○板川委員 ただいま可決されました
金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する
法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党を代表して、その提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を読み上げます。
金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行にあたり、最近における銅市況の世界的混乱にかんがみ、重要鉱産物の需給の安定並びに
金属鉱業の体質改善に資するため、
金属鉱物探鉱促進事業団の
業務及び機構の飛躍的拡充強化を図るとともに、次の諸点について適切な
措置を講ずべきである。
一、
探鉱の広範かつ十分な実施を推進するため、
金属鉱物探鉱促進事業団の
探鉱融資について、金利の引下げ等
融資条件の改善を図るとともに、中小
鉱山に対する新鉱床探査費補助金について、予算の増額、補助単価の引上げ等その充実を図ること。
二、重要鉱産物の需給の安定を図るため、需給安定構想の具体的
方策を早急に確立するよう
検討すること。
三、海外における
鉱物資源の
開発を促進するため、海外
鉱物資源開発株式会社を積極的に活用できるよう強化
措置を講ずること。
以上であります。
御承知のとおり、最近における銅の需給並びに価格の状況は、ローデシアの独立問題、チリの労働経済事情等に基因して、世界的混乱の様相を呈しております。もともと銅の需給関係はザンビア、チリ等の政情、労働情勢の不安定な低
開発国が大きな影響力を持っている実情であります。したがって銅をはじめ重要鉱産物の需給の安定をはかることは、きわめて重要な課題となっているわけであります。一方わが国の
鉱業は、開放体制において
国際競争力を強化するため、体質改善を迫られているのであります。こうした状況のもとにあって、
金属鉱物の
探鉱は最も重要な問題であり、去る
昭和三十七年の本
会議決議においても、
探鉱促進のための機構の整備が中心的な事項であったのであります。これによって設立された本
事業団は、今日まで
融資、地質調査の面で相当の成果をあげてまいりました。
申すまでもなく、本
事業団は
鉱業政策推進の柱でありまして、需給の安定のためにも、また
金属鉱業の体質改善をはかるためにも、本
事業団の
業務、機構を飛躍的に拡充強化することが今後ますます必要であると思うのであります。
次に、
事業団の拡充強化とともに重要なことは、
企業の
探鉱がより広く、より十分に行なわれるための
措置の問題であります。現在
事業団の
探鉱融資は、その特殊性にもかかわらず、必ずしも妥当な
条件とはなっていないのであります。たとえば金利は七分五厘でありますが、これは他の政府関係の
融資機関が年々金利を低下している傾向にあるのに反し、
事業団の設立以来変わっていないのであります。本来
探鉱はきわめて危険性の高いものであり、かりに
探鉱して一応の成果を見ても、償還財源となり得るには相当の期間を要するのでありますから、少なくとも六分五厘程度に金利を引き下げるとともに、一年据え置き、五年償還についても改善すべきものがあると思います。
また中小
鉱山は、四十年度から実施された減耗控除
制度の利益を受ける場合が少なく、新鉱床探査費補助金も、これを受けられる
鉱山はきわめてわずかでありますので、まず補助金予算を大幅に増額し、できるだけ多くの中小
鉱山の
探鉱を助成することが必要であります。さらに補助単価は、現実には三分の一程度の補助
にしかならない実情でありますので、単価を
実態に応じて引き上げるよう
措置すべきであります。
第二点は、需給安定対策の問題であります。
需給安定
機関の問題は、
昭和三十七年の本
会議決議において要望された問題の
一つであり、決議で
指摘された施策のうちでいまだに実現を見ない唯一のものとなっております。最近の銅市況を見ても、需給安定の
必要性は万人の認めるところであります。したがって、この際需給安定
機関あるいは需給安定のための特別
措置を早急に確立するよう
検討することが必要であります。
最後に海外
開発の問題であります。
海外
開発の重要なことはいまさら申すまでもありません。過去の実績によると、海外
開発については各
鉱山会社が単独で進出している例が多く、海外経済協力基金から半額を出資している海外
鉱物資源開発株式会社がありながら、まだ十分これが活用されていないうらみがあるのであります。したがって海外
鉱物資源開発株式会社が海外
開発の中核として
共同体制がとれるよう、同会社のあり方を再
検討することも含め、積極的に活用できるよう強化
措置を講ずることが必要であります。
以上が附帯決議案の趣旨であります。委員各位の御賛同をお願いいたします。