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1966-05-31 第51回国会 衆議院 商工委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年五月三十一日(火曜日)    午前十時二十七分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 浦野 幸男君 理事 河本 敏夫君    理事 始関 伊平君 理事 田中 榮一君    理事 板川 正吾君 理事 加賀田 進君      稻村左近四郎君    内田 常雄君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       小沢 辰男君    海部 俊樹君       菅野和太郎君    黒金 泰美君      小宮山重四郎君    佐々木秀世君       田中 六助君    中村 幸八君       三原 朝雄君  早稻田柳右エ門君       石野 久男君    大村 邦夫君       沢田 政治君    實川 清之君       田中 武夫君    麻生 良方君       栗山 礼行君    加藤  進君  出席政府委員         通商産業政務次         官       進藤 一馬君         通商産業事務官         (企業局長)  熊谷 典文君  委員外出席者         参  考  人         (日本万国博覧         会協会会長)  石坂 泰三君         参  考  人         (大阪府知事) 左藤 義詮君         参  考  人         (大阪市長)  中馬  馨君         参  考  人         (兵庫県知事) 金井 元彦君         参  考  人         (大阪商工会議         所専務理事)  里井達三良君         参  考  人         (日本貿易振興         会理事長)   駒村 資正君         参  考  人         (日本万国博覧         会協会事務総         長)      新井 眞一君     ————————————— 五月三十日  委員三原朝雄辞任につき、その補欠として大  坪保雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大坪保雄辞任につき、その補欠として三  原朝雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月二十八日  離島振興法の一部を改正する法律案中村重光  君外十四名提出衆法第四六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本万国博覧会準備及び運営のために必要な  特別措置に関する法律案内閣提出第一二一号)      ————◇—————
  2. 天野公義

    天野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は本案審査のため参考人として大阪府知事左藤義詮君、兵庫県知事金井元彦君、大阪市長中馬馨君、大阪商工会議所専務理事里井達三良君、日本貿易振興会理事長駒村資正君、日本万国博覧会協会会長石坂泰三君、日本万国博覧会協会事務総長新井眞一君、以上七名の方が御出席になっております。  参考人皆さまにおかれましては御多用中にもかかわらず御出席をいただき、まことにありがとうございました。  会議を進める順序といたしまして、最初に各参考人にそれぞれのお立場から大体十分程度の御意見をお述べいただき、次に委員の方から質疑がございますので、これに対しまして忌憚のないお答えをお願いいたしたいと存じます。  なお、発言順位はかってながら委員長において定めさせていただきますので、御了承願います。  それでは、まず石坂参考人お願いいたします。
  3. 石坂泰三

    石坂参考人 石坂泰三でございます。  本日、衆議院商工委員会におかれまして、参考人としてわれわれをお呼び出しくださいまして、この機会に一言ごあいさつを兼ねまして所信を申し上げたいと思うのでございます。  まずこの商工委員会博覧会の問題をお取り上げくださり、かつ先般、委員各位には大阪の現地をも御視察くださいましたそうで、この点まずありがたく御礼を申し上げます。  御承知のように四年後の昭和四十五年において大阪府下の千里丘陵に日本万国博覧会開催することに相なりまして、私ども目下いろいろと準備を進めておりまする次第でございますが、去る五月十一日に、パリ博覧会国際事務局理事会におきまして、日本博覧会が正式に登録いたされましたので、万国博覧会開催準備もいよいよ本格的の段階に入ることに相なります。申すまでもなく、万国博覧会国際条約に基づきまして開催される国家的、国際的の行事でございまして、わが国産業文化の真の姿を広く世界の人々に認識してもらう絶好の機会でございます。私ども協会といたしましては、特にアジア地域における初めてのこの意義ある万国博覧会を成功させるために、全力をあげまして準備運営努力をいたしまする所存でございまするが、何ぶんにも、万国博覧会は、資金的に見ましてもオリンピックを数倍上回る大規模なものでありまして、また関連公共事業整備出品参加など、きわめて広範囲にわたって、国をあげての御協力お願いいたさなければならない面がまことに多いのでございます。万国博覧会準備も、今回のパリ理事会における登録が終わりましたので、早急に国外、国内に対して、日本万国博覧会への参加を正式に要請いたしたいと思っておりまする一方、会場基本計画も逐次具体化いたしてまいっております。このように、万国博覧会準備が各方面において具体的実践の時期にきておる次第でございます。幸いに、国におかれましては担当大臣決定して、関係閣僚協議会を設置するなど積極的に取り組んでいただいておりますることは、私どももまことにありがたく心強く存ずる次第でございます。しかしながら万国博覧会開催は、はや四十カ月余りのあとに迫っており、また将来において多くの困難な問題を残しておりまするので、今後の準備にあたりましては時期を失せず、かつよほど能率的に実施していかなければならないものと存じております。  何とぞ国会におかれましては、現在上程中の日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を、ぜひとも今国会において成立していただき、またこの法案の成立を契機に、万国博覧会に対する強力な予算措置をはじめ、関税その他の面においての関係国内法との調整関連公共事業整備促進、あるいは民間の企業出展経費に対するところの免税積み立て金制度などの、万国博覧会をして成功せしむるための一連措置格別の御配慮を賜わりまして、東西文明のかけ橋としての日本万国博覧会がりっぱに開催できまするよう、強力なるお力添えお願い申し上げる次第でございます。  以上でございます。
  4. 天野公義

    天野委員長 次に左藤参考人からお願いいたします。
  5. 左藤義詮

    左藤参考人 参考人としてお招きをいただきまして、特に発言機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。  過日は、遠路親しく万国博覧会会場予定地の御視察を賜わりまして、用地買収進捗状況等につきましても御関心をいただき、私ども要望に対して熱心に御聴取いただきました上に御熱意ある御質問と激励を賜わりまして、ありがたくこの席をかりまして重ねてお礼を申し上げます。  申し上げるまでもなく、日本万国博覧会は、一都市が主催し、国がこれを援助するオリンピックと異なりまして、日本産業文化成果世界に問う未曾有の国家的大事業でございますので、地元大阪府といたしましても、これら開催の意義を十分認識し、世界史にも残りますりっぱな博覧会が実現するよう、諸般の協力体制を整え、最善の努力を傾注いたしております。政府におかれましても、担当国務大臣及び関係閣僚協議会の設置、あるいは博覧会開催準備特別措置法案国会提出など、着々とアジアで初めて開かれますこの画期的な国民的大事業に対する準備体制を固められておりますことは、まことに心強く存じますとともに、今後より一そうの体制の強化をおはかりくださいますようお願い申し上げる次第でございます。  しかし、博覧会開催準備運営等に伴います地元大阪府といたしましての要望事項も、資金負担問題をはじめとして幾多存するわけでございます。この点に関しましては、過日、会場予定地視察のため御来阪の際にも御要望申し上げたのでございますが、この機会に重ねてお願いいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  お願い申し上げたい点は四つございます。  まず第一点といたしまして、日本万国博覧会開催に関する政府責任を明確にしていただきたいということでございます。すなわち国際博覧会条約に基づきます博覧会は、主催国政府責任のもとに運営されるものでありますので、日本万国博覧会開催に関しまして政府責任を明確にしていただくよう機会あるごとに政府をはじめ関係方面お願いいたしておるところでございますが、伝えられますところによりますと、去る五月のBIE分類委員会におきまして、一般規則に関し政府責任を明確にするよう各国から要望されましたとおり、参加国政府信頼を得ますためにも、当委員会におかれましては、今後政府責任行政上におきましても財政上におきましても明確にされますように特に御配慮を賜わりたくお願い申し上げる次第でございます。  第二点としては、国の大幅な資金負担お願いしたいことでございます。万国博は御承知のように巨額の経費を必要といたしますので、国の大幅な財政負担がなければ、その成功は期待できないわけでございます。私といたしましても、博覧会開催に関します政府の権能と責任とにかんがみまして、かねてから、博覧会開催準備運営に要する経費につきまして、第一点の政府責任明確化とあわせて、政府はじめ関係方面に国の大幅な資金負担要望してまいっておるところでございますが、この点につきまして、なお一そうの御配慮を賜わりますようお願い申し上げます。特に万国博協会にかかります昭和四十一年度建設関係予算五億一千万円のうち、国庫補助額二億五千五百万円に見合う残り二分の一につきましては、本年度限りの暫定措置ということで、とりあえず府、市で負担することにいたしましたが、四十二年度以降における関係経費の国及び地元負担区分及び負担割合につきましては、地方財政逼迫に悩んでおります地元の現状に考慮を賜わりまして、国においてさらに大幅な資金負担をされますよう御配慮のほど特にお願い申し上げる次第でございます。また、地方公共団体展示施設等を設置いたしました場合にありましても、国におきまして格段の御援助を賜わりますよう御配慮お願いいたしたいと存じます。  次に、第三点は、用地費利子相当額補給についてのお願いでございます。万国博会場用地につきましては、私ども大阪府におきまして、地方債を財源として買収をいたしました。日本万国博覧会協会に御使用いただくわけでございますが、この買収費にかかります地方債支払い利子につきましては、何ぶん八十億を上回るきわめて多額にのぼる見込みでございます。これが負担は、将来、大阪財政に与える影響も大きいことは明らかでございますので、その支払い利子相当額大阪府に補給されますよう格段のお力添えを特にお願い申し上げる次第でございます。なお、博覧会会場用地内には里道、水路を含めまして推定で約十二万四千平方メートルの国有地がございますが、当該国有地につきましては、用地買収を行なっております大阪府に無償譲渡されますよう御配慮を賜わりたくお願い申し上げます。  次に、関連事業についてのお願いでございますが、万国博関連事業につきましては、広く近畿圏整備大都市開発の観点からも極力これが推進をはかる必要があり、従来にも増して積極的かつ強力な国の対策にまたねばならないわけでございます。このうち公共事業につきましては、そのすべてにつきまして高率補助による国庫補助対象事業としていただきますとともに、起債特別ワクを認められますよう、またその他の関連事業につきましても鋭意推進するとの見地から、行政上、財政上積極的な助成措置を講じていただきますよう御配慮お願い申し上げる次第でございます。  最後に、あと地利用計画につきまして一言申し上げますが、万国博覧会会場あと地利用計画の策定にあたりましては、会場計画とも関係が深いため、これが作業スケジュールともにらみ合わせながら、大阪市をはじめ関係団体とも十分に相談いたしまして、りっぱなものにしたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、あと地利用計画は、言うまでもなく重要な事項には違いありませんが、それよりもまず万国博を成功させることが第一義と存じますので、そのためにはあと地利用のいかんにかかわらず、りっぱな会場計画をつくっていただくことを熱望いたしておりますので、この点にも深い御理解格別の御援助を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
  6. 天野公義

    天野委員長 次に、中馬参考人お願いいたします。
  7. 中馬馨

    中馬参考人 大阪市長中馬でございます。  私は石坂会長と御一緒に、去る十一日にパリに行ってまいったのでありますが、各国代表日本に対する非常な好意期待の中に満場一致で最終的決定を見ましたことは、まことに御同慶にたえない次第でございました。条約の批准をはじめとして、国会皆さま方が今日まで寄せていただいた御指導、御高配に対して、心からお礼を申し上げる次第であります。  一昨年来の日本の誘致のあとを見ますと、最初オーストラリアのメルボルンなどのうわさもあったのでありましたが、終始日本に対して好意が寄せられて、まことに順調に今日を迎えたのであります。これにつきましては、パリ萩原大使ども、結局日本の国力ですよと言っておられたのでありましたが、またバレッティ会長などは、しきりにオリンピックをたたえて、日本に対してその実力信頼を寄せておられたのでありました。要するにアジアで初めて開くのだという点に、世界各国は非常な関心を寄せておると感じたのでありますが、それと同時に、オリンピックに示されましたあの日本実力というものに対する信頼が非常に高くて、そうした根底の上に日本決定したと言わなければならないと思うのであります。私はオリンピックが終了いたしました直後に、ある外交官が、今回のオリンピック成果はまことにすばらしい。外務省の全員が五カ年間さか立ちして努力しても一回のオリンピック成果には及ばないであろうと言ったのを記憶いたしておるのでありますが、今回の万国博はさらに六カ月という長期にわたって、オリンピックよりもはるかにたくさんの人を迎え入れるわけでありますから、日本への深い理解を求めるのに最もいいチャンスであると思うのであります。万国博のいろいろな貿易上あるいは文化交流上、あるいは教育上、国際観光上等の好影響についてはいまさら申し上げるまでもないところであると思うのでありますけれども、いずれにいたしましても、外国から非常な期待をされておりますだけに、私どもは何としても、アジア的な特色を十分に生かした、新しい時代を象徴するりっぱな万国博覧会にしていただきたいと思うのであります。パリでは、日本万国博のテーマに対しても非常に評判がよかったのであります。人類進歩の点では、私ども実は昨年の秋にアメリカに参りました際にも、できることなら、アメリカ宇宙開発に成功して、お月さまから石を持ってきて出品してもらいたいといったような、半ば冗談めいたことも言ったのでありますが、しかしそうしたことでも実現するとなれば、日本万国博覧会は、人類の歴史の上に非常に大きな意味を持つことだろうと思うのであります。調和の点におきましても、アジアアフリカ後進諸国を気持ちよく迎え入れて、世界の平和に一歩前進、寄与するものであるならばと願う次第であります。  ところで最終的な決定を見まして、さてと考えてみますと、先ほど石坂会長もおっしゃいましたように、わずか四年しかないのであります。正確には三年十カ月しかないのでございまして、諸外国人たちは、一体四年で準備ができるのかというようなことをしきりに言っておったような次第であります。私どもよほど急がなければならぬ、よほど急いでいただかなければならならいと思う次第でございます。  準備と申しますと、非常に多方面にわたるのでありますが、私は重複を避けまして、大阪市に直接関係するようなことについて、二、三申し上げ、お願いをいたしたいと思うのであります。  万国博は、会場だけが博覧会ではないとよくいわれるのでありまして、ニューヨーク博覧会に集まる人たちは、同時にニューヨークの市を見ようとしておるのであります。わが国日本万国博の場合にも、母都市である大阪が、そうした国際的行事をやるにふさわしい受け入れ体制をどうしても整えなければならないと思うのであります。ところが日本都市は、御承知のようにまことにひどい状態にあるのであります。日々交通麻痺を起こしておりますし、町は乱雑にしてきたないのであります。まず道路麻痺状態を解消しなければならないのでありますが、幸いに大阪の場合は、万国博覧会決定いたします以前から、地下鉄や高速道路建設はかなり大規模に工事が着々と進められておるのでありまして、これを推進いたしながら、万国博関連道路、また御承知のような乱雑な状態にあります新大阪付近区画整理あるいは公園街路樹等整備ども急がなければならないと思うのであります。大体従来計画は持っておるのでありますから、従来の計画では六年、七年かかるところをこの四年間で完成をいたしまして、受け入れ体制を整えなければならぬことになると思うのであります。ホテルの建築などもまだまだ促していかなければならないと思っております。  ところが、これらは大阪市にとってはたいへんな負担になるのであります。現在の税制が大都市に非常に不利であって、大都市財政的に困窮いたしておりますことは世間周知のことであるのであります。たとえば大阪市の場合など、市内からあがる税金の七割三分は国税になっております。指定都市である大阪市の税収は、全市民の納税の一割一分にすぎないという状態でございますから、こうした国家的な大事業を行ないますには、どうしても国家的な財政負担において多くをまかなっていただかなければならないことにやむを得ずなるのでありまして、さような意味、実情また国家的な大事業であるという点にもかんがみていただきまして、国庫高率補助また起債ワクの拡大と、それに対する利子補給といったような点について、国会皆さま方の特別な御高配を賜わりますように特にお願いを申し上げる次第であります。  それから特に国会皆さまお願いをいたしたいと思いますことは、万国博覧会会場あと利用の問題であります。先ほど左藤知事からもお話があったのでありますが、実は私今回あらためて八十年前の一八八九年のパリ万国博におけるエッフェル塔とその周辺の大公園を見てまいったのであります。また、コンコード広場には、大美術館、大彫刻美術館が、その後の博覧会によって残されておるのでありまして、ニューヨークにおきましてもまた、会長のモーゼス氏が非常な情熱をもって、過密都市ニューヨーク市民のために三百三十万平方メートルの自然公園を残してやるのだということで、意気込んでいるのを見てまいったのであります。  このようなことを考えますと、万国博は、人類進歩の頂点を展示して新しい時代をつくろうとするだけでなくて、その会場あとをどういうふうに有効に利用するかということを多くの場合大きな目的といたしておるのであります。私は、万国博会場あとを、世紀の大事業記念物として、りっぱな文化施設を国家的な規模において永久に残していただきたいと思うのであります。  振り返ってみますと、東京には大博物館があります。大美術館がありますし、国立科学博物館がありますし、国民劇場が現につくられつつあるのであります。明治神宮の外苑があり、また絵画館があります。国立自然教育園といったようなものもあり、オリンピック施設もたくさん残されておるのであります。全国民負担におきまして文化施設東京に集中しておるといわなければならぬのであります。  かようなことを考えますと、せめて、日本アジアで初めて開催いたします大規模博覧会会場あとは、たとえばアジアアフリカ民族文化館でも、あるいは東京と並ぶ大博物館あるいは美術館でもいい、その他衆知を集めてきめればいいのではありますが、いずれにいたしましても、西日本東京と比較して公平な文化施設の配分をはかるという意味におきましても、国の責任において権威ある文化施設が残され、その周辺日本都市に特に欠けております自然公園として残されるならば、将来に向かっても非常に貢献するところが大きいのではないかと思う次第であります。  これらのことは、具体的に関係者間でも今後相談さるべき問題でありますけれども、いずれにいたしましても、国家的な規模において、国家的な責任において、この博覧会開催していただき、あと地のことについても国会皆さん方が特に御高配を賜わりますようお願いを申し上げまして、私の陳述といたします。
  8. 天野公義

    天野委員長 次に金井参考人お願いいたします。
  9. 金井元彦

    金井参考人 私は兵庫県知事金井元彦でございます。今回の万国博地元であります大阪府に隣接いたしております県といたしましての立場から、関連事業について申し上げたいと存じます。  関連事業といたしまして、大きく分けますと、交通問題、交通関係、それから環境整備の問題、それがら観光施設の問題、かようなことに相なろうかと存じますが、その中で最も関係がございますのは交通関係でございます。  会場に至りますところの各種の道路、特にその根幹となるべき道路整備しなければならぬというふうなことが一番問題に相なります。例示的に申し上げますと、中国縦貫道、これは会場を通っておりますところの名神高速道とつながりまして西日本につながる分でございます。なおまた神戸大阪間の高速道路、かようなもの並びに会場近辺近接道路というふうなものが必要でございますが、その中で特に申し上げたいと存じますのは、本土−淡路−四国連絡橋並びにこの関連道路との関係でございます。これにはちょっといきさつがございますので申し上げたいと存ずるのでございますが、この万国博会場決定をいたしますにつきまして、当初大阪を主会場として、神戸あるいはその付近に第二会場をということで話が進んでおりました。しかし、これはいろいろ折衝の結果、万国博パリの当局におきまして、会場は一カ所とするということに相なりまして、その間に調整がとられました。昨年の四月、当時の櫻内通産大臣のもとにおきまして関係者が集められまして、そして、会場は一カ所とするからということで、大阪とするということに同意をいたしました。その際に、万国博等が開かれる際にはモニュメントというふうなものが記念事業としてつくられておるが、そのモニュメントとして、明石鳴門架橋というものをこの際にやることが至当ではなかろうかというふうなことで御賛成を得まして、条件というわけではございませんが、さようないきさつをもちまして、これをモニュメントとしようということに相なっておるのでございます。私どもは、この明石架橋の問題につきまして、この万国博モニュメントとしてひとつお考えをいただきたいということをこの際に申し上げたい次第でございます。  それから交通関係といたしまして、山陽新幹線が本年度から着工されることに決定をいたしました。第一期が岡山まででございますが、これも相なるべくはこの万国博に間に合うようにひとつ促進をするようにお願いをいたしたい、かように存じておる次第でございます。  それから、いま一つ関連ございます交通問題といたしまして、空港問題がございます。伊丹空港の拡張につきまして、これをぜひとも万国博までに間に合わすようにということで、鋭意努力をいたしておりますが、これにつきましても御援助を得たい、かように存じております。なお、この空港の問題につきましては、やや間接になりますけれども、この伊丹空港は長く国際空港としてあの場所に設けておくということは、だんだんに四囲の情勢からむずかしくなってくるのじゃなかろうかというふうな感がいたします。そこで、これにかわるべき国際空港といたしまして、淡路の北部に国際空港を設けたらどうかということを研究をいたしておりまして、これはいろいろな観点からいいまして、ただいままでの研究におきましては、公害その他の関係から、この辺が一番いいのじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  次に、環境整備の問題といたしましては、隣接いたしております尼崎等は環境のはなはだよろしくないところでございますし、なおまた万国博に集まられますところの人々に対しまして、この付近がはなはだよろしくないというふうな印象を与えますことはいかがかと存じますので、先ほど大阪市からもお話がございましたが、この機会環境整備を十分にいたしたい。そのためには、下水あるいはし尿処理その他のことにつきまして、この際に国からの積極的なる援助お願いを申し上げたい、かように存ずる次第でございます。  なお、観光施設といたしまして、六甲国立公園あるいは姫路城、淡路島、これらはいずれも万国博に来られました方々の観光に資するものと考えておりますので、これらの施設整備並びに宿泊施設等につきまして努力をいたしたいと存じますので、これに対する積極的なる御援助を賜わりたい、かように存ずる次第でございます。  隣接県といたしましての立場から、以上の点を申し上げまして、皆さま格別の御高配お願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。
  10. 天野公義

    天野委員長 次に里井参考人お願いいたします。
  11. 里井達三良

    ○里井参考人 里井でございます。  私は、経済界特に企業立場からお願いをいたしたいと思います。  万国博覧会を成功に導きます要素の非常に大きな部分は、もろもろの出展がいかに充実されるかということにかかっておるかと存じます。出展の態様を申し上げますれば、大体日本におきましては政府館あるいは地方公共団体の特設館、さらにまた外国政府の館あるいはまた外国企業館というふうなものが多彩な形で出展を見るわけでございますが、特に日本の場合におきましては、政府地方公共団体の出展が十分な財政措置のもとに充実したものになるようにお願いすることは当然でございますが、特に私は企業立場から次の四点についてお願いをいたしたいと思います。  まず民間の企業団体等につきまして、万国博に出展するということは非常に容易な問題ではなくて、いろんな条件が満たされなかったならば、予期したような出展が行なわれないのではないかという心配を私どもはいたしております。まず第一に、自分の特設館を企業建設いたしまして参加しようといたします場合には、非常な巨額の経費が要ります。その調達につきましては、大企業といえどもなかなか容易なことではないと考えます。また御承知のように、万国博は見本市とは非常に違った性格を持っておりますので、単に商品展示というような形式で営業宣伝等を直接的な反対給付として行なうものではございませんので、どうしてもやはりテーマというものがございまして、テーマに即したかなり高度な文化的な雰囲気を持ったパビリオンというものが必要になってまいります。そういう意味からも、企業にとりましては直接のPR効果というものではなくて——これは長期的に見れば確かにPRの結果をもたらしますけれども、短期的に見れば、いわば企業から見ればむしろ大きな負担になるということは争えないと思います。そういうような見地からいたしまして、まず第一点は、企業や団体などにおきまして出展を準備するための積み立て金を留保いたしました場合には、その繰り入れ額を損金に算入できるような税制上の措置をぜひともひとつ特例としてお願いいたしたいというのが第一点でございます。この巨額の資金を一時に、出展のために一期におきまして全部出してしまうということは、企業にとっては非常な負担でございます。また、あるいはそういう面で、企業の体質改善に対してよろしくない影響を及ぼす場合もあるのではないかと思います。そういう意味におきまして、すでにあと四年でございます。実はもう今年度からそれをお願いしたがったのでございますけれども、ただいま審議をいただいております特別立法の中にはんとうは私どもは入れていただきたかったのでございますが、これが不可能であるといたしますれば、ぜひとも四十二年度からこの損金算入をお認め願えるような税制改正をお願いいたしたいというのが第一点でございます。  次に第二点といたしまして、出展費用につきまして政府資金の融資をお願いしたいということでございます。これは費用の準備積み立て金をいたします場合におきましても、出展費用というものの総額は非常なものと相なります。と同時にまた留保できない企業もある。こういう意味からいたしまして、ひとつ政府関係の金融機関からできるだけ長期低利の資金を融資していただきたい、これが第二点でございます。  第三点は、出展参加に関連する技術開発や試験研究を助成するための補助金についてひとつ御検討願いたいということでございます。これは申すまでもなく、この企業が四年先に出展をいたしまするについては、現在の時点における企業の技術、科学技術の進歩いたしました姿を並べるのではなくて、四年先に進んでかくあるべき状態企業技術ということが問題になってまいります。そういう意味では、特に今回博覧会一般規則におきまして非公式参加という道が開けまして、初めてブリュッセルだとか来年行なわれますところのモントリオール万国博覧会と違った性格のものになる可能性が非常に出てまいりました。外国からの企業の直接参加ということも考えられます。そういうことを考え合わせますと、どうしても将来の技術につきまして国際的な競争が起こってまいる。そういう意味におきましては、テストプラントの建設ということあるいはまた出展試作品の開発、製作ということが出てまいりますので、その際におきます諸経費につきましてぜひとも格段補助の道を御検討お願いしたいというのが第三点でございます。  最後に、第四点としてお願いいたしたいことは、政府資金による民間展示館の建設でございます。これは非常に中小企業方面から強い要望でございまして、自己の負担による展示館を建設できない企業で、しかも非常に出展意欲の強い企業がございます。そういうものに対しまして政府資金によって展示館を建設していただいて、そこへ民間の展示を収容していただくというような方法をひとつお考え願いたいと思うのでございます。たとえば、中小企業館とかあるいはその他貿易館でありますとかいろいろな例があげられると思いますが、少なくとも政府が用意いたしました企業館の中にもろもろの民間の、一つでは出展できないものがグループとして集まって、そこにみずからの力で出展をする、そういうような機会をひとつお与えくださいますような政府資金による民間展示館というものをお願いいたしたい。これはもう中小企業にとっては非常に大きな要望であることを申し添えたいと思います。  以上四点を申し上げまして、先生方の格別の御判断をいただきたいと存じます。ありがとうございました。(拍手)
  12. 天野公義

    天野委員長 次に駒村参考人お願いいたします。
  13. 駒村資正

    駒村参考人 日本貿易振興会理事長駒村資正でございます。  先ほど来だんだんと御要求のことがございましたが、私らは終戦後ブリュッセルなりニューヨークなりまた来年のモントリオールなりの博覧会につきましていろいろ政府の御指名によりましてお手伝いを申し上げてまいりました経験上、博覧会に関連いたしますことで非常に重要であるということを少しく申し述べまして、御参考に供したいと存じます。  まず博覧会が成功するかどうかということは、より多くの国からいろいろのものを出してもらう、集まってもらうということが一つ、なおその会場そのものがテーマに即応してうまく経営されていくということ、それから次にはより多くの人を誘致すること、この三つであろうと思うのでありますが、大体どれだけの人が集まったかということがその博覧会が成功したとか失敗したとかいうような一つの標準にもなりますし、またあとに残すいろいろな記念物というようなものも、ある意味において、テーマに関連いたしまして一つの記念物となって非常に有意義なものとなると私は思うのでありますが、いずれにいたしましても一八五一年ロンドンで博覧会が開かれまして以来、博覧会自体であまりペイした博覧会はごく少ないのでありまして、りょうりょうたるものでありまして、大体大小ともみな赤字を計上しておるわけでございます。  が、その点におきまして、財政の問題につきましては、もうすでに各位からいろいろと説明なり懇請がございましたので、省略させていただきますが、ただ最近のカナダにおきまするやり方は、政府が諸費用の五〇%、それから州が三七%半持つ、それからモントリオールの市が残りの一二%半を持って、大小問わずこの比率でもってカバーしていくというふうになっております。昨年、一昨年のニューヨークには非常な赤字が残って、現在非常に困っておられるようでありますが、これは債券を発行しておられますので、債券の購入者が予想した利益を得られなかった、換言すれば損をしたということでおさまっておるようなわけでございます。大体において非常に財政的に好都合にいった博覧会は少ないようでございます。  次に、運営の面でございますが、一番必要なのは語学でありまして、ブリュッセルではフランス語、ニューヨークはもちろん英語、今度モントリオールででも英語並びにフランス語というふうに、大体欧米諸国で平常使われている、また非常にファミリアなことばでやっていけたのでございますが、わが国ではまだ日本語ですべてを通すということができませんと思われますので、やはりこの博覧会ができます前に何とかして各種のことばを十分研修しておいて準備をせなければ、いろいろな面で非常な不便が生じてまいります。特に今回はアジアの地域であり、アジアで初めてのことでありますので、私といたしましては東南アジアの諸国の土語と申しますか、各国のことば、英米仏のような先進国のことばではないことばを十分それまでに研修して、これがやがて来たるべきわが国にも経済援助あるいは技術提携その他の方面に大きに役立つ基盤になるのでございますので、ぜひこの方面に力を注いで、これらの経費その他の分をまかなっていけるようにひとつ御考慮していただきたいと存じております。  立地的にはなかなかヨーロッパのように各国と非常に近い距離で交通できるところではございませず、非常に不便なところである。したがって、外国からの客を多く誘致するということが非常にむずかしい仕事であると私は思っております。来年のモントリオールにおきましても、三千万の入場者を予定して、そのうち五割七分をアメリカに依存しておって、国内では四割一分五厘ですか、その他の諸国一般に対してはあとわずか一分五厘だけの客しか期待しておらないというふうなことでございますので、たくさんの人をヨーロッパ方面から、西欧諸国からもたらすことの非常にむずかしい点もあることをひとつ銘記していただきたいと存じます。  が、それにつけても、もうすでにブリュッセルでは、この博覧会の期間中に国際会議計画的に約三百回ほど開いております。延べ人員が十五万人ほど集まっておる。日数からいたしますと千二百日ほどの日をその会合に使っておるのでございます。これはもうすでにブリュッセルが十年ほど前から、一九五八年までの間にいろいろと計画して、博覧会中に国際会議を開けるように、全国をあげていろいろな計画を立てた結果でございまするが、わが国といたしましてもそういうふうなことはぜひひとつ国をあげて御計画願って、人が一人でも多く集まるようにこの機会利用していきたいと思っております。それにつきましても、宿泊所の、つまりホテルの問題もございますので、これも地元においては非常にいろいろとくふうをしていただいているはずでございますが、これらの点におきましても、政府におかれましても十分御考慮願いたいと存じております。  なお、博覧会が近づきますにつれて物資の高騰並びに労力といいますかレーバーのアンバランスが起ってまいるのでありまして、各国がいろいろと博覧会場で設営いたしまする建物その他におきましても、それに類するレーバーが必要になってまいりますので、そういう一時に集まってくる需要のために、地域的にもあるいは業種的にも非常にレーバーの賃金が高くなるというなこともございます。  もう一つ考えておかなければならないことは、一九七〇年の三月十五日から発足いたしまするわが国万国博覧会は、日がきまっておりますので、その前後に万一何かの都合で、そういうふうな環境といたしましては、レーバーのアンバランスとか、あるいは物価の騰貴とか、いろいろなものがございますが、ストライキでも起りますと、これはもうすべて計画の上に非常な手違いを起こすと同時に、国際信用にも大きく影響いたすと思いますので、この点何とかお互いに防止できますようにひとつぜひ御高配願いたいと思うのであります。日がきまっておるということが一つの非常な弱みでございまして、それに間に合わないようなことになってまいりますと非常に大きな手違いが起こってまいりますので、ぜひこの点を御考慮願いまして、何とか諸般の準備と言いますか、手回しのできますように、ひとつぜひお考えおき願いたいと思うのであります。モントリオールでも、すでにそういう問題が起こっておりまして、博覧会場内でのストライキは協約によってやらないことになっておりますが、その他の場外におきましては、いろいろなことが——いま船積みのために、非常にわれわれ自体も困っておるようなことがございますので、ぜひひとつお願いいたします。  なお最初申しました各国博覧会への誘致のことにつきましても、博覧会御当局においては非常に努力していただいておるのでございますが、政府におかれましても、各国参加し、また出品しやすいような、あらゆる方面における事柄に対してスムーズに行き得ますように、法制の上でもあるいは手続の上でもお取り計らい願うことができれば非常にしあわせだと思っております。どうぞよろしく。
  14. 天野公義

    天野委員長 次に新井参考人お願いいたします。
  15. 新井眞一

    新井参考人 博覧会協会の事務総長を拝命いたしました新井でございます。先般、非常にお忙しいところをわざわざ大阪までお見えいただきまして、その節にもいろいろお話を申し上げてお聞きいただいたわけでございますけれども、時間もないようでございますから、ごく簡略に、いままで参考人の方々からいろいろお話がございましたけれども、二、三御要望申し上げたいと思います。  まず第一に、参考人の方々からもお話がございましたが、私もお供いたしましてパリに参ったのでございますけれども各国は非常な期待をいたしております。いまさらにして責任の重大さを感じておるわけでございますけれどもオリンピックの点もございましたし、すばらしい万国博覧会というような目で見ておるわけでございますので、何とかりっぱなものにしなければならぬと考えておるわけでございます。  もう一つは、条約にもございますわけでありますけれども、国で行ないます博覧会というものと、公に認められた博覧会という点がございまして、今度は財団法人の博覧会協会が行ないます公に認められた博覧会ということになるわけでございますから、各国はちょっと心配をいたしております。国の責任はどうなるんだ。また若干専門的なことを申し上げますが、政府代表というものが条約の中にございまして、その方の、政府代表というもので代表される国の責任立場を、もう少し明らかにしなければいかぬじゃないか、こういう御意見があったわけでございまして、その点に関連する二、三の修正を理事会で行ないました結果、全会一致の賛同を得たというような次第でございますので、おそらく今後の博覧会の展開に応じまして、いろいろと御指導いただかなければならぬ分が非常に多かろうと思うわけでございます。  それからもう一つは、ほかの国も同じ情勢でございまして、やはり三年間というものは非常におそいぞということを申しております。これはオリンピックでもそうかと思いますが、特に違います点は、お座敷をつくって、料理をつくって、お客さんを呼ぶというのではございませんで、お座敷も向こうと一緒になってつくる、料理も一緒になってつくるという点がございます。これは条約にございますように、向こうはお金を持ってまいりまして、建物をつくるわけでございます。これは国際条約にそうなっておるものですから、したがってかなり前広に各国とも検討しなければならない。それから各国予算措置を講じなければならないという点がございまして、やはりことしが勝負じゃなかろうかという感銘を強く受けてまいったわけでございます。おそらく着工いたしますのは二年ないし一年半前といたしますと、昭和四十五年の開催でございますので、四十三、四十四年でございます。そうしますと来年中、四十二年に、いろいろな設計とか準備とか、こういうものを各国がやらなければならぬわけに相なるわけでございます。そういたしますと、本年度秋くらいに、少なくとも各国は国に要請をいたしまして、予算措置を講ずるという段階になるわけでございます。おそらくことしじゅうには外国のほうから現場を見に来るんじゃなかろうかというふうな感じすら抱いてまいったわけでございます。したがいまして、私ども非常におくれておりますけれども、御指導を得まして早くいろいろな諸元をきめまして、そうして相手方の検討ができますようにオファーをしなければならぬ、こう思っておるわけでございます。さしずめ今年度は、特に四十五年を見渡しました全体の資金計画の問題、それを前提にいたしまする四十二年単年度の予算問題、そういうことで何かと御指導、御協力をいただくことが非常に多かろうと思いますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。  特にいままでいろいろ参考人からお話がございましたが、二、三申し上げておいたほうがいいかと思いますことを申し上げますと、一つは政府館としての参加でございます。これは私どもといたしましては、最もりっぱなお客さまと申しますか、協力をしていただく館だと思っておりますので、そういう日本政府館というものはどういう形で建ってくるか、これにつきましてもいろいろ御検討、御指導をいただきたいと考えておるわけでございます。さらに、おそらく美術館とかあるいは科学博物館とか、各省の御施設としてやっていただく、こういうものは、かなりあろうかと思うわけでございまして、そういうものも早急に私ども立案をいたしまして、御相談なりお願いにあがることになると思うわけでございます。  それからもう一つ、特にいろいろお話もございましたけれどもパリ理事会で入学試験に通って、これからほんとうに実際の活動に入らなければおそうございますので、とりわけモントリオールが終わりましてから三年先、それから何と申しましても遠うございますので、最も早くひとつ海外の各国に対しまして、いろいろな呼びかけなり御招請なりをやっていただかなければならぬと思うわけでございます。この点は政府におかれます御施策でもございますし、あわせてお願いを申し上げたいと思います。時間もございませんので簡単でございますけれどもお願いを申し上げまして、私の陳述にかえたいと思います。ありがとうございました。
  16. 天野公義

    天野委員長 以上で各参考人からの一応の御意見の聴取は終わりました。     —————————————
  17. 天野公義

    天野委員長 次に参考人並びに政府当局に対する質疑の申し出がありますのでこれを許します。なお左藤参考人金井参考人中馬参考人及び新井参考人は、地方議会出席のため、十一時四十分までで退席しなければなりませんので、その点をお含みの上御発言を願います。田中六助君。
  18. 田中六助

    田中(六)委員 御出席参考人の方々御苦労さまでございます。ただいま委員長が申し上げましたように、時間が非常に限られておりますので、まず大阪にお帰りの方々に質問を一括してしますので、そろって御答弁願いたいと思います。  関連公共事業のことはいろいろ参考人の方々から申されましたのですが、大阪府、兵庫県、大阪市のそれぞれ公共事業関連事業がどのように推進されておるか、具体的にお述べくださることをお願いいたします。
  19. 左藤義詮

    左藤参考人 お答えいたします。万国博覧会の円滑な推進をはかりますための関連整備事業でございますが、会場周辺の問題につきましては、近畿地建、大阪府、大阪市、大阪通産局、近畿圏整備本部、吹田市、関西電力、大阪瓦斯、阪急、国鉄などを中心といたしました周辺整備事業懇談会におきまして会合を重ねまして、道路、鉄軌道、河川及び供給処理施設につきまして、逐次関連事業計画を策定してまいっております。  次に近畿圏における広域にわたる問題につきましては、各府県間の意見調整をできるだけ早く行ないたいと存じておりますが、現在のところでは、この意見調整近畿圏整備本部が中心で行なうか、または近畿地方行政連絡会議で行なうか等について、協議をいたしておる段階でございまして、これと並行いたしまして関係府県市による推進組織もつくりまして、万国博覧会関連事業促進をはかってまいりたいと存じております。  なお関連事業中、道路関係につきましては、阪神幹線道路協議会において各府県市の調整をはかりつつ、取りまとめが行なわれておりますが、これによりますと、道路関係関連事業費は、総額で八千八百四十億円、うち大阪府がお願いしておりますのは中央環状線をはじめとする一千二百七十億円でございます。その他鉄軌道、観光施設等いろいろ関連事業がございますが、早急に取りまとめまして、それぞれの機関を通じてお願いいたしたいと存じておりますので、この点につきましても国庫補助率の引き上げ、起債特別ワクの設定など積極的な国の助成措置が講ぜられますよう格段の御支援をお願いいたしたいと存じます。
  20. 金井元彦

    金井参考人 ただいま大阪府知事から申し上げましたように、近畿圏整備事務局等におきまして調整をいたしております。その内訳はまだ決定をいたしておりません。なおそれ以外に先ほど申し上げましたような関連いたします事業がございますことを申し上げます。
  21. 中馬馨

    中馬参考人 先ほど大阪府知事からお答え申し上げましたように、私ども十分連絡をとり、関連しながら計画を進めておるのであります。大阪市におきましては、御承知のとおり最も重大な問題は道路の問題でありますが、これは現在の既成都市である大阪道路の拡幅などなかなか容易ならぬものがあります。地下鉄の建設高速道路建設によって町の立体化をはかるという方針もかねてからとっております。これを強力に一そう進めたいと思うのであります。また新大阪駅の周辺は、あのとおり世界に自慢する新幹線はできましたが、終着駅周辺は全く乱雑な都市でありますから、この区画整理をどうでもやり上げるべくいま努力をいたしておりますが、これも間に合うつもりでおるのであります。  それから町が全体として非常に乱雑なことは先ほど申し上げたとおりであります。これらにつきましては、公園整備や街路樹の植えつけなどもいたしておるのであります。たとえば道頓堀のあの非常に臭気を発するような状態になっておる河川の浄化にもいよいよことしから着手いたしましたが、そうしたことを準備いたしながらそれぞれの各省といま打ち合わせをいたしておるのでありまして、かねてから相当長期の計画を持っておりますから、先ほども申し上げましたように、これを繰り上げて実行さしていただくというような考え方で進むつもりでおるのであります。  金額等については、万博までの金が七千七百二十二億といったような試算をしておるのであります。これは各省と打ち合わせながら具体化されたものと思うのであります。よろしくお願いをいたします。
  22. 田中六助

    田中(六)委員 私はこれを非常に心配しているのです。実はほとんどの外国博覧会場の都市というものを私は見てきておるのですが、こういう都市大阪府市を比べるときにほんとうにこれが万国博として成り立つ都市であるかということにすごい疑問を持っておるのです。しかも一、二年前から外国から着工に来るということ、それから一日に四十万人近い人間を動かさなければならぬということもあるかもしれないし、いまの名神道路でもあと四、五年すれば一ぱい、そういうような一般産業道路と、こういう万国博に関する道路などを一緒に考えなければならぬ。皆さんが、それぞれの府知事さん、市長さんが深刻にほんとうに考えてくれなければ日本万国博というものが成功するかどうか、私は最初から疑問を持っておる。それほど皆さんにはほんとうに真剣に考えてもらわなければならないことですし、私ども委員会は与野党をあげてこれを何とかしようと思っておるのですが、ほんとうにあと三年十ヵ月でこれが成り立つかどうかというのは、もう少しPRを国民にもして、オリンピックでやったようなあんななまはんかなことではこれがうまくいかないのだという認識に皆さんが徹底して宣伝なさってくださることを望みますし、私どももこういう国会を通じてどんどんやらなければならぬと思っておりますので、そこの腹がまえをもう少し持ってもらいたいというのが私の趣旨の説明でございます。  それからあと地利用の問題ですが、大阪府は過密都市対策に関連してこれを考えているようですが、三人の方にこのあと地利用について具体的な案を簡単に述べていただきたいと思います。
  23. 左藤義詮

    左藤参考人 大阪府市あるいは近畿全体の公共投資がおくれておりますことについて非常に御心配をいただきまして、たいへんありがとうございます。全力を尽くして対処いたしたいと存じますので、先ほどお願いいたしました補助率の引き上げとか、あるいは起債ワクとかにつきまして、よろしく御支援をお願い申し上げます。ぜひひとつ地元一体になりまして努力してまいりたいと存じております。  次に、万国博覧会用地の利用計画でございますが、その自然、社会、経済的諸条件を総合的に考察いたしまして、また近畿圏整備計画大阪地方計画等に基づきまして、北大阪地域において具体化すべき施策を勘案いたしまして、さらに万国博覧会開催の意義を記念すべく配慮を加えまして、この三百三十万平方メートルの土地の持ちます可能性が十分発揮されますような合理的利用計画の策定ということが必要と存じます。  現在の時点で一応考えられますのは、御承知のように大阪市から移転する大阪大学を中心に文教施設を集めること、万国博覧会記念公園を中心とした、先ほど中馬市長の申しました公園緑地を整備すること、それから新たに設置されます名神のインターチェンジ及び駐車場を中心とする流通施設を活用することでございますが、具体的にいかなる施設を配置するかにつきましては、万国博覧会のために行なわれます公共投資を有効に利用するために会場計画との調整を考慮し、また関係市とも十分協議を行なって決定をしてまいりたいと存じております。このため大阪市、吹田市、万国博覧会協会及び大阪府によるあと地利用計画連絡会議というべきものをできるだけ早い機会に組織いたしたいと存じておる次第でございます。
  24. 中馬馨

    中馬参考人 ただいま左藤知事からお答え申し上げましたように、私ども十分連絡をとっていたすつもりで、先ほど申しましたように、できるだけ世紀の大事業として、西日本の地に権威ある文化施設が残されるということを願っておるのでございます。
  25. 田中六助

    田中(六)委員 左藤府知事にもう一点またお尋ねしたいのですが、田畑などが大体全体の四五%を占めておるのですが、このかえ地の問題はその後どういうふうになっていますか。
  26. 左藤義詮

    左藤参考人 非常に広い土地でございまして、たくさんの地主でございますので、昨年来努力をいたしまして、最初はお貸ししようということで意見が一致しておったのでございますが、ただいまあと地利用等のこともございまして、全面買収ということで逐次話を進めまして、特に専業農家で引き続いて農業を行ないたいという方につきましては、かえ地につきまして、できるだけひとつ御便宜をはかり、御了解をいただくようにということで、かえ地の候補地等も選定いたしまして、極力個々にお願いをいたしておる段階でございます。
  27. 田中六助

    田中(六)委員 あと参考人の方には、皆さん終わってからまたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
  28. 天野公義

    天野委員長 田中武夫君。
  29. 田中武夫

    田中(武)委員 私もいろいろとお伺いしたいのですが、もう時間もありませんので、あと地利用の問題とか、モニュメントの問題について各知事さん、市長さんにお伺いしたかったのですが、それはやめます。  ただ一点お伺いしたいのは、今回のこの費用の捻出のためにオリンピックのときもそうだったのですが、特別に競輪とか競馬をやる。今度もこの特別措置法が出ておりますが、その中でやはり競輪とか競馬を特別なものをやる、こういう考え方のようでありますが、左藤金井中馬の三参考人さんですね。これをやるとするならば施行者になられるだろうと思うのですが、この三名の方が競輪とか競馬とか、そういうことによる収益をもってこれに充てるということについてはどう考えておられるのか。私は公営ギャンブルでそういう費用を捻出すべきでない、こう考えておるのですが、三参考人の御意見はいかがでしょうか。
  30. 左藤義詮

    左藤参考人 特別措置法で自転車振興会でございますか、その資金を回していただくとか、あるいは競艇の資金を回していただくということはお願いをいたしたいと存じますが、そのために特に大阪府が主催いたしまして競輪、競艇等を新たにいたそうということにつきましては、ただいまのところ考えておらないのでございます。
  31. 金井元彦

    金井参考人 私のほうは関連公共事業等が主でございまして、特に競輪とかあるいは競馬の収益をもって云々ということは考えておりません。
  32. 中馬馨

    中馬参考人 先ほど左藤知事がお答えいたしたとおりでありまして、私ども大体左藤知事と同じような考え方でいま準備をいたしております。
  33. 天野公義

    天野委員長 それではどうもありがとうございました。田中六助君。
  34. 田中六助

    田中(六)委員 石坂会長にちょっとお尋ねしたいのですが、日本万国博一般規則案について、国際博覧会パリの事務局の審議でいろいろ問題になったと思うのでございますが、問題になった諸点をお聞かせ願いたいと思います。
  35. 石坂泰三

    石坂参考人 いまおっしゃるのは、万国博覧会の国際事務所において……。
  36. 田中六助

    田中(六)委員 そうです。非常に日本案がアプリシエートされたというふうに聞いておりますし、その中にはいろんな……。
  37. 石坂泰三

    石坂参考人 これは御承知のとおり、国際事務所は政府間の会合なんですね。ですからわれわれ民間の人間は大体出場できないわけでございます。しかし聞きますところによると、格別問題もなかったようでございますが、ただ政府責任ということで何かだいぶ質問があったそうでございます。しかし、われわれは当日議題がたくさんございまして、日本博覧会の議題が出るちょっと前に議場に入って、うしろのほうに控えておりました。そのうちに満場一致で可決されましたので、私が許しを得てお礼のことばを述べました。数人おりましたが、壇上にビュレッキーという、だいぶ高齢な方でしたが、その人が議長をされておりました。それをぐるぐる回りでお礼の握手をして、全部退場いたしました。しかし会議はその後まだ進行いたしておりましたが、聞くところによれば、問題になったのは政府責任ということがごたごた言われたそうでございます。したがって政府を代表する責任者、コミッショナー・ゼネラルと言っておりますが、それはいずれ政府におかれても確定されるんじゃないかと存じますが、モントリオールの場合にはデュピーという方がコミッショナー・ゼネラルであり、かつ博覧会協会の会長でもあられるようでございます。ことしの初めに日本へ来られまして、私もお目にかかりました。それから日本がモントリオールに参加しておるときには、日本を代表するコミッショナーというものが任命されておりました。これは経団連から植村君が出ておるのでございます。これはいずれそのうちにきまるんじゃないかと思いますが、会議において問題になったのは、聞くところによれば、その問題が比較的論ぜられて、あとは分類表や何かでございますが、これは満場一致、事なく通過したようでございます。そんな模様でございました。
  38. 田中六助

    田中(六)委員 熊谷企業局長にちょっとお聞きしておきたいのですが、国際博覧会条約の第一条ですね。公認と公式というふうに分かれておるわけですが、日本の場合はモントリオール博と違って一応公認ということになっているのですが、やはり国の責任の範囲は、大阪の現地に行ってみましても、取り違えておる人がかなりおるし、それから全体的に見まして、その専門の事務を取り扱っている人のニュアンスも非常にあいまいなところがある。これは委員会で前にどなたか質問なさったに違いないのですが、もう一度はっきりこういう場を通じて、どういうふうになっておるかということをお答え願いたいと思います。
  39. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 先般も大臣からお答え申し上げておると思いますが、御指摘のように今回の博覧会は公認博覧会でございますが、先ほど来参考人の方からもいろいろお話がございましたように、外国関係でもいろいろ問題になっておるわけであります。私どもの気持ちといたしましては、公認博覧会にいたしましたゆえんのものは、こういう博覧会につきましては、やはり国をあげて、特に民間の創意くふうというものを生かしたほうがいいんじゃなかろうかという点と、それからこの博覧会開催いたします場合のいきさつ、こういう両面から見まして、公認博覧会にいたしたわけでございます。とは言いますものの、先ほど来話がありましたように、国の大事業でございます。そういう意味合いにおきまして、政府といたしましては対外的にあくまでも責任があるわけでございますので、その責任は十分果たすつもりでございます。  なお政府代表の話が出ました。分類委員会の話も出ましたが、結局従来のこちらの原案では、規則の中で協会の権限になっていた事項が二、三あるわけでございますが、それを政府代表の権限にするようにという修正がおもな内容でございました。そういう意味合いにおきましても、あらゆる面について責任を負いますと同時に、政府代表等につきましても早期に設置いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  40. 田中六助

    田中(六)委員 先ほど里井参考人から陳情みたいな陳述があったのでありますが、民間の企業万国博に出展する際に、減税措置をしてくれ、これはやはり出展することが非常に国家的な行事で、しかもシカゴ博に見られるように、一つの景気の浮揚力にもなるという問題が提起されておるならば、政府はそういう減税措置についても十分考えなければいけないと思いますが、こういう点について何か具体的な案がありますか。
  41. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 四十二年度の税制改正の問題になろうかと思いますが、われわれといたしましても、参考人からお話がありましたように、やはり相当民間において積極的に御参加を願わないといけない、かように考えます。それがためには、そういう措置も必要であろう、かように考えますので、四十二年度の税制改正におきましては、関係方面と連絡をとりながら前向きに検討いたしたい、かように考えております。
  42. 田中六助

    田中(六)委員 できるだけ早目に、四十二年度で大幅にそういう措置を講ずることを希望いたします。  それから政府関係のいろいろな施設を講じてほしい、もちろんこれはお考えでしょうが、こういう点の配慮について具体的な案というものはすでにできておるのですか。
  43. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 先般もお答え申し上げたかと思いますが、現在、会場計画等につきましては、万博協会におきまして鋭意検討をいたしておりまして、最近第二次案的なものもできてまいっておるわけでございます。その中にもいろいろな希望はあるわけでございますが、政府サイドといたしましては、これは各省にまたがる問題でございますので、御承知のように関係閣僚協議会、その下に事務次官をもって構成いたします幹事会等がございますが、協会の会場計画の第二次案をもとにいたしまして、早急にどういうものを政府舘としてつくるべきかということを、いま申し上げましたような幹事会なり協議会で今後至急検討してまいりたい、十月ころまでには一応の大筋の目鼻をつけたい、かように考えておる次第でございます。
  44. 田中六助

    田中(六)委員 石坂会長にお尋ねしたいのですが、パリで正式にこれがきまりまして、直ちに外交ルートを通じてそれぞれ招請状を出すわけです。そうすると、日本と外交関係にない国々があるわけですが、会長の意見というものがちらほら新聞に載っておったのですが、極端に言うと、こういう会長の意見は私はこういうふうに記憶しておるのですが、あまり正式な外交関係のないところには招請状を出さなくてもいいというような意見だというふうに聞いておりますが、この点についてのお考えを述べていただきたいと思います。
  45. 石坂泰三

    石坂参考人 この問題はまだ本式に研究しておりませんのでございます。これも、私は就任前でございましたけれども、大体五十ヵ国くらいの参加を要請するように聞いておりましたが、しかしそれは私が就任する前の話でございます。モントリオールでは八十ヵ国——きょうの新聞には、日本は百何十ヵ国を招請をするというようなことが出ておりましたが、これは私は全然存じませんことでございます。国交のない国を招請をするかどうかということは、私は、純然たる経済問題からいえばそれは来てもらってもかまわないんだ、しかしながら博覧会といえども国の施策に反抗してやるわけにはいかないから、これは政府ともよくお話し合いをいたしましてそれによってきめていく、こういう立場におりますので、いまでは全くその問題はきまっておりませんのでございます。まだ問題に出ておりませんのでございます。
  46. 田中六助

    田中(六)委員 きめていないわけですか。
  47. 石坂泰三

    石坂参考人 きめてないどころじゃない、まだ話が出ておりません。
  48. 田中六助

    田中(六)委員 この点について企業局長、ちょっと政府の見解を言ってください。もう三木さんがおっしゃったでしょうが……。
  49. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 どういう国を招請するかという問題でございますが、先般も大臣から御答弁いたしておると思いますが、一応先ほどお話がございましたように非常に期間が短うございますので、早く外国の動向をつかみ、あるいは外国にPRするということが必要でございます。そういう意味におきまして、さしあたり国交関係の開かれておる国をまず第一段階といたしまして招請いたしまして、残りの国につきましては今後の推移を見て別途検討していく、こういうことに相なっておるわけでございます。
  50. 田中六助

    田中(六)委員 カナダは参加国は七十五ヵ国くらいといわれておるのでございますが、日本はやはりできるだけ百二十五ヵ国の国々、それから外交関係にない国々も招待するのがたてまえじゃないかと思うのですが、在外公館のこれらに対する援助のやりぐあいというようなのはどんどん進んでおるのですか。
  51. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 招請は御指摘のように外交ルートを通じてやるわけでございます。したがいまして、私ども事務的には外務省にお話を申し上げておるわけでございます。オリンピックと同様に、先ほどお話が出ましたように五月十一日に正式に登録されたわけでございますので、至急招請事務を外務省と連絡しながら始めたい。事務的には連絡をとりつつあるわけでございます。  なお、もちろんこの問題は外交ルートをやりますが、PRその他の面につきましては、うらはらになって協会も動いていただく、こういうことになろうかと思います。なおこれは別個の機関ではございますが、私どもといたしましては、ジェトロが各地にいろいろな事務所を持っておりますので、これにも協力お願いして、正式には政府の外交ルートでございますが、実際的にはそういう民間機関と一体になって、できるだけ早い機会にこれが目鼻がつくようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  52. 田中六助

    田中(六)委員 以上の質問で終わりますが、いずれにいたしましても、在外公館とジェトロなどきめのこまかい援助のしかたをしないと、やはり外国の出品を扱う問題ですから、できるだけ督促したり、いろいろな諸条件あるいはネックになっておる点なども詳細に調べておやりになることを希望いたします。  これで終わります。
  53. 天野公義

    天野委員長 田中武夫君。
  54. 田中武夫

    田中(武)委員 まず最初に熊谷局長にお伺いしますが、先ほどもちょっと田中六助君の質問の中に出ておりましたが、いわゆる担当大臣は三木さんときまっておる、しかし条約十五条による政府代表はまだきまってない、そこでなるべく早くきめたい、こういうことであったのですが、これはあなたに答弁を求めるのは無理かもわかりませんが、その政府代表はやはり大臣クラスというか、あるいは役人なのか民間人なのか、そういう点についてはもう何か話題なり方針なりが出ておるのですか。
  55. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 具体的にはまだ候補者の名前はあがってまいっておりません。ただ政府代表がどういう事務をやるかによっておのずからどういうクラスの方を考えなければいかぬということはわかるわけでございますが、御承知のように政府代表の権限といたしましては、出品する各国政府代表がきまるわけでありまして、その参加国の政府代表といろいろ会議をするというようなことが一つ。それからもう一つは、国内的には一般規則の解釈とか、あるいは違反等につきまして最終的な権限を持つ、こういう点が政府代表の国内的な権限でございます。そのほか政府代表といたしましては、これは条約上の権限ではございませんが、先ほど来話がございますようにおのずから外国語——いろいろ外交ルート等を通じまして招請するという事務がございます。各国の例によりますと、政府代表がそういう面の仕事も相当やっておるというように聞いておりますので、そういう三つの点を考えまして人選を考えてまいりたい。そうなりますとおそらく相当上のクラスの人選になろう、かように考えておるわけでございます。
  56. 田中武夫

    田中(武)委員 この条約十五条による政府代表は、日本では博覧会協会が実施運営に当たる、こうなっておる。その責任者は石坂参考人なんですが、そこで、協会の会長といいますか、実施運営責任に当たる協会の責任者を政府代表にするのがいいのか、あるいは別個な人がいいのか、それは一長一短であろうと思うのですが、そういうことにつきまして石坂会長はどうお考えでしょうか、また政府と言っては無理かもわかりませんが、局長はどう考えておるでしょうか。
  57. 石坂泰三

    石坂参考人 カナダの場合には協会長とコミッショナー・ゼネラルと同一人でやっておられますが、私はぜひ一緒でなければいかぬとか、別にしなければいかぬとか格別な意見を持っておりませんがね。
  58. 田中武夫

    田中(武)委員 どちらのほうがやりよいと思いますか。
  59. 石坂泰三

    石坂参考人 どうですかね。官吏でしょう、片っ方は。この政府代表というものは役人だろうと思いますね。そういう半分役人になって、また民間のなんでやるというのは、私もまだ考えたことがないのでございます。しかしやりいいことは一人のほうがやりいいかもしれませんね。政府代表のほうは協会の運営ということじゃなくして、責任を一体だれが背負うかということが主体じゃないかと思うのでございますよ。ですから政府代表になれば官吏になるのですから、政府にも責任があるということになるわけでございますね。ただその点だけじゃないか。普段の運営はそういう方々がやられるわけじゃないのじゃないかと思いますがね。
  60. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 御指摘のように二つの考え方があろうかと思います。協会長政府代表をかねる、あるいは別個の人が政府代表になるのとあるわけでございます。先例もいまお話がございましたように、かねた先例もあるわけでございますが、問題は対外的問題でございます。先ほどお話が出ましたように今回の日本万博は公認万博でございます。そういう意味合いから言いまして、外国政府責任を云々しているわけでございます。そういう意味合いから考えまして、私どもといたしましてはやはり同一人がやっていただいたほうが万事国内的には都合がいい、かように考えておりますが、対外的な問題もいま申し上げましたようにございますので、今後、協会あるいは政府部内でもどういう形のほうが一番いいかということを至急検討いたしまして結論を出したい、現在のところは結論が出ておりません。
  61. 田中武夫

    田中(武)委員 五月十一日に国際事務局へ正式に登録になった。そして新聞等によると八月には第一回の参加招請状を出す、こういうことを言われておるのですが、早くそれをきめないといけないんじゃないかと思うのですが、さらに招請を出す問題につきまして、先ほど田中六助君も言っておりましたが、条約加盟国以外のもの、ことに先ほどの答弁のことばをもってするならば現在国交が回復してないところを除くのはどうか、こういう問題は何回も議論しておると思うのですが、私は文字どおり万博にするならばそういうことは考えずに、できるだけ多くの参加を求むべきじゃないかとこう思うのですが、さて、その招請状は政府代表の責任において出すのでしょう。そうじゃないのですか。万博のこの条約によるとそういうように読まれるのですが……。
  62. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 招請状自体は政府代表の名で出すわけではなくて、政府自体で出されております。したがいまして政府代表はそれに基づいていろいろな外交関係の事務をやる、こういうことになろうかと思いますが、政府代表の名でなくて政府自体の名で出す、こういうことになっております。
  63. 田中武夫

    田中(武)委員 条約の十五条では、「国際博覧会への参加を招請する政府は、」となっておりますから、その責任政府だと思います。その政府は、政府を代表するものあるいはその代理者を指名しなければならぬ、こういうような文章になっておったと思うのですが、そうすると、政府が招請をするかしないかをきめるということになれば、それは終局的には閣議ですか。ずばりと言って中国、北朝鮮等々をどうするのかということは閣議が最終的にきめるのですか、そういうことになりますか。それに対して先ほど石坂参考人の御意見もあったようですが、政府がきめるにあたって当然協会側の意見等も聞かれるのじゃないかと思うのですが、そういうような点はどういうことになりますかね。
  64. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 先ほど来申し上げておりますように公認博でございます。実施主体は協会ということになっておりますので、もちろんどういう範囲の国をどういう形で招請するかという問題は、十分協会の意見を聞いてきめたいと思います。なおどこの国をどういう時期に招請するかという問題は、これはおそらく閣議できめるということになろうと思います。
  65. 田中武夫

    田中(武)委員 まあ政府委員とか政府との間の質疑応答はまたの機会にできるからこの程度にしておきますが、やはりこの問題につきましても石坂参考人より若干意見を述べられましたが、私はやはり広く窓口をあける、こういうことが必要だと思うのです。そこでまあ第一次的には国交の回復しているところというような表現が先ほどありましたが、もう一度石坂会長に私希望を申し上げるのですが、これはできるだけ多くの国が参加できるような運営、実施をしてもらいたい。それによると、結局閣議できめることになるのだが、協会側の意見というものが強く支配すると言っちゃどうかと思いますが反映すると思いますので、もう一度石坂さんの考え方をここではっきりと言っていただきたいと思います。
  66. 石坂泰三

    石坂参考人 その問題はたいへんむずかしい問題でございましてね、まあ協会としてのなにはいまおっしゃったように広く門戸を——しかしわれわれも日本国民でありますから政府がつき合ってないところをぜひ呼べということはちょっとむずかしいのじゃないかと私は思っております。
  67. 田中武夫

    田中(武)委員 いやこれは議論をやめましょう。しかし私は、これ何も政治問題ではないので、博覧会というのはイデオロギーの問題ではないので、まあよく考えてもらいたいと思います。  それから駒村参考人にお伺いしますが、先ほどの参考意見の陳述の中でスト云々ということが出たわけなんですが、私は一九七〇年ここで万博をやるのだ、これはもう至上命令だということで、そういうことで憲法が保障するところのスト権を制限するというような考え方には反対なんです。そこであなた、ストをやらないようにとか、ついてはどういう構想を持ってああいうことを言われたのですか。
  68. 駒村資正

    駒村参考人 お答えします。  もうすでに御承知と思いますが、時期をきめて世界に発表いたしました事柄が、ストのようなことで実行できないということになりますと、仕事自体が非常にうまくいかぬと同時にわが国の名誉にも関するようなことになりますので、なるべくならば、そういう危険があるわけでございますから、危険を防止するように事前に各方面に御協力を願うというふうにひとつやっていただきたい、こういう考え方で申しましたのです。
  69. 田中武夫

    田中(武)委員 それじゃ具体的にこういうような方法をとったらいいだろうかというようなことまでは考えておられないのですね。
  70. 駒村資正

    駒村参考人 それは私のほう実は……。
  71. 田中武夫

    田中(武)委員 それは権限外だけれども、もし私案があれば聞きたい。
  72. 駒村資正

    駒村参考人 私案はございません。先生方の良識でひとつ御判断くださいまして、こうすればうまくいくだろうというふうに、たくさんの費用を使ってやっていただくことでございますので、国をあげてひとつぜひそういうふうな対策を何とかひとつ講じていただければ非常にしあわせだとこう思っております。どうぞよろしく。
  73. 田中武夫

    田中(武)委員 ジェトロの会長がそういう意見を言うということは、ちょっと問題が筋違いじゃないかと思うのです。しかし駒村個人として、国際的な問題もあるので、そういう希望を持っておる、こういうことで伺ったといたしておきましょう。しかし私は、そういう意味でいうなら、一九七〇年という年は避けるべきである。これは本会議において、同僚五島君が、一九七〇年という年を選んだについてはということで質問をしたことがあります。一九七〇年は安保改定の年です。相当物情騒然とすることが予想せられる年です。もしそういうことになるなら年を改むべきです、という感じを持っております。そういうことはここで論議しても始まらぬことですから、あらためて論議をすることにしますが、ただ私が申し述べたいのは、一九七〇年に大阪で万博を開くのだ、これは何だか知らないが、至上命令だからということで国民の権利義務を押えつけていく、そういうような行き方に対しましては断固反対です。それだけ申し上げて私の質問を終わります。
  74. 天野公義

    天野委員長 板川正吾君。
  75. 板川正吾

    ○板川委員 石坂会長にお伺いをいたします。  いま前の質問者二人が触れられました、交渉を持ってない国の招請の問題であります。いまのやりとりを伺っておりますと、石坂さんは非常に消極的であり、まだこの問題を取り上げたこともないし議論になったこともない、それから経済人としては多く参加することも望ましいが、これは自分の関係よりも政府関係であろう、あるいは日本人の一人として、政府がつき合っていない国を招請してくれというのも無理だ、こんな議論を通じてみますと、会長自身——協会長ですよ、非常に消極的な感じを持っておるという受け取りをいたします。しかし私はこの日本万国博覧会というものを、関西の財界の関係というのじゃなくて日本国民全体の行事として日本国全体の行事とするなら、もっと考え方を広く持つべきじゃないか。しかしこの資料によりますと、基本理念の中で、いわゆる「人類進歩と調和」という中で、なかなか名文が書かれてあります。私はこの文章は非常に名文だと思うのです。会長自身がこの名文をお読みになったことがあるのかなという感じがしたのです。読んでみましょう。この前段の中で「理解と寛容」というものを非常に強調しております。最後にどういっておるかというと、「いまこそ新しい時代が始まらねばならない。二十世紀は偉大な進捗の時代であるが、同時に今日までは苦悩と混乱を避けることができなかった。私たちはこの世界を、完全な平和が支配し、真に人類の尊厳と幸福をたたえうるところのものとして、次の世代につたえたい。この万国博覧会が、そのようなよき時代への転回点として役立ち、その場所と機会を提供しえたとするならば、私たちの光栄はこれに過ぎるものはないのである。」こういっておりますね。前後の関係からいって、まことに名文です。これはこの前にもありましたが、いままではまだ理解と寛容というのが十分でないために世界が混乱をしておるのだ、やがて将来は理解と寛容の上に立って進歩と調和がもたされなくちゃならぬ、その回転期に日本万国博を設けるんだ、設けたい、こういう基本理念でうたっておるのですね。そうしますると、これは共産圏だとか国交を回復してないから呼びたくないという趣旨じゃないのです。世界どの国でも呼んで進歩と調和をはかるという基本理念のもとに人類が結びつくような趣旨で万国博覧会を設けるんじゃないですか。そうすると、会長自身はぜひ呼びたい、私もできるだけ呼ぶようにいたします、しかし、その最終決定はあるいは政府機関になるかもしれませんから、国会にしかるべく御協力を賜わりたい、こういう発言をされるのが筋ではないかな。会長自身として——経済人ではありませんよ。私が聞きたいのは、この万国博覧会会長に、私は参考人としてお聞きしているのですが、そういう気持ちを持つべきではないですか。それが政府の何かの決定で不幸にして実現しないとしても、それは別の問題です。会長自身はこの基本理念の精神からいってぜひそうしたいというのがあたりまえじゃないでしょうか。政府があらかじめそう思うらしいというのは経済人の判断でしょう。だから、これはだめだろうという消極的考えは万国博会長として持つべきではないと私は思いますが、いかがでしょうか。
  76. 石坂泰三

    石坂参考人 この問題は先ほども申し上げたように、まだ議題にのぼっておりませんでございます。これからそういう問題が起こってくるであろうと思いますので、そのときに善処いたしたいと思いますが、しかし博覧会はやはり日本万国博覧会でございますから、日本というものを度外視してやるというわけにはいかぬと思いますね。しかし、これは問題が出たときによくまた意見を交換してきめたいと思います。今日まではまだ出ておりません。全然私はそういう意見を新聞記者にも発表したこともありませんが、よく聞かれますので、経済という点からいけば差しつかえないのだけれども日本人で日本でどうも政府がつき合わないところをこっちがぜひやるぞとも言えないから、この問題はわからない、そういう返事をしております。
  77. 板川正吾

    ○板川委員 これは水かけ論になるようですから言いますが、この日本万国博覧会というのは日本で開く万国博覧会ということでしょう。日本で開くにしても、万国博覧会の精神というのはそうじゃない。
  78. 石坂泰三

    石坂参考人 入っていないのですよ。
  79. 板川正吾

    ○板川委員 入っていないのですが、この日本で開く万国博覧会人類進歩と調和の基本理念にはそういう精神があるのではないですか。だから私は、万国博覧会会長としてはこの際議題にならないとか、経済人としてとか、あるいは日本人の一人としてとかということで消極的な態度をとるべきではない。個人としてそういう考えをお持ちであろうが、万国博覧会運営責任者でしょう。私どもはぜひ呼びたい、こういう考え方を持つのが、私は博覧会の精神に合うのじゃないかと思うのです。しかし、いいです。この点は私はそう思うので、特に意見がなければけっこうですが、もう二、三伺います。  今度は万国博覧会会長であると同時に経済人である石坂さんにお伺いいたしますが、この万博を大阪でやることになりますと、たいへんな直接投資、間接投資がこの四年間のうちに行なわれると思います。そうしますと、この万博をやることによって、大阪地方を中心として物価の高騰ということが非常に予想され得るのじゃないか、こういう点で私ども心配をするのですが、この点はどうでしょう。心配はあえてないようですか。
  80. 石坂泰三

    石坂参考人 むずかしい御質問ですが、それがためにインフレーションになるというようなことは私はないと思います。多少の物価は上がるかもしれません。いろいろの理屈はあるが、物価というものは需要と供給のかね合いからくるのですから、これは統制的の経済のもとにおいては、ある程度まで支配できます。汽車賃であるとか、また政府が監督しておる酒の値段であるとかいうものはできますけれども、根本は需要と供給のかね合いで物価というものはきまるのだ、私はこれは経済の鉄則だと思います。いわゆるインフレーションになるというようなことはないのではないかと思いますが、相当の金が落ちましょうから、多少の物価が上がるというようなことは考えられないことはないと思います。
  81. 板川正吾

    ○板川委員 感じとして、多少の物価が、あるいは大阪地方、関西地方を中心に上がる可能性がある。その多少というのはそれほど心配したことはないのだ、また日本経済全体で三兆円か四兆円だそうですけれども、三兆円か四兆円の投資というのは、その地域に当てはめますと大へんな金額になると思いますが、物価は多少上がるがインフレを誘発することもないだろう、そう心配したことはないだろう、こういうふうに考えてよろしいですか。
  82. 石坂泰三

    石坂参考人 物価が上がるということは、たとえば生鮮食料や何かのものについて一時的に上がるかと思います。そのほかのものについては、物価が上がればだっとものが入ってきます。国内は近いのですから、汽車で行ったり何かしますから。上がるなら全国的に上がるかもしれませんが、特に大阪地区において異常に物価が上がるというようなことは考えられないと私は思いますが、まあ青物であるとか魚であるとか、そう遠くから助太刀ができないようなものについては多少そういう傾向があるかもしれませんが、たいしたことはないだろうと思います。
  83. 板川正吾

    ○板川委員 もう一点。これは政府にもいずれ話してみようと思うのですが、この万国博覧会国民的な行事をする、世界各国の人にできるだけ参加してもらうということが望ましいのですが、特にアジア地域の青少年、こういう人たちを大量に呼んで、しかもその呼ぶための経費はあまりかけないで、たとえばキャンプを張って生活させるなりして博覧会を見させる、こういうようなことが私は成果をあげるために必要じゃないかと思うのですが、こういう問題等、何か計画の中にあるようでありますか。
  84. 石坂泰三

    石坂参考人 それは最も望むところで、お説のとおりでありますので、そういう具体的の話をまだ聞いておりませんが、その問題は必ずや出てくる問題ではないかと存じます。たとえばボーイスカウトのジャンボリーをやるとかなんだとかいうようなことは計画されるだろうと思います。
  85. 板川正吾

    ○板川委員 それから最後ですが、これは石坂さんが、真意かどうかわかりませんが新聞に伝えられたものですから、この際伺って、もし間違いがあれば訂正してもらいたいと思います。  五月十二日の日本経済新聞朝刊によりますと、これは東京版ですが、パリ博覧会国際事務局理事会が行なわれて満場一致で日本博覧会一般規則、分類表を承認した。このときに、これで手続的には最終的にきまったわけです。各国に招請状を出せますから。そうしますると、このときに石坂会長談として、「これで条約上の法手続きは全部終了したわけで、あとはいかに日本独自の博覧会を実施するかという問題だけとなった。私は日本万国博がかならず成功すると確信している。損はせず大いにもうけるつもりだ。」このことばがあります。実はこの大いにもうける万国博覧会というのは、この前にも何かの新聞か雑誌に、これはある財界人ですが、何かもうける博覧会ということがちょっと出ておりました。実はわれわれも日本国民の一人として、万国博がこの基本理念のような趣旨において運営されることなら心から協力したいと思うのです。しかしこれが、もうける博覧会ということばは、これは私どもまことに不愉快なことばなんですが、こういう趣旨が日本経済新聞にありましたが、この報道は石坂さんの真意を伝えているかどうか伺いたいと思う。
  86. 石坂泰三

    石坂参考人 話のうちには、四角ばって言うのと、ユーモア的に言うのとあります。いまお読み上げになったことは、私はそのとおり申しました。ということは、最近の博覧会というものは、昔のようなコマーシャルな、商業的のもうける会じゃないのですね。みんな損しているわけです。それが問題になって、なかなか会長の引き受け手もないわけです。そういう場合において、新聞記者が来て、もうけるということばはたいへん固くおとりになったが、悪いかもしらぬが損をしないという意味ですよ。日本は、いま世界の注目を浴びている日本であるから、大ぜいの人が来るだろう。われわれはニューヨーク博覧会のように損はしないよ、もうかるよ、こう言っただけです。もうかるという意味は、商売をして何とかもうかるという意味じゃないので、テーマに従ってやっていけば損するにきまっているのです。問題は入場者が多いか少ないかによって、剰余金が出るか出ないかという問題、私は大ぜい日本には見に来るよという意味において、そういうふうに返事したわけです。ことばはそのとおりだと思います。だけれども、笑いながら冗談話で言っておったのですから、そう商売やって博覧会でもってぜにもうけしよう、そんなことは思っていないが、もうけようといったって、博覧会は入場料よりほかにほとんど収入がないのです。これが一番おもな問題、それもエステメーションといいますか、たいへんむずかしいことでありますが、世界じゅうが日本というものに対して非常に興味を持っているから、いままでのように損はしないだろう、何がしか残るだろうという意味をユーモラスに言っただけのことでございまして、商売しようと思っているわけじゃございません。
  87. 板川正吾

    ○板川委員 まあ経済人だけの話の場合は、ある意味ではそういったこともわからぬでもないですがね。しかしどうも日本国じゅうこういう報道が伝えられれば、やはりそういう気持ちでこれを受け取らない人がありますね。それはもうけると言ったって、万博の入場料で全部予定どおり入ってもたいした金額じゃないじゃないですか。
  88. 石坂泰三

    石坂参考人 いや、そうでもないですよ。
  89. 板川正吾

    ○板川委員 それで直接投資一千二百億円、それに間接投資を入れるとばく大な金額でしょう。間接投資を入れたって、それはもちろん何も有効な働きをしないという意味じゃないのですよ。しかし間接投資が完全な有効な働きをなすまでには、相当な時間がかかるのじゃないですか。いずれにしても、私はこの際もうけるのだということばは、あまり感じよく受け取っておらなかった。そういう人もおるということをひとつ頭に入れておいてもらいたいと思います。
  90. 天野公義

    天野委員長 栗山礼行君。
  91. 栗山礼行

    ○栗山委員 政府に対します質問は、明日も当委員会担当大臣が見えまして、相当重要な問題についてお尋ねを申し上げてまいりたい、かように考えておりますが、御出席をいただきました石坂会長大阪商工会議所の里井参考人に、二、三御意見をお伺いをいたしたいと思う。  今度の万国博会長の問題について、いろいろ経過がございましたが、最終的に、日本的な、何人も認める超一流人物としての財界の石坂先生が御就任をいただいた、こういうところに、いよいよ協会の本格的な進み方にまいった、こういうふうに私は理解をいたしておるのであります。会長の問題の難航いたしました経過については、いまここで論ずる愚を避けてまいりたいと思うのでありますが、要は万博のその重大な任務、こういうとらえ方で、会長の問題のたいへん産みの悩みが、時間の経過も加えまして、あったのではないか、こう思うのであります。石坂会長がお引き受けをいただきまして、この万博は、いままで論じられておりますように、国が直接行ないますことと、また国が認める団体によってこれを進めてまいる、今度の日本の万博は国が認める博覧会ということで取り組んでまいる、こういうことであろうかと思うのでありますが、私は過日一般質問の中で三木通産大臣に、博覧会の性格をやはり明確にしておくということが、今後の準備や施策の上について最も重要な問題でないか、こういうことで質問をいたしてまいったのでありますが、私石坂会長の御所見を伺いいたしたいのでありますが、私の意見から申し上げますと、国が認めた万国博覧会の協会でありますが、やはり博覧会自体の主催権と申しますか、これは国にある。協会自体のものではない。条約に基づいて行なわれるという博覧会は、国が主催権者としてのその高い誇りと任務があるのだ、こういう私は意見を述べつつ質問農開いたしたいのであります協会の役割りは、国の主催権のもとにおける助言と申しますか、あるいは指導と申しますか、協力を求めつつ、その協会の運営管理ということが協会自身としての最も適正な役割りの性格じゃなかろうか。この点が明確にならないと、国の施策というものと協会の任務分担ということが明らかにならない面が起きるのでないか。これを明らかにしてもらいたい、こういうことで私質問を展開いたします。  ニュアンスの相違はあるのでありますけれども、最終的に国が認めた協会であるけれども、国は主催権があり、その責めを持つべきである。こういう見解で、えりを正して国が万博に取り組んでいきたい、これは会議録等に載っておりますから御承知をいただけると思うのでありますが、私は端的に申し上げまして、ニュアンスの相違はありますけれども石坂会長がお引き受けになって、いま申し上げます国の主催権のもとにおいて、万博に対して、会長としてそのよろしき管理運営の機能としての最高責任をとっていくのだ、こういう御見解になるのか、あるいはまた別途の性格理解をもって会長としてのリーダーシップをとってお進めなのか。きわめて運営の上において重要な基本点でなかろうかと存じますので、会長の端的な御所見をひとつお伺いいたしたい。
  92. 石坂泰三

    石坂参考人 ただいまの御質問でございますが、博覧会条約による博覧会が一種、二種、三種とある。日本がやったのは第二種で、いまおっしゃったように、協会を政府が、国家が認めてやっていくということでございます。第一は、何もかも政府がやるということ、それから第三は政府責任を負わない、全くプライベートのもの、こう三つに分かれておりますが、そのうち日本が第二種を選んだということは、おそらくは——一種を選んだということは、要するに日本では、昔から、政府博覧会のようなことを運営していくのには、いわゆる官吏の商売でうまくいかないだろう、こういうことはむしろ民間の者にまかせたほうがよかろうというのでそういう形式をとられたのじゃないかと思いますが、問題は、その運営によって非常に赤字が出たときにだれが負担するかという問題です。これは一番大きな問題で、それは私は、初めから政府責任がある、かように感じておりました。政府もそれは責任をとるようにわれわれには言われておりましたけれども、三年も四年も先のことはなかなか言えません。政府としても、それまで内閣が続くかどうかもわからぬし、予算だってとってあるわけでもありませんから、これはやむを得ないだろうと思います。しかし非公式には、それは政府責任を負うのだということは個人的にはしばしば私どもも聞いておるところでありますから、私自体は、やはり最終の責任政府にある、こう思ってやってきたわけであります。しかし、なるたけ御迷惑をかけないために、だいじょうぶだい、今度はもうけるよ、——これは失言ですかね。私は失言とも思わぬですが、そんなに損しないで済むだろうという意味において言ったわけで、私は、初めから政府に金銭上の責任があると思っております。しかし、運営上の責任は、これはいまおっしゃったとおり、われわれはどこまでも責任を負って一生懸命でやるつもりでおります。しかし私は、冗談には、そんなこと心配するな、おれはみな引き受けると言ったのですよ。これも冗談です。
  93. 栗山礼行

    ○栗山委員 新聞その他でお伺いをいたしておるのでありまして、何というても、財界の諸公の皆さんは経済というものについて非常に鋭敏で、またそれを基本的生命とする、こういうことで、一も二もなく経済上の問題が重点として大きくクローズアップする、こういうことになるのでないかと思うのですが、私自身は経済上の問題も非常に重要でございましょうけれども、いま私がお尋ね申し上げましたのは、国が主催権者としてこの万博を行なう、そういう前提に立って特殊の協会にこれをゆだねる、こういう性格をもって、国の責任とそれから協会自身の責任分担を明確にしつつ、あるいはまた関係地方団体がまた、与えられた任務と誇りを持ちつつ、三者の妙味をもってこの万博を遺憾なきを期して、世紀の大業としての責めを果たしてまいるべきだ、こういうような考え方で強く政府の意見を求めてまいったのであります。まあ、石坂先生のお話も、私とニュアンスは違いますけれども、何というても国が万博についての責任をとらねばいかぬ、しかし、運営については、協会が、また自分が、き然としてその誇りある責任を持って運営してまいりたい、こういうふうに理解さしていただく、こういうことでようございますか。
  94. 石坂泰三

    石坂参考人 お説のとおりであります。
  95. 栗山礼行

    ○栗山委員 まあ、たいへん大役でございまして、残されました三年十ヵ月でこの事業計画準備そして開催をして大きな成果をあげてまいる。私は石坂先生の大役について深い敬意を表さざるを得ないのでありますが、どうかひとつ国のとるべき施策の方向も、あなたならずばりものを申すということで歯にきぬを着せずして申されるお立場等を持っていらっしゃるということを私は信ずるのであります。特に多方面にわたる関係者がこれに参画するというようなことで、協会の管理運営等々につきましても難問題があろうかと思うのでありますが、私はひとつ何としても世紀の事業としての運営の大きなリーダーシップをもって、勇気と英知をひとつ傾倒してお取り組みをいただきたいと念願する一人なんでありますが、端的に御所見を伺っておけばと思うのです。
  96. 石坂泰三

    石坂参考人 ただいま望外のおことばをちょうだいいたしましたが、自分といたしましてはできるだけ責任を負ってやるつもりでございます。どうぞその点はよろしく。  またいまおっしゃった御意見も、大体私ども考えておることと合致しているように思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございます。
  97. 栗山礼行

    ○栗山委員 もう一点石坂先生にお伺いいたしたいのでありますが、実は新井事務総長に伺うべき問題であろうかとも思うのでありますが、ちょっ・と基本だけでけっこうでございますからお考えを承っておきたいと思います。  私の知る限りにおいては、経過にかんがみまして、いま万博の協会が大阪の御堂ビルに居をかまえていろいろ準備を進めていただいており、東京には万博の連絡事務所と申しますか、こういうふうな役割りで持っておろうかと思うのであります。私の考え方から申せば、政府との関連、あるいは政府を通じてでありますけれども国際上の連絡の問題、あるいは準備企画等との問題から見て、本拠は東京に設けて運営するというのも一つの考え方である。大阪におきましては、何といっても開催地でありますから、現地の特色を生かしつつその任務を大阪において担当する。言うならこちらは司令部的要素、参謀企画室の要素になり、大阪は一線部隊的要素として、両々相まってこの問題と取り組んでいくということが運営のよりいい方向でなかろうかという意見を持っておるのでありますが、これはやはり時期と運営の内容等がございますから、ひとつ具体的にということじゃなくして、考え方の基調だけをお伺いいたしたい。
  98. 石坂泰三

    石坂参考人 お説のとおりでございます。現場における仕事が始まりますと、大体大阪のほうも忙しくなると存じますが、いま企画その他の時代におきましては、やはり官庁との折衝や何か多いからこちらが中心になるような傾向にございまして、ぼつぼつ人をふやしております。現に移動しつつあると申して差しつかえないと思います。しかしお説のとおり、いよいよ現場において工事が始まりますと、いろいろ各種の人が現場で要りますから、人数からいうと向こうがふえるかも存じませんが、企画的にはやはりだんだん東京がふくらみつつある現状でございます。どうぞさよう御了承願います。
  99. 栗山礼行

    ○栗山委員 どうもいろいろありがとうございます。ただ申し上げました要旨については、より効果的な効率的準備体制を進めてまいるべきであるということで御見解を承ったということで御了承いただきたいと思います。  もう一点、これも基本的な態度だけでけっこうだと思うのでありますが、万博の協会自体の構成、各種専門委員会の構成等の配列といいますか構成を伺いまして、たいへん御苦心のほどがうかがえるのでありまして、さらに進展の状況に基づいてこれの整備拡充をして、より国家的事業国民の総意をあげた万博ということでお進みをいただかなくちゃならぬと思いますが、実は事務局機構の問題なんですが、これはいままでの準備の経過にかんがみて、主として大阪府市の関係者諸君がこれに参加をいたしまして取り組んでおる。構成の大どころはそういうことになろうかと思うのでありますが、私はやはり近畿各県、できれば大阪府下におきます衛星都市から必要なる役割りに必要なる人材を登用せしめて、近畿がやはり一体となってこの問題の準備を推進するという考え方。もう一つは、政府が大きな役割りと内容を持つのでありますから、関係各省の必要な役割りによる必要な人材にやはり参加を求めて、そうして国家的事業たる事務局の内容充実をして取り組んでまいるということも一つの考え方ではないか。何か大阪府市の人たちで小じんまりというとなんでありますけれども、それだけの大どころの事務局の運営をいたしておることについて、とらえ方としては必ずしも適正な理解をする者ばかりでないという見解等も含めてそういう意見を持っておるのでありますが、具体的なお答えをいただきたいとは思いませんが、考え方として、現在の機構運営によるべきか、あるいは広く近畿関係自治体及び政府機関の人材等も求めて事務局の充実をはかって取り組んでまいるべきか、こういうことについて御見解を承ります。
  100. 石坂泰三

    石坂参考人 ただいまおっしゃるとおりでございまして、現在の機構といたしましては、大阪に百四十名、東京はまだ十数名じゃないかと思いますが、モントリオールなんかは来年開くのですが、聞くところによると三千名とか三千何百名とかいっております。これはとても百名や二百名でできる仕事ではないので、だんだんふえていきますが、それはただいまおっしゃったとおりの方向に進んでおりますので、どうぞ御安心を願いたいと存じます。
  101. 栗山礼行

    ○栗山委員 里井参考人に最後にお伺いいたしたい。  私の意見等もはさむことになろうかと思いますが、法的な裏づけを持つ経済団体というと商工会議所、こういうことになってまいろうかと思うのであります。なかんずく大阪商工会議所というものは、地盤沈下化した大阪経済圏といえども、歴史と近畿の経済圏の中核的な機能と内容を持って取り組んでまいっておるということに考えられる。そういう商工会議所の、近畿財界と申しますかのあり方について、やはり商工会議所が近畿圏の各県の参加理解協力を求めつつ、財界の万博に対する積極的な参加協力はもとよりでありますけれども、いま一つは、とかく財界というとらえ方から経済オンリーというようなものの見方も持つのでありますから、万博に対する経済界のモラルを確立して、万博に財界はかくのごときモラルを持って参加するのである、こういうように姿勢を明確にして、これの参加に取り組んでまいるということが重要な問題ではなかろうかと思うのであります。ただいま板川委員の御質問なさいました石坂先生に対するなには、実は大阪財界の中でも、万博というものはもうかるものだ、こういうような意見かのごときニュアンスが新聞等で発表されたのであります。これは石坂会長だけじゃございません。私は大阪で生まれて大阪で育ってまいっておるということなんで、その事柄は大阪人の大阪用語なんですよ。もうけておりますかとか、もうかりまっかとか、もうけまひょかということはいわゆる大阪用語としてのごろがあるのだ。しかし、これは財界があるいは大企業が、あるいは財界のみがこれに取り組んでおるのだというような何か誤解を受けるようなことがあるといたしますなれば、たいへん万博に対してのさみしい将来を憂うべき疑惑を残すから、芦原先生に私は言うたのでありますが、財界人は、なかんずく大阪の財界人は平気で、どうかい、景気はいいかい、もうかっておるかというようなことを言うのであるけれども、万博についてかりそめにも大阪語を使って疑惑を感ずるような表現等は御遠慮いただかなくちゃならぬ、こういうことを大阪で申し上げたのでありますが、重ねて大阪商工会議所を背負って立っておられる里井参考人に、いま申し上げます近畿の財界との取り組み方、あるいは財界の万博に対するそういうモラルの問題、こういう二点についてあなたの所信をお伺いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  102. 里井達三良

    ○里井参考人 大阪商工会議所の万博運営に対する考え方は確かにおっしゃるとおりでございまして、法律によって認められました唯一の団体でありますので、商工会議所が一応全体の経済団体の世話役といたしまして、現在万博協会の外郭組織といたしまして、九つの経済団体が月一回ずつ定例に会合いたしまして、事務局長、専務理事等の集まりでございますが、そういう会合を持ちまして、万博に対する経済界の認識の高揚と申しますか理解、これを深めるための事務局活動の伝播をいたしているわけでございます。一つはそれでございます。またトップにおきましては、御承知のように大阪には総合的な経済団体は五つでございまして、商工会議所ほか四団体がございます。これは定時にトップ会談をいたしまして、いろいろ財界に共通の諸問題がございますけれども、現時点におきましては、特に万博というものに焦点を当てまして、いろいろとトップ間におきまして万博協力体制をとってまいっております。これが現状でございます。また、近畿一円につきましても、近畿商工会議所連合会というのがございまして、大阪会議所がその会長をいたしております。この中に万博対策特別委員会というのを設けまして、関連事業はもとより、万博の会場内におけるいろいろな運営の問題等もおはかりをいたしておる状態でございまして、一例を申しますと、府県間のいろいろな万博関連事業についてはいろいろな要求が出ますけれども、少なくとも経済界の見地から万博を成功に導くためには、奈良県はこれだ、和歌山県はこれだというような計画、主として道路になるかと思うのですが、そういう計画をお互いに持ち寄って、もう一つ以上は出さないのだ、ともかく財政の許す限りにおいて最も効率的な道路をつくるのだというような見地から、そういうものをそれぞれの会議所が提案をして持ち寄ろうということも今日考えておる状態でございます。これが経済界における私どもがとっておる態度でございます。  次にモラルの問題でございますが、おっしゃるように、万博はもうかるものだと会長がおっしゃいましたこととも関連いたしますが、私どもは万博はもうかるものだとは思っていないのです。経済界全体としてもうかるものだと思っておりませんし、またこれは非常に長期的な意味では、確かに三兆円の波及効果とかなんとかいわれておりまして、あるいは外貨獲得の面にも非常に大きく貢献するということは事実でございますが、個々の企業にとってみれば、たとえば建築業界のように、直接会場計画によって、あるいは関連道路等の公共投資によって潤う企業は確かにあると思います。しかし、その潤う企業と、さらに先ほどからいろいろお願いを申し上げました出展によって大きな犠牲を払う企業とがあるわけでございます。これは全体として非常にバランスがとれておるのではないか。そういう意味からいいましても——しかしながら直接的にはバランスはアンバランスである。そういう意味では、企業の態度というものは、現在のところ、正直に申しまして発注とかいろいろな面では非常に熱心な状態でございまして、ただいまでも会社の中にあるいは企業グループの中に万博対策委員会というようなものを設けておりますが、現在の段階では遺憾ながら受注対策委員会という様相が非常に濃うございます。いよいよ今度は出展対策のための委員会を私どもは財界にお話いたしまして、各企業と直接接触いたしまして、先ほど申しました九つの団体のレベルにおきまして、またトップ会談のレベルにおきまして企業に働きかける、そういうことによって出展についてのいろいろな問題の展開をいたしたいというふうに考えております。また、いろいろ発注等のことにつきましても、私は協会の常務理事の一人でございますけれども、協会といたしましてもえりを正して業界に対していろいろなことを発言して、おこがましゅうございますが、やはり協会が中心になって業界にそういう一般面での協力を求めたい、そういうふうに考えております。
  103. 栗山礼行

    ○栗山委員 駒村先生お越しをいただいておりますが、ジェトロの国際的な分野における万博への役割り、協力というものの評価、これはもう私から申し上げるまでもないことでございます。なかんずく前会長大阪財界で活躍された故杉先先であり、さらに大阪財界で御貢献願った駒村先生でございますので、これはひとつ格段の万博に対する推進と御協力お願い申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。
  104. 天野公義

    天野委員長 ほかに御発言もなければ、参考人に対する質疑はこれをもって終了することにいたします。  参考人各位には御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。  次会は明六月一日水曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時散会