とよく相談をして、全県民運動の中へ入ってやれ、そのために要る費用は何とかなるだろう、こういうようにほのめかしておいたのですが、地方では地方のやり方がありますが、まずわれわれは国としてどうするか。いま佐藤委員がおっしゃったように、総評はオリンピックのあと大競技会を開かれた。そういうようなことも相当の費用を投じておる。今後は、なかなかそれだけのことでは済まないと思うのです。それでありますから、全労であろうが、海員組合であろうが、何々組合であろうが、その中の体育関係、体力つくり関係について、これを何とか発展させるように労働省がめんどうを見なきゃならぬと思うので、ひとつその点について御意見があれば、いま聞かしてもらってよろしいし、もしそういうことについて具体的なものがないならば、ひとつ大臣とよく相談をして、御努力をお願い申し上げたいと思います。
  34. 辻英雄

    ○辻政府委員 御指摘の点はまことにごもっともでありまして、先ほどもお答え申し上げましたように、できるだけそういうことが円滑に行ない得ますように、従来とも協力し、努力したつもりでございますが、なお不十分な点が多々ございますので、御指摘のように、今後ともそれにウエートを置いて、御趣旨は大臣にも伝えまして、労働省としてできる限りの努力をいたしたいと思います。
  35. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いま前田さんが言われましたように、日本のアマチュアスポーツというものは、大体文部省の管轄の、労働者からいえば、いわゆる金持ちの学生のスポーツになっている。そこで、いま言われるように、労働組合の中でも、スポーツをやるということが非常に反動的であるかのような錯覚を持っているわけです。そこで、われわれは、特に辻さんにお願いしておきたいのは、これは文部省でやられるとそういう懸念があるので、労働省は労働者を守る、いわゆるサービス省でありますから、いま言われました趣旨に基づいて、来年からは、労働者のスポーツという意味において、ひとつ労働省が積極的に主導権を握って、労働者の健康管理のためにスポーツを奨励してやっていただきたいということをお願いいたしておきます。
  36. 辻英雄

    ○辻政府委員 御趣旨ごもっともでございますので、そのように努力いたしたいと思います。ただ、労働省主催でやったほうがいいのかどうかはひとつ労働団体の諸君ともよく相談をいたしました上で進めてまいりたいと存じます。     —————————————
  37. 福永一臣

    福永委員長 この際、労働省所管の関係について、辻官房長より御説明を願います。
  38. 辻英雄

    ○辻政府委員 お手元に、「四十一年度体力つくり関係予算要求事項」というものを差し上げてございますが、その前に、考え方を若干申し上げてみたいと思います。  先ほどちょっと触れましたが、第一に、労働者自身並びに企業の労働者に接触する担当者、管理者に、そういう労働者の体力つくりについての熱意を持っていただくということが一番の出発点でございまして、一昨年閣議決定がございまして以降、昨年も、特に労働者体力つくり推進中央大会というのを独自で開催いたしましたほかに、全国から相当多数が集まりまする労働衛生大会の際にも、それと並行して体力つくり推進大会というものを開催いたしまして、そういう趣旨の普及につとめたつもりでございます。  さらに、具体的には、先ほどちょっと申し上げました職場体操等、具体的な方法の浸透ということが必要であろうかと思っております。これにつきましては先ほどもちょっと触れましたが、職場体操のひな形が三通りくらい現在できております。これは、職業訓練所等では必ず実施するようにしておりますので、民間等にもそのやり方が末端に浸透するように、労務管理近代化の講習会、あるいは衛生関係の講習会、そういう機会を通じて講習をいままでもやっておりましたが、さらに一段とそういうものを進めてまいりたい。  さらに、基本的な問題としましては、健康管理に対する基本的な研究という問題、一応職場体操等もできておりますが、さらにその内容なり、やり方なりについては、専門家に委託をいたしまして、そういうものの研究を一方においては進めてまいっておるわけでございます。  最後に、この施設関係でございますが、先ほども触れましたが、現在、とても労働省が勤労者の施設全体のめんどうを見るというシステムに、残念ながらなっておりませんので、一般の大企業等は施設を持っておりますが、中小企業の労働者の施設がない。そこで、本年度中小企業レクリエーションセンターというものを一カ所、来年度またさらに一カ所つくりたいというように考えておるわけでございます。そのほかに、先ほど申しましたように、勤労青少年ホームとそれから働く婦人の家というものがございます。これは、地方から上京してまいったような、都会地に縁故の薄い勤労青少年が、休日の余暇を善用するということの趣旨でつくったものでございまして、これにレクリエーションの指導なり、あるいは簡単な運動施設等を整備いたしまして、そこでそういうことが行なえるようにいたしておるわけでございます。婦人の家につきましても同様でございますが、この場合は、婦人の栄養に関する講習会というものも行事として行なっております。運営の主体は地方公共団体でございますが、建設につきましては国が助成をする制度になっております。現在までにございますのが四十八カ所、青少年ホームが三十四カ所でございまして、婦人の家が十四カ所でございます。来年度といたしましては、一応青少年ホーム十八カ所、婦人の家二カ所という予定をいたしておるわけでございます。  以上のようなことが大体考え方でございまして、さらには、できますれば労働衛生管理と並行いたしまして、全国の事業場に、基準法で健康診断の義務を課しておるわけでございますが、その結果の活用等がやや不十分であることが一つございます。この健康診断の結果を、体力つくりのほうに積極的に活用するような方途を講じたい。あるいは健康診断そのものの徹底ももちろんでございますが、必要に応じまして体力調査というようなこともやってまいりたい。  それからなお、御承知のように最近大企業で給食をいたしておりますのは、労働基準法で一回三百食以上、一日延べ五百食以上の場合は、事業場の場合あるいは寄宿舎の場合にも、栄養士を置くように基準法に規定されております。それ以下のものにつきましても、厚生省と連絡をしまして、そういう考え方が浸透するようにやってまいっております。特に中小企業の共同給食施設が、協同組合がやっておりますものが約二百五十あります。ここには栄養士を置くように指導をいたしておりますが、そういう体力の基礎になります栄養管理という面も、私のほうは厚生省と別に職場を通じてやってまいりたいというように考えております。  お手元に差し上げております予算は、以上のようなことの概要でございまして、レクリエーションセンター三億一百万、有害環境改善推進費千百万、安全衛生担当者教育千五百二十八万、全国労働衛生週間費四百八十一万、職業病モニター活動費が三百八十八万。これはちょっと御説明しますと、労働者が職業病にかかりました場合に、職業病であることが不明確でございまして、一般の手続で町の開業医のほうに参りますと、ただ処置はしてくれますがそのままになりますので、お医者さんに御協力願いまして、そういうものを御発見いただきましたら、御連絡いただくという制度をつくりました次第でございまして、それを拡充していきたいということでございます。新規雇用労働者安全衛生教育九十七万、労働災害防止対策費補助四億一千万。これは、御承知の労働災害防止団体に対する交付金でございます。それから中小企業巡回特殊健康診断千六百六十五万、勤労青少年ホーム、働く婦人の家設置費補助八千八百万、以上が直接に体力つくりに関係のあります四十一年度予算の概要でございます。  以上をもちまして御説明を終わりますが、なお、体力つくりにつきましては、先ほどから御指摘ございましたような点を含めまして、労働省としてできる限り努力をしてまいりたいと存じておりますので、よろしくお願いいたします。
  39. 福永一臣

    福永委員長 ただいまの説明に対して御質疑はございませんか。
  40. 大石武一

    ○大石(武)委員 ちょっと一言希望を申し上げます。  先ほどあなたの御説明では労働省でいろいろな施設その他を全部持って指導するというわけにはいかないけれども、勤労者のスポーツの振興についてはできるだけ努力したいという御意見でございましたが、まことにけっこうでございます。どうかそのワクをもっと広げていただきたい。先ほど佐藤委員からお話がありましたが、文部省だけではとうてい日本の全部の国民のスポーツの指導とか、そういうことはできにくいと思います。大体文部省のやることは学生スポーツが主だと思います。そういう意味で、もっと学生より広い範囲の勤労者がたくさんおりますので、そういうものに対してもできるだけスポーツというものが普及されて、みな健康で明るい根性を持って働き得ますように、そのような気迫を持って十分施策を進めてもらいたいということを希望いたします。
  41. 辻英雄

    ○辻政府委員 御趣旨のように努力をいたすつもりでございます。
  42. 福永一臣

    福永委員長 別に質疑もないようでありますので、本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十四日木曜日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会