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1966-03-22 第51回国会 衆議院 商工委員会 第17号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十二日(火曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 天野 公義君    理事 浦野 幸男君 理事 小川 平二君    理事 河本 敏夫君 理事 始関 伊平君    理事 板川 正吾君 理事 田中 武夫君       内田 常雄君    小笠 公韶君       海部 俊樹君    神田  博君       菅野和太郎君    黒金 泰美君       佐々木秀世君    竹山祐太郎君       中村 幸八君    二階堂 進君       三原 朝雄君    五島 虎雄君       沢田 政治君    島口重次郎君       栗山 礼行君  出席政府委員         通商産業政務次         官       進藤 一馬君         中小企業庁長官 山本 重信君         中小企業庁次長 影山 衛司君  委員以外の出席者         通商産業事務官         (大臣官房長) 大慈彌喜久君     ————————————— 本日の会議に付した案件  中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する  法律案内閣提出第三四号)  中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案  (内閣提出第三五号)  中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法  律案内閣提出第九四号)      ————◇—————
  2. 天野委員長(天野公義)

    天野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、同じく中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案及び同じく中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際、内閣提出中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について、政府委員から発言を求められておりますので、これを許します。山本中小企業庁長官
  3. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 去る二月二十四日、当委員会に付託になりました中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案の附則に誤りがありましたので、一部訂正をお願いいたしたいと存じます。  本件は、助成法の今回の改正により、題名が中小企業近代化資金等助成法に変更されること、及び第三条に第二項が追加されることに伴いまして、本法を引用して事業協同組合等に対する不動産取得税納税の免除を規定している地方税法第七十三条の二十七の五第一項の条文を整理しようとするものであります。この整理漏れは、全く当方の手落ちによるものでございまして、申しわけございませんが、何とぞ事情御賢察の上、正誤をお認めくださいますようお願い申し上げます。
  4. 天野委員長(天野公義)

    天野委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。海部俊樹君。
  5. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 中小企業の三法案を御質問します前に、全体の問題として、最近の資料がありましたらお答え願いたいと思いますことは、中小企業そのもの実態についてであります。できれば全体の事業場の数、中小企業に従事する総人口生産に占めておる割合輸出の中に占めておる割合、それから、もしわかりましたら、税負担の中において、中小企業者というものはどれくらいの割合で負担しておるかということを、最近の統計でお答えをいただきたいと思います。
  6. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 中小企業の占める比率でございますが、まず第一に、お尋ねの事業所数は、全産業の中で中小企業の数が三百八十八万二千事業所でございまして、全体の中で九九・五%を占めております。次に、生産における比率は四八%、輸出における比率は五一%となっております。それから納税額でございますが、昭和三十九年度納税額で申し上げますと、中小企業者納税分が三千七百三十八億でございまして、全税収額のうちの二二%を占める、こういう状況になっております。
  7. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 こういろ非常に重要な地位にあります中小企業でありますが、特にこの数年来中小企業に対していろいろと曲がりかどにきておるとかあるいは中小企業の危機だということがよくいわれるわけでありますが、政府がいま持っていらっしゃる中小企業対策根本精神は一体何であるかということを、いまさらのようでありますがここで確認しておきたいと思うわけであります。同時に、最も現在力を入れて、これだけはやりたいとお考えになっておる中小企業政策の中で浮き彫りになっておる目標は何であるかということをお答え願いたいと思います。
  8. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 中小企業対策は、現在中小企業基本法精神にのっとりまして、中小企業者の自主的な努力というものをまず大前提に置きまして、それに基づいて政府がいろいろな助成策を講ずることによりましてその体質改善をはかり、国際競争力向上させるということを目標といたしておる次第でございます。最近は中小企業が存立しております基盤と申しますか、経済環境も刻々と変わっておりますので、中小企業者が新しい時代にふさわしい体制を整えるということがきわめて緊要になっておりますので、そらした観点からいろいろな施策を講じておる次第でございます。その大きな柱といたしましては、まず第一に中小企業近代化でございまして、設備の面あるいは技術の面、経営の面におきまして新しい国際環境、新しい国内の市場条件に耐えて生きていけるような近代化を推進するということを当面一番大きな課題といたしておる次第でございます。そのためには、一般会計予算の面におきまして、設備近代化あるいは高度化のための資金の量的及び質的な充実をはかりますと同時に、財政投融資の面におきましてもそうした施策が十分に実施できるようなワクをとりまして、そうして中小企業者自主的努力を助けていく、こういう方法考えておる次第でございます。  それからもう一つは、中小企業自分体質改善考えます場合に、いろいろな面で相談相手が必要でございますので、中小企業に対する指導体制を整備するということを大きな政策の柱といたしておりまして、県の指導体制あるいは中央会商工会等のそらした指導組織を充実することも重要な政策の柱として考えておる次第でございます。
  9. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 たいへん申し上げにくいことを言うようで恐縮ですが、私どもが、青年会議所の仲間や、あるいは地方を回っていろいろ中小企業の若手の経営者と議論をしておりますと、いろいろなことを政府考えてやっていただける、あれもこれもたいへんたくさんしていただけるのだけれども、あまりたくさんあり過ぎるので、一体自分がそれに乗っかろうとしたときに、どれに乗っかったら一番いいのかということがあまりピンとこないし、それからあまりたくさん窓口をおあけになっておるのでピントがぼけてきておるんではなかろうか、こういうことを言う意見があるわけです。そういう意見が耳に入っておるかどうか知りませんけれども、極端なことを言う人に言わせると、助成もいいけれども、助成を受けるとか、あるいは無利子の設備近代化資金のお金を借りてくると、借りた人と借りない人との間にさらに格差ができるのではないか、十分な資金量があって、中小企業者の中でこの金を利用したいと思う人が、大多数借りられるとまではいかなくても、大体要求は満たされるくらいの額があればいいけれども、非常に額も少ない、そういううらやましがられる一部の特権階級をつくるくらいならば、そういうことに力を入れないで、むしろ全員にひとしく恩典が行き渡る税制面に力を入れてもらったほらが、より親切でありがたい中小企業政策だ、こういう極端なことを言う人があるのであります。そういう町の声に対して、長官はいままでそれをお聞きになったこともあろうかと思いますが、それに対してどういう見解を持っていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
  10. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 中小企業政策が比較的粒の大きい企業にだけ片寄って、その底辺にあります膨大な数の小規模企業零細企業にまで浸透してない、こういう御批判を実は私自身も再三耳にしたことがあるのであります。それで、そうした意見に対しまして、私は今度新年度予算あるいは財政投融資考えます場合に一番重点を置きましたのは、中小企業政策をできるだけ広く、特に零細企業にまで浸透させるということでございまして、工場アパート制度とか機械貸与制度とか、まことに規模においては小さい試験的なものでありますけれども、そうした心がまえに基づいて努力をするそのあらわれというふうにおくみ取りいただきたい次第でございます。いろいろなことをするよりも、何かきめ手になるようなものを一つどすんとしたらどうかという御意見もあるのでありますが、実は日本中小企業業種業態も非常に複雑でありまして、なかなか一発で勝負できるような状態ではございません。やはり実情に合わせてやっていこうとしますと、どうしても相当にきめのこまかい仕事を展開せざるを得ないのであります。ただ御指摘のように、それがはたして量的に十分であるかといいますと、われわれ大いに反省をして、着実にもっともっと量をふやし、幅を広げ、高さを増していく必要があることは痛感しておる次第でございます。また税のお話がございましたが、これはまた非常に中小企業にとっては重要な問題でございますので、新年度税制改正におきましては、従来に例を見ない大幅な税の改正が行なおれる方針になっておる次第でございます。
  11. 浦野委員(浦野幸男)

    浦野委員 関連してちょっとお尋ねします。  先ほど海部君の質問に対しまして事業所の数を御報告になりましたが、ちょっとお聞きしたいことは、中小企業といいましても非常にいろいろな種類があるわけですが、この中で生産部門を担当しておるのと流通部門を担当しておるのと、この件数までも、ちょっとわからないかもしれませんが、比率はどんなふうになっておるかお聞きいたしたいと思います。
  12. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 非常に大ざっぱに申し上げまして、企業の数で申し上げますと全体の約半分が商業でございます。それから残りの半分のうちのさらに半分が製造業残りサービス業、こういうような分布になっております。
  13. 浦野委員(浦野幸男)

    浦野委員 そこで、いまいろいろな中小企業対策が行なわれておるわけでありますけれども、この間の国勢調査でいいますると九千八百二十七万という人口の数が出ておりまするが、中小企業に携わる人口もおのずからわかっておるわけでありまするが、政府はいまいろいろ設備近代化とかあるいは高度化とか中小企業育成をはかっておるわけですけれども、現在日本の国で非常に零細企業が多いといわれておるが、この中小企業を、自由経済でありますから、商売をやりたいと思えばすぐ自分かってにどんどんと企業を始めていくあるいは商売を始めていく。そこで商売を始めていって、どうも調子が悪いとなると政府責任だというふうに、一方では自由に企業を始めていって、調子が悪いと政府責任にも大きくかかってくるわけであります。そこで、国の中小企業に対する基本的な考えは、いまの企業がまだふえてもいいのか、これをなるべく企業数を減らす考え方で進んでおるのか、ここらのところにこれからのほんとう中小企業対策として基本的な考え方——なるべく企業を合同させるとかあるいは企業規模を大きくさせるとかいうことにもっと重点を置いていかなければならないと私は思いますが、その点政府考え方は、現在いろいろな制度が行なわれておりますが、個々企業がますますふえていくというような方面に助長していけば、さらに私は混乱をいたしてくると考えられるが、もう少し企業を減らすという方向に力を入れていただきたいと思っておるのだが、その点どうですか。
  14. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 中小企業が非常に今回の不況でも深刻な困難に遭遇いたしました要因の一つに、やはり企業の数が非常に多い、そして規模一つ一つが小さい、その結果過当競争が起きるということがあげられると思います。いま先生がお話しになりましたように、今後の中小企業全体のあり方を考えますと、やはりそうした多過ぎる企業あるいは規模が小さい企業をちゃんとした抵抗力のあるものにしていくというためには、規模もある程度大きくし、そしてまたお互いの間が協調できるような体制にしていくということが、私は基本的に必要であろうと思います。いまいろいろな政策をとっております幾つかの政策を貫いて共通の一つ考え方としては、協業化といいますか共同化という問題がございまして、これは言いかえますならば、いまお話しのような企業の小さ過ぎる不利を是正してそしてある程度規模を大きくしていく、それによって競争力をつけていくということにあるわけでありますが、反面から言えば、それによってある程度企業の数が整理されていくということにも通ずるわけでございまして、その点におきましては私は今後の趨勢としてそういう方向に持っていくべきだろうと思います。ただ、その場合の手段、方法でございますけれども、今日のような自由企業体制でございますから、個々企業家がそういうところをみずからが自覚して、そしてそういう方向にいくように誘導していきたい、これは強制的な力とか法律によって云々するということは考えるべきではない。このように考えております。
  15. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 近代化促進法改正についてお尋ねいたします。  近代化促進法業種指定昭和三十八年度から始まってすでに三カ年を経過したわけでありますが、そのうち指定を受けた業種の数は全体で六十八と聞いておりますけれども、このらち近代化計画がすでに作成されて実施中になっておるものは何業種ぐらいあるでしょうか。
  16. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 近代化促進法に基づいて指定された業種の数はお説のように六十八業種でございまして、そのうち三十八業種がすでに計画ができております。残りのものにつきましても、ただいま準備のための調査を進行さしておりまして、順次その計画をつくる予定で進行いたしております。
  17. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この業種指定は四十一年度もおやりになるつもりであるかあるいは大体いつごろまで続けて、何業種くらいの指定をしたら、この法律目的である業種指定で全般にこの政策が及ぶようになるとお考えになっておるのか、今後の見通しについてお尋ねいたします。
  18. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 四十一年度も続いて業種指定をする予定にしておりまして、ただいま下審査実施しておりますが、当初目標は二十五業種ということでございます。大体それに近い数字の業種指定する予定でございます。  今後の見通しでございますが、今回この法律改正によりまして、なお二年この指定期間を延長いたしましたので、その間に所要の業種についてはすべて推定を完了したい、かように考えております。あとどのくらいの業種になりますかは、ただいまのところはっきりしためどはございません。おそらく四十二年度も、おおむねそれに近い程度業種指定することになろうかと思います。
  19. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 そうしますと、三十八業種実施中であるというお話でありますが、昭和三十九年に二十四業種指定であって、そのうちの大体十八業種くらいしか実施されていないということになってまいりますと、せっかく指定を受けながら、計画が生まれて実行されるまでに一年以上の時間的な空白がある、これではせっかくの計画も無意味になるのではななかろうかという感じがするのでありますが、これをもう少し今後急がれて、なるべくせめて一年以内に実施できるように御努力願うということは、現在の体制からいっては無理でしょうか。あるいはそれを無理にしておる理屈か何かあるのでしょうか。
  20. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 三十九年度指定業種の中で、まだ計画ができていませんものにつきましては、あと二、三カ月のうちには、この計画の作成ができる見通しでございます。指定をいたしましてから計画を作成するまでの間に若干期間がかかり過ぎるという御指摘でございまして、今後もこの点は私たちもできるだけ促進をいたしたいと思います。若干時間がかかっておりますのは、何と申しましても、ある程度長い期間にわたって今後業界のガイドラインになるものでございますから、まず実態調査をよくする、そしてそれから計画につきましても、コストの面あるいは適正規模の面、品質面等につきまして、いろいろな角度からの検討を慎重にするというふうなことで時間がかかっておるのでありまして、いままでのところ若干長過ぎるという感じはございますけれども、私たちのほうのスケジュールからいいますれば、大体計画どおりに進んで、いるというような感じでございます。しかしなお御指摘の点もございますので、さらに促進方については努力をいたしたいと思います。
  21. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この計画をお始めになってまだ三年でありますので、必ずしも的確な質問かどらかはわかりませんが、業種指定をしたがために飛躍的によくなったという業種というものがあったら、代表的に一つだけでけっこうでありますから、どの業種が具体的にどういうふうによくなったということを知らせていただきたいと思います。
  22. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 業種全体として非常によくなったという例は、ただいまのところちょっと申し上げにくいのでございますが、個々業種の中で、この指定を受けましたために特定の会社がいろいろな面で非常にプラスになっておるという点は申し上げ得ると思います。たとえば合板製造業のある会社は、その指定を受けましたために割り増し償却等恩典を受けまして、そして従来自力ではむずかしかったいろいろな設備改善等をやりまして、能率を二割程度もあげ、また人員のほらも節約をすることができた。それからミシンの部品の製造業のある会社におきましても、この制度をうまく使いまして合理化実施して品質向上生産能率向上実施した、こういう例がございます。
  23. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 せっかく業種指定を受けましても基本計画のできる段階において何か実態調査が非常にむずかしいということと、それからやはり零細業者はカットされるのではなかろうかという不安の声をときどき聞くわけであります。たとえばパン製造業というものに例をとってみますと、パン製造業近代化計画というものは、人口二十万の都市においては従業員百人規模、一日製パン能力二十袋が好ましいという案が出てくるわけでありますが、そうすると、たとえば人口二十万の都市でそれに該当するようなパン屋さんというものはあまりないのであって、数軒が合併をしてある適正規模に持っていくわけでありますが、その網から漏れてしまう人は、一体自分たちはどうなるのだろうか、何か国の適正規模というものとあまりにもかけ離れておるので、われわれはパン屋としてももうだめになるのではなかろうかというようなさみしい気持ちを抱くという実例を聞いたのでありますけれども、こういう実態調査とか基本計画をおつくりになるときに、零細業者に対する配慮はどのように行なわれておるのでしょうか。
  24. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 ただいまお話しの点が、実はこの近代化促進法計画をつくり、また推進していく場合に最も慎重な配慮を要する点でございます。そのためにその業界につきましては各方面意見を十分に聞きまして、その上で計画を立てるわけであります。その結果ほんとう協業化をして適正規模にまで持っていくというところがより強くなる、そしてそういう積極的な努力をしないところがある意味から言うと脱落をするといいますか、そういうような方向にいくおそれもあるわけでございまして、その点につきましては、われわれとしてはできるだけその業界におる人が努力をしてやろうとすれば、その適正規模に持っていけるような環境考えて、しかも将来その業種としては相当成長の可能性があるという業種についてやっておる次第でございます。しかしいろいろな業種を取り巻く環境も変わってまいりますので、場合によっては業界の中で申し合わせをして、ある一部のものは転廃業をしようということも今後考えなければいけないのじゃないかと思います。これはなかなかむずかしい問題でございますが、そうした面につきましては、またそのための対策考える必要があろうかと思います。  これは全然別のことになりますが、構造改善準備金制度というものも、そうした思想に連なって今度考えておるものの一つでございます。
  25. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この近代化計画目標の達成に必要があるときは、主務大臣企業高度化競争正常化、取引の改善等に関し、中小企業者もしくは関連業者勧告することができる、こうなっておりますが、いままで主務大臣勧告をした実例はあるのですか。あったとしたら、その具体的な例をひとつお聞かせください。
  26. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 この規定に基づく勧告は、いままでのところまだいたした例がございません。
  27. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 実施計画にいろいろ定めます指定業種近代化のための設備に必要な資金の確保またはその融資のあっせんにつとめる旨の規定が法の第六条にあるわけでありますけれども、いろいろな近代化計画のためには、資金量というものもずいぶんばく大に見積もりが出ておるようでありますが、現行法第六条の解釈からいって、これだけばく大な資金計画が要るとすれば、その資金措置は十分に行なわれておるでしょうか。たとえば今年度予算の中にどうなっておって、これで見通しは十分立っておるかどうかという点についてお答えいただきたいのです。
  28. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 近代化促進法対象になりました業種近代化計画遂行のための資金はかなりの額になるのでございますが、その中で特に政府系金融機関がある程度助成意味も含めまして、低利の資金を供給する道を開いておるのでありまして、四十年度は五十億のわくでございましたが、四十一年度はこれを八十億に拡大をする予定にいたしております。
  29. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 設備近代化特別融資制度がございますが、それの現状はどのようになっておりますか。
  30. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 従来の実績は、四十年の四月から十二月までで貸し付け実行四十二億ということになっております。
  31. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 せっかく業種指定をされて、そうしてその資金ワクがあるにかかわらず、資金をいまだ借りに来ない業種というものがあるというふうに聞くのですけれども、ほんとうにあるのでしょうか。要するに近代化計画ができて、その資金を借りる道もついておるのに借りに来ない業種があるという話ですが……。
  32. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 おおむね計画ができますと、一つには資金の問題が目的でございますので、この資金借り入れをしておるのが実情でございます。ただ、中には別の制度で、たとえば一般会計のほうの設備近代化資金とか輸出関係のほうの資金等を借りるという道もございますので、あるいは中にそういう方法によりまして資金を調達するために来ないものもあるかと存じますけれども、具体的には大体この近促関係の資金借り入れをいたしておるように了解いたしております。
  33. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 今回の改正の要旨の一つとして、中小企業者の定義の中に企業組合を加えるということが大きな焦点になっておると思いますが、企業組合中小企業者の中に入れるねらいは何であるかということと、それから現在全国企業組合と称するものがどのような状態で分布されて活動をしておるかということをお尋ねしたいと思います。
  34. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 企業組合は御存じのように中小企業等協同組合法規定によりまして協同組合一種として認められておるわけでございますが、今回企業組合もこの近促法の対象に加える。それによりまして、従来の協同組合一種ではありますけれども、事実上事業を直接営んでおる会社ときわめて類似した性格を持っておるということから、普通の中小企業者、個人あるいは会社と、この面においては同じ扱いをすることが適当であるということで、企業組合をその対象に加えることにいたした次第であります。  現在、全国に約五千の企業組合がございます。その中で製造業関係が千四百、商業サービス業関係が三千百、その他というようなことでございます。
  35. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 企業組合一種会社のようなもので、零細業者組織によってお互い生々発展のためにがんばるんだから入れてもよかろう、私もその点については全く同感でありますけれども、同じ相互扶助精神で、協同して事業を行ない、中小企業者の公正な経済活動の機会の確保に努力をしておるのに、同じ法律中小企業等協同組合法規定に基づいて生まれておる事業協同組合というものもあるわけでありますけれども、企業組合をお入れになるならば、事業協同組合も入れたらどうだという御議論が当然あったろうと思うのですが、今回はずされております。はずされた理由はどの辺のところにあるのでしょうか。
  36. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 事業協同組合につきましては、当初、中小企業庁といたしましては、この法律対象に加えたらどうかという意見を持っておったのでございますけれども、御存じのように、会社、個人あるいは企業組合というように直接事業を営む機能と違う性質を協同組合というものが持っておりますので、その点、協同組合実態につきましてなおよく検討をいたす必要があるということになった次第でございまして、現在、中小企業政策審議会の組織委員会におきまして、この組合制度自体につきまして基本的な検討を加えておりますので、その検討の結果を待ちまして、本法における協同組合の取り扱いを再度研究をしていく、こういうことになっておる次第でございます。
  37. 浦野委員(浦野幸男)

    浦野委員 関連。いま全国企業組合が五千あるとおっしゃいましたが、私は先ほど質問したのですが、零細企業規模を強化するという意味からいきますと、この企業組合制度は非常にいいことだと思います。ただ企業組合ができて企業合同して、その企業組合がうまくいっておるかということになると、私が聞いておる範囲では、どこの企業組合もあまりうまくいってない。やはり昔の個人の商店が寄ってその運営をいたしましても、何かしっかりしたキャップがないために、その企業組合の中がみなごたごたとしておって、その果てには、組合はそのままにしておいて、個人個人がみんな商売をまた始めてしまうというような結果が出ておると思います。これはせっかく企業組合制度をつくって、日本企業の零細化を防ぎ規模を大きくさせよう、そうして体質を強化させようとして通産省が指導に当たって今日まで出てきたのですが、その現実の姿というものは必ずしも企業組合がうまくいってないというふうに聞いておりますし、現に私の関係しておるいろいろな地方にも、そういう制度はつくったけれども、結局はそう効果をあらわしておらない、こういう結果が出ておるわけなんです。この点企業庁といたしましても、全国の五千の企業組合が全部うまくいっておるのか、あるいはどういうところに欠陥があるか、この点についてちょっと御説明いただきたいと思います。
  38. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 企業組合という制度は、いままでの組合という観念とまた違う要素が入っておりますので、ある意味からいうと、あいのこ的な存在でございます。五千の企業組合の中には比較的うまく運営されているところもございますが、また同時に御指摘のように必ずしもうまく運営されていないところがあるのが実情でございます。企業組合をつくります場合の前提としまして、みんなが、ある意味からいうと裸になって、ほんとうに一本になってやろう、こういう気持ちで組合をつくっていく、その場合に、りっぱな指導者がちょうどおりまして、そしてお互いの協調体制もうまくとれていくというような場合にはなかなかりっぱな企業組合になっていくわけでございますが、その辺の踏み切りがはっきりしないで、依然としてやはり自分はそれぞれ独立した事業者というか親方である、こういう感じが払拭し切れないで、形だけ企業組合にしたというところがどうもうまくいってないじゃないか、その辺に制度自体としてもいろいろ検討しなければならない点があろうかと存じます。たまたま最近は協同組合という形でありながら実際には協業化が相当進んできております。いわゆる協業化法人というようなものを何か法制化する必要があるのじゃないかという意見も出ておりますので、それとの関連におきまして法制上今後どういうふうにしていったらいいかよく検討いたしたい、現在組織委員会で相当ひんぱんに会合を開いて審議をしていただいておりますが、この問題も含めまして根本的な検討をしていただいて、その上でわれわれとしても方針をきめたい、かように考えておる次第でございます。
  39. 浦野委員(浦野幸男)

    浦野委員 この企業組合制度ができたときに、日本企業の形態からいえば当然相当な企業組合数がふえるであろうとわれわれ期待いたしておったのです。非常にこまかい業者ばかりがたくさんあるから、それが一本になっていくのだろう、そして強化されるのだろうというふうに期待いたしておったのだが、今日この制度ができてから何年になるか知らぬけれども、いま全国で五千くらい、その五千のうちでもほんとうに活動をしておるのとあるいは有名無実の企業組合と分ければ、私は相当そこに現実に企業組合として活動しておる数というものは少ないじゃないかという感じがいたしておるわけです。そこで、この企業組合ができて、毎年ずっと、現在でもその数はふえておる傾向にあるか、そのふえ率は非常に鈍っておるか、あるいは解散してむしろ一時よりも減っておるのではないかとさえ考えられるのでありまするが、その点どうですか。やはりこれはこの制度がいいとなればもっと力を入れてやっていかなければならないし、いま申されました協同組合のほうとの兼ね合いもうまく考えて、何としても私は基本的には今日の日本企業をもう少し大型化していく、合同さしていくという方向に通産当局がもっと力を入れていかなければならないということの気持ちから、その点をちょっとお伺いいたしたいのです。
  40. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 企業組合の数自体は御指摘のようにほとんど最近は横ばい、むしろ若干減っておるような状態でございまして、その点はいま御指摘の問題の所在を非常に端的に示しておるのじゃないかと思います。したがいまして、私どもとしましても先ほど申し上げましたような点につきまして根本的な検討を加えたいと存じます。
  41. 浦野委員(浦野幸男)

    浦野委員 実は、いまそういう御答弁があったんですが、現実にそういうふうに企業組合というものが、どうも一般に国民の感情にうまく受け入れられないというような状態があるときに、いま企業組合だけをこの中に入れるということは、一面いいことかもしれませんけれども、もっと根本的に早く考えて、協同組合企業組合との関係等も勘案して、新しい、もっと国民が喜んでそういう制度になじんで、しかもその制度をしっかりと守って、そうして企業合同なりあるいは事業なりがやっていかれるような方向に早く持っていってもらいたい。どうもとのごろ調子が横ばいで、あまり企業組合はよくないということを承知しながら、いつまででもこれを放置しておくということは、いま申しました企業の数を縮小する面にこういう制度があるということだけで、それが利用されておらないということになれば、いつまででもそれはなかなかそういう方向に進めないと思うので、ぜひこの点はしっかりとやっていただきたい、かように存じます。
  42. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 ただいまの御趣旨の線に沿いまして早急に検討いたしたいと存じます。
  43. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 時間がありませんので、投資育成会社の一部改正法についてお尋ねをいたします。  三十八年発足以来、東京、大阪、名古屋の三社が、中小企業資金を調達することが非常に困難な状態にありますので、それに援助して、できれば株式上場まで育て上げていこうという目標努力しておられるわけでありますが、きょうまでの三社の投資決定状況はどんなふうになっておるでしょうか。
  44. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 三投資育成会社が、三十八年の十一月に発足いたしましてからことしの二月の末までの二年三カ月の間に投資決定をいたしました件数が合計で百十二件になっております。投資決定金額は三十三億四千万円という状況でございます。件数及び金額から言いますと、必ずしもきわめて満足すべき状態とは申し上げかねるのでございますけれども、何といたしましても新しい制度でございますので、できるだけ最初の発足にあたりましては着実な方針で運営していただいて、そうしてりっぱな業績をあげた上で拡大をはかっていこう、こういう考え方で今後も運営していくのがいいのではないか、かように考えております。
  45. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 出発のとき、東京と大阪の投資育成会社に対する中小企業金融公庫を通じての国の出資は二億五千万円ずつでございましたが、名古屋に対しては一億円でありました。このときは中小企業の集中度といいますか、東京あるいは大阪と比べて名古屋はそれくらいでいいというようなお考えがあったのかどうか知りませんが、その後の投資決定企業数などを私どもが調査してみますと、東京の三十入社、これは新規でありますが、大阪の三十一社に比較して名古屋も三十一社に投資をしておるわけでありまして、この分でいくと非常によくやったと思うのでございますが、よくやった反面に資金的な不足が生じてきているのではなかろうか。これに対して何か対策はお考えになっておるのかどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
  46. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 名古屋の投資育成会社は、お説のように発足当初は資本金全体も小さくて、政府の出資分も少なかったのでございますが、その後の運営状況はほとんど東京、大阪と肩を並べてきておりますので、資金の面におきましてもそれだけ調達が必要になってまいっております。その新しい事態に応じますために、今回名古屋の投資育成会社に対しまして政府も一億五千万円の出資を増加する。それによりまして全体で六億円の増資をいたしました。さらにまた不足分に対しましては、別途中小企業金融公庫からの特別の融資の措置をとる、こういうことによりまして名古屋の資金の必要額を調達する、こういう計画にいたしておる次第でございます。
  47. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 そうなりますと、投資育成会社の場合は中小企業に対する投資でありますから、それの原資を借り入れ金にたよるという状態はあまり好ましい状態ではないと思いますし、中小企業金融公庫からの借り入れ金となりますと、やはり金利負担も当然考えなければならぬわけでありますが、そうしますと、東京、大阪の投資育成会社はそういう金利負担をする借り入れ金がないわけですね。それに名古屋だけがそういった金利負担をする借り入れ金が別に出てくるということになりますと、経理その他の上で問題が起きるのではないか、あるいはそれに対してだいじょうぶいけるのだという見通しはついておるでしょうか。
  48. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 とりあえず四十一年度につきましては、名古屋が資金の不足を生じまして、中小公庫からの特別融資をすることになったのでございますが、この状態は、東京、大阪につきましても、来年あるいは再来年になりますと同じ状態が出てまいるのでございます。したがいまして、今度の中小公庫からの融資につきましては、金利の面でも特別な配慮を払うことにいたしまして、まあ十分とは言えませんけれども、一般の融資よりは安い七分五厘の金利、貸し付け期間も十年ということで決定をいたした次第でございます。なお、とりあえずの今回の措置は四十三年度まででございます。四十四年度以降につきましては、そのときの会社の経理状況その他を勘案して再検討をいたしたい、かように考えております。なお、それぞれの会社のほうでは当然先の収支の状況の見通し考えておるのでございまして、現段階におきましてはこういう措置によりまして十分に三投資育成会社が所期の目的を達成し得る、かように考えておる次第でございます。
  49. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 特にこだわるようですけれども、借り入れ金をする場合には金利が安くないといけないと思うのですけれども、そういった点で十分今後折衝の過程においてがんばっていただきたい、こう希望だけ申し上げておきます。  それから投資を決定されました会社の中に、たとえば北海道、東北、四国、九州あるいは山陰地方会社は含まれておるでしょうか。
  50. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 投資先の企業の分布状況は、東京、大阪、名古屋にかなり片寄って集中をいたしておりますが、それ以外の地域につきましても、わずかではありますが、投資活動が行なわれております。北海道は二社、それから九州は、福岡、佐賀合わせまして三社投資が行なわれております。
  51. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 それは非常に少ないわけでありまして、たとえば会社というものも、こちらが当初予定しました以外のところで案外手を出して待っておるところがないとは言えないと思うのです。その証拠に、対大阪、対東京四割の資本金で出発させてみた名古屋において、ほとんどほぼ同様の成果をあげておるということは、当初の予想よりも名古屋近辺にそういった企業が非常にたくさんあったということを立証するわけでありますけれども、今後、国内にある低開発地域の優良会社育成ということは、これは国の中の格差是正ということからいってもきわめて大切だと思うのです。そこで、特に政府も別途、北海道、東北には、その重要性にかんがみて、北海道東北開発公庫というものなども設置して努力しておるのでありますから、それと並行して、投資育成会社の支店を一つ出すとか、あるいは、支店じゃなくて、北海道の育成会社とか、九州の育成会社とか、そういったものをつくって、全国的にこれを広げていこうというお考えはないのか、あるいは、きょうまでそれを検討されたことはないのか、お答えいただきたいと思います。
  52. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 御指摘のように、北海道、九州等のいわゆる地域格差の是正ということは、私たちも十分に考慮しなければいけないと思います。従来は、そういった地区に対しまして、中小企業金融公庫等の窓口が相談相手になりまして、その取り次ぎ等をしてまいっておるのが実情でございます。将来の問題といたしましては、まず、今回発足しております三投資育成会社がりっぱな業績をあげまして、それによってこうした政府施策の一環としての投資育成会社というもののあり方、その実績等を見きわめました上で、さらに北海道、九州等の地区に別のものをつくるか、あるいは、支店、出張所をつくるかということについても、検討をしてまいりたいと存じます。現段階におきましては、ただいま御質問ありましたように、いままでのところそういうことを具体的に実行しようということで計画をしたり考えたことはございません。今後の問題として検討をいたしたいと思います。
  53. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この政策に従って投資の決定を受けますと、その中小企業はカンフル注射を受けたようなもので、いろいろと非常にメリットが多くなるわけでありますが、ただ、この決定を受けるときの選定の基準といいますか、何かそれが非常に厳密であり過ぎるために、いま一歩というところで乗っかることができない中小企業があるのだということを聞くのでありますが、選定基準というものはいかなるものをお考えになっておるのか、具体的にひとつお知らせをいただきたいと思います。
  54. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 現在、投資育成会社が新株を引き受けます場合の対象企業の条件でございますが、まず第一に、将来その株式を証券市場に公開する意向を持っていること。第二に、その事業が成長発展する見込みがあること。第三に、過去二期ないし三期にわたりまして配当率が年一〇%以上の配当をし、また、資本金利益率が年に三五%以上の利益を計上していること、こういうような条件、それから、設備近代化または合理化のための計画を持っていること、それから、株主には増資に応ずる能力が十分でない、したがって、独力で自己資本の調達をすることが困難である、こういうような条件を課しておるのであります。きびし過ぎるというような批判も耳にすることがあるのでございますけれども、現段階におきましては、この投資育成会社の役割りは、将来証券市場に公開するその橋渡しをする、こういう一つの特定の任務々持っております関係で、こうした基準を引用いたしておる次第でございます。
  55. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 いま聞きました、大体大きく分けて五つの条件でありますが、これを厳重に守った場合にどのくらいの中小企業者がそれによってワクに入れるだろうかということをちょっと調べてみたのでありますが、これは中小企業庁がおやりになった中小企業資金調達状況調査というのがございますけれども、この調査によって、資本金一千万円以上の投資育成会社法の政令指定業種のみを対象にして調べた場合に、配当率が一〇%以上というこの選定基準が一つあるのでありますが、配当率一〇%以上の企業というのは全体の五四%、それから、または資本金利益率三五%以上という基準がありますが、これに該当するものも大体四五・三%と、こういう数になっております。ですから、これはあくまで中小企業全体を対象としてという意味じゃなくて、将来上場できるところまで育てていこうというのでありますから、あるいはこの基準ぐらいでいいのかもしれませんが、将来これを変えるお気持ちはただいまないのかどうか、あるいは、五条件とおっしゃいましたが、五つとも厳密に守らなければだめなのか、あるいは四つないし三つでこれは将来性があるとお考えになったらきょうまでも選定しておられるのか、その辺の感触をお知らせ願いたいと思います。
  56. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 先ほど申し上げましたように、投資育成会社の役割りは、中小企業の自己資本の充実ということでありますが、具体的には、その資本の調達を証券市場でできるようにする、したがって、公開市場に上場するということにあるのでございまして、そのためには一今度は上場基準というものをどうしても考慮に入れなければならないわけでございまして、そうした条件とのかね合いを考えてみますと、ただいま私が申し上げましたような基準はどうも必要ではないかというふうに現段階では考えておる次第でございます。
  57. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 昨年の秋株の上場の基準が変わりまして、大体三億円以上ということになったようでありますが、名古屋の市場の場合は二億円ということになっております。そうしますと、これの計画が、当初出発しましたときと比べて事情がたいへんに変わってきたわけでありますが、勢い、投資に要する資金の量もふえてくるであろうし、上場可能になる時期はこのときだと目標を置いておったのが幾らかずれてくると思うのでありますが、それに対する対策見通し、いかがでしょうか。
  58. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 ただいまお話のように、上場基準が改正になりましたので、当初われわれが予定しておりましたよりはこの投資育成会社が株を保有する期間が長くなる、そのために、投資育成会社としての資金の所要量もふえるという事態が出てまいっておるのでありまして、その点も勘案いたしまして、今回、中小企業金融公庫からの資金の特別借り入れの措置等もとったりでございますが、資本金の限度が引き上げられましたことによりまして、それに合わせるための措置が何らかさらに必要であるかどうかにつきましては、今後検討を要する、かように考えております。
  59. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 投資の決定される際に、いろいろな選定基準五条件に従って決定されるのでありますから、片寄ったことはないだろうと私は信ずるのでありますが、ただ結果論を申しますと、決定を受けておる企業中小企業の中ではきわめて上のほうに属するのばかりじゃないか、だからせっかく一千万円以上の資本金で政令の指定業種に入れられたのだからといいましても、なかなか資本金一千万円程度のところでは投資育成会社政策に救ってもらうことはできないんだ、あまりにもこれは上に片寄り過ぎているという批判の声が出ているやに思うのでありますが、これについてそちらの実績はどのようなことになっておるでしょうか。
  60. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 新規投資決定企業の中で、資本金別の分布を申し上げますと、一千万円以上二千万円未満のところが十四社、それから二千万円以上三千万円未満が二十一社、三千万円以上四千万円未満が二十七社、それから四千万円以上五千万円未満が十六社、五千万円以上が二十八社となっておりまして、若干五千万円以上が多い点は認めますが、かなり分布としてはその範囲においておおむね適度な分布状況になっておるというふうに申し上げられるかと思います。
  61. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 中小企業近代化資金助成法についてお尋ねいたします。  高度化資金の貸し付けの実績をいろいろと調べてみますと、差し引き残高がかなりあるということでありますが、この実態はどのようになっておりますか。差し引き残高がかなりあるとすれば、その原因はどこにあるとお考えですか。
  62. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 高度化資金予算の使用状況は、率直に申し上げまして毎年ある程度の不用額を出しております。三十八年度予算額二十三億に対しまして三億三千万円の不用、それから三十九年度は四十三億の予算に対しまして二十億の不用、それから四十年度は六十七億の予算に対しまして、これは予定でございますが、二十二億程度の不用が立つ見込みでございます。たいへんに申しわけない状況でございますが、一つには、何と申しましても予想以上の深刻な不況のために中小企業設備投資意欲が減退いたしましたことと、それからもう一つ、実は私たち反省をいたしておるのでございますけれども、当初の予算を立てましたときの計画が必ずしも実情に十分に合っていなかったという点を認めざるを得ないのでありまして、その点は十分に反省をいたしまして、今後そういうことのないようにいたしたいと考えておる次第でございます。
  63. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 高度化資金についてもあるいは設備近代化資金についてもそうでありますけれども、これはちょっと別の角度からの議論になるかもしれませんが、無利子での融資という問題について町でいろいろと声を聞いておりますと、無利子で貸していただくのもいいけれども、どうしても限度がある、そんなくらいなら安い利子をつけて、無利子の金融というものをなしにして、そうしてその分だけ窓口を広げて多くの人に貸せるようにしてもらったほうがいいのじゃいか、さらに金利によって、貸し付け規模も金利の分だけがふえていくわけでありますからより多くの人々が救われるようになる、特に設備近代化資金の二分の一、無利子五年間という制度は、利子つきに変えたらどうかという意見を述べる人が多々あるのでありますけれども、こういう声を聞かれたことがあるかどうか、またこれに対してどういう見解を持っておられるか、お聞かせ願いたい。
  64. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 ただいま設備近代化資金は無利子で国と県とが合わせて所要額の半分を貸しておるのでありますが、対象が小規模企業重点を置いておりますので、できるだけ金利負担の軽減をしたいということからこういう制度ができ、またそういう考え方で運用をいたしてまいっておる次第でございます。そうした無利子の資金となりますと、どうしても財政のワクに縛られましてなかなか拡大できないといろ点もございますので、ただいまお説のように、一部からは、低利であればある程度利息を払ってももっと量的にふやしたほうがいいという意見も実は私自身本聞いたことがございます。ところが、実は率直に申し上げまして、こういう制度をかりに若干でも利子を払うというふうに切りかえるとなりますと、ついついずるずると何となく利子もある程度高いものを取るというふうになっていく心配もございまして、なかなか軽々にはその点は踏み切れないでおるような実情でございます。しかしいずれにいたしましても、設備近代化資金高度化資金含めまして現在の制度を量的に本質的にももっともっと拡充しなければいけない状態にございますので、はたしてどういう方法がよりよく中小企業の要請にこたえ得るかということにつきましては、今後検討をいたしてまいりたいと思っております。ただいま現在のところでは、直ちにこの制度を有利子の制度に切りかえるということは考えておりません。
  65. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 本法の改正の要点の第一に、小売り商業連鎖化資金の貸し付け事業助成というのがあります。いわゆるボランタリーチェーンというのは新聞などにも相当はでに取り上げられまして、消費者物価の値上がりを押えるための一つの画期的な政策であるとさえいわれておりますが、最初の企業長官お答えの数字の中にもありますように、全体で三百八十八万事業所がある中小企業の中で商業に従事するもの約半数というのですから、その中で特にまた小売り商と限定しましても、百五十万くらいは小売り商が現在日本にあるのではなかろうか、私はこう思うのです。百五十万からある小売り商を連鎖化するということはとても不可能でありましょうが、このボランタリーチェーンは、一体どのくらいの間にどの程度のものを連鎖化すればどのような効果が上がるというふうに目標をお立てになっておるのか、その辺を承りたいと思います。
  66. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 新年度予算におきましては、このボランタリーチェーンの制度をある程度モデルケースをつくるというような考え方でありまして、予算の算定の基礎としましては二十五件程度とりあえず考えております。これはほんのサンプルの程度でございます。ここで一つの模範をつくりまして、それによりまして政府育成するものを今後ふやしてまいりたいし、またいいものができればおそらく自発的にもどんどんそらした制度を取り入れていくような機運が出てまいるのではないかというふうに考えております。商業の現在の制度がいろいろ改善を要する点があることは御指摘のとおりでございまして、いままでどちらかといいますと、中小企業対策としましても、商業対策が足りない、貧困であるという御指摘を受けまして、今回こういう新しい試みをいたすわけでございますが、現段階においては、その先の先まで見通して、じゃどこまでという見当は実はついていないのでありますが、ほかの先進国の例等から見ますと、全部の小売り商のうちの二割とか三割というものはボランタリーチェーンの形で組織を持っておる。特に零細企業がこういう形で合理化を進めているというふうにも聞いておりますので、私たちとしては、必ずしも何割をこれによって組織化するというような目標は立てておりませんけれども、今後うまくこれを推進することによりまして、相当程度合理化を進めたいというふうに考えております。
  67. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 外国の例でいくと、二割から三割組織化すれば、それで非常にうまくいっているようであるということでございますが、何か新聞紙上の報道ですから、あるいは私の読み誤りかもしれませんけれども、向こう十年間に大体十三万軒くらいをしたいというようなことになりますと、これはよく見積もっても一割じゃないか。十年間に一割ということになりますと、これはややもすると絵にかいたもちのような結果に終わるかもしれませんので、その点、今後計画実施されるときに十分そういったことのないように間口が広がるようにお考えを願いたいのでありますが、特に私がもう一点だけ気になりますことは、特にボランタリーチェーンをいま非常に熱心に推進しておる人々というのは、問屋さんであります。問屋主宰のボランタリーチェーンというものは問屋さんが非常に熱心に推進した場合に、それは問屋を中心とした系列化になるんじゃないか。極端な悪いことを言うと、小売り商というものがその問屋のもとに隷属させられてしまうんじゃなかろうかというような疑いを私ども持つわけでありますけれども、そういうことに対しての対策、あるいはそういうことは絶対ないならば絶対ないという一つの見解をお示しいただきたいと思います。
  68. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 今度の小売り商の連鎖化の制度は、一方におきましては、流通機構の合理化改善ということ、他方におきましては、やはり中小小売り商業組織化、それによる地位の向上ということがねらいでございます。特に中小企業庁としましては、後者のほうに非常な重点を置いて考えております。したがいまして小売り商業者だけが組織化してうまくいけば、われわれとしては最も理想的でありますが、もち屋はもち屋でありまして、卸の従来の経験あるいは知識というものも活用する必要があるという面で卸が入ってくることも認めておる次第でございます。しかし、その場合も、あくまでもこれは小売り商が主体の制度である、問屋の従属下に置くような傾向のものにつきましては、政府としては何ら援助する考えはないわけでございまして、その点ははっきり方針を立てまして推進するつもりでおります。
  69. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この政策については、全国の小売り商業者が非常な期待を持って見詰めておるわけでありますので、どらかいま御答弁のあったような精神を十分生かしていただきまして、今後とも強力に推進していただきたい、私はこう希望しておきます。  次に、中小企業共同工場貸与事業というのが大きな柱の二つ目になっておりますが、この共同工場貸与事業というもののねらっているところは何であるか、お答えを願いたいと思います。
  70. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 従来、中小企業近代化高度化を進めますための施策として、工場団地の制度をつくってまいったのでありますが、実情を見てみますと、工場団地となりますと、やはりある程度規模中小企業者になるわけで、ほんとう小規模企業零細企業の人たちはなかなかその制度には乗り得ないのが実情でございます。それで今回特に小規模企業者、零細企業者の近代化をはかりたいという考えから、この共同工場、俗に工場アパートと申しておりますが、この制度を考案いたした次第でございます。この工場アパート制度は、まず第一に、小規模企業者がある場所に集まる。その場合に、県がアパートをまず建てまして、そうしてそこに希望者を入れるわけでありますが、その最初に建てる場合も、あらかじめ十分検討した企画に基づきまして、協業化組織化が進むような形の工場アパートをつくり、そこに入る小規模企業たちは、一人一人は独立した企業者でありますけれども、そこに入ることによりまして、経済の一つの共同体にはめ込まれたような形になり、それによってある程度規模の利益も受け得るようになりますし、また、対外的にも信用が向上する、こういうことをねらっているのでございます。また、その際に、中小企業者がまとまった資金を一時に調達することが困難な場合も予想いたしまして、かなり長期の期間にその対価を支払うことによって中小企業者が所有権を獲得するようにしよう、こういうことも考えている次第でございます。この構想につきましては予想以上に各地で大きな反響がありまして、各県でも真剣になってこの計画を立ててもらっておりますので、私たちも何とかしてこの新しい試みを効果あらしめたいというふうに考えている次第でございます。
  71. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 もう一つ新しい制度として中小企業設備貸与事業というのがございますけれども、この設備貸与事業というのは、設備近代化資金の貸し付けというのときわめて類似の制度のような気がするのでありますけれども、その両方併存していって、こういうふうに区分けしてできるのか、運用上の問題についてお考えを述べていただきたい。
  72. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 従来行なっております設備近代化資金は、所要資金の半額を国及び県で無利子で貸し付ける制度でございます。ところが、その残りの半額は中小企業者自分で調達をする必要がございます。そのために、調達力が十分でございませんと、なかなかその近代化ができないわけでございます。そこで今度の貸与制度は、県の段階で公益法人をつくりまして、そこが必要な機械を調達をして中小企業者に貸し付けをするという制度でございます。その所要額の四分の一ずつを国と県で出しますが、残りの半分は中小企業金融公庫から特別低利の融資をいたしますので、中小企業者としては、当初は直接自分が調達をすることなしにその機械を入手できることになっております。  それから、現在行なっております近代化資金のほうも、小規模企業者に重点を置いて運営をいたしているのでありまして、その点は対象がやや重複する観がございますけれども、どちらかと言いますと、所要資金の半分を自己調達ができるような人はなるべく従来の制度を使ってもらう、それもむずかしいというような方に今度の新しい制度を活用していただくようにしよう、その辺のより分けは、現在都道府県単位に診断制度ができておりますので、その診断制度を活用して、最もこの制度が必要とされる人に重点的に適用されるようにいたしたい、かように考えております。
  73. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 これらの制度はすでに希望者が非常にあるというようなことでありますし、やっていただければ相当成果があがるのではないかと思いますが、ただ、残念ながらまだこれは実績があがっておりませんので、どうなるということは言えませんけれども、気になりますことは、この制度——設備貸与にしろ共同工場の貸与にしましても、都道府県が実施の主体となっておるということであります。都道府県の財政というものは、いま非常に危機に直面しておるとさえ極端に言われておるのでありますが、さらにこういったことも都道府県に実施させることによって財政上の問題は起こらないようにお話し合いがついておるかどうか。この企画をきめるときにいろいろ事前の話し合いはあったと思うのですけれども、地方公共団体のほうからこれについて何らか批判的な意見が出なかったかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
  74. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 実はこの制度考えました際に、各県の意向も十分に広く聴取いたしまして、その意見を取り入れてだんだん固めてまいった次第でございます。その際、県のほうからはやはり地方財政が相当窮屈になってきておるから、その点の手配を十分にしないと、実際問題としてはなかなか運営がむずかしくなるという強い要望がございました。それに基づきまして、自治省のほうとも十分に打ち合わせをいたしまして、機械貸与制度につきましては、地方交付税交付金の制度にのせることに話がついております。また工場アパートのほうにつきましても、自治省のほうで起債のワクを認めようという基本的な了解がついておりますので、その点はすべて話がついておるというような御了承をいただいてけっこうでございます。
  75. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 最後に一つ中小企業構造改善事業についてのお尋ねをいたします。  中小企業改善事業というものを行なおうとする事業協同組合等は、いまいろいろな事業計画を作成して主務大臣の承認を受けるということになっておるわけでありますけれども、主務大臣の承認というのをなぜ受けなければならぬか、受けることによってどれだけのメリットがあるということならば、主務大臣の承認を受けなくてもその事業計画を作成したら全部それが構造改善事業として認められていったらいいのじゃないか、こう思うわけでありますが、何か重大な不都合でもあるのですか。
  76. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 今回の構造改善準備金制度のねらいは、この規定が適用されますと、税制の面で特別な優遇措置が受けられるわけでございまして、ここに非常に大きなメリットがあるわけでございます。そうした特別な税制の恩典を受けるようにしますためには、構造改善事業がこの法律でねらっておるような目的にぴったり合致しているかどらかということを、どこかの段階でやはり認定をする必要がございます。そういう観点から構造改善事業につきまして主務大臣が認定をする、承認をするという制度にいたした次第であります。したがいましてかりにこれに類似するような計画を組合がつくりましても、主務大臣の承認を受けませんと、税のほうの恩典が受けられない。その辺があいまいにならないようにこうした制度考えたわけであります。この運用につきましては、この法律の趣旨にのっとりまして、できるだけ有効適切な方針で承認をいたしてまいりたいと考えておる次第であります。
  77. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 これは事業協同組合化、集団化をはかり、そのために税制上のメリットを与えるということでありますから、方向としては非常にいいと思うのですけれども、ただこれが昭和四十一年四月から昭和四十三年三月までの二年間に大臣の承認を受けた事業計画に限り認められる、二年間に限定されるわけでありますが、この二年の間にそういったものはすべて出尽くすというようにお考えになっておるのでしょうか。あるいは二年たったときに、さらに検討してみて延期することがあるというような考え方でいらっしゃるのかどらか。
  78. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 この制度考えます際に、とりあえず四十三年までという期限を切ったのでございますけれども、そのときまでの運用の実情をよく検討いたしまして、必要があればまた所要の改正改善を加えて、さらに延長をいたしたい、こういう心がまえでおる次第でございます。
  79. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 この事業の最大のメリットは、構造改善準備金に対する非課税措置が講ぜられることにある、こう思うのでありますけれども、なるほど準備金の積み立てに対しては非課税措置かもしれませんが、計画実施する段階になって積み立て金を取りくずす場合、その場合も非課税でしょうか。
  80. 山本(重)政府委員(山本重信)

    山本(重)政府委員 その準備金を取りくずします場合に二つのケースがございます。一つは、共同施設をそれによって取得するという場合でありますが、これはその組合の資産になりますので、どうしてもこれは課税の対象になるわけでございます。ただその場合も、設備につきましては、一部のものは特別償却ができるという恩典考えております。それから組合の自発的な申し合わせで、一部の人が転廃業する、そのための見舞金を出す、こういう場合には、これは組合の経費として処理できますので、その分は課税の対象にはならない、こういう取り扱いでございます。
  81. 海部委員(海部俊樹)

    海部委員 せっかく構造改善事業と銘打って、非課税措置が中心になって行なわれる計画でございますから、今後ひとつ何かこの本質的な、免税ではなくて、課税の繰り延べであるというような印象を与えないように、これから研究課題として、そういったものもせっかくこの事業計画主務大臣の承認まで受けてやる事業でありますから、これは完全な免税措置になって、中小企業共同化協業化が進行しますように、私は強く希望を申し上げまして質問を終わりたいと思います。
  82. 天野委員長(天野公義)

    天野委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十三日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会