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1966-06-23 第51回国会 衆議院 商工委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十三日(木曜日)    午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 浦野 幸男君 理事 小川 平二君    理事 河本 敏夫君 理事 始関 伊平君    理事 田中 榮一君 理事 板川 正吾君    理事 加賀田 進君 理事 中村 重光君      稻村左近四郎君    小笠 公韶君       小沢 辰男君    大平 正芳君       海部 俊樹君    神田  博君       菅野和太郎君    黒金 泰美君      小宮山重四郎君    田中 六助君       竹内 黎一君    中村 幸八君       西岡 武夫君    三原 朝雄君       湊  徹郎君  早稻田柳右エ門君       大村 邦夫君    桜井 茂尚君       沢田 政治君    島口重次郎君       田中 武夫君    田原 春次君       栗山 礼行君    加藤  進君  出席国務大臣         通商産業大臣  三木 武夫君         国 務 大 臣 福田 篤泰君  出席政府委員         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  井原 敏之君         総理府事務官         (経済企画庁国         民生活局長)  中西 一郎君         通商産業政務次         官       進藤 一馬君         通商産業事務官         (重工業局次         長)      赤澤 璋一君         工業技術院長  馬場 有政君  委員外出席者         通商産業技官         (公益事業局技         術長)     藤波 恒雄君         通商産業技官         (計量研究所第         四部長)    和田  功君     ————————————— 六月二十三日  委員内田常雄君、遠藤三郎君及び佐々木秀世君  辞任につき、その補欠として竹内黎一君、西岡  武夫君及び湊徹郎君が議長指名委員選任  された。 同日  委員竹内黎一君、西岡武夫君及び湊徹郎辞任  につき、その補欠として内田常雄君、遠藤三郎  君及び佐々木秀世君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 六月二十三日  電気工事業を営む者の営業所登録等に関する  法律案田中榮一君外八名提出衆法第五四  号) 同日  電気工事業法制定に関する請願麻生良方君紹  介)(第五九七七号)  同(本島百合子君紹介)(第五九七八号)  短絡遮断試験設備設置に関する請願原茂君紹  介)(第六〇二〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  工業標準化法の一部を改正する法律案内閣提  出第七九号)(参議院送付)  計量法の一部を改正する法律案内閣提出第一  三三号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 天野公義

    天野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出工業標準化法の一部を改正する法律案及び同じく計量法の一部を改正する法律案議題として審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大村邦夫君。
  3. 大村邦夫

    大村委員 政府は御承知のように今回計量法改正を行なわれましたが、何せこれは長文難解でございまして、この計量法あるいは関係する法律さらに政令、こういうものを全部ひっくるめますと三千条文からあるといわれております。そこで私はこの全般について質問するというのは限られた時間でとうてい不可能でございますから、本日は主として消費者行政立場から若干質問をしてみたいと思うわけであります。  まず第一に御質問をしたいのは、計量行政審議会についてでございます。この一年間計量行政審議会がどのように運営をされたのか、その実績とその成果についてまずお伺いしたいのであります。
  4. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 計量行政審議会でございますが、昭和三十八年以降四十年にかけまして、今回の計量法改正案審議を進めております。その間約二年間にわたりまして委員会を約十五回、さらにこの委員会の下に各種部会がございまして、この部会も全部で七つございます。これらの七つ部会を運用いたしまして、部会の開催はそれぞれ三回あるいは五回、専門的な事項にわたりまして検討を加えております。これらの審議を経まして昭和四十年、昨年の四月に審議を終了し、五月に今回の計量法改正に関する審議会答申を出すに至った、こういう経緯でございます。
  5. 大村邦夫

    大村委員 続いて要員構成についてお伺いをしたいのですが、説明してください。
  6. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 審議会定数でございますが、審議会委員長以下定数は三十名ということになっておりまして、現在二十八人の委員が選ばれております。この二十八名のうち特に御関心があろうかと思いますが、消費者代表といたしまして三名の方がこれに委員として任命をされております。また、各種七つ部会があると申し上げましたが、この部会にはそれぞれ専門委員を任命いたしておりまして、この委員の総数は現在約二百五十名程度に相なっております。
  7. 大村邦夫

    大村委員 そうしますと常任委員会あるいは総会というものがあると思いますが、この常任委員会総会には出席はするが、設けられた幾つかの専門調査会には出席をしない、こういう場合があろうかと存じます。そういう場合がありますか。
  8. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 委員の数が二十八名でございますので、必ずしも全体の委員の方がくまなく全部の部会に所属するということではないかと存じます。ただ必要の部会には委員の方がそれぞれ分担をして入っていただいております。たとえば非常に消費者行政関連のありますところの量目の問題、こういった問題の専門調査会にはやはり消費者代表委員の方が入っていただくということでございまして、それぞれ関係専門家がそれぞれの部会に入り、またそれぞれの部会の決議を常任幹事会あるいは審議会総会、こういうところに持ち寄りまして、最終的に審議をする、かような仕組みに相なっております。
  9. 大村邦夫

    大村委員 この審議会の中で私どもがきわめて関心を持っておるのは、消費者代表でございます。聞くところによりますと、この委員会に設けられた幾つかの専門調査会の中で、消費者代表が三名でございますから、その間この調査会にいって十分意見を反映したいと思っても、必ずしもその意が達せられない、こういうことからかなりの苦情があがっていることを私は聞いております。そういう立場からするならば、消費者代表の三名についても、いま少し数をふやしていただきたい、私はこういう意見を持っておりますが、あなたのほうの御見解を聞きたい。
  10. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 計量行政審議会構成分野でございますが、事柄がきわめて技術的な問題でございますので、関係の学界の方々あるいはメーカー、それからさらには販売業者代表、そういったもの等々加えましていま二十八名という構成になっておるわけであります。消費者行政の点はもとより非常な重要な問題でございますから、現在では日本消費者協会主婦連合会、それから東京都の地域婦人団体連盟、この三者の代表の方がこれに参加をしていただいているということでございます。私も数回この委員会出席をいたしましたが、消費者の方はいずれも活発に意見を述べておられまして、全体の中でそれほど消費者の声が特に届かないという仕組みではなかろうかと存じますが、御意見等もございますし、また二名の欠員もございますので、その辺実情を見て今後善処してまいりたいと思います。
  11. 大村邦夫

    大村委員 ただいま申しました消費者代表の数をふやす点については、なお十分検討していただきたいということを御要望として申し上げておきます。  私がこの計量行政審議会の問題を取り上げた本旨といいますか、それは次のことであります。聞くところによりますと、政府与党、すなわち自民党の内閣部会において、今日内閣委員会にかかっております審議会等整理に関する法律案、これに関連をしていろいろ与党部会審議をされて、その取り扱いについてはいま直ちに廃止はしないけれども、適当な機会を見てこれを廃止したいという意見が支配的であったように聞いております。これは私は直接聞いたわけではありませんが、そういうことだそうであります。だとするならば、以上説明のありましたように、この審議会は通常持たれている審議会、すなわち一年間で何にも審議をしない、実績のない審議会と同じように考えられてははなはだ迷惑でありまして、かなり実績成果をあげていることははっきりしておりますから、そういう立場に立つならば、ぜひこの審議会というのは今後とも継続してもらいたい、こういうことであります。この点につきまして政府見解をひとつ聞きたい。
  12. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 ただいまこの国会に審議会等整理に関する法律案提出いたしまして御審議を願っていることは御指摘のとおりであります。この審議の内容につきましては、三十四というものを具体的に取り上げております。いまお話しのとおり整理に関する一応の基準を設けて、その基準にのっとって具体的にきめているわけであります。今後も行政簡素化能率化のために整理関係はすべきものはやっていくという方針でございます。ただ問題はケースバイケースで、審議会自体の持つ重要性も十分私ども考えておりますので、その審議会が本来の任務を十分発揮している場合には、これは当然存続するわけでありますし、最近では家内労働審議会といったようなものも、新しい社会的な面から見てむしろ新設を認めたというような事例もございます。今後、具体的ないままでの実績、今後の重要性、そういう点から見まして慎重に検討いたしたいと考えております。
  13. 大村邦夫

    大村委員 重要ですから重ねてお尋ねをします。慎重に検討を重ねたいということですが、あなたのほうとしてこの種の行政審議会廃止をすべきでない、そういうお考えに立っておられるかどうかということを今日時点でお尋ねいたします。
  14. 福田篤泰

    福田(篤)国務大臣 この計量行政審議会がはたして廃止すべきものであるか、あるいは存続を適当とするか、まだ実は結論に至っておりません。与党におきまして小委員会を設けられまして、整理に関する促進的な御協力をいただいておることは、御指摘のとおり事実でございます。与党側の小委員会の一応の案といたしましては、三カ年の時限的な期間を設けていきたいというお考えのようでありますが、これはあくまでも参考的な御意見で、われわれ行政管理庁としては相当はっきりした明確な基準がありますので、具体的によく検討して結論を出したい、こう考えております。
  15. 大村邦夫

    大村委員 まことに慎重な御答弁でけっこうでございますが、私はやはり直接行政をつかさどるところの主管官庁なり省なりがき然たる態度でこういうものに当たっていただきたい。何も与党に遠慮をされての御答弁ではないと思いますけれども、重ねてこの点についての御要望を申し上げておきます。  行政管理庁関係はそれでよろしゅうございます。  次にお尋ねをするわけですが、御承知のように四月一日から、三十四年以来猶予されてきました土地建物関係にもメートル法が完全に実施をされることになったのは御承知のとおりです。これは長い間民間になじまれました坪あるいは間、尺、こういうものを早急に切りかえるというのは、実際問題としてはなかなかむずかしいと思います。事実中年以上——私もそうかもしれませんが、メートル法は若干苦手でありまして、特に建具職人とか大工、畳屋、こういう者は尺貫法を長い間使っておりますから、それこそ何が何でも死守するというような職人かたぎの人もおるようでありまして、この切りかえは容易ではないと思います。したがってかね尺とか鯨尺、こういうものの需要があるということは事実であります。需要があればそこに供給というものが生じてくると思うのです。ところが御承知のようにかね尺鯨尺製造禁止になっておりまして、また販売も禁止されておる。つまり品薄だ。需要があり、そして製造なり販売がとまれば、既存のものについてそこにやはりやみ販売あるいはやみ値、さらにはやみ製造というものが生ずるおそれがあると思うのです。おそれだけではなしに、事実そういうことが阪神地区では起きておるということでございますが、たとえば一本が千五百円から二千円でかね尺が売られたり、あるいは竹製のものが一本二百円で売られておる。この対象は、たとえば裁縫の先生等を相手に行商が行なっておる、こういうことのようでありますが、私は政府製造禁止販売禁止をもって能事足れりとしたかどうか知りませんが、そのことによって切りかえがスムーズにいくというような考え方はあまりに甘過ぎると思うのです。幾ら罰則を設けましても、長い間親しんできたのですからなかなか切りかえがきかない。現に大工さんあたりは、見習いを養成するのにいまだに尺貫法を使っておる、こういうこともあるように聞いております。  そこでお尋ねをしたいのは、政府製造販売を禁止したときに、手持ちの製品というものが業者にはあったと思うのですが、これの取り扱いについてどういうように指示をされたか、その辺の取り扱いについてお尋ねをしたいのです。
  16. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 御質問鯨尺かね尺、こういったたぐいのものでございますが、ただいま御質問の中にもございましたように、私どももそういうものが一部の間で使われておる、あるいは阪神あたりの駅頭でやみでひそかに売られておるというような事実も実は耳にいたしておる次第でございます。私どもいろいろ聞いておりますと、たとえば服装学院と申しますかドレスメーカーの学校といいますか、そういうところでは和裁等につきましても全部メートルで教えておる。そで口何センチというようなことでけいこしておるようであります。ところが実際問題として町の何か和裁師に頼むときには、どうも何寸でないと困るというような、非常にメートル法の施行の面から申しますと、まだまだ従来のこういった慣習が残っておりまして、これを全部切りかえなければいかぬ、これは場合によっては罰則をもって罰するということは、国民生活の上から申しましてもなかなか困難なことであろうかと存ずるのであります。ただこういったものは、何ぶんにもなれと全体の普及率と申しまするか、そういう点が非常に大事でございまして、たとえば大工さん、特に日本建築をいたしまする大工さんあるいは畳職人、こういった人たちにもよりより都道府県等講習会をいたしまして、こういったものの普及につとめておるわけでございまするが、まだ十分な成果をあげておりません。一歩一歩これは時間をかけて今後とも普及宣伝につとめてまいる所存でございます。  最後にお尋ねございました切りかえ当時の在庫品ということでございまするが、法律が公布され、これが施行されますまでの間一年以上の経過期間を置いておりまして、この間猶予期間を置きましてできるだけそれをさばいてもらうという措置を講じまして、実際在庫品処理等には当時としては遺憾なきを期した次第でございます。
  17. 大村邦夫

    大村委員 御指導なさったのはけっこうでありますが、現実には需要がある限りは製造かなり行なわれておるのじゃないかという気がするのです。指導文書を出してそれで大体うまくいっておるとお考えになるのは少し甘いのじゃないかと思うのです。これがお役所的な仕事だとぼくは言いたいのです。そこら辺についていま少しきめこまかくめんどうをみていくという姿勢が、メートル法計量思想普及に私は大いに効果があると思います。ですから、おそらくその当時そういう指導をされても、一年を経過してもかなり製品があり、聞くところによると暴力団がこれを買い占めて、需要があるものですから資金源としてこれを売りさばいておる、こういうことも世上取りざたされておるのであります。こういう点はもう過ぎたことでありますが、しかし私がいま説明したように、そういう悪徳商人並びに行商横行とまでいかなくてもある程度あるとするならば、これはやみ行為取り締まりというより計量法違反としてお取り締まりになると思います。この点についても十分ひとつ監視をしてもらいたいと思うのであります。あなたのほうはこういう取り締まりについては一体どの部門が行なわれるのか。ただ何か申告があったり何かの機会に目についてそれを取り締まるという、いわば場当たり的な取り締まり方法なのか、もっともっと積極的に取り締まりを強化しておられるのか、そこら辺についてお尋ねしたいわけです。
  18. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいまの販売面取り締まりと申しますのは、警察がやっておるわけでございますが、これはいわゆるやみ売り等でございますので、なかなか追及もむずかしいという点もあろうかと思います。私どもといたしましては、むしろ製造メーカーの段階でこういったものの製造が行なわれないようにするということが、根本的にこういったものの横行を防ぐゆえんでもございますので、通産省はもちろんでございますが、都道府県等を通じまして、十分メーカー対策として、違反計量器製造をさせないようにつとめてまいりたいと存じておる次第でございます。
  19. 大村邦夫

    大村委員 そういう点の取り締まりはどこがやるのですか。今日どういう形で行なわれておるのですか。
  20. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 計量器製造メーカーでございますが、いま全国で千五百五の事業場がございます。このうちで九人以下という従業員を持っておりますいわゆる零細企業、こういったものが約半数ちょっと、約八百五十ばかりあるわけでございまして、きわめて零細企業であり、また多数のところに散在をいたしておりますので、必ずしもこういった点につきまして中央官庁である通産省がじかにこれを指導するということもなかなか困難と思います。年に二回全国都道府県計量関係担当官会議を持ちまして、そのつどこういったことが、やはり議題になっております。私どもといたしましては、都道府県あるいは計量の一斉取り締まりを行ないます特定市、あるいは都道府県計量検定所、こういったところの職員を随時こういった工場に巡回派遣をいたしてまいりまして、そういった方々から、いま申し上げましたような違反計量器製造が行なわれないような指導、監督をしてまいっておるわけでございます。今後ともこの点につきましては、なおそういった措置を強化してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  21. 大村邦夫

    大村委員 ただいまの御答弁の中で、販売面よりも、むしろ製造面を取り締まるべきである。これはもっともなおことばでございまして、私もその根源を絶つという意味においては異存はないわけです。今後ともこの種の取り締まりについては十分配意をしていただきたい。  そこで通産省お尋ねしたいのですが、政務次官に聞くのはちょっと事務的、技術的で恐縮なんですが、いまお聞きのように、メートル法完全実施をめぐって一部の業者では、いわゆる尺貫法による鯨尺あるいはものさしのようなものは製造禁止になった。もちろん過渡的な措置もありました。これは計量行政から見ての立場でありまして、通産行政としてそういう零細企業、それから商売の成り立たなくなった生業的な業者に対する転廃業措置、そういう助成措置は講ずべきであったと思うのです。これが御承知のように、いま小規模企業共済法、これは自前で、昔でいう頼母子のようなもので、別に政府はたいした出資はしておりませんでした。これでめんどう見たとは言えない。製造禁止になったり、あるいはまた販売禁止になったりした業者に対する政府援助措置とか指導とかいうものは、どういうふうに一体行なわれたか。私はかなりの数があったと思いますが、そこら辺をひとつお尋ねしておきたいのです。これは次官にと言うのはちょっと恐縮なんですが、どなたかおられませんか。
  22. 進藤一馬

    進藤政府委員 通産省では中小企業育成のために、そういう零細企業者に対しましては、できるだけのことをいろいろ考慮してやってきておりますが、転廃業に対しましては、具体的にははっきり私存じませんが、できるだけそういう点につきまして指導しておるつもりでおります。
  23. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 尺貫法からメートル法に切りかわる場合の中小企業の問題でございますが、機械そのもの、たとえばものさしで申しますと、目盛りを打つ機械、こういう機械は、機械そのものが、尺貫法からメートル法に変わったからといって特段に大きく変化するものでもないわけでございます。また計量器そのもの需要は、年々非常にふえてまいっておりますので、こういった中小企業分野におきましても、需要は安定的に伸びてまいっております。そういう意味合いから、切りかえ当時、だいぶ前のことでございますけれども、特に中小企業がはかりをつくります業から他の事業に転換をいたしますとか、あるいは今回の不況の場合におきましても、倒産するとかいうような事例は、ほとんどないものと私ども承知をいたしております。これはあくまで計量器需要というものが非常に安定的に伸びておる、こういうことがその裏づけになっておろうかと思うわけでございます。なお通産省といたしましては、中小企業振興関係といたしまして、中小企業近代化促進法におきまして、昭和四十年度におきまして、はかりの製造業及び圧力計製造業、この二業種を指定いたしまして、これらの事業近代化基本計画を目下策定中でございます。そのほかになお機械工業振興臨時措置法でもって、特殊なものにつきましては機種を指定し、それぞれ必要な合理化計画の推進をしてまいる所存でございます。
  24. 大村邦夫

    大村委員 ことさらに転業なり廃業なりをメートル法実施によって余儀なくされるものについて、配慮をしたという面はあまりないようですね。ただ、いま御答弁のありました中に、需要はふえた、だから倒産するものもいないはずだ、あるいは転業もそういないはずだということでありましたが、私がお尋ねしたのは、かね尺鯨尺、こういうものをつくっておる業者製造禁止されたから、さぞかしお困りになったでしょう、そういうときに政府として手を差し伸べられましたか、こういうことをお尋ねをしたわけでありまして、これはメートル目盛りと同じじゃありませんから、その機械が役に立つわけではありません。機械の取りかえなり、あるいはさらにそれに伴って近代化を行なわなければならない、いろいろな要請が私はあったと思う。その点についてお尋ねをしたわけであります。なおこういうときに、とかく計量行政という面だけが表面に出て、業者関係というものはどちらかというと陰に隠れがちになるのであります。こういう点こそ政府は十分配意をすべきだ、こういうことを御意見として申し上げておきたいわけであります。  それから御承知のように三十四年一月以来、七年間もメートル法実施を猶予されてきましたところの土地建物関係、これもいよいよ四月一日からメートル法完全実施ということに踏み切ったわけでありますが、この完全実施をめぐって通産省なり法務省なり建設省、これら関係機関の間の意思の不統一から各省ごとにばらばらの通達が出て、下部出先機関、あるいは不動産業等国民の間にかなりの混乱を生じ、当衆議院商工委員会で三月の末でしたか、田中委員から指摘をされて問題をかもし出し、三木通産大臣から陳謝の意が表せられたことは御承知のとおりであります。これは過ぎたことですからいまさら追及する意思はありません。問題はその後の実施状況、これがどういうように行なわれておるのか、私はちょっと疑問に感ずるわけであります。と申しますのは、先般ある新聞を見ますと、登記所では依然として坪が幅をきかせておる、こういうことであります。坪が幅をきかしておるというのは、今日登記簿の書きかえ等が坪で行なわれておる。こういうことのようでありまして、五月の二十五日ですかに開かれた全国計量行政機関主任者大会でも、地方代表からこの問題が強く出されて、通産省は近く法務省メートル法完全実施を申し入れるということが実は伝えられておりました。これが事実かどうか私はわかりませんが、もしそれが事実としてあるならば、これはちょっと問題でありまして、メートル法完全実施を強調し、迫るところの政府自体がそういうような姿勢であるならば、これは私どもは追及せざるを得ないのでありまして、この点についてどういうように把握をしておられるか、ひとつお尋ねをしたいわけであります。もともと通産省法務省はどうもスタートから足並みが乱れ、しかもそれがある週刊誌等では、これは信憑性のほどは別でありますが、法務省では電撃作戦とかいわれて、通産省が意表をつかれてしてやられた。その意図というものは、通産省の言うようにそうそう簡単に書きかえはできはしない。そこでかなりの余裕期間を置かせるためにああいうような手を打たれたとか、いろいろ巷間おもしろい話が伝えられております。通産省かなり積極的であるが、法務省は実態論かどうか知りませんが、消極的である。こういう感じがありますが、あなたのほうはどういうように把握をしておられるか、お伺いしたいわけであります。
  25. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 坪をメートルに統一するということで、先般各省間の通牒にいろんなふぞろいがございまして、たいへん御迷惑をかけまして申しわけないと存じております。  その後の問題でございまするが、ただいま御質問にございましたように、先般の全国計量行政機関主任者大会通産省が春秋二回全国から集まってもらいまして協議をいたしておるわけでありまするが、この席上で、ある府県の担当者から、現在法務省土地台帳と登記簿との一元化作業をやっておりますが、その一元化作業の過程において、たとえば土地台帳から登記簿に新しい様式で書きかえるわけでございまするが、まだどうも坪でもってそのまま引き写しておるような例がある、これは今回メートル法に統一されるにあたって困るじゃないか、こういう質疑がございました。いろいろ私ども実情を調べてみましたところ、やはりそういった例があるということがわかりましたので、その点については、はなはだ遺憾である、こういうふうに考えております。何ぶんにも全国で千七百カ所ばかりもございます登記所のことでございますので、法務省といたしましても、全部が全部目が届かないという点もわかるわけでございまするが、私ども法務省との約束では、この三月末で土地台帳から登記簿に大体全体の約五五%程度のものがすでにメートルでもって書きかえが終わっております。残りのものはこれから何カ年かの間に書きかえをいたすわけでありまするので、その書き写しの際にはメートルでもって書き写しをしてもらいたい、そういうふうにいたしましょう、こういう約束ができておったわけであります。ところが具体的な問題といたしまして、いま申しましたように全国千数百カ所というような非常な数にのぼる登記所でございますので、法務省の通牒が出おくれておりまして、その点一、二の個所においてそういう事実があったということを法務省も認めております。当時私ども法務省に対しまして、今回の法律のたてまえ上まことに遺憾であるので、今後少なくとも書き写す分についてはメートル法で完全に実施してもらいたいという申し入れを直ちにいたしまして、法務省といたしましても、事実を調査いたしましてそういうことでははなはだ法の精神にもとるわけでございますので、今後かかる事例のないように積極的に各登記所の書きかえ作業を指導いたしますという約束をいたしております。今後はかかる事例のないように、書き写します際には、全部メートル法でもって書き写されるということになろうかと存じます。
  26. 大村邦夫

    大村委員 今後はスムーズにいくような御答弁でありますが、はたしてそうかという点については私はかなり疑問を持っております。法務省のほうは、手違いやあるいは通達のおくれから、登記簿の記載が依然として坪で行なわれたということでなしに、いまこれを四月一日から書きかえる分についても一々メートル法に換算するとかなりの手数が要る。しかもアルバイト程度では、内容が内容で重要なものですからそう簡単にいかない。そこでひとまず坪で記載しておいて、あと四十二度年くらいから予算をつけてもらって、そうしてこれを四十六年度をめどにひとつやろう、こういう意向があるのじゃないかと思うのです。このことは、先般の田中委員質問の中で、一体いつごろをめどにこれを完了するのかと言ったところが、いま私が申しましたように、四十二年度からは予算をつけて四十五、六年度までには終了したい、こういう御答弁であったこととかね合わせてみると、そのことが言えるのではないかと思います。同じ政府機関でありますから他省の悪口は言えないでしょうが、もう少し法務省にしりをたたいてもらいたい。でないと、こういう政府の態度である限りは、一般の民間について罰則を設ける伝家の宝刀をいつ抜くか知りませんが、そういう条文を設けても、やはりそういう威令というものは行なわれないで、なめられてしまう。政府自体の姿勢を見てみよ、だれでもそう言うでしょう。私はこの点については十分配慮していただきたいと思いますが、次官からひとつ大臣のかわりとして御見解を承っておきたいと思います。
  27. 進藤一馬

    進藤政府委員 御趣旨の点は十分実行に移してやっていく所存でございます。
  28. 大村邦夫

    大村委員 そのことをよく記憶しておきます。  それから次に、計量器の器差、公差の問題、それから使用上の量目公差の問題、これについてお尋ねしたい。  御承知のように計量器には一定幅の狂い、つまり器差が法的に認められております。また取引、証明などの使用に際しては、法律の七十二条で量目公差というものが認められております。器差に加えて量目公差、こういうことになりますと、かなりの誤差が生ずるのではないかと思います。ものによってはたいしたことはないでしょうが、マツタケとか、最近カズノコが非常に高くなって、カズノコをデパートで買うには貴金属売り場に行ったほうが早いといわれるくらいカズノコがわれわれ庶民にとっては非常に高い存在になっておりますが、こういうものとか、あるいは上茶、コーヒーその他高価なもの、こういうものは金額的に損得が問題になってくると思います。私が説明するまでもなく、売り手と買い手の関係から見ますと、その立場は常に逆でありまして、売り手が得をする場合には買い手が損をする。あるいはまた買い手が損をする場合には売り手が得をする、こういうような逆の立場にあります。私どもこの点を考えてみますと、通常売り手というのはやはり利潤追求ということを頭に入れておりますから、そうそう損をしないようにやるに違いない。そうなってきますと、買い手、つまり一般国民大衆、消費者、こういうものは常に損な立場に置かれると思います。したがって今度の法改正がいわゆる消費者を守るという一本の大きな柱がある限りにおいてはこういう点についての配意、これは何らか考えてみなければならない問題じゃないかと思うのですが、どうも私日本の計量思想といいますか、一般にこれを商取引にするようないわゆる商人等の適正な計量という観念が希薄じゃないか。言いかえますと、法律で器差が許されておる、あるいはまた量目公差というものが許されておる。だからこの公差にはまるものなら別に文句はないじゃないか、こういう考え方が私はかなり強いと思うのです。こういう点についてあなた方はどういうように考えておられるか、消費者保護という立場から、ひとつ御見解を承りたいと思います。
  29. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 量目の公差制度についての御質問でございますが、量目の公差制度はただいま御指摘ございましたように、計量器自体の許容誤差、その範囲と、それから計量行為、はかりますときに生じますところの誤差と、この両方を合算いたしまして量目の公差ということにいたしておるわけでございます。取引の実態からいたしまして、それぞれの小売り商店等におきましてはいろいろな種類の計量器を使用いたしておりまして、たとえばただいま御指摘のございました上等なお茶といったようなものにつきましては、やはり比較的一般の、たとえば野菜を売るとかその他のものを売るような計量器ではございませんで、もう少し精度の高い計量器を使用いたしておるようでございます。これはやはりお互いの小売り商同士も競争でございまするから、やはり正確に計量することがその店の信用であり、また消費者にも歓迎をされるという点から、そういう実態になっておるものと考えておるわけであります。  そこで量目公差の問題でございまするが、この点につきましては、もとよりプラス・マイナス両方の公差を定めておるわけでございます。法律で申しますると七十二条の関係につきましては、現在いろいろな消費物資を中心にいたしまして約二十八品目、それから七十五条の関係では三十品目を指定をいたしまして、それぞれの品目につきましての量目公差をきめておるわけでございまするが、最近消費者団体からの各種の強い要望等もございまして、たとえばインスタントコーヒーでございますとか、あるいは紅茶あるいはスパゲッティ、こういったような品物につきましてはプラスの公差を多くいたしまして、マイナスを少なくいたしております。たとえばいま申し上げましたような品目でございますと、プラスは四%マイナスは二%というふうにプラス側のほうを倍の公差をとって、そして消費者のほうに有利なようにという量目公差を定めておるわけでございます。この量目公差のきめ方でございまするが、これは先ほども質問のございました計量行政審議会の量目公差に関します専門調査会のほうで一品一品どういう量目公差が適当であるか、こういったことを検討いたしまして、まあ売り手のほうにもそう無理がないように、と同時に消費者の保護が十分行なわれるようにこの専門調査会消費者代表を入れまして議論の結果量目公差をきめて実施をしておるというような形でございます。  なお現在全国で約二千名の主婦にお願いをしていわゆるモニター制度というのをとっておりまして、一カ月間精度の高いはかりをお貸しいたしまして、そのモニターの方が町から買ってきた、たとえば四百グラムということで買ってきたものをもう一ぺん自宅へ帰ってはかり直してみるというようなことで、一体消費者のための計量行政というものがどういうふうに行なわれているかということを検討する制度が行なわれております。全国で約二千名の方にお願いをいたして一カ月間やっていただいておるわけでございますが、この結果を見ましても昨年の報告を見てみますると、プラスのほうがややマイナスより多い。マイナスが全然ないというわけではございません。ただプラス・マイナス比較してみますと、モニターからの報告はむしろプラス側の量のほうが多かったという報告が届いております。こういう点で量目公差の問題は、今後の消費者行政にとりまして非常に重要な問題である点は御指摘のとおりでございまするので、今後この制度の運用につきましてはなお行政審議会専門調査会等十分活用いたしまして遺憾なきを期してまいりたいと存じております。
  30. 大村邦夫

    大村委員 いまの御答弁は量目公差か主でございましたが、計量器の器差、これは公差ともいわれていますが、一般消費生活に関係のあるはかりですね、これは一体どの程度になっていますか、プラマイは。
  31. 和田功

    ○和田説明員 お答えいたします。  大体代表的なはかりについて申し上げますと、普通店屋さんで使っておりますバネばかり、これは一目が秤量の四百分の一程度でございますが、あるいは二百分の一ないし四百分の一程度でございますが、これにつきましては大体一目の公差。それから手ばかりあるいは台秤と申しましておもりを使いましてはかる形式のものでございますが、これはものによりまして種々ございますが、秤量の大体二千分の一ないし千分の一という一目の値を持っております。これもやはり一目ないし半日ということできめられてございます。なお使用公差のほうはそれの一倍半ないし二倍ということできめられてございます。
  32. 大村邦夫

    大村委員 そこで器差は技術の進歩に伴って縮められていったかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
  33. 和田功

    ○和田説明員 そもそも公差と申しますのは、そのはかりの構造上どうしてもこれ以上こまかくいたしますと非常に金額がかさんでくるとか、あるいは維持に非常に金がかかる、あるいはその保持の期間というものが非常に短くなるというようなそういうことをいろいろ考慮いたしまして、そうしてきめられておるわけでございます。昔から使われておるようなはかりにつきましては、特にその公差を画期的に上げたというような事例は少ないのでございますが、新しい機構あるいは原理のはかりにおきましては、その材料あるいは機構というものが相当進歩しておりますので、こういうものにつきましては従来のものに比べますと相当こまかい公差を適用されておるという事例は相当ございます。
  34. 大村邦夫

    大村委員 今度の法改正の趣旨の一つに、技術の進歩ということが強調されております。技術の進歩は、安定性のある計量器がどんどんでき出した。あるものは不良でありあるものは優良である、そういうような不安の状態でなくなった。これも一つの技術の進歩でしょうが、私は技術の進歩の中には電気計器のようにやはりかなりその誤差が縮められていく、そういう要素もあると思うのです。ただ、いま御説明にありましたように、あまり高度にそれを求めると、零細企業等は設備を改善しなければならないし、かなりそのために資金的な必要に迫られ倒れていく、こういうことも配慮の一つとして考えなければならない、こう思います。思いますが、いつまでもその公差を技術の進歩の中で旧態依然でおいておくというのも、これまた一考を要する問題じゃないか。それは、質問のこれからが要旨でありますが、先ほど申し上げましたように、日本は、日本人といいますか、とかく適正な計量を期するということが、そういう思想がやはり欠除しておる。たとえばアメリカあたりでは、ネット・パウンド・オア・オーバーですね、これまでが適正の量目である、それ以上あるいはオーバーしておるでしょうということを表示して、ちゃんと量目を表示するわけですね。こういうことがかなり実施されておると思うのです。日本には法律で設けないとなかなかそういうことをやらない。やっても法律の範囲内で守られているから違反じゃないじゃないか。これは物価問題特別委員会等でもいろいろ議論になるところでありますが、今日のカルテル——結局中小企業を守るあるいは大企業を守るということでカルテル行為が旧態依然として何年間続けられる。下がるべきものが法律によって逆に下がらない、つり上げられておる、守られておる。これと同じ理屈でありまして、そういう公差が設けられるために、あるために——これはなければならぬと思います。しかしそれに甘えておる。そういう商人といいますか、企業等については積極的に指導してほしい。これはなかなかむずかしいと思うのです。確かにむずかしい。むずかしいが、それを積極的に指導する必要は私はあると思うのです。あるいはまたそれを克服する一つの手として、今日家庭にはかりを備えなさいとかいろいろあるようですが、これも一つの手じゃないか、こういう点を私は考えるわけです。  さらにこれに関連いたしまして、ガソリンスタンドのメーターですね、これは一リットル単位だと思うのです。どれだけの器差なりあるいは量目公差が許されておるか知りませんが、ある製油会社が直売店をたくさん設ける。これはそういう現象はたくさんあると思います。今日物価問題を中心にしていろいろ議論されまして、通産省指導して値段をつり上げてしまった。行政指導。こういう製油会社が直売店のガソリンスタンドを設けた場合に、メーター機器の製造メーカーと直結して、おれのところではたくさんのガソリンスタンドがある。ついてはあなたのところのメーターを買おう だが法律では公差というものがちゃんとある。ついては、いわゆるプラスになる——相手にいいようなメーターをつくってほしい、それなら買いましょう、こういうことが暗黙のうちに契約として結ばれることも想像にかたくないのです。私ども電気検定所の特殊法人移行の場合にもいろいろ議論をしたところです。競争業者かなりあって、それを使うものの使用者の数が少ない場合には選択をされます。その場合にはその業者に都合のいいようなメーターをつくらすということは、これは想像にかたくないのです。  そこで検定の問題等になってくるのですが、今度は型式検定ですか、抽出ですね。それはそれなりにけっこうといたしましても、こういうものについてかなり数を当たってみて、一体その器差というものは、傾向としてプラスが多いのか、マイナスが多いのか、こういうことも私は実査してみる必要があると思う。これをやらないと、私がいま指摘をしましたような問題もなきにしもあらずでありまして、たくさんそういうものを活用する場合には、わずか一リットルでも数によっては、ちりも積もれば山となるで、かなりの額になると思うのです。こういう点についての配慮は一体どういうようにお考えですか。
  35. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいまガソリンスタンドの問題の御指摘がございましたが、実はそういう点につきまして私どももいろいろな点から調査をいたしております。東京都のガソリンスタンドで申しますると、これの売っておりまするガソリン計量器でございまするが、これは東京都の計量検で検定をいたしております。東京都のほうからこの点につきましていろいろと調べてもらったわけでありまするが、いま先生の御指摘のような事実はなかったように報告を受けております。ただガソリンスタンドの問題は、いろいろな消費者から間々苦情が出ておりまするので、実は先般ガソリンスタンドのガソリン計量器の検査を全国一斉にいたしました。いまお話のようにその検査の結果がいずれ一、二カ月後に全国的に集まってまいりますので、その際一体プラスがどのくらいであったか、マイナスの誤差がどのくらいであったか、こういった結果も全部出てくることと思っております。私どもそういった結果を参考にし、かつ消費者のほうの苦情もございまするので、そのほうの苦情も参考にいたしまして、この結果をもとにいたしまして、実はガソリンスタンドのガソリン計量器自身の公差をもう少し縮めたらどうか、こういう実は内々検討もいたしております。いずれこういったデータが出そろいましたところで、行政審議会の専門部会にはかりまして、御指摘のような点は今後逐次改善をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  36. 大村邦夫

    大村委員 了解しました。目的意識を持って徹底的にひとつ調査を今後も続けてください。  それからこれは電気の計量器についても言えることでありまして、いま御答弁を求めようとは思いませんが、同様趣旨でひとつお考えを願いたい、こう思うわけです。  それから計量行政審議会の答申に言うところの法律第七十二条及び七十五条の関係の指定商品ですね。つまり計量単位による取引の強制についてどうなっておるのか、お伺いをしたいのでありますが、私は、計量思想普及をはかるという観点から、できるだけはかり売りの幅を縮めるべきである。これは同様趣旨だろう——あなたたちもそうだろうと思うのです。しかし現実にはその指定された野菜とか肉とか魚とかこういうものについてもどこまで強制されるのか知りませんが、それこそ北海道の沖でとれたタラが陸揚げをされて市場にかかり、仲買人にかかり、めぐりめぐって小売り人の手に渡って、一きれ何ぼ、こういう形で売られておるわけです。これは一きれ何ぼで売ったほうが商人は実際は調子がいいのですよ。あるいは野菜でもそうでありましょう。しかしこれは一がいに山売りですか、そういうものが悪いともいえない面もあるでしょう。これは参議院でいろいろ論議なさったようですが、夕方の混雑時に手数がはぶけるとか、あるいはそれだけの消費者立場からそういうことがいえるし、取り扱い者の立場からも手数がはぶける、いろいろありますけれども、やはり私は計量思想普及をはかるためにはそういう問題もだんだん幅を縮めながらそれを実施さしていく、守らしていく、また守らせるような政府指導、こういう姿勢とが相まって計量思想普及の実効があがると思うのです。この点についてひとつさらに御回答を願いたいと思います。
  37. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 計量行政審議会の答申にもございますように、一山売りあるいは一さら売りというのが通常、日常生活物資の売買ではよく見られるところでございます。ただこれは答申にも見られますように、やはり計量思想と申しまするか、お互いの生活の中で物をはかって正確な価格で物を売買するということが、今後の消費生活の合理化という面からは非常に重要なことでございまするので、私どもといたしましても、なるべくこういったことを取りやめて、計量による売買ということを今後とも普及してまいる必要があろうかと思うわけであります。このあたりはいずれも都道府県の実際の商店街等の指導の面におきまして、今後ともその方向で極力努力してまいりたいと存じまするが、ただいまお話ございましたように、やはり夕暮れどきの買いものの混雑時におきましては、かえって消費者もそのほうが便利だ、一々はかってもらって待っておるよりも、これ下さいということですぐ買い取ったほうが早いという面もございますので、一がいにもう全部やめてしまえということはなかなかむずかしいかと思います。しかしながら、御指摘のように今後の日本の消費者行政の面から申しましても、また、消費者における生活の合理化という面から申しましても、やはり計量による売買という習慣をきちんとつけるということが重要な課題でございまするので、なお主婦連でございまするとかその他の方々にもお願いをいたしまして、そういう方向で極力指導につとめてまいりたいと考えておるわけでございます。
  38. 大村邦夫

    大村委員 次に移ります。  同じく計量思想普及あるいは消費者保護という立場からお尋ねしたいのでありますが、法律第七十五条で、商品を容器に入れ、または包装して販売するもの、いわゆる密封商品に対する正味量の表記が義務づけられておるのは御存じのとおりであります。これはまことにけっこうなことですが、包装商品の量目規格がばらばらでたくさんありますね。したがって買い手の消費者の側は混乱をするわけです。これも参議院でいろいろ議論になったようです。せっかく正味量の表示という親心が、多種多様、いろんな似かよった類似の、百グラム入りがある、百二十グラム入りがある、百五十グラム入りがある、こうなってくると、表示があっても今日のようなスピーディな生活の中では一々表示を見て——まあそれは見るのもいいかもしれませんが、そんなひまもない場合もあるし、大体似通っている、ああ、あっちのほうが安いわ、だが実際はそうではない。こういうことで消費生活市場を混乱さしておる面がかなりあると私は思います。こういうものについていま少し何とか規格を考えることはできないのか。それはなるほど、あなたの答弁だったと思いますが、百グラムから今度は三百グラムと、こう段階を設けておくことは、中間がないために消費者は不便だという面は、それはあるかもしれません。しかし、あまりにも小刻みな規格が市場に流れておるじゃないか、こういう点についてはやはり私は計量行政の行き過ぎだと単に考えるのでなくして、もう少し業者に協力要請をして消費者立場を守るというようにやっていったらどうか、こういうように考えるのですが、御意見いかがですか。
  39. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいまの点は先生全く御指摘のとおりだと存じます。私ども見ておりまして、ややどうも御指摘のような点でむしろ消費者の便というよりも消費者が混乱をするのじゃないかと思われる一つに、実はバターがあるわけでございます。バターの各メーカーによりまする包装商品、ちょっとあまりにも似かよったもので、先ほどのように選択の自由というにはあまりにも混乱のほうが多いのじゃないかというような点を実は感じております。消費者行政の面で、実は各省とも非常な関係がございまするので、バターの問題につきましても最近農林省に御協力を求めまして、関係業者の方等集まっていただきまして、なるべく近い数量の表記は統一をしてもらいたい、こういう話を随時進めておるところでございます。なお牛乳びん等につきましては、従来の一合ということで、百八十ccというびんで現在売られておるわけでございますが、できればこういったものも切りのいい二百ccという単位に改めまするとか、あるいは最近売り出されました三合ぴんというのも、実は三合びんもあれば五百ccのびんもあるということで、消費者にたいへん御迷惑をかけている向きもあるように思います。この点につきましてはこれまた農林省と御相談をいたしまして、牛乳びんをできるだけ早い機会に二百ccと五百ccに統一をしたい、こういうことでせっかく努力をいたしております。御指摘の点はまことにごもっともでございまするので、私ども関係の向きと十分協議をし、また関係業者メーカーその他にも御協力をいただきまして、その方向で極力推進をいたしてまいりたいと存じております。
  40. 大村邦夫

    大村委員 規格のできるだけの統一とそれから切りのいい単位を使う、こういうことについて付言説明がありまして、私はぜひそれをやってもらいたいと思うのです。ただ心がまえだけでなしに、ほんとうにそういう方向を目ざして強力に指導をするのかどうか、これが問題なんですね。私は、たとえばしょうゆと酒をながめてみますと、しょうゆはかなり前から二リットル入りが売られておるわけです。酒のほうは一・八リットル、まあ一升。一升はええと一・八リットルかというような調子で、一升入りが売られておる。ちっとも改善されていないじゃないか。酒の中であるのは極上酒、これは一升じゃなくリットルで売られておる面もあります。しかしこれとて切りが悪いですね。私は行政面にやる気があるかないのか、この差のあらわれだと思うのです。しょうゆの関係は、よく知りませんがこれは農林省関係ですか、お酒は大蔵省ですか、ちょうど通達がばらばらに出たと同じなんですね。あなたのほうではやる気がある、やりましょう、やりましょうというが、ちっとも改善にならない。いまやれというと、現実に一升びんがごろごろしておって、いまこれをみんな割ってから切りのいいものをつくれといったって、それはとても無理でございますからできませんとおっしゃる、それはそのとおりです。しかしそれとてやる気があれば逐次改善をされてこなければうそなんだが、現在依然として酒はそういう形、私はこの点について大いに反省をしてもらいたいと思うのです。これは農林省と大蔵省といえばそれまでですが、計量行政を持っているおたくもその点に対するところの指導調整というのは十分でないと思います。国民生活局来ておられますか。——私は、こういうようになかなか計量行政というのがうまくいかないし、また国民の間で行政というより消費者立場からいって混乱が起きる、そういう点の調整を、通産省あたりじゃだめだというわけじゃありませんけれども、なかなか各省間にわたってうまくいかないような場合がある、そこで国民生活局に——国民生活に直結する重要な問題ですし、これからいろいろ計量行政を進める中で各省にわたる問題もあるようであります。こういう調整機能を国民生活局にやらしたらどうか、これも一つの方法であります。そういう点で国民生活局にはいろいろ言いたいことがあったと思うのですが、私のいまの質問に対して御意見があればひとつ御見解を聞きたいと思います。
  41. 中西一郎

    ○中西政府委員 お話、伺っておりまして、感じておるのですけれども消費者行政あるいは消費者保護一般につきまして、計量について計量モニターがある。東京都あたりでは経済モニターを千人から持っておる。各地方でそういう形のモニターの活用が非常に進み始めております。さらに食品添加物とか衛生とか安全に関係のある商品の苦情の問題とか、いろいろございますが、そういう点全部ひっくるめまして、モニター制度の活用と、もう一つは末端の段階におきます消費者協議会のようなものの設置をそれぞれの地方公共団体が相当大きな重点事業として展開していってもらいたいというようなことで、われわれの仕事をいま進めております。これは権限を持って下に流す仕事でなしに、実態を吸い上げる仕事でございますので、いわば重複があってもいいのではないかというふうにも考えます。そういう意味で、通産省、農林省あるいは大蔵省の話が出ましたが、私どものほうからも地方公共団体等に呼びかけまして、できるだけ実態の把握を正確にして、消費者の苦情あるいは消費者の保護といいますか、いろいろな立場での仕事を展開してまいりたい。そのために各省との間では消費者行政連絡協議会を実は持っております。相当ひんぱんに開いておりますが、国民生活審議会のほうでも消費者保護部会がございますので、そういう問題を取り上げていただいておるわけであります。
  42. 進藤一馬

    進藤政府委員 ただいまの御意見は各省にまたがっておる問題でございますので、各省と十分連絡いたしまして、通産省といたしましては御趣旨に沿うように十分強力に推進をいたしたいと思います。
  43. 大村邦夫

    大村委員 そう言われるとあとが続きませんが、いま私があげたような問題がございますので、おざなりな御答弁とも思いませんが、今後とも十分推進をしてもらいたい、このことを意見として申し上げておきます。  それから次に移りますが、パブリックスケールについてです。御承知のようにあなたのほうでは、家庭にはかりを備えよ、こういうことを計量思想普及上いろいろ指導をされておりますが、これとてそう簡単に各家庭がはかりを買うわけではございません。スムーズにいかない。したがって、一般の消費者は自分が買ってきたものが正確であるかどうかということを確かめるよりどころがないわけであります。そうした場合に、町のどこかに正確な計量器が備えられて、常時気やすくそれが使えるとすれば、大衆は量目の確認ができる。あるいは悪徳商人からも消費者は保護される、こういうことになろうかと存じます。こうした公衆計量器、いわゆるパブリックスケールの備えつけについて、国は積極的に乗り出すべきではないかという意見であります。といいましても、国が全面的に資金から、人の面から見るというのも、これはなかなかたいへんなことかもしれません。そこで、たとえば計量協会ですね。零細企業等が集まって組織しています。これは人の供出は資金的な面がある程度解決すればあるいはできるかもしれません。さらにまた都道府県援助措置を講じてやるというのも一つの手でございます。そういうふうにして、このパブリックスケールの実施を今後推進できないものか。あなたの説明を聞いておりますと、神奈川県横浜市、最近では新潟等がすでにこれを実施しておる、こういうことのようでありますね。したがって、不可能ではないという実績があるのですから、そこでひとつ国は積極的にこれに乗り出してもらいたい。来年度あたりはもっともっと拡充してもらいたい。こういうことを一つずつやっていけば私は計量思想普及ということは十分な実効をあげることができると思います。そこで局長はうなづいておられますが、政務次官、このパブリックスケールについて来年度はうんとがんばって資金的な確保をはかり、また拡大普及をして実施していただきたいと思うのですが、そこら辺のあなたの御所信を承っておきたいと思います。あなたというよりも政府ですね。
  44. 進藤一馬

    進藤政府委員 ただいまの御意見、私どもまことに同感でございまして、来年度の予算におきまして、ぜひともそういう点を実行できるように予算要求をいたす所存であります。
  45. 大村邦夫

    大村委員 次にまいります。えらいきめこまかくて恐縮でありますが、ボンベによって販売される液化石油ガス、LPGですね。このプロパンガスの取引の実態は私が説明しなくても、あなたのほうがよく御存じだと思うのです。現在の取引は質量取引、これがほとんどでしょう。体積取引はほんの一部だと思います。したがって量目の正確な取引が行なわれておるかどうかというのは消費者にはなかなかわからない。  これはいささか表現が私的になって恐縮ですが、私どもの家庭でも、今月はあまりプロパンガスを使わないのにもうなくなった、こういうように妻がつぶやいているのをときどき聞くわけです。こういう事例はたくさんあると思うのです。したがってこのLPガス等の取引についてメーター器を備えて、それによって量目の確認をやるとか、そういう指導というのですか、もう指導というより、私はこういうものは密封の商品の一部とみなして義務づけたらどうか、メーター器がそれほど普及しておるか、技術がそれほど進歩しておるかどうかは別にしましても、一部ではそういうことが行なわれておるようですから、この点についても何かひとつ考えていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
  46. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 ただいま御指摘のございましたLPGの取引でございますが、東京都で調べてみましたところですと、いま御指摘のはかりによります質量取引が、大体全体の九割はそうでございます。あと一割ぐらいが、いわゆるガスメーターによります体積取引、こういうかっこうでございまして、御指摘のように残量取引ではございますけれども、正確な計量がなかなかむずかしいという事態になっておるように思うわけであります。そこで、こういったものに全部推量式のガスメーターをつけさせましてはかれば、幾ら使ったか、残ったかということはきわめて明瞭になるわけであります。ただ残念なことには、こういうLPGに使いますガスメーターの開発と申しますか、いわゆる小型計量であって、しかもあまり値段も高くないというものの開発がなお十分な段階ではないわけであります。最近漸次そういったものが出回ってまいりまして、ただいま申し上げましたように、東京都等ではまあ体積取引をやっております。三分の一くらいのものはこのガスメーターが取りつけられておるというような実情でございますので、ますますこれを普及してまいる必要があるわけでございます。この残量取引と申します点につきましては、これは各家庭とも当然行なっておるわけでございまするが、むしろ取引の公正確保といった点から残量をはっきりと計量さして、そして実際に使用した量だけを取引させるということをLPG取引については義務づけたらどうか、こういう意見が出ております。この点につきまして、私ども省内でも検討いたしたわけでございまするが、何ぶんにも一般的な取引形態ということになりませんので、計量法の今回の改正に含ましめるのはどうか。たとえば液化石油ガスに関する立法等が別に行なわれるといたしますると、そういった法律の中でこの点をむしろ売り手のほうに義務づけるというような体制が個別の問題としては望ましいのではないか、こういう方向で通産省内部では検討が行なわれております。いずれにいたしましても、LPGにつきまして十分残量を正確に計量し、そして売っていく、このことの必要は御指摘のとおりでございます。  なお今回の法律改正におきましては、御存じのように七十五条の二というのをつくりまして、この対象品種といたしましてはLPGを指定をいたしまして、このボンベの中に幾らLPGが入っておるかということを明瞭に記載するというところまでは、一般的な法律である計量法において施行をいたす所存でございます。
  47. 大村邦夫

    大村委員 今後も強力に推進していただくことを要望しておきます。  次に国際単位移行の問題ですが、今度の法改正の一つとして国際度量衡総会で重要な決議が行なわれた。したがってわが国もその決議に従って計量単位の規定を改正しよう、こういうことのようであります。この国際関係の決議、これはそれこそいろいろややこしい内容がありまして、角速度のラジアン毎秒ですか、それから立体角のステラジアン等を計量単位として追加するとか、その他いろいろ複雑でややこしいことがたくさんきまっておるようであります。この中で電気のアンペアの単位の問題一つを取り上げてみましても、この国際単位というのはずっと昔からあったわけでありますが、わが国におきましては明治四十三年以来五十六年間国際単位とは違うものが使われておったと私は認識しておるのですが、間違いでし上うか。ちょっとそこら辺説明してください。
  48. 藤波恒雄

    ○藤波説明員 お答え申し上げます。ただいま御指摘のとおり電気関係の単位につきましては、明治四十三年制定の古い電気測定法にきめられておりまして、それは国際電気単位できめられておったものでございますが、今回電気測定法を廃止をして、計量法と合体をする際に全面改正をする機会に、絶対単位へ移り変わる、こういう案で盛られておるわけでありますが、ただ内容的に申し上げますと、その両単位の間の差というものはきわめて微少なものでございます。
  49. 大村邦夫

    大村委員 いま説明なさいましたように、国際法上の単位は即わが国の単位に相なっているかというと、そういうことに必ずしもなっていなかった部門があるわけです。この国際度量衡総会の決定というのは一九六〇年ですか、いまから五、六年前にこれは決定されておったようですね。一般国民にはたいして支障はないのですが、学術研究、こういう部門についてはやはり国際単位を自動的といいますか、そういう決議があり世界的にそれが使われる場合には、わが国も直ちに取り入れる、こういう体制が私は望ましいのではないかと思うわけです。しかし今日の法改正でそれが合わされるとしてもすでに五、六年おくれておる。したがって事業法を改正しなければそれが取り入れられないということでなしに、事業法は事業法として改正してもよろしいし、据え置いてもよろしい、単位の問題だけは別の法律といいますか、そういう独立したものにして、事業法を改正しなくてもそれが直ちに単位の法律だけを改正すれば取り入れられるというような、もう少しスピーディーにやれないものでしょうか。私はそのことが学術研究をスムーズに世界との比較において行なわせる重要な問題だと思います。一般国民には確かにぴんとこないし、たいした問題じゃありません。そういう点についてひとつお考えになる意思はございませんでしょうか。
  50. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 御指摘のようにこの計量法という法律は、いわゆる計画の単位をきめておりまするいわば単位法、それから計量器を中心にいたしました計量器のいわば製造事業取り締まりと申しますか、そういうものと、また計量器を使用いたします面における消費者の保護、こういったような三つの大きな柱がそれぞれ一本の法律の中にまざっておる法体系をなしております。ただここで問題になりまするのは、計量の単位と申しますといかにも抽象的でございまするが いずれにいたしましても単位を正確に表現をいたします機械がなければ、ただ抽象的に単位というものだけがあるわけではございません。したがいまして、単位と、その単位をあらわす機械、つまり計量器、これとの間はいずれにいたしましても密接不可分のような関係にありまするので、これが一つの法体系のもとに行なわれておる、こういうたてまえに相なっておるわけでございます。  国際度量衡総会でございまするが、これはもう御存じのように計量単位の確立あるいは精度の向上、また計量単位計の整備、こういうことを主たる目的といたしまして世界的に行なわれておる総会でございます。ここでいろいろな決議が行なわれるわけでございまするが、この決議自身はもちろん各国を拘束するものではございませんが、それぞれの各国の事情に応じましてこれを各国が取り入れる、国際的な一定の標準のもとに学術研究をはじめとして全体の進歩をはかっていく、こういう趣旨に相なっておるわけでございます。私どもといたしましてはこの総会の決議がございまするととにかく早急に取り入れられるものはすぐに取り入れるわけでございまして、たとえば昭和三十六年の法改正におきましては、メートルの定義の変更、あるいは温度の計量単位の変更あるいはカンデラの基本単位への組み入れ、この三点を三十六年の改正、すなわち総会の決議の翌年に御提案申し上げ、ここで可決をしていただいたわけでございますが、その他の単位につきましてはやはり国内の各科の学会あるいはこれを具体的にあらわしまするところの計量器関係メーカー、こういった点につきまして十分な討議をいたしまして、その辺の結論がまとまりましたところでスムーズに新しい単位に移行していくという必要がございましたので、今日まで見送っておりました。かつまた全体の計量法体系が整備をされるという今回の改正を機にこれを取り入れるということにいたしたわけでございます。御指摘のように単位法だけ別に取り出してという考えもあろうかと存じまするが、やはり単位を規定いたします法律と、単位をあらわします計量器行政というものが一元化されたほうが、私どもとしては適当ではないか、かように考えます。ただ、御指摘のように、今後度量衡総会における決議等につきましてはできるだけ早くその内容を検討し、関係の向きとも協議をいたしまして、スムーズにこれが実行されることが望ましいことは申すまでもないと存じます。
  51. 大村邦夫

    大村委員 関連してお尋ねしますが、日本学術会議、それから計量行政審議会、これが国際決議を受けていろいろ審議をされたと思うのですが、結論はいつ出たのですか。答申ですか結論ですか、その時期をお尋ねしたいのです。
  52. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 計量行政審議会は、この全体の答申を昨年の五月にいたしておりまするが、計量単位の問題につきましてはさらに学術会議等におきまして検討していただいておりまして、学術会議から最終的にこういう単位を制定するのがよかろうという御答申をいただきましたのは本年の一月でございます。これをもとにいたしまして、今回の法律案を策定した次第でございます。
  53. 大村邦夫

    大村委員 わかりました。六年間日本学術会議においていろいろと検討された、長いじゃございませんかと言っても、しろうとの私ですからあまり立ち入った御意見は差し控えます。ですが、いま御答弁になりましたように、できるだけ早目に取り入れる、こういう姿勢だけはひとつ今後とも変えないでやっていただきたいと思います。  この国際単位の問題に関連をしてお尋ねするのですが、日本の真珠は、私の聞くところによりますと世界共通の単位になっておるように聞いておるのです。もしそうだとするならば、これを単にグラムとか、カラットということはないでしょうが、そういうものに直すというのも従来の行きががり上、そう簡単にはいかないだろうし、また日本は世界で第四番目の工業国といばっておったっでたいした内容はないのですが、せめてこういう国際的な単位の中に、日本の真珠の匁ぐらいはひとつ万国共通、胸を張って通用するぐらいの措置を講じてもらいたい、こう思うのです。これは第七条の関係の補助計量単位ですか、そういうこともあろうかと思いますが、その辺についてひとつ御見解を聞きたい。
  54. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 真珠の輸出は御存じのように世界一でございまするが、調べてみますると、やはり匁というのを英語流に直したモメという単位で実際は取引をされておるようでございます。国内でも一品一品買います私どもはそういう取引はしないわけでございますが、業者間の取引では実際は匁で行なわれているわけでございますが、契約書は計量法関係がございますので、これをグラムに直して書いているようでございます。そういう点、たいへん不便もございまして、真珠業界のほうから、ぜひ匁を計量法第七条によって、「政令で定める特殊の計量の用途に用いる」体積の単位として、ひとつ規定をしてもらいたい、こういう要望が出てまいっております。いま御指摘のように、世界的にモメという単位で取引が行なわれているような実情にもございまするので、私どもも近々計量行政審議会等の関係部会にもはかりまして、できれば第七条で指定をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  55. 大村邦夫

    大村委員 そういうふうにひとつ善処を要望しておきます。  以上いろいろ御質問を申し上げましたが、今後十分取り締まりなりあるいは指導なりをして実施をしたいという御答弁があったわけであります。これは答弁としてはけっこうでありますが、問題はこれが実施されるだけの体制があるかどうかということなんですね。要員措置、予算措置です。御承知のように消費者保護の立場で言うならば、立ち入り検査もありましょう。あるいは定期巡回検査もあるでしょう。一斉取り締まりなどの強化実施もありましょう。あるいはまた型式承認制にまるところの計量器の検定のチェック方式の採用、これだけ手が抜けるわけです。あるいはまた製造業者に対する製造設備及び技術能力等、各般にわたっての従来きびしくチェックされていたのが、その許可制を緩和して、検査設備のみをチェックする登録制への切りかえ、あるいは製造業者に商品の社内検査に関する検査規定の順守、つまり行政なりあるいは検定の簡素化をやることによって能率は上がりますけれども、そういう面において手が抜ける部分については、さらに補完的な要素というものが生じてくると私は思うのです。これらはすべて機構、人の問題だと思うのです。私が調べたところによりますと、計量行政関係の要員、通産省関係昭和三十九年度では二百八十三名、四十年度では二百八十三名、四十一年度二百八十三名、三十九年を一〇〇とすれば、全然変わっていないわけであります。予算的な面によるベースアップ等もありますから、これは必ずしも正確な比較はできません。この要員の面から見ると、今日までの通産省計量行政に取り組む熱意のほどが大体うかがわれるわけです。たいしたことはない。なるほど都道府県段階あるいは特定の市の段階では、この二、三年来四、五十人の人がふえたわけでありますが、これに全国的ですから微々たるものです。ところが今度は法の改正によってかなり手が浮くといいますか、人手が浮く部門もあります。だからそのほうの浮いた要員をこれからやらなければならない。取り締まりの強化とかいろいろな面に集中的に持っていけるじゃないか。常識的にはそう言えると思うのです。私は時間が十分ございませんから簡単に申し上げますが、いまの要員ではあまり期待はできないのじゃないか。もっともっと積極的に予算を確保し、要員をふやす必要がある、と同時に都道府県についてもその要請を行なう必要がある。今日まで行なっておられるのでしょうけれども、国の姿勢がこういう姿勢では、都道府県にふやせふやせといっても、そう本気にはならないと思うのです。先ほどパブリックスケールの問題も御意見申し上げましたが、これからやらなければならない問題、これは国がやるか都道府県がやるか、協会がやるかは別にしましても、国がやらなければならない問題はかなりあると思います。こういう点について、あなたのほうは要員措置を、来年度あたりになると思いますが、今後増員措置をお考えになっておられるかどうか、そこら辺についてひとつ御見解を承りたいと思うのです。
  56. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 中央、地方を通じまするこの計量関係行政の要員でございまするが、中央の要員の大部分は、先ほど来申し上げておりますような、主として計量研究所の検定関係の要員でございます。今回の法律改正を契機といたしまして、型式承認その他のことが行なわれるわけであります、ので、計量検の人員につきましては、今後、来年度を初年度といたしまして、三カ年計画でもって人員の増加をはかってまいりたいと考えております。地方庁の面は、これまた関係の資料でもございまするように、約三カ年で特定市及び都道府県におきまして、百数十名の人間がふえてきております。ただ、何ぶんにも消費者行政等が非常に重視されておるおりからでもございますので、なおこういった面の人員の充足等につきましては、地方におきましてもできる限りの予算的援助を行ないまして、今後とも増加の方向に努力を続けてまいりたいと存じておる次第でございます。
  57. 大村邦夫

    大村委員 あと田中委員が御質問なさるそうでございますから、私は一点だけ最後に御質問申し上げます。それは、製造事業及び修理事業の登録の問題です。  改正案によりますと、計量器製造または修理の事業については、検査設備だけのチェックによる登録制になりました。その反面、社内検査規程をつくってそれを守らせることにしておりますが、この登録制についての要件である検査設備の基準のとり方、これが一体どういうようになっておるのか。これは省令ということになると思います。あなたの御説明によると、今度の法改正では、対人的な規制、つまり一定の技術とか知識を要する、そういう必要性をあまり強調しない。特殊な精度の高いものとか、健康、人命にかかわる、そういうものについてはあるようであります。総体的には対人的規制というものを緩和をした、こういうことのようです。いま申しましたような検査設備について、基準のとり方によっては高度な設備を要し、高度な設備であるがゆえに比較的高い知能なり技術を要する要員が必要になってくる。そうなると、中小の零細企業等には、とてもじゃない、これがやれなくなる。能率はあがってもそういうものはやれなくなる。とすれば転廃業じゃないが、脱落をするか総合をするか、何かをしなければならなくなる。この点についてお考えをひとつ聞きたい。
  58. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 今回の法改正で、従来からの許可制を登録制ということに改めたわけでございますが、いわゆる検査基準、検査の機器等につきましての精度の問題でございますが、これにつきましては、それぞれいろいろな業態によりまして異っておることは申すまでもございません。特に中小企業等が多数にこれを生産いたしております。いわゆるはかりあるいはものさし、こういったものと、あるいは非常に精密な機械測定機のようなものとは、当然これが異ってくるわけでございます。従来の許可制におきましても、こういった検査機械等は、一定の要件になっておるわけでございますので、今回の登録制に改めるということを契機に特段に精度を引き上げるということは考えておりません。ただ、登録制にあわせまして、従来なかったような、いわゆる自主検査、こういったものを励行する意味での検査管理規程といったものを十分私ども審査をいたしまして、こういったことが励行されることによりまして、中小企業製品についても十分な精度の高いものが出回ってくる、こういうことを期待をいたしておるわけでございます。
  59. 大村邦夫

    大村委員 わかりましたが、大体この別途政令で定めるという条項があまり多過ぎて、法律やら、政令にウエートがかかっておるやら、わからぬですね。こういう点についても意見がありますが、きょうは控えます。  大臣がせっかく来られましたから、私は締めくくりとしてもう一回要望しておきます。私は二時間余り、計量法の問題に関して、消費者保護という立場でいろいろ質問してまいりました。その由には、貴重な意見もありますし、たいした意見でなかったかもしれません。しかし大体そうだとおっしゃいました。今後ひとつ善処したいとか、十分取り締まりを強化したいとか、消費者の保護を期したいとか、こういうことであります。そうしていきますと、要は要員の問題につながってまいります。もちろん従来の仕事にさらに仕事がふえたというのでなしに、かなり簡素化された面があることは大臣も御承知だと思います。したがって、その簡素化された要員、人員をふえた仕事に振り向ける、こういう効率的な人の配置も、これはある面では可能かと存じます。しかし総体的に私ども考えてみた場合に、あるいは大臣自体が参議院でいろいろ御答弁なさったその経過を振り返ってみても、やはり要員とかなりの予算というものは必要になってくる。したがって本年度は期の途中でありますから、いま直ちにこうしろというわけにはまいらないと思います。来年はひとつ十分この法改正の趣旨を尊重されて、要員的、予算的措置を講じてもらいたい、このことを、ひとつ大臣の心組みをお聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
  60. 三木武夫

    三木国務大臣 この法案の趣旨を体しまして、要員等、必要な整備はいたす所存でございます。
  61. 大村邦夫

    大村委員 終わります。
  62. 天野公義

  63. 田中武夫

    田中(武)委員 工業標準化法計量法の一部改正法案につきまして、大体同僚議員が質問を続けまして終わりましたので、私最終的に、一、二点だけを簡単に質問して終わりたいと思います。  まず工業標準化法についてお伺いしますが、これはきのう桜井委員も触れられた点でありますけれども、もう一度要請をする意味において大臣にお願いをしたいと思うのです。  御承知のように、現在JISマークの認可を受けておるのが八千三百あるそうです。それに対して、いわゆるこれの対象になるようなといいますか、零細企業まで含めますと、企業者は七十六万あるわけなんです。七十六万あるうちで八千三百、あるいは一社で一つでなくて、二つ、三つもとっておるところがあると思いますので、そうしますと、七十六万のうちできわめて少ない数のところだけがJISマークを受けておるわけなんです。しかも、テレビ等で広告を見ておりましても、これはそうではあるけれども、JISマークというのは国が品質を保証しておる、こういうことで、JISマークを受けておるということを——これは国の保証といいますか、許可ですから、それはそうではあるけれども、どんどん宣伝をしております。そうすると、JISマークを受けられるようなところまでいっているところは伸びると思いますが、そうでないところ、これはやりたくても設備その他でできないような零細がたくさんあります。そうすると、このJISマークの制度が、ある意味においては零細企業、これはほんとうの零細企業だと思います、これを切り捨てるような結果になりかねない作用を——JISマークの目的はもちろんそうじゃありません、しかしながら、結果的にそのようなことになりかねない事実もありますし、また現にそういうのがあります。そこで、そういうものに対しましては、成り立つようないわゆる零細企業対策、これが必要だと思うのです。これは度しがたいというようなところもあるかもしれませんが、それはかってに死んでいけというのならば政治ではないと思うのです。  そこで大臣、JISマークを受けられるところまで設備等があるところはいいとして、JISマークを受けたいのだがそこまでいかないという、結果的には切り捨てられていくような零細企業が多いという点に立って、これらの対策について十分配慮してもらいたいと思うのですが、きのうも質問もあったと思いますけれども、もう一度確認します。
  64. 三木武夫

    三木国務大臣 JISマークは、それで品質が保証されるだけに、競争上有利な地位に立つことは御指摘のとおりだと思いますが、だからといって、そのことによって競争上有利だから、ほかのものに悪影響を及ぼすからというふうには考えるべきではない。日本の中小企業中小企業ばかりでなしに、日本の産業の発展のためには、これはいい制度です。そこで御指摘のように、零細企業対策といいますか、転廃業しなければならぬようなものもこれから出てくるでしょうし、そういうことで今後は零細企業とか転廃業対策とか、これは来年の予算とも相当関連をいたしますが、もっと強化していきたいという考えでございます。
  65. 田中武夫

    田中(武)委員 けっこうですが、いま申しましたように、目的はそういうことじゃないけれども、反射作用といいますか、そういうことによってより零細が切り捨てられていく、こういう現象が起こっていることを認識していただきまして、一そうの対策の強化をお願いいたします。  それから計量法について、一、二質問しま丈が、最近法の改正によって法定事項を政令事項に持っていくという傾向が強過ぎる、私をして言わしめるならば、行政の立法に対する侵害である、これはあらゆる機会に私申し上げた。先ほど大村委員も若干触れたようでございますが、この点について私今回の計量法改正も例外ではなかった、こう思うわけです。たとえば十二条の改正ですね。いままではそれぞれ法律によって品種を規定しておったわけなのです。それを今度は十二条の一号、二号、三号ずっと見ましても、ほとんど「政令で定めるものを除く。」というカッコ書きが入っているわけです。そのことによって法律だけではわからないわけなのです。あるいはまた同じ四十七条の(販売等の事業の登録)の面を見ましても、政令委任が強くなっておるわけです。私は政令委任というものは、基本は法律できめる、そしてこまかいところ、そこまでは法が手が届かないからそれは政令委任する。私は政令委任を頭から否定はしておりません。しかしながらどうもこのごろは政令委任のほうが多過ぎて、条文を見ただけでは何のことやらわからない。こういう法律は私はあまりいい法律であるとは考えられないわけなのです。今度の改正あたりもそうなのです。法律の十二条だけ見ても一体何がわかるか、何もわからない。法律を見て大体のことがわかる、そういうのが私は法律だと思うのです。そしてなおこまかいというか、常に移動するようなもの、また移動する必要があるもの、これを一々法改正の手続はとれないから、政令、省令に委任することはまたやむを得ないと思う。しかしそう常に動くものではない、また動かす必要のないものは法律で基本方針を定めるべきである。これはもちろん基本は定めておりますと言われるかもわかりませんが、これじゃやはり立法という立場から言えば政令、省令委任が少し多過ぎる、こう思いますが、いかがです。
  66. 三木武夫

    三木国務大臣 法律と政令というのは、やはり検討する面がある。法律で無理にきめなくていいのをきめておる場合もある。しかし大体法律で荒筋はきめて、法律を読めば大体荒筋がわかるという、その原則的な田中委員の説には私も賛成です。できるだけ政令というものはそういう荒筋でないこまかい点をきめられるべきで、今後はこういういろいろな法案提出の場合にやはりこの点は十分注意をいたす点だと思います。
  67. 田中武夫

    田中(武)委員 これは大臣が抽象的におっしゃることは私の意見と一緒なのです。だけど具体的な面になってくるとだいぶ違ってくるわけです。きょうは法制局を呼ばなかったのですが、各省間もやはり同じようなことでなくて、ある省はこまかくやる、ある省は大まかである、これでもいかぬので、むしろこれは法制局等で一つの基準をぴっしゃりきめられるべきではなかろうかと思うのです。これはこの法案とは別個にあらためてひとつ質問等をし、あるいは法制局の見解をただすことにして、次にいきたいと思いますが、これはほんとうに政令、省令委任が多過ぎますよ。そう思いませんか。私がいつも言う行政権の行き過ぎがここにもあらわれてきておるということだけを指摘しておきます。  それから、これは大臣でなくて政府委員でけっこうですが、体温計とか血圧計というのは、計量法では体温計は残りますな。これは計量器であるとともに、医療器であると思うのですが、これはどちらの部面にウエートがかかるわけですが。これは厚生省も呼ぶべきだったと思うのですが、これは医療器の一種じゃないですか。
  68. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 体温計、血圧計はいずれも医療用計量器ということでございまして、両方が混合しておる分野だと思います。
  69. 田中武夫

    田中(武)委員 私は神戸の計量協会の人から手紙をもらったのですが、血圧計はいままでもいわゆる指定計量器じゃなかったのです。これは兵庫県の計量協会の専務理事からの手紙ですが、神戸の医師会の委任を受けて、その会員の血圧計を検定したことがある。そうしたら三分の一以上が狂っておったというのです。これは血圧の高い人——私はまだ血圧はそこまで行っておりませんので、別にそうは思いませんが、血圧の高い人は、血圧の数が五つか十か上がることでも神経過敏になるようですね。それが三分の一以上も誤差があったというようなことではどうかと思うのです。これはどう考えますか。あなたがいま言ったように、医療用計量器というなら、体温計と血圧計を分けて考えることはどうですか。
  70. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 体温計と血圧計の使用分野を見てみますると、私どもの感じで言いますと、体温計は薬局から買って相当多数の一般家庭に入ってしまう。血圧計はまず一般家庭で買うものではないと思います。これはやはりお医者さんや病院であろうと思います。したがってこういったものは実は私どものほうの計量法分野で行なっておりますいわゆる計量器の一斉取り締まりの対象になっておりません。したがって私どもとしては、体温計のごときものについては、一般家庭に入り込んでしまって、その後年に何回かの一斉取り締まりを行なえないわけでございますから、いわゆる検定前の譲渡の禁止でございまするとか、あるいは販売面におきましても、正確を期す意味で販売業者登録の対象機種にしたらどうか、こう考えておるわけであります。  一方血圧計のほうは、これは何ぶんにも専門家がお使いになるわけですから、当然薬事法その他の体制下において十分なるチェックが行なわれておるのではないか、かように考えておりまして、計量法としては対象からはずしておる。そういう意味で体温計と血圧計にやや差異をつけておる、かように考えております。
  71. 田中武夫

    田中(武)委員 その血圧計では懸かった結果から先はお医者さんという専門家だと思うのです。ところがお医者さんは計量に対してはやはりしろうとなんです。だから狂っている——現に、あとでこれは見せますが、医師の委嘱を受けて検査したら、三分の一が狂っておったというのです。だからこれはやはりある程度考える必要があるのじゃないか。同時に、今度は体温計ですが、これは薬局等で売る場合、薬局は厚生省関係になると思うのですが、医薬品販売としての認可をとっておる。同時にそれだけの資格を要求せられておるわけです。ところが、その薬局が体温計を売る場合は、別に計量器販売の登録を受けなければいけないことになっていますね。これなんかどうですかね、もうすでに検定の終わった体温計なら、薬局での計量器販売、体温計を売るだけに一々認可が必要でしょうか。一方において高度——高度というとどうかとも思いますが、高度の認可制がとられ、資格が要請されておるところなんです。しかもいま言ったように医療用計量器なら医療という上に立ってもうすでに審査が終わったところで売るわけなんです。その点について直ちに私はこれを修正するとかそうは申しませんが、検討に値するのではないかと思うのですが、いかがですか。
  72. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 体温計でございまするが、体温計については実は計量行政審議会の答申の中で特に取り上げられております。各関係委員がここで御討議の結果、一応私どもに対する答申としては、「体温計の如く、一般人が使用者であり、かつ、定期検査の対象にならないものについては」云々ということで、特に「流通段階を規制して、不良品が出回らないよう指導する必要がないか」「したがって、」ということで、これは「登録した者でなければ営むことができない」というふうにしてはどうかという答申をいただきました。現状では薬事法においては、ただいま許可制ということばを使われましたが、医療器具の販売につきましては届け出制になっております。したがって、薬事法で届け出、今度は体温計を売ろうとすると登録ということで、少し計量法のほうが過剰規制と申しまするか、規制が強いじゃないか、こういう意見がございます。そういう点につきまして、実は日本医師会あるいは薬剤師会等からも意見が、この計量法の答申が出た後におきましてまたあらためて出てきておりますので、私どもこの四十七条の販売業者の登録の対象になる機種につきましては、今後これを施行する段階で、あらためて計量行政審議会関係部会を開催いたしまして関係者の意見を徴した上で最終的に決定をしたい、かように考えております。
  73. 田中武夫

    田中(武)委員 いまの答弁で一応了解いたします。しかし私は、二重行政という必要があればそれはどうしてもやむを得ぬと思いますが、二重行政というようなことはあまりそこまでやる必要がないじゃないか、どちらかが主管であればそちらのほうで監督するということでいいのではないかという感じもいたしますので、検討していただきます。  それからいま計量行政審議会の話が出ましたが、計量行政審議会廃止しようという動きがあるそうですか、どうなんですか。一般的に審議会が多過ぎるということでですね、大臣、われわれも賛成です。審議会が多過ぎるから少しこれを整理統合しろということには反対ではありません。しかし、自民党の内部等で審議会等について何か検討しておるようですが、なくする中にこの計量行政審議会が入っているそうですか、これは置いておくべきだと思うのです。いかがでしょうか。
  74. 三木武夫

    三木国務大臣 自民党のほうとしまして、どうも行政の責任体制、行政の能率確保、そういう意味から審議会が多過ぎるからこれを整理しようという意見が起こりまして、三年以内に整理するという自民党の案の中にこれは入っているのです。しかしこれはわれわれとしても、まだ三年という期間がありますから、いますぐ廃止ではない、三年先ということで、それまでの間によく検討をしまして、これは相当な役割を果たしておる審議会ですから、十分な検討を加えたいと考えております。
  75. 田中武夫

    田中(武)委員 計量法といいますか計量行政は、流通の一つの保証になるわけなんです。計量行政がくずれると流通経済というものがくずれてくる、こういう関係になると思うのです。それだけにこの計量行政審議会は、流通経済の上において果たす役割は大きいと思います。だから私は一がいに——名だけあって役に立たない審議会が多いと思います、それは整理してもいいと思います、だが、こういうのはなくすことに反対です。こういう点だけをひとつ要望しておきます。  それから大臣、これは私の地元の毎日新聞の神戸版ですが、五月三十日に「生きているクジラ尺、よう売れます」こういう見出しで出ているわけですね。メートルになって、ことに坪と平米でいま混乱をいたしておりますが、それはそれとして、鯨尺なんというのは、これは法律上死んだのはとうの昔なんです。ところが現在は和裁をやる人はやはり鯨なんですね。したがってこれは売れるわけです。これは大臣御承知かと思いますが、滋賀県とか熊本県あたりの農家が副業に竹細工——竹細工と言ったらどうかと思うが、とにかくそういうような副業にやっているわけなんです。需要があるからつくる、そしてよく売れるというんですね。こういうことに対して一体どういう措置をとるべきか。そこでいろいろ考えてみましたが、第一番に、こういう鯨尺を売るということが一体計量法違反になるか、こう考えたときに、まず計量法十条との関係だと思うのです。ところがこれは取引、証明行為ではない、自分の家で家族用の着物を縫うわけなんだな。だからこれは取引、証明にならないから、十条違反とは言えないのじゃないか。そうしますと今度は四十七条の販売登録の関係が出てくる。事実ここで摘発せられておるのは露天で露天商が売っておった。だからこれは四十七条違反だと思うのです。そうするとこの二百三十五条によって五万円以下の罰金、こうなるのです。しかしもうここまでくると鯨尺といったようなものは、もちろん計量器じゃないわけなんです。そうすると、これを売るのは四十七条です。大工かね尺も今後同じことが起こると思うのです。これはやはり計量器じゃないといいながら、これを売っているのが四十七条の登録を受けていないから違反だ、こうなるとちょっと矛盾しませんか。計量器じゃないのですけれども計量法に指定せられた登録を受けずして販売した場合は四十七条の違反であり、二百三十五条によって五万円以下の罰金とくるわけです。しかし計量器ではない、これは一つの物、商品なんだ、それを売った場合に四十七条によって違反だということで二百三十五条を適用するというのはどうですか。事実必要なんです。必要だからこそ売れているのですよ。これは大臣、よう売れまっせ、こういうように言うておるのですよ。事実よく売れておるようです。ここらひとつ矛盾いたしませんか。指定計量器でないということならもうはずしてしまって、四十七条も何も適用を受けないのだ、こういうことが言えるんじゃないですか、どうですか。
  76. 赤澤璋一

    赤澤政府委員 法解釈の問題でございまするので、これはどうも法制局を呼んできませんと、正確なお答えがいたしかねるかと思いますが、私どもの一応の解釈では、十条の規定が四十七条に引っぱられておると思います。したがいまして、十条でこういったものを用いてはならぬ、こう書いてあるわけですから、用いてはならぬものを売るのは、これはやはり何といいますか、用いてならないものは計量器でないから売ったっていいじゃないかという理屈じゃなくして、用いてはならないものを用いること自身が実は違反であります。売りますことが当然それからして違反である、したがって二百三十五条の罰則がある、一応こういう解釈をとっておるわけであります。しかしただいま御指摘のように、こういうようなものが売られていることは、私どもまあ新聞その他で拝見をいたしておりますが、ただこういったようなものが出回ることは、これが取引に使われるおそれがあるわけです。これはもちろん家庭の中でただおかみさんが和裁をされるときに鯨尺を使ってやる面もあろうかと思うが、一般の取引にこれが使われて、もう一ぺん日の目を見て、死んだと思った幽霊が出てくるのでは、全体の計量思想の運営から見るとたいへん重大な問題だと思いますので、私どもはできるだけそういうことがないように、むしろメーカーのほうをできるだけ取り締まるという意味で根絶をはかっていきたいと考えております。
  77. 田中武夫

    田中(武)委員 この十条を受けて四十七条、そして二百三十五条といくわけです。ところが十条は取引、証明なんですね。あなたのおっしゃるように、それが取引、証明に利用せられるおそれがあるということは絶無とはいえないのです。しかしこの前の施行法の改正のときにも言ったのですが、坪と平米の問題、大工さんはやはりかね尺を使いますよ。これは事実上使っているのです。事実行為として使う場合、これは取引、証明じゃないのですよ。違法じゃないでしょう。したがって、それは計量法で指定する計量器じゃないわけです。だからそれを売ったって、四十七条違反で二百三十五条を受けるということは言い切れないと思うのです。これは通産省相手の議論でなく、むしろ刑罰法規を専門とするところを相手に論議すべきだと思うのですが、こういうのを起訴してみて、実際最終的結論まで、判決まで持っていく自信がありますか。ないでしょう。これは大臣、あらためてしますが、検察庁を呼んでごらん、訴訟を維持する自信はないと言いますよ。これは法制局なりそういうことでまたあらためてしますが、私はここら少し割り切ったらどうかと思うのです。全然計量器でないものならほっといたらいいじゃないか。それを取引、証明に使ったときには問題になる、そういうことでいいのじゃないですか。しかもそれは農家の副業としてつくっておるわけなんです。一面計量行政といいますか、計量の知識の普及、これは当然やらなければいけないが、同時にそういう事実行為として使っておるのに対しては、大臣、再検討する必要があると思うのですよ。計量法で、二百三十五条で五万円以下の罰金に処すといってみたって、私なら裁判に勝って見せますよ。それは検事が——検事はここへ呼べないとしても法務省を呼んで、公判を維持する自信があるかと言ったら、ちょっとその場で自信がありますとは言えないと思う。だから、これは別の機会にやるとして、検討する必要があるだろうと思うのです。大臣どうですかね。
  78. 三木武夫

    三木国務大臣 これは一つの過渡期ですね。子供たちはみな鯨でないですから、やがて……。また田中さんの言われるように、これはいいんだということになれば、熊本の副業がふえちゃって、これも困る。だからそれは弾力性を持った取り締まりでこの過渡期を行くのが実際問題でないでしょうか。これは裁判ということになれば、田中さんの言われるようなこともあるのかもしれない。これは必ずしもあなたが勝つとも思いませんが、しかしこれは運用の面において、やはり弾力的な運用をする必要がありましょうね。
  79. 田中武夫

    田中(武)委員 私は三十分足らず質問した中で、三つの点を指摘しました。第一点は、最近あまりにも政令、省令委任が多過ぎる、したがって行政の立法に対する侵犯、侵害といいますか、こうう点が一点。それからもう一点は、体温計とか血圧計のような医療用計量器については別な考え方を持つべきでなかろうか、すでに計量法計量器としての指定をのがれたものについて、十条の取引、証明に使用せられない限り、罰則だけ設けておってもあまり意味ないのじゃないか。と同時に、反面、そのためには新しい計量知識というものに対しての普及が必要である、こういう三点を指摘したわけです。時間の関係もありますし、本日はきれいに採決をする予定でございますので、これ以上質問は続けませんが、大臣、私の申し上げた点、どうですか。
  80. 三木武夫

    三木国務大臣 田中さんの御指摘になった点はいずれも検討を要する問題だと思います。いろいろ問題点を指摘されたものだと拝聴をいたした次第でございます。
  81. 田中武夫

    田中(武)委員 わかりました。
  82. 天野公義

    天野委員長 おはかりいたします。  両案の質疑はこれを終局するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、両案についての質疑は終局いたしました。     —————————————
  84. 天野公義

    天野委員長 次に討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決いたします。  まず、工業標準化法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  85. 天野公義

    天野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  86. 天野公義

    天野委員長 次に、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、三原朝雄君外二名から、本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提案者から趣旨の説明を聴取することといたします。三原朝雄君。
  87. 三原朝雄

    ○三原委員 ただいま議決されました工業標準化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。  案文朗読を省略させていただきまして、お手元に差し上げております附帯決議案のとおりでございます。  第一点は、工業標準化制度の根本的検討に関するものでありますが、これは目下急速に進展しつつある技術革新に対処するために当然のことでありまして、特に説明を要しないと存じます。  第二点は、一般消費者に対するJIS制度の普及徹底についてであります。消費者がJIS制度をよく理解し、なじむことによって生活の合理化、消費支出の節減等をはかり得る余地が多いと考えられますので、今後一そうPR行政を強化することが必要であります。  第三点は、中小企業に対する指導援助であります。全国七十六万の建設、鉱工業事業所のうち、わずか八千六百の工場がJISマーク表示の許可を受けているにすぎないのであります。これらの残された企業の大部分は中小企業でありまして、その基本的な弱点により容易に許可水準に達し得ないと思われますので、従来から講ぜられている経営、技術上の指導援助及び金融上の助成措置を格段に強化して、すみやかに多数の中小企業者がJISマーク表示の許可水準に達し得るよう応援することが必要であります。  第四点は、団体規格に対する指導であります。団体規格は、本来JISを補完すべきものでありますが、たとえば電線、自動車部品等、ユーザーの力が強いために規格が単純化されがたく、JIS以外の団体規格を強制されるような事例が見られるのでありまして、これらJISの目的を妨げる結果になるような団体規格については、すみやかに強力な指導を行なって改善に努力すべきであります。  以上、提案の趣旨を御説明申し上げましたが、何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)     —————————————   〔参照〕    工業標準化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   本法施行にあたり政府は次の諸点について十分努力すべきである。  一、技術革新の急速な進展に対応して、工業標準化制度に対し根本的検討を加えること。  二、一般消費者に対する工業標準化制度の普及徹底を図ること。  三、JISマーク表示の許可水準に達していない中小企業に対しては、経営、技術上の指導援助及び金融上の助成等をさらに推進すること。  四、団体規格によってJIS規格の目的がさまたげられることのないよう、指導を徹底すること。     —————————————
  88. 天野公義

    天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  89. 天野公義

    天野委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付するに決しました。  この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三木通商産業大臣
  90. 三木武夫

    三木国務大臣 ただいまの附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、善処いたすことをお約束いたします。     —————————————
  91. 天野公義

    天野委員長 次に、計量法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  92. 天野公義

    天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  93. 天野公義

    天野委員長 次に、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して浦野幸男君外二名から本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提案者から趣旨の説明を聴取いたします。桜井茂尚君。
  94. 桜井茂尚

    ○桜井委員 ただいま議決されました計量法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    計量法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   本法施行にあたり政府は次の諸点について万遺憾なきを期すべきである。  一、計量行政の拡充強化を図るため、国及び地方公共団体の機構、人員及び予算等について十分な措置を講ずること。  二、一般消費者に対する計量思想普及徹底を図るため、諸般の行政措置を早急かつ積極的に実施するとともに、特に民間団体の活用について適切な対策を講ずること。  三、物品の計量方法及びその表示方法等に関し適切な指導を行なうとともに、各省庁とも一貫した指導体制をとるよう相互に密接な連絡をとること。  四、計量器販売事業の規制については、不正確な計量器が流通することにより一般使用者に実害を及ぼすことのないよう、適切な措置を講ずること。 以上でございます。  第一点は、計量行政の拡充強化のための根本対策であります。  消費者保護行政の推進及び計量器産業の近代化等は計量行政上の重要課題となっておりますが、さらに本改正案によっても行政機能の充実が必要となるのであります。従来、国及び地方公共団体の機構、人員配置、予算等は必ずしも十分でなかったのでありますが、今後は積極的に改善をはかるべきであります。  第二点は、一般消費者の保護についてであります。  今回の改正を契機として、苦情処理機関、計量モニター制度、パブリックスケールの設置等、各般の措置が講ぜられる予定のようでありますが、これらはいずれも急を要するものであり、積極的な行政がなければ実効を期しがたいものであります。さらに、パブリックスケールの広範囲な設置と保守管理の完全を期するためには、専門知識を有する民間団体の協力が必要でありまして、資金的援助等により、民間団体を活用して、消費者保護の徹底をはかることが望ましいのであります。  第三点は、物品の計量方法等に関する指導であります。  たとえば、びん詰め、箱詰めの場合、容量、重量については、慣習により、あるいはメーカーの相違により、ばらばらの量が詰められており、しかも不規則、複雑な量になっているのが多いのであります。これらをすみやかに簡素化、単純化するために強力な指導が必要であり、各省庁において一貫した指導体制をとるべきであります。  第四点は、計量器販売事業の規制であります。  従来、法定計量器全部について販売登録制がとられておりますが、今回の改正により、政令指定のものに限り登録制となります。その政令指定では、はかり及び体温計の二機種が予定されているようでありますが、その他の計量器でも、不正確なものが出回ることにより一般使用者が損害を受けることは十分考えられるのでありまして、したがって、政令指定の機種の選定、正確な計量器の供給、流通に関する指導等にあたって適切な措置が講ぜられるべきであります。  以上、趣旨の説明を申し上げましたが、何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  95. 天野公義

    天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  96. 天野公義

    天野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付するに決しました。  この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三木通商産業大臣
  97. 三木武夫

    三木国務大臣 本法の施行に際しましては、附帯決議の趣旨を体して善処をいたしたいと考えます。     —————————————
  98. 天野公義

    天野委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました両法案に関する委員会報告書の作成等につきましては、いずれも委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕
  100. 天野公義

    天野委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時二十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕