○沢田
委員 河上さんにお伺いしますが、一ころ、自由化を前にして
金属鉱業の
政策というものは必要だ、こういう点が各界からいろいろ出されておったわけです。ところが、当時は、自由化を前に控え、かつ不況の時期であったので、何か
金属鉱業の
鉱業政策といいますと
業界の
保護政策じゃないかというような一部の誤った印象も非常に多く持たれておったわけです。ところが、私は、この
金属鉱業の
政策というものは
業界保護じゃない、やっぱり
産業政策の上で重要な位置を占めるのじゃないか、こういうように
考えておるわけです。たとえば、一ころは、何も
日本の
資源賦存の悪い
鉱山をいじくり回さなくても、
外国からどんどんどんどん
鉱石を買ってきたほうがいいじゃないか、
地金を買ってきたほうがいいじゃないか、それを
保護する必要がないじゃないか、こういう議論が特に大蔵省を中心としてなされたやに私は聞いておるわけです。ところが、今日の
状況を見ますと、結局銅は貴金属にさえなっておる。
原料がもう入手できないで
原料倒産さえも出ておる。そういううわさも出ておるわけです。たとえば伸銅
業界あるいはまた電線
業界合わせて五百ぐらいあるわけでありますけれ
ども、との九七%は
中小企業なわけです。あとの三%の大
企業はそれぞれの系列から銅の
原料供給ができるけれ
ども、他の九七%は、高い安いは別としても、手に入らぬというような深刻な
状態になっているわけです。そういう面からいって、これに
関連してお伺いするわけですが、先ほど、そういう
意味じゃないと思いますけれ
ども、何か今日の銅の
需給の逼迫は、ザンビアの問題あるいはベトナムの問題、チリのストライキの問題、現象的なものであると言ったとは思いませんけれ
ども、将来解決するのだ、
供給は安定するのだというような印象も若干私受けたわけでありますけれ
ども、見方によると、これは、そういう現象もあるけれ
ども、
需要供給の
関係において構造的なものじゃないか。そういうような深刻な背景があるのじゃないか。
値段は若干落ちついたとしても、
需要供給の面では
相当急にこれが緩和されることがないのじゃないか。こういうように言われておる向きもあるわけです。したがって、
供給が、これは簡単に
外国から入ってくるのであるならば、やっぱりものの
考え方として、じゃ
国内をどうするか、
国内を
開発しなくてもいいじゃないか、こういう問題ともからみ合ってくるわけです。したがって、私の
考え方としては、今日の銅の
需給の逼迫は、ベトナムとかそういういろいろな特殊な
条件はあるけれ
ども、やはり技術革新は先進国だけじゃない、後進国もどんどんどんどん今度はやはり技術革新をして工業化していくと思うのです。そういう面から
考えるならば、一時的な現象じゃない。したがって、
国内の
開発というものも大きな比重を持ってなさなければならぬものじゃないかということ、と同時に、
鉱業政策の
必要性というものは、決して
金属鉱業の
保護政策にあるのではなく、
産業全般上に占める地位というものはやはり大きいじゃないか、こういうように
考えますが、一言でもけっこうですからひとつ御所見のほどをお伺いしたい、こういうように
考えるわけです。
さらに、続けて申し上げますが、これは
加賀山さんにお伺いします。
公団とか
事業団とか公社がたくさんあるわけですが、中には評判の悪いものもあるわけですけれ
ども、特に
金属鉱物探鉱促進事業団は非常に模範的だ、
地域住民から非常にほめられておると思うわけです。そう言ったとしても決して過大な賛辞にはならぬと私は思うのです。特に
秋田の
黒鉱において非常に側面的な援助をされまして思いがけない
資源が
開発されておる。しかも金額に直すと一兆円に達する。こういうことに対して非常な御
協力を願っておることに私は非常に敬意を表しておきたいと思うのです。
そこで私は一点か二点聞きたいのは、いま特に北鹿地帯でなされておるわけであります。さらに北鹿地帯と、今年度から四国の白髪山ですか、二カ所でやることになるわけですけれ
ども、これをさらに分散しないほうがいいじゃないかと思うのです。というのは、いま白髪山と北鹿はけっこうですよ。だけれ
ども、わずか三億か四億の資金量で、
鉱業権者から言わせるならば、おれのほうもおれのほうもという希望は確かにあると思うのです。あると思うけれ
ども、自主
探鉱の資金が十億になり二十億になる、そうなればやはり数カ所あるいは十カ所に分散してもいいわけだけれ
ども、わずかに三億や四億の金で六カ所も十カ所もふやしたのでは、気休めにはなるけれ
ども、効率的な使用にはならぬと思うのです。したがって、
黒鉱の
開発なら
黒鉱の
開発を、完膚なきまでということばはあるわけでありますけれ
ども、徹底的に
調査して、それが終わったならば今度はキースラーガーとかそういうほうが、かえって同じ国の金を使うのであるから効率的じゃないか、こういうように
考えておるわけでありますけれ
ども、私見でもけっこうでありますから、ひとついただければ幸いと思います。
それと同時に、
黒鉱の胚胎層準を把握するために、有孔虫化石の渦巻き型があるところは大体胚胎層準だということで、女の子たちが調べて見ているわけです。これは
企業でなされておるようです。当時は大体石油でこれはやっておったのです。それでこういう基礎的なものは、民間
企業でやるんじゃなく、かえって
事業団でもこういう方面にやはり力をかしたらどうか。これは小さいことでありますけれ
ども、そう
考えております。これに対しても御意見を賜わりたいと思うのです。
それから
原口さんにお伺いしたいわけでありますが、特に
原口さんは
鉱業審議委員でありますので、特に
鉱業審議会はいろいろ数々な
鉱業に関する具体的な
審議を願っておることは非常に御苦労さんだと思うわけです。ただ、
産業の技術革新というものは否定したとしても、これは否定し得べきでないわけであります。その一環として臨海の製錬所、製錬所の大型化、
計画化、これもけっこうなわけです。けっこうだけれ
ども、そこには長年住みなれた
労働者がおるということです。したがって八百トンや千トンの製錬所をつぶして臨海に持っていったほうが、物理的に非常に合理性があるということは、そういう面からは言えるわけだけれ
ども、そこに現に何十年も住みなれている
労働者がおる。あるいはまた
地域経済に及ぼす影響もある。雇用の面と
地域経済に及ぼす影響、地方自治体に及ぼす影響。なかんずく
鉱山の
労働者は、石炭もそうでありますけれ
ども、そう簡単に流動性がないわけです。いつでも、どこへでも飛び出すというわけにはいかぬわけです。そういう面から
考えて、特に私は金属
鉱山の
合理化ないしは製錬所の近代化、適正配置、これもけっこうだけれ
ども、
鉱業審議会としては、そういう経営の内容とか、
合理化とか、合理性とか、そういうものと同時に、あわせて人の問題をどうするか。大きい製錬所をつくるのはけっこうだ。だけれ
ども、人をどうするかということも、もう少し真剣に
審議会で
考えるべきじゃないかと
考えるわけです。さらにまた、
産業内の労働の移動は見られておるようでありますし、これは私も賛成であります。けれ
ども、ほとんど
現実は
企業内に吸収するか、退職するかしか手がないわけです。したがってこれは
河上さんのほうにも若干入るわけでありますけれ
ども、やはり
産業全体として人の移動の
計画ですね、わがほうはこれだけの
合理化をしなくちゃならぬし、これだけの人が余るから、どこか資本系列が違ったとしても、その労働力を受け入れる、こういう体制が必要ではないか、こういうように
考えますので、
原口さんと
河上さんにお伺いしたい、こういうように
考えるわけです。
さらに
青山さんにお伺いしたいわけでありますが、
海外鉱物資源開発株式
会社は設立以来日浅くて、確たる実績が上がっておらぬということは、私もこの
委員会できのう指摘いたしました。これはやむを得ないでしょう。さらにはまた一般の産銅
会社のほうが
海外開発の先輩なわけです。そういう
意味でデータもそろっておらぬという面もあると思いますが、そういう
意味で実績が上がっておらぬということをここで追及はいたしません。そこで一般の産銅
会社もこれをあまり利用しておらぬようです。したがって私はここでひとつお望みしておきたいことは、答弁はけっこうですが、民間の一般の産銅
会社とデータの交換とか、そういうものを協調したほうがいいじゃないか。定期的に情報交換とか、そういうふうに協調体制をとったほうがいいじゃないかと思うのです。いずれにしても国策に、国の利益になればいいことであって、
皆さんの
会社は一発当てて大もうけしようということじゃないと思いますから、いずれにしても国の利益になるという前提に立って、先輩格である産銅
会社と情報交換とかそういう協調体制をとられることを、特に望んでおきたいと思うわけです。
さらに
中小企業の
宮崎さんに私は意見をお伺いしたいことが一点あります。
それは
中小企業の数、千八百と言いましても、当面稼行しておらぬ鉱区もその千八百の中に入っておると思いますが、しかし
対象になっておるのが百九十四
鉱山ですか、これをもう少し広くしてくれという御議論です。私も気持ちとしては非常にわかるような気がします。しかしながら四億一千万くらいの金を、五万円とか三万円とかみなに賞与でもくれるようにやったほうが効率的なのかどうか。私は非常にこれには自信が持てないのです。これが五十億とか六十億であるならばいいですよ。二十万円か三十万円の新探査
補助金をもらって、これは非常に効率的であるのかどうか。いろいろ御事情もあるでしょうし、お気持ちはわかると思いますけれ
ども、これに対して御意見を若干お伺いしておきたいものであるというふうに
考えます。
それと同時にもう
一つの補助単価引き上げですね。あなたは、補助率は大体五〇%になっているけれ
ども実際は四〇%くらいだ、こういうことを言っておりますけれ
ども、私は正直に言って四〇%にもならぬと思うのですよ。あなたは非常に謙虚にここで申されましたね。と言いますのは、一般の
融資対象になるのは大手の場合は間接費が含まれておるわけです。中小の場合は間接費じゃなく直接費だけなわけです。私の
調査によりますと、総額の二〇%は間接費になるのじゃないかというふうに
考えます。そう
考えますならば、四〇%にもならぬ。三〇%くらいにしかならぬと思う。と同時に、膨大な高くかかるような見積もり書とか
計画書を持っていけばはねられるわけだ。だから実際の必要額よりも、通産省の基準に合うように下げて持っていっておるわけでしょう。そう
考えるならば、ある
意味から
考えるならば、二〇%くらいにしかならぬかもわかりません。私はそう思うのです。そうじゃないかどうか。私の独断かどうかお聞かせ願いたいと思うのです。大
企業の場合でも、五〇%と言っておるけれ
ども、五〇%以下じゃないかと思うのです。たとえば立て坑をつくる場合でもプラットが入るとか入らぬとかいろいろな
条件があるから、大
企業の場合でも五〇%になっておらぬじゃないかと思うのです。したがってこれは通産当局のほうに
お願いしておくわけでありますけれ
ども、補助単価の問題についてはそういう意見がいま述べられておりますから、そういう事情も加味して十分考慮すべきではないか、こういう点を申し上げておきたいと思います。