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1966-04-06 第51回国会 衆議院 商工委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月六日(水曜日)    午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 浦野 幸男君 理事 河本 敏夫君    理事 始関 伊平君 理事 田中 榮一君    理事 板川 正吾君 理事 田中 武夫君    理事 中村 重光君      稻村左近四郎君    海部 俊樹君       神田  博君    黒金 泰美君      小宮山重四郎君    佐々木秀世君       中村 幸八君    三原 朝雄君     早稲田柳右ェ門君    石野 久男君       大村 邦夫君    沢田 政治君       島口重次郎君    田原 春次君       麻生 良方君    加藤  進君  出席政府委員         通商産業政務次         官       堀本 宜実君         通商産業事務官         (鉱山局長)  両角 良彦君  委員外出席者         参  考  人         (海外鉱物資源         開発株式会社社         長)      青山秀三郎君         参  考  人         (金属鉱物探鉱         促進事業団理事         長)      加賀山 一君         参  考  人         (日本鉱業協会         会長)     河上健次郎君         参  考  人         (全日本金属鉱         山労働組合執行         委員長)    原口 幸隆君         参  考  人         (中小鉱業対策         推進本部本部         長)      宮崎 茂薫君         参  考  人         (鉱業審議会委         員)      由井  敢君     ————————————— 本日の会議に付した案件  金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法  律案内閣提出第四八号)      ————◇—————
  2. 天野公義

    天野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本日は、本案審査のため、参考人として海外鉱物資源開発株式会社社長青山秀三郎君、金属鉱物探鉱促進事業団理事長加賀山一君、日本鉱業協会会長河上健次郎君、全日本金属鉱山労働組合執行委員長原口幸隆君、中小鉱業対策推進本部本部長宮崎茂薫君、鉱業審議会委員由井敢君、以上六名の方が出席されております。  参考人皆さまにおかれましては、御多用中にもかかわらず、御出席をいただき、まことにありがとうございました。  会議を進める順序といたしまして、最初に、各参考人にそれぞれのお立場から大体十分程度の御意見をお述べいただき、次に、委員のほうから質疑がありますので、これに対しまして忌憚のないお答えをお願いしたいと存じます。  それではまず加賀山参考人からお願いいたします。加賀山参考人
  3. 加賀山一

    加賀山参考人 私、金属鉱物探鉱促進事業団理事長加賀山でございます。  政府金属鉱業合理化方策として打ち出されております方向は、金属鉱業国際競争力強化して、これを安定させるため、金属鉱業等安定臨時措置法に基づいて、基本計画及び実施計画を定めて、その計画に従って鉱業体質改善策を強力に推進せしめんとするにあるものと存ずるのであります。そしてその具体的方策といたしまして、探鉱促進、採鉱、選鉱、製錬各部門の合理化海外優良資源開発等措置を、諸般の施設あるいは行政指導等によって推し進められておるのでございまして、これらはどれ一つとりましても重要かつ適切なものであると考えます。とりわけ探鉱促進は、きわめて手っとり早くかつ最も効果の上がる方策であると確信するものでございます。  御承知のとおり金属鉱業は、再生産のきかない第一次産業でありまして、絶えず探鉱を行なうことによってのみ企業持続性、あるいは発展性が保たれるというところに宿命的な、また悪い条件を持っておるものでございます。しかもその探鉱はきわめて多くのリスクを持つという仕事であります関係上、ややもいたしますると消極的な考え方になりがちでありますが、それにもかかわりませず、これをおろそかにするということは許されないのでございます。探鉱を怠りまして休山、廃山になった例は、よく耳にいたすところでございます。金属鉱業にとりまして、探鉱こそは企業にかてを供給するところの最も重要な役割りを持つものと思うのでございます。探鉱は危険の多い仕事であるから、探せば一体出るかという問題がいつも取り上げられるのであります。わが国金属鉱業資源は、その規模が小さくてかつ品位が低いのでと云々する人がよくございますが、私は、これは必ずしも当たっていないのではないかと思うのであります。もちろん海外の超大型の著名鉱山と比較いたすつもりはございませんが、わが国一流鉱山は、海外に出しても相当なものだと思いますし、またこの程度鉱山でありますならば、探鉱によってなお生まれてくる可能性は大いに持っているものと思います。戦後におきまする探鉱に関する学術的の研究、その探鉱技術並びにこれに使用いたしまする機械器具等進歩発達は目ざましいものがあるのでございます。また国会先生方の力強い御協力によりまして生まれました金属鉱物探鉱促進事業団の設立、あるいは昨年創設されました減耗控除制度確立等は、探鉱意欲をあおり立てるのに十分なものがあるのでございまして、企業の関心は探鉱に集中されてまいったのでございます。また、その成果も最近は目をみはるようなものが続々と出てまいっておるのでございまして、御承知のとおりの秋田県の北鹿地区黒鉱開発のごときは、その最たるものと言うことができるのであります。資金難のために有望地域でありながらなお着手できないもの、あるいは一度は捨ててしまったが、もう一度見直す必要があるもの等は随所に見受けられるのでございます。また御承知のとおり従来の鉱山の大部分が、露頭を発見の端緒といたしまして開発されたのでございまするが、露頭がなくとも地下に大規模優良鉱床が発見されたという事実から、今後とも露頭のない潜頭鉱床に大いに目をつける必要があると思うのであります。これらのものは、最近の科学技術を取り入れました探鉱方法によってこれを行ないまするならば、必ずやよい鉱床が発見できる可能性は多分にあるものと確信いたすものでございます。  探鉱必要性のみについて強く申し上げましてはなはだ恐縮ですが、輸入鉱石を適正な価格で十分入手することがむずかしい現在において、国内鉱石の増産は外貨の節約の面からいたしましても、コストの切り下げの面からいたしましても、きわめて有意義なものであるということは申し上げるまでもないことでございまするが、また一方銅をはじめ各種地金原料供給源である新しい良質鉱床が続々と発見されておりますという現実にかんがみまして、私は今後大いに期待をかけていただいてよいのではないかと考えますがゆえに、ここに探鉱必要性を特に強調する次第でございます。  次に、今般の政府提出改正法案で、金属鉱物探鉱促進事業団業務といたしまして、広域調査に関する委託業務が追加されることになりますが、これは金属鉱物探鉱促進する地域について、その地域を通じて広く金属鉱物鉱床と密接な関連のある地層の存在状況の概要を明らかにいたすために行なうところの地質構造調査でありまして、国の企画立案せられたものをこの事業団で実行に移すということになっておるものでございます。もとより事業団といたしましては、従来の精密構造調査を継続して行なう関係もございまして、この広域調査精密調査とを有機的に関連づけて行なうということができます関係上、精密調査ももう一そうの効果的な成果期待できるのではないかというふうに考えております。広域調査全国的有望地帯実施して、その中から適当な地域を選んで精密調査を行ない、企業に重要な探鉱の指針を与えんとするこの法律案が上程されましたことは、私は心から喜んでおるものでございまして、これが早急に国会審議を終了いたしまして成立できますようにお願いを申し上げたいと思う次第であります。そして私は今後企業探鉱が一そう効果的にその成果を上げる日の近いことを期待いたすものでございます。
  4. 天野公義

    天野委員長 次に由井参考人お願いいたします。
  5. 由井敢

    由井参考人 それでは需要業界といたしまして、一言考えを申し上げさしていただきたいと思います。  今回御提案の事業団法改正につきましては、需要業界といたしましても、非常に賛成でございます。従来新鉱床探鉱ということにつきましては、いろいろな助成策があるようでございますが、さらにこれを一そう強化して、優良供給源を確保しようという目的で、事業団事業範囲を拡充して、広域的に調査をしようという御趣旨のようでございますので、需要業界としては全面的に賛成さしていただきたいと存じます。ただわれわれといたしまして、優良良質鉱山という意味には、価格の面も入っておりまして、安定的な供給源をさがしますと同時に、国際的に見て割り高でない良質鉱床を発見していただくようにお願いを申し上げたいと思っております。  次に、鉱業政策の一般につきまして、われわれの考え方として、ごく簡単に一言申し上げさしていただきたいと思います。こうして国内探鉱促進されまして、一そう積極的に強力に国内鉱山開発されますと同時に、海外鉱山開発もひとつぜひ国の力で強力にやっていただくように御措置お願い申し上げたいと思っております。それについては、これは主として銅でございますけれども海外から電気銅原料を輸入する以外に、製品そのものも輸入されておりますし、さらに最近産銅国におきましては、漸次精錬設備を持って電気銅生産方向に向いているように聞いておりますので、こうした銅についてでございますが、産銅国との国と国との外交的交渉で、そうした資源の確保ということもひとつぜひ御配慮をお願い申し上げたいと存じております。  それから第三番目といたしまして、ただいまお話がございましたように、精錬も含めました鉱山の一そうの合理化ということもさらに積極的に、しかも早くやっていただくようにお願いを申し上げたいと思っております。またこれまた銅のことになりますけれども、最近は御承知のように、非常に価格供給量その他につきまして、異常な状態になっておりますが、われわれ商品別業界からそれぞれ短期の安定策についていろいろとお願いを申し上げておりますが、これにつきましても、その対策実施についてぜひとも政府の強力な御措置お願い申し上げたいと思います。  それから最後に、やはりこれも銅のことでございますが、関税につきまして、現在四月から無税となっておりますが、かつては御案内のように、日本は昔は産銅国で、相当量の銅を海外に輸出しておりましたが、近年は御承知のように、六割ないし七割くらいをその鉱石とかあるいは粗銅とかいう原料とともに、電気銅も合わせまして、六、七割は輸入するような状況になっております。もちろん国内鉱山保護ということにつきましては、われわれ需要業界としても協力を惜しむものではございませんが、こうした基礎原料相当の量を海外から輸入いたしますので、この暫定的な無税措置もさらに継続をお願い申し上げたいと思っております。  たいへん簡単でございましたが、以上需要業界として考えましたことを申し上げさしていただきました。どうもありがとうございました。
  6. 天野公義

    天野委員長 次に青山参考人お願いいたします。
  7. 青山秀三郎

    青山参考人 ただいま御指名のございました青山でございます。ただいま加賀山理事長由井委員お二方の御発言がありましたのに関連もございますので、許されました時間の間、お耳に達したいと思うことを二、三申し上げたいと思います。  先ほどのお話のように、ことに秋田県下におきまして非常に優秀な黒鉱鉱床探鉱事業団のかくかくたる御成果として、わが国の大きな銅資源としてあるいは鉛、亜鉛資源として開発されるようになりましたことは、まことに私も喜びにたえないのであります。関連しまして一そうこの事業団事業発展されますように皆さんの格段の御支援を仰ぎたいと期待いたすのでございます。なお先ほど由井さんのお話にもございましたのですが、どうも最近地金値段もかなり上がって、最近銅なども非常に上がってまいっておるのでありますが、全体の需要が非常に伸びておりますので、やはり需給関係政府も非常に御考慮になっておるのであります。そのために、たとえば銅について申しましても、国内の安定した供給を受けますほかに、この需要にこたえますために海外鉱山をやはり手おくれしないように開発を進めていかなければならない。これは世界各国どの国も現在その状態なのであります。それで三十七年の九月に私ども会社鉱山局または皆さまの御支援によって発足いたしたのでありますが、その当時二つ鉱山対象になっておりました。ともに南米でございますが、一つはペルーにある銅山であります。それからもう一つボリビアの鉛、亜鉛鉱山、鉛、亜鉛のほうはかなり名前が出ておりますがマチルデと申します鉱山でございます。この二つをまず問題にしろということであったのでありますが、前者のほうは資源的にあまり大きいものでない、それから実際の経費を見ましてもすれすれのところでありまして、ただいまはこういうように値段が上がっておりますが、そういう関係で、その鉱山を私どものほうにお伝えいただきました日本鉱業会社のほうで、協力会社と御一緒に、私どもも加わっていま相当開発を進めておられます。もう一つマチルデのほうは、これは一昨年のまさに暮れでございましたが、国内にクーデターが突発いたしまして、その関係で、ボリビアにこの鉱山開発いたします鉱山公社がございますが、そこの幹部もみなかわったというようなことで、話し相手をなくしてしまった。その後かわりもできていま話を進めております。このところしばらく話が停とんいたしましてまことに遺憾に思っておったのでありますが、ちょうど先月、三月の終わりに交渉団が組織されまして、いま向こうに行っておりまして、きょうただいまごろがちょうど向こうの山場でございます。どうなりますことか、当時はあまり問題にしなかったのでありますが、アメリカの会社またドイツの会社等が同じ線に出てまいりまして、その交渉の結果はかなりわれわれに有利だといったような話もございますけれども、まだ交渉の途中であり、向こう側の、ほかの国の案がわかりませんので、もう少し、少なくとも今月一ぱいぐらいが一番大事なときでないかと思っております。そういう次第で、これがはなはだ手おくれいたしております。申しわけないことと思うのでありますが、できるだけ早く軌道に乗ればと期待しております。  その後私どものほうは、いま南米を申し上げましたが、主として開発の途上にある地域ということで、そこの鉱物資源調査とか探鉱とか開発ということが定款の第一項にうたわれておるのでありまして、これが主なる目的でありますが、そういう関係でどうしても開発のあまり進んでいないところが入る。それで、南米、またただいまアフリカが問題になっておりまして、一、二話を持ってきております。そのほかにもございますが、そういう地域であって、まず私どもは初めから相当規模の大きな鉱山開発しろというお話であるので、そういう地域であり、規模は大きい、また海上の輸送は問題でございます。さらに港までの輸送陸上輸送がかなり問題がございますので、資源的にはまずりっぱなものでなければなりませんが、たとえばさっきのマチルデのごときは、日本代表鉱山となっております亜鉛神岡鉱山がございますが、鉱石品位はこれの約四倍でございます。そういうようなものをやはり対象にすることでないと、十分な安定な仕事ができない。先ほどから加賀山さんおっしゃいましたように、探鉱はやはり非常に必要であり、十分調べなくちゃいけない、そういうことで、多少の時間もかかると思うのでありますが、一、二いまそういったような規模の問題がわれわれの現在の対象となっておるのでありますが、幸いこの四十一年度は皆さまのおかげによりまして、そういう海外鉱物資源探鉱するための補助金の二千万円でございますが、それをいただくことになりまして、私どもは心から喜んでおります。できるだけこれを有効に今後使わしていただきまして、各国もこういう面ではかなりさっきも申したように力をかけておりますので、おくればせながらこれに乗って出ようとするわが国としましては、いまちょうだいいたしますような補助金等を十分活用いたしまして、できるだけ早く御期待に沿わなければならぬ。そしてこの大きな事業のお仕事におこたえしなければならぬ。もちろん日本の大きな鉱山会社も、最近、きょうここに協会会長河上さんがおられますが、住友さんなども非常に熱心にやっておられます。そういうことで、世界の各地域日本の大鉱山会社発展しておられます。この驥尾に付して、そういう趣旨に沿うものを私どももできるだけおこたえ申し上げたいと希望いたしておるのであります。かくして、できるだけ安い鉱石なりで国内需要に合うようにわれわれはおこたえしたい、そういう意味関連もございましたのでお呼び出しがあったろうと思いますが、一応申し上げまして、あとは御質問がございましたらお答え申し上げたい。失礼いたしました。
  8. 天野公義

    天野委員長 次に、河上参考人お願いをいたします。
  9. 河上健次郎

    河上参考人 河上でございます。  われわれ金属鉱業会の現在の時点にいろいろ考えまして、今後の業界全体の運営につきまして一番大きな眼目といたしております点、これは二つございます。  一つは、申すまでもなく根本的に国際競争力を一日も早く培養するということでございます。第二には需給の安定をはかりましてわれわれ生産業界需要業界、これが一本になりまして恒久的な需給安定をひとつこの際強い念願として取り上げていきたい。この二つ眼目からいたしまして、最も大事な点の一つ探鉱強化、これによりまして外国に負けない優秀な豊富な鉱源を一日も早く獲得したい、そういうことによりましての需給安定をはかりたい、そういうわけでございまして、探鉱重要性につきましてはもうあらためて申し上げる必要もないかと存じますが、その意味におきまして今回御審議が始まっております探鉱事業団広域調査委託業務を入れて、これと精密調査、それからわれわれの自主的な各企業探鉱、これの大きな意味での有機的な、しかも運営関連ということが実現できますならば、私ども業界といたしましても非常に心強いという意味におきまして、衷心からこの改正案の早期御決定を要望する次第でございます。  この機会探鉱につきまして一言要望を申し上げさせていただきたいわけでございますが、探鉱事業団強化につきましては、かねがね諸先生も非常に御尽力いただいておりますが、現在の探鉱促進事業団融資ワクがわれわれから見まして実はいかにももの足りないわけでございます。年々相当強化していただきましたが、本年度のわれわれ業界のこの事業団所管範囲鉱種だけをとりましても、実は五十一億を予定いたしております。事業団では六割見当以内ということになっておりまして、しかもその範囲で、予算の関係で、本年はだんだんふやしていただきましたが、二十四億ということになりますので、われわれ業界のその関連鉱種、銅、鉛、亜鉛、マンガン、これの探鉱の実は半分にも足りないわけでございまして、ワク拡大をこの機会にまた強く要望を申し上げておきたい。  それから融資条件にいたしましても、御承知のように七分五厘、しかも六年以内の返済ということになっておりますが、われわれはどうしてもこれは六分五厘、それから五年据え置きの十年返済、十五年というふうな限度をひとつお認め願いたい。探鉱は必ず当たるとは限りませんで、ずいぶんロスも多いわけでございます。お借りする以上はお返しするということでございますので、そうむちゃくちゃにやるということではございませんが、せめてひとつワク拡大、それから条件の緩和、さらに鉱種が御承知のように制限されております。われわれ業界としては強い要望で、これは硫化鉱、硫黄、それから鉄鉱石金鉱——金もぜひひとつ入れていただきたい。自由化対策でいろいろ御尽力いただきましたが、金につきましては自由化対策のほうから漏れております。どうしてもこれは探鉱事業団適用鉱種にお認めを願いたい。こういうふうな強い要望があるわけでございます。  需給安定という意味で、昨今特に銅につきましては全く乱調子気違い相場気違い需給関係に相なっております。二、三日前からまたザンビアの黒人ストロンドン相場が七百六、七十まで、これは全く想像できないような状況に相なっております。先ほど由井参考人からもお触れになりましたように、これはわれわれ業界生産業界も非常な大きな迷惑であります。需要業界皆さんもむろんそうでございます。そういう海外の情勢に、一々国、日本のわれわれ業界全体、需要業界全体が実は振り回されておるような、はなはだもって深刻な状況に相なっております。そこでできるだけこの際官庁需要を少し繰り延べてもらうとか、あるいは電線の輸出をとめてもらうとか、まことに情けないようなことを業界と話し合っておるわけでございます。そういう消極的な末梢的なことを何べんも繰り返しておりましては、今後われわれ業界はむろん、日本関連業界としてもまことに情けないわけでございまして、どうしてもこの辺で抜本的な政策を樹立いたしまして、業界もこれとタイアップして真剣に取り組んでいくという必要がございます。根本的にはいま申し上げた探鉱強化によりまして生産構造体質強化をしていくということが一つ。  それからもう一つ、われわれといたしましては、この際銅、鉛、亜鉛等重要鉱産物需給安定機関、これをどうしてもひとつ国策として取り上げていただきまして、われわれもタイアップいたしまして、われわれはもうできるだけ積み立てて、非常にだぶつく場合は買い上げ措置をやる、それから今日のような緊急の需給状況におきましては、これを放出する。諸外国にも例がございます。ぜひともそういう需給安定の機関を確立するようなきっかけをこの際つかみたい、これを念願いたしておるわけでございます。  以上をもちまして一応私の御説明を終わらしていただきます。
  10. 天野公義

    天野委員長 次に、原口参考人お願いいたします。
  11. 原口幸隆

    原口参考人 全鉱の原口ですが、私は、産業別労働組合立場から、この問題について若干の考えを申し上げたいと思います。  まず第一に、金属鉱業の問題が国会で取り上げられまして、鉱業審議会ができました経緯の中から目的が三つございます。その一つは、国内金属鉱業保護発展をはかるということが第一の柱であります。第二は、その中で従業員労働者の雇用と生活の安定をはかるというのがはっきり明記されていたはずであります。それから第三は、需要業界安定供給をする、この三つが国会で取り上げられました決議並びにその後審議会審議の中心の目的であったと考えております。したがって、金属鉱業に関する諸施策についても、これらの目的が果たされるということが前提でなければならないというふうに考えるわけです。  さらに日本金属鉱業は、日本国内では大手といえども世界的に見るならば中小企業規模であろうというふうに私は判断をされます。しかも産業全体として体質の変化を要求されているこの時期において、しかもわれわれの産業基礎産業、第一次産業として重要な社会的な役割りを持っている観点から、現在のようなこの狭い中で各企業過当競争に入るというようなことの傾向が若干現実に出かかっているのではないかということを非常に心配をいたします。したがいまして、私はこの探鉱事業拡大の問題について、その方向としては心から賛成をし、これを支持するものでございますけれども、やはり最初に申し上げました目的を生かすためには、探鉱促進事業団の予算規模の抜本的な拡大、われわれとしては十年間で約三十億円の金が最低必要なのではないかというふうに考えておりますが、さらに事業の全国的な拡大適用鉱種拡大についてお願いを申し上げたい。現実広域調査あるいは精密調査対象になっている地域鉱山は、従業員を含めて非常に明るい希望をこれに寄せておりまして、まだまだ残された地域が全国にございます。そこに働いておる労働者立場からいっても、この事業の全国的拡大と——残念ながら弱い鉱種がまだ除外をされております。したがって、たとえば金とか水銀、硫黄、硫化鉱、タングステン、モリブデン、石こう、そういうようなまだ適用されていない鉱種にも拡大されることが非常に望ましい。さらに鉱区の錯綜、開発事業の重複、探鉱計画が個別企業に従属されないで、そういった問題が探鉱事業団によって、ことばが適当かどうかわかりませんが、社会的な管理推進が強く望まれるわけであります。たとえば鉱区の調整を促進するとか、あるいは探鉱事業団がみずから鉱区の設定ができるようにするとか、あるいは鉱区の調整、開発事業の共同化を促進するために、探鉱事業団が一定段階までは開発事業を行なうというようなことも適当ではないだろうかというふうに考えるわけです。  さらに、この探鉱事業団業務を進める場合に、これはあくまでも専門業務ではございますけれども業務内容を産業全体の立場から管理するために、管理の民主化というものについても考えていただきたい。とかく日本国内では、労働者、労働組合というものが対等の立場に立っていない傾向にございますので、ILO等でも強調いたしておりますように、やはり社会的に重要な役割りを持つ労働組合の代表がこういうものにも参加し得る機構というものも、私の立場としては強く望みたいところであります。  さらに、中小企業というものが、実はいままでの金属鉱業の諸施策の中では若干の恩典は受けてはおりますけれども、いわゆるボーダーラインにある日本の中小鉱山というものの保護がまだ十分でないために、新鉱床探査補助金等もございますけれども、その単価の引き上げとか補助金全体の増額というものが強く望まれるところでございます。  それから、先ほどの参考人も触れられておりましたけれども、残念ながら日本地金相場というものは国際相場に左右をされます。現在ロンドン相場というのは非常な高値になっておるわけですが、こういうことも現実の例でございますし、また外国鉱石にたよっていかなければいけない日本の事情もあって、経済的事故あるいは外国の政治的事故ということも予想されるわけでありまして、いろいろな角度からいって、金属鉱業の安定的発展という見地から、私どもとしては、需給価格の調整を目的とする重要鉱産物買取公団というようなものの機関の設置が強く望まれるところであります。  最後に、掘った石を製錬するということで地金ができていくわけでございますけれども、現在の日本の製錬所の規模は、外国規模に比べましてはなはだ小さく、かつ数が多いのが現状でありますが、たとえば銅で申し上げますと、外国では最低五千トンあるいは一万トン規模の製錬所が普通でございますが、日本では最大五千トンということで、大型製錬所の設置について鉱業審議会でも、原則的には審議されておるところでございますが、このまま各企業企業単位の製錬所の拡大ということで放置しておくならば、必ずや過当競争におちいり、どこかの製錬所が自然淘汰されてつぶれていくというような結果になりますので、これは政治にも経営にも強く望みたいところでございますけれども、現象的なメリット、現実のメリットに重点を置くのではなしに、将来の大計を立てて、その中での産業の配置というものについて深い考慮を払っていただきたい。われわれは、産業全体の合理化の必然性については否定するものでもないし、協力をしていく所存でございます。しかしながら、企業合理化産業合理化というふうには、つながっていかないのではないかというところに、非常な問題点と疑問を持っておるわけでありまして、もし産業全体としての適正な施策が講ぜられるならば、われわれとしても産業内における労働者の適正配置についての協力については、やぶさかでないことを申し上げて、終わりたいと思います。
  12. 天野公義

    天野委員長 次に、宮崎参考人お願いいたします。
  13. 宮崎茂薫

    宮崎参考人 私は中小鉱業対策中央推進本部長の宮崎でございます。鉱業施策に関しまして、いささか所見を述べたいと思います。  われわれ中小鉱山業界は、昭和三十二年以来、日本の経済が国際経済の中で大きな変転をしつつある。したがって、日本産業構造も大きな改変をしつつある。こういう中で、非常に硬直性を持った産業の、その中で最も弱い、小さい中小鉱山が、どういうふうにして生きていくかということを一生懸命に検討して、そうしてこの流れに対応していって、産業の一員としての責任を果たしたい、こういう努力を重ねておる次第でございます。  皆さんも御承知のように、十年来そういう意味でいろいろな鉱業対策お願いもし、監督官庁に対しましてもいろいろ陳情これつとめて、そうして現在に至っております。その結果、鉱業審議会並びに重要鉱産物安定措置法を柱にしまして、われわれ中小だけとしては新鉱床探査助成金、それから、また一般鉱業界といたしまして、探鉱促進事業団の創設、あるいは新しく減耗控除制度、こういうようなものが次々と皆さんのおかげで実現してまいりましたのですが、総じてみまして、これはやはり探鉱が一番中心になっておる施策、すなわち新鉱床探査助成金にしても、あるいは減耗控除制度にしても、あるいは探鉱促進事業団にしても、これは探鉱が中心になっておる。施策の中心が探鉱にあるということは、鉱山がいかに探鉱が重要であるかということのこれは端的なあらわれだと考えられます。私の聞くところでは、フランスのごときは、地質調査の名のもとに、年間八十億の大きな財政支出がされておる。そうしていわゆる資源政策としての鉱山発展がはかられておる。日本においてもこういうように、いま申しましたとおり、だんだんに助成が拡充されてまいりましたのですけれども、この国際競争の中における鉱山業として、私はいささかまだこれは十分でない、特に脆弱——まことに恥ずかしい話ですけれども、競争力の弱い、そしてほかの産業と違って、簡単に体質改善とかそういうことのできにくい産業に対する政府の施策としては、非常にまだ欠けておるところが多いのじゃないか。われわれ中小鉱山と申しますけれども鉱山業全体の大体雇用人員が半分、いま約六万から六万五千人はあると思いますが、生産高におきましても、やはり鉱種が非常に散っておりまして、いまわりあいいんしんをきわめている銅、鉛、亜鉛のようなものは比較的少なくて、日陰の鉱種が多いということで、われわれの中小の範疇のものは、はなやかでないのです。けれども生産量におきましては大体鉱産額の半数あるいは半分以上を果たしておるのじゃないか。こういうような点から見まして、ぜひ中小のために、もっと思い切った、いわゆる画期的な鉱業施策を私は実現していただきたい。これはもうたびたびわれわれは陳情いたすときに申しておりますけれども、なかなか一般産業のようなわけにいかぬというのは、よく御説明を申し上げましても入りにくいかもしれませんですけれども、とにかくわれわれ中小鉱山としましては、われわれの努力でやるべきことは必死になってやっておるのですから、その上のいわゆる力の足りないところは、フランスのように思い切った探鉱助成をするとかいうようなことで、われわれが安定して健全に国際経済の中での流れに沿って歩いていけるようなことをやっていただきたい。したがって、本日のこの探鉱促進事業団法の改正による仕事の拡充、こういうことも、どしどし早くやっていただきたい。とかく新聞やその他の政府の声明を見ますと、非常にかけ声は大きいのですけれども、われわれがはだ身に感じるところでは、それほどはだにくるほどきていない。たとえば新鉱床探査助成金がわれわれのところへことしは四億一千万円ですが、しかし、この間値上げされた国鉄の運賃だけで、われわれ中小あたりでおそらく——最初の運輸省の提出された原案では約五億以上の年間支出が生まれるわけですね。これは先生方鉱山局その他各関係官庁の御努力によって減らされましたですけれども、それでもおそらく三億以上になるのじゃないか。ということは、四億一千万円もらっても、三億はもうことしこれからは運賃でとられてしまう。いろいろな施策をしていただくということは、早くやっていただかなければならぬですけれども、片方でそういうような大きな、われわれの自分たちの力の及ばない大きな支出を伴うようなことが生まれてくる。これはいたずらに運輸行政を批判するわけではありません。国鉄の輸送力の増強はもちろん国家的な使命として必要ですけれども、それが産業に、特に中小企業に対して致命的な影響を与えるようなことのないような施策は、やっぱりしてもらわなければいかぬというように私は考えるのです。ですから、ぜひそういうような政治全般にわたっての中小に対するもっと血の通った政策を厚み深くやっていただきたい。  それから、いまの探鉱助成に関係しまして、一言お願いしたいのは、四億一千万ということで、中小だけで約千八百の鉱山がありますが、補助金をもらっている山が、大体四十一年度において、百九十四です。その他の山はその恩恵に浴してない。これはいろいろな政府鉱業政策として、あまり零細でその効果が生まれないようなものには、というような御心配もあるかと思いますけれども、もう少し幅広くやっていただきたい。  もう一つは、現在、たとえば水平坑道のごときは一万五、六千円かかるのに、六千円もらっておるということは、実際はその半分の補助でなくて、四〇%に足りないというような探鉱助成の形になっておりますが、これなんかもっと単価を引き上げて、その結果は、補助金総額を大きくしてもらいたい。そうして、いま言う零細鉱山に対する補助金の増額は、これは別ワクにやっていただいて、そしてこういう鉱山は、いわゆる処理能力、手続能力なんかも十分でなくて、手続なんかは、何だかわからないような面が非常に多いと思いますが、われわれ中小鉱業界協力をして、あまりむずかしくでなくて、こういうことを実施していただくようなことをお願いいたしたい。  それからもう一つは、探鉱事業団で、大企業に対しては探鉱融資をしておりまして、それもわれわれから見ましても非常に少ないのですが、われわれ中小のほうは、補助金は新鉱床探査助成という名のもとに、いま四億一千万補助金はいただいておりますけれども、これはいま申すとおり、三五%か四〇%しかもらえない。その他の金は、要するに、もらう三倍以上の金は、やはり自分の手金をだしてやらなければならぬ、これを融資する道がない。要するに、普通の金融基間は、探鉱融資というものは一切やらないのです。最近県なんかで多少やるようになってきましたし、またわれわれの協同組合で、これは中小企業でつなぐというようなことを多少やっておりますけれども、これは補助金対象にして貸すのであって、補助金以外に必要な金の融資はしていない。これをやはり探鉱事業団の中へ入れてもらう。是非善悪は、これはよく検討しなければいけませんけれども、いずれにしても、新鉱床探査をやっているから融資はしなくていいということでなくて、新鉱床補助金補助金探鉱融資探鉱融資、こうはっきり分けて、これをぜひ実施していただきたい。そういうことによりまして、われわれもできるだけの努力をもって、この非常に激しい国際競争の流れの中で、健全に生きていきたい、こういうように考えておりますから、ひとつよろしくお願いしたい。(拍手)
  14. 天野公義

    天野委員長 以上で、各参考人からの一応の御意見の聴取は終わりました。     —————————————
  15. 天野公義

    天野委員長 次に、参考人並びに政府当局に対する質疑の申し出がありますので、これを許します。板川正吾君。
  16. 板川正吾

    ○板川委員 参考人の方に一度に全部一応質問いたしますから、各人ごとに答弁していただきたいと思います。まず加賀山参考人に伺います。  資金面では本年度の予算が二十四億円。企業の負担を入れると五十一億円程度である。こういうふうになっておると思うのですが、資金面について希望が聞かれなかったのですが、その資金面に対する事業団としての希望というものがあるだろうと思うのです。それは幾らでもほしいだけということになりますが、当面どのくらい必要か。たとえばことしはこれで予算がきまってしまったが、来年は少なくともこの程度はしてもらわないと困るというようなめどがあるのじゃないか。これをひとつ遠慮なく言ってもらいたいと思う。  それから、融資の限度が六〇%、場合によっては七〇%といっている。しかし、いまお話しのように、実情は三五%から四〇%、こういう状況です。補助は六〇%以内ですから、以下でもいいということになりましょうが、原則としては六〇%近く貸せるような状態にすべきじゃないかと思うのです。こういう点について従来どういう努力を払っておったのか。その点を伺いたいのです、  それから、今度の法改正では、年度計画はあるが、長期的な五カ年計画とか十カ年計画とか、少なくとも五カ年計画程度のものをつくり、それに基づいた総合的な開発計画、その五カ年計画の軌道に沿った年度計画が必要じゃないか。もちろん五カ年計画は、期間の承認を得るとかなんとかではなく、事業団自体としてそういう計画性を持つべきではないか。  こういう三点について加賀山参考人に伺います。  次に、由井参考人に伺います。  鉱業審議会委員でありますので、その点で伺いますが、一番問題の鉱種は銅ですから、銅の問題にしぼってみたいと思うのですが、銅の命数、銅の需要というものは、ここ当分、たとえばいまの需要とほとんど変わりはないかどうか。たとえば代替品が出て、銅の需要が減る。代替品が軽くて、効率が高くて、能率がいいものが生まれて、銅の寿命というものに変化を来たすおそれはここ当分あるかないかという銅の見通しです。由井さんは需要業界のあれですね。そういう意味で、需要業界としての見通しといいましょうか、それから、代替品が、こうどうも高くなってどうしようもないというので、アルミですかに変わってきておりますが、これが銅の需要に対してどういう影響を持つだろうかということについて伺いたいと思います。  それから、一番聞きたいのは、需要業界が銅の需給安定機関構想に賛成でないということを新聞で私ども承知しているんですが、どういう理由で需給安定機関的なものに不賛成なのか。業界の空気というものをひとつ述べていただきたい、こう思います。  需要業界も、私は安定した供給というのを当然望んでおるだろうと思う。同時に、安いものということだろうと思うのです。安定に重点を置く思想ならば、私は、多少保険料的なものがあっても、安定した供給機関というものが必要だ、こう思うのです。しかし、安いものがいいんだというなら、いいというところに重点を置くと、何年に一ぺん高いことがあっても、場合によると、またうんと安くなるから、そういうものは必要ないんじゃないか、こういう思想もあるので需要業界としては安定に重点を置くのか、安価に重点を置くのか、そういう点でどういう安定機関に対する考え方というものをお持ちなのか伺いたいと思います。  それから需要業界鉱山側と両方に要るのですが、海外開発に対して現在どういうような投資を行ない、どういうような計画をお持ちであるか、これは鉱山側からも伺いたいと思います。  それから青山参考人に伺いますが、海外開発株式会社、資本金が十五億円、二つ海外開発に手をつけておって、まあいまのところあまり成功と言えない状態にある。この海外開発鉱山業界、あるいは需要業界がほん気で利用しているのかどうか、何かのときに利用するというだけであって、ほんとうのところは自分で、日鉱さんは日鉱さん、三井さんは三井さん、それぞれの系統でほんとうのところは自分でやるのだ。しかし、どうもあそこだけはあぶないから海外鉱物開発株式会社、この機関を利用するというので、初めから海外開発株式会社を利用するというのはごく例外的であって、本筋としては企業単独で海外開発をしているかどうか。もしそういうことであれば、海外開発のための機関をせっかくつくっておいたにかかわらず、意外と伸びない、利用度が少ないということはどこかに問題があるのだろう。その辺をどういうふうに反省をされておるのか。その点は私結論を出して言うわけですが、私の判断は、会社をつくったが実はあまりこれを利用しない。利用されないのは一体どこに原因があるのか、そういう点どういうふうに判断をされておるのだろうか、こう思うのです。  それから第二点は、ことし二千万の補助金がつきまして、他と合わせて若干ふえると思うのですが、二千万円程度補助金でどういう程度のことがやられるのか、その計画というものについてひとつ明らかにしてもらいたい。  それから各国で、アメリカはどうか知りませんが、一体海外に必要な鉱物の開発のためにどういう程度の投資なりをしておられるか、その三点について伺います。  それから河上参考人に伺いますが、一つは安定機関をつくってほしいという希望が第一に出ております。この安定機関というもの、きのうも沢田委員が大臣にいろいろ聞いてみたのですが、大臣はなりたてでもありまして、検討しますという程度でさっぱり要領の得ない、おそらく焦点を当てて検討していなかったんだろう思うのです。その需給安定機関を設けろということは当委員会でしばしば議論しておるのです。しかし、大蔵省等ではあまり乗り気ではない。一体需給安定機関を具体的に業界はどういう形を希望しておるのだろうか。あまり都合のいいことを言うと大蔵省で金を出しませんが、こういう構想でもって、こういう安定機関なら当面できるのじゃないか、こういうことで出発すべきだ。将来の理想は理想としても、当面の段階として具体的な安定機関の構想というものがあれば、この際ひとつ明らかにしていただきたい、こう思います。  それから先ほど言いました海外開発に関する各企業の投資なりがどういう程度行なわれておるかということは、先ほどと同じであります。  第三点は、昨年国政調査に行った際に神岡鉱山で減耗控除制がことしからできたという話をしたところが、減耗控除というのはたいした恩典ではない、こういう鉱山所長さんのお話でありました。減耗控除というのは、一体鉱山業界に一年間の実績から考えて、どの程度の恩典といいましょうか、これは主として探鉱資金に回るのでしょうが、どういう程度の実績、実効があったものか、その点、わかりましたらこの際伺っておきたいと思います。  それからもう一つは、これは原口参考人からも言われておりましたが、小名浜で業界で共同開発をしたらどうか、製錬所をあっちこっち各企業で中途はんぱのものを持つよりも、大きなものを持ったらどうだろうという御意見もございました。小名浜の製錬所というのは、そういう意味で各企業で共同でやられた製錬所だろうと思います。その後小名浜の製錬所の状況が、鉱石が来ないという点もあり、鉱石の輸入先の紛争もあり、あまり十分な成果があがっていないやに伺っておりますが、こういうものが成功しなければなかなか次の手も打ちづらいと思うのです。この現状と将来の見通しについて伺いたいと思います。  それから原口参考人に伺いますが、原口さんは世界各国を歩いて、日本外国と半分くらい行っておるでしょうが、銅の見通しですね、代替品が銅に及ぼす影響、先ほども他の参考人に伺いましたが、こういう点をどのようにお考えだろうか。  それから共同開発をやるべきだ、各企業がばらばらでおのおの開発をやっておるというのは、どうもやはりおもしろくない。ごもっともであります。私どもいつか秋田の大館に伺ったときに、わずかな範囲の鉱区に各社がそれぞれ鉱区を持っておって、そうして向こうでも黒鉱を発見、こちらでも黒鉱発見。だんだんそれをたどっていったらば、一匹のウナギのようであったということになるかどうかわかりませんが、わずかな鉱区に各社が入り乱れて鉱区を持っておって、おのおの別個な開発計画を立てるということは、これはどう考えてもやはり合理的な開発じゃないと思うのです。これを共同開発なり、あるいは共同開発ができなければ、事業団で直接やったらどうかというのが原口参考人の御意見と思うのですが、この原口参考人の意見に対して、ほかの担当事業団及び鉱業界の御意見を承りたいと思うのです。  それから原口さんに伺いたいのですが、管理の民主化ということについて労働者の代表を入れるべきだ、こういうふうにおっしゃられております。実際労働者の自発的な協力がなければ、どういう企業だってうまくいくはずはない。その意味では、労働組合の協力を得ることは企業としてもプラスの面があるだろう。そこで、管理の民主化について組合側の具体的な、たとえばこういうようなことをすべきじゃないかという具体的な主張がありましたならば、それをお聞かせ願いたいと思います。最後に宮崎参考人に伺いますが、国鉄運賃が値上げになりまして、大体鉱業界の負担が三億ないし五億と言われましたが、この値上げの負担率というのは一体どこで現在吸収されておるでしょうか。この間、私は栃木県の葛生の石灰関係の業者に会いまして聞いたところが、二月二十日でしたか、運賃値上げ後まだ日にちがございませんから十分じゃないが、大体四分六分か七分三分で山側が持つようになって、買い手側は三分か四分だった、こんな話をちょっと聞いておりましたが、一体どういうような割合で負担がされたかどうか。値上げの犠牲というのがどこへ行ったか、これがわかりましたら、ひとつ明らかにしてもらいたい。  それから第二点は、中小鉱山が千八百ありますのに、新鉱床探査補助金の適用を受けているのが百九十四しかない、こういうお話でありますが、なぜ百九十四の山しか利用できないのか。資金全体が足らないということも一つでしょうが、もっと利用できるような方法にするためにはどういう手を打つべきか。資金の面その他について、何か希望があればこの際明らかにしていただきたいと思います。  それから、宮崎参考人の発言に関連してですが、探鉱資金には金融機関が金を貸さないのだ、貸すとすれば探査補助金一つの担保にして貸すという状態である、こう言っております。この点で私、事業団に伺いますが、事業団融資ワクを、たとえば補助金を担保に事業団でそれを一時融資するという方法ができないものかどうか。普通の金融機関でできないと宮崎参考人は言っておりますから、協同組合で中小企業金融公庫、商工中金等に行けばやるとは言っておりますけれども、一般の金融機関はおそらく探鉱資金は融資しないでしょう。そうすると、事業団業務範囲で、その補助金の出るまでの間事業団でこれを貸すことができないだろうか。この点について、ひとつ事業団理事長から回答願いたいと思います。  思いついたことを以上申し上げて、各人からひとつ御説明を願いたいと思います。
  17. 加賀山一

    加賀山参考人 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。  探鉱促進事業団融資ワクの問題でございます。四十一年度は二十四億のワクがきめられたわけでございますけれども融資需要量は五十一億にもなっておるじゃないかということで、率直にはどのくらいの金が要るんだという御質問のように伺いますが、これは私ども、大体当初から五十一億程度はあるんじゃないかというふうに予想を立てておりまして、当初は三十二億という希望を申し上げておったわけでございます。これがいろいろな事情で二十四億ということに相なったわけでございます。来年度におきましては、私は、おそらくこの需要は六十億に近いものになるのじゃないかと考えますので、少なくとも三十六億のワクをほしいものだというふうに考えております。  融資比率の問題でございますが、原則としては、六〇%、特別のものは七〇%ということには業務方法書できめられております。現実には、五〇%程度のものしか融資いたしておりませんが、これはいま申し上げました融資ワクの問題と関連があるのでございまして、融資ワクさえある程度さらにふやしていただければ六〇%、特殊なものは七〇%ということはできるわけでございまして、これはただいま申し上げました融資ワクと非常に不可分の関係にあるものでございます。  それから広域調査において長期計画が必要じゃないかというお話のように承りますが、法律でも示されておりますように、一応この広域調査は、国が企画、立案をするというたてまえで、われわれのほうはこれをお受けして、実際の仕事をするというたてまえになっております。しかし現実の問題といたしましては、われわれは、鉱山局協力体制をとりまして、そして今後どうするかということでいろいろ御指示も受けつつ準備をいたしております。私のほうといたしましても、これはあくまでやはり計画的なものを連続的につくってやりたいという希望は持っておりますし、おそらくそういうようなお考えを御当局のほうでも持っておられるのじゃないかと思っております。  中小鉱山に対するつなぎ融資の問題でございますが、担保で融資するという方針を認めていただけるならば、これは不可能ではないというふうに私は考えております。
  18. 由井敢

    由井参考人 それではお答え申し上げます。  最初に御質問ございました銅の代替品の件でございますけれども、まず電線のことについて申し上げますと、われわれ業界といたしましては、銅の代替としてアルミの電線をむしろ積極的に推奨をいたしております。ただアルミニウムは、御承知のように、非常に軽いのでございますが、率につきましては、銅よりも非常に悪いわけでございます。それからもう一つ接続工法等に技術的な問題がございまして、われわれのほうは、むしろ、ただいま申し上げましたように、積極的に代替をお願いしてはおりますが、現状では急速に銅電線にかわりまして、アルミ電線を使用されるということが、徐々に代替はされておりますが、急激にはちょっと見込みはないような感じがいたしております。大体本年度、四十一年度の銅電線の需要見通しが三十六万トン、ほかに従来から使用されております、これは主として長距離の送電線等に使われておりますアルミ電線でございますが、これが二万トン弱あると思います。それに対しまして八千トン、せいぜい一万トン弱が銅からアルミに転換されるのでなかろうかというのが、四十一年度の見通しでございます。これは銅量での計算でございます。  それから伸銅品につきましてもいろいろ代替品の研究が進んでおるようでございますけれども、やはり銅と申しますのは昔から使われておりますように、非常にいい性質を持っておりますので、これもにわかに代替ということは、ちょっと困難のように聞いております。代替品につきましては以上のような状況でございます。  それから第二番目の御質問の需給安定機関について需要業界は反対のようだがという先生のおことばでございますが、これは需要業界としましてもまだ意見の十分一致していない点もございますかと存じますが、われわれといたしましては、やはり供給の安定と価格の安定ということは願わしいことだと思います。ただ銅の供給側であります産銅業界と、需要側でありますわれわれの業界とが、両方にとりまして利益になるような安定機関が望ましいのではないか。場合によりまして、現在のような自由経済の現状におきましては、国家である程度アメリカ式に備蓄でもしていただいて、価格なりあるいは需給の安定を措置していただくということでございますと別でございますが、そうでない場合には多少その業界の利益のために利用されるおそれがなきにしもあらずという感じもいたしますので、やはり両業界にとりまして相互にメリットのあるような何か安定機関が望ましいのではないか。それにつきましては、いろいろな問題が考えられますので、われわれも実は前向きに慎重に検討したい、こういうふうに考えております。ですからそういうふうな安定方法ができればたいへんけっこうじゃないかと思っております、一部に反対ということは、ちょっと私、はっきりいたしておりませんが、ただ慎重に検討しようということに考えております。  それから第三番目の海外の銅鉱山開発につきまして、需要業界も何か協力しているかという御質問でございますが、ただいまのところ鉱山関係でございますので、われわれとても手が及びませんので、海外鉱山開発につきましては、精神的には大いに御協力は申し上げるという程度でございまして、具体的にはこれと申し上げるような協力の事実はただいまのところございません。  以上御答弁申し上げました。   〔委員長退席、田中(榮)委員長代理着席〕
  19. 板川正吾

    ○板川委員 新聞では、新聞の報道ですからどの程度ほんとうかわからなかったのですが、需要業界で話し合ったら、安定機関には反対だ。たとえば銅の価格も不安定だ、しかしそれは七、八年に一年間くらいの割合で高くなったりするときがあっても、そういう十年に一年くらいの割合であるのにその一年のことを考えて九年間なり八年間なりを縛るというようなことは好ましくない。だから需要業界では反対だ。こういう趣旨の新聞を見たものですから、そうかなと思っておったのですが、きょうは必ずしも反対ではない、前向きに検討をしているんだ、こういうお話を承ったわけです。ただこれは産銅業界需要業界と両者の利益が合わなければ——なるほど両者の呼吸が合わなければ相撲が立ち上がらないのは当然かと思うのですが、両者の利益をはかる考え方がなかなかむずかしいと思うのです。お互いにこれは利害が相反しておるのですから。ただ従来の銅の需給関係なり価格関係の変動を見ても、われわれがここのところ記憶にあるだけでも、銅が非常に値下がりしてたいへんだから安定機関を設けてほしいという要望があった。われわれがそれを検討して、じゃつくろうと思ってその案を練っておったところが、今度は銅の値段が高くなって、つい去年まで陳情しておった方も、もうそれはいいんだと言う。じゃ要らないのかと思って二、三年たつと、今度またたいへんだから何とかしてくれということに——ここのところ七、八年の間にそういうことが二回も三回もありましたね。非常に銅の需給が不安定、価格が不安定です。こういうように上がったり下がったりすると、使うほうも計画的に仕事をされる上に非常に不便だと思うのです。アメリカでは軍事的な必要性ということで、七十何万トンですか、法律的に必ず備蓄しておかなくちゃならないという義務があるわけですが、日本ではなかなかそういうことができない。これは率直に言いましてできない現状だろうと思う。そうすると、国家の資金でやるということで逃げないで、やはり両業界がお互いに話し合って、われわれはこう努力する、これに国家もプラスしてやることが日本産業全体のプラスじゃないか、こういう形でないと、国家のほうでアメリカ式にやってくれぬかということじゃこれはできぬじゃないかな、こう思うのです。その点に対してもう一ぺん御意見があれば承りたいと思います。  それからアルミの代替は、年間一万トン程度だとすると、これはまあここ五年、十年の間に急速にアルミにとってかわられて、銅の需要がなくなるとかなんとかということはまずないものと見ていいわけですね。アルミの場合にはスクラップしたものを使い直すことはできない。銅の場合には古いものを全部集めてまたそれを有効に使えるという利用もあるでしょうし、スクラップ・バリューというものですか、それが銅の場合にはある、アルミの場合にはそれがないというようなこともあり、それからいうと代替は当分それほど大きな影響を及ぼさない、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
  20. 由井敢

    由井参考人 ただいまの安定機関の問題につきましては、これはしょせん長期対策一つでございます。先般の鉱業審議会におきましても、電線工業会からはこういうふうに提案いたしているのでございます。いろいろな点で非常に慎重に検討を要するので、何か専門委員会的なものでも考えて慎重審議ないし検討を進めてまいりたい、こういうふうに提案いたしておるのでございます。短期対策につきましては別問題でございますけれども……。  以上ちょっと一言お答えしたいと思います。
  21. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 次に、青山参考人にお答え願いたいと思います。
  22. 青山秀三郎

    青山参考人 お答えを申し上げます。  最初お伺いしました日本の各鉱山会社業界と私ども会社との連携、関連でございますが、あまり利用されておらないじゃないかという御質問でございます。実は私どものほうの会社は発足のときから日本の大鉱山会社八社の社長さんが取締役でございまして、その会合にはかなり皆さんお差し繰り御列席いただいております。そこではいわゆる根本的な大きな問題をおはかりいたすのでありますが、なおそのほかにいろいろ特別委員会とか、それから鉱山が一応開発とか仕事の段階に進みますと、連絡委員会等を持ちまして、それぞれの会社の適当な方を御推薦いただきまして、協議をいたしておるのであります。それで、いままで進めました二つ鉱山についてもその形式でやってまいりまして、私ども仕事をいたします上には指針となることをたくさん伺っております。私どもたいへん感謝いたしておるのであります。今後の進め方でありますが、先ほど申し上げました探鉱補助金も出ておることでありますし、今後は新しい山をだんだんお話を承って一緒にやっていきたい。それでそういう考え方もいま各社と御相談いたしておりまして、できるだけ早い機会に根本の方針を定めたいという考えでおるのでありますが、ただいままでも私ども伺いますところは、なかなか私どもが処理できないほどいろいろのお話を承っております。鉱山会社からも、また商社からもいろいろな話が出ておるのでありますが、これはさっきあなたから話がありましたように、われわれ探鉱いたしませんと、とてもいまどうにもならぬ。その前の調査をしなければならぬということがあるのであります。そういうことで、いまその検討を大急ぎ進めております。なかなかよく御協力いただいておると私は思いますが、一そう今後とも、私どものほうの会社仕事にこれはいいなというようなのをお考えになっていただいておると思うのでありますが、やはりそういう性格に合うようなものを、相当困難ではあろうと思いますが、伺って進めていきたい。一そう私どものほうもお願い申し上げて御援助、御指導をいただきたい、こう考えております。  それから二千万円の問題でございますが、これは普通の調査でございますと七五%、それから坑道など掘ったりあるいはボーリングなどやります探鉱の場合には半分というような補助でございますが、大体私どもはこれに見合う三千五百から四千万円程度、総額としてかけなければなるまい。それをどういうふうにするかというのもさっき申しましたようなことで、そういうワクでいこうじゃないかということを話しておるのであります。  どういうところをその対象にするかということでありますが、これはやはりいま申しましたようにかなり資料のはっきりしているのもあるのでございますが、どうも専門的に見ますとちょっと乗れないような資料なんです。だからその前の段階に、ことしの年度に調査対象になるところも一つ二つは少なくとも考えたい。それは相当先を見通しまして、望みのあるところを調査する。それから探鉱のような例もできれば進めたいと思っておりますが、これは実はもう少し検討させていただきたいと思います。先ほどお話しございました調査が、アメリカのやった調査とかほかのやられた調査を引き継いだような資料なのでありまして、すぐそれで私どもがうんと言うわけにもいかないので、重ねて探鉱的な調査をやらなければならぬというようなことも思いますが、そういうことでおそらくこの最初の年度は、いま申しましたワク内で調査対象あるいは探鉱に近い調査対象というようなものを取りきめていきたい。
  23. 板川正吾

    ○板川委員 二千万円で何カ所くらいやるのですか。
  24. 青山秀三郎

    青山参考人 調査のほうは一千万円とか一千万円以内で終わるのもありますが、探鉱となりますと、これはボーリングの金が非常にかかりますので、そうたくさんはできない。むしろ私は一カ年では無理ではないかと思うております。そういうことで適当にここが対象としていいということがいずれきまると思いますが、きまりましたら、それぞれ一カ所はこの例の中に入れたい。できれば私はもう少し先の年度を見通しまして加えたい希望は持っておりますが、ちょうどこの四月の初めからマチルデ交渉団が行っております間に、きのうも午前、午後関係会社の方がおいでいただきまして御相談いたしておる最中でございます。  それから三番目のお尋ねでございますが、各国のこういう方面の伸び方、進め方としてはどうかということ、これは私も非常に注意しておる問題でありますが、どうもヨーロッパのほうは、ドイツを除きましてかなりアフリカのほうに——御承知のように、いままで植民地等の関係があって、独立はいたしましたが、根があるのでございます。ところが、ドイツはアフリカに根が薄いので、南米にもいまかなり手を伸ばそうとしております。アメリカは南米にもアフリカにも方々にいま調査あるいは開発を進めております。いままでかなりやっておりますのが、アメリカは御承知南米のチリであります。ここで相当大きな銅山、日本の産額を倍にするような全体の産額の大きな鉱山をチリで進めております。それからいま問題になっておりますアフリカのザンビア、これなんかは大きな山五つぐらいでございますが、それで五十万トンぐらいの銅が出ております。非常に大きな山でございます。これなどはどの資料を見ましてもはっきりは書いてないのもあるのでございますが、みな数千万ドルというようなことが出てくるのであります。だから、いま私ども考えますと、これは探鉱の糸口をつけていただいたわけでございますが、さらに本格的な探鉱をする、あるいは開発をするという段階になりますと、みなそういう単位の金を投資して仕事をしている。いまここにもEEC諸国の金属鉱業助成策を拝見しておりますが、この表を見ましても、わが国は銅にしても亜鉛にしても、これを上回る相当大きな額を考えなければならないのは御承知のとおりであります。そういう意味で私はこの額はちょっと夢のような数字となると思うのでありますが、いま一つアフリカに私ども対象になっておる山がございますが、これなどは私のほうに話がきているのでございますが、その首府から山まで約三百キロあり、その鉄道をアメリカがかけようかという話がきているほどであります。トンネルや川は少ないかもしれませんけれども、いやしくもあの砂漠のようなところで何百キロの鉄道をかける。そういうものさえアメリカが考えているというニュースが入っております。真偽はまだわかりませんが、これほどに積極的でございます。わが国はそこまでの状態じゃございませんが、少なくとももう一歩進めるときがくるように非常に希望しておるのであります。はなはだばく然としておりますが……。
  25. 板川正吾

    ○板川委員 わかりました。二千万というやつはまだきまっていないということですからいいですが、国内鉱から出る産銅量というのは三十九年までの資料しかありませんが、大体十一、二万トンですね。あとは輸入鉱石とか輸入品による。そして全体の需要は五十万見当、そういうことですね。そうしますと、大体八割近くは鉱石で輸入するか現物で輸入するか、あるいは古くあるものをたたき直してやるか、こういうことですね。そうしますと、何といっても海外から鉱石を輸入することが大きなウエートを占めておる。石油の場合はアラビア石油が海外に大きな鉱脈を発見して、相当な寄与をしているのですね。そういうこともあるので、青山さんのところは海外鉱物資源開発株式会社ですね、その点でひとつ大いに今後活動して、このせっかくできた使命を果たしてもらいたい、こういうことを要望しておきます。
  26. 青山秀三郎

    青山参考人 こういう探鉱でも、やはり鉱山でございますので、仕事を始めてもそうでございますが、かなりリスクというものがあるものでございますので、やはり業界の方も非常に協力していただきますが、相当国の力でこのリスクはカバーするということでないと、とても出られない問題もあるのでございます。各国助成策も多少出ておりますが、やはりこういうところに皆さんの御理解をいただきまして、国の政策として推進して、その下請をわれわれ承って御期待に沿うということがやはり大事ではないかと思っております。蛇足でございますが、申し上げておきます。
  27. 田中榮一

    田中(榮)委員長代理 この機会参考人各位にちょっとお願いを申し上げますが、たいへん懇切丁寧に御説明をいただきまして、まことに感謝にたえないのでありまするが、かってながらまだ質問者もございまするし、多数の参考人の方もいらっしゃいますので、何とぞ御答弁はなるべく簡潔に、要領よくお願い申し上げたいと存じます。
  28. 田中武夫

    田中(武)委員 板川委員海外開発の問題に関連をいたしまして、青山参考人加賀山参考人、それから両角局長に御質問いたします。  まず両角さんにお伺いしますが、この金属鉱物探鉱促進事業団、これが基法というか、原法では地質構造調査、今度変わりまして精密調査、そして新たに広域調査をやる、こういうように改正になるわけなんですが、この事業団の活動範囲国内に限定せられておるのですか。国外をも考えておられるのか。それからもう一つは、先ほど参考人からの意見もあったようですが、この事業団融資対象も現在国内開発だけのようでありますが、これを海外開発にまでワクを広げるというか、業務対象を広げていくということ。それからかりに海外まで手を広げていわゆる精密調査等をやるとするならば、十九条による業務の委託、これをたとえば海外開発株式会社に委託するという方法もあるのではないか。事業団直接海外へやるという方法もある。しかし十九条の委託開発ということを考えた場合は、海外開発株式会社に委託してその業務をやるという方法もあるのじゃないか、こういうようなことが考えられるのですが、詳細なことはまたあらためて本法審議のときに伺うといたしまして、きょうは青山加賀山参考人もおられますので、このような海外開発の問題について、事業団事業対象範囲及び十九条の委託という問題に関連いたしまして、両角局長、青山さんあるいは加賀山さんに特に御意見がありましたらお伺いいたします。
  29. 両角良彦

    ○両角政府委員 海外開発の問題につきまして、探鉱促進事業団業務といたしまして、これが可能であるかどうかという点につきましては、法律上必ずしも限定がないということから逆に考えますと、必ずしも不可能ではないというふうに存じますけれども、実際の問題といたしましては、御承知のとおり、国内におきまする探鉱必要性が多数の地点においてなお残されておりまして、その方面の仕事をまず推進をしてまいるということが実際的に必要であろうかと考えております。同時に、ただいま御指摘のございました融資の問題につきましても、したがいまして、事業が主として現在国内探鉱を推進するというたてまえに対応いたしまして、融資もこれに伴った事業内容になるということになろうかと思います。そのような関連におきまして、将来海外開発の問題につきまして事業団がこれに協力なり推進なりをする必要性がきわめて具体的に高まってまいり、またその能力が資金的にも人的にも整いましたならばあらためて検討さしていただきたいと思います。
  30. 加賀山一

    加賀山参考人 お答えいたします。  私どももただいまの時点におきましては、法律の読み方として海外が読めるということにいたしましても、国内でやるということで精一ぱいにいま全力をあげておる次第でございます。将来またその点についていろいろ政府のお考えでも変わりますれば、私どももそれについていくという心がまえだけは持っております。
  31. 青山秀三郎

    青山参考人 お答えいたします。  海外鉱山開発につきましてのただいまの御質問でございますが、私どもはむしろ、私ども海外開発をやれというようなお話で、発足してまだ間もないのでありますが、ただいまのところ鉱山局等とよく御連絡をとりまして、御趣旨に沿うようにいまつとめております。将来のことにつきまして実は私どもはっきりわかりませんが、今後の経過を見ました上でまた御指示によってわれわれは善処したい、こう思っております。
  32. 田中武夫

    田中(武)委員 いま両角さん言ったように、法律的には国内に限定していないからできると思うのです。だが実際問題はまだ国内にやることがたくさんあるので、外までは手が出ない、こういうことであろうと思いますが、やはり海外開発の問題をもちろん海外開発株式会社が担当してやっておられるが、資金その他の問題等からもこれは事業団あるいは鉱山局の施策として考えていかねばならないのじゃないか、このように考えるわけなんです。  それからついでですから一言だけお伺いしておきますが、先ほど来議題になっておるというか話の対象になっております需給安定機関といいますか一手買い取り機関、この問題について昨日三木通産大臣に質問をしまして、はたで私聞いておりましたが、四十二年ごろまで待ってほしいというようなことを沢田委員に答弁したように聞き取ったのですが、大体通産省としてはこの一手買い取り機関ないし需給安定機関、これについて四十二年度まで待ってほしいということは、裏を返せば四十二年度には踏み切る、こういう考え方があると推察してよろしいか、いかがですか。
  33. 両角良彦

    ○両角政府委員 需給安定機関の問題につきましては、昨日も大臣から申し上げましたように、その構想の必要性につきましてはいろいろ理解され得るわけでございますが、技術的にいろいろ困難な問題もありますので、それらの点を十分検討いたしまして、結論はできるだけ早く出すようにいたしたいというふうに大臣から申し上げたと存じます。
  34. 田中武夫

    田中(武)委員 これは鉱業審議会へは諮問をしておるとかなんとかいうことはやっていないのですか。
  35. 両角良彦

    ○両角政府委員 鉱業審議会の意見も十分に伺いたいと思っております。
  36. 田中武夫

    田中(武)委員 いやいや、買い取り機関とか需給安定機関の設置についてというような諮問のしかたをやっておりますか、いかがですか。こういうことです。
  37. 両角良彦

    ○両角政府委員 そういう形式での諮問を考慮いたしたいと思っております。
  38. 河上健次郎

    河上参考人 ただいまの御質問の第一点、一手買い取り機関業界はどういうものを具体的に実行しやすいものとして考えているかということにつきまして、われわれの考えをお答え申し上げます。  現在われわれは、自主的な買い取り機関というものにつきまして、昭和三十年に御承知の銅地金会社をつくっております。これは、われわれ生産業界だけでなしに、需要業界と一緒になりまして、資本金は一億五千万円でございますが、そのうち九千万円は伸銅電線の十七社に加入願いまして、将来だぶついた場合に買い上げるし、必要な場合に放出しようというものをつくったわけでございます。実はその当時からひとつ全額政府資金をお願いしたいということを要望し続けたわけでございますが、ついに間に合いませんで、刀尽き、矢折れて、とにかく業界だけでやろうということで、需要業界と一緒につくったわけでございます。  ところが、その経緯を見ますと、どうもだぶついてきて、さて買い上げる必要があるという情勢になりましたが、そのうち生産制限をしてやっても売れないということで、台所は火の車で、とてもこれ以上自力で買い上げができない。ある限度はやりましたが、ついに限界がございまして、こういう状況なので、ひとつ他日必ず国の資金を投入してもらいたいということを要望し続けてまいったいきさつになっております。  それで、現在われわれが考えております構想は、われわれの自主的なそういう銅地金会社、それから鉛、亜鉛については、また別個のものを、ひとつそういう会社でも何でもつくるということにいたしまして、それでできるだけ自力でもって平生積み立てておくわれわれの自主的な機関を早急につくるということで、検討しております。  そこで、ここでお願いしまするのは、そういうわれわれの極限まで来て、それ以上及ばないというところを、はっきり政府資金で全額出してもらいたい。それはアメリカのストックパイル・システムということも考えられましょうし、あるいは全額国家資金による特別法人ということでもよろしいわけでございます。そういうことで、業界は何もやらぬということではございません。できるだけ自主的にはやります。そして、おのずと限度がありますので、あとはひとつ国の国家的な見地から、これの全般を見た一つ方策というものをきめていただくということにいたしたいという考えでございます。  その二つ機関の結びつきはどうするんだということでございますが、これは買い上げるにいたしましても、放出するにいたしましても、これは需要業界の入ったそういう自主的なものができる予定になりますので、それの運営の一環といたしまして、現実のルートをその自主的な機関を通じて払い下げる、あるいは買い上げるという措置をとっていただくというふうな構想で考えております。  それから資金は、これは重要鉱産物あるいは地金全部一ぺんに買い上げるということは、これはそういう必要がございませんで、時期がずれますから、まずわれわれの目標は、百億を目標にして御出資を願う、あるいはそういう御用意を願えればよろしいのではないか。大体眼目のあれはできるんじゃないか。終局には二百億ということを目ざして、おおむねできればいいということでございます。百億を、一ぺんに百億と申すよりは、そういう柱を立てていただけますれば、われわれのほうの努力と相まちまして、ある程度かすに年限をもってしてもやむを得ぬかと思いますが、当初は柱をつくっていただくということが、この際喫緊の必要事だ、こういうふうに考えておる次第でございます。  二番目の海外につきまして、業界も活発にやっております。これはただいまの青山先生の海鉱発が中心でございますが、各企業におきまして、各企業のなし得る限度におきまして探鉱調査というふうな活動をやっております。残念ながらいま手元に資料がございませんので、業界全体としてどの程度かということにつきましては、これはまた御質問によりまして、集計することにさせていただきます。  海外につきましては、そういうふうな直接の探鉱をやるということ、これはあくまで一つのはっきりしたルートでございますが、これ以外の一部の株式投資というかっこうによりまして、勢力範囲に置くということ、それから先方の開発に対する資金援助あるいは技術援助。そういう融資関係生産物を買い上げるということにつきましては、相当融資金額が要るわけでございます。これは主として輸銀なんかにお世話になっておりますが、そういうような各方面の活動を業界としてもやっておりますが、何しろ海外におきまして、特に後進国におきましては非常にリスキーでございますが、なかなか私企業の手が回りかねるということがございますので、活発にはやりながらなかなか苦しんでおるという現状でございます。  それから三番目につきまして、減耗控除につきましてお話がございました。実は現場が直接減耗控除を担当するような一翼をになっておりませんので、あるいは請負のようなこともあったかと思いますが、実情は全くそうではございません。長年の念願がようやく達しまして、御承知のごとく、昨年の九月期には業界全体で十六億という積み立てがおかげさまでできたわけでございます。これは非常に貴重な積み立てでございます。この三月期にはそれは若干上回るのじゃないかというふうな希望を託しているわけでございます。  ただ、この積み立てをやっておりますが、実は大蔵省の通達がまだわれわれいただいておりません。こまかいことにつきましての事務処理が、実はこれだけ積み立てておりますけれども、これがはたして税制上はっきり認められるかどうかということにつきまして、実は少々不安がございます。あるいは否認されるというようなことも起こり得るかというふうなことでございまして、どんどん否認されるということでございますと、せっかくこの制度をやりましたが、これはあまり効果がないということになってもたいへんだということをむしろ心配しているくらいでございます。  なお、実は減耗控除につきましては、使途の範囲が非常に限定されております。これの拡大とか、あるいはこれは三年間に使わなければならぬというふうな制限がございます。あるいは積み立て金の計算につきましても、利益は会社企業体全体で計算するということになっておりまして、私ども当初の予定は、各山の利益を計算をして集計するということでございましたが、これはいかぬということで、認められておりません。こういう点につきまして実は強い要望を持っておりますが、しかし、とにもかくにもできました制度につきまして、これはわれわれ大助かりでございまして、これが将来に対する大きな探鉱の寄与になると確信いたしている次第でございます。  小名浜の製錬所は、百億以上、各社のジョイントの努力でできまして、これははっきりりっぱな国際競争力のある製錬施設でございます。キャパシティは、御承知のとおり、五千トンということでございますが、実際もう少し力があるのではないかというふうに推察いたしております。私は実は当事者でございませんのでわかりませんが、五千トンのキャパシティに対して鉱石が思うとおり入らないということで、現在四千トンから四千五百トンで、残念ながらちょっとフル操業にいきかねているということでございますけれども、しかし、早々の状態といたしましては、今日の状態ではまずまずの成績をあげておるというふうに承知いたしております。  将来各社とも手持ちの鉱石もございませんので、これに委託するとかというふうなこともなかなかできにくいということでございますが、これは状況の推移によりまして、あるいは新しくさらに出資に入りたいという社も将来できようかと思いますし、委託もどんどん活発にやってもらいたいという希望も出てこようかと思います。これは非常にけっこうなあれであると思っております。  そういうようなことで、小名浜もそうでございますが、共同化と申しますか、業界協調、何事についてもそういうことについて少し熱意が足らぬじゃないかというふうな意味合いの御質問であったと思います。たとえば製錬にいたしましても、ほかに持っておってあまり能率がよくない、むしろこれはひとつぶつつぶして小名浜へ全部鉱石を送ったほうがいいじゃないかというふうなことがかりにあったといたしましても、そういう理想の状況をつくるのには、これはスクラップ化する場合の鉱業生産、そういうことも考えていただく必要があるわけでございます。また人もそう簡単に物のように全部そこへ送り込むということもいきかねるという問題等もございまして、やはりそういう共同化、大型の共同化をやります場合には、関連する施策につきましてのあたたかい配慮が必要である。そういう施策と相まちまして、方向といたしましては共同化、協調化ということにつきましては業界の空気はだんだん高まってまいっております。黒鉱開発あるいは探鉱、共同探鉱あるいは鉱区の共同の開発、それから技術面の協力というふうなことにつきましても、このところかなりそういう協調の精神が具体的にあらわれてまいっておりまして、今後ひとつ鉱業政策の進展をお願いする以上は、われわれもそういう点につきましてもっともっと促進していかなければならぬという決意を持っておるということを申し上げまして御答弁にかえたいと思います。
  39. 原口幸隆

    原口参考人 管理の民主化についてお答えいたします。  一般論として日本の金属鉱山から財閥が生まれたというふうな関係、経緯もあって、非常に労使関係が古い。そうでなくても、日本全体の労使関係が古いのでありますけれども、労働組合が社会的に産業の中で占めている役割りを正当に認めていただくという基調に立って、たとえば探鉱事業団の問題でも、これを一企業企業単位の利益に結びつけるようなやり方じゃなしに、産業全体の立場から問題を進行させる。また実際に働いている者の意見もその中に反映さして民主的な運営をしてもらうということが大切ではないだろうかと思っております。場合によっては第三者も入る。  具体的なことについてその必要性を今度は具体面から申し上げますが、たとえば私は、先ほど共同開発、共同経営というような業界協力あるいは産業の社会制化ということを強調いたしましたが、そのためには、労働者企業を越えて移ることを肯定しなければなりません。したがって企業を越えて労働者産業内に適正再配置をする場合には労働組合の意見が、特に産業別労働組合がたとえば経営者と産業会議を持ってその中で話し合うなりあるいは労働組合の意見が資本の側に、経営の側に反映されて組合の納得の上で労働者が動いていくような慣行なり何なりができていかなければならないので、労使の間においてもそういうような機関が具体的な問題でぜひ必要になってくる。たとえば天下に有名でありました尾去沢製錬所が最近七十年の歴史を閉じまして火が消えたのでありますけれども、この製錬夫も熟練直接製錬夫でありまして、こういう人たちが、労働組合の了解なしに一方的に強行されるということで労使関係が乱れますので、やはりこういう場合には産業全体の展望なり姿を組合のほうが了解をした上で実施されるような基礎をつくっていただかなければならないというふうに思いますし、またこれは石炭と同じでありますけれども、これから若年労働者というものはますます少なくなりますし、将来はたして金属鉱山に働いてくれる人があるかどうかという重大な問題も目前に控えておりますので、やはり政府との間の産業政策に参加する問題、あるいは労使の間において労働者の意見を十分に反映し、組合も責任を持って理解をするような努力を関係者がより配慮していただくことが必要であろうというふうに考えております。
  40. 宮崎茂薫

    宮崎参考人 御質問にお答えいたします。  第一の御質問は運賃に関してだと思いますが、私の申し上げたのは十分でなかったかもしれませんが、今度の国鉄の運賃で鉱業界に与える全体の数字は、最初の十七、八億ないし二十億が現実には各方面の御努力によって十一億前後になりました。そして中小鉱山関係は大体五、六億の予想が三億以内くらいにとまったのではないか。全体の数字を十分に検討せぬとわかりませんが、大体三億前後になったように私は考えております。これは非常にたくさんの鉱種がありまして、各鉱種にわたり各会社によって——いま実施されたばかりですから、いま需要者との間の交渉過程にありますので、まだ的確にこれを需要者の負担に転嫁するというようなことがきまっておりませんが、ただ硫黄に関しては一部需要者が負担するという話ができたようなことも聞いておりますが、正確なことは申し上げかねます。  次に、補助金対象鉱山関係でございますが、これは中小鉱山千八百と申しましても探鉱の山なんかが非常に多うございます。また非常に小さいのが多いのです。したがって正直われわれ同業者から見ましても、いますぐに補助金対象になるものの山はそうたくさんはない。したがっていま補助対象になっておるのは百九十四ございますが、もう少しレベルを落とせばまだまだ対象鉱山はふえるのではないか。そういう零細鉱山に対しても見込みのあるものに対しては現在は大体補助金の限度を五十万以上にしておりますが、それを五十万以下のものもとにかく選別いたしまして交付をするようなことにしてもらえば鉱山全体のためにも非常にいいのではないか、こういうふうに考えております。  次に金融の問題でございますが、先ほども申し上げましたのは探鉱奨励金は、つなぎ融資は協同組合とかそれからその補助金をもらえる鉱山のある府県が融資をするという形が大体整ってきましたが、ただ探鉱奨励金以外の大部分の、つまり六〇%ないし七〇%は自分の手金を出さなければならぬから、これの融資の道が全然ない、これを融資してもらいたい。それから補助金対象にならない鉱種、あるいは補助金対象にならない山でも、会社としては将来の成長を見込んで探鉱をやっておりますから、そういう種類の山の探鉱融資を商工中金なり中小企業金融公庫なりまた探鉱事業団なりいずれかで融資の道を開いていただきたい。これはわれわれ中小の業界といたしましては非常な熱望でございます。  以上でございます。
  41. 板川正吾

    ○板川委員 この件はどうでしょうか。先ほど私言ったのですが、補助金がおりるのがずっと時期がおくれると思う。仕事は夏場のうちやらなくちゃならない。補助金は、予算がきまってから手続をする、来るのが秋口かということになる。仕事は春先から秋までにやるということで金を払う。だから補助金が二分の一ということで——実質的には三分の一ぐらいでしょうが、来る間つなぎ資金が必要だという話をわれわれは聞いておる。これはいま事業団のほうへ聞くと、何か法律を改正すればというけれども、法律を見ても、法律では別に禁止してはいない。事業団業務方法書で、中小企業探査補助金を受けておる者には融資をしないということになっている。だから、その業務方法書のほうを変えれば事業団でできないはずはない、こう思うのだが、そういう点についての希望はどうですか。
  42. 宮崎茂薫

    宮崎参考人 私のほうでは、いま申しましたとおり府県の融資、それからまたわれわれ鉱山業界中小企業協同組合というものをつくりまして、それが主として商工中金を通じてつなぎ融資をやっているのです。しかし、どうしても商工中金は金利は高いですね。これは探鉱促進事業団でもっと安い金をつなぎ融資にも使っていただけるということなら、なお私たちは希望する次第でございます。   〔田中(榮)委員長代理退席、委員長着席〕
  43. 板川正吾

    ○板川委員 じゃ、もう一つだけ、探鉱事業団加賀山さん、いまの点ですが、あの禁止されているのは、業務方法書で中小企業探査補助金を受ける者には融資はしない、こういうふうになっているのですね。だから法律自体で禁止はされていないですね。
  44. 加賀山一

    加賀山参考人 業務方法書できめられているわけでございます。ただ、新鉱床探査補助金をもらった者は除くという表現になっているかと思います。
  45. 板川正吾

    ○板川委員 私は終わります。
  46. 天野公義

    天野委員長 始関伊平君。
  47. 始関伊平

    始関委員 どうもおそくなって恐縮でございますが、簡単に二、三お伺いしたいと思います。  最初に河上さんにお尋ねいたしますが、最近の金属工業界をめぐる重要な問題の一つは、銅の不足ということだと思います。需要業界が困るのはもとよりですが、鉱山会社のほうも輸入資源に待つ関係が多いという関係等もあって生産会社も困るということでございますが、銅が不足だということについては短期的な原因あるいは長期的な原因、いろいろの原因があるのだろうと思いますが、大体どんな事情でこうなっておるのか、それからこれは将来どうなるのか、またこの状態が長く続けば銅にかわる新しい資源としてアルミとかなんとかいうものに、電線などではぼつぼつ転換が始まっているように聞いておりますが、そういう方向に行かざるを得ないと思うのでありますけれども、あまり精密なお答えでなくてもけっこうですが、大ざっぱなところ、銅の不足の原因と今後の見通しにつきまして、ちょっと印象をお聞かせいただきたいと思います。
  48. 河上健次郎

    河上参考人 ただいまの御質問は、実は私どもも正確につかみたいと思ってなかなかつかまえにくい点でございます。しかし、承知いたしております状況について申し上げますと、大体二、三十万トンというものが不足の状態になりますと、それに数倍するような不足の状況といったような感じが出てまいります。と申しますのは、根本的な点はこれはスペキュレーションの対象になりやすいものだということでございます。逆に現実に二、三十万トン余るということになりますと、これがそれに数倍する非常な需給の緩和というふうな状況になりまして、投げ売りが始まるというのでございます。  それで、これほど逼迫いたしましたのは、アメリカのベトナムの需要、これが年間ベースで二、三十万トンというふうに聞いておりますが、正確なことはわかりませんが、そういうもの。それから一般のアメリカの景気が相変わらず堅調でございます。そういうことからいたしまして、需要が堅調である。供給のほうは、もう昨年から半年越しで続いておりますチリのストが最近やっとやまったようでありまして、これが年間ベースで数万トン不足の状況を来たしておる。それから御承知のように、ローデシア問題で、それに制裁が加わるのではないかということから見まして、ザンビアの輸出のルートがシャットアウトをされるのじゃないかというふうなものが——この半年そういう不安状態が続いております。これは心理的な影響が主でございまして、現実供給がストップしておるわけではございませんが、これが心理的に将来の供給構造に対する不信感を非常にあおっておるわけでございます。ところが数日前からまたザンビアから、具体的に黒人のストというものが入ってまいりました。これの進展によりましては、現実にショートを来たすということで、その電報一つで数十ポンドというものはたちまちロンドン相場が上がるという状況でございます。  将来の展望でございますが、アメリカ、カナダ方面では、低品位鉱山開発の機運が最近非常に伸びてきております。したがいまして、二、三年のうちにはある程度供給増加が期待し得るのじゃないかと思います。はっきりと期待し得ると思います。一方チリも将来の五年計画で倍増ということで、二、三十万トンふやそうという計画を持っております。これはチリでございますから、信用は置けませんが、しかし開発の段取りは、プログラムは持っておるようでございますから、若干はプラスアルファになるという傾向だけは、これははっきりしておると思います。幸い先方のチリの新しい鉱業政策も大体本ぎまりになったようでございますので、ある程度の安定状態は、チリについては可能性が生まれてきたのじゃないか。それからザンビアのほうは、これはどういうことになるかわかりませんが、これがちょっとはっきりいたしません。そういうことで、増産のペースは、こういう異常の銅価をバックにして各国においてとってまいっております。したがって労働不安等はございましょうが、ペースといたしましては、いまのようなばかな相場は若干定安する方向にことしの下期以降はいくのじゃないかということに実はわれわれも希望をつないでおるわけでございます。断定的なことはどうもよくわかりませんが、そういう状況だというふうに考えております。
  49. 始関伊平

    始関委員 金属鉱山に対するいろいろな政策、施策はだんだん進んでまいりまして、ただいまでは不十分だという問題はございましても、項目と申しますか、事項としては、ほぼ出尽くした。ただ一つまだできないのが、いわゆる需給安定機関だと思いますが、これは、要するに、日本の銅というものは、大体不足基調、輸入基調でありますけれども、いま河上さんのお話のように、ほんのちょっとした、わずかなことで余ってくるという場合がある。その場合には、非常につまらぬ値段外国にたたき売りをする。半年もたたないうちにまた不足になってきて、高い値段で輸入しなければならぬということから、需給安定機関、滞貨調整機関が必要だというふうに主張されていると思います。私は過去の事実から見まして、そういう主張は正しいと思うのでありますが、ちょっとこの機会に、一体戦後今日まで、銅の需給がだぶついて外国にたたき売りをしなければならなかったような時期というものは何回くらいあったのかということと、それから今後そういう時期がくるとすれば、いつごろといいますか、あるいはどういう条件が整ったときにくるとお考えか、これもひとつ河上さん……。
  50. 河上健次郎

    河上参考人 銅を例にとりまして申し上げますが、詳しい数字は、あとで正確な業界の統計を御報告申し上げますが、私の承知しております範囲では、二十四、五年ごろから数年間輸出が続いておりました。それから戦後われわれ滞貨で非常に苦しみましたのは昭和二十九年でございます。第一回は二十九年に不況対策という意味相当出しました。ところがあと二年間たって非常に足りなくなりました。三十一年には相当量入れております。また二年たって、三十三年にはまただぶついて出しておる。また三十三年には銅価が上がりまして、三十七年にまたダウンしておる。集計いたしますと、スクラップで出しましたのが二十九年、三十——この数回、万の単位で出しておる。入れましたのも万の単位、多いときには五、六万トンも入れたかと思います。そういうことで、正確には二年という刻みでございませんが、大体ほぼ二年間で波を打っておるという状況でございまして、これはまことに、そのときに買いますとまた非常に買い付けがあおりまして、海外相場をあおってさらに高値になるということで、だんだんわれわれ業界全体の需要状態も非常に伸びてきておりまして、銅を中心に非鉄——鉛、亜鉛にいたしましても、世界で大体アメリカ、ソ連、これはもうだいぶ数字が大きいのでありますが、そのあとは日本、西独、イギリス、その辺になりますと、もう銅にいたしましても、ことに亜鉛なんかはアメリカ、ソ連を除きました最大のマーケットになっております。銅は四番目かくらいになっております。そういう大きなマーケットになっておりますので、買い付けをやろうということになりますと、それだけでロンドン相場にまた悪い影響を与えるというような、非常に心配をしなければならない情勢になっております。そういうようなことで、あおるような場合にはこれは大事にキープしておくということが、過去の経験から見ても非常に必要なことであるというふうに考えております。
  51. 始関伊平

    始関委員 先ほど銅の国際競争力ということがお話がございましたが、一面におきまして増産の必要がある、また一面におきまして国際競争力、つまり安くなければいかぬということになるわけでございますが、銅の価格というもの、コストというものは、大体品位が一番大きくものをいうと思いますが、これは同時に山の鉱量に関係がございますし、技術、経営の能力といったものとも関係があると思うのでございますが、山がせっかく見つかったけれども品位が低過ぎるとか、その他競争力がだめだということで放棄する場合もしばしばあるのかということ、それから技術の向上などで品位の低下というものを相当補っているのだろうと思いますが、その辺の現況をひとつちょっと簡単にお聞かせを願いたいと思います。これも河上さんから……。
  52. 河上健次郎

    河上参考人 鉱山経営の実情からいいますと、価格が非常にダウンいたしますと、それをやりくり算段いたします場合、どうしても探鉱を少し締めてやりくりをいたしますために、高品位を確保してかろうじてしのいでいくということになります。それから銅価が非常に高くなりますと、低品位を処理いたしまして山の薄命を長らえる、探鉱にも少しがんばって出すというようなことで、過去の経験を重ねてまいったわけでございます。したがいまして、非常に銅価の安い時分には、結局それでやりくりをするためのコストに仕上がるような無理をした操業、つまり山の寿命を低めるような操業をやらざるを得ない。それから好況の場合には、ある程度山の寿命を長びかせるための低品位の操業をいたしますから、計算してみますと、コストはかなり上がった状況に結果としてあらわれてくるということを繰り返しております。したがいまして、その時点時点によりましてコストが必ずしも一定しておらぬという状況でございます。そこで、探査をいたしまして鉱量を見つけましても、これが好況の場合には処理し得て十分ペイできるというふうなものは、これはできるだけ開発の段取りだけでもひとつやっておきたいというのがわれわれの願望でございます。品位がどれくらいが経済的に見合うかという計算につきましては、量の問題、それから採掘の条件の問題等がからんでまいりますので、品位が何%スケールのものがやれるとかやれぬとかいうことを断定することは不可能でございます。鉱員、それから採掘の条件という問題が全部からんでまいります。そういう状況でございます。
  53. 始関伊平

    始関委員 最後に一つだけ伺っておしまいにいたしますが、これは青山先生に伺います。  海外銅資源開発して日本に持ってくるということが非常に大事であると思います。先ほどからお話がありましたが、この海外という中にはカナダ、アメリカのような国、それから中南米、アフリカその他いろいろあると思いますが、要するに先進国あり、また後進国ありですね。そこで、最近の傾向としては、国内産業を助成するというような観点からいきまして、大体銅でいっても精銅で出すのはいやだ、粗銅までやってでなければ出したくないというような国がふえているのではなかろうかと考えておりますが、その辺の状況と、それから日本へ持ってまいりました場合の採算でございますね。運賃からいえば粗銅のほうがいいと思いますが、その辺はどうお考えなのかということをちょっと簡単にお聞かせ願いたい。
  54. 青山秀三郎

    青山参考人 お答えいたします。  私ども対象といたしますところは、さっき申し上げましたように、定款の中にまだ低開発国とはうたっていないのでございます。少しことばは不十分かもしれませんが、主として開発の途上にあるという、それも国で言わないで地域で言っているのです。そうすると、たとえばカナダの非常に開発されてない区域、あるいはアメリカでもそういうところはあろうかと思いますが、そこはどうかということをちょっと考えるのでございますが、やはりそう書いてあるけれども、心持ちは低開発国——向こうさんにそう言っては悪いものですから、多少遠慮もしておるのだと思うのですが、だから大体南米とかアフリカを対象にする、しかしそういうところは政情の関係いろいろありますので、最近は業界の方とも御相談をし、経済協力基金のほうにもお話をして、たとえばカナダのそういうところ、あるいは南米でももう少し開発の進んだ国を対象にしようと思っておりますが、大体ほかの会社さんでやっておられるところに入っていってはじゃまになりますから、まだそこにありそうだ、あれはひとつ開発公団でやったらどうかというようなところを承って出よう。大体いま出ておりますのは低開発国を主といたしますけれども、そういう低開発国でなくて、相当開発されている国でも、そこはまだ開発されていない地域というところも今後お願いしようかと実は思っております。  それから、いまお話がありましたように、そういう場合に一番問題になりますのは、さっき申しました国内の港までの運搬でございますが、これが、海のほうは大体約束がありまして、トン当たり十ドル近所とかあんまり動かないのでございます。ところが国内が非常に変わりまして、さっきの鉄道をかけたり、あるいはトラックで運ぶとか、それも長距離であるとか高い山へ上がるとかいろいろな条件があるのですが、私どもは、ある程度、さっきからお話がございましたように、そういうものを含めまして、品位のほうで少しカバーしたい、こう思っております。一がいに何%とはいえませんが、たとえば南米でも二%くらいほしいのじゃないか、アフリカならもうその五割増しとかいうようなことをいわれておりますが、それはもう一がいにいわれませんので、その地域関係とか条件が皆違ってまいります。一応それでカバーしで、品位の差、あるいは大量に消費しまして、そしてその品位による利益の分をそういうもので埋め合わせてなおかつ国内でやられますよりも幾らか安くなるようにといったような計算をいつもいたしております。
  55. 始関伊平

    始関委員 持ってくる形は精鉱が多いのですか。
  56. 青山秀三郎

    青山参考人 大体はいままで精鉱を期待しておりましたが、これはどうも精鉱で持っていかれますとその国では御満足いかぬのですな。何か製錬して、ブリスター、粗銅でやりますと、うんとおっしゃる。今後はやはりそういう製錬が問題で、粗銅までつくるような話がどこにでも出てくるだろうということを思っております。それが一般の傾向でございます。
  57. 天野公義

    天野委員長 沢田政治君。
  58. 沢田政治

    ○沢田委員 参考人の方々にお伺いするわけですが、その前に、局長に一点だけお伺いしたいと思うのです。  私、きのう、この委員会で需給安定機関の問題について繰り返し繰り返し質問したわけです。当初、大臣は、需給安定機関必要性はわかる、だけれども、それぞれの利害もあり、それぞれの複雑な問題もあって、早急には結論出しにくい、こういう御答弁を繰り返しておったわけです。重ねて私お伺いした結果、特に私強調したのは、利害はあるはずだ、電線業界にしても伸銅業界にしても産銅業界にしても、その意見が完全に一致すということを待っておったのでは、これはもう百年河清を待つようなものだ、しかも、国会の本会議場では、十円銅貨までつぶさなくちゃならぬじゃないかという議論まで発展している現状において、需給安定機関というものは産業政策の上からいって早急に必要であるという点を強調した結果、昭和四十二年度に結論を出します、こういう答弁をしておるわけですよ。ところが、局長、あなたさっきの答弁では、むずかしい問題がありますので検討いたしますとか、努力いたしますとか、大臣の答弁よりも一歩後退した答弁をしておるわけですよ。これはもう明らかに私遺憾だと思うのです。だから大臣が答弁したことをすなおに——これは議事録にも残っていますから、そういうように答弁したということをここで御確認願いたいと思うのですよ。
  59. 両角良彦

    ○両角政府委員 御指摘のように、昨日大臣が御答弁申し上げましたのは、いろいろ問題もあるけれども、この需給安定機関についての結論、やるかやらないかの問題を含めました結論は、四十二年度中に下しますというふうに答弁をしております。先ほど、私申しましたできるだけ早く結論を出すということは、全くその趣旨を繰り返したつもりでございます。
  60. 沢田政治

    ○沢田委員 河上さんにお伺いしますが、一ころ、自由化を前にして金属鉱業政策というものは必要だ、こういう点が各界からいろいろ出されておったわけです。ところが、当時は、自由化を前に控え、かつ不況の時期であったので、何か金属鉱業鉱業政策といいますと業界保護政策じゃないかというような一部の誤った印象も非常に多く持たれておったわけです。ところが、私は、この金属鉱業政策というものは業界保護じゃない、やっぱり産業政策の上で重要な位置を占めるのじゃないか、こういうように考えておるわけです。たとえば、一ころは、何も日本資源賦存の悪い鉱山をいじくり回さなくても、外国からどんどんどんどん鉱石を買ってきたほうがいいじゃないか、地金を買ってきたほうがいいじゃないか、それを保護する必要がないじゃないか、こういう議論が特に大蔵省を中心としてなされたやに私は聞いておるわけです。ところが、今日の状況を見ますと、結局銅は貴金属にさえなっておる。原料がもう入手できないで原料倒産さえも出ておる。そういううわさも出ておるわけです。たとえば伸銅業界あるいはまた電線業界合わせて五百ぐらいあるわけでありますけれども、との九七%は中小企業なわけです。あとの三%の大企業はそれぞれの系列から銅の原料供給ができるけれども、他の九七%は、高い安いは別としても、手に入らぬというような深刻な状態になっているわけです。そういう面からいって、これに関連してお伺いするわけですが、先ほど、そういう意味じゃないと思いますけれども、何か今日の銅の需給の逼迫は、ザンビアの問題あるいはベトナムの問題、チリのストライキの問題、現象的なものであると言ったとは思いませんけれども、将来解決するのだ、供給は安定するのだというような印象も若干私受けたわけでありますけれども、見方によると、これは、そういう現象もあるけれども需要供給関係において構造的なものじゃないか。そういうような深刻な背景があるのじゃないか。値段は若干落ちついたとしても、需要供給の面では相当急にこれが緩和されることがないのじゃないか。こういうように言われておる向きもあるわけです。したがって、供給が、これは簡単に外国から入ってくるのであるならば、やっぱりものの考え方として、じゃ国内をどうするか、国内開発しなくてもいいじゃないか、こういう問題ともからみ合ってくるわけです。したがって、私の考え方としては、今日の銅の需給の逼迫は、ベトナムとかそういういろいろな特殊な条件はあるけれども、やはり技術革新は先進国だけじゃない、後進国もどんどんどんどん今度はやはり技術革新をして工業化していくと思うのです。そういう面から考えるならば、一時的な現象じゃない。したがって、国内開発というものも大きな比重を持ってなさなければならぬものじゃないかということ、と同時に、鉱業政策必要性というものは、決して金属鉱業保護政策にあるのではなく、産業全般上に占める地位というものはやはり大きいじゃないか、こういうように考えますが、一言でもけっこうですからひとつ御所見のほどをお伺いしたい、こういうように考えるわけです。  さらに、続けて申し上げますが、これは加賀山さんにお伺いします。  公団とか事業団とか公社がたくさんあるわけですが、中には評判の悪いものもあるわけですけれども、特に金属鉱物探鉱促進事業団は非常に模範的だ、地域住民から非常にほめられておると思うわけです。そう言ったとしても決して過大な賛辞にはならぬと私は思うのです。特に秋田黒鉱において非常に側面的な援助をされまして思いがけない資源開発されておる。しかも金額に直すと一兆円に達する。こういうことに対して非常な御協力を願っておることに私は非常に敬意を表しておきたいと思うのです。  そこで私は一点か二点聞きたいのは、いま特に北鹿地帯でなされておるわけであります。さらに北鹿地帯と、今年度から四国の白髪山ですか、二カ所でやることになるわけですけれども、これをさらに分散しないほうがいいじゃないかと思うのです。というのは、いま白髪山と北鹿はけっこうですよ。だけれども、わずか三億か四億の資金量で、鉱業権者から言わせるならば、おれのほうもおれのほうもという希望は確かにあると思うのです。あると思うけれども、自主探鉱の資金が十億になり二十億になる、そうなればやはり数カ所あるいは十カ所に分散してもいいわけだけれども、わずかに三億や四億の金で六カ所も十カ所もふやしたのでは、気休めにはなるけれども、効率的な使用にはならぬと思うのです。したがって、黒鉱開発なら黒鉱開発を、完膚なきまでということばはあるわけでありますけれども、徹底的に調査して、それが終わったならば今度はキースラーガーとかそういうほうが、かえって同じ国の金を使うのであるから効率的じゃないか、こういうように考えておるわけでありますけれども、私見でもけっこうでありますから、ひとついただければ幸いと思います。  それと同時に、黒鉱の胚胎層準を把握するために、有孔虫化石の渦巻き型があるところは大体胚胎層準だということで、女の子たちが調べて見ているわけです。これは企業でなされておるようです。当時は大体石油でこれはやっておったのです。それでこういう基礎的なものは、民間企業でやるんじゃなく、かえって事業団でもこういう方面にやはり力をかしたらどうか。これは小さいことでありますけれども、そう考えております。これに対しても御意見を賜わりたいと思うのです。  それから原口さんにお伺いしたいわけでありますが、特に原口さんは鉱業審議委員でありますので、特に鉱業審議会はいろいろ数々な鉱業に関する具体的な審議を願っておることは非常に御苦労さんだと思うわけです。ただ、産業の技術革新というものは否定したとしても、これは否定し得べきでないわけであります。その一環として臨海の製錬所、製錬所の大型化、計画化、これもけっこうなわけです。けっこうだけれども、そこには長年住みなれた労働者がおるということです。したがって八百トンや千トンの製錬所をつぶして臨海に持っていったほうが、物理的に非常に合理性があるということは、そういう面からは言えるわけだけれども、そこに現に何十年も住みなれている労働者がおる。あるいはまた地域経済に及ぼす影響もある。雇用の面と地域経済に及ぼす影響、地方自治体に及ぼす影響。なかんずく鉱山労働者は、石炭もそうでありますけれども、そう簡単に流動性がないわけです。いつでも、どこへでも飛び出すというわけにはいかぬわけです。そういう面から考えて、特に私は金属鉱山合理化ないしは製錬所の近代化、適正配置、これもけっこうだけれども鉱業審議会としては、そういう経営の内容とか、合理化とか、合理性とか、そういうものと同時に、あわせて人の問題をどうするか。大きい製錬所をつくるのはけっこうだ。だけれども、人をどうするかということも、もう少し真剣に審議会考えるべきじゃないかと考えるわけです。さらにまた、産業内の労働の移動は見られておるようでありますし、これは私も賛成であります。けれども、ほとんど現実企業内に吸収するか、退職するかしか手がないわけです。したがってこれは河上さんのほうにも若干入るわけでありますけれども、やはり産業全体として人の移動の計画ですね、わがほうはこれだけの合理化をしなくちゃならぬし、これだけの人が余るから、どこか資本系列が違ったとしても、その労働力を受け入れる、こういう体制が必要ではないか、こういうように考えますので、原口さんと河上さんにお伺いしたい、こういうように考えるわけです。  さらに青山さんにお伺いしたいわけでありますが、海外鉱物資源開発株式会社は設立以来日浅くて、確たる実績が上がっておらぬということは、私もこの委員会できのう指摘いたしました。これはやむを得ないでしょう。さらにはまた一般の産銅会社のほうが海外開発の先輩なわけです。そういう意味でデータもそろっておらぬという面もあると思いますが、そういう意味で実績が上がっておらぬということをここで追及はいたしません。そこで一般の産銅会社もこれをあまり利用しておらぬようです。したがって私はここでひとつお望みしておきたいことは、答弁はけっこうですが、民間の一般の産銅会社とデータの交換とか、そういうものを協調したほうがいいじゃないか。定期的に情報交換とか、そういうふうに協調体制をとったほうがいいじゃないかと思うのです。いずれにしても国策に、国の利益になればいいことであって、皆さん会社は一発当てて大もうけしようということじゃないと思いますから、いずれにしても国の利益になるという前提に立って、先輩格である産銅会社と情報交換とかそういう協調体制をとられることを、特に望んでおきたいと思うわけです。  さらに中小企業宮崎さんに私は意見をお伺いしたいことが一点あります。  それは中小企業の数、千八百と言いましても、当面稼行しておらぬ鉱区もその千八百の中に入っておると思いますが、しかし対象になっておるのが百九十四鉱山ですか、これをもう少し広くしてくれという御議論です。私も気持ちとしては非常にわかるような気がします。しかしながら四億一千万くらいの金を、五万円とか三万円とかみなに賞与でもくれるようにやったほうが効率的なのかどうか。私は非常にこれには自信が持てないのです。これが五十億とか六十億であるならばいいですよ。二十万円か三十万円の新探査補助金をもらって、これは非常に効率的であるのかどうか。いろいろ御事情もあるでしょうし、お気持ちはわかると思いますけれども、これに対して御意見を若干お伺いしておきたいものであるというふうに考えます。  それと同時にもう一つの補助単価引き上げですね。あなたは、補助率は大体五〇%になっているけれども実際は四〇%くらいだ、こういうことを言っておりますけれども、私は正直に言って四〇%にもならぬと思うのですよ。あなたは非常に謙虚にここで申されましたね。と言いますのは、一般の融資対象になるのは大手の場合は間接費が含まれておるわけです。中小の場合は間接費じゃなく直接費だけなわけです。私の調査によりますと、総額の二〇%は間接費になるのじゃないかというふうに考えます。そう考えますならば、四〇%にもならぬ。三〇%くらいにしかならぬと思う。と同時に、膨大な高くかかるような見積もり書とか計画書を持っていけばはねられるわけだ。だから実際の必要額よりも、通産省の基準に合うように下げて持っていっておるわけでしょう。そう考えるならば、ある意味から考えるならば、二〇%くらいにしかならぬかもわかりません。私はそう思うのです。そうじゃないかどうか。私の独断かどうかお聞かせ願いたいと思うのです。大企業の場合でも、五〇%と言っておるけれども、五〇%以下じゃないかと思うのです。たとえば立て坑をつくる場合でもプラットが入るとか入らぬとかいろいろな条件があるから、大企業の場合でも五〇%になっておらぬじゃないかと思うのです。したがってこれは通産当局のほうにお願いしておくわけでありますけれども、補助単価の問題についてはそういう意見がいま述べられておりますから、そういう事情も加味して十分考慮すべきではないか、こういう点を申し上げておきたいと思います。
  61. 加賀山一

    加賀山参考人 お答え申し上げます。  御質問の第一点は、北鹿、白髪山地区をことしは精密調査をやるが、これを今後数多く分散するということはどんなものだろうかという御質問だと思います。私ども今度は広域調査のほうは御承知のとおり十カ所程度やることになると思いますが、広域調査の中で、われわれとしてはまた特に優良鉱床の発見の可能性の最も強いというところに精密構造調査をやる、こういうのを常道にいたしておりますので、これも予算の関係もありますので、今年度は北鹿、白髪山ということにいたしておりますが、来年度におきましても、そう個所は多くなるとは考えられません。これはまた非常な予算でもつけば別でありますけれども、そういうことは考えておりません。おそらく今後また北鹿の地区でも、ことしの精密調査成果によってはさらに続ける必要も起こると思います。白髪山においては、これはまだ始めたばかりで、相当まだ長期にわたってこの地区は調べなければならぬ、こういうふうに考えております。  それから大館地区の泥岩の中の有孔虫を事業団でやるべきだということ、これは会社御自身でやっておられるボーリングは会社でやっておられる。しかしわれわれのほうで精密調査で、ボーリングをことしは四十九本おろしております。それにおける有孔虫は事業団自身の手でやっております。ほかの会社の分までやっておりませんが、われわれのほうで打っておるボーリングの有孔虫はわれわれのほうでやっておるということでございます。
  62. 河上健次郎

    河上参考人 沢田先生の御質問にお答え申し上げます。  第一点でございますが、例を銅にとりまして、国際的な需給構造、当面の断面は先ほど申し上げたようなわけでございまして、かなり長期的に見ましても、かつてのような非常に銅が余ってしかたがない、あるいは暴落するという状況はちょっとこないんじゃないかと思います。先ほど私が申し上げましたのは、一トン七百ポンドと申しますと七十万円であります。七十何万円もするようなLME相場というものは、現在の状況を見ましても、全くこれはひどい状況でございまして、こういう状況はベトナム戦争の推移という点は大いに問題でございますが、こういう点はおそらくそのうちに沈静するだろうという意味に御理解をいただきたいと思います。  そこで、第二点の御質問の鉱業政策、私どもも大いに要望いたしましたし、先生方にも大いに音頭をとっていただきました鉱業政策は、われわれ業界だけの立場、それだけを見ての主張では当初からございません。当初からわれわれの主張は日本金属鉱業のあり方として、どうしても国内鉱山を育成していかなくてはならない、国内供給源を持たなくてはならない、山というものは一たん閉山するとだめになってしまう、雇用の安定という点から見ても、また需要業界に対する供給責任から見ても、どうしても維持育成していく必要があるということでありました。これがまだ探鉱にいたしましても可能性は大いにあるんだ、やりようによっては大いにあるんだというふうな点を強調いたしまして、そういうことによりまして、鉱業界が将来基礎が確立して、だんだんと国際競争力に耐えることによって需給の安定の大きなプラスがあるんだ、そうでなければ衰微の一途をたどれば、将来ますます需要の増加が期待される需要業界原料は全部輸入しなければいかぬ、たいへんな外貨の損失になる。のみならず、非常に世界的に不足をした場合には物が思うように入ってこないし、また非常に高いものを買わなければならないということになって、国家的な損失であるということを大いに痛感いたしまして、そういう点を強調したわけでございます。現在の私どもの心境といたしましても、冒頭に申し上げましたように、国際競争力をつけて、もっともっと国際競争力をつける必要がある。それから需給の安定をはかるというこの二つの大きな点が私どもの責任であるということを痛感いたしております。そういう意味合いにおきましても、鉱業政策のこれ以上の強化拡充を要望しておるという次第でございます。  今日の断面におきまして、世界で最も安い銅を使っているのはアメリカでございます。御承知のように、国内は一ポンド当たり三十六セントでございますから一トン当たり二十八万八千円、この銅をメーンに使っております。一部はプレミアムがついた高い銅を買っておりますけれども、全般といたしましては、あのストックパイルの組織が完備しておる。またあの鉱業のしっかりしたあり方、これによりましてアメリカが一番安定した比較的安い銅を使っておる。二番目はベルギーでございますが、これはかつての投資の先のザンビアからPPベースで比較的安定したベースの銅を使っておる。ところが国内資源がなくて、しかもそういうひもつきのルートのないドイツのごときは世界じゅう一番高い銅を使って、ほとんど全面的に輸入しておるわけでございます。フランスもしかり。国に資源がなければ、現実の姿は惨たんたる、高い銅を買っておる。日本は最近年間約四十五万トンの需要に対し、生産は三十六万トン、そのうち国内鉱からは約十二万トンの産出をあげるようになってきました。それから、いろいろひもつきのルートも持っておりまして、まあまあEMJベース中心のやつが十万トン近くなってまいりまして、約二十万トンというものがそういう安定の資源をはっきり確保しておりますので、非常に迷惑ではございますけれども、まだまだ、おかげで、世界のほかと比べますと、まずどうにかこれでやっていけるということでございまして、国内鉱も十二万トンではこれは困るわけでございます。これはやはり十五万トン、二十万トンペースに早く持っていかなければならない。海外のほうもひもつきのいい条件で安定の供給をどうしても持ちまして、四十万トンのうちの比率をもっと上げる。年々需要が増大いたしますので、ますますこれはそういう点の拡充強化によりまして、政策の拡充強化、われわれの努力と相まちまして安定鉱源をふやしていく必要がある、かように考えておる次第でございます。  なお、先ほどの一つの共同化というふうな問題に関連いたしまして、従業員措置というふうなことにつきましては、これはそういう大きな一つの動きの一環といたしまして、私ども経営者の立場でも十分配慮を要すべき点であるということは御指摘のとおりございまして、冒頭の私の御説明にも申し上げましたように、かりにスクラップ化をする必要がある場合には、スクラップ化に対するあたたかい政策措置が必要であるということを申し上げました。需要につきましてもそういう点につきましては御指摘のような点は考慮する、研究を要する問題である、かように考えておる次第でございます。
  63. 原口幸隆

    原口参考人 労働者の流動の問題ですが、これは石炭山に比べても金属鉱山のほうが流動性は少ないし、動きにくい性質を持っておりますし、また技術的な面から見ても、そう簡単に製錬夫や坑内夫ができ上がるわけじゃありませんので、また御指摘のように地域経済というものと密接に結びついておりますから、そう簡単に一企業内の判断だけではわれわれは賛成することはできません。そこで現在までの金属鉱業鉱業政策というものは、あくまでも私企業が中心でありまして、それを多少援助するという姿がいままでの金属鉱業政策の客観的な姿だろうと私は思います。それがこれからは探鉱事業団なり製錬所なりを例にとりましても、もう少し私企業協力させるなり共同化させるなりしていかなければ——現時点の企業のメリットだけを考えないで、日本全体の将来の産業の姿というものを想定した場合には、もっと国が前面に出るなりあるいは業界が相互に現在のメリットよりも、将来の産業の防衛なり発展のことを考えての鉱業政策のあり方、探鉱事業団のあり方、共同製錬所のあり方というものが望ましい。その場合には労働者の移動についてもわれわれは協力できる、そういう意味で申し上げたわけです。
  64. 宮崎茂薫

    宮崎参考人 御質問にお答えいたします。  先ほど千八百の鉱山のうち百九十四が交付を受けておる。その他の鉱山の中に、五十万以下のもっと細分した交付をしたらどうだということを申し上げました。これは御指摘のとおりあまり公団の探鉱費なんというものを細分して、五万や十万や二十万というものをやるということはほとんど効果はないようにそれは私も考えます。ただ現在の五十万を一応線として、それ以下の山はほとんど交付されておりませんですが、やはり五十万で切るということがはたして妥当であるかどうか、もう少しいまの線以下のところを、そんなにたくさんでなくても、簡素に交付できるような形の別ワクをいままでの従来の探鉱助成金のほかに別ワク融資額を出してもらって、二十なり三十の鉱山を選んで、三十万なり四十万なりの交付を実施してみる。そしてそれがほんとうに効果的に使用されるならば、これをだんだんに広げていくということは、一つ鉱業政策として一応やってみるのがまあほんとうじゃないかというようにわれわれは考えるし、またわれわれの業界の中でもそういう意見が出るわけです。したがって、中小対策の本部長といたしましては、やはりそういう声をこういう機会に申し上げて反映さしていく。何も一ぺんに何百の山にこうということでなしに、漸進的にそういう対策をやってみて、それが実際に国費の浪費になる、ほんとうに鉱業政策という意味をなさないということであれば、これはいたしかたないですけれども、やはりたくさんの山の声というものを無視するということは、私の立場としては困るし、政府としてもそういう点は一応留意していただかなければいかぬじゃないか、こういうふうに考えます。  次にこの補助金の単価の問題ですが、これは山によりまして実際にその所要経費が非常に相違があると思うのですよ。そうしてこれを実際に交付された金の使い方というものは、これはもう現に会計検査院なりそれからまた鉱山局の監督のもとに厳重にやっておりますから、したがってそういうような法的な面からあまり画一的な金額は出しにくいというようなこともあるかもしれませんですが、各鉱山会社ではこの補助金の使用というものは非常に慎重にやっておるわけです。これは非常に話が余分になりますが、かつて前総理の池田さんが通産大臣をされておるときに、探鉱奨励金の増額をじきじきお目にかかって増額してもらった。その後お会いするときに、あの金はどういうふうに使っているのだ、ほんとうに有効に使っているかという御質問をいただきましたですよ。そのときにわれわれは、あれはもう会計検査院の検査も受けますし、政府の施策をほんとうに生かすようにわれわれは使っておるということで、御安心いただきたいということを申し上げたのですが、そういう意味において、われわれは、いたずらによけいな金をもらってという考えはございませんが、一般的に見て、どうしても五〇%を切れておるのが相当あるじゃないか、だから四〇%も多いじゃないかというように、これはもう一つ一つの山をほんとうに調べないと申し上げられませんけれども、やはり各山々の声、こういうものを一応私の耳に入る限りはここで申し上げて、できる限り五〇%の補助という目的に沿うように、そうしてほんとうに中小鉱山が生きていかれるように……。私は思いますのに、現代の日本の経済界、産業というものは、いわゆる経済戦争では第二次大戦のマリアナかフィリピンの戦争のようなところへこれから差しかかるのではないかと思います。ここは非常にむずかしいところですからね。したがって、政府でもこういうむずかしい産業とか重要な産業に対しては、相当の深い配慮のもとにやらぬと、日本は経済戦にもまた負けるじゃないか。われわれの鉱山においても、それはもうおそらく大手さんでも必死になってその対策はやられておると思う。いわんや中小においてはそれ以上にやはり脆弱ですから、それをやはりどうしても、社会、国家のためにもあるいは従業員のためにも守って健全な発展をしていきたい、こういう考えでおりますから、言い過ぎな点がございましたらお許しを願うと同時に、十分そういう点に留意した鉱業施策の推進をお願いいたす次第であります。よろしくどうぞ。
  65. 天野公義

    天野委員長 他に御発言もなければ、参考人に対する質疑はこれをもって終了することといたします。  参考人各位には、御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、ありがとうございました。  次会は明後八日金曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十六分散会