○石野
委員 参考人の皆さんに二つほど
お尋ねしたいのですが、今度の
万国博覧会は、大体
統一主題にも出されておりますような非常に高い次元での呼びかけをしておるわけでございまして、これを成功させるためにはいろいろなことが必要なわけで、特に
会場の
準備がどうなるかという問題ももちろんございますが、しかしこの
博覧会が成功するかしないかは、よってもって「
基本計画の概要」にある一番最後の入場者の予想という、この三千万人の人をよく入れるかどうか、そして特にそのうちでも
外国からの百万人の方をうまく入れられるかどうかという問題にかかっているのじゃないかと思います。それが達成されれば、「
人類の
進歩と
調和」という問題がほぼ目的に沿うような成果があがるだろう、こう私は思います。
そこで、先般も
会長さんにおいでいただいて、この
外国からどういうふうに人を集めるかという問題について、非常に問題が多いようでございますので、いろいろ
お尋ねしました。きょうも各
委員から
お尋ねし、そして
茅参考人からも、この問題については個人の
意見としての御所見も伺ったわけでありますが、問題は
政治的なものと別個に論ぜられるかどうかというところにあるのだ、こういうことでございました。私もそれはそうだろうと思うのですけれ
ども、しかし問題は、
基本理念のこういう筋書きからいきますと、そして特に
アジアで
日本がこの
博覧会を開いたということになりましてそれを成功させるのには、二つ問題点があるような気が私はするのです。
一つは、これを開く一九七〇年というのは
日本の安保改定の時期だ、こういうことで、世論がそういう問題で非常にやかましい時期にあるということが
一つあると思います。それからもう
一つは、各国に対して呼びかけるにあたって、先ほど来問題になっております未承認国との
関係をどうするかという問題です。第一の一九七〇年の問題はここでははずしすが、問題は、協会の皆さん方ができる限り多くの
国々をここへ集めるようにする
努力をなさっていただかなければならぬだろうと思います。そこで、
アジアにおける
博覧会で、一番大きいものは
中国だと私は思うのです。
中国を
抜きにした
博覧会をもし
日本がやったとした場合、はたしてそれで成功したといえるのかどうかということを私は実は疑問に思います。
茅参考人からは、先ほどいろいろな
政治的な問題があるので、ということで、この問題については、個人的な
意見でも制限を付したような御所見が発表されましたし、特に学問と教育の部面から、できる限り
中国との接触点を持とうというように
考えていきたいけれ
ども、
台湾との
関係でどうも寄ってきてくれないんだというような、きわめて悲観的な御所見も承ったのでございます。しかし私は、この際
茅参考人に
お尋ねしたいことは、そういう事情はありましょうけれ
ども、
万国博覧会の
基本理念の筋からいきました場合には、
中国への働きかげをしなかったら、この協会の
理事者の
任務は果たせたといえないのではないだろうかとさえ私は思うのであります。そういう問題について、これはもろちん
テーマ委員会やあるいは
会場委員会などでいろいろ御
検討なさることだろうし、また政府との
折衝もあるのでございましょうが、しかし、これは個人でもよろしゅうございますけれ
ども、その問題について
茅参考人は積極的な御所見をお持ちなのかどうか、もう過去においてはこうだったからどうにもしようがないんだ、
政治家の皆さんにおまかせします、政府の出にお待ちするんです、こういう御
意見なのかどうか、この際ひとつはっきりお聞かせいただきたいと思います。