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板川委員 私は、自由民主党、
日本社会党及び民主社会党を代表して、ただいま議題となっております附帯決議案について、その
趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
私的独占の
禁止及び
公正取引の
確保に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、最近の
経済情勢において、
公正取引委員会が、物価対策としての違法な価格協定の取り締まり、下請
事業者の
利益保護等、ますますその重要性を増している現状にかんがみ、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、
公正取引委員会事務局の機構について、引き続きなお一そうの拡充
強化をはかり、特に地方事務所については現在きわめてわずかな陣容であり、十分な業務の遂行はとうてい期待できない実情にかんがみ、必要な人員を配置するよう努力すること。
二、
カルテルについては、その及ぼす社会的、
経済的影響にかんがみ、事後の監視を十分実施するとともに、
中小企業等協同組合法による価格
カルテルについては、
独禁法との
関係等早急に再検討すること。
三、下請代金支払い遅延の防止については、親
事業者の調査を広範に実施するとともに、直接、下請
事業者に対する調査をも実施し、取り締まりの万全を期するよう努力すること。
右決議する。
以上であります。
御
承知のとおり、
公正取引委員会事務局の機構の拡充については、すでに再三にわたり附帯決議を行ない、その結果逐年人員も
増加され、地方事務所も増設されてまいりました。今回さらに三十人の増員、広島地方事務所の新設が行なわれるわけでありますが、
公正取引委員会の任務の広範かつ重要なことを
考えますと、まだまだまことに手薄な実情と言わなければならないのであります。
そこでまず第一に、
公正取引委員会事務局の機構をさらに一段と拡充
強化することが必要であります。特に地方事務所については四国地方にはまだ設置されておらず、既存の地方事務所も、多いところで大阪の十七人、仙台のごときはわずか六人という実情でありまして、これでは
国民経済上重要な任務を果たす
公正取引委員会の満足な業務の遂行は、とうてい期待できないのであります。したがって、地方事務所については特段の充実をはかり、必要な人員を十分配置するよう努力すべきであります。
次に、
カルテルは社会的、
経済的に影響するところも大きく、最近においては物価対策の
観点からも論議されているところでありますので、違法な物価
カルテルの取り締まりを十分実施することはもとよりのこと、適法に承認された
カルテルについても、その後の経過を十分看視し、必要に応じ適切な措置を機動的に講ずることが必要であります。また
中小企業等協同組合法による価格
カルテルは
独禁法の適用を除外され、何ら
公正取引委員会の関与することなく認められておりますが、
中小企業等協同組合法の解釈、
独禁法との
関係等必ずしも明確でない面もあり、
中小企業団体法による
カルテルとの均衡上問題もあるので、これらの点について早急に再検討を加えるべきであります。
最後に、下請代金支払い遅延の防止については、現在
公正取引委員会とともに
中小企業庁においても調査を実施しているところであります。しかして
公正取引委員会においては親
事業者を対象として調査を行なっておりますが、調査の対象となる親
事業者の数をさらに広範囲にすることが必要であります。また、
公正取引委員会としても、親
事業者の調査とともに直接下請
事業者をも調査することにより、取り締まりの万全を期するように努力すべきであります。
以上が、附帯決議案の提案の
趣旨であります。委員各位の御賛同をお願い申し上げます。