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1966-05-26 第51回国会 衆議院 商工委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年五月二十六日(木曜日)    午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 浦野 幸男君 理事 小川 平二君    理事 河本 敏夫君 理事 始関 伊平君    理事 田中 榮一君 理事 板川 正吾君    理事 中村 重光君      稻村左近四郎君    遠藤 三郎君       小沢 辰男君    小笠 公韶君       海部 俊樹君    菅野和太郎君      小宮山重四郎君    田中 六助君       中村 幸八君    三原 朝雄君     早稻田柳右エ門君    實川 清之君       島口重次郎君    田中 武夫君       山崎 始男君    栗山 礼行君  出席国務大臣         通商産業大臣  三木 武夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官       進藤 一馬君         通商産業事務官         (企業局長)  熊谷 典文君         中小企業庁長官 影山 衛司君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  官公需についての中小企業者受注確保に関  する法律案内閣提出第一四二号)  官公需中小企業者に対する発注確保に関す  る法律案板川正吾君外十八名提出衆法第二  二号)  官公需中小企業者に対する発注確保に関す  る法律案麻生良方君外一名提出衆法第三四  号)  日本万国博覧会準備及び運営のために必要な  特別措置に関する法律案内閣提出第一二一号)  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 天野公義

    天野委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  先ほどの理事会において御協議を願いましたとおり、内閣提出日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案審査のため、参考人から意見を聴取することとし、その人選、日時、手続等に関しましては委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 天野公義

    天野委員長 内閣提出官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案板川正吾君外十八名提出官公需中小企業者に対する発注確保に関する法律案麻生良方君外一名提出官公需中小企業者に対する発注確保に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。中村重光君。
  5. 中村重光

    中村(重)委員 影山長官にお伺いしたいんだが、この受注機会増大努力——第三条に「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、中小企業者受注機会増大を図るように努めなければならない。」ということに対しては、これはどうも適当な文章ではないのであって、こういった文章だと、受注機会をつくっても、受注確保ということになってくると期待が持てないし、扱い方によってはむしろ妨げになるという可能性もあるのではないか、そういうことで、予算の適正な使用に留意するというように改むべきであるという考え方委員会にあるということはあなたは御承知であろうと思うのですが、その点御承知になっていらっしゃるのかどうかという点、御承知になっていらっしゃるとすると、「予算の公正かつ効率的な使用」云々ということと予算の適正な使用に留意するということとの違いというものをどのように理解をされるのか、まずそのことをひとつお答えを願いたいと思います。
  6. 影山衛司

    影山政府委員 お答え申し上げます。  各党の御折衝の間に、この第三条の「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ」という文言を「予算の適正な使用に留意しつつ」というように修正したらどうかという御意見のあることは、私も承知いたしておるところでございます。その両者の差でございますが、私ども原案の「予算の公正かつ効率的な使用」という場合に、効率的ということばは多少ことばが強うございまして、できるだけ安く、それからいいものをということをことさら強調をしたような感じが出るわけでございますから、そこのところに多少の誤解が招かれやしないかということを、私ども質疑の間において感じたわけでございまして、今度修正意見の出ておりますところの「適正」ということばは、公正でありかつ不当でないということで、会計検査院等検査をいたしました場合に、違法あるいは不当ということで批難をされないように会計法運用をやっていかなければならないというふうな解釈になるわけでございますので、その点につきましてはこの原案よりも相当緩和されておるというふうに感じるわけでございます。
  7. 中村重光

    中村(重)委員 いまよく理解できなかったのだけれども、それでは具体的に尋ねてみますが、予算の公正並びに効率的な使用ということは、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、まずそこをひとつはっきりさせてもらいたい。
  8. 影山衛司

    影山政府委員 公正と申しますのは、いわゆるつまみ食いというような、予算の定められた目的に反して使用いたしましたり、特定の者の利益のために使用するといったような、不正を排除するという意味でございます。それから効率的と申しますのは、予算目的に応じて最も有効に使用するということでございまして、その意味におきましては、できるだけ安く、できるだけ品質のいいものを購入しなければならないという意味がそこに入っておるわけでございます。
  9. 中村重光

    中村(重)委員 この「予算の公正かつ効率的な使用」というのは、会計法並びに予決令というのにこういう形になっておるわけですね。それをここへ持ってきたということではないのではありませんか。それを非常に強過ぎる、こういうことで、予算の適正な使用に留意するというように、委員会において、これを改めようと、こういうことなんですが、ただことばの強いとか弱いとかいうことではないわけですね、委員会修正というのは。「予算の適正」ということは、いまあなたがお答えになったように、むだ使いをしてはならない。「効率的な使用」というのは、予算使用目的に合致するようにと、こういうこと——どもは、予算使用目的に合致しないような使用なんということがあろうとは考えない。そのことをやったということになってくると、これは不正な使用という形になるわけですね。私どもがここでこの点を問題にすることは、官公需についての中小企業者受注確保する——政府としては、機会確保ということになるのでありますが、いずれにいたしましても、機会確保して、そして中小企業者に対する受注確保していくということをあなたのほうではねらっておるわけで、そのためにこの法律案を御提案になったわけです。ところがどうも、むだ使いをしてはならない、予算使用目的に合致するようにしなければならない、安くてよい品物を購入していくのでなければならない、あるいは製造させなければならない、こういうことになってまいりますと、やはりそのこと自体はそれでいいといたしましても、あまりこれがきびしく運営されてくるということになってまいりますと、どうしても中小企業というものには、いわゆる資本であるとか、あるいはその企業の規模であるとか、能力といったような点から、中小企業というものに受注確保していくということにはなかなかならないであろう。だからしてあまりきびしくしていくのではなくて、やはり中小企業者にできるだけ官公需確保を与えていかなければならない、こういうものの考え方から、こういうシビアーな扱いではなくて、予算の適正な使用に留意しつつ、できるだけ中小企業者に対して官公需確保していくようにしなければならない。こういう考え方からこれを修正するということになっておるわけでありますから、あなたのほうもそうした精神というものを生かして運営をしていくということでなければならないと思います。だからその点に対して、あなたはどのようにこれを理解し、かつ運営をしていこうとお考えになっていらっしゃるか、その点をひとつ明確にお聞かせ願いたいわけです。
  10. 影山衛司

    影山政府委員 お答え申し上げます。  基本的な考え方につきましては、中村先生先ほど御指摘のとおりでございまして、私どももこの法律によりまして中小企業者に対して発注機会確保増大をできるだけはかっていってあげるということにつきましては、全力を傾注するつもりでございます。
  11. 中村重光

    中村(重)委員 建設事務次官通達を出していますね。その通達によりますと、一億五千万円以上というのがAクラスであって、それ以下はB、C、D、Eということになっているわけですが、これはあなたのほうも御承知になっていらっしゃるのだろうと思うのです。そこでこの中小企業者に対して発注標準というようなものがあると思うのでございます。建設事務次官通達を出した一億五千万円以上がまずAクラス、大企業という形になるわけでございますが、それ以下が中小企業というように理解すべきであると私は思うわけです。そういうことで通達も出しておるようでございますが、この中小企業者に対する発注標準というものはどの程度お考えになっていらっしゃるのか、通産省としての考え方を明らかにしておいていただきたいと思います。
  12. 影山衛司

    影山政府委員 発注標準につきましては、各実施官庁発注官庁のほうできめることになっておりますけれども、今度この法律が通過成立いたしました際には、この官公需につきましての調達方針というものを閣議決定をしてきめることになっておりまして、その場合にできるだけ中小企業者に対して受注機会確保されるような発注基準というものを設定をするようにという方針も決定するつもりにいたしておりまして、建設省の次官のほうからの通達というものは、すでにそういう意図のもとに非常に前向きの通牒が出ておるものというふうに了解いたしておるわけでございます。
  13. 中村重光

    中村(重)委員 あなたの見解を伺っておきますが、自由民主党参議院議員鹿島守之助さんがこの中小企業者に対しての官公需受注の問題でパンフレットを出しておるようでございますが、憲法二十二条を取り出して「「何人も公共福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と定め、「公共福祉」のために営業の自由を制限する場合を認めているが、建設省の今回の措置は上記のとおり、工事発注機会均等公正性工事確実性経済性を阻害するもので、かような手段による中小建設業者振興育成は明らかに公共福祉に反するものであり、憲法第二十二条の適用を除外する理由とはならないと思考される。」こう書いてある。これに対してのあなたの見解はどうですか。
  14. 影山衛司

    影山政府委員 最終的にこれが違憲であるかどうかということにつきましては、もし必要があるならば最高裁の判決を待たなければいけない事柄ではございますけれども、この発注資格につきましては、御承知のように会計法に基づきまして、予算決算会計令が出ておりまして、その七十二条におきまして、「各省各庁の長又はその委任を受けた職員は、……契約種類ごとに、」発注基準を定めることができる。「資格を定めることができる。」というふうに規定をいたされておりまして、それに従って忠実に行なわれておるわけでございまして、その限りにおきまして適法であるというふうに私は考えておるわけでございます。
  15. 中村重光

    中村(重)委員 なお鹿島さんは、「一般に中小業者大手業者に比し、施工能力が不足し、工期の遅延、不良工事を生ずることが多い。」こういうことを書いております。これは鹿島さんの一方的な見解にすぎないわけでございますけれども、私どもは必ずしもそのようには考えない。もし中小企業庁が、中小企業というのは大企業にすべてが劣っておるのだというような考え方でもってこれを運営されるということになってくると、先ほど指摘いたしました、いわゆる「予算の公正かつ効率的な使用」こういうことにひっかかってきて、機会増大をはかろうとしても、なかなか受注確保するということについていかない、こう思いますが、それらの点に対して、あなたはどうお考えになりますか。
  16. 影山衛司

    影山政府委員 先生承知のように、中小企業者の中にもいいところもありますれば、悪いところもあるわけでございますが、私ども中小企業近代化合理化ということを推進いたしておりまして、相当優秀な、大企業にもひけをとらない中小企業者も多くあると私は信じておるわけでございますが、現実の官公需発注にあたりまして、調達担当官といたしましては、大企業のほうに発注をしておいたほうが同じ品質、同じ価格のものでも、いわば安心なわけでございますので、同じような能力を持ちながら中小企業者発注機会確保できなかったというのが、従来の状況ではないかというふうに考えるわけでございまして、今度この法律によりまして、そういうことのないように努力義務も課しておるわけでございます。今後そういう面で各省と一緒になりまして、運用の改善をはかっていきたいと考えるわけでございます。
  17. 中村重光

    中村(重)委員 そうすると大企業中小企業と比較をすると、ある特定品物を製造させるという場合、あるいは購入するという場合、大企業のほろが非常に効率的である。安く購入できるかもしれない。だがしかし、できるだけ中小企業者に対して受注機会を与えて、受注確保していかなければならないことである。だから最大限中小企業者に対して受注機会を与え、受注確保させるように努力をしていく。あまりむずかしく、こうした「予算の公正かつ効率的な使用」というようなこと——これはもちろん修正されるわけでございますけれども、これにこだわらないで、この法律精神を生かして最大限努力をしていくこと、こういうかまえであるということに理解してよろしゅうございますね。
  18. 影山衛司

    影山政府委員 先生承知のように、この法律は私ども考えとしましても、相当前向きの法律でございまして、第三条で「(受注機会増大努力)」を掲げておいて、あと第四条以下におきまして方針作成し、実績をチェックし、あと必要があるならば要請をするというふうな相当な法律になっておりますので、その面で中小企業者受注機会確保ということは相当前進をするというふうに考えております。「予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ」という規定を設け、あるいはこれを修正いたしまして、「予算の適正な使用に留意しつつ」という規定を設けましたゆえんはそういう前向きな法律でございますので、一項目は足元を忘れないようにという意味におきまして、会計法原則をここに掲げておるような次第でございまして、態勢は、やはり中小企業者受注確保ということを大いに前進さしていこうという方針でございます。
  19. 中村重光

    中村(重)委員 会計法原則にこだわらず、積極的に中小企業者に対する受注確保するようにつとめるというような考え方であるということで了解をいたします。  それで、組合契約相手方として活用するということをうたっておるわけでございますが、企業合同促進対策であるとか、あるいは、工場アパートに今度は企業がずっと入ってくるわけでございまするが、こういうものに対しての対策としてどのようにお考えになっていらっしゃるか。いま一つ共同受注ということに対してのお考え方もあろうと思うのでございますが、この点に対する配慮というものはどうなのか。次に、分割受注というものに対する配慮があるのかどうか。さらには、これはいつも問題になるわけでございますけれども、あなたのほうでも、たとえば鉄鋼業界が非常に不況である。そこで、北九州の下請業者が困っておるということから、県外に対する発注というものをできるだけ押えて、そして当該県内業者受注機会を与えるようにということで、最大限努力をされたという実績があると思うのでございますが、この官公需受注確保するという点から、以上私が申し上げましたような点に対してどのような配慮をしておられるのか、伺っておきたいと思います。
  20. 影山衛司

    影山政府委員 本法案の第三条におきまして、「組合国等契約相手方として活用するように配慮しなければならない。」ということを規定しておるわけでございますが、御承知のように、中小企業者個々の力が非常に弱いものでございますから、受注をいたします際にも、個々ロットというものが受注の限界がございます。そこで、組合単位にこれを受注いたしますと、ロットも大きくなりまして、大企業と競争できるような数量が受注できるということが一つのねらいでございまして、元来、私どもといたしましては、中小企業対策の基本といたしまして、この組合というものを中心にいたしまして協業化をはかっていく、あるいは、共同経済事業を推進するということを進めておるわけでございまして、先ほど先生指摘の、共同工場貸与制度というようなものも、その共同工場を貸与いたします際にも、中に入ってくる中小企業人たちはばらばらで入ってくるわけじゃございませんで、やはり組合を結成いたしまして、共同経済事業を行なう。その工場アパート全体が一つ工場というような形態をとらせるように指導いたすつもりでございまして、そういう面で、組合共同経済事業というものを助成推進をいたしていくということによりまして、受注機会増大していくということになるかと存ずるわけでございます。  先生質問の第二点で、共同受注の問題でございますが、そういう組合共同経済事業をいたします際に、一番やはり眼目といたしておる点は、共同受注を行なって、その組合といたしまして責任体制を確立しまして、あるいは、検査機構も確立いたしまして、共同受注ができるような体制をはかっていくということも、私ども指導方針一つでございますので、これも、この法律趣旨に合致していくものではないかというふうに考えます。  それから、分割受注の問題も、これも建設省あたりでも、できるだけ中小企業者受注機会確保をするために、増大をいたすために、分割受注方式をできるだけ行なうようにというふうな指導もなされておるようでございますが、この分割やり方等につきましても、あまりに分割をいたしまして小さくなりまして、全体の事業の効率というものが阻害されるというような場合もあるかと思いますけれども、そこのところはひとつかね合いで、経済性中小企業のための発注ということとのかね合いでそこのところはよく考えていかなければならぬ問題であろうかと思います。  それから、県内の問題でございますが、県内地元業者あたりをできるだけ活用していくということにつきましては、建設省をはじめ各省におきましても、そういう発注方針で従来も行なっておりますし、今後ともその方針を進めていきたいというように考えております。
  21. 中村重光

    中村(重)委員 中小企業者に対する受注確保するために各省に対して協力要請するということになっておるわけですが、いま私の質問に対してあなたがお答えになった。このことは、お答えの中にも出ました、いわゆる建設省関係その他各省に積極的にあなたのほうでは働きかけをしていかなければ、せっかくのこの法律もうまく働かない、こういうことになるわけです。単なる答弁ではなくて、この法律を有効的に運用していく上についてあなたのほうは、どのような各省に対するいわゆる協力を求めるための対策をお考えになっていらっしゃるのか、ひとつ具体的な考え方を明らかにしていただきたいと思うのです。
  22. 影山衛司

    影山政府委員 この法律の条文の中では御承知のように、中小企業に関する国等契約方針作成を行ないます場合に、中小企業庁原案作成することになっておりますけれども各省各庁の長と十分協議をして協力を求めて、閣議決定を行なうということになっておりますし、それがら、各省各庁の長に対してこれは要請をすることになっておりますが、これは一般的な方針のみならず、個々の具体的な問題も取り上げて各省各庁の長に対して、ふぐあいな点があれば要請をして是正をしてもらうということを考えたり、さらに、定期的に関係調達官庁の、従来は発注担当官クラス協議会をやっておったわけでございますけれども、今後この法律が通りまして後におきましては、局長クラス連絡会議長官みずから主宰をして、連絡を緊密にはかっていきたいというふうに考えております。また、地方の通産局ごとにも関係各省連絡会議を随時催していきたいというふうに考えております。
  23. 中村重光

    中村(重)委員 いまあなたがお考えになっていらっしゃること、まことにけっこうなんです。ところが、そういう考え方を持っておってもなかなか、特定の省との個別折衝というようなこともあろうと思う。あるいは、関係各省のいわゆる会議という形でいろいろと意見交換をするとか、あるいは要請をするとか、あるいは実績を示してもらうとか、いろいろあろうと思うのです。だから、こういうことでやりたいという具体的なこと、いま一つ会議を持つ、局長折衝をやりたいということでございますが、具体的には月に一回やるとかあるいは年に数回やるとか——これによりますと、単にその実績を年一回明らかにするということだけでよろしいわけですけれども、それは形式です。だから、そうではなくて、具体的にこの効果を発揮していくためにはあなたのほうとしての考え方があろうと思うのです。だから、その具体的な考え方を明らかにしてみていただきたいと思うのです。
  24. 影山衛司

    影山政府委員 この法律が通過成立いたしましたならば、さっそくに各省との連絡会議を持ちまして、この法律趣旨徹底をするということからまず具体的に始めていきたいと思うわけでございまして、あとは、この方針作成にあたりまして、たとえば工事において行なわれておりますような受注の格づけの方法等にも準用できるかどうかというようなことも、具体的に検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  25. 中村重光

    中村(重)委員 この閣議決定がなされるわけですが、閣議決定各省をどの程度拘束することになりますか。
  26. 影山衛司

    影山政府委員 閣議決定でございますので、各省各庁の長はこれに全面的に拘束されるというふうに考えるわけでございます。
  27. 中村重光

    中村(重)委員 閣議決定だから全面的に拘束される。文字拘束だから確かに拘束でしょう。私が言っているのはそれを聞いているのじゃない。これは第三条によって、やはりその判断というものはその省その省によって与えられていますね。これは中小企業発注したほうがいいとか、あるいは大企業が非常に能力があるから大企業にやらしたほうがよろしいということで、その金額にかかわらず、従来のいろんな関係というものもありますから、大企業のほうへ回すこともあろうと私は思うのです。しかしこの法律をつくり、その法律に基づいて閣議決定をするにあたっては、割合等もお示しになるだろうと思います。だからして厳重にこれを守らせていくのでなければならぬと私は思うのです。だからその点を各省判断にまかせるというのではなくて、先ほどあなたのほうで連絡会議等を持つんだということでございましたから、そういう際にその実績をどんどん出してもらって、これはいけないじゃないか、もっと中小企業に対して発注をするようにしなければならないじゃないかというように、具体的な形であなたのほうで要求をしていく、大企業に対するところの発注をチェックしていく、こういうことでなければならぬと私は思うのですね。文字に書いてあるから拘束だ、全面的に拘束いたしますというようなことは、少なくとも中小企業庁長官答弁としてはあまりにおざなりな答弁だ。そういうことをあなたに求めているのではないのです。
  28. 影山衛司

    影山政府委員 先生指摘のとおり、連絡会議等におきましては、具体的な問題をとらえ、実績をつかまえながら要請をしていきたいというふうに考えておりますし、また法律が出てまいりますならば、中小企業者のほうにも周知徹底をはかりますので、それに関連いたしましていろいろと苦情も出てくるだろうというふうに考えるわけでございますが、通産局あるいは中小企業庁なりがそういう苦情を受けつけましたならば、それも具体的に各省のほうに示しまして、実効があがるようにしていきたいというように考えております。
  29. 中村重光

    中村(重)委員 大企業発注をする。ところが大企業というのは下請にほとんど出すわけですね、ですから官公需中小企業確保するという法律精神を生かしていくということになってまいりますと、大企業が下請に出す場合、官公需に限っては中小企業の下請に出す場合のマージンというものはどの程度が好ましいといったようなことも、あなたのほうでは当然考えるべきではないかと思いますが、そういう点について検討されたことはないかどうか。またそういう考え方は持っておるでしょうか、その点どうなんですか。
  30. 影山衛司

    影山政府委員 下請の問題全体といたしましては、親企業が下請企業の単価をたたくという問題もあるわけでございまして、この問題につきましては別途そういう下請対策といたしまして検討いたしておりますが、まだマージンがどの程度がいいというところまではいっておりません。しかし、そういう点につきましても突っ込んで検討いたしまして、下請企業と親企業との関係近代化合理化につきまして、官公需につきましてもやっていきたいというふうに考えておりますが、下請の問題につきまして、官公需がものによっては大企業に適する製品もあるわけでございますが、それを下請に出すというような場合に、できるだけ通産局あたりに下請にたくさん出すようにというようなあっせんの労をとらせるというようなことも考えておるわけでございます。そういう点で下請企業の育成ということも官公需を通じてできるだけやっていきたいというように考えております。
  31. 中村重光

    中村(重)委員 予定価格をつくるときに、営業費と利潤というものをちゃんと計算に入れるわけですよ。だからしてこれを下請に直ちに出すということは役所はわかっておるわけです。だからあまりに下請を締めつけて、大企業があまりに利潤を取り過ぎていくということになってくると、よい品物をつくり、よい工事をやらせる、こういう考え方で大企業発注したのだけれども、実際は下請にやらせたほうがかえってよかったということになり、大企業に利益を与えただけが損だということになる。肝心の仕事をやった中小企業は利潤が少なくて苦しむ。大企業がしぼり過ぎておるから、できた品物は悪いという結果になる。だからそういう点が十分に配慮されなければならないのですよ。そこであなたのほうの官庁の予定価格の中には、いま私が申し上げたように、ちゃんと利潤が幾らということがきめてあるのだから、素通りしてやらせるわけだから、そのマージンというものはあまりたくさんとらせてはならないわけですよ。いわゆる名義料的なものですね。だからそういうものに対する行政指導だってあってよろしいと思います。それをあなたのほうで全然検討されたことがないということになってくると、せっかくこういう法律をおつくりになっても、どうも私はあなたのほうとしては熱意が足りないと思います。そこいらもやはり検討していかなければならぬと思います。単なる検討でなくて、検討は即そういうようなことを実施させるということにならなければならないと思います。その点は今後どういうふうな態度でお臨みになりますか。
  32. 影山衛司

    影山政府委員 いままではそういうふうにあまり検討もいたしておりませんでしたが、この法律ができました以上は、そういう予定価格のきめ方等につきましても逐次介入をしていくという方向でやっていきたいと思います。なかなかむずかしい問題でありますが、とにかく努力していきたいと思います。
  33. 中村重光

    中村(重)委員 むずかしい問題じゃないのですよ。やる気になったらやさしいんですよ。これは時間の制約もありますから、あまり専門的なことを、具体的に私どもの経験から、これはこうなんだということを詳しく申し上げることもどうかと思いますから、きょうは触れませんけれども、もっとあなたのほうとしては積極的な態度でお臨みになれば、私はそうむずかしい問題ではないと思います。そう私企業の内容に介入していくというようなことにもならないと思います。やはりあなたのほうの適当な行政指導ということによって、きわめて常識的なそういう下請に対する下請単価というものがきめられてくると思います。また役所はちゃんと、資材費が幾ら、人件費が幾ら、利潤が幾ら、営業費関係の経費が幾らということが書いてあるのでありますから、そういう形で大企業に対しての指導というものは私はできると思います。だからその点はこれからも十分研究されて、せっかくこういう法律をおつくりになったのだから、これが単にこういうかまえでやっておるのだと、いかにも中小企業に対して熱意があるかのごとく装うて実体は何もないという批判が起こらないように、確かに中小企業庁は人心も一新され非常に積極的に中小企業対策に取り組んでおるのだ、こういうことで歓迎され感謝されるようにひとつ取り組んでいただきたいと思います。三十九年度の実績は四三・八%、こういうような数字が出ておりますが、大企業中小企業との数は大体どの程度になっておるのか、その実績がおわかりでしたらお聞かせ願いたいと思います。
  34. 影山衛司

    影山政府委員 大企業が、件数で申し上げまして十二万五千二百八十一件でございます。比率からいいまして一八・三%、それから中小企業が五十一万二千四百十九件で七五%ということになっております。これは件数でございますから、企業数ということにはじかにはつながりませんけれども、大体企業数も考えられるというふうに思います。
  35. 中村重光

    中村(重)委員 そうすると、今度発注総量に対する中小企業者の割合というものを定められるんだろうと私は思うのです。そうなってくると、従来の実績がどうしてももとになるわけです。だから、従来の実績というものは、確かにこれは大企業に片寄っておる。もちろんそれは地方であるとか中央であるとかということによって違いがあるわけですね。こういうものは中小企業発注すべきものであった、それからこれは大企業に対して発注されておるから・こういう点は直していかなければならぬというような、あなたのほうとしてもこの法律案をお出しになることについては十分検討していらっしゃるだろうと思う。だから、従来実績の中に、あなたのほうとしては是正すべきであるということでお考えになった点はどういう点にあるのか。それから、今度総量に対する割合を定められましょうから、それに対しては中央あるいは地方に対してはどの程度というようにお考えになっておられるか。なお、大企業中小企業との比率をどの程度にお考えになっておられるのかお聞かせ願いたいと思います。
  36. 影山衛司

    影山政府委員 そういう問題も、これから具体的に検討を早急に進めていくわけでございますが、従来の実績からまいりまして、件数におきましては先ほど答弁いたしましたように、中小企業者が七五%も占めておるわけでございますが、金額にいたしましては四三・八%ということで、まだまだこれは比率としては低い比率でございます。特に中央官庁あるいは公社、公団が地方庁に比べまして中小企業者に対する発注というものの比率が少のうございますので、そういう点も中央官庁を督励いたしまして、できるだけその比率が上がっていくようにということで努力をいたしていきたいと思います。
  37. 中村重光

    中村(重)委員 これからやるんでしょうけれども、この法律案をお出しになるについては、十分従来の実績というものを分析されておるだろうし、またされなければならない、こう思うのですね。ですけれども、単に件数というものを私どもの審議の参考にお出しになっておるにすぎない。これでは資料としては不足でございますが、しかし積極的にこれから取り組んでいくということでございますから、これはそのとおりやっていただきたいと思います。  なお、この実績の通知または報告ということで、同僚議員からこの点に対しては指摘なりあるいは質問がなされておるわけでございますけれども、通産大臣に通知をする、こういうことになっておる。これは同僚議員からの指摘がありましたように、報告というような形が適当ではないのか。お互い同格の大臣が報告ということになってくるとこれは適当ではない、報告は総理に対してはなすべきものであろうけれども、同僚の大臣同士としては、これは通知ということでなければならないんだということでございますが、そういうことがいままでの質問に対する答弁ということになっておるようであります。しかし、少なくとも閣議においてこれを決定をしたいということです。閣議においてこれを決定をしたのだから、たとえお互い大臣同士であろうとも、その実績というものを報告をするということは何もおかしくはない。だからしてそれは当然なことだ、こういう法律をおつくりになるについて、あまりこだわって、総理に対してはこうだけれどもお互いの大臣同士に対してはこれは報告ということであっては、どうも報告は上を向いてやるわけなんだから横には報告ということにならないというようなことにこだわる必要は私はないと思う。少なくともこの法律に対して権威を持たせ、そしてこの権威ある法律を十分公正に運用していくということについては、私は、そういう点は報告なら報告とぴしっとされる必要がある、そうしてこの法律をもって強い拘束力を持たせる、こういうことでなければならぬと思うのです。だから報告と通知は同じではないかという文字の問題ではなくて、要するにこの法律の持つ思想なんです。そういう点が私は問題であると思うわけです。この点に対してのあなたの考え方はどうなんですか。
  38. 影山衛司

    影山政府委員 ことばの上では第五条におきまして「通知」ということになっておりますけれども、第五条におきまして、「国等契約実績の概要の通知」を義務づけておるわけでございますので、各省庁はこの法律に基づきまして通知をする義務があるわけでございます。そういう意味におきまして、報告ということばは使わなくてもその所期の目的は達成されるというふうに考えております。また各省各庁の長に対して臨みます場合も、結局のところ通産大臣に通知の場合に中小企業庁がその実績をとるわけでございますので、先生ただいま御指摘のとおりの心がまえで各省各庁の長に当たっていきたいというふうに考えるわけでございます。
  39. 中村重光

    中村(重)委員 重ねて私は申しませんけれども、報告にしても義務づける、通知にしても義務づける、義務づけておるから同じだというものの考え方、必ずしもそうではない。要するに総理に対しては報告である、報告しなければならぬということを義務づけてある、ところが横の大臣に対してはこれは通知である、これを義務づけてある、義務づけたから同じであるということには私はならないと思う。この法律にほんとうに権威を持たせ、そしてこれをいかに有効に実施させていくかという点で、ここに書き込むいろいろな文字も変わってくる。だから中小企業者に対する受注機会を与えるということも、そうではなくて受注確保するということなんで、あなたのほうとしては、結局受注機会を与えれば受注確保することになるのだから同じであるということなんでしょうが、機会ではなくて受注確保しなければならないのだ。機会が入っておることで同じではないか、それはそうではない。やはりこの法律をいかに権威あるものにするか、それからこの法律にどういう思想を持たせるかということによっての違いというものは大きな開きがあると思う。そういうことで問題の指摘をしておるわけです。しかしそれは与野党の間に修正をしようという考え方ではありませんし、通知の問題は原案を通そうと考えておりますからこれ以上申し上げません。ただ、いまあなたが最後にお答えになったように、ほんとうに積極的な態度でもって取り組んでいただきたいと思います。  大臣がお見えになりましたから結論に入りますが、これは国等における発注だけでございますが、——これは長官からでけっこうですが、電気であるとかガス、水道、交通、こういった地方公営企業というものに対して、この業界からは、これは国の助成というものが相当強くなされておるわけだから、行政指導でもってこういう公営企業に対しても、中小企業者に対する受注確保というものが積極的になされるようにやってもらいたいという要望がなされておると思うのでございますが、この点に対して検討されたことがあるかどうか。またそれは困難なのか、その点どうなんですか。
  40. 影山衛司

    影山政府委員 先生指摘のとおりの要望があることは事実でございまして、その点につきましても検討いたしたわけでございますが、この法律がやはり国等と、それから国等から出資も行なわれておるというような公社、公団、公共企業体というようなものに限定いたしました関係上、電力会社あるいはガス会社というものは公益的な色彩が大きゅうございますけれども、一応私的な会社ということになっておりますので、これは法律の適用から除外したわけでございますが、先生指摘のとおりに法律精神というものを尊重いたしまして、この電力会社、ガス会社等につきましてもできるだけ中小企業への発注増大するということにつきましては、今後も行政指導を行なっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  41. 中村重光

    中村(重)委員 この官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案に対して私どもは附帯決議をつけようと実は考えておるわけです。もっと修正を実はいたしたいという考え方もありましたけれども、まあ大臣が不十分ではあろうけれどもともかく前向きでこの法律案を出したのだからという、まず大臣の熱意を了として、あとはいかにこの法律をうまく働かせるか、有効にこれを運営するかという形に私はかかっておろうと思うわけであります。そういうことで多くこの附帯決議に譲りまして、修正はほんの一点にしぼったわけです。したがいまして私どもはこの附帯決議がどう生かされてくるかということに対して実は関心を強く持っておるわけですが、まあ大臣がいま見ていらっしゃいますからそれで考え方を聞かしていただきますが、この官公需契約の総発注量に占める中小企業者の割合を明示せよということをまず第一点につけております。この点はこのとおりなされる用意があるかどうか。
  42. 三木武夫

    ○三木国務大臣 そのようにいたしたいと思います。
  43. 中村重光

    中村(重)委員 第二点の「工事発注・物件の購入等に際し、みだりに大手業者を指名することがないよう、資格基準・指名基準運用について遺憾なきを期すること。」というのがつけてあります。これは資格基準とか指名の基準だけでは実はないわけです。A、B、Cというふうに個々にランクいたします。基準としては中小企業者にやらせてもいい工事があるわけですね。あるいは購入することができる金額あるいは規格というものがある。しかしそういう場合でも、なかなか——何というのか、大企業にやらしたほうが不安がないという考え方というものがどうしても役人の頭の中を支配するわけです。それで中小企業にやらしてもよろしいのだけれども企業にやらせる。これを私は改めていくのでなければならないと思うわけです。だから、そういうことでないものですから、いつまでもBクラスはBクラス、あるいはCクラスはCクラスというものにとどまる。意欲は持っておるけれども、大臣がいつも言われるみずから努力はしておる、また意欲もある。あるけれども上にランクしないわけです。だからこのAクラスはいつまでもAクラスとして固定する、BクラスはBクラスとして固定している。こういうことが実際のいわゆる現実の問題としてあるわけです。だから私はこの第二の点は、そういうことも含めて附帯決議としてつけるわけでございますが、この点に対してはどのようにあなたはお考えになっておられるか。また関係各省に対してこれから強く要請されるでありましょうし、閣議決定にあたってはそれらの点も強く強調されるであろうと私は思うわけでございますが、その点に対するお考え方を聞かせていただきたいと思います。
  44. 三木武夫

    ○三木国務大臣 附帯決議の草案の中にもそういう御趣旨のことが入っておりますが、これは尊重いたすつもりであります。
  45. 中村重光

    中村(重)委員 いま大臣のお答えは、いつも最後にそのとおりおっしゃるおことばでして、えてしておざなりになる。まあしかしあなたはそうではないであろうと私は期待をするわけですね。だから具体的に申し上げておるわけでして、十分この点を——できないことは注文つけておりません。できることしか私ども委員会の権威にかけて注文はしておりませんから、できることですから、この附帯決議はぜひ実行していただかなければなりません。  なおあなたは同僚委員質問に対して、この機会増大という表現は大好きである、それから民主主義の原理原則を明らかにしているので非常によいと思う、あるいは社会党だって高くて悪いものを買おうとは考えていないのであろうとか、いろいろな表現をもってあなたの考え方を明らかにされたわけです。しかし大臣にこの際お考え願わなければならぬことは、現実は非常に深刻であるということです。それと民主主義の原理原則とおっしゃるけれども、たとえば鉄鋼業の問題に対しても、自由競争ということがほんとうはあなたの言う民主主義の原理原則であると私は思う。にもかかわらず鉄鋼業界が不況であるからといって、あなたは好ましくない勧告操短をおやりになっていらっしゃる。私どもがあなたに、この中小企業者に対して受注機会確保でなくて受注確保しろと強調することは、中小企業というものは日本の経済の発展のために重要な役割りをになっているのだ。しかし二重構造の中において中小企業は非常に苦しい状態の中におちいっている。倒産は相次ぐ状態にあるんだ。だからして中小企業者に対していわゆる受注確保するためには、あまり会計法であるとかあるいはそれに基づく予決令等のいわゆる原則というものにこだわることなく、中小企業者をもっと強くしていくというような政策が、公共性という立場からも追及されていかなければならないのだ、こういう考え方を私どもは強くあなたに期待をし求めておるわけなんです。だからあなたのほうで民主主義の原理原則、こういう点から、これは受注確保でなくて機会確保とい引ことが好ましいし、そうでなければならぬということは、あなたが大企業対策としておやりになっていらっしゃる点からは私は矛盾があると考えておるわけです。だからしてそれらの点に対しては十分あなたのほうもそうした現実を踏まえて、この法律が施行されます場合は十分これを活用されるように期待にこたえてもらわなければならぬと考えます。その点に対して最後にあなたの決意を伺って、私の質問を終わります。
  46. 三木武夫

    ○三木国務大臣 お説のとおり機会増大といっても最後の目的は需要の確保でありますから、御趣旨のように善処いたしたいと思います。
  47. 天野公義

    天野委員長 おはかりいたします。内閣提出官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案質疑は、これを終局するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、本案についての質疑は終局いたしました。     —————————————
  49. 天野公義

    天野委員長 この際、田中榮一君外二名から、本案に対し修正案が提出されております。  まず提出者から趣旨の説明を聴取いたします。板川正吾君。
  50. 板川正吾

    板川委員 ただいま議題となりました官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案に対する修正案   官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案の一部を次のように修正する。   第三条中「公正かつ効率的な」を「適正な」に改める。 以上であります。  現在、官公需契約については、官庁の場合は会計法予算決算及び会計令、地方公共団体の場合は地方自治法、公社、公団の場合は公庫の予算及び決算に関する法律、その他関係法令に基づいて運用されており、これら法令の基本的な考え方予算の執行の適正を期することにあるのであります。  本法案の第三条におきましては、さらに「予算の公正かつ効率的な」ということが規定されておりますが、この「予算の公正かつ効率的な」という字句は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律使用されているものであり、しかも会計法等における予算執行の適正という基本的な考え方に当然含まれているものであります。したがって、あえて本法案において「公正かつ効率的」という字句を使用することは、かえって中小企業者への発注が制約されるように解釈されるおそれがありますので、「公正かつ効率的」を「適正」に改めることが妥当と思われるのであります。  以上、簡単でありますが、委員各位の御賛同をお願いいたしまして、趣旨の説明を終わります。
  51. 天野公義

    天野委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————
  52. 天野公義

    天野委員長 次に、本案並びに田中榮一君外二名提出修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  まず、田中榮一君外二名提出修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  54. 天野公義

    天野委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次にただいまの修正部分を除いて、原案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  55. 天野公義

    天野委員長 起立総員よって、修正部分を除いては原案のとおり可決され、本案は修正議決いたしました。     —————————————
  56. 天野公義

    天野委員長 次に自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、田中榮一君外二名から本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提案者から趣旨の説明を求めます。田中榮一君。
  57. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいま議決されました法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    官公需についての中小企業者受注確保に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、次の諸点につき積極的な措置を講ずべきである。  一、中小企業者に関する官公需契約方針作成するにあたつては、官公需契約の総発注量に占める中小企業者割合等を明示すること。  二、工事発注・物件の購入等に際し、みだりに大手企業を指名することがないよう、資格基準・指名基準運用について遺憾なきを期すること。  三、中小企業者官公需確保の拡充策を講ずるため、中小企業政策審議会に官公需確保に関する小委員会を設けること。  四、中小企業向け官公需発注を推進するため、中央及び地方における官公需確保対策についての機構の整備拡充を図ること。  五、中小企業者受注確保について、地方公共団体を適切に指導するとともに、その施策の実施状況の把握に努めること。  六、本法の趣旨並びに官公需契約の手続・方法等について、関係中小企業者に対しその周知徹底を図ること。 以上が案文でございます。  第一点は、官公需契約の総発注量に占める中小企業者の割合の明示であります。  本法第四条において、国は、官公需契約に関し、中小企業者受注機会増大をはかるための方針作成し、閣議の決定を経て、その要旨を公表することになっております。  その方針の内容は、当該年度における官公需契約の総見込み金額、中小企業者との契約の見込み額及び中小企業者受注機会増大するための努力の指針と、それを裏づけるための措置が内容であります。しかし、これだけでは中小企業者に対する受注確保増大について万全とは言えないのであります。そこで、審議の過程で明らかになったように、年度ごとに官公需契約の総発注量の見込み額に占めるべき中小企業者向け発注量の割合等を明示することが必要であり、この割合を達成することにより、中小企業者に対する受注確保増大が期待されるのであります。  第二点は、資格基準等の運用についてであります。  現在、建設省工事発注に関しては、資格基準について、中小建設業の受注機会増大確保するため、A、B、C、D、Eの各クラスを設け、工事額に応じて同クラスの者同士の入札を行なうよう指導されております。しかしながら他官庁、公社、公団等においては、必ずしもこのような措置が十分実施されているとは言えず、物件等の契約についても軽微な物件が大企業向けに発注され得るような運用になっている現状であります。これでは中小企業者受注機会増大しても、受注そのものは必ずしも確保されないのであります。したがって中小企業者受注確保し、より一そう増大させるために、工事発注、物件の購入等に際して、みだりに大手業者を指名することがないよう、資格基準及び指名基準運用について、万遺憾なきを期すべきであります。  第三点は、中小企業政策審議会に官公需確保に関する小委員会を設けることであります。  官公需についての中小企業者受注確保については、先に述べましたごとく、本法第四条において方針の内容を作成、公表することになっておりますが、この方針、内容等本法の措置について十分検討し、効果あらしめるため、中小企業政策審議会に官公需確保に関する小委員会を設けて、官公需確保及び拡充策について万全の体制をとるべきであります。  第四点は、官公需確保対策についての機構の整備拡充であります。  現在、中央においては官公需確保対策推進協議会、地方においては各通産局に設けられている臨時中小企業不況対策相談室において、中小企業者官公需受注増大させるための諸措置がとられているのでありますが、必ずしも実効をあげる体制にはなっていないのであります。したがって、今後官公需確保対策を前向きの姿勢で積極的に推し進めるためには、当然中央においては中小企業庁長官が中心となり、各省庁、主要公社、公団等の局長級をそのメンバーとし、また、地方においても指示または通達等により、各通産局長が中心となり、各省庁等の出先機関の長等をそのメンバーとする強力な連絡協議機構を確立せしむる等、機構の整備拡充をはかるとともに、人員の配置についても特段の配慮をすべきであります。  第五点は、地方公共団体への指導と施策の実施状況の把握であります。  中小企業基本法第四条及び本法第七条において、地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずることとなっておりますが、現在、地方公共団体の中小企業者への発注率はきわめて高く、官庁、公社、公団を上回る率を示しているのであります。このように、地方公共団体が中小企業者受注に大きな役割りを果たしていることにかんがみ、また、地方財政の健全化及び地方産業振興の見地からも、今後とも地方公共団体において、中小企業者受注増大をはかることが望ましく、政府としても当然地方公共団体を適切に指導し、その施策の実施状況を把握することが望ましいのであります。  第六点は、官公需の手続、方法等についてのPRであります。  中小企業者に対する官公需確保については、昭和三十八年度より「官公需の手引き」を作成し、契約等のPRにつとめておりますが、まだ不十分であり、官公需の実情がどんなものかを知らない中小企業者が意外に多いのであります。したがって今後、中小企業者官公需確保増大についてはもちろんのこと、その契約の手続、方法等について中小企業者に対し周知徹底をはかり、中小企業者が手続のふなれ等のために受注機会を失うことのないようつとめるべきであります。  以上、附帯決議案の趣旨を御説明いたしましたが、何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
  58. 天野公義

    天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  59. 天野公義

    天野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。三木通商産業大臣
  60. 三木武夫

    ○三木国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨を極力尊重いたすことにいたします。     —————————————
  61. 天野公義

    天野委員長 おはかりいたします。  本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 天野公義

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  63. 天野公義

    天野委員長 内閣提出日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  昨日本案審査のため本委員会から派遣されました委員から、報告を求めることといたします。田中榮一君。
  64. 田中榮一

    田中(榮)委員 日本万国博覧会特別措置法案に関する大阪への委員派遣について御報告申し上げます。  私ども天野委員長派遣委員は、昨五月二十五日、午前七時に東京を出発し、十時十分新大阪に到着、直ちに会場予定地である千里丘陵におもむき、まず大阪府より会場予定地の用地買収の進捗状況について説明を聴取いたしました。  これによると、会場予定地は、公簿上の面積約二百十一万平方メートル(六十四万坪)、実測三百三十万平方メートル(百万坪)であり、所有者別では、阪急不動産、殖産住宅、吹田市開発公社が約四〇%、残り六〇%が約五百人の個人地主であります。この用地買収は大阪府が担当することになっており、鋭意努力してきたのでありますが、この地域は、一般的に、個人地主にとっては千里ニュータウン、阪急不動産等に売却した残りであり、これだけは将来とも保有していきたいという希望があったため、かなり困難な情勢にあったようであります。しかし、関係者の努力の結果、全体では五〇%、地区内の地主については七〇%以上の進捗状況に達しているのであります。なお買収価格は、当初三・三平方メートル当たり一万九千五百円を提示しましたが、その後、特別協力金として三千五百円、出坪補正三・三平方メートル当たり平均一千円、府道近接地は二〇%程度のかさ上げを加え、この線で調印が進行しております。  この説明後、毎日放送屋上より、実地について説明を受け、その後国際ホテルにおいて、芦原日本万国博覧会協会副会長、左藤大阪府知事、新井日本万国博覧会協会事務総長等より要望並びに説明を聴取いたしました。  まず、大阪府並びに大阪市よりは、政府の日本万国博覧会に対する責任の明確化、国の大幅な資金負担、関連事業、特に公共事業の高率補助、起債の特別ワク、用地買収費にかかる地方債の支払い利子の補給について要望がありました。また新井事務総長よりパリ理事会の空気から見て、日本開催に対する期待がきわめて大きく、本年中には二、三カ国の現地視察のための来日も予想されること、四十五年開催に対し、諸般の事情にかんがみ、時間的余裕がないので、積極的な予算、特に四十二年度予算が時期的にきわめて重要であり、同時に、現在審議中の法律案の早期成立が期待されること等について説明がありました。その他、会場基本計画第二次案、道路、交通、あと地利用等について、それぞれ担当者より説明を聴取いたしましたが、そのうち特に大きな問題は、会場までの輸送対策、とりわけ鉄軌道の乗り入れのようであります。これは市営地下鉄、私鉄とも採算的に合わない建設であり、きわめて困難なので、早急に何らかの特別の対策が要望されているのであります。  なお、これらの詳細については、近く関係者が参考人として本委員会に招致される運びになりましたので、その参考意見を参照していただきたいと思います。  午後五時新大阪を立ち、昨夜八時十分帰京した次第であります。  以上、はなはだ簡単でありますが、報告を終わります。
  65. 天野公義

    天野委員長 次会は来たる五月三十一日火曜日午前十時十五分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会