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足鹿委員 ただいまも、関連質問で同僚吉村
委員からも強い御要望がございましたが、にもかかわらず
大臣のただいままでの答弁を聞いておりますと、実のある答弁とは私は受け取れません。農家就業動向
調査をやったということでありますが、これはもともとある農林統計の中の一項目にすぎない。いわゆる出かせぎの実態がどうかということについては、労働省その他と一体的な総合的な見地から取り組まれなければ実態も私はつかめないと思います。
それから、相談員を設置した。相談員はどういう
基準でどこどこに設置して、どういう具体的な相談員が活動して成果があがったか、
資料としてお示しを願いたい。どういうことをやりましたか。とにかく私
どもの見たところでは、現実の
調査をした
程度ですよ。それから先一歩でも進んでおる
地域は、ないとは言いませんがきわめて少ないと思います。
いま一つ聞き捨てならぬことは、必要があれば閣議で協議してやるのだから、別に閣僚
会議というようなものを持つ必要はない、
対策協議会というようなものを持つ必要はないということでございますが、それならば、私の質問が済むまで
農林大臣はこの席におってもらいたい。徹底的にあなたに認識をさせます。あなたは認識しておられないからそういう無責任なことを言う。いまも話がありましたように、出かせぎの農民
対策は
農林省だということであるならば、出かせぎをしないで済む農政を確立していくということを主軸としながら当面生じておる出かせぎ地におけるところの各種の労働条件をはじめ、あるいは社会保障制度の適用、いろいろな問題を取り上げていくということについては、労働省の真剣な協力なくして何ができますか。
また、留守家族の問題を取り上げていった場合、最近の傾向としては夫婦が出かせぎをしておる例をこの間の西
日本大会で見て私はびっくりいたしました。私の知っておる御婦人の人々が私の県からも来ておる。あなたはどういうわけだと言ったら、夫婦で来ているんだと言うから、あとはどうしていますかと言ったら、八十近いおじいちゃん、おばあさんがおるので、中学校の子供をかしらにそこで細々とやらしておるということです。もし一朝何か事変が起きたらどういう
事態が起きるのですか。最近の出かせぎ農民の実態というものは、それは
農林大臣がお
考えになっているようななまやさしいものではありませんよ。青少年の不良化が問題になっておりますが、私が
指摘したような環境に置いて青少年が不良化しないという保証がどこにありますか。住みよい環境をつくるようなことをあなたは就任のときに言っておられますが、それが住みよい環境と言えるのでしょうか。もっと突っ込んで
考えてもらいたいと思う。
特にあなたは閣僚
会議等を設ける特別措置を講ずる必要はないと放言をされましたが、
対策協議会というものは、
行政官庁のことでありますから、設けて一体どういう弊害がありますか。文部省、
厚生省、自治省、これらに呼びかけてこの問題と取り組んでいく、そういうことをしてどうして悪いのでありますか。従来いろいろの問題もっと軽微な問題で
対策協議会が持たれた事例はたくさんあるのではありませんか。どうしてその必要がないのでありますか。成果があがっておらぬから私は言っておるのであって、成果をあげておいでになるならばしつこくこんなに申しません。成果があがっておらぬから私は申し上げておるのです。就業動向
調査をした
程度や相談員を置いた
程度でこれが当面の
対策になるはずはない。先ほ
ども申しましたように、どこでだれが主宰するということは別として、重大な関心を持てば、職安の所長みずから夜行のバスにゆられて出かせぎ者の留守家族の人々を見守りながら実地の見学に出るくらいの熱意を持つ人たちのあることを私はこの際労働
大臣もおいでになったから申し上げておきますが、
農林省は一体何をしましたか。
農林省の、あなた方の出先には農政局というものがあるのじゃありませんか。東京には関東農政局があり、京都には近畿農政局があって、その星川の大阪で大会が開かれておった。きめのこまかい農政をするはずの農政局がどういう連絡をし、どういうことをやったのでありますか。相談員の設置などということよりも、そういう会合のあることはあらかじめよく
承知しておるはずである。あなた方が真剣にこの問題に対して取り組んでおらない証拠には、末端が動いておらぬではありませんか。むしろ熱意を持っておる者は地方の出かせぎ者をかかえる県知事、市町村長である。彼らはなけなしのさいふの中からいろいろな活動費も出しておりますが、では
農林省がこの問題に対して何ほどの経費を計上し、活動し、今後も活動しようとしておるか。あなたが必要でないと言われますならば、私はあなたをこのまま解放するわけにはまいりません。私の質問を最後まで労働
大臣と一緒になって聞いてください。